JP2007237304A - 打撃工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】打撃子の駆動による振動を効果的に低減することができ、カウンタウェイト機構を設けても大型化しない打撃工具を提供する。
【解決手段】運動変換ハウジング31内であって、ハンドル部10に対向する部分には、カウンタウェイト機構70が配置されている。カウンタウェイト機構70は、打撃工具1の重心Gと、ハンドル部10の握り部14との間に位置し、かつ制御基板24の上方に位置している。カウンタウェイト機構70は、第1支持部71と、第2支持部72と、ウェイト支持部材73と、カウンタウェイト74とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、打撃工具に関し、特に、制振機構を有する打撃工具に関する。
従来から制振機構を有する打撃工具が提案されている。例えば、互いに接続されたハンドル部、モータハウジング、及びギヤハウジングからなるケーシングを備える打撃工具では、モータハウジングに電動モータが収納され、ギヤハウジングは、運動変換ハウジングと、制振ハウジングと、打撃ハウジングとを備えている。運動変換ハウジング内には、電動モータの回転運動を往復運動に変換する運動変換機構が設けられている。打撃ハウジング内には、電動モータの回転軸と直交する方向に延びるシリンダが設けられている。シリンダの先端側には工具保持部が設けられ、先端工具が着脱自在に取付けられる。
また、シリンダには、その内周に摺動可能にピストンが設けられている。ピストンは、運動変換機構により、シリンダの内周に沿って往復運動される。シリンダ内の先端側には打撃子が、シリンダの内周に摺動可能に設けられている。シリンダ内であってピストンと打撃子との間には空気室が画成されている。打撃子の先端側には、中間子がシリンダ内に前後方向に摺動可能に設けられている。上述の先端工具は、中間子の先端側に位置している。
制振ハウジングは、打撃ハウジングの側方に設けられ、空気通路を介して打撃ハウジングと連通している。また、制振ハウジング、カウンタウェイト、打撃ハウジング、シリンダ、及びピストンにより画成される空間は、密閉空間となるように構成されている。制振ハウジングには、ピストンの往復方向と平行に往復運動可能なカウンタウェイトと、カウンタウェイトの両端にそれぞれ設けられた2本のバネが配置されている。
そして、電動モータの回転駆動力は、運動変換機構に伝達され、運動変換機構により、ピストンは、シリンダ内において往復運動される。ピストンの往復運動により空気室中の空気の圧力は上昇及び低下を繰り返し、打撃子に打撃力を付与する。打撃子が前進して中間子の後端に衝突し、中間子を介して打撃力が先端工具に伝達される。これにより、被削材は破砕される。
また、打撃工具の動作中に、ピストンが、先端側に移動すると、制振ハウジング、カウンタウェイト、打撃ハウジング、シリンダ、及びピストンにより画成される空間は、密閉空間であるので、カウンタウェイトは、後端側に移動する。逆に、ピストンが後端側に移動すると、カウンタウェイトは先端側に移動する。このように、ピストンの往復運動に連動して、カウンタウェイトが往復運動するように構成されている。(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−299036号公報
しかし、上記の打撃工具では、カウンタウェイトが振動するときに、2本のバネと制振ハウジングとの間の摩擦により、カウンタウェイトがうまく振動しなかった。これにより、打撃子の駆動による振動をうまく低減することができなかった。また、制振ハウジングを打撃ハウジングの側方に設けているため、打撃工具の大型化を招いていた。
そこで、本発明は、打撃子の駆動による振動を効果的に低減することができ、カウンタウェイト機構を設けても大型化しない打撃工具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、ハウジングと、前記ハウジングに収容され、回転駆動力を発生する電動モータと、前記電動モータの回転を前記モータの回転軸と直交する方向の往復運動に変換する往復運動変換部と、前記ハウジングの先端側に取り付けられ、前記往復運動変換部の往復運動により駆動する先端工具と、前記ハウジングの後部に設けられたハンドルと、前記ハウジング内であって前記ハンドルに対向する部分には、前記往復運動に起因して発生する振動を低減するカウンタウェイト機構が配置された打撃工具を提供している。
ここで、前記カウンタウェイト機構と対向し、前記電動モータの回転速度を制御する制御基板を更に備えることが好ましい。
更に、前記制御基板は、前記モータと、前記ハンドルとの間に配置され、
前記カウンタウェイト機構は、前記モータの回転軸と平行に延びる方向において、前記制御基板と対向することが好ましい。
また、前記電動モータの回転を出力する出力軸と、前記出力軸よりも前記先端工具側に配置され前記出力軸の回転による回転力を前記往復運動変換部に伝達する伝達軸と、を更に有し、前記カウンタウェイト機構は、前記伝達軸と、前記ハンドルとの間に配置されていることが好ましい。
また、前記カウンタウェイト機構は、カウンタウェイトと、前記カウンタウェイトを支持するウェイト支持部材とを備え、前記カウンタウェイトの重心位置は、前記重心位置を通りかつ前記往復運動に平行に延びる直線より前記直線運動変換部側に位置することが好ましい。
また、前記ハンドルは、握り部を有し、前記カウンタウェイトは、前記握り部と前記打撃工具の重心位置との間に配置されていることが好ましい。
請求項1に記載の打撃工具によれば、ハウジング内であってハンドルに対向する部分には、往復運動に起因して発生する振動を低減するカウンタウェイト機構が配置されているので、カウンタウェイト機構を設けたことによる打撃工具の大型化を抑制することができる。
請求項2に記載の打撃工具によれば、カウンタウェイト機構と対向し、電動モータの回転速度を制御する制御基板を備えているので、制御基板に対向するハウジングの空きスペースを有効利用することができ、カウンタウェイト機構を設けたことによる打撃工具の大型化を抑制することができる。
請求項3に記載の打撃工具によれば、制御基板は、モータと、ハンドルとの間に配置され、カウンタウェイト機構は、モータの回転軸と平行に延びる方向において、制御基板と対向する。よって、制御基板を設けたことにより生じるハウジングの空きスペースを有効利用することができ、カウンタウェイト機構を設けたことによる打撃工具の大型化を抑制することができる。
請求項4に記載の打撃工具によれば、電動モータの回転を出力する出力軸と、出力軸よりも先端工具側に配置され出力軸の回転による回転力を往復運動変換部に伝達する伝達軸とを更に有し、カウンタウェイト機構は、伝達軸と、ハンドルとの間に配置されている。よって、伝達軸を出力軸の先端側に配置したことにより生じた電動モータに対向する空間に、カウンタウェイト機構を配置することができる。従って、電動モータに対向する空きスペースを有効利用することができ、カウンタウェイト機構を設けたことによる打撃工具の大型化を抑制することができる。
請求項5に記載の打撃工具によれば、カウンタウェイト機構は、カウンタウェイトと、前記カウンタウェイトを支持するウェイト支持部材とを備え、前記カウンタウェイトの重心位置は、前記重心位置を通りかつ前記往復運動に平行に延びる直線より前記直線運動変換部側に位置する。よって、往復運動変換部の往復運動による重心Gを中心とする回転モーメントを低減することができる。
請求項6に記載の打撃工具によれば、前記ハンドルは、握り部を有し、前記カウンタウェイトは、前記握り部と前記打撃工具の重心位置との間に配置されている。よって、往復運動変換部の往復運動による重心Gを中心とする回転モーメントを低減することができる。
本発明の第1の実施の形態の打撃工具について図1から図2に基づき説明する。図1における左側を打撃工具1の先端側、右側を打撃工具1の後端側として以下説明する。打撃工具1は、互いに接続されたハンドル部10、モータハウジング20、及びギヤハウジング30からなるケーシングを備えている。
ハンドル部10には、電源ケーブル11が取付けられると共に、スイッチ機構12が内蔵されている。スイッチ機構12には、使用者により操作可能なトリガ13が機械的に接続されている。電源ケーブル11は、スイッチ機構を図示せぬ外部電源に接続し、トリガ13を操作することにより、後述の電動モータ21と外部電源との接続と断続とを切換えることができるようになっている。また、ハンドル部10は、使用者が打撃工具1を使用するときに握る握り部14を有している。
モータハウジング20は、ハンドル部10の先端側下部に設けられている。電動モータ21は、モータハウジング20内に収納されている。電動モータ21は、その回転駆動力を出力する出力軸22を備えている。出力軸22の先端には、ピニオンギヤ23が設けられており、ギヤハウジング30内に位置している。また、モータハウジング20内であって、電動モータ21の後端側には、電動モータ21の回転速度を制御するための制御装置24が配置されている。
ギヤハウジング30は、運動変換ハウジング31と、打撃ハウジング32とを備えている。運動変換ハウジング31は、モータハウジング20の上部に位置し、その後端はハンドル部10と接続されている。打撃ハウジング32は、モータハウジング20の上部に位置している。
運動変換ハウジング31内には、ピニオンギヤ23の後端側において、出力軸22と平行に延びるクランク軸34が回転可能に支承されている。クランク軸34の下端には、ピニオンギヤ23と噛合する第1ギヤ35が同軸固定されている。クランク軸34の上端部には、運動変換機構36が設けられている。運動変換機構36は、クランクウェイト37、クランクピン38、及びコンロッド39を有している。クランクウェイト37は、クランク軸34の上端に固定されている。クランクピン38は、クランクウェイト37の端部に固定されている。コンロッド39の後端には、クランクピン38が挿入されている。
また、運動変換ハウジング31内には、ピニオンギヤ23の先端側において、出力軸22と平行に延びる回転伝達軸51が回転可能に支承されている。回転伝達軸51の下端には、ピニオンギヤ23と噛合する第2ギヤ52が同軸固定されている。回転伝達軸51の上端には、第1ベベルギヤ51Aが同軸固定されている。
打撃ハウジング32内には、出力軸22と直交する方向に延びるシリンダ40が設けられている。シリンダ40の中心軸と、出力軸22の回転軸は、同一平面上に位置している。また、シリンダ40の後端部は、電動モータ21と対向している。また、シリンダ40内には、その内周に摺動可能にピストン43が設けられている。ピストン43は、ピストンピン43Aを有し、コンロッド39の先端には、ピストンピン43Aが挿入されている。シリンダ40内の先端側には打撃子44が、シリンダ40の内周に摺動可能に設けられている。シリンダ40内であってピストン43と打撃子44との間には空気室45が画成されている。
また、打撃ハウジング32内には、シリンダ40の外周を覆うように回転シリンダ50が回転可能に支承されている。また、回転シリンダ50は、シリンダ40よりも先端側に延び、その先端部には工具保持部15が設けられ、図示せぬ先端工具が着脱自在に取付けられる。回転シリンダ50の後端部には、第1ベベルギヤ51Aと噛合する第2ベベルギヤ50Aが設けられている。回転シリンダ50の中心軸と出力軸22の回転軸とは同一平面上に位置している。また、打撃子44の先端側には、中間子46が回転シリンダ50内に前後方向に摺動可能に設けられている。
運動変換ハウジング31内であって、ハンドル部10に対向する部分には、カウンタウェイト機構70が配置されている。カウンタウェイト機構70は、打撃工具1の重心Gと、ハンドル部10の握り部14との間に位置し、かつ制御基板24の上方に位置している。カウンタウェイト機構70について、図1及び図2に基づき説明する。カウンタウェイト機構70は、第1支持部71と、第2支持部72と、ウェイト支持部材73と、カウンタウェイト74とを備えている。第1支持部71及び第2支持部72はピストン43の往復運動の方向と直交する平面上に互いに対向するように設けられている。第1支持部71は、一対のゴムにより構成され、運動変換ハウジング31の上端に固定されている。第2支持部72は、一対の鋼材のローラにより構成され、運動変換ハウジング31に固定されている。
ウェイト支持部材73は、板バネにより構成されている。ウェイト支持部材73の上端部は、L字状をなし、一対の第1支持部71の間に配置され、線接触により支持されている。第1支持部71はゴムにより構成されているので、ウェイト支持部材73の上端部は、第1支持部71に対し、上下方向に移動可能に支持される。ウェイト支持部73の下端部は、一対の第2支持部72の間に配置され、線接触により支持されている。第2支持部72はローラにより構成されているので、第2支持部72に対し、ウェイト支持部材73の下端部は、上下方向に移動可能に支持される。カウンタウェイト74は、ウェイト支持部材73の上下方向の略中央にボルト75により固定されている。よって、カウンタウェイト74は、ウェイト支持部材73により両持ち支持される。図2に示すように、カウンタウェイト74は、ウェイト支持部材73が延びる方向と直交する方向に延びウェイト支持部材73に固定される基部74Aと、基部74Aの両端からウェイト支持部材73に沿って延びる二本の脚部74BとからなるH字状をなしている。
次に、第1の実施の形態による打撃工具1の動作について説明する。ハンドル部10を手で把持した状態で、図示せぬ先端工具を図示せぬ被削材に押し当てる。次に、トリガ12を引き、電動モータ21に電力を供給し回転駆動させる。この回転駆動力は、ピニオンギヤ23及び第1ギヤ35を介してクランク軸34に伝達される。クランク軸34の回転は、運動変換機構36(クランクウェイト37、クランクピン38、及びコンロッド39)によって、シリンダ40内におけるピストン43の往復運動に変換される。ピストン43の往復運動により空気室45中の空気の圧力は上昇及び低下を繰り返し、打撃子44に打撃力を付与する。打撃子44が前進して中間子46の後端に衝突し、中間子46を介して打撃力が図示せぬ先端工具に伝達される。
また、電動モータ21の回転駆動力は、ピニオンギヤ23、第2ギヤ52、回転伝達軸51に伝達される。回転伝達軸51の回転は、第1ベベルギヤ51A及び第2ベベルギヤ50Aを介して回転シリンダ50に伝達され、回転シリンダ50は回転する。回転シリンダ50の回転により、先端工具に回転力が付与される。この回転力と上記の打撃力により、図示せぬ先端工具には回転力と打撃力とが付与され、被削材は破砕される。
上記の打撃工具1の動作時には、打撃子44の往復動に起因する一定周期の振動が打撃工具1に発生し、運動変換ハウジング31を介して、第1支持部71及び第2支持部72に伝達される。第1支持部71及び第2支持部72に伝達された振動は、ウェイト支持部材73及びカウンタウェイト74に伝達され、カウンタウェイト74は、ピストン43の往復運動方向と同じ方向に振動する。この振動により、打撃による打撃工具1の振動を低減することができ、打撃工具1の操作性を向上させることができる。
具体的には、カウンタウェイト74の振動により、カウンタウェイト74及び板バネであるウェイト支持部材73により決定される共振振動数を中心とする一定の幅を有する周波数帯の振動が低減される。尚、当該共振振動数は、打撃工具1の打撃により発生する振動の振動数とほぼ等しく設定されている。ここで、板バネであるウェイト支持部材73のばね定数をk1(カウンタウェイト74より上方に位置するウェイト支持部材73のばね定数)、k2(カウンタウェイト74より下方に位置するウェイト支持部材73のばね定数)とし、カウンタウェイト74の質量をmとすると、共振周波数(共振点)fは、f=1/2π・(k1+k2)1/2となる。実際には、減衰などの影響により共振周波数は、若干低くなると共に、共振する周波数帯が若干広くなる。よって、上記の式から導き出される共振点は、打撃工具1の振動の振動数よりも、若干高めに設定される。
上記のように、カウンタウェイト74はウェイト支持部材73により両持ち支持されるので、カウンタウェイトを片持ち支持した時に発生する回転モーメントを防止することができる。また、ウェイト支持部材73の両端部は、それぞれ第1支持部71及び第2支持部72に対し移動可能に支持されている。よって、板バネであるウェイト支持部材73及びカウンタウェイト74と運動変換ハウジング31との間で摩擦が発生しないので、ウェイト支持部材73及びカウンタウェイト74は、ピストン43の往復運動方向と同方向の振動を円滑に行うことができる。従って、打撃子44の往復動に起因する打撃工具1の振動を効果的に低減することができ、打撃工具1の操作性を向上させることができる。また、ウェイト支持部材73の上端部は、L字状をなしているので、第1支持部71からウェイト支持部材73が抜けるのを防止することができる。更に、カウンタウェイト74は、H字状をなしている。よって、所望の共振周波数を得るためにある程度長さの必要なウェイト支持部材73の長さを短くすることができるので、カウンタウェイトユニット全体のコンパクト化を図ることができる。
また、カウンタウェイト機構70は、ハンドル部10の対向部であって、制御基板24の上に配置されているので、制御基板24上の空きスペースを有効利用することができ、カウンタウェイト機構70を設けたことによる打撃工具1の大型化を抑制することができる。カウンタウェイト機構70は、握り部14と重心Gとの間に配置されているので、ピストン43の往復運動による重心Gを中心とする回転モーメントを低減することができる。また、従来の打撃工具のように、カウンタウェイトを支持するバネが、カウンタウェイトのピストンの往復方向に沿う両端に設けられていないので、バネとハウジングとの間の摩擦を防止することができ、効果的に振動を吸収することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態における打撃工具101について、図3に基づき説明する。尚、第1の実施の形態と同一の部材については同一の番号を付し説明を省略し、異なる部分についてのみ説明をする。本実施の形態における打撃工具101は、第1の実施の形態の打撃工具1が備えていた回転シリンダ50及び制御基板24を備えていない。よって、打撃時に先端工具に回転力は付与されず、また電動モータ21は、一定速度で回転する。
カウンタウェイト機構170は、第1の実施の形態の打撃工具101と同様に、運動変換ハウジング31内であって、ハンドル部10に対向する部分に配置されている。カウンタウェイト機構170は、第1支持部171と、第2支持部172と、ウェイト支持部材173と、カウンタウェイト174とを備えている。第1支持部171について、図4及び図5に基づき説明する。第1支持部171は、ボルト171Aと、ワッシャー171Bと、スペーサ171Cとを有している。板バネからなるウェイト支持部材173には、ボルト挿通穴173aが形成されている。ボルト171Aが、ワッシャー171B、スペーサ171C、及びボルト挿通穴173aを挿通することにより、ウェイト支持部材173の上端は、運動変換ハウジング31に固定される。ウェイト支持部材173の下端部は、ゴムからなる一対の第2支持部172の間に配置され、線接触により支持されている。第2支持部172はゴムにより構成されるので、ウェイト支持部材173の下端部は、第2支持部172に対し移動可能に支持される。カウンタウェイト174は、ウェイト支持部材173の上下方向の略中央に固定されている。
本実施の形態のカウンタウェイト機構170によっても、打撃子44の往復動に起因する打撃工具101の振動を効果的に低減することができる。また、上記のように、カウンタウェイト機構170は、ボルト171Aと、ワッシャー171Bと、スペーサ171Cとにより構成されている。よって、ウェイト支持部材173の上端部に負荷される荷重を調整することができる。これにより、ウェイト支持部材73及びカウンタウェイト174の振動を制御することができ、カウンタウェイト機構170の共振周波数を調整することができる。また、打撃工具101の他の効果については、第1の実施の形態の打撃工具1の効果と同様である。
次に、本発明の第3の実施の形態における打撃工具201について、図6に基づき説明する。尚、第1の実施の形態と同一の部材については同一の番号を付し説明を省略し、異なる部分についてのみ説明をする。
運動変換ハウジング31内であって、ハンドル部10に対向する部分には、カウンタウェイト機構270が配置されている。カウンタウェイト機構270は、打撃工具201の重心を通りかつピストン43の往復運動方向に平行に延びる直線よりも上側に位置し、かつ制御基板24の上方に位置している。カウンタウェイト機構270は、一対の第1支持部271と、一対の第2支持部272と、ウェイト支持部材273と、カウンタウェイト274とを備えている。一対の第1支持部271は、ゴムにより構成され、運動変換ハウジング31の上端に固定されている。一対の第2支持部272も、ゴムにより構成され、運動変換ハウジング31に固定されている。
ウェイト支持部材273は、板バネにより構成されている。ウェイト支持部材273の上端部は、一対の第1支持部271の間に配置され、線接触により支持されている。第1支持部271はゴムにより構成されているので、ウェイト支持部材273の上端部は、第1支持部271に対し、上下方向に移動可能に支持される。ウェイト支持部273の下端部は、一対の第2支持部72の間に配置され、線接触により支持されている。第2支持部272もゴムにより構成されているので、第2支持部272に対し、ウェイト支持部材273の下端部は、上下方向に移動可能に支持される。よって、カウンタウェイト274は、ウェイト支持部材273により両持ち支持される。カウンタウェイト274は、ウェイト支持部材273の上下方向の略中央に固定されている。
本実施の形態のカウンタウェイト機構270によっても、打撃子44の往復動に起因する打撃工具101の振動を効果的に低減することができる。また、上記のように、カウンタウェイト機構270は、打撃工具201の重心を通りかつピストン43の往復運動方向に平行に延びる直線よりも上側に位置しているので、ピストン43の往復運動よる重心Gを中心とする回転モーメントを低減することができる。また、打撃工具201の他の効果については、第1の実施の形態の打撃工具1の効果と同様である。
次に、本発明の第4の実施の形態における打撃工具301について、図7に基づき説明する。尚、第1の実施の形態と同一の部材については同一の番号を付し説明を省略し、異なる部分についてのみ説明をする。
クランク軸34は、ピニオンギヤ23の先端側に配置されている。第1ギヤ35の下部には、第3ギヤ34Aがクランク軸34に同軸固定されている。クランク軸34の先端側に回転伝達軸51は配置されている。第2ギヤ52と第3ギヤ34Aとは噛合うように構成されている。電動モータ21の回転駆動力は、ピニオンギヤ23、第1ギヤ35、第3ギヤ34A、及び第2ギヤ52を介して回転伝達軸51に伝達される。そして、回転伝達軸72の回転は、第1ベベルギヤ51A及び第2ベベルギヤ50Aを介して回転シリンダ50に伝達され、回転シリンダ50は回転する。回転シリンダ70の回転により、図示せぬ先端工具に回転力が付与される。
クランク軸34をピニオンギヤ23の先端側に配置したことにより生じた電動モータ21の上側に空間に、カウンタウェイト機構370は配置されている。カウンタウェイト機構370は、第1支持部371と、第2支持部372と、ウェイト支持部材373と、カウンタウェイト374とを備えている。第1支持部371及び第2支持部372は、コの字状をなし、コの字状開口部は互いに対向している。ウェイト支持部材373は、板バネにより構成され、その両端はそれぞれ、第1支持部371及び第2支持部372の開口部に挿入され、線接触により支持されている。カウンタウェイト374は、ウェイト支持部材373の上下方向の略中央に固定されている。よって、カウンタウェイト374は、ウェイト支持部材373により両持ち支持される。
本実施の形態のカウンタウェイト機構370によっても、打撃子44の往復動に起因する打撃工具301の振動をを効果的に低減することができる。また、上記のように、クランク軸34をピニオンギヤ23の先端側に配置したことにより生じた電動モータ21の上側に空間に、カウンタウェイト機構370を配置している。よって、電動モータ21の上方の空きスペースを有効利用することができ、カウンタウェイト機構370を設けたことによる打撃工具301の大型化を抑制することができる。また、本実施の形態の打撃工具301の他の効果は、第1の実施の形態の打撃工具1の効果と同様である。
次に、本発明の第5の実施の形態における打撃工具401について、図8に基づき説明する。尚、第1の実施の形態と同一の部材については同一の番号を付し説明を省略し、異なる部分についてのみ説明をする。
カウンタウェイト機構470は、ハンドル部10の対向部であって、制御基板24の上に配置されている。カウンタウェイト機構470は、二本の支持部471と、四本のバネ473と、二個のカウンタウェイト474とを備えている。二本の支持部471は、ピストン43の往復運動方向と並行に延び、運動変換ハウジング31に固定されている。二個のカウンタウェイト474は、それぞれ支持部471に摺動移動可能に支持されている。4本のバネ473は、それぞれカウンタウェイト474の両端に配置され、カウンタウェイト474と運動変換ハウジング31との間に介装されている。
本実施の形態のカウンタウェイト機構470によっても、カウンタウェイト474が振動することにより、打撃子44の往復動に起因する打撃工具401の振動を効果的に低減することができる。また、本実施の形態の打撃工具401の他の効果は、第1の実施の形態の打撃工具1の効果と同様である。
次に、本発明の第6の実施の形態における打撃工具501について、図9及び図10に基づき説明する。打撃工具501は、ハンドル部10とモータハウジング20と、ウェイトハウジング60と、ギヤハウジング80とによりケーシングが構成される。
ハンドル部10には電源ケーブル11が取付けられると共に、スイッチ機構12が内蔵されている。スイッチ機構12には使用者により操作可能なトリガ13が機械的に接続されている。電源ケーブル11はスイッチ機構12を外部電源(図示せず)に接続し、トリガ13を操作することにより、スイッチ機構12と電源との接続と断続とが切換えられる。
モータハウジング20は、ハンドル部10の上部に設けられている。ハンドル部10とモータハウジング20とは、プラスチックで一体成型されている。モータハウジング20内には電動モータ21が収納されている。電動モータ21は出力軸22を備えて回転駆動力を出力する。
ウェイトハウジング60は、モータハウジング20の前方に設けられた樹脂成型品である。ウェイトハウジング60は、モータハウジング20側に位置する第1ウェイトハウジング60Aと、ギヤハウジング80側に位置する第2ウェイトハウジング60Bとを有している。ウェイトハウジング60内には、第1中間シャフト61が、出力軸22が延びる方向と同方向に延びるように配置され、軸受62及び63により回転可能に支承されている。第1中間シャフト61の後端は出力軸22と連結している。第1中間シャフト61の先端は、ギヤハウジング80内に位置し、第4ギア61Aが設けられている。
また、ウェイトハウジング60内には、カウンタウェイト機構570が配置されている。図9のX-X線に沿った断面図である図10に示すように、カウンタウェイト機構570は、支持部571、572と、一対のウェイト支持部材573と、カウンタウェイト574と、ボルト575とを備えている。支持部571、572は、第2ウェイトハウジング60Bの上下方向の両端にそれぞれ設けられている。一対のウェイト支持部材573は、板バネにより構成されている。図9に示すように、ウェイト支持部材573の上下両端部は、略L字状をなし、その先端部は、第2ウェイトハウジング60Bに形成された凹部60c内に位置している。また、ウェイト支持部材573の上端部は、支持部571により支持され、ウェイト支持部材573の下端部は、支持部572により支持されている。
カウンタウェイト574は、断面略円形をなし、その中心部には、シャフト挿通穴574aが形成されている。また、カウンタウェイト574は、ボルト575により、ウェイト支持部材573に固定されている。よって、カウンタウェイト574は、一対のウェイト支持部材573により両持ち支持される。また、シャフト挿通穴574aには、第1中間シャフト61が挿通されている。
ギヤハウジング80は第2ウェイトハウジング60Bの前方に設けられた樹脂成型品である。ギヤハウジング80の内部には、ギヤハウジング80とウェイトハウジング60との間を仕切る金属製の仕切部材80Aが設けられている。ギヤハウジング80と仕切部材80Aとによって、後述の回転伝達機構を収容する機構室である減速室80aを画成する。ギヤハウジング80内には、出力軸21と平行に第2中間シャフト82が、軸受82B、82Cを介してギヤハウジング80と仕切部材80Aとに、その軸心を中心に回転可能に支承されている。またギヤハウジング80の、後述する工具保持部15近傍には、サイドハンドル16が設けられている。
第2中間シャフト82の電動モータ21側端部には、第4ギア61Aと噛合する第5ギヤ81が同軸固定されている。第2中間シャフト82の先端側にはギヤ部82Aが形成され、後述する第6ギヤ83と噛合している。ギヤハウジング80内であって第2中間シャフト82の上方の位置には、シリンダ84が設けられている。シリンダ84は第2中間シャフト82と平行に延び、仕切部材80Aに回転可能に支承されている。第6ギヤ83はシリンダ84の外周に固定され、上述したギヤ部82Aとの噛合により、シリンダ84はその軸心を中心として回転可能である。
シリンダ84の先端側には上述した工具保持部15が設けられ、図示せぬ先端工具が着脱自在に取付けられる。第2中間シャフト82の中間部分には、バネによって電動モータ21方向に付勢されるクラッチ86がスプライン係合されており、クラッチ86は、ギヤハウジング80の下部に設けたチェンジレバ87によってハンマドリル・モード(図示した位置)とドリルモード(クラッチ86が先端方向に移動した位置)との間で切換え可能である。クラッチ86の電動モータ21側には、回転運動を往復運動に変換する運動変換部90が第2中間シャフト82に回転可能に外装されている。運動変換部90の腕部90Aは、第2中間シャフト82の回転により打撃工具501の前後方向に往復動作可能に設けられている。
クラッチ86がチェンジレバ87によってハンマドリル・モードに切換えられているときには、クラッチ86により第2中間シャフト82と運動変換部90とが結合するように構成されており、運動変換部90は、ピストンピン91を介して、シリンダ84内に設けられたピストン92と連動するように接続される。ピストン92は、第2中間シャフト82と平行な方向に往復運動可能且つシリンダ84内で摺動可能に装着されている。ピストン92内には打撃子93が内装されており、シリンダ84内であってピストン92と打撃子93の間には空気室94が画成される。打撃子93の空気室側反対位置には、中間子95がシリンダ84内にピストン92の運動方向に摺動可能に支承されている。中間子95の打撃子側反対位置には、図示せぬ先端工具が位置している。よって打撃子93は中間子95を介して図示せぬ先端工具を打撃する。
図示せぬモータの回転出力は第1中間シャフト61、第4ギア61A、及び第5ギヤ81を介して第2中間シャフト82に伝わる。第2中間シャフト82の回転は、ギヤ部82Aとシリンダ84に外装した第6ギヤ83の噛合によりシリンダ84に伝わり、図示せぬ先端工具に回転力が伝えられる。チェンジレバ87を操作することによりクラッチ86をハンマドリル・モードに移動させると、クラッチ86が運動変換部90と結合し、第2中間シャフト82の回転駆動力が運動変換部90に伝わる。運動変換部90では回転駆動力がピストンピン91を介してピストン92の往復運動に変換される。ピストン92の往復運動により打撃子93とピストン92との間に画成された空気室94中の空気の圧力は上昇及び低下を繰り返し、打撃子93に打撃力を付与する。打撃子93が前進して中間子95の後端面に衝突し、中間子95を介して打撃力が図示せぬ先端工具に伝達される。このようにしてハンマドリル・モードでは図示せぬ先端工具に回転力と打撃力が同時に付与される。
クラッチ86がドリルモードにあるときは、クラッチ86は第2中間シャフト82と運動変換部90との接続を断ち、第2中間シャフト82の回転駆動力のみがギヤ部82A、第6ギヤ83を介してシリンダ84に伝達される。よって、図示せぬ先端工具には回転力のみが付与されるように構成されている。
本実施の形態の打撃工具501の動作時においても、打撃子93の往復動に起因するほぼ一定周期の振動が打撃工具501に発生する。この振動が第2ウェイトハウジング60Bを介して、支持部571、572に伝達される。支持部571、572に伝達された振動は、ウェイト支持部材573及びカウンタウェイト574に伝達され、カウンタウェイト574は、ピストン92の往復運動方向と同じ方向に振動する。この振動により、打撃による打撃工具501の振動を低減することができ、打撃工具501の操作性を向上させることができる。
尚、本発明の打撃工具は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、第1の実施の形態の打撃工具1の第2支持部72は、鋼材のローラにより構成されていたがこれに限られず、摺動性の良い部材、例えば、含浸メタル等であれば良い。また、図11に示すように、第2の実施の形態において、カウンタウェイト174の形状は、打撃工具101を側方から見たときに、ウェイト支持部材173が延びる方向と直交する方向に延びウェイト支持部材173に固定される基部174Aと、基部174Aの両端からウェイト支持部材173から離間しつつウェイト支持部材173を間に挟んで延びる二本の脚部174BとからなるH字状をなしていてもよい。このような構成によれば、所望の共振周波数を得るためにある程度長さの必要なウェイト支持部材173の長さを短くすることができるので、カウンタウェイトユニット全体のコンパクト化を図ることができる。
本発明の第1の実施の形態の打撃工具の断面図。 本発明の第1の実施の形態の打撃工具のカウンタウェイト機構を後端側から見た図。 本発明の第2の実施の形態の打撃工具の断面図。 本発明の第2の実施の形態の打撃工具のカウンタウェイト機構の分解図。 本発明の第2の実施の形態の打撃工具のカウンタウェイト機構の拡大図。 本発明の第3の実施の形態の打撃工具の断面図。 本発明の第4の実施の形態の打撃工具の断面図。 本発明の第5の実施の形態の打撃工具の断面図。 本発明の第6の実施の形態の打撃工具の断面図。 図9のX-X線に沿った断面図。 本発明の第2の実施の形態の打撃工具のカウンタウェイト機構の変更例を示す図。
符号の説明
1、101、201、301、401、501 打撃工具、 10 ハンドル部、 14 握り部、 21 電動モータ、 22 出力軸、 24 制御基板、 34 クランク軸、 35 第1ギヤ、 36 運動変換機構、 37 クランクウェイト、 38 クランクピン、 39 コンロッド、 40 シリンダ、 43、92 ピストン、 44、93 打撃子、 46、95 中間子、 70、170、270、370、470、570 カウンタウェイト機構、 71、171、271、371、571 第1支持部、 72、172、272、372、572 第2支持部、 73、173、273、373、573 ウェイト支持部材、 74、174、274、374、474、574 カウンタウェイト、 75、575 ボルト、 74A 基部、 74B 脚部、 90 運動変換部、 90A 腕部、 91 ピストンピン、 ボルト171A、 ワッシャー171B、 スペーサ171C、 支持部 471、 473 バネ

Claims (6)

  1. ハウジングと、
    前記ハウジングに収容され、回転駆動力を発生する電動モータと、
    前記電動モータの回転を前記モータの回転軸と直交する方向の往復運動に変換する往復運動変換部と、
    前記ハウジングの先端側に取り付けられ、前記往復運動変換部の往復運動により駆動する先端工具と、
    前記ハウジングの後部に設けられたハンドルと、
    前記ハウジング内であって前記ハンドルに対向する部分には、前記往復運動に起因して発生する振動を低減するカウンタウェイト機構が配置されていることを特徴とする打撃工具。
  2. 前記カウンタウェイト機構と対向し、前記電動モータの回転速度を制御する制御基板を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の打撃工具。
  3. 前記制御基板は、前記モータと、前記ハンドルとの間に配置され、
    前記カウンタウェイト機構は、前記モータの回転軸と平行に延びる方向において、前記制御基板と対向することを特徴とする請求項2に記載の打撃工具。
  4. 前記電動モータの回転を出力する出力軸と、前記出力軸よりも前記先端工具側に配置され前記出力軸の回転による回転力を前記往復運動変換部に伝達する伝達軸と、を更に有し、前記カウンタウェイト機構は、前記伝達軸と、前記ハンドルとの間に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の打撃工具。
  5. 前記カウンタウェイト機構は、カウンタウェイトと、前記カウンタウェイトを支持するウェイト支持部材とを備え、
    前記カウンタウェイトの重心位置は、前記重心位置を通りかつ前記往復運動に平行に延びる直線より前記直線運動変換部側に位置することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の打撃工具。
  6. 前記ハンドルは、握り部を有し、前記カウンタウェイトは、前記握り部と前記打撃工具の重心位置との間に配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の打撃工具。
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