JP2001259613A - 災害用設備及び造水装置 - Google Patents

災害用設備及び造水装置

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JP2001259613A JP2000082508A JP2000082508A JP2001259613A JP 2001259613 A JP2001259613 A JP 2001259613A JP 2000082508 A JP2000082508 A JP 2000082508A JP 2000082508 A JP2000082508 A JP 2000082508A JP 2001259613 A JP2001259613 A JP 2001259613A
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Shigeaki Sato
重明 佐藤
Yoshiteru Misumi
好輝 三角
Toru Otsu
徹 大津
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 災害時に、電気・ガス・水道が破壊、遮断さ
れた時に、備蓄しておいたLPガス等を自動切り替えに
より供給することにより、燃料電池等を継続して運転さ
せ、燃料電池等からつくられる電気及び熱を利用して災
害用設備に供給し、被災住民の生命維持に必要な各種の
水を供する災害用設備及び造水装置を提供する。 【解決手段】 コージェネレーション発電設備2からの
電力を利用してポンプ3、水の浄化システム4、殺菌シ
ステム5、袋詰めシステム6を駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、災害時に、電気・
ガス・水道が破壊、遮断された時に、備蓄しておいたL
Pガス等を自動切り替えにより供給することにより、燃
料電池を継続して運転させ、燃料電池からつくられる電
気及び熱を利用して災害用設備に供給し、被災住民の生
命維持に必要な各種の水を供するための災害用設備及び
造水装置に関する。詳しくは、災害時の電気・熱供給に
より災害用設備から、飲料水、生活用水、殺菌水・シャ
ワー温水・風呂用温水及び照明などのライフラインを被
災住民にまとめて同時に供給できるようにした災害用設
備及び造水装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、油又はガソリンを燃料としたエン
ジンの駆動力でポンプを起動させ防火用水などを飲料水
に浄化する災害用浄水機はあったが、災害時に個別に使
用するのが殆どであり、飲料水・生活用水・殺菌水・シ
ャワーなど被災住民を包括的に救済する手段にはなり得
なかった。
【0003】一方、燃料電池については災害時に、燃料
電池からできた凝縮水を処理して飲料に供したり、電池
から供給された直流電源を用いて、電話回線の非常時バ
ックアップ用に利用するなどの災害対応手段が図られて
きた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記の場合で
も、凝縮水を飲料水に浄化するとしても、水量が少な過
ぎて何千人規模の被災住民を1日もまかない切れない。
また、直流電源の電話回線利用でも、それだけのバック
アップであり、被災住民のライフラインを包括的に守る
システムになっていなかった。
【0005】例えば、災害時用浄水機だけでは飲料水し
か供給できず、殺菌水やシャワー用温水は供給できな
い。また、電話回線のバックアップ用の、燃料電池から
供給される直流電源では、その他の被災住民への各種の
水供給ができない問題点があった。
【0006】従って、通常時は発電、熱供給を行い、災
害時になっても、備蓄用LPガスにより継続して電源供
給、熱供給を行い、被災住民にとって重要なライフライ
ン、すなわち飲料水・生活用水・殺菌水、シャワー温水
・風呂用温水・及び照明などを同じ場所で同時に供給で
きる設備が必要と考えられていた。特に飲料水は500
0人規模で3日間最低限もつ規模が必要とされた。
【0007】なお、災害対応型燃料電池発電設備とし
て、通常時には都市ガスで運用し、災害時には備蓄して
あるLPガスに原料を切り替え運転すると共に、飲料水
として、燃料電池から発生する水を、燃料電池設備が内
蔵するイオン交換樹脂で浄化して供給するものが知られ
ている。一般に、200kWリン酸型燃料電池では最大
毎時50kg程度の純水を製造でき、これは1日当たり
約400人分の飲料水供給に相当する。しかし、気温の
高い夏場には、排気中に含まれる水分を十分に凝結回収
できず、殆ど純水を得ることができない。
【0008】また、備蓄してある石油(重油等)でコー
ジェネレーション設備を駆動し、災害時にも電力を供給
し、この電力によっても井戸や貯水槽から水を供給する
ことも知られている。しかしながら、このように備蓄水
をコージェネレーション設備の発生する電力で飲料水用
等に供給する場合、備蓄用水貯水壁等の亀裂により汚染
物質が飲料水中に混入することが懸念される。
【0009】本発明は、災害時に燃料電池等によって電
力を供給すると共に、該燃料電池等からの電力及び燃料
電池で発生する熱を利用して必要な各種の水を供給する
ことができ、例えば燃料の供給が遮断されても備蓄して
ある燃料で発電し続けるコージェネレーションシステム
が発生する電力を利用して、安全な飲料水を供給できる
災害用設備及び造水装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の災害用設備は、
発電手段と、該発電手段からの電力を利用して稼動する
水処理手段とを有するものである。
【0011】本発明では、発電手段が、発電装置と発電
に伴って発生する熱を再利用する手段とからなるコージ
ェネレーションシステムを形成していることが望まし
い。
【0012】この発電手段は、燃料電池を含むことが好
ましい。この燃料電池は、通常時は電気・熱供給をし、
事業所の電気供給や空調用の熱供給の役割を果す。
【0013】水処理手段としては、濾過手段、蒸留手
段、殺菌手段のうちの1つ又はそれら2つ以上が好まし
い。この濾過手段としては、逆浸透膜装置、限外濾過膜
装置、精密濾過膜装置、活性炭濾過装置、砂濾過装置の
うちの1つ又はそれら2つ以上の組合せが好ましい。
【0014】上記の水処理手段はコージェネレーション
システムから発生する水、備蓄水、海水、河川水、湖沼
水、噴水用水、排水、井水、地下水、中水のいずれかを
給水源とすることができる。
【0015】本発明の災害用設備は、このような災害用
造水装置の後段に、飲料水製造装置、水の袋詰め装置、
殺菌剤注入装置、シャワー又は入浴設備のいずれか1又
は2以上を組合せた設備を配設したものである。
【0016】本発明は、好ましくは、燃料電池とこれに
組み合わされた水処理手段とを有した災害用造水装置及
び設備に関するものである。
【0017】この燃料電池はリン酸型(PAFC)、固
体高分子型(PEFC)、溶融炭酸塩型(MCFC)、
固体電解質型(SOFC)が適用され発電規模は1〜1
000kW、好ましくは10〜200kWである。
【0018】災害用設備は、災害時に被災住民が特に必
要とするもの、飲料水、洗濯等生活用水、手、食
器洗い用殺菌水、シャワー、乳児の風呂用水等を供
給する装置や機器である。上記は非常時用浄水機、
は中水処理用逆浸透膜(RO)装置、は電解式次亜塩
素酸ソーダ水発生機、はシャワー設備、は乳幼児用
小型風呂から構成されるのが好ましい。
【0019】それぞれの水源と必要処理水量は以下の通
りである。
【0020】(i) 非常時用浄水機:給水源は給水備蓄
水槽、防火水槽、など上水を保有する水槽の水であれば
よく、浄化処理水量は10〜5000L/h、好ましく
は300〜2000L/hである。
【0021】また併設のウォーターパッカー(水の袋詰
め装置)により、生産された飲料水を袋詰めにして被災
住民が持ち帰られるようになっているのが好ましい。
【0022】(ii) 逆浸透膜(RO)装置:中水や池、
湖沼の水を使用するが、上記(i)の混合水でもよい。処
理水量は100〜20000L/h、好ましくは500
〜10000L/hである。
【0023】(iii) 電解式次亜塩素酸ソーダ水発生
機:上記(i)の浄水機の処理水を使用するが、これに食
塩と塩酸の混液を添加して次亜塩素酸ソーダの発生量を
多くすることが望ましい。処理水量は20〜2000L
/h、好ましくは50〜800L/hである。
【0024】(iv) シャワー設備:上記(i)又は(ii)の
浄水機、RO装置の処理水を使用し、燃料電池からとっ
た熱により30〜50℃の温水に加熱して使用される。
【0025】このような災害用設備は、災害発生後30
日間以内、好ましくは給水車が救援に到着する1〜5日
間運転させる。
【0026】なお、水処理手段はRO装置に限られるも
のではない。給水源の水が海水、排水、中水であるとき
には、水処理手段は逆浸透膜(RO)設備に加え、蒸留
設備が好適である。これらは、海水に多量に含まれる塩
類、不純物を除去するのに適している。
【0027】給水源の水が湖沼水、噴水用水、河川水で
あるときには、水処理手段はUF膜設備又は活性炭、砂
濾過設備が好適である。これらは、フミン酸、フルボ酸
等の高分子有機物、緑藻類の微生物を除去するのに好適
である。
【0028】給水源の水が井水、地下水、備蓄水である
ときには、水処理手段は精密濾過膜、限外濾過膜、RO
設備、蒸留設備が好適である。これらは混入しうる有害
物を除去するのに好適である。
【0029】殺菌には、次亜塩素酸ソーダ等の殺菌剤を
注入しても良いし、コージェネレーション設備から出る
熱を利用しても良い。殺菌した水を袋詰め密封すること
により、多数の人に配布し易くなる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、実施例及び比較例を示しながらさらに詳細に説明す
る。
【0031】図1(a)は実施の形態に係る災害用設備
及び造水装置を示すものであり、備蓄用の原水槽1の水
がコージェネレーション発電設備2からの電力で駆動さ
れるポンプ3によって送水され、同じくそれぞれ該コー
ジェネレーション発電設備2からの電力で駆動される浄
化システム4で浄化され、殺菌システム5で殺菌され、
袋詰めシステム6で袋詰めされ、飲料水として配布され
る。
【0032】図1(b)は比較例に係る設備であり、原
水槽1の水をポンプ3で直ちに飲料水として供給してい
る。
【0033】災害時を想定して、原水として、市水に対
し中水を混入させたところ、図1(a)では一般殺菌は
全く検出されなかったのに対し、図1(b)では5.0
×10個/ml検出された。また、原水として、市水
に対し冷却塔冷却水を混入させたものを用いたところ、
図1(a)ではレディオネラ菌が全く検出されなかった
のに対し、図1(b)では3.4×10個/100m
l検出された。このように、災害時に稼働させるコージ
ェネレーションシステムにおいて、製造する飲料水の安
全性が高まった。また、殺菌し袋詰めすることで、災害
時のように物資が不足する時でも容易に配布でき、ま
た、数日程度保存も可能になった。
【0034】図2は、本発明の別の実施の形態を示す系
統図である。この実施の形態は、燃料電池(図示略)の
電源・熱源を得られる最寄りの場所に飲料水・生活用水
・殺菌水・シャワー温水・風呂用温水などを生産する機
器及び照明を水処理装置コンテナー及びシャワー用仮設
テントにコンパクトに収納し、災害時に瞬時に上記の必
要水を供給するようにしたものである。Aは非常用浄水
機であり、保有していた上水を処理して飲料水を製造す
る。その構成は、10μmフィルター→活性炭フィルタ
ー→0.2μmフィルターからなるものであり、除菌し
て塩素を添加しウォーターパッカーにより袋詰めにして
持ち帰るシステムを採用している。Cの逆浸透膜装置
は、中水など比較的汚れた水を濾過・脱塩して、洗濯な
ど生活用水に使用できる状態の水をつくり出す。Dの殺
菌水製造装置は上水に食塩と塩酸の混液を注入して電気
分解し、Clを発生させて下記のような反応により次
亜塩素酸(HClO)を生成させ、殺菌作用を効果的に
する。 Cl+HO → HClO+H+Cl HClO → H+ClO
【0035】またEのシャワー室は、燃料電池から供給
される60〜80℃の熱をもとに、熱交換器により、上
水を40〜43℃の低温水に調整し男女各5人程度が浴
びられるようにしたものである。Fの乳児用風呂も前記
Eと同じ原理により乳幼児1〜2人が入浴できる20L
程度の風呂が使用される。
【0036】図2の設備において、都市ガスより備蓄L
Pガスに切り替え、災害用設備の各装置・機器を運転さ
せ実証した。その結果、 a.発電能力200kWのリン酸型燃料電池のうち、約
10kWの電力及び熱が災害用設備へ供給された。 b.非常時用浄水機は、運転開始し、1000L/hの
処理水量で飲料水の水質基準を満足するような飲料水を
生産した。そしてこの処理水をウォーターパッカーによ
り2000個/時間のペースで袋詰めできた。 c.逆浸透膜(RO)装置により下記のような中水を、
600L/hの流速で処理して下記のような処理水にし
て洗濯用水などに使用した。 処理前 処理後 導電率 : 85mS/m 60mS/m pH : 7.2 6.9 COD : 2.5mg/L 0.3mg/L d.殺菌水生成装置により上水(食塩、塩酸混液注入)
を処理、下記のような殺菌水を製造し、手洗い、食器洗
い、トイレの殺菌などに使用した。 処理前 処理後 導電率 : 25mS/m 120mS/m pH : 7.1 6.1 残留塩素: 0.3mg/L 20mg/L e.シャワー 燃料電池から得られる63℃温水を利用し熱交換器によ
り温度調整することにより、上水を42℃に加温して、
計4200L/hrの流量で男女各5人へ温水シャワー
を供給できた。
【0037】この結果、次の〜の点が実証された。 被災後でも、災害用設備の電気を約十kW、温水用
熱を147McaL/h供給し被災住民への下記のライ
フライン維持を達成できる。 非常時用浄水機は一人当たり3Lとして毎日500
0人分の飲料水を3日間(8時間/日)製造し、3日間
で15000人分を袋詰めにし被災住民が持ち帰るのを
可能にした。これにより給水車が最低3日間こなくても
飲料水が途絶える心配のないことが立証された。 逆浸透膜装置は一人当たり10Lとして毎日120
0人分の処理水を中水から生産した。この水は洗濯や洗
面など被災住民の生活用水に使用できることが確認され
た。 殺菌水製造装置は同様に一人当たり180L/hで
1分間使用され一日5000人分で3日間使われた。 シャワーは42℃の温水を男女各5人ずつ、同時に
10人一人当たり10分間使用し1日当たり200人が
使用できることが確認された。
【0038】
【発明の効果】以上の通り、本発明によると、災害時
に、電気・ガス・水道が破壊、遮断された時に、備蓄し
ておいたLPガス等を自動切り替えにより供給すること
により、燃料電池等を継続して運転させ、燃料電池等か
らつくられる電気及び熱を利用して災害用設備に供給
し、被災住民の生命維持に必要な各種の水を供する災害
用設備及び造水装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態及び比較例に係る設備系統図であ
る。
【図2】別の実施の形態に係る設備系統図である。
【符号の説明】
1 原水槽 2 コージェネレーション発電設備 3 ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 9/00 502 C02F 9/00 502F 502G 502E 502D 502B 502Z 503 503A 504 504E // C02F 1/46 1/46 Z E03B 3/00 E03B 3/00 Z (72)発明者 大津 徹 東京都新宿区西新宿三丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 Fターム(参考) 4D006 GA03 GA06 GA07 KB01 KB12 KB15 KB18 PA01 PB03 PB04 PB05 PB08 PC80 4D024 AA01 AA04 AA05 AB05 BA02 DB03 DB05 DB09 4D034 AA01 CA12 4D061 DA02 DA04 DB10 EA04 FA02 FA06 FA10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発電手段と、該発電手段からの電力を利
    用して稼動する水処理手段とを有する災害用造水装置。
  2. 【請求項2】 発電手段が、発電装置と、発電に伴って
    発生する熱を再利用する手段とからなるコージェネレー
    ションシステムを形成していることを特徴とする請求項
    1に記載の災害用造水装置。
  3. 【請求項3】 発電手段が燃料電池を含んだ構成である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の災害用造水装
    置。
  4. 【請求項4】 水処理手段が濾過手段、蒸留手段、殺菌
    手段のうちの1つ又はそれら2つ以上の組合せからなる
    ことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれかに記載の
    災害用造水装置。
  5. 【請求項5】 濾過手段が逆浸透膜装置、限外濾過膜装
    置、精密濾過膜装置、活性炭濾過装置、砂濾過装置のう
    ちの1つ又はそれら2つ以上の組合せからなることを特
    徴とする請求項4に記載の災害用造水装置。
  6. 【請求項6】 前記水処理手段が、給水源として、コー
    ジェネレーションシステムから発生する水、備蓄水、海
    水、河川水、湖沼水、噴水用水、排水、井水、地下水、
    中水のいずれかに接続されていることを特徴とする請求
    項1〜5のうちいずれかに記載の災害用造水装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の災害用
    造水装置の後段に、飲料水製造装置、水の袋詰め装置、
    殺菌剤注入装置、シャワー又は入浴設備のいずれか1又
    は2以上を組合せた設備を配設してなる災害用設備。
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