JP2018091531A - 熱音響機関 - Google Patents
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Abstract
Description
さらに、熱音響機関は、共鳴管の長さを略等しくすると共に、共鳴管の断面積を拡大又は縮小したので、共鳴管内で作動気体の体積流速を略均一とし、共鳴管内のループ接合点で作動気体の圧力及び流速を略一致させることができる。これにより、熱音響機関は、共鳴管全体で音波が進行波となり、共鳴管での音響パワーの損失を抑えることができる。
なお、ループ状に配置とは、共鳴管が分岐せずに共鳴管の始点及び終了点が一致するように、原動機、音響負荷及び共鳴管を配置したことである。
<熱音響機関の構成>
図1を参照し、本発明の第1実施形態に係る熱音響機関1の構成について、説明する。
図1に示すように、熱音響機関1は、原動機10で増幅された音響パワーで冷却を行うものであり、原動機10と、冷凍機(音響負荷)20と、共鳴管30とを備える。本実施形態では、熱音響機関1は、3個の原動機101〜103と、1個の冷凍機20と、4本の共鳴管301〜304とがループ状に配置されている。つまり、熱音響機関1は、共鳴管302を介して原動機101,102が接続され、共鳴管303を介して原動機102,103が接続されている。さらに、熱音響機関1は、共鳴管304を介して原動機103と冷凍機20とが接続され、共鳴管301を介して冷凍機20と原動機101とが接続されている。このように、熱音響機関1は、枝管が設けられておらず、全体でループ管を構成する。
原動機10は、蓄熱器11の両端部間に温度勾配を形成して作動気体の音響パワーを増幅するものであり、蓄熱器11と、加熱器12と、冷却器13とを備える。つまり、原動機10は、蓄熱器11と、加熱器12と、冷却器13とを1つのユニットとして扱ったものである。ここで、原動機10は、蓄熱器11の両端を挟むように、加熱器12が蓄熱器11の一端側に配置され、冷却器13がその反対側、すなわち蓄熱器11の他端側に配置されている。
蓄熱器11は、共鳴管30の管路に設けられ、作動気体を加熱及び冷却するものである。すなわち、蓄熱器11は、加熱器12及び冷却器13によって蓄熱器11の両端部間に温度勾配を形成して作動気体の音響パワーを増幅する。蓄熱器11は、その一端部(以下、適宜、高温部11bと称する)と、その他端部(以下、適宜、常温部11aと称する)との間に生じる温度差を保つことによって、主として作動気体の音響パワーを増幅する機能を有している。蓄熱器11は、例えば、共鳴管30の延在方向(管路方向)に多数の平行通路を有するセラミックス製のハニカム構造体や、多数枚のステンレス鋼メッシュ薄板を微小ピッチで積層した構造体とすることができる。あるいは、蓄熱器11として、金属繊維よりなる不織布状物等を用いることも可能である。
加熱器12は、蓄熱器11の一端側に隣接して共鳴管30の管路に設けられ、蓄熱器11の一端部(高温部11b)を加熱するものである。すなわち、加熱器12は、外部熱を用いて蓄熱器11の一端を加熱する熱入力部として機能する。加熱器12は、例えば、加熱用の熱交換器から構成される。具体的には、加熱器12は、例えば、メッシュ板等の多数枚の金属板を微小ピッチで積層している。この加熱器12には図示しない加熱装置が接続されており、その外周に設けられた環状部材12aを介して加熱処理される構成とされている。なお、図面では便宜上、蓄熱器11と加熱器12の間に環状部材12aの左壁が示されているが、加熱器12は、この左壁を通して蓄熱器11の一端側と隣接、すなわち密着している。
冷却器13は、蓄熱器11の他端側に隣接して共鳴管30の管路に設けられ、蓄熱器11の他端部(常温部11a)の熱を外部に放出するものである。すなわち、冷却器13は、冷却水や空気等を用いて蓄熱器11の他端の熱を外部に放出して冷却する機能を有している。冷却器13は、例えば、冷却用の熱交換器から構成される。冷却器13は、基本的には加熱器12と同一構成であり、例えば、メッシュ板等の多数枚の金属板を微小ピッチで積層している。この冷却器13は、その周囲に冷却ブラケット13aを配設している。この冷却ブラケット13aには図示しない冷却水路が接続されており、冷却水路を流れる冷却水により、冷却器13は冷却ブラケット13aを介して一定の冷却温度を維持する。なお、図面では便宜上、蓄熱器11と冷却器13の間に冷却ブラケット13aの右壁が示されているが、冷却器13は、この右壁を通して蓄熱器11の他端側と隣接、すなわち密着している。
冷凍機20は、原動機10で増幅された音響パワーを消費して熱量(熱エネルギー)に変換することで、冷却を行う音響負荷である。この冷凍機20は、原動機10の可逆機構であり、冷凍用蓄熱器21と、冷凍用冷却器22と、冷気放出器23とを備える。つまり、冷凍機20は、冷凍用蓄熱器21と、冷凍用冷却器22と、冷気放出器23とを1つのユニットとして扱ったものである。ここで、冷凍機20は、冷凍用蓄熱器21の両端を挟むように、冷凍用冷却器22が冷凍用蓄熱器21の一端側に配置され、冷気放出器23がその反対側、すなわち冷凍用蓄熱器21の他端側に配置されている。
冷凍用蓄熱器21は、共鳴管30の管路に設けられ、作動気体を冷却するものである。すなわち、冷凍用蓄熱器21は、原動機103から、共鳴管30を通じて冷凍用蓄熱器21の一端部(以下、適宜、常温部21aと称する)に伝達された音響パワーを、冷凍用蓄熱器21の一端部(常温部21a)と冷凍用蓄熱器21の他端部(以下、適宜、低温部21bと称する)との間における温度差に変換する機能を有している。冷凍用蓄熱器21の常温部21aは、冷凍用冷却器22によって冷却されているため、伝達された音響パワーによって、冷凍用蓄熱器21の低温部21bは、常温部21aよりも低い温度まで冷却されて冷気が発生する。この冷気は、冷気放出器23によって外部に取り出される。冷凍用蓄熱器21は、熱容量の大きい蓄冷材からなる。蓄冷材としては、例えば、ステンレス鋼、銅、鉛等を用いることができ、また、冷凍用蓄熱器21の形状は多様な形状を適用することが可能である。
冷凍用冷却器22は、冷凍用蓄熱器21の一端側に隣接して共鳴管30の管路に設けられ、冷凍用蓄熱器21の一端部(常温部21a)の熱を外部に放出するものである。すなわち、冷凍用冷却器22は、冷却水や空気等を用いて冷凍用蓄熱器21の一端の熱を外部に放出して冷却する機能を有している。冷凍用冷却器22は、例えば、冷却用の熱交換器から構成される。具体的には、冷凍用冷却器22は、例えば、メッシュ板等の多数枚の金属板を微小ピッチで積層している。この冷凍用冷却器22は、その周囲に冷却ブラケット22aを配設している。この冷却ブラケット22aには図示しない冷却水路が接続されており、冷却水路を流れる冷却水により、冷凍用冷却器22は冷却ブラケット22aを介して一定の冷却温度を維持する。なお、図面では便宜上、冷凍用蓄熱器21と冷凍用冷却器22の間に冷却ブラケット22aの上壁が示されているが、冷凍用冷却器22は、この上壁を通して冷凍用蓄熱器21の一端側と隣接、すなわち密着している。
冷気放出器23は、冷凍用蓄熱器21の他端側に隣接して共鳴管30の管路に設けられ、冷凍用蓄熱器21の他端部(低温部21b)に発生する冷気を外部に放出するものである。すなわち、冷気放出器23は、冷凍用蓄熱器21の他端において発生する冷気を外部に取り出す冷気出力部として機能する。冷気放出器23は、例えば、冷凍用の熱交換器から構成される。冷気放出器23としては、基本的には冷凍用冷却器22と同一構成であり、例えば、メッシュ板等の多数枚の金属板を微小ピッチで積層している。この冷気放出器23の外周位置には、冷気(冷熱)を取り出す高熱伝導率材料(例えば、銅)よりなる環状部材23aを配設している。なお、図面では便宜上、冷凍用蓄熱器21と冷気放出器23の間に環状部材23aの下壁が示されているが、冷気放出器23は、この下壁を通して冷凍用蓄熱器21の他端側と隣接、すなわち密着している。
共鳴管30は、作動気体が満たされる円筒管であり、所定の共鳴管長さLx1〜Lx4及び所定の断面積を有している。この作動気体としては、窒素、ヘリウム、アルゴン、ヘリウムとアルゴンとの混合物や空気等がよく用いられる。また、共鳴管30は、その中間位置で曲がっている。
図1に示すように、熱音響機関1では、共鳴管301〜304の共鳴管長さLx1〜Lx4が等しく、共鳴管302〜304の順で断面積が拡大され、共鳴管304,301で断面積が縮小されている。以下、共鳴管30の断面積を拡大又は縮小し、共鳴管長さLx1〜Lx4を等しくする理由について説明する。
なお、原動機10から音波を出力する共鳴管30が下流側の共鳴管30となり、原動機10に音波を入力する共鳴管30が上流側の共鳴管30となる。
以上のように、熱音響機関1は、原動機10、冷凍機20及び共鳴管30をループ状に配置し、枝管を備えていないので、音響パワーの損失を抑えることができる。さらに、熱音響機関1は、共鳴管長さLx1〜Lx4を等しくすると共に、共鳴管30の断面積を拡大又は縮小したので、共鳴管30内で作動気体の体積流速を略均一とし、ループ接合点aで作動気体の圧力及び流速を略一致させることができる。これにより、熱音響機関1は、共鳴管30の全区間で音波が進行波となり、共鳴管30での音響パワーの損失を抑え、効率を向上させることができる。
<熱音響機関の構成>
図2,図3を参照し、本発明の第2実施形態に係る熱音響機関1Bの構成について、第1実施形態と異なる点を説明する。
図2に示すように、熱音響機関1Bは、冷凍機20(図1)の代わりにリニア発電機40を備える点が、第1実施形態と異なる。
リニア発電機40は、原動機10で増幅された音響パワーを振動として利用し、その音響パワーを電力(電気エネルギー)に変換することで、発電を行う音響負荷である。図3に示すように、リニア発電機40は、支持体41内にあり、外側ヨーク(円筒)42と、これら外側ヨーク42にそれぞれ収容されるコイル43と、外側ヨーク42の間に位置する内側ヨーク(円筒)44と、外側ヨーク42のそれぞれと内側ヨーク44との間に設けられた永久磁石45と、が備えられている。なお、永久磁石45は、それぞれS極とN極の磁石から構成されている。
<熱音響機関の構成>
図4,図5を参照し、本発明の第3実施形態に係る熱音響機関1Cの構成について、第1実施形態と異なる点を説明する。
図4に示すように、熱音響機関1Cは、冷凍機20(図1)の代わりにバイダイレクショナルタービン(以下タービンと称する)50を備える点が、第1実施形態と異なる。
<熱音響機関の構成>
図6を参照し、本発明の第4実施形態に係る熱音響機関1Dの構成について、第1実施形態と異なる点を説明する。
図6に示すように、熱音響機関1Dは、冷凍機20(図1)の代わりに昇温機60を備える点が、第1実施形態と異なる。
昇温機60は、原動機10で増幅された音響パワーを消費して熱量(熱エネルギー)に変換することで、昇温を行う音響負荷である。この昇温機60は、昇温用蓄熱器61の両端部間に温度勾配を形成して作動気体の音響パワーで昇温するものであり、昇温用蓄熱器61と、昇温用加熱器62と、昇温用冷却器63とを備える。このように、昇温機60は、昇温用蓄熱器61と、昇温用加熱器62と、昇温用冷却器63とを1つのユニットとして扱ったものである。ここで、昇温機60は、昇温用蓄熱器61の両端を挟むように、昇温用加熱器62が昇温用蓄熱器61の一端側に配置され、昇温用冷却器63がその反対側、すなわち昇温用蓄熱器61の他端側に配置されている。ここで、昇温を行う場合、昇温用冷却器63を常温に保持することで、昇温用加熱器62が高い温度に上昇する。
<熱音響機関の構成>
図7を参照し、本発明の第5実施形態に係る熱音響機関1Eの構成について、第1実施形態と異なる点を説明する。
図7に示すように、熱音響機関1Eは、冷凍機20を2個備える点が、第1実施形態と異なる。
以上、本発明の各実施形態を詳述してきたが、本発明は前記した各実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
[熱音響機関の計算モデル]
本発明の実施例1として、熱音響機関の計算モデルによる音場のシミュレーション結果を説明する。
以下の計算モデルを用いて、第1実施形態と同様の熱音響機関のシミュレーションを行った。この計算モデルは、Rottが導いた熱音響微分方程式に基づいている。Rottの熱音響微分方程式は、例えば、文献「N. Rott,Z.Angew.Math.Phys.20,pp.230-243,1969」に詳細に記載されており、下記の式(1)及び式(2)で表される。
実施例1では、駆動温度THが95.5[℃]、駆動周波数が152.9[Hz]となる。それに対し、比較例では、駆動温度THが168.5[℃]、駆動周波数が153.5[Hz]となる。
次に、表3の駆動温度TH及び駆動周波数を計算モデルに適用し、音場のシミュレーションを行った。音場の初期点圧力は、平均圧(30気圧)の20%とする。音場のシミュレーション結果として、圧力振幅の絶対値分布(図9)、流速振幅の絶対値分布(図10)、圧力流速間位相差分布(図11)、規格化音響インピーダンス分布(図12)、規格化音響パワー分布(図13)、体積流速分布(図14)、及び、熱効率・冷凍出力を示した。
また、図9〜図14では、横軸xがループ接合点からの距離となる。つまり、x=0とx=5.16がループ接合点となる。従って、0≦x≦5.16の範囲が熱音響機関の全区間となる。さらに、x=0.5,1.9、3.1の付近が原動機の位置となり、x=4.4の付近が冷凍機の位置となる。つまり、原動機及び原動機の位置以外は、共鳴管の区間となる。
図9に示すように、実施例1では、熱音響機関の全区間にわたって圧力振幅が60×103〜80×103[Pa]の範囲に収まる。また、ループ接合点では、圧力振幅が等しくなる。一方、比較例では、圧力振幅が20×103〜100×103[Pa]の間で大きく変化する。このように、実施例1は、比較例と比べて、圧力振幅変化が少ない。
図10に示すように、実施例1では、共鳴管の区間において、流速振幅が16〜22[m/s]の範囲に収まる。また、ループ接合点では、流速振幅が等しくなる。一方、比較例では、共鳴管の区間において、流速振幅が2〜24[m/s]の間で大きく変化している。このように、実施例1は、比較例と比べて、流速振幅の変化が少ないことがわかる。
図11に示すように、実施例1では、原動機及び冷凍機の位置において、圧力流速間位相差が0となる。これにより、蓄熱器では、等温可逆的なエネルギー変換を行っていることがわかる。さらに、実施例1では、熱音響機関の全区間にわたって圧力流速間位相差が±30[deg.]に収まることから、熱音響機関の全区間で進行波が形成されていると考えられる。
以上より、実施例1は、比較例と比べて、熱音響機関の全区間で進行波を形成できるので、熱音響機関の効率が高くなることがわかる。
図12(a)では、規格化音響インピーダンス分布のグラフ全体を図示した。図12(b)では、図12(a)における規格化音響インピーダンスが0〜4の範囲を拡大した。
図13に示すように、実施例1では、一定の増幅率で各原動機が音響パワーを増幅している。また、実施例1では、共鳴管の区間において、比較例よりも傾斜が小さいので、作動気体の粘性散逸による音響パワーの損失が少ない。一方、比較例では、各原動機の音響パワーの増幅率にばらつきがある。さらに、比較例では、共鳴管の区間で傾斜が大きいので、進行波から乖離することによる作動気体の粘性散逸が大きく、結果的に音響パワーの損失が大きくなる。
図14に示すように、実施例1では、共鳴管の断面積を拡大及び縮小することにより、熱音響機関の全区間で体積流速分布が1.6〜2.5[m3/s]の範囲に収まり、体積流速分布が略均一になる。一方、比較例では、共鳴管の断面積を拡大及び縮小による流速振幅の調整を行っていないため、体積流速分布が0.6〜2.4[m3/s]の間で変動し、原動機の前後で特に変動が大きくなる。
表3の駆動条件及び音場の状態で熱効率・冷凍出力を算出する。各蓄熱器の熱効率ηnは、下記の式(12)のように、各原動機の前後での音響パワー増幅量ΔWnと入熱量Qnから求める(但し、nは蓄熱器の番号)。
[共鳴管の長さを変更した場合]
本発明の実施例2,3及び参考例として、共鳴管の長さを変更した場合のシミュレーション結果を説明する。
ここでは、表5に示すように、各共鳴管の長さが基準長さに対して±10%のとき(実施例2)、各共鳴管の長さが基準長さに対して±20%のとき(実施例3)、各共鳴管の長さが基準長さに対して±30%のとき(参考例)のシミュレーションを行った。
なお、図15〜図20では、実施例1を実線で図示し、実施例2を2点鎖線で図示し、実施例3を1点鎖線で図示し、参考例を破線で図示した。
図15に示すように、実施例1では、圧力振幅の変化が最も少ない。そして、実施例2,3及び参考例の順で圧力振幅の変化が大きくなる。つまり、共鳴管長さの差が大きくなる程、音場が一定の状態から変動の大きい状態になることがわかる。
図16に示すように、実施例1では、共鳴管の区間において、圧力振幅の変化が最も少ない。そして、共鳴管の区間において、実施例2,3及び参考例の順で流速振幅の変化が大きくなる。
図17に示すように、実施例1では、共鳴管の区間において、体積流速分布が略均一になる。そして、共鳴管の区間において、実施例2,3及び参考例の順で体積流速分布の変化が大きくなる。
図18に示すように、実施例1では、圧力流速間位相差が、熱音響機関の全区間で±30[deg.]の範囲に収まる。また、実施例2,3及び参考例の順で、熱音響機関の全区間で圧力流速間位相差の変動が大きくなる。さらに、実施例2,3及び参考例のように共鳴管長さに差がある場合、原動機及び冷凍機の位置で圧力流速間位相差が0[deg.]から乖離し、等温可逆的なエネルギー変換ではなく、不可逆的なエネルギー変換を行う音場であることがわかる。
図19に示すように、実施例1では、原動機及び冷凍機の位置において、規格化音響インピーダンスが6〜8の範囲に収まる。また、実施例2,3及び参考例では、原動機及び冷凍機の位置において、規格化音響インピーダンスが高い箇所と、低い箇所が存在する。そして、実施例2,3及び参考例の順で、高い箇所と低い箇所で規格化音響インピーダンスの差が大きくなる。
図20に示すように、実施例1では、各原動機が同程度で音響パワーを増幅しており、共鳴管における音響パワーの散逸の傾きが小さくなる。また、実施例2,3及び参考例では、音響パワーの増幅が小さい箇所と大きい箇所が存在する。そして、音響パワーの散逸の傾きも、実施例2,3及び参考例の順で大きくなる。
10,101〜103 原動機
20,201,202 冷凍機(音響負荷)
30,301〜304 共鳴管
40 リニア発電機(音響負荷)
50 バイダイレクショナルタービン(音響負荷)
60 昇温機(音響負荷)
Claims (4)
- 作動気体を加熱及び冷却する蓄熱器と、前記蓄熱器の一端側に隣接し、前記蓄熱器の一端部を加熱する加熱器と、前記蓄熱器の他端側に隣接し、前記蓄熱器の他端部の熱を外部に放出する冷却器と、を備える原動機と、
前記原動機で増幅された作動気体の音響パワーを他のエネルギーに変換する音響負荷と、
前記原動機同士又は前記原動機と前記音響負荷とを接続し、前記作動気体が満たされる共鳴管と、を備える熱音響機関であって、
1個以上の前記原動機と、1個以上の前記音響負荷と、前記共鳴管とがループ状に配置され、
全ての前記共鳴管の長さが等しいか、又は、前記共鳴管の長さと予め設定した基準長さとの差が20%以内であり、
前記原動機の前後で前記共鳴管の断面積が拡大され、前記音響負荷の前後で前記共鳴管の断面積が縮小されたことを特徴とする熱音響機関。 - 前記原動機の加熱器に接続された共鳴管の断面積が、当該原動機の冷却器に接続された共鳴管の断面積に対して、当該原動機の音響パワー増幅率に基づいて拡大され、
前記音響負荷から音波を出力する側の共鳴管の断面積が、当該音響負荷に前記音波を入力する側の共鳴管の断面積に対して、当該音響負荷の音響パワー消費率に基づいて縮小されたことを特徴とする請求項1に記載の熱音響機関。 - 前記音響負荷は、冷凍機、昇温機、リニア発電機、又は、バイダイレクショナルタービンの何れかであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱音響機関。
- 前記原動機が3個であり、前記音響負荷が1個であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の熱音響機関。
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