JP2007237020A - 熱音響装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱音響効果を用いた熱音響装置において、時間平均の質量流束Fbを抑制することで、熱−仕事変換効率の向上を図る。
【解決手段】 熱音響装置1は、ループ管3と、ループ管3に設けられた加熱部5及び放熱部7と、加熱部5と放熱部7とに挟まれたループ管3内における箇所に配置された蓄熱部9と、発電機20と、を備えている。発電機20における応動部材22がループ管3に対して直列に配置され、応動部材22の第1端部26aと第2端部28aとがループ管3の軸方向における作動ガスの流路に面するように配置されている。この熱音響装置1においては、時間平均の質量流束が応動部材22(詳しくは、第1端部26)によって少なくとも部分的にせき止められ、低減される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、気体を充填した管内で熱音響効果による圧力変動を発生させる熱音響装置に関する。
気体を充填した管内に温度勾配のある蓄熱部を設け、温度上及び構造上の条件が成立すると、管内の気体に圧力振動が発生し、その振動により管内の気体に定在波や進行波が発生すること(熱音響効果)が知られている。
この現象を利用した構成として、従来においては、例えば、図17に示す熱音響装置500が知られていた。この装置は、気体を充填したループ管502と、加熱部504と、放熱部506と、加熱部504と放熱部506とに挟まれた箇所に設けられた蓄熱部508と、オリフィス510aを介してループ管502に接続されたタンク510bと、スタータ兼発電機512と、を備える。
この装置500では、加熱部504と放熱部506の作用により蓄熱部508に温度勾配が生じた状態で、スタータ兼発電機512がスタータとして駆動される。
具体的には、蓄熱部508に温度勾配が生じた状態で、スタータ兼発電機512が備える、ループ管502内に面して設けられたピストン514をスタータとして往復移動させると、ループ管502内の気体に所定周波数の振動が付与される。これにより、ループ管502内の気体にループ管502の軸方向の自励的な圧力変動が発生する。
この状態でスタータ兼発電機512のスタータ機能を停止させると、ループ管502内で発生した自励的な圧力変動により、ピストン514が往復駆動され、これにより、以後は、スタータ兼発電機512が発電機として運転される(特許文献1の図6参照)。
特開2003−324932
ところで、図17に示す装置500では、ループ管502内で自励的な圧力変動が発生した際には、ループ管502内の気体は、(1)ループ管502の軸方向に気体が往復する自励振動(図17中のFa)と、(2)放熱部506から蓄熱部508を介して加熱部504を通り抜ける方向への気体の進行(時間平均の質量流束;図17中のFb)と、を合成した状態でループ管502内を流動する。
自励振動Faは、ループ管502内の気体に発生する熱音響効果による共振振動に対応する流動成分である。一方、時間平均の質量流束Fbは、加熱部504により加熱されたループ管502内部の気体の熱膨張による慣性力などに起因して発生する気体の流動成分である。
ここで、熱音響装置500においては、自励振動Faによって発生する圧力Pと気体容積Vの流動とによるPV仕事によって発電機(スタータ兼発電機512)を駆動して発電を行う。
よって、熱音響装置500の加熱部504に付与された熱エネルギを効率良く自励振動Faのエネルギに変換できれば、熱−仕事変換効率の高い熱音響装置500を実現できる。加熱部504に付与された熱エネルギを効率良く自励振動Faのエネルギに変換するためには、加熱部504によってループ管502内の気体に付与された熱エネルギが、蓄熱部508を介して放熱部506に到達し、当該放熱部506にてできるだけ多く排熱される必要がある。
しかし、上述した時間平均の質量流束Fbは、加熱部504により加熱されたループ管502内部の気体を、加熱部504から蓄熱部508と反対側に移動させる気体流動成分である(図17に示された、時間平均の質量流束Fbの進行方向参照)。
従って、時間平均の質量流束Fbが大きくなれば、加熱部504によってループ管502内の気体に付与された熱エネルギのうち、放熱部506ではなくループ管502の管壁を介して外気に排熱される熱エネルギの量が多くなり、その分だけ、放熱部506にて排熱される熱エネルギの量が減少する。そして、放熱部506にて排熱される熱エネルギの量がこのように減少する分だけ、熱音響装置500における熱−仕事変換効率が低下してしまう。
そこで、本発明は、熱音響効果を用いた熱音響装置において、時間平均の質量流束Fbを抑制することで、熱−仕事変換効率の向上を図ることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の熱音響装置は、内部に気体が充填されたループ管と、ループ管内の気体を加熱する加熱部と、ループ管内の気体が有する熱を放熱させる放熱部と、加熱部と放熱部とに挟まれたループ管内における箇所に配置された蓄熱部と、ループ管の一部分にループ管の軸方向に直列となるよう配置され、蓄熱部内で生じる温度勾配によってループ管内の気体に発生する圧力変動に応動して自励的な往復振動を行う応動部材を有する共振器と、を備える。
そして、上記の応動部材が、加熱部における蓄熱部と反対側の端部とループ管内の気体を介して対向する端部である第1端部と、放熱部における蓄熱部と反対側の端部とループ管内の気体を介して対向する端部である第2端部と、を有している。
つまり、この熱音響装置では、応動部材がループ管に対して直列に配置され、応動部材の第1端部と第2端部とがループ管の軸方向の気体流路に面するように配置されている。
従って、本発明の熱音響装置によれば、ループ管内の気体に生ずる時間平均の質量流束(図17に示された質量流束Fb参照)が、応動部材(詳しくは、第1端部)によって少なくとも部分的にせき止められ、低減される。すなわち、本発明の熱音響装置によれば、このように時間平均の質量流束が低減される分だけ、熱−仕事変換効率を向上できる。
また、本発明の熱音響装置は、上記の圧力変動の際に、ループ管内の加熱部における蓄熱部と反対側の端部と第1端部との間の領域である第1領域のうち第1端部に隣接する第1隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相と、ループ管内の放熱部における蓄熱部と反対側の端部と第2端部との間の領域である第2領域のうち第2端部に隣接する第2隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相とがそれぞれ一致するよう構成されている。
第1隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相と、第2隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相とが不一致であると、応動部材が往復振動を行えない。
しかし、本発明の熱音響装置では、第1隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相と、第2隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相とがそれぞれ一致すよう構成されているので、応動部材が往復振動を持続しうる。
しかも、本発明の熱音響装置では、第2領域に存する気体の質量が、第1領域に存する気体の質量よりも小さくなるループ管上の位置に、共振器が配置される。
このようにすれば、加熱部から第1領域を介して応動部材の第1端部に伝達される仕事(応動部材が第1端部にて気体から受けるPV仕事に相当する仕事流)が、応動部材の第2端部から第2領域を介して放熱部に伝達される仕事(応動部材が第2端部を介して気体に対して行うPV仕事に相当する仕事流)よりも大きくなる。
このように、応動部材が第1領域を介して第1端部で受ける仕事流の大きさが、第2端部から第2領域を介して放熱部に流出させる仕事流の大きさよりも大きくなる場合には、第1端部で受ける仕事流と第2端部から流出させる仕事流との差に相当する仕事流を、応動部材が自己の往復振動のために消費できる。
従って、本発明によれば、このように応動部材が往復振動のために仕事流を消費できる分だけ、応動部材の往復振動を持続させることが可能となる。
本発明の熱音響装置においては、共振器が、応動部材を内部に収納する圧力容器を更に備えていても良い。
そして、この場合には、第1領域と圧力容器内とを連通させる第1連通路を設けて、圧力容器と第1連通路とを備える構成を共鳴器として機能させることにより、上記の圧力変動の際に、第1隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相と、第2隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相とがそれぞれ一致するよう当該熱音響装置が構成されていても良い。
また、圧力容器と第1連通路とに加え、第2領域と圧力容器内とを連通させる第2連通路を更に設けて、圧力容器と第1連通路と第2連通路とを備える構成を共鳴器として機能させることにより、上記の圧力変動の際に、第1隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相と、第2隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相とがそれぞれ一致するよう当該熱音響装置が構成されていても良い。
これらの場合においては、第1隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相と、第2隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相とをそれぞれ一致させる構成(以下、単に「変位振幅・位相調整構成」とも記載する。)である共鳴器を実現するために、応動部材を収納するための圧力容器を用いている分だけ(換言すれば、応動部材を収納しない圧力容器を用いない分だけ)、変位振幅・位相調整構成(延いては熱音響装置)のコンパクト化を図ることができる。
なお、変位振幅・位相調整構成を備えない場合における第1隣接領域、第2隣接領域間の気体の変位振幅差および変位位相差は、ループ管の形状や長さ、加熱部と放熱部の作用により発生する蓄熱部での温度勾配、応動部材の質量等によって異なる。
変位振幅・位相調整構成を具体的に構成するにあたっては、上述の変位振幅差および変位位相差それぞれの大きさに応じて、第1連通路や第2連通路の径や長さを変更することで当該変位振幅差および変位位相差それぞれを解消して、第1隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相と、第2隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相とをそれぞれ一致させる。
上述の変位振幅差および変位位相差それぞれの大きさが比較的小さい場合においては、第1連通路と第2連通路とのうち第2連通路を省いても良いし、第1連通路と第2連通路との両方を用いても良い。第2連通路を省けるか否か(つまり、変位振幅差および変位位相差それぞれの大きさが上記のように比較的小さいか否か)については、上述の変位振幅差および変位位相差それぞれの具体的な大きさや、第1連通路の径や長さを他の部材との位置関係や設計上の事情でどのような範囲で調整できるか等に基づいて決定できる。
ここで、第1連通路としては、種々の態様が考えられるが、一端が第1領域に接続され、他端が圧力容器内に接続された第1キャピラリ管を有するものであっても良い。
そして、このように第1連通路が第1キャピラリ管を有するものである場合には、第1キャピラリ管は、当該第1キャピラリ管がループ管と圧力容器の外部に配置されるよう、ループ管と圧力容器に対して取り付けられたものであっても良い。
このようにすれば、第1キャピラリ管がループ管と圧力容器の外部に配置されている分だけ、第1キャピラリ管の形状や長さを、ループ管や圧力容器の形状や大きさ等による制約を受けないで自由に設定できるという効果が得られる。
変位振幅・位相調整構成が第2連通路を有する場合、第2連通路としては、種々の態様が考えられるが、一端が第2領域に接続され、他端が圧力容器内に接続された第2キャピラリ管を有するものであっても良い。
そして、このように第2連通路が第2キャピラリ管を有するものである場合には、第2キャピラリ管は、当該第2キャピラリ管がループ管と圧力容器の外部に配置されるよう、ループ管と圧力容器に対して取り付けられたものであっても良い。
このようにすれば、第2キャピラリ管がループ管と圧力容器の外部に配置されている分だけ、第2キャピラリ管の形状や長さを、ループ管や圧力容器の形状や大きさ等による制約を受けないで自由に設定できるという効果が得られる。
また、第1連通路としては、第1領域と圧力容器内とを連通させるよう、応動部材の第1端部をなす部材に当該部材を貫通する第1貫通孔を設けることにより形成されたものであっても良い。あるいは、第1連通路としては、第1領域と圧力容器内とを連通させるよう、応動部材の第1端部をなす部材の外周面に第1連通溝を設けることにより形成されたものであっても良い。
このようにすれば、第1連通路を応動部材とは別構成のものとして構成する場合に比べ、変位振幅・位相調整構成(延いては熱音響装置)のコンパクト化を図ることができる。
また、変位振幅・位相調整構成が第2連通路を有する場合、第2連通路としては、第2領域と圧力容器内とを連通させるよう、応動部材の第2端部をなす部材に当該部材を貫通する第2貫通孔を設けることにより形成されたものであっても良い。あるいは、第2連通路としては、第2領域と圧力容器内とを連通させるよう、応動部材の第2端部をなす部材の外周面に第2連通溝を設けることにより形成されたものであっても良い。
このようにすれば、第2連通路を応動部材とは別構成のものとして構成する場合に比べ、変位振幅・位相調整構成(延いては熱音響装置)のコンパクト化を図ることができる。
一方、本発明の熱音響装置においては、変位振幅・位相調整構成として、次の態様を採用することも可能である。
すなわち、第1領域に連通するよう一端がループ管に接続された第1キャピラリ管と、該第1キャピラリ管の他端に接続された、内部にバッファ空間を有する第1容器と、を熱音響装置に設けても良い。そして、第1容器と第1キャピラリ管とを備える構成を共鳴器として機能させることにより、上述の圧力変動の際に、第1隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相と、第2隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相とがそれぞれ一致すよう構成しても良い。
また、第1キャピラリ管と第1容器とに加え、一端が第2領域に連通するようループ管に接続され、他端が第1容器に接続された第2キャピラリ管を更に設けても良い。そして、第1容器と第1キャピラリ管と第2キャピラリ管とを備える構成を共鳴器として機能させることにより、上述の圧力変動の際に、第1隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相と、第2隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相とがそれぞれ一致すよう構成しても良い。
また、第1キャピラリ管と第1容器とに加え、第2領域に連通するよう一端がループ管に接続された第2キャピラリ管と、該第2キャピラリ管の他端に接続された、内部にバッファ空間を有する第2容器と、を更に設けても良い。そして、第1容器と第1キャピラリ管と第2容器と第2キャピラリ管とを備える構成を共鳴器として機能させることにより、上述の圧力変動の際に、第1隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相と、第2隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相とがそれぞれ一致するよう構成しても良い。
これらの場合には、例えば、第1容器あるいは第2容器を、内部に応動部材が収納されていないもの(換言すれば、共振器とは別構成)として設けることも可能である。そして、このようにすれば、第1容器あるいは第2容器を共振器と別構成のものとして設けた分だけ、第1容器あるいは第2容器の形状、大きさ、位置を自由に設定できるという効果が得られる。
一方、本発明の熱音響装置のように、第2領域に存する気体の質量が第1領域に存する気体の質量よりも小さくなるループ管上の位置に共振器が配置される場合の具体的態様としては種々のものが考えられる。
例えば、第2領域の容積を第1領域の容積よりも小さくするループ管上の位置に共振器が配置されることで、第2領域に存する気体の質量が第1領域に存する気体の質量よりも小さくなるよう構成されていても良い。
また、このように、第2領域の容積を第1領域の容積よりも小さくするループ管上の位置に共振器が配置される場合には、ループ管が軸方向の全長に亘って略同一の断面積を有し、第2領域の軸方向の長さを第1領域の軸方向の長さよりも短くするループ管上の位置に共振器が配置されることで、第2領域に存する気体の質量が第1領域に存する気体の質量よりも小さくなるよう構成されていても良い。
一方、本発明の熱音響装置において、応動部材は、当該応動部材が行う往復振動の方向上の両端部それぞれに1つずつピストンを備え、共振器は、当該ピストンの往復振動が可能になるよう当該ピストンを内部に配置させるシリンダを有していても良い。
この場合には、ループ管内で主として発生するのが圧力振動であることから、応動部材の自励的な往復振動が好適に誘起される。
そして、この場合には、応動部材が備える2つのピストンのうち、一方のピストンは第1端部を有し、他方のピストンは第2端部を有していても良い。そして、第1端部の面積が第2端部の面積よりも大きくなるよう上記2つのピストンが構成されていても良い。
このようにすれば、第1端部の面積が第2端部の面積よりも大きい分だけ、応動部材が自己の往復振動のために消費できるPV仕事に相当する仕事流(応動部材が第1端部で受ける仕事流と応動部材が第2端部から流出させる仕事流との差に相当する仕事流)の大きさを大きくできる。
従って、このように応動部材が往復振動のために消費できる仕事流の大きさを大きくできる分だけ、応動部材の往復振動をより好適に持続させることが可能となる。
また、本発明の熱音響装置において、応動部材は、1つのピストンを備え、共振器は、当該ピストンの往復振動が可能になるよう当該ピストンを内部に配置させるシリンダを有していても良い。
この場合にも、ループ管内で主として発生するのが圧力振動であることから、応動部材の自励的な往復振動が好適に誘起される。また、応動部材がピストンを1つだけ備えた場合には、2つのピストンを備えたものとして応動部材を構成する場合に比べ、応動部材の構成を簡略化できる。
一方、本発明の熱音響装置におけるループ管内で発生する気体の自励的な圧力変動のエネルギは、種々の態様で利用できる。
例えば、本発明の熱音響装置において、共振器は、応動部材の往復振動に応動して発電を行う発電機として構成されていても良い。
このようにすれば、ループ管内で発生する気体の自励的な圧力変動のエネルギを発電機による起電力として好適に利用できる。
この場合、共振器は、応動部材の側面を包囲するよう設けられた固定子を有し、応動部材と固定子とのうちの一方にはコイルが設けられ、他方には当該コイルと対向するよう磁石が設けられていても良い。そして、この場合には、応動部材が往復振動を行った際に、コイルと磁石との相互作用によりコイルに起電力が発生することで発電が行われるよう熱音響装置が構成されていると良い。
ここで、共振器では、応動部材の往復振動の際の中立位置への復帰が好適になされるようにして、応動部材の往復振動を安定的に継続させるため、種々の構成を採用しうる。
例えば、応動部材を当該応動部材の中立位置に位置するよう付勢するばね部材を応動部材に設けることで、往復振動時の応動部材の中立位置を安定させ、以て、応動部材の往復振動を安定的に継続させるよう構成しても良い。
また、共振器を上記のようにコイルと磁石との相互作用により駆動される発電機として構成する場合には、上記のようにばね部材を用いることも可能であるが、次の構成を採用することも可能である。
すなわち、応動部材の往復振動の際の中立位置への復帰がコイルと磁石との相互作用により発生する拘束力(換言すれば、コイルに流れる電流と磁石による磁界との間に作用する電磁力)のみで実現されるよう共振器が構成されていても良い。
このようにすれば、上述のようなばね部材等を省ける分だけ、共振器(延いては、熱音響装置)の構成を簡略化できる。
一方、本発明の熱音響装置において、ループ管内で発生する気体の自励的な圧力変動のエネルギの利用態様としては、次のものも考えられる。
すなわち、第2領域での上述の圧力変動に応動して発電を行う発電機を、第2領域をなすループ管の部分に分岐するように設けても良い。
この場合においても、ループ管内で発生する気体の自励的な圧力変動のエネルギを発電機による起電力として好適に利用できる。
この場合、発電機を設ける部位としては、第2領域をなすループ管の部分であれば、特段限定されないが、例えば、当該発電機に関しては、放熱部における蓄熱部と反対側の端部近傍のループ管の部分に設けても良い。
ループ管内で発生する気体の自励的な圧力変動のエネルギを効率良く発電機等の出力装置で利用するためには、ループ管内で発生する当該圧力変動と気体変位との間の位相差が90度となるループ管内の位置に出力装置を取り付けて、出力装置が当該圧力変動により駆動されるよう構成することが望ましい。
本発明の熱音響装置では、ループ管内で発生する気体の圧力変動と気体変位との間の位相差が90度となる位置を放熱部内部とすることができる。
従って、上記のように、放熱部における蓄熱部と反対側の端部近傍のループ管の部分に発電機を設ければ、気体の圧力変動と気体変位との間の位相差が90度に近い部位で発電機を効率良く駆動できる。
なお、このように、第2領域をなすループ管の部分に分岐するように発電機を設ける場合には、第2領域での気体の圧力変動に応じて当該圧力変動の周波数と同一の周波数で自励的な往復振動を行う可動子を当該発電機が備え、該可動子の往復振動に応動して発電を行うよう当該発電機を構成することが、当該発電機による発電効率を高めるためには好ましい。
また、一方、本発明の熱音響装置において、ループ管内で発生する気体の自励的な圧力変動のエネルギの利用態様としては、次のものも考えられる。
すなわち、第2領域での上記の圧力変動に応じて動作する冷凍機を、ループ管の軸方向に直列となるよう、第2領域をなすループ管の部分に設けても良い。
この場合、当該冷凍機は、ループ管外の熱を吸熱してループ管内の気体に付与する冷凍用吸熱部と、ループ管内の気体が有する熱を放熱させる冷凍用放熱部と、冷凍用吸熱部と冷凍用放熱部とに挟まれたループ管内における箇所に配置され、冷凍用吸熱部で吸熱された熱を冷凍用放熱部に供給させる冷凍用蓄冷部と、を備えていても良い。
そして、ループ管の第2領域における放熱部から第2端部に至る経路において、冷凍用吸熱部、冷凍用蓄冷部、冷凍用放熱部の順で、冷凍用吸熱部、冷凍用蓄冷部、冷凍用放熱部が配置されていても良い。
このようにすれば、ループ管内の第2領域での上記の圧力変動に応じて発生する冷凍用吸熱部での吸熱により、冷凍用吸熱部に接する外気を冷却できる。従って、当該冷凍機を有する熱音響装置を外気冷却を要する種々の目的(排ガス冷却、空調等)のために利用できる。
この場合、冷凍機を設ける部位としては、第2領域をなすループ管の部分であれば、特段限定されない。
但し、ループ管内で発生する気体の自励的な圧力変動のエネルギを効率良く上記冷凍機で利用するためには、ループ管内で発生する当該圧力変動と気体変位との間の位相差が90度となるループ管内の位置に対応するループ管部分に冷凍用吸熱部が位置するよう、冷凍機の部位を設定することが望ましい。
ここで、上述したように、本発明の熱音響装置では、ループ管内で発生する気体の圧力変動と気体変位との間の位相差が90度となる位置を放熱部内部とすることができる。
従って、気体の圧力変動と気体変位との間の位相差が90度に近い部位に冷凍用吸熱部を配置して冷凍機の冷凍効率を向上させるためには、放熱部における蓄熱部と反対側の端部近傍のループ管の部分に冷凍用吸熱部が位置するよう、上記の冷凍機を設けても良い。
また、本発明の熱音響装置において、ループ管内で発生する気体の自励的な圧力変動のエネルギの利用態様としては、次のものも考えられる。
すなわち、第1領域での上記の圧力変動に応じて動作するパルス管冷凍機を、ループ管から分岐するよう、第1領域をなすループ管の部分に設けても良い。
このようにすれば、ループ管内の第1領域での上記の圧力変動に応じて動作するパルス管冷凍機の作用により、外気の冷却が可能となる。従って、当該パルス管冷凍機を有する熱音響装置を外気冷却を要する種々の目的(排ガス冷却、空調等)のために利用できる。
ここで、パルス管冷凍機は、第1領域をなすループ管の部分から分岐する管状部材として構成されていても良い。
この場合、パルス管冷凍機は、管状部材外の熱を吸熱して管状部材内の気体に付与する冷凍用吸熱部と、管状部材内の気体が有する熱を放熱させる冷凍用放熱部と、冷凍用吸熱部と冷凍用放熱部とに挟まれた管状部材における箇所に配置され、冷凍用吸熱部で吸熱された熱を冷凍用放熱部に供給させる冷凍用蓄冷部と、管状部材の部分であって、当該部分内が空洞領域として構成されたパルス管部と、管状部材におけるループ管と反対側の端部に設けられ、管状部材内の気体が有する熱を放熱させる冷凍用第2放熱部と、を備えていても良い。
そして、管状部材におけるループ管側の端部からループ管と反対側の端部に至る経路において、冷凍用放熱部、冷凍用蓄冷部、冷凍用吸熱部、パルス管部、冷凍用第2放熱部の順で、冷凍用放熱部、冷凍用蓄冷部、冷凍用吸熱部、パルス管部、冷凍用第2放熱部が配置されていても良い。
このようにすれば、ループ管内の第1領域での上記の圧力変動に応じて発生するパルス管冷凍機の冷凍用吸熱部での吸熱により、外気の冷却が可能となる。
更に、パルス管冷凍機は、管状部材におけるループ管と反対側の端部に一端が接続された冷凍用キャピラリ管と、該冷凍用キャピラリ管の他端に接続された、内部にバッファ空間を有するバッファタンクと、を更に備えていても良い。
このようにすれば、パルス管冷凍機の冷凍効率を比較的高くできる。
つまり、例えば、パルス管冷凍機の管状部材におけるループ管と反対側の端部が閉塞された壁面として構成されている場合には、ループ管内で発生する気体の圧力変動に応じて発生する管状部材内の気体の圧力変動と気体変位との間の位相差が90度となる位置が、当該壁面となりうる。
パルス管冷凍機の冷凍効率を向上させるためには、管状部材内の気体の圧力変動と気体変位との間の位相差が90度となる位置を、パルス管冷凍機の冷凍用吸熱部にできるだけ近い位置にすることが望ましい。
よって、例えば、上記のようにパルス管冷凍機を冷凍用キャピラリ管とバッファタンクとを更に備えたものとして構成し、冷凍用キャピラリ管とバッファタンクとを備えた構成を位相調整用の共鳴器として機能させることで、管状部材内の気体の圧力変動と気体変位との間の位相差が90度となる位置をパルス管冷凍機の冷凍用吸熱部にできるだけ近づければ、その分だけ、パルス管冷凍機の冷凍効率を向上できる。
一方、本発明の熱音響装置においては、第1領域での上記の圧力変動に応じて当該圧力変動の周波数と同一の周波数の圧力変動が内部で発生する共鳴器を、ループ管から分岐するよう、第1領域をなすループ管の部分に設けても良い。
このようにすれば、ループ管内に発生する自励的な圧力変動(圧力波)の振幅を、上記共鳴器内で発生する圧力変動(圧力波)により、増大させることができる。そして、このようにループ管内の圧力変動の振幅を増大できる分だけ、ループ管内で発生する気体の自励的な圧力変動のエネルギを効率良く利用できる。
また、本発明の熱音響装置においては、第1領域での上記圧力変動に応動して発電を行う発電機を、第1領域をなすループ管の部分に分岐するように設けても良い。
この場合、当該発電機は、第1領域での上記圧力変動に応じて当該圧力変動の周波数と同一の周波数で自励的な往復振動を行う可動子を備え、該可動子の往復振動に応動して発電を行うよう構成されていても良い。
このようにすれば、ループ管内に発生する自励的な圧力変動(圧力波)の振幅を、発電機における可動子の往復振動によって発生する圧力変動(圧力波)により、増大させることができる。そして、このようにループ管内の圧力変動の振幅を増大できる分だけ、発電機の発電効率を高くできる。
また、一方、本発明の熱音響装置においては、加熱部における蓄熱部と反対側の端部と第1端部との間のループ管の部分に、ループ管内の気体が有する熱を放熱させる第2の放熱部を設けても良い。
このようにすれば、ループ管において加熱部として機能する部位を加熱部近傍の部位に好適に制限することが可能になる。
つまり、まず、本発明の熱音響装置では、加熱部によってループ管内の気体に付与された熱エネルギを加熱部から蓄熱部と反対側に移動させる気体流動成分である時間平均の質量流束が低減される。
従って、本発明によれば、時間平均の質量流束によって加熱部から蓄熱部と反対側に移動された熱エネルギの放熱によって第1領域をなすループ管の部分が加熱されるといったことは起き難くなる。
しかし、ループ管内の気体に熱音響効果によって発生する自励的な圧力変動は、ループ管の軸方向に気体を往復運動させる振動であるため、このような圧力変動によっても、加熱部によってループ管内の気体に付与された熱エネルギの一部が加熱部から蓄熱部と反対側に流出し、加熱部の蓄熱部と反対側の端部側におけるループ管の部分を放熱作用により加熱してしまう。
この場合には、加熱部として機能する部分以外のループ管部分が放熱により比較的高温になる。
従って、場合によっては、熱音響装置の使用者がループ管部分に触れて作業を行うことが困難になったり、放熱により比較的高温となったループ管部分が実質的に加熱部として機能することで第1領域が小さくなり、本発明の特徴の1つである、第2領域に存する気体の質量が、第1領域に存する気体の質量よりも小さくなるループ管上の位置に、共振器が配置される、という状態が維持し難くなりうる、という問題が発生する可能性がある。
そこで、このような問題の発生が懸念される場合等においては、上記のように、加熱部における蓄熱部と反対側の端部と第1端部との間のループ管の部分に、ループ管内の気体が有する熱を放熱させる第2の放熱部を設けることで、加熱部として機能する部位を加熱部近傍の部位に制限することが好ましい。
なお、このように第2の放熱部を設ける場合において、上記のように、パルス管冷凍機をも設ける場合には、パルス管冷凍機を、第1領域をなすループ管の部分のうち、第2の放熱部と第1端部との間の部分に設けても良い。
このようにすれば、パルス管冷凍機が設けられたループ管内の部分を第1領域として好適に機能させることができる。
また、第2の放熱部を熱音響装置に設ける場合において、上記のように、第1領域での上記圧力変動に応じて当該圧力変動の周波数と同一の周波数の圧力変動が内部で発生する共鳴器を、ループ管から分岐するよう、第1領域をなす前記ループ管の部分に設ける場合には、当該共鳴器を、第1領域をなすループ管の部分のうち、第2の放熱部と第1端部との間の部分に設けてもよい。
このようにすれば、当該共鳴器が設けられたループ管内の部分を第1領域として好適に機能させることができる。
更に、第2の放熱部を熱音響装置に設ける場合において、上記のように、第1領域での圧力変動に応動して発電を行う発電機を、第1領域をなすループ管の部分に分岐するように設ける場合には、当該発電機を、第1領域をなすループ管の部分のうち、第2の放熱部と第1端部との間の部分に設けてもよい。
このようにすれば、当該発電機が設けられたループ管内の部分を第1領域として好適に機能させることができる。
一方、本発明の熱音響装置は、温度勾配発生部と共振器とを有する熱音響共振部を複数個と、内部に気体が充填されたループ管と、を備えたものであっても良い。
この場合、夫々の熱音響共振部が有する温度勾配発生部は、ループ管内の気体を加熱する加熱部と、ループ管内の気体が有する熱を放熱させる放熱部と、加熱部と放熱部とに挟まれたループ管内における箇所に配置された蓄熱部と、を有している。
また、夫々の熱音響共振部が有する共振器は、ループ管の一部分にループ管の軸方向に直列となるよう配置され、蓄熱部内で生じる温度勾配によってループ管内の気体に発生する圧力変動に応動して自励的な往復振動を行う応動部材を有している。
そして、夫々の熱音響共振部が有する共振器の応動部材は、当該応動部材におけるループ管の軸方向上の一端である第1端部と、他端である第2端部と、を有している。
ここで、夫々の熱音響共振部が有する共振器の応動部材における第1端部が、当該共振器を有する熱音響共振部の隣のループ管上の部分に設けられた熱音響共振部が有する温度勾配発生部における加熱部と、ループ管内の気体を介して、対向すると共に、当該熱音響共振部が有する共振器の応動部材における第2端部が、当該共振器を有する熱音響共振部が備える温度勾配発生部における放熱部と、ループ管内の気体を介して、対向するよう、複数個の熱音響共振部は、ループ管上の複数の部分に夫々設けられている。
従って、この熱音響装置においても、ループ管内の気体に生ずる時間平均の質量流束が、夫々の熱音響共振部が有する共振器の応動部材(詳しくは、第1端部)によって少なくとも部分的にせき止められ、低減される。すなわち、この熱音響装置によれば、このように時間平均の質量流束が低減される分だけ、熱−仕事変換効率を向上できる。
また、この熱音響装置においては、上記の圧力変動の際に、夫々の熱音響共振部が有する共振器の応動部材における第1端部と、当該共振器を有する熱音響共振部の隣のループ管上の部分に設けられた熱音響共振部が有する温度勾配発生部における加熱部と、の間におけるループ管内の領域である第1領域のうち当該第1領域の一端をなす第1端部に隣接する第1隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相と、当該熱音響共振部が有する共振器の応動部材における第2端部と、当該共振器を有する熱音響共振部が備える温度勾配発生部における放熱部と、の間におけるループ管内の領域である第2領域のうち当該第2領域の一端をなす第2端部に隣接する第2隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相と、がそれぞれ一致するよう構成されている。
この熱音響装置においては、個々の応動部材の一端である第1端部に面する第1隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相と、他端である第2端部に面する第2隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相とがそれぞれ一致するよう構成されているので、応動部材が往復振動を持続しうる。
また、この熱音響装置においては、夫々の応動部材が有する第2端部に隣接する第2領域に存する気体の質量が、当該応動部材が有する第1端部に隣接する第1領域に存する気体の質量よりも小さくなるループ管上の位置に、当該応動部材を有する共振器が配置されるよう、複数個の熱音響共振部がループ管上の複数の部分に夫々設けられている。
従って、この熱音響装置においては、夫々の応動部材が第1領域を介して第1端部で受ける仕事流の大きさが、第2端部から第2領域を介して流出させる仕事流の大きさよりも大きくなる。
それ故、夫々の応動部材が、第1端部で受ける仕事流と第2端部から流出させる仕事流との差に相当する仕事流を、当該応動部材が自己の往復振動のために消費できる。つまり、この熱音響装置によれば、このように夫々の応動部材が往復振動のために仕事流を消費できる分だけ、当該応動部材の往復振動を持続させることが可能となる。
なお、この場合の熱音響装置において、個々の応動部材の一端である第1端部に面する第1隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相と、他端である第2端部に面する第2隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相とをそれぞれ一致させる構成としては、「変位振幅・位相調整構成」として上述した種々の構成を夫々採用しうる。
以下、本発明が適用された実施例について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り、種々の形態をとり得る。
[実施例1]
[熱音響装置1の構成説明]
図1は、実施例1の熱音響装置1の概略構成を示す図である。
図1に示す如く、熱音響装置1は、ループ管3と、ループ管3に設けられた加熱部5及び放熱部7と、加熱部5と放熱部7とに挟まれたループ管3内における箇所に配置された蓄熱部9と、発電機20(共振器の一例)と、を備えている。
ループ管3内には、作動ガス(気体)が充填されている。作動ガスとしては、例えば、アルゴン、ヘリウム、水素などの低分子数の気体が単独で或いは予め定められた容積比率で混合されたものが用いられる。ループ管3内には、このような作動ガスが例えば約0.1〜3.0MPa程度の圧力で充填される。
ループ管3は、全長に亘って略同一の断面形状および断面積を有する環状の管である。
加熱部5は、ループ管3内の作動ガスを部分的に高温に加熱する部分であり、例えば、加熱用の熱交換器から構成される。加熱部5は、例えば、銅合金などで形成した複数本の金属管であって内部がループ管3内と連通されたものを有するよう構成される。この場合、例えば、当該複数本の金属管の外側に作動ガス加熱用の流体が通される構成を設けることで、複数本の金属管内の作動ガスが加熱されるようにされる。作動ガス加熱用の流体としては、例えば、各種プラントの加熱設備などから排出される排熱ガスなど各種の熱媒体を使用できる。
放熱部7は、ループ管3内の作動ガスを部分的に冷却する部分であり、例えば、冷却用の熱交換器から構成される。放熱部7としては、例えば、放熱フィンをループ管3外面等に設けるなどした上、冷却空気が放熱部7に当たるように流されることで作動ガスの冷却が行なわれる方式や、冷媒(水等)を通す冷媒チューブをループ管3に装着することで作動ガスの冷却が行われる方式のものが用いられ得る。
蓄熱部9は、例えば、ステンレス網などから形成された金属メッシュを複数枚積層した構造体、或いはセラミックや焼結金属から形成されたハニカム構造体により構成される。これらの構造体の内部には微小間隔で微細な作動ガスの通路が形成されている。
加熱部5によって蓄熱部9における加熱部5側の端部9aに高温の熱が供給される一方、放熱部7によって蓄熱部9における放熱部7側の端部9bが冷却されると、蓄熱部9の両端部9a,9b間で温度差が発生し、蓄熱部9内の各通路壁に所定の温度勾配が生じる。この温度勾配の生じた蓄熱部9内の微細通路において作動ガスが当該温度勾配に沿って移動すると、熱音響効果によってループ管3内の作動ガスに自励的な圧力変動(気体変位)が発生する。
発電機20は、ループ管3内の作動ガスに発生する自励的な圧力変動に応動して発電を行えるよう構成されたものである。発電機20は、直線的に往復移動される応動部材22と、応動部材22を内部に収納する圧力容器30とを有するリニア型のものであり、ループ管3の一部分に直列に接続されている。
応動部材22は、ループ管3の一部分にループ管3の軸方向に直列となるよう配置され、蓄熱部9内で生じる温度勾配によってループ管3内の作動ガスに発生する圧力変動に応動して自励的な往復振動を行うよう構成されている。応動部材22は、ループ管3の軸方向に延在する可動子24と、可動子24の軸方向両端部(応動部材22が行う往復振動の方向上の両端部)それぞれに設けられたピストン26,28とを有する。
本実施例では、ピストン26の可動子24と反対側の端部である第1端部26aが、ループ管3内の作動ガスを介して、加熱部5における蓄熱部9と反対側の端部5aと対向している。また、ピストン28の可動子24と反対側の端部である第2端部28aが、ループ管3内の作動ガスを介して、放熱部7における蓄熱部9と反対側の端部7aと対向している。
圧力容器30内には、応動部材22の他に、シリンダ32も配設されている。シリンダ32は、ループ管3と圧力容器30との間の2つの接続箇所近傍に設けられており、ピストン26,28は、シリンダ32内に往復移動可能に配置されている。
また、圧力容器30内では、応動部材22の可動子24をなす軸部の周囲に、磁路を形成するヨーク34(固定子の一例)が配置されている。可動子24に取り付けられた支持体36には、可動子24の側面を包囲するコイル38が設けられている。そして、可動子24の軸方向両端部近傍の部位には、積層された板ばねなどからなるばね部材40a,40bが装着され、可動子24とピストン26,28の往復移動を可能にすべく、可動子24を支持している。また、ヨーク34におけるコイル38と対向する箇所には複数の永久磁石42が取り付けられている。これにより、例えば、ループ管3内で生じる自励的な圧力変動に応じて応動部材22が往復振動した際には、コイル38と永久磁石42との相互作用により、コイル38に起電力(誘導起電力)が発生し、その結果、発電が行われることになる。
なお、コイル38と永久磁石42との位置関係を入れ替えても良いのは勿論である。すなわち、支持体36に永久磁石42を取り付けると共に、ヨーク34における永久磁石42と対向する箇所にコイル38を取り付け、応動部材22が往復振動することに応じて、コイル38と永久磁石42との相互作用により、コイル38に起電力(誘導起電力)を発生させても良い。更に、発電機20の周囲にばね要素を含む防振器を取り付けることで、発電機20(圧力容器30)に生じる振動を抑制できるよう構成しても良い。
本実施例の熱音響装置1は、ループ管3と圧力容器30とに両端が接続された第1,第2キャピラリ管45,47を更に備えている。
第1キャピラリ管45(第1連通路の一例)の一端45aは、ループ管3内における第1端部26aと加熱部5の端部5aとの間の領域である第1領域10に接続され、他端45bは、圧力容器30内に接続されている。本実施例では、第1キャピラリ管45は、ループ管3と圧力容器30の外部に配置されるよう、ループ管3と圧力容器30に対して取り付けられている。また、第1キャピラリ管45の一端45aは、ループ管3の軸方向上に位置する圧力容器30の一端部30a近傍(換言すれば、第1端部26a近傍)に位置している。
第2キャピラリ管47(第2連通路の一例)の一端47aは、ループ管3内における第2端部28aと放熱部7の端部7aとの間の領域である第2領域12に接続され、他端47bは、圧力容器30内に接続されている。本実施例では、第2キャピラリ管47は、ループ管3と圧力容器30の外部に配置されるよう、ループ管3と圧力容器30に対して取り付けられている。また、第2キャピラリ管47の一端47aは、ループ管3の軸方向上に位置する圧力容器30の他端部30b近傍(換言すれば、第2端部28a近傍)に位置している。
本実施例では、熱音響効果によってループ管3内の作動ガスに自励的な圧力変動が発生した際に、圧力容器30と第1キャピラリ管45と第2キャピラリ管47とを備える構成(変位振幅・位相調整構成)が共鳴器(ヘルムホルツ共振器)として機能するよう、圧力容器30と第1キャピラリ管45と第2キャピラリ管47とが構成されている。
そして、熱音響効果によってループ管3内の作動ガスに自励的な圧力変動が発生した際には、第1領域10のうち第1端部26aに隣接する領域である第1隣接領域10aに存する作動ガスの変位振幅および変位位相と、第2領域12のうち第2端部28aに隣接する領域である第2隣接領域12aに存する作動ガスの変位振幅および変位位相とがそれぞれ一致するよう、上記共鳴器は機能する。
具体的には、第1キャピラリ管45に関しては、第1キャピラリ管45の長さや径を調整することで、熱音響効果によってループ管3内の作動ガスに自励的な圧力変動が発生した際に、当該圧力変動の周波数よりも高い周波数の作動ガス変位が第1キャピラリ管45と圧力容器30とからなる領域内で起きるようにする。この場合、第1キャピラリ管45と圧力容器30とからなる領域内で起きる作動ガス変位の位相と、ループ管3内で起きる圧力変動の位相とは、略一致する。
ここで、ループ管3内の作動ガスに起きる圧力変動の周波数よりもどの程度高い周波数の作動ガス変位が第1キャピラリ管45と圧力容器30とからなる領域内で起きるようにするかについては、ループ管3の形状・大きさ、応動部材22の寸法・質量、作動ガスの状態等に応じて、適宜調整・設定される。
また、第2キャピラリ管47に関しては、第2キャピラリ管47の長さや径を調整することで、熱音響効果によってループ管3内の作動ガスに自励的な圧力変動が発生した際に、当該圧力変動の周波数よりも低い周波数の作動ガス変位が第2キャピラリ管47と圧力容器30とからなる領域内で起きるようにする。この場合、第2キャピラリ管47と圧力容器30とからなる領域内で起きる作動ガス変位の位相と、ループ管3内で起きる圧力変動の位相との関係は、略逆位相(略180度の位相ずれ)となる。
ここで、ループ管3内の作動ガスに起きる圧力変動の周波数よりもどの程度低い周波数の作動ガス変位が第2キャピラリ管45と圧力容器30とからなる領域内で起きるようにするかについては、ループ管3の形状・大きさ、応動部材22の寸法・質量、作動ガスの状態等に応じて、適宜調整・設定される。
以上のように第1,第2キャピラリ管45,47の長さや径を調整することで、第1隣接領域10aに存する作動ガスの変位振幅と第2隣接領域12aに存する作動ガスの変位振幅とが一致すると共に、第1隣接領域10aに存する作動ガスの変位位相と第2隣接領域12aに存する作動ガスの変位位相とが一致する。
なお、熱音響効果によってループ管3内の作動ガスに自励的な圧力変動が発生した際には、当該圧力変動の周波数と位相は、第1領域10内であるか第2領域12内であるかを問わず、略同じとなる。
これは、ループ管3内の作動ガスに発生する自励的な圧力変動の周波数は、ループ管3内に応動部材22を直列に設けない場合に比べ、大幅に低いものになるからである。
具体的には、まず、ループ管3内に応動部材22を直列に設けない場合には、ループ管3内の作動ガスに発生する自励的な圧力変動は、応動部材22がループ管3内に介在しないことに起因して、ループ管3の長さを1波長とする圧力変動となり、当該圧力変動の周波数が比較的高くなる。
一方、応動部材22がループ管3に対して直列に配置され、ループ管3内の作動ガスに発生する自励的な圧力変動に応動して応動部材22が駆動される本実施例の場合には、ループ管3内の作動ガスに発生する自励的な圧力変動の周波数(共振周波数)は、第1領域10に位置する作動ガスをばねと見立てたときの気体ばね定数、第2領域12に位置する作動ガスをばねと見立てたときの気体ばね定数、応動部材22が往復振動する際の機械的ばね定数(ばね部材40a,40bのばね定数)、応動部材22の質量、などに基づいて決まる。
また、ループ管3内の作動ガスに発生する自励的な圧力変動に応じて駆動される応動部材22の往復振動周波数は、ループ管3内の作動ガスに発生する自励的な圧力変動の周波数と同じになる。
よって、ループ管3内の作動ガスに発生する自励的な圧力変動の周波数は、ループ管3内に応動部材22を直列に設けない場合に比べ、大幅に低いものになり、それにより、当該圧力変動の周波数と位相は、第1領域10内と第2領域12内とで略同じとなる。
なお、当該圧力変動の振幅の大きさについては、後述するように、第1領域10における作動ガスの圧力変動振幅と第2領域12における作動ガスの圧力変動振幅とを比較すると、第1領域10における作動ガスの圧力変動振幅の方が小さくなる。
また、一方、熱音響装置1では、全長に亘って略同一の断面形状および断面積を有するループ管3上の位置のうち、第2領域12の軸方向の長さを第1領域10の軸方向の長さよりも短くするループ管3上の位置に発電機20を配置することで(換言すれば、第2領域12の容積を第1領域10の容積よりも小さくするループ管3上の位置に発電機20を配置することで)、第2領域12に存する気体の質量が第1領域10に存する気体の質量よりも小さくなるよう構成されている。
これにより、ループ管3内の作動ガスに自励的な圧力変動が発生した際には、第1領域10における作動ガスの圧力変動振幅の大きさの方が、第2領域12における作動ガスの圧力変動振幅の大きさよりも小さくなる。
これは次の理由による。すなわち、まず、ループ管3内の作動ガスに自励的な圧力変動が発生した際には、応動部材22の往復振動により、第1領域10と第2領域との両方に同じ大きさの容積変化が起きる。但し、第1領域10の容積が第2領域12の容積よりも大きい。従って、この容積変化に起因する圧力変化(圧力振幅)の大きさは第1領域10よりも第2領域において大きくなる。但し、圧力振幅の振幅中心は、第1領域10と第2領域とにおいて同じとなる。
更に、熱音響装置1は、第2の放熱部14も備える。第2の放熱部14は、第1端部26aと加熱部5の端部5aとの間のループ管3の部分に設けられている。第2の放熱部14は、放熱部7と同様に、ループ管3内の気体を部分的に冷却する部分であり、例えば、冷却用の熱交換器から構成される。
[熱音響装置1の作動説明]
このように構成された熱音響発電機1において、上記のように蓄熱部9内で温度勾配が生じると、蓄熱部9内の熱エネルギが作動ガスの自励的な圧力振動のエネルギに変換される。
すなわち、蓄熱部9内の温度勾配により、蓄熱部9内の作動ガスが蓄熱部9内の低温側から高温側に移動したとき、作動ガスは蓄熱部9内の微細通路の壁から熱を吸収しながら膨張する。また、作動ガスが蓄熱部9内の高温側から低温側に移動したときは、作動ガスは蓄熱部9内の微細通路の壁に熱を排熱しながら収縮する。
このようなループ管3内の蓄熱部9での作動ガスの吸熱と排熱に伴う膨張と収縮が、ループ管3内の作動ガスに自励的な圧力変動を発生させる。そして、この圧力変動に応動して応動部材22が自励的な往復振動を行う。これにより、発電機20における発電が実現される。発電機20において得られた電力は、図示しない発電電力出力回路等を介して発電機20外に出力される。
[熱音響装置1による作用・効果の説明]
本実施例では、応動部材22がループ管3に対して直列に配置され、応動部材22の第1端部26aと第2端部28aとがループ管3の軸方向における作動ガスの流路に面するように配置されている。
従って、本実施例の熱音響装置1によれば、ループ管3内の気体に生ずる時間平均の質量流束(図17に示された質量流束Fb参照)が、応動部材22(詳しくは、第1端部26a)によって少なくとも部分的にせき止められ、低減される。すなわち、本実施例の熱音響装置1によれば、このように時間平均の質量流束が低減される分だけ、熱−仕事変換効率を向上できる。
また、本実施例の熱音響装置1は、ループ管3内の作動ガスに自励的な圧力変動が発生した際に、第1隣接領域10aに存する作動ガスの変位振幅と第2隣接領域12aに存する作動ガスの変位振幅とが一致すると共に、第1隣接領域10aに存する作動ガスの変位位相と第2隣接領域12aに存する作動ガスの変位位相とが一致するよう構成されている。
第1隣接領域10aに存する作動ガスの変位振幅および変位位相と、第2隣接領域12aに存する作動ガスの変位振幅および変位位相とが不一致であると、応動部材22が往復振動を行えない。
しかし、本実施例の熱音響装置1では、第1隣接領域10aに存する作動ガスの変位振幅および変位位相と、第2隣接領域12aに存する作動ガスの変位振幅および変位位相とがそれぞれ一致すよう構成されているので、応動部材22が往復振動を持続しうる。
以下、このことを図2を用いて説明する。
図2は、ループ管3内の作動ガスに熱音響効果による自励的な圧力変動が発生した際における、作動ガスの圧力振幅P(第1領域10と第2領域12とで圧力振幅Pの大きさは異なるが位相は同じ;図2ではこの圧力振幅Pの位相を基準とする)と、第1隣接領域10aに存する作動ガスの変位振幅D1と、第2隣接領域12aに存する作動ガスの変位振幅D2と、の関係をベクトル表示図として模式的に示した図である。
ここで、ベクトル表示された圧力振幅Pと変位振幅D1との間の角度θ1は、圧力振幅Pと変位振幅D1との間の位相差を示している。また、圧力振幅Pと変位振幅D2との間の角度θ2は、圧力振幅Pと変位振幅D2との間の位相差を示している。
第1隣接領域10aに存する作動ガスは、第2隣接領域12aに存する作動ガスに比べると、放熱部7、蓄熱部9、加熱部5を介して第1隣接領域10aに至る仕事流の流路において、熱エネルギの付与を受けた作動ガスであることや、第2隣接領域12aから第1隣接領域10aに至るループ管3内の経路を隔てた位置にある作動ガスであることに起因して、変位振幅の大きさが大きい一方(|D1|>|D2|)、圧力振幅Pとの位相差も大きい(θ1>θ2)。
このように第1隣接領域10aに存する作動ガスの変位振幅(|D1|)と第2隣接領域12aに存する作動ガスの変位振幅(|D2|)とが不一致であると共に、第1隣接領域10aに存する作動ガスの変位位相と第2隣接領域12aに存する作動ガスの変位位相とが不一致である(θ1≠θ2)場合には、応動部材22が往復振動を行えない。
そこで、本実施例では、圧力容器30と第1キャピラリ管45と第2キャピラリ管47とを備える変位振幅・位相調整構成を共鳴器として機能させることで、第1隣接領域10aに存する作動ガスの変位振幅および変位位相(D1)に対して、図2中のA1に相当する調整を施す。更に、本実施例では、応動部材22の往復振動のため仕事流が応動部材22において消費されることに対応した調整(図2中のA2に相当する調整)を第1隣接領域10aに存する作動ガスの変位振幅および変位位相に対して施す。
以上の変位振幅および変位位相の調整により、第1隣接領域10aに存する作動ガスの変位振幅および変位位相が、第2隣接領域12aに存する作動ガスの変位振幅および変位位相と一致する。これにより、応動部材22が往復振動を持続することが可能になる。
また、本実施例では、第2領域12に存する気体の質量が第1領域10に存する気体の質量よりも小さくなるよう構成されている。
よって、加熱部5から第1領域10を介して応動部材22の第1端部26aに伝達される仕事(応動部材22が第1端部26aにて作動ガスから受けるPV仕事に相当する仕事流)が、応動部材22の第2端部28aから第2領域12を介して放熱部7に伝達される仕事(応動部材22が第2端部28aを介して作動ガスに対して行うPV仕事に相当する仕事流)よりも大きくなる。
このように、応動部材22が第1領域10を介して第1端部26aで受ける仕事流の大きさが、第2端部28aから第2領域12を介して放熱部7に流出させる仕事流の大きさよりも大きくなる場合には、第1端部26aで受ける仕事流と第2端部28aから流出させる仕事流との差に相当する仕事流を、応動部材22が自己の往復振動のために消費できる。
従って、本実施例によれば、このように応動部材22が往復振動のために仕事流を消費できる分だけ、応動部材22の往復振動を持続でき、その結果、発電機22による発電を継続的に行うことが可能となる。
また、本実施例の熱音響装置1は、第1端部26aと加熱部5の端部5aとの間のループ管3の部分に第2の放熱部14を備えている。よって、ループ管3において加熱部5として機能する部位を加熱部5近傍の部位に好適に制限することが可能になる。
なお、変位振幅・位相調整構成により調整する作動ガスの変位振幅および変位位相の大きさ(図2中のA1に相当する調整量)が比較的小さい場合には、第2キャピラリ管47を省いても良い。
[実施例2]
次に、実施例2について説明する。
尚、上記実施例1と同様な箇所の説明は、省略又は簡略化する。
図3は、実施例2の熱音響装置1Aの概略構成を示す図である。
本実施例(実施例2)が上記実施例1と異なるのは、第1キャピラリ管45および第2キャピラリ管47が、第1貫通孔51および第2貫通孔53に置き換えられた点(実施例1の発電機20が、当該発電機20に対して第1貫通孔51および第2貫通孔53を追加された発電機20Aに置き換えられた点)だけである。
第1貫通孔51(第1連通路の一例)は、第1領域10と圧力容器30内とを連通させるよう、第1端部26aをなす部材であるピストン26を貫通する貫通孔である。また、第2貫通孔53(第2連通路の一例)は、第2領域12と圧力容器30内とを連通させるよう、第2端部28aをなす部材であるピストン28を貫通する貫通孔である。
本実施例の発電機20Aは、ピストン26に第1貫通孔51が設けられていると共にピストン28に第2貫通孔53が設けられている点でのみ、実施例1の発電機20と異なる。
本実施例では、圧力容器30と第1貫通孔51と第2貫通孔53とを備える変位振幅・位相調整構成を、実施例1の変位振幅・位相調整構成と同様に、共鳴器として機能させる。
つまり、第1貫通孔51の長さや径については、熱音響効果によってループ管3内の作動ガスに自励的な圧力変動が発生した際に、当該圧力変動の周波数よりも高い周波数の作動ガス変位が第1貫通孔51と圧力容器30とからなる領域内で起きるよう調整されている。
また、第2貫通孔53の長さや径については、熱音響効果によってループ管3内の作動ガスに自励的な圧力変動が発生した際に、当該圧力変動の周波数よりも低い周波数の作動ガス変位が第2貫通孔53と圧力容器30とからなる領域内で起きるよう調整されている。
従って、実施例2によれば、実施例1の効果に加え、実施例1のように応動部材22とは別構成の部材として第1キャピラリ管45および第2キャピラリ管47を設ける代わりに、応動部材22に組み込まれた第1貫通孔51および第2貫通孔53を設けた分だけ、変位振幅・位相調整構成(延いては熱音響装置1A)のコンパクト化を図れるという効果が得られる。
なお、本実施例の変位振幅・位相調整構成により調整する作動ガスの変位振幅および変位位相の大きさ(図2中のA1に相当する調整量)が比較的小さい場合には、第2貫通孔53を省いても良い。
[実施例3]
次に、実施例3について説明する。
尚、上記実施例1と同様な箇所の説明は、省略又は簡略化する。
図4(a)は、実施例3の熱音響装置1Bの概略構成を示す図であり、図4(b)は、熱音響装置1Bのピストン26,28の横断面図である。
本実施例(実施例3)が上記実施例1と異なるのは、第1キャピラリ管45および第2キャピラリ管47が、第1連通溝55および第2連通溝57とに置き換えられた点(実施例1の発電機20が、当該発電機20に対して第1連通溝55および第2連通溝57を追加された発電機20Bに置き換えられた点)だけである。
第1連通溝55(第1連通路の一例)は、第1領域10と圧力容器30内とを連通させるよう、第1端部26aをなす部材であるピストン26の外周面に設けられた溝である。また、第2連通溝57(第2連通路の一例)は、第2領域12と圧力容器30内とを連通させるよう、第2端部28aをなす部材であるピストン28の外周面に設けられた溝である。
本実施例では、圧力容器30と第1連通溝55と第2連通溝57とを備える変位振幅・位相調整構成を、実施例1の変位振幅・位相調整構成と同様に、共鳴器として機能させる。
つまり、第1連通溝55の長さや径については、熱音響効果によってループ管3内の作動ガスに自励的な圧力変動が発生した際に、当該圧力変動の周波数よりも高い周波数の作動ガス変位が第1連通溝55と圧力容器30とからなる領域内で起きるよう調整されている。
また、第2連通溝57の長さや径については、熱音響効果によってループ管3内の作動ガスに自励的な圧力変動が発生した際に、当該圧力変動の周波数よりも低い周波数の作動ガス変位が第2連通溝57と圧力容器30とからなる領域内で起きるよう調整されている。
従って、実施例3によれば、実施例1の効果に加え、実施例1のように応動部材22とは別構成の部材として第1キャピラリ管45および第2キャピラリ管47を設ける代わりに、応動部材22に組み込まれた第1連通溝55および第2連通溝57を設けた分だけ、変位振幅・位相調整構成(延いては熱音響装置1B)のコンパクト化を図れるという効果が得られる。
なお、本実施例の変位振幅・位相調整構成により調整する作動ガスの変位振幅および変位位相の大きさ(図2中のA1に相当する調整量)が比較的小さい場合には、第2連通溝57を省いても良い。
[実施例4]
次に、実施例4について説明する。
尚、上記実施例1と同様な箇所の説明は、省略又は簡略化する。
図5は、実施例4の熱音響装置1Cの概略構成を示す図である。
本実施例(実施例4)が上記実施例1と異なるのは、実施例1の発電機20が発電機20Cに置き換えられた点だけである。発電機20Cは、実施例1の発電機20に対して、第1端部26aの面積が第2端部28aの面積よりも大きくなるよう2つのピストン26,28(およびシリンダ32)が構成される変更が加えられたものである。
実施例4によれば、実施例1の効果に加え、次の効果が得られる。
すなわち、本実施例によれば、第1端部26aの面積が第2端部28aの面積よりも大きい分だけ、応動部材22が自己の往復振動のために消費できるPV仕事に相当する仕事流(応動部材22が第1領域10の作動ガスから第1端部26aで受ける仕事流と応動部材22が第2端部28aから第2領域12の作動ガスに流出させる仕事流との差に相当する仕事流)の大きさを大きくできる。
従って、このように応動部材22が往復振動のために消費できる仕事流の大きさを大きくできる分だけ、ループ管3内の作動ガスに生じる自励的な圧力変動に応じた応動部材22の往復振動をより好適に持続させることが可能となる。
[実施例5]
次に、実施例5について説明する。
尚、上記実施例1と同様な箇所の説明は、省略又は簡略化する。
図6は、実施例5の熱音響装置1Dの概略構成を示す図である。
本実施例(実施例5)が上記実施例1と異なるのは、実施例1の発電機20と異なり、実施例5の発電機20Dでは、ばね部材40a,40bが省かれ、シリンダ32が可動子24とピストン26,28の往復移動を可能にすべく、ピストン26,28を支持している点だけである。
本実施例では、ループ管3内の作動ガスに生じる自励的な圧力変動に応じた応動部材22の往復振動の際の、応動部材22の中立位置への復帰が、コイル38と永久磁石42との相互作用により発生する拘束力(換言すれば、コイル38に流れる電流と永久磁石42による磁界との間に作用する電磁力)のみで実現される。
従って、実施例5によれば、実施例1の効果に加え、ばね部材40a,40bを省ける分だけ、発電機20D(延いては、熱音響装置1D)の構成を簡略化できるという効果が得られる。
[実施例6]
次に、実施例6について説明する。
尚、上記実施例1と同様な箇所の説明は、省略又は簡略化する。
図7は、実施例6の熱音響装置1Eの概略構成を示す図である。
本実施例(実施例6)が上記実施例1と異なるのは、実施例1の変位振幅・位相調整構成が、第1キャピラリ管61と第2キャピラリ管63とバッファ容器65とを備える変位振幅・位相調整構成に置き換えられた点と、実施例1の発電機20が発電機20Eに置き換えられた点である。
実施例1の発電機20における応動部材22が、可動子24とピストン28とを備えた(ピストン26が省かれた)応動部材22Eに置き換えられると共に、実施例1のピストン32が、ピストン28を往復移動可能に内部に配置するピストン32Eに置き換えられるという変更が実施例1の発電機20に加えられたのが発電機20Eである。
第1キャピラリ管61の一端61aは、第1領域10に接続され、他端61bは、バッファ容器65(第1容器の一例)内に接続されている。実施例6では、第1キャピラリ管61の一端61aは、ループ管3の軸方向上に位置する圧力容器30の一端部30a近傍に位置している。第1キャピラリ管61の長さや径については、熱音響効果によってループ管3内の作動ガスに自励的な圧力変動が発生した際に、当該圧力変動の周波数よりも高い周波数の作動ガス変位が第1キャピラリ管61とバッファ容器65とからなる領域内で起きるよう調整されている。
第2キャピラリ管63の一端63aは、第2領域12に接続され、他端63bは、バッファ容器65内に接続されている。実施例6では、第2キャピラリ管63の一端63aは、ループ管3の軸方向上に位置する圧力容器30の他端部30b(換言すれば、第2端部28a)近傍に位置している。第2キャピラリ管63の長さや径については、熱音響効果によってループ管3内の作動ガスに自励的な圧力変動が発生した際に、当該圧力変動の周波数よりも低い周波数の作動ガス変位が第2キャピラリ管63とバッファ容器65とからなる領域内で起きるよう調整されている。
バッファ容器65は、内部にバッファ空間を有する容器である。
実施例6では、ピストン28の可動子24側の端部28bが実施例1の第1端部26aと同様に機能する。
つまり、実施例6では、熱音響効果によってループ管3内の作動ガスに自励的な圧力変動が発生した際に、第1キャピラリ管61と第2キャピラリ管63とバッファ容器65とを備える変位振幅・位相調整構成を共鳴器として機能させることにより、第1領域10のうち端部28bに隣接する領域である第1隣接領域10aEに存する作動ガスの変位振幅および変位位相と、第2隣接領域12aに存する作動ガスの変位振幅および変位位相とをそれぞれ一致させる。
実施例6によれば、実施例1の効果に加え、次の効果が得られる。
すなわち、実施例6では、バッファ容器65が、実施例1の圧力容器30と異なり、発電機20Eとは別構成のものとして構成されている分だけ、バッファ容器65の形状、大きさ、位置を自由に設定できるという効果が得られる。
また、実施例6では、応動部材22Eがピストン26を有さないものとして構成された分だけ、応動部材22Eの構成(延いては、熱音響装置1Eの構成)を簡略化できるという効果が得られる。
なお、本実施例の変位振幅・位相調整構成により調整する作動ガスの変位振幅および変位位相の大きさ(図2中のA1に相当する調整量)が比較的小さい場合には、第2キャピラリ管63を省いても良い。
[実施例7]
次に、実施例7について説明する。
本実施例(実施例7)は、上記実施例6の変形例といえるものであり、本実施例において、上記実施例6と同様な箇所の説明は、省略又は簡略化する。
図8は、本実施例の熱音響発電機1Fの概略構成を示す図である。
本実施例が上記実施例6と異なるのは、実施例6の第1キャピラリ管61と第2キャピラリ管63とバッファ容器65とを備える変位振幅・位相調整構成が、第1バッファ容器67と第1キャピラリ管69と第2バッファ容器71と第2キャピラリ管73とを備える変位振幅・位相調整構成に置き換えられた点だけである。
第1キャピラリ管69の一端69aは、第1領域10に接続され、他端69bは、第1バッファ容器67(第1容器の一例)内に接続されている。実施例7では、第1キャピラリ管69の一端69aは、ループ管3の軸方向上に位置する圧力容器30の一端部30a近傍に位置している。第1キャピラリ管69の長さや径については、熱音響効果によってループ管3内の作動ガスに自励的な圧力変動が発生した際に、当該圧力変動の周波数よりも高い周波数の作動ガス変位が第1バッファ容器67と第1キャピラリ管69とからなる領域内で起きるよう調整されている。
第2キャピラリ管73の一端73aは、第2領域12に接続され、他端73bは、第2バッファ容器71内に接続されている。実施例7では、第2キャピラリ管73の一端73aは、ループ管3の軸方向上に位置する圧力容器30の他端部30b近傍(換言すれば、第2端部28a近傍)に位置している。第2キャピラリ管73の長さや径については、熱音響効果によってループ管3内の作動ガスに自励的な圧力変動が発生した際に、当該圧力変動の周波数よりも低い周波数の作動ガス変位が第2キャピラリ管73と第2バッファ容器71とからなる領域内で起きるよう調整されている。
第1バッファ容器67および第2バッファ容器71は、共に、内部にバッファ空間を有する容器である。
実施例7では、実施例6の場合と同様、ピストン28の可動子24側の端部28bが実施例1の第1端部26aと同様に機能する。
つまり、実施例7では、熱音響効果によってループ管3内の作動ガスに自励的な圧力変動が発生した際に、第1バッファ容器67と第1キャピラリ管69と第2バッファ容器71と第2キャピラリ管73とを備える変位振幅・位相調整構成を共鳴器として機能させることにより、第1領域10のうち端部28bに隣接する領域である第1隣接領域10aEに存する作動ガスの変位振幅および変位位相と、第2隣接領域12aに存する作動ガスの変位振幅および変位位相とをそれぞれ一致させる。
実施例7によれば、実施例1の効果に加え、次の効果が得られる。
すなわち、実施例7では、第1バッファ容器67および第2バッファ容器71が、実施例1の圧力容器30と異なり、発電機20Eとは別構成のものとして構成されている分だけ、第1バッファ容器67および第2バッファ容器71の形状、大きさ、位置を自由に設定できるという効果が得られる。
また、実施例7では、応動部材22Eがピストン26を有さないものとして構成された分だけ、応動部材22Eの構成(延いては、熱音響装置1Fの構成)を簡略化できるという効果が得られる。
なお、本実施例の変位振幅・位相調整構成により調整する作動ガスの変位振幅および変位位相の大きさ(図2中のA1に相当する調整量)が比較的小さい場合には、第2バッファ容器71と第2キャピラリ管73を省いても良い。
[実施例8]
次に、実施例8について説明する。
尚、上記実施例1と同様な箇所の説明は、省略又は簡略化する。
図9は、実施例8の熱音響装置1Gの概略構成を示す図である。
本実施例(実施例8)が上記実施例1と異なるのは、実施例1の発電機20が、当該発電機20からヨーク34、支持体36、コイル38、永久磁石42が省かれた共振器20Gに置き換えられた点と、第2領域12での作動ガスの圧力変動に応動して発電を行う発電機80が、第2領域12をなすループ管3の部分に分岐するように設けられた点だけである。
実施例8の熱音響装置1Gにおいても、熱音響効果によってループ管3内の作動ガスに自励的な圧力変動が発生した際には、実施例1の場合と同様の作用・効果に基づき、応動部材22が継続的に往復振動を行う。
発電機80は、このようにループ管3内の作動ガスに自励的な圧力変動が発生して応動部材22が継続的に往復振動を行っているときに、当該圧力変動のエネルギを起電力として取り出す。
本実施例では、発電機80は、放熱部7の端部7a近傍のループ管3の部分に設けられている。ループ管3内で自励的な圧力変動が発生した際の圧力変動と気体変位との間の位相差が90度となる位置に発電機80を取り付ければ、当該圧力変動のエネルギを効率良く発電機80で利用できるところ、本実施例では、このように圧力変動と気体変位との間の位相差が90度となる位置は、放熱部7内部となる。
従って、本実施例のように、放熱部7の端部7a近傍のループ管3の部分に発電機80を設ければ、作動ガスの圧力変動と気体変位との間の位相差が90度に近い部位で発電機80を効率良く駆動できる。
なお、本実施例において、発電機80は、次の構成を有するものである。
すなわち、まず、発電機80は、直線的に往復移動される可動子82を備えたリニア型のものである。発電機80は、ループ管3の側部に分岐するように接続され、隣接するループ管3内の部分で生じる圧力変動に対応した内部圧力変動を生じる圧力容器84を備えている。圧力容器84内には、シリンダ86と、ピストン88が配設されている。シリンダ86は、ループ管3と圧力容器84との接続箇所近傍に設けられており、ピストン88は、シリンダ86内に往復移動可能に配置されている。
ピストン88には可動子82の一端が連結されており、可動子82をなす軸部の周囲に、磁路を形成するヨーク90が配置されている。可動子82に取り付けられた支持体92には、可動子82の側面を包囲するコイル94が設けられている。そして、可動子82の両端部には、積層された板ばねなどからなるばね部材96a,96bが装着され、可動子82とピストン88の往復移動を可能にすべく、可動子82を支持している。また、スラスト軸受90におけるコイル94と対向する箇所には複数の永久磁石98が取り付けられている。これにより、例えば、ループ管3内で生じる自励的な圧力変動に応じて可動子82とピストン88が往復振動した際には、コイル94と永久磁石98との相互作用により、コイル94に起電力(誘導起電力)が発生し、その結果、発電が行われることになる。
なお、コイル94と永久磁石98との位置関係を入れ替えても良いのは勿論である。すなわち、支持体92に永久磁石98を取り付けると共に、ヨーク90における永久磁石98と対向する箇所にコイル94を取り付け、可動子82とピストン88が往復振動することに応じて、コイル94と永久磁石98との相互作用により、コイル94に起電力(誘導起電力)を発生させても良い。更に、発電機80の周囲にばね要素を含む防振器を取り付けることで、発電機80(圧力容器84)に生じる振動を抑制できるよう構成しても良い。
[実施例9]
次に、実施例9について説明する。
本実施例(実施例9)は、上記実施例8の変形例といえるものであり、本実施例において、上記実施例8と同様な箇所の説明は、省略又は簡略化する。
図10は、本実施例の熱音響発電機1Hの概略構成を示す図である。
本実施例が上記実施例8と異なるのは、実施例8の発電機80が、第2領域12での作動ガスの圧力変動に応じて動作する冷凍機100に置き換えられた点だけである。
冷凍機100は、ループ管3の軸方向に直列となるよう、第2領域12をなすループ管3の部分に設けられている。冷凍機100は、冷凍用吸熱部102と、冷凍用放熱部104と、冷凍用蓄冷部106とを備える。
冷凍用吸熱部102は、ループ管3外の熱を吸熱してループ管3内の部分の作動ガスに付与する部分であり、例えば、吸熱用の熱交換器(吸熱フィン)を用いて構成される。
冷凍用放熱部104は、ループ管3内の作動ガスが有する熱を放熱させる部分であり、放熱部7と同様の熱交換器から構成される。
冷凍用蓄冷部106は、冷凍用吸熱部102と冷凍用放熱部104とに挟まれたループ管3内における箇所に配置され、冷凍用吸熱部102で吸熱された熱を冷凍用放熱部104に供給する。冷凍用蓄冷部106は、蓄熱部9と同様の構造を持つものとして構成できる。
そして、冷凍用吸熱部102、冷凍用蓄冷部106、冷凍用放熱部104は、ループ管3の第2領域12における放熱部7から第2端部28aに至る経路において、冷凍用吸熱部102、冷凍用蓄冷部106、冷凍用放熱部104の順で、配置されている。
更に、本実施例では、放熱部7の端部7a近傍のループ管3の部分に冷凍用吸熱部102が位置するよう、冷凍機100は設けられている。
従って、本実施例によれば、熱音響効果によってループ管3内の作動ガスに自励的な圧力変動が発生した際には、当該圧力変動に応じて発生する冷凍用吸熱部102での吸熱により、冷凍用吸熱部102に接する外気を冷却できる。冷凍機100を有する熱音響装置1Hを外気冷却を要する種々の目的(排ガス冷却、空調等)のために利用できる。
また、ループ管3内で自励的な圧力変動が発生した際の圧力変動と気体変位との間の位相差が90度となる位置に冷凍用吸熱部102が位置するよう冷凍機100を取り付ければ、当該圧力変動のエネルギを効率良く冷凍機100で利用できるところ、本実施例では、このように圧力変動と気体変位との間の位相差が90度となる位置は、放熱部7内部となる。
従って、本実施例のように、放熱部7の端部7a近傍のループ管3の部分に冷凍用吸熱部102が位置するよう冷凍機100を設ければ、作動ガスの圧力変動と気体変位との間の位相差が90度に近い部位で冷凍機100を効率良く動作させることができる。
[実施例10]
次に、実施例10について説明する。
本実施例(実施例10)は、上記実施例8の変形例といえるものであり、本実施例において、上記実施例8と同様な箇所の説明は、省略又は簡略化する。
図11は、本実施例の熱音響発電機1Iの概略構成を示す図である。
本実施例が上記実施例8と異なるのは、実施例8の発電機80が、第1領域10での作動ガスの圧力変動に応じて動作するパルス管冷凍機120に置き換えられた点だけである。
本実施例では、パルス管冷凍機120は、第1領域10をなすループ管3の部分のうち、第2の放熱部14と第1端部26aとの間の部分に、ループ管3から分岐するように設けられた管状部材122として構成されている。
パルス管冷凍機120は、冷凍用吸熱部124と、冷凍用放熱部126と、冷凍用蓄冷部128と、パルス管部130と、冷凍用第2放熱部132と、を備える。
冷凍用吸熱部124は、管状部材122外の熱を吸熱して管状部材122内の作動ガスに付与する部分であり、例えば、吸熱用の熱交換器(吸熱フィン)を用いて構成される。
冷凍用放熱部126は、管状部材122内の作動ガスが有する熱を放熱させる部分であり、放熱部7と同様の熱交換器から構成される。
冷凍用蓄冷部128は、冷凍用吸熱部124と冷凍用放熱部126とに挟まれた管状部材122における箇所に配置され、冷凍用吸熱部124で吸熱された熱を冷凍用放熱部126に供給する。冷凍用蓄冷部128は、蓄熱部9と同様の構造を持つものとして構成できる。
パルス管部130は、内部が空洞領域として構成された管状部材122の部分である。
冷凍用第2放熱部132は、管状部材122におけるループ管3と反対側の端部122aに設けられ、管状部材122内の作動ガスが有する熱を放熱させる部分であり、放熱部7と同様の熱交換器から構成される。
そして、冷凍用放熱部126、冷凍用蓄冷部128、冷凍用吸熱部124、パルス管部130、冷凍用第2放熱部132は、管状部材122におけるループ管3側の端部122bからループ管3と反対側の端部122aに至る経路において、冷凍用放熱部126、冷凍用蓄冷部128、冷凍用吸熱部124、パルス管部130、冷凍用第2放熱部132の順で、配置されている。
また、本実施例では、パルス管冷凍機120が、更に、冷凍用キャピラリ管134と、バッファタンク136とを有する位相調整器138を備える。
キャピラリ管134の一端134aは、管状部材122の端部122aに接続され、他端134bは、内部にバッファ空間を有するバッファタンク136に接続されている。
従って、熱音響効果によってループ管3内の作動ガスに自励的な圧力変動が発生した際には、当該圧力変動に応じて発生する冷凍用吸熱部124での吸熱により、冷凍用吸熱部124に接する外気を冷却できる。パルス管冷凍機120を有する熱音響装置1Iを外気冷却を要する種々の目的(排ガス冷却、空調等)のために利用できる。
ここで、パルス管冷凍機120の冷凍効率を向上させるためには、管状部材122内の作動ガスの圧力変動と気体変位との間の位相差が90度となる位置を、パルス管冷凍機120の冷凍用吸熱部124にできるだけ近い位置にすることが望ましいところ、本実施例では、位相調整器138を位相調整用の共鳴器として機能させることで、管状部材122内の作動ガスの圧力変動と気体変位との間の位相差が90度となる位置を冷凍用吸熱部124にできるだけ近づけている。
従って、本実施例のようにパルス管冷凍機120を構成すれば、位相調整器138を設けない場合に比べ、パルス管冷凍機120を効率良く動作させることができる。
なお、位相調整器138を設けない場合には、管状部材122内の作動ガスの圧力変動と気体変位との間の位相差が90度となる位置が端部122aをなす管状部材122の内壁面となる。
このように位相調整器138を設けない場合も、位相調整器138を設ける場合に比べれば冷凍効率は低くなるものの、パルス管冷凍機120を動作させることは可能である。
[実施例11]
次に、実施例11について説明する。
本実施例(実施例11)は、上記実施例8の変形例といえるものであり、本実施例において、上記実施例8と同様な箇所の説明は、省略又は簡略化する。
図12は、本実施例の熱音響発電機1Jの概略構成を示す図である。
本実施例が上記実施例8と異なるのは、第1領域10での作動ガスの圧力変動に応じて当該圧力変動の周波数と同一の周波数の圧力変動が内部で発生する共鳴器150が追加された点だけである。
本実施例では、共鳴器150は、第1領域10をなすループ管3の部分のうち、第2の放熱部14と第1端部26aとの間の部分に、ループ管3から分岐するように設けられている。本実施例では、共鳴器150は、ループ管3に一端152aが接続された共鳴管152と、共鳴管152の他端152bに対してテーパ形状の接続管部154を介して接続されたタンク156と、を備える。
熱音響効果によってループ管3内の作動ガスに自励的な圧力変動が発生した際には、当該圧力変動の周波数と同一の周波数の圧力変動(圧力波)が共鳴器150で発生する。
従って、ループ管3内に発生する自励的な圧力変動(圧力波)の振幅は、共鳴器150内で発生する圧力変動(圧力波)により、増大される。そして、このようにループ管3内の圧力変動の振幅が増大される分だけ、発電機80による発電効率は向上される。
[実施例12]
次に、実施例12について説明する。
本実施例(実施例12)は、上記実施例11の変形例といえるものであり、本実施例において、上記実施例11と同様な箇所の説明は、省略又は簡略化する。
図13は、本実施例の熱音響発電機1Kの概略構成を示す図である。
本実施例が上記実施例11と異なるのは、実施例11の発電機80が、実施例9で説明した冷凍機100に置き換えられた点だけである。
この熱音響装置1Kでは、ループ管3内に発生する自励的な圧力変動(圧力波)の振幅は、共鳴器150内で発生する圧力変動(圧力波)により、増大される(実施例11参照)。従って、このようにループ管3内の圧力変動の振幅が増大される分だけ、冷凍機100による冷凍効率は向上される。
[実施例13]
次に、実施例13について説明する。
本実施例(実施例13)は、上記実施例11の変形例といえるものであり、本実施例において、上記実施例11と同様な箇所の説明は、省略又は簡略化する。
図14は、本実施例の熱音響発電機1Lの概略構成を示す図である。
本実施例が上記実施例11と異なるのは、実施例11の発電機80が、実施例10で説明したパルス管冷凍機120に置き換えられた点だけである。
この熱音響装置1Lでは、ループ管3内に発生する自励的な圧力変動(圧力波)の振幅は、共鳴器150内で発生する圧力変動(圧力波)により、増大される(実施例11参照)。従って、このようにループ管3内の圧力変動の振幅が増大される分だけ、パルス管冷凍機120による冷凍効率は向上される。
[実施例14]
次に、実施例14について説明する。
本実施例(実施例14)は、上記実施例8の変形例といえるものであり、本実施例において、上記実施例8と同様な箇所の説明は、省略又は簡略化する。
図15は、本実施例の熱音響発電機1Mの概略構成を示す図である。
本実施例が上記実施例8と異なるのは、実施例8の発電機80が、第1領域10での作動ガスの圧力変動に応動して発電を行う発電機160に置き換えられた点だけである。
本実施例では、発電機160は、第1領域10をなすループ管3の部分のうち、第2の放熱部14と第1端部26aとの間の部分に、ループ管3から分岐するように設けられている。
発電機160の構成は実施例8の発電機80と同じである。但し、発電機160では、熱音響効果によってループ管3内の作動ガスに自励的な圧力変動が発生した際に、当該圧力変動の周波数と同一の周波数で、可動子82(可動子82とピストン88)が自励的に往復振動を行うよう構成されている。
従って、ループ管3内に発生する自励的な圧力変動(圧力波)の振幅は、発電機160における可動子82の往復振動によって発生する圧力変動(圧力波)により、増大される。そして、このようにループ管3内の圧力変動の振幅が増大される分だけ、発電機160のピストン88に作用する作動ガスの圧力の振幅も増大し、発電機160による発電効率は向上される。
なお、可動子82(可動子82とピストン88)の自励的な往復振動の周波数(共振周波数)は、可動子82が往復振動する際の機械的ばね定数(ばね部材96a,96bのばね定数)、圧力容器84内の気体(作動ガス)をばねと見立てたときの気体ばね定数、可動子82とピストン88の質量、などの要素に基づいて決まる。
従って、発電機160の設計時には、これらの要素を適宜調整することで、ループ管3内に発生する自励的な圧力変動(圧力波)の周波数と、可動子82(可動子82とピストン88)の自励的な往復振動の周波数とが一致するよう設定する。
[実施例15]
次に、実施例15について説明する。
尚、上記実施例1〜14と同様な箇所の説明は、省略又は簡略化する。
[熱音響装置1Nの構成説明]
図16は、本実施例の熱音響発電機1Nの概略構成を示す図である。
図16に示す如く、熱音響装置1Nは、温度勾配発生部200Aと発電機(共振器の一例)210Aとを有する熱音響共振部220Aと、温度勾配発生部200Bと発電機(共振器の一例)210Bとを有する熱音響共振部220Bと、ループ管3と、を備える。
温度勾配発生部200A,200Bは、夫々、上述した実施例で説明した加熱部5と放熱部7と蓄熱部9とを備えている。温度勾配発生部200A,200B夫々における加熱部5と放熱部7と蓄熱部9との間の相対的位置関係は、上述した実施例における相対的位置関係と同じである。
発電機210A,210Bは、夫々、実施例1の発電機20と同様の構成を有している。また、発電機210A,210Bの夫々には、実施例1と同様の態様で接続された第1キャピラリ管45と第2キャピラリ管47とが設けられている。
つまり、個々の発電機210A(210B)の圧力容器30と、当該発電機210A(210B)に設けられた第1キャピラリ管45と第2キャピラリ管47とを備える構成(変位振幅・位相調整構成)が、実施例1と同様の共鳴器(ヘルムホルツ共振器)として機能する。
すなわち、熱音響効果によってループ管3内の作動ガスに自励的な圧力変動が発生した際には、この変位振幅・位相調整構成が機能することにより、夫々の熱音響共振部220A(220B)が有する発電機210A(210B)の応動部材22における第1端部26aと当該発電機210A(210B)を有する熱音響共振部220A(220B)の隣のループ管3上の部分に設けられた熱音響共振部220B(220A)が有する温度勾配発生部200B(200A)における加熱部5との間におけるループ管3内の領域である第1領域10のうち当該第1領域10の一端をなす第1端部26aに隣接する第1隣接領域10aに存する作動ガスの変位振幅および変位位相と、当該熱音響共振部220A(220B)が有する発電機210A(210B)の応動部材22における第2端部28aと当該発電機210A(210B)を有する熱音響共振部220A(220B)が備える温度勾配発生部200A(200B)における放熱部7との間におけるループ管3内の領域である第2領域12のうち当該第2領域12の一端をなす第2端部28aに隣接する第2隣接領域12aに存する作動ガスの変位振幅および変位位相と、がそれぞれ一致する。
また、熱音響装置1では、2つの熱音響共振部220A,220Bが、次の3つの条件(条件1〜3)を満たす位置関係となるよう、ループ管3上に配置されている。
(条件1)
「夫々の熱音響共振部220A(220B)が有する発電機210A(210B)の応動部材22における第1端部26aが、当該発電機210A(210B)を有する熱音響共振部220A(220B)の隣のループ管3上の部分に設けられた熱音響共振部220B(220A)が有する温度勾配発生部200B(200A)における加熱部5と、ループ管3内の作動ガスを介して対向する。」
(条件2)
「夫々の熱音響共振部220A(220B)が有する発電機210A(210B)の応動部材22における第2端部28aが、当該発電機210A(210B)を有する熱音響共振部220A(220B)が備える温度勾配発生部200A(200B)における放熱部7と、ループ管3内の作動ガスを介して、対向する。」
(条件3)
「夫々の応動部材22が有する第2端部28aに隣接する第2領域12に存する作動ガスの質量が、当該応動部材22が有する第1端部26aに隣接する第1領域10に存する作動ガスの質量よりも小さくなるループ管3上の位置に、当該応動部材22を有する発電機210A(210B)が配置されるよう、2つの熱音響共振部220A,220Bがループ管3上の2つの部分に夫々設けられる。」
また、本実施例では、温度勾配発生部200A,200Bの夫々において、加熱部5として機能する部位を加熱部5近傍の部位に好適に制限するため、第1領域10をなすループ管3の部分の夫々に第2の放熱部14も設けられている。
[熱音響装置1Nの作動説明]
このように構成された熱音響装置1Nにおいて、熱音響共振部220A,220Bが備える温度勾配発生部200A,200Bの蓄熱部9内で温度勾配が生じると、ループ管3内の作動ガスに自励的な圧力変動が発生する。そして、この圧力変動に応動して夫々の熱音響共振部220A,220Bが有する発電機210A,210Bの応動部材22が自励的な往復振動を行う。これにより、熱音響共振部220A,220Bが有する発電機210A,210Bにおける発電が実現される。発電機210A,210Bにおいて得られた電力は、図示しない発電電力出力回路等を介して発電機210A,210B外に出力される。
[熱音響装置1Nによる作用・効果の説明]
本実施例では、夫々の応動部材22がループ管3に対して直列に配置され、夫々の応動部材22の第1端部26aと第2端部28aとがループ管3の軸方向における作動ガスの流路に面するように配置されている(上記の「条件1」と「条件2」参照)。
従って、本実施例の熱音響装置1Nにおいても、ループ管3内の気体に生ずる時間平均の質量流束(図17に示された質量流束Fb参照)が、夫々の応動部材22(詳しくは、第1端部26)によって少なくとも部分的にせき止められ、低減される。すなわち、本実施例の熱音響装置1Nによれば、このように時間平均の質量流束が低減される分だけ、熱−仕事変換効率を向上できる。
また、熱音響装置1Nにおいては、夫々の応動部材22の一端である第1端部26aに面する第1隣接領域10aに存する作動ガスの変位振幅および変位位相と、他端である第2端部28aに面する第2隣接領域12aに存する作動ガスの変位振幅および変位位相とがそれぞれ一致するよう構成されているので、夫々の応動部材22が往復振動を持続しうる。
更に、熱音響装置1Nにおいては、夫々の応動部材22が有する第2端部28aに隣接する第2領域12に存する作動ガスの質量が、当該応動部材22が有する第1端部26aに隣接する第1領域10に存する作動ガスの質量よりも小さくなるループ管3上の位置に、当該応動部材22を有する発電機210A(210B)が配置されるよう、2つの熱音響共振部220A,220Bがループ管上の2つの部分に夫々設けられている(上記の「条件3」参照)。
従って、熱音響装置1Nにおいては、夫々の応動部材22が第1領域10を介して第1端部26aで受ける仕事流の大きさが、当該応動部材22の第2端部28aから第2領域12を介して流出させる仕事流の大きさよりも大きくなる。
それ故、夫々の応動部材22が、第1端部26aで受ける仕事流と第2端部28aから流出させる仕事流との差に相当する仕事流を、当該応動部材22が自己の往復振動のために消費できる。つまり、熱音響装置1Nによれば、このように夫々の応動部材22が往復振動のために仕事流を消費できる分だけ、当該応動部材22の往復振動を持続させること(各発電機210A(210B)での発電)が可能となる。
また、例えば、本実施例の熱音響装置1Nのループ管3内の作動ガスの質量・容積が、実施例1の熱音響装置1のループ管3内の作動ガスの質量・容積と同じであり、実施例1の発電機20の各部寸法と本実施例の発電機210A(210B)の各部寸法とが同じである場合には、次の効果も得られる。
すなわち、実施例1のように1つの発電機20の応動部材22を往復振動させる場合よりも、本実施例のように2個の発電機210A,210Bの応動部材22を往復振動させる場合の方が、応動部材22の往復振動に伴うループ管3内の作動ガスの容積変化量を大きくすることができる。
よって、このように容積変化量の大きい状態で駆動される本実施例の熱音響装置1Nでは、ループ管3内で発生する作動ガスの圧力変動の振幅が実施例1の場合よりも大きくなる。そして、このように圧力変動の振幅が大きくなる分だけ、本実施例の熱音響装置1では、発電効率が高くなるという効果が得られる。
[実施例15の変形例]
実施例15では、熱音響発電機1Nが2つの熱音響共振部220A,220Bを有するものとして説明したが、実施例15で述べた諸条件を満たす限り、熱音響装置1Nが有する熱音響共振部(220A,220B)の数は3つ以上であっても良い。
また、熱音響共振部220A,220Bが有する発電機210A,210Bや変位振幅・位相調整構成に関しては、実施例1と同様の構成の他、実施例2〜7のいずれかに記載の発電機や変位振幅・位相調整構成を採用しても良い。
また、本実施例の発電機210A,210Bや変位振幅・位相調整構成を実施例8〜14に記載の共振器や変位振幅・位相調整構成に置き換えても良い。
そして、このように置き換えた場合には、第2領域12をなすループ管3の複数の部分のうち少なくとも1つに実施例8の発電機80あるいは実施例9の冷凍機100を設けても良いし、第1領域10をなすループ管3の複数の部分のうち少なくとも1つに実施例10のパルス管冷凍機120あるいは実施例14の発電機160を設けても良い。
また、第1領域10をなすループ管3の複数の部分のうち少なくとも1つに実施例11の共鳴器150を設けても良い。
実施例1の熱音響装置の概略構成を示す図である。 実施例1の熱音響装置において、ループ管内の作動ガスに熱音響効果による自励的な圧力変動が発生した際における、作動ガスの圧力振幅Pと、第1隣接領域に存する作動ガスの変位振幅D1と、第2隣接領域に存する作動ガスの変位振幅D2と、の関係をベクトル表示図として模式的に示した図である。 実施例2の熱音響装置の概略構成を示す図である。 (a)は、実施例3の熱音響装置の概略構成を示す図であり、(b)は、実施例3の熱音響装置が備えるピストンの横断面図である。 実施例4の熱音響装置の概略構成を示す図である。 実施例5の熱音響装置の概略構成を示す図である。 実施例6の熱音響装置の概略構成を示す図である。 実施例7の熱音響装置の概略構成を示す図である。 実施例8の熱音響装置の概略構成を示す図である。 実施例9の熱音響装置の概略構成を示す図である。 実施例10の熱音響装置の概略構成を示す図である。 実施例11の熱音響装置の概略構成を示す図である。 実施例12の熱音響装置の概略構成を示す図である。 実施例13の熱音響装置の概略構成を示す図である。 実施例14の熱音響装置の概略構成を示す図である。 実施例15の熱音響装置の概略構成を示す図である。 従来構成を示す説明図である。
符号の説明
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H,1I,1J,1K,1L,1M,1N…熱音響装置、3…ループ管、5…加熱部、5a…端部、7…放熱部、7a…端部、9…蓄熱部、10…第1領域、12…第2領域、10a,10aE…第1隣接領域、12a…第2隣接領域、14…第2の放熱部、20,20A,20B,20C,20D,20E…発電機、20G…共振器、22,22E…応動部材、24…可動子、26…ピストン、26a,28b…第1端部、28…ピストン、28a…第2端部、30…圧力容器、32…シリンダ、34…ヨーク、36…支持体、38…コイル、40a,40b…ばね部材、42…永久磁石、45…第1キャピラリ管、47…第2キャピラリ管、51…第1貫通孔、53…第2貫通孔、55…第1連通溝、57…第2連通溝、61…第1キャピラリ管、63…第2キャピラリ管、65…バッファ容器、67…第1バッファ容器、69…第1キャピラリ管、71…第2バッファ容器、73…第2キャピラリ管、80…発電機、82…可動子、84…圧力容器、86…シリンダ、88…ピストン、90…ヨーク、92…支持体、94…コイル、96a,96b…ばね部材、98…永久磁石、100…冷凍機、102…冷凍用吸熱部、104…冷凍用放熱部、106…冷凍用蓄冷部、120…パルス管冷凍機、122…管状部材、124…冷凍用吸熱部、126…冷凍用放熱部、128…冷凍用蓄冷部、130…パルス管部、132…冷凍用第2放熱部、134…冷凍用キャピラリ管、136…バッファタンク、138…位相調整器、150…共鳴器、152…共鳴管、154…接続管部、156…タンク、160…発電機、200A,200B…温度勾配発生部、210A,210B…発電機、220A,220B…熱音響共振部

Claims (36)

  1. 内部に気体が充填されたループ管と、
    前記ループ管内の気体を加熱する加熱部と、
    前記ループ管内の気体が有する熱を放熱させる放熱部と、
    前記加熱部と前記放熱部とに挟まれた前記ループ管内における箇所に配置された蓄熱部と、
    前記ループ管の一部分に前記ループ管の軸方向に直列となるよう配置され、前記蓄熱部内で生じる温度勾配によって前記ループ管内の気体に発生する自励的な圧力変動に応動して往復振動を行う応動部材を有する共振器と、
    を備え、
    前記応動部材は、
    前記加熱部における前記蓄熱部と反対側の端部と前記ループ管内の気体を介して対向する端部である第1端部と、
    前記放熱部における前記蓄熱部と反対側の端部と前記ループ管内の気体を介して対向する端部である第2端部と、
    を有し、
    前記圧力変動の際に、前記ループ管内の前記加熱部における前記蓄熱部と反対側の端部と前記第1端部との間の領域である第1領域のうち前記第1端部に隣接する第1隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相と、前記ループ管内の前記放熱部における前記蓄熱部と反対側の端部と前記第2端部との間の領域である第2領域のうち前記第2端部に隣接する第2隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相とがそれぞれ一致するよう構成され、
    前記第2領域に存する気体の質量が、前記第1領域に存する気体の質量よりも小さくなる前記ループ管上の位置に、前記共振器が配置されたことを特徴とする熱音響装置。
  2. 請求項1に記載の熱音響装置において、
    前記共振器は、
    前記応動部材を内部に収納する圧力容器を更に備え、
    前記第1領域と前記圧力容器内とを連通させる第1連通路を設けて、
    前記圧力容器と前記第1連通路とを備える構成を共鳴器として機能させることにより、前記圧力変動の際に、前記第1隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相と、前記第2隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相とがそれぞれ一致するよう構成されたことを特徴とする熱音響装置。
  3. 請求項2に記載の熱音響装置において、
    前記第1連通路は、
    一端が前記第1領域に接続され、他端が前記圧力容器内に接続された第1キャピラリ管を有することを特徴とする熱音響装置。
  4. 請求項3に記載の熱音響装置において、
    前記第1キャピラリ管は、当該第1キャピラリ管が前記ループ管と前記圧力容器の外部に配置されるよう、前記ループ管と前記圧力容器に対して取り付けられたことを特徴とする熱音響装置。
  5. 請求項2に記載の熱音響装置において、
    前記第1連通路は、
    前記第1領域と前記圧力容器内とを連通させるよう、前記応動部材の前記第1端部をなす部材に当該部材を貫通する第1貫通孔を設けることにより形成されたことを特徴とする熱音響装置。
  6. 請求項2に記載の熱音響装置において、
    前記第1連通路は、
    前記第1領域と前記圧力容器内とを連通させるよう、前記応動部材の前記第1端部をなす部材の外周面に第1連通溝を設けることにより形成されたことを特徴とする熱音響装置。
  7. 請求項2〜6のいずれかに記載の熱音響装置において、
    前記第2領域と前記圧力容器内とを連通させる第2連通路を更に設けて、
    前記圧力容器と前記第1連通路と前記第2連通路とを備える構成を共鳴器として機能させることにより、前記圧力変動の際に、前記第1隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相と、前記第2隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相とがそれぞれ一致するよう構成されたことを特徴とする熱音響装置。
  8. 請求項7に記載の熱音響装置において、
    前記第2連通路は、
    一端が前記第2領域に接続され、他端が前記圧力容器内に接続された第2キャピラリ管を有することを特徴とする熱音響装置。
  9. 請求項8に記載の熱音響装置において、
    前記第2キャピラリ管は、当該第2キャピラリ管が前記ループ管と前記圧力容器の外部に配置されるよう、前記ループ管と前記圧力容器に対して取り付けられたことを特徴とする熱音響装置。
  10. 請求項7に記載の熱音響装置において、
    前記第2連通路は、
    前記第2領域と前記圧力容器内とを連通させるよう、前記応動部材の前記第2端部をなす部材に当該部材を貫通する第2貫通孔を設けることにより形成されたことを特徴とする熱音響装置。
  11. 請求項7に記載の熱音響装置において、
    前記第2連通路は、
    前記第2領域と前記圧力容器内とを連通させるよう、前記応動部材の前記第2端部をなす部材の外周面に第2連通溝を設けることにより形成されたことを特徴とする熱音響装置。
  12. 請求項1に記載の熱音響装置において、
    前記第1領域に連通するよう一端が前記ループ管に接続された第1キャピラリ管と、
    該第1キャピラリ管の他端に接続された、内部にバッファ空間を有する第1容器と、
    を設けて、
    前記第1容器と前記第1キャピラリ管とを備える構成を共鳴器として機能させることにより、前記圧力変動の際に、前記第1隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相と、前記第2隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相とがそれぞれ一致するよう構成されたことを特徴とする熱音響装置。
  13. 請求項12に記載の熱音響装置において、
    一端が前記第2領域に連通するよう前記ループ管に接続され、他端が前記第1容器に接続された第2キャピラリ管を更に設けて、
    前記第1容器と前記第1キャピラリ管と前記第2キャピラリ管とを備える構成を共鳴器として機能させることにより、前記圧力変動の際に、前記第1隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相と、前記第2隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相とがそれぞれ一致するよう構成されたことを特徴とする熱音響装置。
  14. 請求項12に記載の熱音響装置において、
    前記第2領域に連通するよう一端が前記ループ管に接続された第2キャピラリ管と、
    該第2キャピラリ管の他端に接続された、内部にバッファ空間を有する第2容器と、
    を更に設けて、
    前記第1容器と前記第1キャピラリ管と前記第2容器と前記第2キャピラリ管とを備える構成を共鳴器として機能させることにより、前記圧力変動の際に、前記第1隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相と、前記第2隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相とがそれぞれ一致するよう構成されたことを特徴とする熱音響装置。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の熱音響装置において、
    前記第2領域の容積を前記第1領域の容積よりも小さくする前記ループ管上の位置に前記共振器が配置されたことを特徴とする熱音響装置。
  16. 請求項15に記載の熱音響装置において、
    前記ループ管は、軸方向の全長に亘って略同一の断面積を有し、
    前記第2領域の軸方向の長さを前記第1領域の軸方向の長さよりも短くする前記ループ管上の位置に前記共振器が配置されたことを特徴とする熱音響装置。
  17. 請求項1〜16のいずれかに記載の熱音響装置において、
    前記応動部材は、
    当該応動部材が行う往復振動の方向上の両端部それぞれに1つずつピストンを備え、
    前記共振器は、
    前記ピストンの前記往復振動が可能になるよう前記ピストンを内部に配置させるシリンダを有することを特徴とする熱音響装置。
  18. 請求項17に記載の熱音響装置において、
    2つの前記ピストンのうち、一方のピストンは前記第1端部を有し、他方のピストンは前記第2端部を有し、
    前記第1端部の面積が前記第2端部の面積よりも大きくなるよう2つの前記ピストンが構成されたことを特徴とする熱音響装置。
  19. 請求項1〜16のいずれかに記載の熱音響装置において、
    前記応動部材は、1つのピストンを備え、
    前記共振器は、
    前記ピストンの前記往復振動が可能になるよう前記ピストンを内部に配置させるシリンダを有することを特徴とする熱音響装置。
  20. 請求項1〜19のいずれかに記載の熱音響装置において、
    前記共振器は、
    前記応動部材の前記往復振動に応動して発電を行う発電機として構成されたことを特徴とする熱音響装置。
  21. 請求項20に記載の熱音響装置において、
    前記共振器は、
    前記応動部材の側面を包囲するよう設けられた固定子を有し、
    前記応動部材と前記固定子とのうちの一方にはコイルが設けられ、他方には前記コイルと対向するよう磁石が設けられ、
    前記応動部材が前記往復振動を行った際には、前記コイルと前記磁石との相互作用により前記コイルに起電力が発生することで発電が行われるよう構成されたことを特徴とする熱音響装置。
  22. 請求項21に記載の熱音響装置において、
    前記応動部材の前記往復振動の際の中立位置への復帰が前記コイルと前記磁石との相互作用により発生する拘束力のみで実現されるよう前記共振器が構成されたことを特徴とする熱音響装置。
  23. 請求項1〜19のいずれかに記載の熱音響装置において、
    前記第2領域での前記圧力変動に応動して発電を行う発電機を、前記第2領域をなす前記ループ管の部分に分岐するように設けたことを特徴とする熱音響装置。
  24. 請求項23に記載の熱音響装置において、
    前記発電機を、前記放熱部における前記蓄熱部と反対側の端部近傍の前記ループ管の部分に設けたことを特徴とする熱音響装置。
  25. 請求項1〜19のいずれかに記載の熱音響装置において、
    前記第2領域での前記圧力変動に応じて動作する冷凍機を、前記ループ管の軸方向に直列となるよう、前記第2領域をなす前記ループ管の部分に設け、
    前記冷凍機が、
    前記ループ管外の熱を吸熱して前記ループ管内の気体に付与する冷凍用吸熱部と、
    前記ループ管内の気体が有する熱を放熱させる冷凍用放熱部と、
    前記冷凍用吸熱部と前記冷凍用放熱部とに挟まれた前記ループ管内における箇所に配置され、前記冷凍用吸熱部で吸熱された熱を前記冷凍用放熱部に供給させる冷凍用蓄冷部と、
    を備え、
    前記ループ管の前記第2領域における前記放熱部から前記第2端部に至る経路において、前記冷凍用吸熱部、前記冷凍用蓄冷部、前記冷凍用放熱部の順で、前記冷凍用吸熱部、前記冷凍用蓄冷部、前記冷凍用放熱部が配置されたことを特徴とする熱音響装置。
  26. 請求項25に記載の熱音響装置において、
    前記放熱部における前記蓄熱部と反対側の端部近傍の前記ループ管の部分に前記冷凍用吸熱部が位置するよう、前記冷凍機を設けたことを特徴とする熱音響装置。
  27. 請求項1〜19のいずれかに記載の熱音響装置において、
    前記第1領域での前記圧力変動に応じて動作するパルス管冷凍機を、前記ループ管から分岐するよう、前記第1領域をなす前記ループ管の部分に設けたことを特徴とする熱音響装置。
  28. 請求項27に記載の熱音響装置において、
    前記パルス管冷凍機は、
    前記第1領域をなす前記ループ管の部分から分岐する管状部材として構成されると共に、
    前記管状部材外の熱を吸熱して前記管状部材内の気体に付与する冷凍用吸熱部と、
    前記管状部材内の気体が有する熱を放熱させる冷凍用放熱部と、
    前記冷凍用吸熱部と前記冷凍用放熱部とに挟まれた前記管状部材における箇所に配置され、前記冷凍用吸熱部で吸熱された熱を前記冷凍用放熱部に供給させる冷凍用蓄冷部と、
    前記管状部材の部分であって、当該部分内が空洞領域として構成されたパルス管部と、
    前記管状部材における前記ループ管と反対側の端部に設けられ、前記管状部材内の気体が有する熱を放熱させる冷凍用第2放熱部と、
    を備え、
    前記管状部材における前記ループ管側の端部から前記ループ管と反対側の端部に至る経路において、前記冷凍用放熱部、前記冷凍用蓄冷部、前記冷凍用吸熱部、前記パルス管部、前記冷凍用第2放熱部の順で、前記冷凍用放熱部、前記冷凍用蓄冷部、前記冷凍用吸熱部、前記パルス管部、前記冷凍用第2放熱部が配置されたことを特徴とする熱音響装置。
  29. 請求項28に記載の熱音響装置において、
    前記パルス管冷凍機は、
    前記管状部材における前記ループ管と反対側の端部に一端が接続された冷凍用キャピラリ管と、
    該冷凍用キャピラリ管の他端に接続された、内部にバッファ空間を有するバッファタンクと、
    を更に備えたことを特徴とする熱音響装置。
  30. 請求項1〜29のいずれかに記載の熱音響装置において、
    前記第1領域での前記圧力変動に応じて当該圧力変動の周波数と同一の周波数の圧力変動が内部で発生する共鳴器を、前記ループ管から分岐するよう、前記第1領域をなす前記ループ管の部分に設けたことを特徴とする熱音響装置。
  31. 請求項1〜19のいずれかに記載の熱音響装置において、
    前記第1領域での前記圧力変動に応動して発電を行う発電機を、前記第1領域をなす前記ループ管の部分に分岐するように設け、
    前記発電機は、
    前記第1領域での前記圧力変動に応じて当該圧力変動の周波数と同一の周波数で自励的な往復振動を行う可動子を備え、該可動子の前記往復振動に応動して発電を行うよう構成されたことを特徴とする熱音響装置。
  32. 請求項1〜26のいずれかに記載の熱音響装置において、
    前記加熱部における前記蓄熱部と反対側の端部と前記第1端部との間の前記ループ管の部分に、前記ループ管内の気体が有する熱を放熱させる第2の放熱部を設けたことを特徴とする熱音響装置。
  33. 請求項27〜29のいずれかに記載の熱音響装置において、
    前記加熱部における前記蓄熱部と反対側の端部と前記第1端部との間の前記ループ管の部分に、前記ループ管内の気体が有する熱を放熱させる第2の放熱部を設け、
    前記パルス管冷凍機は、
    前記第1領域をなす前記ループ管の部分のうち、前記第2の放熱部と前記第1端部との間の部分に設けたことを特徴とする熱音響装置。
  34. 請求項30に記載の熱音響装置において、
    前記加熱部における前記蓄熱部と反対側の端部と前記第1端部との間の前記ループ管の部分に、前記ループ管内の気体が有する熱を放熱させる第2の放熱部を設け、
    前記共鳴器は、
    前記第1領域をなす前記ループ管の部分のうち、前記第2の放熱部と前記第1端部との間の部分に設けたことを特徴とする熱音響装置。
  35. 請求項31に記載の熱音響装置において、
    前記加熱部における前記蓄熱部と反対側の端部と前記第1端部との間の前記ループ管の部分に、前記ループ管内の気体が有する熱を放熱させる第2の放熱部を設け、
    前記発電機は、
    前記第1領域をなす前記ループ管の部分のうち、前記第2の放熱部と前記第1端部との間の部分に設けたことを特徴とする熱音響装置。
  36. 温度勾配発生部と共振器とを有する熱音響共振部を複数個と、
    内部に気体が充填されたループ管と、
    を備え、
    夫々の前記熱音響共振部が有する前記温度勾配発生部は、
    前記ループ管内の気体を加熱する加熱部と、
    前記ループ管内の気体が有する熱を放熱させる放熱部と、
    前記加熱部と前記放熱部とに挟まれた前記ループ管内における箇所に配置された蓄熱部と、
    を有し、
    夫々の前記熱音響共振部が有する前記共振器は、
    前記ループ管の一部分に前記ループ管の軸方向に直列となるよう配置され、前記蓄熱部内で生じる温度勾配によって前記ループ管内の気体に発生する圧力変動に応動して自励的な往復振動を行う応動部材を有し、
    夫々の前記熱音響共振部が有する前記共振器の前記応動部材は、
    当該応動部材における前記ループ管の軸方向上の一端である第1端部と、
    他端である第2端部と、
    を有し、
    夫々の熱音響共振部が有する前記共振器の前記応動部材における第1端部が、当該共振器を有する前記熱音響共振部の隣の前記ループ管上の部分に設けられた前記熱音響共振部が有する前記温度勾配発生部における前記加熱部と、前記ループ管内の気体を介して、対向すると共に、
    当該熱音響共振部が有する前記共振器の前記応動部材における第2端部が、当該共振器を有する前記熱音響共振部が備える前記温度勾配発生部における前記放熱部と、前記ループ管内の気体を介して、対向するよう、
    複数個の前記熱音響共振部は、前記ループ管上の複数の部分に夫々設けられ、
    前記圧力変動の際に、
    夫々の前記熱音響共振部が有する前記共振器の前記応動部材における第1端部と、当該共振器を有する前記熱音響共振部の隣の前記ループ管上の部分に設けられた前記熱音響共振部が有する前記温度勾配発生部における前記加熱部と、の間における前記ループ管内の領域である第1領域のうち当該第1領域の一端をなす前記第1端部に隣接する第1隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相と、
    当該熱音響共振部が有する前記共振器の前記応動部材における第2端部と、当該共振器を有する熱音響共振部が備える前記温度勾配発生部における前記放熱部と、の間における前記ループ管内の領域である第2領域のうち当該第2領域の一端をなす前記第2端部に隣接する第2隣接領域に存する気体の変位振幅および変位位相と、
    がそれぞれ一致するよう構成され、
    夫々の前記応動部材が有する前記第2端部に隣接する前記第2領域に存する気体の質量が、当該応動部材が有する前記第1端部に隣接する前記第1領域に存する気体の質量よりも小さくなる前記ループ管上の位置に、当該応動部材を有する前記共振器が配置されるよう、複数個の前記熱音響共振部が前記ループ管上の複数の部分に夫々設けられたことを特徴とする熱音響装置。
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