JP2007237087A - 移動式水処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】必要な場所に移動できるとともに、無駄な電力消費を伴わず、原水中に含まれる有機物を効率的に除去できる移動式水処理装置を提供する。
【解決手段】水処理装置100は、トラック70のキャビン71の後方に設けられたステージ72上に設置されているので必要場所に速やかに移動できる。水処理部200は、水処理支持枠90内にコンパクトに纏めて支持され、コジェネ部300は、ガス発電機310及び貯湯槽320をユニット化してコンパクトに纏められてコジェネ土台枠80上に設置されることで、トラック70のステージ72上に設置できる。また、ステージ72上に浴槽ユニット190を設けたことで、給湯設備のない場所においてもシャワー水を浴びたり、風呂に入ることもできる。
【選択図】図5

Description

本発明は移動式水処理装置に関し、詳細には、発電手段を備え、当該発電手段で発生した電力を利用して原水を浄化する移動式水処理装置に関する。
従来、軽油、重油、ガソリン等の油や、LPG等のガスを燃料としたエンジンの駆動力でポンプを起動させ、防火用水などを飲料水に浄化する災害用水処理装置が知られている。しかし、この災害用水処理装置は、災害時に個別に使用するのがほとんどであり、飲料水・生活用水・殺菌水・シャワー水など被災住民の暮らしを包括的に救済する手段にはなり得なかった。そこで、例えば、コジェネレーション発電設備からの電力を利用することにより、水の浄化システムを駆動することができる災害用設備及び造水装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この造水装置は、逆浸透膜(RO)、精密ろ過膜又は限外ろ過膜等を備えたろ過設備、蒸留設備、殺菌設備を備えた浄化システムを備えているので、原水中の不純物や有害物等の除去及び浄化水の殺菌が可能である。さらに、コジェネレーション発電設備からの排熱を利用できるので、浄化システムにより生成された衛生水を加熱することができる。よって、飲料水のみならず、シャワー水や浴槽水等を供給することができる。
特開2001−259613号公報
しかしながら、特許文献1に記載の災害用設備及び造水装置は大型であるので移動させることができない。そのため必要な場所にこの造水装置を移動させて飲料水、温水等を迅速に供給できないという問題点があった。また、この造水装置では、原水中に含まれる有機物は蒸留設備によって除去されるが、その蒸留設備の熱源にかかる電力消費が大きいため、コジェネレーション発電設備からの限られた電力しか得られない環境下では好ましくないという問題点があった。さらに、ろ過設備によってろ過された処理水を全て蒸留するには長時間を要するため、純度の高い処理水を得るためには時間がかかるという問題点もあった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、必要な場所に移動できるとともに、無駄な電力消費を伴わず、原水中に含まれる有機物を効率的に除去できる移動式水処理装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明の移動式水処理装置は、発電手段と、当該発電手段で発生した電力を利用して水処理を行う水処理手段とを備え、前記発電手段及び前記水処理手段は車載型であることを特徴とする。
また、請求項2に係る発明の移動式水処理装置は、発電手段と、当該発電手段で発生した電力を利用して水処理を行う水処理手段と、前記発電手段及び前記水処理手段を支持するフレーム枠と、当該フレーム枠に設けられ、前記フレーム枠を吊り下げるための吊り下げ係止部とを備えている。
また、請求項3に係る発明の移動式水処理装置は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記水処理手段は、原水をろ過するろ過手段と、当該ろ過手段によってろ過されたろ過水に、次亜塩素酸ソーダを注入して塩素殺菌する第1の塩素殺菌手段と、当該塩素殺菌手段によって塩素殺菌された処理水に紫外線を照射して殺菌する紫外線照射手段と、当該紫外線照射手段によって殺菌された処理水に含まれる有機物を活性炭によって吸着する活性炭吸着手段と、当該活性炭吸着手段によって処理された処理水を塩素殺菌する第2の塩素殺菌手段とで構成されている。
また、請求項4に係る発明の移動式水処理装置は、請求項3に記載の発明の構成に加え、食塩水を電気分解する電解槽と、当該電解槽で生成された次亜塩素酸ソーダを、前記第1の塩素殺菌手段及び前記第2の塩素殺菌手段に各々供給する塩素供給手段とを備えている。
また、請求項5に係る発明の移動式水処理装置は、請求項3又は4に記載の発明の構成に加え、前記ろ過手段は、クロスフローろ過であることを特徴とする。
また、請求項6に係る発明の移動式水処理装置は、請求項3乃至5の何れかに記載の発明の構成に加え、前記紫外線照射手段は、180nm及び254nmの紫外光を照射する低圧水銀灯であることを特徴とする。
また、請求項7に係る発明の移動式水処理装置は、請求項1乃至6の何れかに記載の発明の構成に加え、前記発電手段は、ガソリンエンジン方式、 ディーゼルエンジン方式、ガスエンジン方式、ガスタービン方式又は燃料電池方式で発電する発電装置と、当該発電装置の排熱を利用して、前記水処理手段によって処理された最終処理水を加熱する熱交換器とを備えたコジェネレーション装置であることを特徴とする。
また、請求項8に係る発明の移動式水処理装置は、請求項7に記載の発明の構成に加え、前記熱交換器で加熱された湯をシャワー水として供給するシャワーと、前記熱交換器で加熱された湯を貯留する浴槽と、当該浴槽内の湯を再度加熱する加熱手段とを備えている。
また、請求項9に係る発明の移動式水処理装置は、請求項1乃至8の何れかに記載の発明の構成に加え、前記発電手段は、電源を外部に供給する電源供給部を備えている。
請求項1に係る発明の移動式水処理装置では、発電手段及び水処理手段が車載型であるので、給水設備の無い場所に発電手段及び水処理手段を自由に移動させることができる。これにより必要な場所に発電手段及び水処理手段を移動させて飲料水等を速やかに供給できる機動力の高い移動式水処理装置を提供できる。
また、請求項2に係る発明の移動式水処理装置では、フレーム枠に設けられた吊り下げ係止部を、ワイヤー等で吊り上げることによって、発電手段及び水処理手段を支持するフレーク枠を吊り下げた状態で運搬することができる。これにより、発電手段及び水処理手段を必要な場所に運搬できるため、機動力の高い移動式水処理装置を提供することができる。例えば、災害時において、被災地の必要な場所に飲料水等を速やかに供給することができる。
また、請求項3に係る発明の移動式水処理装置では、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、紫外線照射手段によって、処理水に紫外線が照射されると、処理水が紫外線殺菌される。さらに、第1の塩素殺菌手段によって殺菌された処理水中に含まれる次亜塩素酸ソーダが紫外線と反応する紫外線酸化が起きる。これによって、ヒドロキシラジカル(OH−・)やオゾン(O)が生成される。そして、ヒドロキシラジカルやオゾンの強酸化作用を利用して、処理水中に含まれる有機物を分解して除去できる。さらに、このような紫外線酸化による化学反応を利用することによって、発電手段の電力を消費することもなく、有機物を効率的に除去できる。また、ヒドロキシラジカルは反応速度が速いので、処理水中に含まれる有機物を迅速に分解できる。さらに、処理水中に残存する除去されなかった有機物は、活性炭吸着手段によって活性炭に吸着されるので、該有機物に起因する臭いや色度のない処理水を得ることができる。
また、活性炭に吸着された有機物は、ヒドロキシラジカルによって分解されるので、活性炭が再生される。これにより、活性炭の寿命を延ばすことができる。さらに、ヒドロキシラジカルは不安定な物質であるため、すぐに分解される。よって、処理水中に残留する恐れがない。一方、オゾンは、活性炭吸着手段の活性炭に吸着されるので、処理水中に残留する恐れがない。さらに、活性炭吸着手段では、第1の塩素殺菌手段で過剰に注入された次亜塩素酸ソーダを分解できるので、カルキ臭の無い処理水を得ることができる。また、処理水は、第2の塩素殺菌手段によって、適正な塩素濃度に最終的に調整されるので、飲用適の最終処理水を得ることができる。
また、請求項4に係る発明の移動式水処理装置では、請求項3に記載の発明の効果に加え、電解槽で食塩水を電気分解することによって次亜塩素酸ソーダを得ることができるので、次亜塩素酸ソーダを災害時に備えて保管しておく必要がない。また、災害時では、次亜塩素酸ソーダよりも食塩の方が準備し易く、扱い易い。さらに、食塩及び水を準備出来ないときは、海水を利用して、次亜塩素酸ソーダを生成することもできる。そして、電解槽で生成された次亜塩素酸ソーダは水に溶けた状態(電解次亜塩素水)で、塩素供給手段によって、第1の塩素殺菌手段及び第2の塩素殺菌手段に各々供給されるので、第1の塩素殺菌手段及び第2の塩素殺菌手段に次亜塩素案ソーダをそれぞれ注入する手間を省略できる。
また、請求項5に係る発明の移動式水処理装置では、請求項3又は4に記載の発明の効果に加え、ろ過手段はクロスフローろ過であるので、膜面に対して平行に原水を流すので、膜面への付着物を剥離させながらろ過できる。これにより、ろ過膜の目詰まりが起こりにくく、安定したろ過を行うことができる。また、ろ過膜に目詰まりが起こりにくいので、ろ過膜の交換時期が少なく、長期間の使用が可能である。
また、請求項6に係る発明の移動式水処理装置では、請求項3乃至5の何れかに記載の発明の効果に加え、紫外線照射手段は、180nm及び254nmの紫外光を照射する低圧水銀灯であるので、ヒドロキシラジカルを多く発生できる。
また、請求項7に係る発明の移動式水処理装置では、請求項1乃至6の何れかに記載の発明の効果に加え、発電手段はコジェネレーション装置であるので、移動式水処理装置の駆動にかかる電力を発電装置によって発電できる。また、発電装置は、ガソリンエンジン方式、 ディーゼルエンジン方式、ガスエンジン方式、ガスタービン方式又は燃料電池方式のうちの何れかの方式で発電する発電できる。さらに、熱交換器により、発電装置の排熱を利用して、水処理手段によって処理された最終処理水を加熱して湯を供給することができる。そして、飲料水のみならず、シャワー水、浴槽水等の温水を被災地で供給することができる。
また、請求項8に係る発明の移動式水処理装置では、請求項7に記載の発明の効果に加え、熱交換器で加熱された湯をシャワー水として利用できる。さらに、熱交換器で加熱された湯を浴槽内に溜めて浴槽水として利用できる。さらに、浴槽水が冷めても加熱器によって再度加熱できるので、浴槽内に新たな浴槽水を追加する必要がない。
また、請求項9に係る発明の移動式水処理装置では、請求項1乃至8の何れかに記載の発明の効果に加え、電源供給部によって移動式水処理装置以外の電源を外部に供給できるので、停電した場所でも、例えば、照明、電磁調理器、電気ヒータ等の電源を供給できる。
以下、本発明の一実施形態である水処理装置1について、図面に基づいて説明する。図1は、水処理装置1の構成を示すブロック図であり、図2は、水処理装置1の配管構成を示す模式図であり、図3は、膜ろ過装置3のろ過の仕組みを模式的に示した説明図であり、図4は、塩素発生器7の配管構成を示す模式図であり、図5は、トラック70のステージ72に、水処理装置100が設置された状態を示す斜視図であり、図6は、フレーム支持枠500内に水処理装置100が支持された状態を示す斜視図である。なお、図5の左斜め上側をトラック70の前方とし、右斜め下側をトラック70の後方とし、紙面手前側をトラック70の右側とし、紙面奥行き側をトラック70の左側とする。
本実施形態である水処理装置1は、特に災害時に使用されるものであり、「発電手段」としてのコジェネユニット8(図1参照)を備えることによって、飲料水のみならず、シャワー水、浴槽水等を供給することができる。そして、水処理装置1は、池、河川、プール等を原水とし、ヒドロキシラジカルを生成する紫外線酸化法を利用することによって、原水中に含まれる有機物を効率的に分解し、より衛生的な飲料水を提供できる点に本発明の特徴を有するものである。
また、図5に示すように、本実施形態を応用した水処理装置100は、トラック70のステージ72上に設置可能であり、給水及び給湯設備のない場所に自由に移動できる点に特徴を備えている。さらに、図6に示すように、水処理装置100は、フレーム支持枠500内に支持された状態で、6本のワイヤー600で吊り下げられ、ヘリコプター等で運搬できる点にも特徴を備えている。
はじめに、水処理装置1の概略構成について説明する。図1に示すように、水処理装置1は、池・河川・プール等の淡水を原水として貯留する原水槽2と、該原水槽2に貯留された原水を膜ろ過する膜ろ過装置3と、該膜ろ過装置3で膜ろ過されたろ過水に紫外線を照射して殺菌する紫外線殺菌装置4と、該紫外線殺菌装置4で紫外線処理された処理水中に残存する有機物を吸着する活性炭を保持する活性炭吸着装置5と、該活性炭吸着装置5で吸着処理された処理水を貯留する処理水槽6と、食塩水を電気分解して電解次亜塩素水を生成する塩素発生器7と、水処理装置1を稼働させる電力を供給すると共に、発電に伴う排熱を利用して、前記処理水槽6に貯留された処理水の一部を加熱して湯を外部に供給するコジェネユニット8と、該コジェネユニット8で加熱された湯を、浴槽水及びシャワー水として利用可能な浴槽ユニット9とを主体に構成されている。そして、本実施形態の水処理装置1では、塩素発生器7で生成された電解次亜塩素水が、膜ろ過装置3で膜ろ過されたろ過水と、活性炭吸着装置5で処理された処理水とに各々注入され、塩素殺菌されるようになっている。
次に、水処理装置1の配管構成について説明する。図2に示すように、原水(池、河川、プール等の水)中には、水中ポンプ10が投入され、該水中ポンプ10と原水槽2との間には、配管11が接続されている。また、原水槽2の内壁には、配管11を介して供給される原水中の大きな異物を除去するための異物除去フィルタ2aが固定されている。次いで、原水槽2と膜ろ過装置3の入口との間には、配管12が接続され、該配管12の途中には、ポンプ13が設けられ、該ポンプ13の上流側には連結部12aが設けられている。さらに、膜ろ過装置3の原水出口には、配管14が接続され、該配管14の下流側一端部は、前記配管12の連結部12aに接続されている。こうして、配管12、膜ろ過装置3及び配管14によって流路がループ状に形成され、原水が循環して流れるようになっている。
一方、膜ろ過装置3のろ過水流出口には、配管15が接続され、該配管15の途中には連結部15aが設けられ、さらに、配管15の下流側一端部には、配管16,17が各々接続されている。そして、配管16の途中には、電解次亜塩素水が注入される注入部16aが設けられ、さらに、その下流側一端部は、紫外線殺菌装置4の入口に接続されている。また、配管17の下流側一端部は、塩素発生器7内の後述する電解槽41(図4参照)の入口に接続されている。
そして、紫外線殺菌装置4の出口と、活性炭吸着装置5の入口との間には、配管18が接続されている。さらに、活性炭吸着装置5の出口と、処理水槽6との間には、配管19が接続され、該配管19の途中には、電解次亜塩素水が注入される注入部19aが設けられている。次いで、処理水槽6と、コジェネユニット8との間には、配管20が接続され、該配管20の途中には、ポンプ21が設けられている。さらに、配管20の下流側一端部は、コジェネユニット8内の熱交換器51の入口に接続され、熱交換器51の出口には、配管22が接続されている。
そして、配管22の下流側は、浴槽ユニット9内に延設され、2つの管路に分岐されている。さらに、その片方の管路出口には、シャワー水を供給するシャワー26,26が設けられ、他方の管路出口には、蛇口25が設けられている。そして、その蛇口25の下方には、浴槽60が配置されている。また、浴槽60には、槽内の浴槽水を一旦槽外に引き出し、再度浴槽60内に流入させる配管61が設けられている。そして、その配管61の途中には、浴槽60内の浴槽水を引き込んで循環させるポンプ62、配管61内を流れる浴槽水中の異物を除去するためのフィルタ63、該フィルタ63を通過した浴槽水を再度加熱するための加熱器64が上流側から順に各々設けられている。なお、この加熱器64は、コジェネユニット8からの電力を利用して発熱するヒータを備えた周知の加熱器である。そして、この図2に示す加熱器64が、「加熱手段」に相当する。
また、処理水槽6には、配管30が接続され、該配管30の下流側一端部は、前記配管15の連結部15aに接続されている。そして、その配管30の途中には、ポンプ31が設けられている。さらに、処理水槽6の底部には配管28が接続され、該配管の下流側一端部には蛇口29が設けられている。
さらに、塩素発生器7内の後述する塩素水槽42(図4参照)には、配管32が接続され、該配管32の下流側は2つの管路に分岐されている。そして、各管路の下流側一端部には、ポンプ35,36が各々設けられ、該ポンプ35と、配管16の注入部16aとの間には、配管33が接続されている。一方、ポンプ36と、配管19の注入部19aとの間には、配管34が接続されている。なお、図2に示す配管32,33,34,ポンプ35,36が「塩素供給手段」に相当する。
次に、膜ろ過装置3について説明する。図2に示す膜ろ過装置3は、略円筒状の容器を備え、該容器内には糸状の中空糸UF膜(限外ろ過膜)モジュールの束が収められている。そして、図3に示すように、中空糸膜3aの内面に対して平行に原水を流すことによって、その流水圧により、中空糸膜3aの外面にろ過水が染み出すようになっている(クロスフロー方式)。一方、原水中に含まれる不純物45a,45bは、中空糸膜3aの孔径よりも大きいので、中空糸膜3aの内側をそのまま通過する。このろ過方式では、膜面に付着する不純物45a,45bを剥離させながら原水をろ過できるので、中空糸膜3aの目詰まりが起こりにい。よって、安定したろ過を行うことができる。また、目詰まりが起こりにくいので、中空糸膜3aの交換時期を長めに設定することもできる。なお、図1,図2に示す膜ろ過装置3が、「ろ過手段」に相当する。
次に、紫外線殺菌装置4について説明する。図2に示す紫外線殺菌装置4は、180nm,254nmの紫外線を照射できる低圧水銀灯を備えている。特に、254nmの紫外線は、強い殺菌効果を示すと言われている。これにより、紫外線殺菌装置4の反応筒内を処理水が流れている間に、強力な紫外線のエネルギーが照射されることによって、処理水中に残存する微生物や、細菌の細胞内の遺伝子が破壊されて死滅するので、微生物や細菌汚染を防止できる。また、本実施形態では、紫外線殺菌装置4の反応筒内に流入するのは、後述する電解次亜塩素水が注入された処理水である。これにより、処理水中に含まれる次亜塩素酸ソーダと、紫外線とが反応することによって、反応筒内で紫外線酸化反応が起こる。そして、この紫外線酸化が起こることによって、反応筒内に強酸化性のヒドロキシラジカル(OH−・)が生成され、このヒドロキシラジカルを利用することで、処理水中の有機物を迅速に分解することができる。なお、この紫外線酸化について後述する。また、図1,図2に示す紫外線殺菌装置4が、「紫外線殺菌手段」に相当する。
次に、塩素発生器7について説明する。図4に示すように、塩素発生器7は、食塩水を貯留する食塩水槽40と、該食塩水槽40に貯留された食塩水を電気分解して、電解次亜塩素水を生成する電解槽41と、該電解槽41で生成された電解次亜塩素水を貯留する塩素水槽42とを主体に構成されている。
次に、塩素発生器7の配管構成について説明する。図4に示すように、ろ過水の一部が流れる配管17の下流側一端部は、電解槽41の入口に接続され、配管17の途中には、食塩水が注入される注入部17aが設けられている。また、食塩水槽40の内側には、配管44の上流側一端部が配置され、該配管44の途中には、ポンプ45が設けられている。さらに、配管44の下流側一端部は、前記配管17の注入部17aに接続されている。そして、電解槽41の出口と、塩素水槽42との間には、配管46が設けられている。さらに、塩素水槽42の内側に、配管32の上流側一端部が配置され、該配管32は、塩素発生器7の外部に延設されている。
次に、塩素発生器7における次亜塩素酸ソーダの生成方法について説明する。図4に示すように、まず、食塩を水に溶かして食塩水を作り、食塩水槽40に投入する。なお、この食塩水槽40には、海水を投入してもよい。次いで、ポンプ45が駆動することによって、食塩水槽40に貯留された食塩水が配管44を流れ、配管17の注入部17aから、配管17内を流れるろ過水中に注入される。これにより、配管17内で所定濃度の食塩水となり、濃度調整された食塩水は、電解槽41に流入する。そして、注入部17aにおける食塩水の注入量は、ポンプ45の吐出流量を調整することにより調整される。
さらに、電解槽41には、図示外の陽極と陰極が設けられ、該一対の電極間に電圧が印加されると、食塩水の電気分解が起こる。この食塩水の電気分解では、塩素イオンは陽極へ、ナトリウムイオンは陰極へ引っ張られて反応が起きる。すると、陽極には塩素(Cl)、陰極には苛性ソーダ(NaOH)と水素(H)が発生する。そして、水素はそのままガスとなって大気中に放出されるが、塩素と苛性ソーダは液中でただちに反応し、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)となる。以下に化学反応式を示す。
・陽極(+) 2Cl → Cl+2e
・陰極(−) 2Na2++2HO → 2NaOH+H
・液中 Cl+2NaOH → NaClO+NaCl+H
これらをまとめると、
・NaCl+HO → NaClO+H
となる。こうして得られた次亜塩素酸ソーダは、水に溶解した状態で電解次亜塩素水として、配管46を流れ、塩素水槽42に貯留される。
次に、コジェネユニット8について説明する。図2に示すコジェネユニット8は、ガスボンベ(図示外)と、該ガスボンベのガスを利用して発電するガス発電機(図示外)と、該ガス発電機の排熱を利用して湯を溜める貯湯槽50と、該貯湯槽50内に設けられた熱交換器51とを備えている。なお、ガス発電機は、液体燃料、天然ガス及びプロパンガス等の何れかを利用して発電できるものであればよい。そして、このコジェネユニット8では、ガス発電機が稼働することによって、水処理装置1の駆動に要する電力が各装置に供給されるようになっている。さらに、コジェネユニット8は、ガス発電機の排熱を利用することにより、給湯できる給湯機能を備えている。また、ガス発電機には、水処理装置1以外の外部装置に電源を供給する電源供給部(図示外)が設けられている。この電源供給部には、例えば、照明、電磁調理器、電気ヒータ等の外部装置のコンセントが接続されるようになっている。これにより、コジェネユニット8は、停電した場所での電源装置として利用することもできる。なお、このコジェネユニット8の動作については後述する。なお、図1,図2に示すコジェネユニット8が「発電手段」に相当する。
次に、上記構成からなる水処理装置1の水処理動作について説明する。図2に示すように、まず、水中ポンプ10が駆動する。すると、原水(池・河川・プール等の水)が配管11に引き込まれ、異物除去フィルタ2aで大きな異物が除去された後、原水槽2内に貯留される。次いで、ポンプ13が駆動する。すると、配管12を介して、膜ろ過装置3内に原水が勢いよく流入する。この膜ろ過装置3では、上記したように、筒状の容器内に複数の束になって収納された各中空糸膜3a内を原水が勢いよく流れる。そして、配管14に流出した後は、再び配管12内を流れる。こうして、原水が、配管12,膜ろ過装置3,配管14の順に循環するので、膜ろ過装置3のろ過水流出口(図示外)からろ過水が外部に流出する。
次いで、膜ろ過装置3のろ過水流出口から流出したろ過水は、配管15を流れ、配管16,17に各々分流される。ここで、ポンプ35が駆動すると、塩素発生器7から電解次亜塩素水が、配管32,33を介して供給され、注入部16aにおいて、配管16を流れるろ過水中に、電解次亜塩素水が所定量注入され、塩素殺菌される。そして、注入部16aにおける電解次亜塩素水の注入量は、ポンプ35の吐出流量を調整することにより調整される。なお、ここでは、電解次亜塩素水をやや過剰に注入するために、ポンプ35の吐出流量はやや高めに設定(例えば、29ml/min)するのが好ましい。また、図2に示す注入部16aが、「第1の塩素殺菌手段」に相当する。
さらに、電解次亜塩素水が注入されて塩素殺菌された処理水は、紫外線殺菌装置4の反応筒内に流入する。そして、この反応筒内を流れる処理水には、低圧水銀灯によって、180nm,254nmの2つの波長の紫外線が照射される。そして、この処理水中では、強酸化性のヒドロキシラジカルが生成する紫外線酸化が起こる。
ここで、本発明の特徴である紫外線酸化について説明する。紫外線殺菌装置4の反応筒内に流入する処理水中には、塩素発生器7で生成された次亜塩素酸ソーダが含まれている。そこで、低圧水銀灯によって、180nm,254nmの2つの波長の紫外線が照射されると、次亜塩素酸ソーダと紫外線とが反応して、ヒドロキシラジカル(OH−・)が生成される。これを紫外線酸化という。以下に化学反応式を示す。
NaClO+hν(紫外線180,254nm) → NaCl+O・
O・+HO → 2OH・
このヒドロキシラジカルは、強力な酸化作用を持つので、処理水中に含まれる有機物を二酸化炭素と水にまで分解することができる。また、ヒドロキシラジカルは反応速度が速いので、反応時間を短縮でき、処理水中に含まれる有機物を効率的に分解することができる。さらに、ヒドロキシラジカルは物質自体が不安定であるので、すぐに分解され、処理水中に残留する恐れがない。なお、紫外線酸化では、ヒドロキシラジカルの他にも、オゾン(O)が生成される。このオゾンも酸化性が強く、処理水中の有機物を分解することができる。
次いで、紫外線殺菌装置4で処理された処理水は、活性炭吸着装置5の吸着筒内に流入する。ここでは、上記紫外線酸化によって分解しきれなかった有機物が吸着される。また、処理水中に含まれる有機物は、臭いや色度の原因となるので、活性炭に吸着されて完全に除去されることによって、無味無臭かつ無色透明の処理水を得ることができる。また、処理水中に溶解するオゾンは、吸着筒内の活性炭に吸着される。これにより、オゾンが処理水中に残存しないので、安全な処理水を得ることができる。また、活性炭に付着した有機物は、処理水中に含まれるヒドロキシラジカルによって分解される。これにより、活性炭が再生されるので、活性炭の寿命を延ばすことができる。さらに、処理水中には過剰に注入された次亜塩素酸ソーダが残存するが、活性炭によって分解されるので、処理水のカルキ臭を無くすことができる。
そして、活性炭吸着装置5で吸着処理された処理水は、配管19を流れる。ここで、ポンプ36が駆動すると、塩素発生器7から電解次亜塩素水が、配管32,34を介して供給され、注入部19aにおいて、配管19を流れる処理水中に、電解次亜塩素水が所定量注入される。そして、注入部19aにおける電解次亜塩素水の注入量は、ポンプ36の吐出流量を調整することにより調整される。なお、ここでは、飲料水として適正な塩素濃度(例えば、0.5〜1ppm)となるように、ポンプ35の吐出流量が適宜設定(例えば、6ml/min)される。また、図2に示す注入部19aが、「第2の塩素殺菌手段」に相当する。
こうして塩素殺菌された最終処理水が、活性炭吸着装置5から配管19を通って、処理水槽6に貯留される。そして、蛇口29を開くことによって、処理水槽6内の最終処理水が配管28を介して供給され、飲料水として利用される。
なお、水処理装置1では、膜ろ過装置3はクロスフロー方式を採用しているので、ろ過膜の目詰まりは起こりにくいが、定期的に逆洗するのが好ましい。この場合、ポンプ13の駆動を停止し、ポンプ31を駆動する。すると、処理水槽6に貯留された処理水が、配管30を流れ、膜ろ過装置3内に向かって逆向きに流入する。さらに、中空糸膜3aの通水方向とは逆向きに処理水が流れるので、中空糸膜3aの内面の汚れを洗い落とすことができる。また、膜ろ過装置3における逆洗時の排水は、図示外の配管を介して排出されるようになっている。
次に、コジェネユニット8の動作について説明する。図2に示すコジェネユニット8では、ガス発電機が稼働すると、該ガス発電機の排熱によって、貯湯槽50内に予め貯留されていた水が加熱される。なお、本実施形態では、貯湯槽50内の湯温は、最大約70℃まで上昇する。そして、貯湯槽50内の湯の持つ熱エネルギーを熱交換器51で熱交換することによって処理水を適温に加熱することができる。
このような給湯機能を備えるコジェネユニット8では、まず、ポンプ21が駆動する。すると、処理水槽6内に貯留された処理水が、配管20を流れ、コジェネユニット8内に流入する。さらに、コジェネユニット8内に流入した処理水は、熱交換器51に流入し、貯湯槽50内の湯と熱交換される。そして、熱交換器51で熱交換され加熱された処理水は配管22を流れ、浴槽ユニット9に供給される。
次に、浴槽ユニット9の動作について説明する。図2示すように、配管22内を流れる湯は、ポンプ21の吐出圧によって、シャワー26,26及び蛇口25に各々供給される。そして、シャワー26,26からはシャワー水が噴射され、蛇口25からは、浴槽水が浴槽60内に供給される。また、浴槽60内の浴槽水が冷めてしまった場合、ポンプ62を駆動させる。すると、浴槽60内の浴槽水が配管61に引き込まれる。そして、配管61を流れる浴槽水がフィルタ63を通過すると、浴槽水中に含まれるゴミ等の異物が除去される。さらに、フィルタ63を通過した浴槽水は加熱器64で加熱される。そして、配管61内の浴槽水が、浴槽60と加熱器64との間で循環することによって、浴槽60内の冷めてしまった浴槽水の湯温を効果的に上昇させることができる。よって、浴槽60内に新たな熱湯を蛇口25から供給する必要がないので、処理水槽6内に貯留された処理水の使用量を節約することができる。
このように、水処理装置1の最終処理水を、コジェネユニット8のガス発電機の排熱を利用して加熱できるので、飲料水としてだけではなく、浴槽ユニット9において、シャワー水、浴槽水として供給することができる。さらに、被災地が寒冷地であった場合は、特に湯の供給が欠かせないので、安全で衛生的な湯を提供することができる。
次に、車載型の水処理装置100について説明する。図5に示すように、この水処理装置100は、トラック70のキャビン71の後方に設けられたステージ72上に設置されるものである。そして、水処理装置100は、上記説明した水処理装置1と同じ構成を備え、水処理を行う水処理部200と、水処理装置100にかかる電力を供給するコジェネ部300と、浴槽ユニット190とで構成され、ステージ72上の各位置に各々配置されている。
次に、ステージ72上の配置構成について説明する。まず、ステージ72の前側には、平面視矩形状のコジェネ土台枠80が配置されている。一方、ステージ72の後ろ側には、略直方体状の格子枠である水処理支持枠90が配置されている。そして、ステージ72の中央の左側には、浴槽及びシャワー(図示外)を内側に備える箱状の浴槽ユニット190が設置されている。さらに、ステージ72の右端部の中央には、ステージ72上に登るためのはしご110が掛けられている。
また、水処理支持枠90の内側には、原水槽120、膜ろ過装置130、紫外線殺菌装置140、活性炭吸着装置150、処理水槽160、塩素発生器170、各種配管類、各種ポンプ類(図示外)、飲料水を供給する蛇口(図示外)等で構成される水処理部200がコンパクトに纏められて支持されている。さらに、水処理支持枠90の後方側には、水処理部200を制御する制御操作盤250と、紫外線殺菌装置140を制御する紫外線殺菌装置用制御盤142と、塩素発生器170を制御する塩素発生器用制御盤172とが各々設けられている。
一方、コジェネ土台枠80上には、コンパクトに纏められたコジェネ部300が設置されている。コジェネ土台枠80上の左側には、ガス発電機310が設置され、コジェネ土台枠80上の右側には、熱交換器(図示外)を備えた貯湯槽320が設置されている。さらに、このコジェネ部300を制御するコジェネ制御盤330は、浴槽ユニット190の前側の外壁面に固定されている。
そして、上記構成からなる水処理部200、コジェネ部300および浴槽ユニット190は、各種配管類で接続されている。よって、水処理部200で処理されて、処理水槽160に貯留された処理水は、一部は飲料水として利用され、一部は、貯湯槽320で加熱されて、浴槽ユニット190でシャワー水、浴槽水として利用される。さらに、水処理装置100で使用される電力は、ガス発電機310で発電することができるので、電気設備のない場所での利用が可能となる。
このように、複数の装置で構成された水処理部200を、水処理支持枠90内にコンパクトに纏めて支持し、コジェネ部300も、ガス発電機310及び貯湯槽320をユニット化してコンパクトに纏めて、コジェネ土台枠80上に設置することで、トラック70のステージ72上に余裕を持って設置することができる。また、ステージ72上に、浴槽ユニット190を設けたことで、給湯設備のない場所においても、シャワー水を浴びたり、風呂に入ることができる。そして、水処理装置100は、必要場所に応じて自由に何処へでも移動できる点が最大のメリットである。したがって、例えば、地震等の自然災害でライフラインが寸断され、電気、水道が使用できない被災地に、トラック70で水処理装置100を運搬すれば、被災住民に対して速やかに飲料水を提供することができる。さらに、浴槽ユニット190によって、シャワーや、浴槽の利用も可能となる。また、ガス発電機310には、水処理装置100以外の外部装置に電源を供給する電源供給部(図示外)が設けられ、この電源供給部には、例えば、照明、電磁調理器、電気ヒータ等のコンセントが接続されるようになっている。これにより、停電した場所での電源装置としての利用が可能となる。
なお、上記した水処理装置100は、ヘリコプターでの運搬も可能である。この場合、図6に示すように、水処理装置100は、略直方体状のフレーム支持枠500の内側に支持される。具体的には、フレーム支持枠500の右側に、前記水処理部200が配置され、左側に前記コジェネ部300が配置され、その中央に、前記浴槽ユニット190が配置される。そして、水処理部200を構成する各種装置は、フレーム支持枠500に直接固定されている。一方、コジェネ部300を構成する各種装置は、コジェネ土台枠80上に固定された状態で、フレーム支持枠500内に固定されている。
そして、フレーム支持枠500の上部には、6つの係止フック510が各々設けられている。そして、これら6つの係止フック510に、6本のワイヤー600を各々引っ掛け、ヘリコプター等で吊り上げることによって、水処理装置100全体を吊り下げた状態で空輸することができる。これにより、トラック70では近づけない場所(例えば、山、離島、災害によって道路が寸断された場所等)に、水処理装置100を運搬することができる。したがって、必要な場所に移動して飲料水、温水等を供給できるので、機動力の高い水処理装置100を提供することができる。
以上説明したように、本実施形態の水処理装置1は、池、河川、プール等を原水とし、ヒドロキシラジカルを生成する紫外線酸化法を利用することによって、原水中に含まれる有機物を効率的に分解し、より衛生的な飲料水を提供することができる。この水処理装置1では、塩素発生器7で生成された電解次亜塩素水は、膜ろ過装置3で膜ろ過されたろ過水と、活性炭吸着装置5で処理された処理水とに各々注入され、塩素殺菌されるようになっている。これにより、紫外線殺菌装置4には、次亜塩素酸ソーダを含む処理水が流入するので、この次亜塩素酸ソーダと紫外線とが反応することで紫外線酸化が起こる。この紫外線酸化では、強力な酸化作用を有するヒドロキシラジカルが生成されるので、このヒドロキシラジカルによって、処理水中の有機物を迅速に分解することができる。
さらに、紫外線殺菌装置4で分解しきれなかった有機物は、活性炭吸着装置5の活性炭に吸着されるので、処理水中の有機物を完全に除去できる。よって、無味無臭かつ無色透明の処理水を得ることができる。また、注入部16aでは、紫外線殺菌装置4で紫外線酸化を無駄なく効率的に起こすため、電解次亜塩素水が処理水中に過剰に注入される。すると、紫外線酸化後の処理水中には次亜塩素酸ソーダが残存するが、この残存する次亜塩素酸ソーダは、活性炭吸着装置5の活性炭によって除去されて分解される。これにより、水のカルキ臭をなくすことができる。さらに、次亜塩素酸ソーダが一旦除去された後で、再度適正な量の次亜塩素酸ソーダが注入部19aで注入される。これにより、飲料水として安全かつ衛生的な最終処理水を得ることができる。また、紫外線酸化を利用するので、例えば、蒸留設備のように、コジェネユニット8で発電した電力を過剰に消費することがないので、省エネの観点からも好ましい。
さらに、水処理装置1を稼働するための電力は、コジェネユニット8で供給できる。そして、水処理装置1の最終処理水を、コジェネユニット8のガス発電機の排熱を利用して加熱できるので、飲料水としてだけではなく、シャワー水、浴槽水として供給することができる。また、被災地が寒冷地であった場合は、特に湯の供給が欠かせないので、安全で衛生的な湯を供給することができる。以上のことから、飲料水・生活用水・殺菌水・シャワー水など被災住民の暮らしを包括的に救済する手段として十分活用することができる。
また、水処理装置100は、トラック70のキャビン71の後方に設けられたステージ72上に設置され、必要場所に速やかに移動できる点が最大の利点である。そして、各種装置によって構成された水処理部200を、水処理支持枠90内にコンパクトに纏めて支持し、コジェネ部300も、ガス発電機310及び貯湯槽320をユニット化してコンパクトに纏めて、コジェネ土台枠80上に設置することで、トラック70のステージ72上に余裕を持って設置することができる。また、ステージ72上に、浴槽ユニット190を設けたことで、給湯設備のない場所においても、シャワー水を浴びたり、風呂に入ることもできる。
さらに、水処理装置100は、ヘリコプターでの運搬も可能である。この場合、水処理装置100は、略直方体状のフレーム支持枠500の内側に支持され、フレーム支持枠500の上部に設けられた6つの係止フック510に、6本のワイヤー600を各々引っ掛け、ヘリコプター等で吊り上げることによって、水処理装置100全体を吊り下げた状態で空輸することができる。これにより、トラック70では近づけない場所(例えば、山、離島、災害によって道路が寸断された場所等)に、水処理装置100を運搬することができる。したがって、必要な場所に移動して飲料水、温水等を供給できるので、機動力の高い水処理装置100を提供することができる。なお、図6に示すフレーム支持枠500が、「フレーム枠」に相当し、係止フック510が、「吊り下げ係止部」に相当する。
なお、本発明の移動式水処理装置は、上記実施形態に限らず、各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、原水は、池・河川・プール等を利用できるが、この他にも、海水、湖沼水、噴水用水等でも適用可能であるが、膜ろ過装置3の負荷を考慮すると、淡水が好ましい。なお、井水、地下水、備蓄水、防火用水等も原水として利用可能であることは言うまでもない。
また、上記実施形態では、紫外線殺菌装置4は、180nmの紫外線と、254nmの紫外線とを照射できる低圧水銀灯を備えているが、少なくとも何れか一方の紫外線を照射できる低圧水銀灯でもよい。また、これらの紫外線が照射できる殺菌灯であれば、低圧水銀灯に限定されるものではない。
さらに、上記実施形態では、膜ろ過装置3は、限外ろ過膜を用いているが、精密ろ過膜を用いてもよい。また、ろ過手段は、逆浸透膜装置、活性炭ろ過装置、砂ろ過装置等でもよい。
また、上記実施形態では、浴槽ユニット9における浴槽水やシャワー水の排水は、そのままユニット外に排出されているが、例えば、その排水を原水槽2に返送する構成にしてもよい。
さらに、上記実施形態の発電手段は、ガスエンジン方式を採用したガス発電機であるが
、例えば、周知のガソリンエンジン方式の発電装置や、ディーゼルエンジン方式の発電装置、ガスタービン方式の発電装置、燃料電池方式で発電する発電装置の何れでも適用可能である。なお、ガスタービン方式の発電装置は、高温の気体の流れ(普通は連続燃焼の燃焼ガスの形で得る)で羽根車を回転させて得た動力を利用して発電するものである。一方、燃料電池方式で発電する発電装置は、リン酸型(PAFC)、固体高分子型(PEFC)、溶融炭酸塩型(MCFC)、固体電解質型(SOFC)等のものが適用可能である。
また、上記実施形態では、トラック70のステージ72上に水処理装置100が設置されているが、水処理装置100を装着した特装車として構成してもよい。
本発明の移動式水処理装置は、特に被災地や、キャンプ場、海水浴場及び建設現場等の電気、吸水設備及び給湯設備のない場所で適用可能である。
水処理装置1の構成を示すブロック図である。 水処理装置1の配管構成を示す模式図である。 膜ろ過装置3のろ過の仕組みを模式的に示した説明図である。 塩素発生器7の配管構成を示す模式図である。 トラック70のステージ72上に、水処理装置100が設置された状態を示す斜視図である。 フレーム支持枠500内に水処理装置100が支持された状態を示す斜視図である。
符号の説明
1 水処理装置
3 膜ろ過装置
4 紫外線殺菌装置
5 活性炭吸着装置
7 塩素発生器
8 コジェネユニット
16a 注入部
19a 注入部
32 配管
33 配管
34 配管
35 ポンプ
36 ポンプ
41 電解槽
51 熱交換器
100 水処理装置
500 フレーム支持枠
510 係止フック

Claims (9)

  1. 発電手段と、
    当該発電手段で発生した電力を利用して水処理を行う水処理手段と
    を備え、
    前記発電手段及び前記水処理手段は車載型であることを特徴とする移動式水処理装置。
  2. 発電手段と、
    当該発電手段で発生した電力を利用して水処理を行う水処理手段と、
    前記発電手段及び前記水処理手段を支持するフレーム枠と、
    当該フレーム枠に設けられ、前記フレーム枠を吊り下げるための吊り下げ係止部と
    を備えたことを特徴とする移動式水処理装置。
  3. 前記水処理手段は、
    原水をろ過するろ過手段と、
    当該ろ過手段によってろ過されたろ過水に、次亜塩素酸ソーダを注入して塩素殺菌する第1の塩素殺菌手段と、
    当該塩素殺菌手段によって塩素殺菌された処理水に紫外線を照射して殺菌する紫外線照射手段と、
    当該紫外線照射手段によって殺菌された処理水に含まれる有機物を活性炭によって吸着する活性炭吸着手段と、
    当該活性炭吸着手段によって処理された処理水を塩素殺菌する第2の塩素殺菌手段と
    で構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の移動式水処理装置。
  4. 食塩水を電気分解する電解槽と、
    当該電解槽で生成された次亜塩素酸ソーダを、前記第1の塩素殺菌手段及び前記第2の塩素殺菌手段に各々供給する塩素供給手段と
    を備えたことを特徴とする請求項3に記載の移動式水処理装置。
  5. 前記ろ過手段は、クロスフローろ過であることを特徴とする請求項3又は4に記載の移動式水処理装置。
  6. 前記紫外線照射手段は、180nm及び254nmの紫外光を照射する低圧水銀灯であることを特徴とする請求項3乃至5の何れかに記載の移動式水処理装置。
  7. 前記発電手段は、
    ガソリンエンジン方式、 ディーゼルエンジン方式、ガスエンジン方式、ガスタービン方式又は燃料電池方式で発電する発電装置と、
    当該発電装置の排熱を利用して、前記水処理手段によって処理された最終処理水を加熱する熱交換器と
    を備えたコジェネレーション装置であることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の移動式水処理装置。
  8. 前記熱交換器で加熱された湯をシャワー水として供給するシャワーと、
    前記熱交換器で加熱された湯を貯留する浴槽と、
    当該浴槽内の湯を再度加熱する加熱手段と
    を備えたことを特徴とする請求項7に記載の移動式水処理装置。
  9. 前記発電手段は、電源を外部に供給する電源供給部を備えていることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の移動式水処理装置。
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