JP2007236657A - 創傷被覆材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 吸水性、保水性に優れ、かつ生体とゆるく化学的に結合することにより、複雑な形状を含む創傷面に安定して接着し、表皮化までの期間創傷部を湿潤環境下に保護し、表皮化に伴って自然と剥離し基材の残留がない創傷治癒を促す性質を持つ創傷被覆材を提供すること。
【解決手段】本発明の創傷被覆材は、本発明を構成する多糖誘導体の持つ吸水・保水性により、熱傷、擦過創、採皮創などの創傷に対し、表皮形成までの期間創傷面を保護すると同時に創部を湿潤環境下に置いて表皮化を促す。また、多糖誘導体と生体とのゆるやかな結合による一定期間の創傷面での維持により、表皮化までの期間創傷面を湿潤環境下に保持することにより、創傷治癒を達成する画期的な創傷被覆材である。
【選択図】 図3

Description

本発明は、創傷被覆材に関する。さらに詳しくは、熱傷、擦過創、採皮創などの創傷の治癒を促進し、速やかな表皮再生を促す創傷被覆材に関する。
熱傷、採皮創および皮膚剥削創、外傷性皮膚欠損創等の疾患ないし創傷による患部を保護し、治癒を促進する目的のために、患部に一時的に適応される創傷被覆材として、従来、ガーゼ、脱脂綿等が用いられてきたが、これらは水分を透過させて創傷面に材料が食い込んだまま乾燥してしまうため、取り外す際に、痛み、出血等を伴った。また、これら創傷面の乾燥や材料の創部への食い込みにより、表皮再生は妨害されて治癒が遅延することが多かった。
また、軟膏等を併用することも行われているが、この場合は逆に創傷面が過度に湿った状態になってしまい感染などの恐れがあった。
一方、これらに代わるものとしては、シリコーン製ガーゼ、シリコーンゴム製およびベロアー状の表面構造を有するポリアミド、ポリテトラフルオロエチレンなど合成樹脂シート等の人工材料の被覆膜や凍結乾燥豚皮、キチン不織布、コラーゲン膜、ポリアミノ酸スポンジ、ムコ多糖複合コラーゲン膜等の生体由来材料の被覆膜も知られている。
しかしながら、これらのうち人工材料の被覆膜は、患部との密着性、水蒸気透過性、ひび割れなどの点で種々の問題点を残し、一方生体由来材料の被覆膜は生体適合性が良いなどの特徴を有するが、その多くは抗原性を有し、また細菌感染、滲出液による劣化などの欠点を有し、さらに材料が入手しにくい等の問題があった。
これらの問題点を解決するため、吸水性、保水性に優れ、浸出液吸収後も基材が軟化することがなく、剥離が完全かつ容易で、剥離後の基材の残留がなく、ハイドロゲル自体が粘着性を有することにより創傷治癒に適した湿潤環境を保持する創傷被覆材として、粘着性PVAハイドロゲルからなる粘着層、PVAハイドロゲルからなる吸水・支持層、支持体層からなるハイドロゲル創傷被覆材が提案されているが(特許文献1)、あくまで物理的な粘着によるため創傷面に安定して接着し湿潤環境を保持できるという保証はない。
特開平9−262249号公報
本発明は、吸水性、保水性に優れ、かつ、生体とゆるく化学的に結合することにより複雑な形状を含む創傷面に安定して接着して表皮化までの期間創部を湿潤環境下に保護し、表皮化に伴って自然と剥離し基材の残留がない、創傷治癒を促す性質を持つ創傷被覆材を提供するものである。
このような目的は、下記(1)から(14)の本発明により達成される。
(1)多糖側鎖に導入された、活性水素含有基と反応しうる活性エステル基を少なくとも1つ有し、アルカリ条件下での水との接触により、前記活性エステル基と活性水素含有基との共有結合による架橋物を形成しうる架橋性多糖誘導体からなる創傷被覆材。
(2)前記活性水素含有基が多糖分子内水酸基であり、前記多糖誘導体が自己架橋性である(1)に記載の創傷被覆材。
(3)前記活性エステル基が、そのカルボニル炭素に、求電子性基が結合したエステル基である(1)もしくは(2)のいずれかに記載の創傷被覆材。
(4)前記求電子性基が、N-ヒドロキシアミン系化合物から導入される基である(3)に記載の創傷被覆材。
(5)前記多糖誘導体が、その乾燥重量に対し、前記活性エステル基を0.1〜2mmol/gの量で含む(1)〜(4)のいずれかに記載の創傷被覆材。
(6)前記多糖誘導体が、カルボキシル基および/またはカルボキシアルキル基をさらに有する(1)〜(5)のいずれかに記載の創傷被覆材。
(7)前記多糖誘導体が非塩型である(1)〜(6)のいずれかに記載の創傷被覆材。
(8)前記活性エステル基が導入される原料多糖が、カルボキシ基および/またはカルボキシアルキル基を有する前記架橋性多糖誘導体の前駆段階において、その非塩型で、60℃から120℃の間の温度で、非プロトン性極性溶媒に溶解性を示す多糖である(1)〜(7)のいずれかに記載の創傷被覆材。
(9)前記活性エステル基が導入される原料多糖が、それ自身は本来カルボキシ基およびカルボキシアルキル基を持たない多糖である(1)〜(8)のいずれかに記載の創傷被覆材。
(10)前記アルカリ条件が、pH7.5〜12の範囲である(1)〜(9)のいずれかに記載の創傷被覆材。
(11)上記(1)〜(10)のいずれかで規定の前記架橋性多糖誘導体(A)と、該多糖誘導体(A)以外のポリマー(C)とを含む架橋性多糖組成物からなる創傷被覆材。
(12)上記(1)〜(10)のいずれかで規定の前記架橋性多糖誘導体(A)と、該多糖誘導体(A)と非混合状態のpH調整剤(B)とを含む架橋性多糖組成物からなる創傷被覆材。
(13)さらに前記多糖誘導体(A)以外のポリマー(C)を含む(12)に記載の架橋性多糖組成物からなる創傷被覆材。
(14)上記(1)〜(13)に記載のいずれかの多糖誘導体を、市販のガーゼ、フィルム、シート、織布、不織布などのバンデージ類と組み合わせて使用する創傷被覆材。
本発明の創傷被覆材は、熱傷、擦過創、採皮創などの創傷の治癒を促進し、速やかな表皮再生を促す創傷被覆材として期待できる。また、任意のガーゼ、フィルム、シート、織布、不織布などのバンデージ類と組み合わせて通常行う創傷治療の処置の効果を高めることができる。湿潤環境を維持するなど創傷治癒を物理的に促進する作用が考えられるため、任意の化学的、薬学的治療と組み合わせて相乗作用により更なる治療促進を期待できる。
以下に、本発明を具体的に説明する。
まず本発明の創傷被覆材に係る架橋性多糖誘導体について説明する。架橋性多糖誘導体は、多糖側鎖に導入された、活性水素含有基と反応しうる活性エステル基を少なくとも1つ有する。この活性エステル基が導入される多糖(原料)については後述するが、多糖分子は本質的に水酸基を自己保有し、すなわち活性水素含有基を有するため、該多糖に活性エステル基が導入された多糖誘導体は、1分子鎖内に活性エステル基および活性水素含有基を両具し、反応条件下で自己架橋性を示す。この自己架橋性は、活性エステル基と活性水素含有基とが、多糖誘導体の1分子内でまたは分子間で反応して、共有結合を形成することをいう。
本明細書において、このような架橋性多糖誘導体は、活性エステル化多糖と称することもあり、以下では、単に多糖誘導体ということもある。なお「1分子鎖」または「分子内」の分子とは、共有結合により連続した結合で繋がった範囲の1つの分子を意味する。
本発明に係る多糖誘導体は、活性エステル化された多糖であり、本質的に多糖骨格を保持している。したがって以下には、多糖誘導体を、多糖の活性エステル化方法(多糖誘導体の製造方法)と並列的に説明することがある。
本発明において、多糖に導入される活性エステル基は、アルカリ条件下の水存在下で、活性水素含有基と反応して共有結合を形成できるものであればよい。このような活性エステル基は、通常、多糖分子が自己保有するか、または酸型化によって導入されたカルボキシ基またはメチルカルボキシ基のカルボニル炭素に、通常のエステルに比して強い求電子性基を結合させた基である。具体的にこの活性エステル基を「−COOX」で表した時、アルコール部位「−OX」を形成する上記求電子性基は、N−ヒドロキシアミン系化合物から導入される基であることが好ましい。N−ヒドロキシアミン系化合物は、比較的安価な原料であるため、活性エステル基導入の工業的に実施が容易であるからである。
前記「−OX」を形成するためのN−ヒドロキシアミン系化合物としては、具体的に、N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド、2−ヒドロキシイミノ−2−シアノ酢酸エチルエステル、2−ヒドロキシイミノ−2−シアノ酢酸アミド、N−ヒドロキシピペリジン等が代表的なものとして挙げられる。
本発明において、多糖誘導体の活性エステル基は、1種単独でも2種以上が存在していてもよい。
このような活性エステル基の中でも、スクシンイミドエステル基が好ましい。
本発明で使用する多糖誘導体は、分子内に上記活性エステル基を少なくとも1つ有するが、架橋マトリックスを形成するためには、通常、1分子中に2以上有する。使用目的によっても異なるが、その乾燥重量1gあたりの活性エステル基量で表したとき、0.1〜2mmol/gであることが好ましい。
本発明において、活性エステル基が導入され、多糖誘導体の主骨格を構成する多糖は、主骨格に単糖構造を2単位以上有するものであればよく、特に制限されない。このような多糖は、アラビノース、リボース、キシロース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソルボース、ラムノース、フコース、リボデソース等の単糖類;トレハロース、スクロース、マルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、メリビオース等の二糖類;ラフィノース、ゲンチアノース、メレチトース、スタキオース等の三糖以上の多糖類が、共有結合することにより形成されたもの、およびこれに対して、さらに官能基を導入したものが挙げられる。本発明において、このような多糖は、天然に存在するものでも、人工的に合成されたものでもよい。また、本発明に係る多糖誘導体は、1種単独の、または2種以上の多糖の骨格とすることができる。
多糖誘導体の主骨格となる多糖の重量平均分子量に特に制限はない。好ましくは、上記の単糖類、二糖類または三糖以上の多糖類が、数十〜数千個結合したものに相当する重量平均分子量5,000〜250万の多糖である。このような多糖であれば、本発明に係る多糖誘導体が架橋した後のゲルの硬度を調整しやすく、活性エステル基および活性水素含有基を1分子鎖に複数導入しやすいからである。より好ましくは、重量平均分子量10,000〜100万の多糖である。
多糖誘導体の主骨格を形成する原料多糖は、上記の構成成分を持ち、活性エステル化前駆段階で、活性エステル基「−COOX」を形成するためのカルボン酸基を有する多糖(以下、酸基含有多糖と称することもある)が好ましい。ここでのカルボン酸基は、カルボキシ基および/またはカルボキシアルキル基(以下、これらをカルボン酸基と称することもある)をいい、カルボキシアルキル基とは、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基、カルボキシイソプロピル基、カルボキシブチル基等に例示されるように、カルボキシ基がアルキル骨格に結合している官能基のことである。
上記原料多糖は、架橋性多糖誘導体の前駆段階で酸基含有多糖であればよく、カルボン酸基を自己保有する天然多糖であってもよく、それ自体はカルボン酸基を有さない多糖に、カルボキシ基および/またはカルボキシアルキル基を導入した多糖であってもよい。このようなカルボン酸基含有多糖の中でも、カルボキシ基を有する天然多糖、カルボキシ基を導入したカルボキシ化多糖、カルボキシメチル基を導入したカルボキシメチル化多糖、カルボキシエチル基を導入したカルボキシエチル化多糖が好ましい。より好ましくは、カルボキシ基を有する天然多糖、カルボキシ基を導入したカルボキシ化多糖、カルボキシメチル基を導入したカルボキシメチル化多糖である。
上記カルボン酸基を自己保有する天然多糖としては、特に限定されないが、ガラクツロン酸を含むペクチンやヒアルロン酸等が挙げられる。例えば、ペクチンはCP Kelco社(デンマーク)の「GENUE pectin」、また、ヒアルロン酸は紀文社(日本)の「ヒアルロン酸FCH」が挙げられ、一般的に商業流通しているものを利用できる。ペクチンはガラクツロン酸を主成分とする多糖である。ペクチンの約75〜80%以上がガラクツロン酸からなり、その他の成分としては、主に他の糖からなる。ペクチンは、上記の割合でガラクツロン酸と他の糖が結合してなる多糖である。ヒアルロン酸は、眼科用手術補助剤や変形性膝関節症治療薬等に使用されている。ヒアルロン酸はガラクツロン酸を含まない。
本発明では、多糖誘導体のカルボキシ基および/またはカルボキシアルキル基は、塩が配位していない「非塩型」であることが望ましく、最終的に得られる多糖誘導体が塩形態ではないことが望ましい。ここで「塩」とは、アルカリ金属、アルカリ土類金属などの無機塩、テトラブチルアンモニウム(TBA)などの四級アミン、ヨウ化クロロメチルピリジリウムなどのハロゲン塩などを包含する。「非塩型」とは、これらの「塩」が配位していないことであり、「塩形態ではない」とは、これらの塩を含まないことを意味する。
上記カルボキシ基および/またはカルボキシアルキル基が導入される多糖としては、特に限定されないが、デキストラン、プルラン、デキストリンが挙げられる。
上記デキストランは、代用血漿剤として使用されている。デキストランとしては、アマシャムバイオサイエンス社(日本)の「Dextran T fractions」、プルランは林原社(日本)の「Pullulan PI−20」、デキストリンは和光純薬工業社の「デキストリン水和物」が挙げられる。プルランは、経口薬を含む医薬添加剤として使用されており、エンドトキシン等の生物学的コンタミネーションが少ないものが好適である。いずれの多糖も、本発明においては、一般的に商業流通しているものを利用できる。上記医療用途で実績のある多糖は、本発明においては安全性面で好適に利用できる多糖である。
多糖のカルボキシ化反応は、公知の酸化反応を利用して、特に制限なく行うことができる。カルボキシ化反応の種類は、特に限定されないが、例えば、四酸化二窒素酸化、発煙硫酸酸化、リン酸酸化、硝酸酸化、過酸化水素酸化が挙げられ、各々、試薬を用いて通常知られた反応を選択して酸化することができる。各反応条件はカルボキシ基の導入量により適宜設定することができる。例えば、原料となる多糖をクロロホルムあるいは四塩化炭素中に懸濁させ、四酸化二窒素を加えることにより、多糖の水酸基を酸化してカルボキシ化多糖(多糖のカルボキシ化体)を調製することができる。
また、カルボキシアルキル化反応は、公知の多糖のカルボキシアルキル化反応を利用することができ、特に限定されないが、具体的にカルボキシメチル化反応の場合には、多糖をアルカリ化した後にモノクロル酢酸を使用した反応を選択することが可能である。その反応条件はカルボキシメチル基の導入量により適宜設定することができる。
本発明では、多糖にカルボン酸基を導入する方法として、上記カルボキシ化またはカルボキシアルキル化のいずれの方法も利用でき、特に限定されないが、カルボキシ基導入反応による多糖の分子量の低下が小さく、カルボキシ基の導入量を比較的コントロールしやすい点で、カルボキシアルキル化、特にカルボキシメチル化が好適である。
また本発明では、カルボン酸基の導入は、それ自身カルボン酸基をもたない多糖への導入に特に制限されない。それ自身カルボン酸基を有する天然多糖、たとえば、前記ヒアルロン酸などに、さらにカルボキシ基および/またはカルボキシメチル基を導入してもよい。
上記のような酸基含有多糖のカルボキシ基および/またはカルボキシメチル基を活性エステル化するに際して、酸基含有多糖は、単独で使用しても良いし、2種以上のものを併用して使用しても良い。
活性エステル化に使用される酸基含有多糖は、その乾燥重量1gあたりのカルボン酸基(該基を1分子とみなして)量が、通常、0.1〜5mmol/g、好ましくは0.4〜3mmol/g、より好ましくは0.6〜2mmol/gである。このカルボン酸基量の割合が、0.1mmol/gより少ないと、該基から誘導され架橋点となる活性エステル基数が不充分になる場合が多い。一方、カルボン酸基量の割合が、5mmol/gより多くなると、多糖誘導体(未架橋)が水を含む溶媒に溶解しにくくなる。
上記酸基含有多糖の活性エステル化方法(多糖誘導体の製造方法)は、特に制限されず、たとえば、上記の酸基含有多糖を、脱水縮合剤との存在下で、求電子性基導入剤と反応させる方法、活性エステル基を有する化合物から活性エステル基を多糖に導入するエステル交換反応を用いる方法等が挙げられる。これらの中でも、前者の方法が本発明には好適であり、以下、主として、この方法(本発明の方法ともいう)について説明する。
本発明の上記好ましい方法を行うに際しては、通常、上記酸基含有多糖を、非プロトン性極性溶媒の溶液に調製して反応に供する。より具体的には、該方法は、カルボキシ基またはカルボキシアルキル基を有する多糖を非プロトン性極性溶媒に溶解させる溶液調製工程、および該溶液に求電子性基導入剤と脱水縮合剤を添加して多糖のカルボキシ基またはカルボキシアルキル基を活性エステル化させる反応工程を行う方法、さらに反応生成物の精製工程および乾燥工程を行う方法が挙げられる。
溶液調製工程においては、多糖を溶媒に加え、60℃〜120℃に加熱することによって、多糖の非プロトン性極性溶媒への溶解が達成される。
したがって、この方法で活性エステル化される酸基含有多糖として、上記に例示した多糖のうちでも、60℃〜120℃の間の温度で非プロトン性極性溶媒に溶解するものが好ましく使用される。具体的に、求電子性基導入のための反応に用いられる多糖は、非プロトン性極性溶媒への溶解性の点から、カルボキシ基またはカルボキシメチル基が酸型であることが好ましい。「酸型」とは、カルボキシ基またはカルボキシメチル基のカウンターカチオン種がプロトンであることをいう。酸型のカルボキシ基を有する多糖を酸型 (原料) 多糖という。例えば、カルボキシ基を有する多糖であるペクチンを酸型ペクチンという。酸型のカルボキシメチル基を有するカルボキシメチルデキストランを酸型カルボキシメチル(CM)デキストラン(酸型CMデキストラン)という。「酸型」は、カウンターカチオン種がプロトンであり、塩形態ではない点で前記「非塩型」と同義である。
「非プロトン性極性溶媒」とは、電気的に陽性な官能基を有する求核剤と水素結合を形成できるプロトンを持たない極性溶媒である。本発明に係る製造方法で使用できる非プロトン性極性溶媒は、特に限定されないが、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンが例示される。多糖の溶媒への溶解性が良好であることから、ジメチルスルホキシドが好適に利用できる。
反応工程では、酸型多糖溶液に、求電子性基導入剤と脱水縮合剤とを添加して、多糖のカルボキシ基および/またはカルボキシメチル基を活性エステル化させる。活性エステル化させる時の反応温度は、特に限定されないが、好ましくは0℃〜70℃、より好ましくは、20℃〜40℃である。反応時間は反応温度により様々であるが、通常は1〜48時間、好ましくは12時間〜24時間である。
「求電子性基導入剤」は、カルボキシ基またはカルボキシアルキル基に、求電子性基を導入し、それらを活性エステル基へ変化させる試薬をいう。求電子性基導入剤としては、特に限定されないが、ペプチド合成に汎用されている活性エステル誘導性化合物が利用でき、その一例として、N−ヒドロキシアミン系活性エステル誘導性化合物が挙げられる。N−ヒドロキシアミン系活性エステル誘導性化合物としては、特に限定されないが、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド、2−ヒドロキシイミノ−2−シアノ酢酸エチルエステル、2−ヒドロキシイミノ−2−シアノ酢酸アミド、N−ヒドロキシピペリジン等が挙げられる。このなかでも、N−ヒドロキシスクシンイミドが、ペプチド合成分野での実績があり、商業上入手し易いことより好適である。
「脱水縮合剤」は、カルボキシ基またはカルボキシアルキル基に求電子性基導入剤を使用して活性エステル基とする際に、カルボキシ基またはカルボキシアルキル基と、求電子性基導入剤との縮合で生成する水分子を1つ引き抜き、すなわち脱水して、両者をエステル結合させるものである。脱水縮合剤としては、特に限定されないが、例えば、1−エチル−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl)、1−シクロヘキシル−(2−モルホニル−4−エチル)−カルボジイミド・メソp−トルエンスルホネート等が挙げられる。このなかでは、1−エチル−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl)が、ペプチド合成分野での実績があり、商業上入手し易いことより好適である。
精製工程においては、反応工程終了後、反応溶液より、通常の再沈、ろ過および/または洗浄等の手段により、未反応の求電子性基導入剤、脱水縮合剤、および反応副生成物を除去し、本発明に係る多糖誘導体を得ることができる。
乾燥工程においては、前記精製工程で得られた多糖誘導体から洗浄溶媒を除去するため、通常使用される方法により乾燥させればよい。
本発明では、前述したように、最終的に多糖誘導体の活性エステル基量は、0.1〜2mmol/gであることが好ましく、上記においては、このような多糖誘導体が得られるように、活性エステル化原料多糖のカルボキシ基への活性エステル基導入量を制御することができる。
活性エステル基の導入量を制御するためには、前記反応工程において、求電子性基導入剤と脱水縮合剤の混合量を調整することができる。具体的には、多糖の全カルボキシ基のモル数(Xmmol)に対する脱水縮合剤のモル数(Zmmol)の比(Z/X)が、前述の反応温度において、0.1<Z/X<50を満たす添加条件であることが好ましい。Z/Xが0.1より小さい場合、脱水縮合剤の添加量が少ないため反応効率が低く、所望の活性エステル基導入率を達成し難くなり、Z/Xが50より大きい場合、脱水縮合剤の添加量が多いため、活性エステル基の導入率は高くなるものの、得られた多糖誘導体が水に溶解しにくくなるからである。
多糖の全カルボキシ基のモル数(Xmmol)に対する求電子性基導入剤のモル数(Ymmol)は、活性エステル基の導入率に応じた反応量以上を添加すれば良く、特に限定されないが、0.1<Y/X<100を満たす添加条件であることが好ましい。
本発明に係る多糖誘導体は、活性エステル基が導入された後も、通常、グルコピラノース環が有する水酸基を多糖骨格分子内に有し、したがって活性水素含有基を自己保有するが、分子内の活性水素含有基は、これに限定されず、必要に応じて分子内に導入した活性水素含有基をさらに有していてもよい。この場合、多糖誘導体の有する活性水素含有基は、1種であっても2種以上であってもよい。
本発明に係る多糖誘導体は、上記活性エステル基および活性水素含有基に加え、本発明の特性を損なわない範囲であれば、公知の元素、原子団等の官能基を広く含むことができる。
このような官能基として具体的には、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン元素;カルボキシ基;カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基、カルボキシイソプロピル基等のカルボキシアルキル基;シリル基、アルキレンシリル基、アルコキシシリル基、リン酸基等が挙げられる。このような官能基は、1種単独でも2種以上が導入されていてもよい。
活性エステル基の導入率(%)は、活性エステル化原料の多糖が有するカルボキシ基含有モル量およびカルボキシメチル基含有モル量(以下、全カルボキシ基(TC)と表記する)に対して、得られた多糖誘導体中の活性エステル基含有量モル量(AE)の比(AE/TC)に100を乗することで表すことができる。
活性エステル基導入率は、例えば、Biochemistry Vol. 14, No.7(1975), p1535−1541に記載の方法により決定することができる。
特に、上記100%未満の活性エステル基の導入率で活性エステル基が導入された場合に残存する原料多糖の有するカルボキシ基および/またはカルボキシメチル基を有していてもよい。
「架橋構造」とは、本発明に係る多糖誘導体の1分子鎖内および/または複数分子鎖間で共有結合を形成し、結果として多糖誘導体の分子鎖が網目状の三次元構造をとることを意味する。この架橋により、活性エステル基と活性水素含有基とは、1分子鎖内で結合することもできるが、複数分子間で共有結合して架橋されてもよい。架橋形成反応前は水溶性である本発明に係る多糖誘導体は、反応が進行するとともに架橋構造を形成し、流動性が低下して、水不溶性の塊状物(含水ゲル)となり、多糖架橋体を形成する。特に他の架橋剤を使用することなく、自らの分子鎖内、または分子鎖間で共有結合により架橋構造を形成することができる性質を「自己架橋性」と定義すると、本発明に係る多糖誘導体は、自己架橋性多糖である。
本発明において、活性エステル基との反応に関与する活性水素含有基は、本発明特定の反応条件下で、上記活性エステル基と反応して共有結合を形成しうる基であれば特に限定されない。本発明においても一般的な活性水素含有基として例示のものに準ずることができる。具体的には、水酸基、アミノ基、チオール基等が挙げられる。ここで、アミノ基は、第1級アミノ基と第2級アミノ基を含む。これらの中でも、活性水素含有基が水酸基、第1級アミノ基である場合には、活性エステル基との反応性が良好で、架橋してゲル化するまでの時間が短いため好ましい。
本発明において、上記多糖誘導体の架橋反応は、活性エステル基と活性水素含有基との反応による共有結合の形成に基づく。具体的には、多糖誘導体を、アルカリ条件下で、水、水蒸気、水を含む溶媒等の水分存在下に供することにより架橋させるか、多糖誘導体の溶液にpH調整剤を添加して架橋する方法等が挙げられる。
より具体的には、pH7.5〜12、好ましくはpH9.0〜10.5の水存在下に供することで多糖誘導体を架橋させることができる。その際、水のpHが7.5より低いと、自己架橋性が低く、十分な架橋度が得られない。一方、pH12より高いものの適用は架橋反応は進行するものの、生理的条件の点で好適ではない。
本発明において、「アルカリ条件」とは、pHが少なくとも7.5以上の水分が存在する条件をいう。本発明に係る架橋性多糖誘導体では、熱の架橋反応への寄与が実質的に大きくないため、「アルカリ条件」の温度は、特に限定されないが、例えば10℃〜40℃の範囲であることができる。
「アルカリ条件の水と接触させる」とは、多糖誘導体をアルカリ条件のいかなる形態の水分と接触させ、多糖誘導体をアルカリ条件におくことを意味する。多糖誘導体の形態が粉体である場合は、予めアルカリ条件に調整した水を添加したり、または多糖誘導体の粉とpH調整剤を混合された状態に水を添加することができる。多糖誘導体の形態が水溶液である場合は、予めアルカリ条件に調整した水を添加したり、またはpH調整剤を添加することができる。これらの操作により多糖誘導体がアルカリ性環境下に置かれ、架橋反応が開始する。すなわち、多糖誘導体はアルカリ条件の水分と接触することによりその架橋反応が開始し進行する。したがって、アルカリ条件の水分と多糖誘導体との混合物のpHはアルカリ条件であってもよいが、必ずしもアルカリ条件でなくてよい。多糖誘導体はアルカリ条件の水分と接触することにより架橋の形成が開始され、UV(紫外線)や加熱により架橋反応は実質的に開始されず、UVや熱により架橋の形成は実質的に進行しない。
本発明に係る創傷被覆材は、上記のような多糖誘導体が自己架橋性であることを利用して、それのみからなる創傷被覆材を提供することができる。
また、本発明では、上記多糖誘導体(A)と、他の成分との組合せによる架橋性多糖組成物(以下、組成物または多糖組成物と略称することもある)の形態の創傷被覆材も提供される。他の成分は、その種類にもよるが、多糖誘導体と接触した状態で組成物を形成していてもよく、用時混合まで非接触状態であってもよい。具体的に、たとえば上記多糖誘導体(A)と、pH調整剤(B)とを含む組成物からなる創傷被覆材が提供される。
pH調整剤(B)は、混合されずに供給されるものであってもよいし、あらかじめ混合されていてもよい。混合される時期は、特に限定されないが、使用前または使用中であり、適宜選ばれる。上記多糖誘導体(A)とpH調整剤(B)との組成物は、必要に応じて他の物質を含有していてもよく、他の物質は、多糖誘導体と混合しても、混合していなくてもよい。
本発明で使用されるpH調整剤(B)は、主に、本発明に係る多糖誘導体または多糖組成物のpHを7.5〜12に調整するための水溶液、水を含有する溶媒、または塩(粉末)等を意味する。pH調整剤(B)は、特に限定されないが、具体的には、炭酸水素ナトリウム水溶液または粉末、リン酸系緩衝液(リン酸水素二ナトリウム−リン酸二水素カリウム)、酢酸−アンモニア系緩衝液等が挙げられる。なかでも、炭酸水素ナトリウムは医療用pH調整剤として、その約7%水溶液(pH8.3)が静脈注射液として利用されていることより、安全性の面で好適に使用できる。
上記組成物の形態例としては、多糖誘導体の濃度が1〜80%(W/V)の水溶液と、これとは別に保持されたpH7.5〜10.5に調整した水との2成分系が挙げられる。
この系では、用時両者を混合して、最終的な多糖誘導体の濃度が0.1〜60%(W/V)の混合水溶液とすることができる。また、多糖誘導体の濃度が1〜80%(W/V)の水溶液に、用時、pH調整剤(B)の塩を添加して溶解させながら混合して、最終的な多糖誘導体の濃度が0.1〜80%(W/V)の混合水溶液からなるものも挙げることができる。混合は、通常の混合方法を選択することができるが、混合状態が均一になるまで行うことが好ましく、所望の反応が進行する程度での均一さであればよい。
また本発明では、創傷被覆材として、多糖誘導体(A)と、他のポリマー(C)とを含む架橋性多糖組成物も提供される。ポリマー(C)は、多糖組成物を架橋させたときの含水ゲルの硬さ、その性状を調整するために使用される。上記多糖組成物には、多糖誘導体(A)の1種が含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。また、この組成物に、前記pH調整剤(B)を含ませてもよい。
ポリマー(C)は、特に限定されないが、ポリマー(C)の1分子中に2個以上の第1級アミノ基、チオール基、または水酸基を有するものを用いるのが好ましい。具体的にポリマー(C)としては、ポリアルキレングリコール誘導体、ポリペプチド、多糖またはその誘導体が挙げられる。本発明に係る多糖組成物中のポリマー(C)の含有量に特に制限はないが、多糖組成物全体に対して、5〜50質量%で配合されるのが好ましい。なお、ポリマー(C)は、1種単独でも2種以上を併用することもできる。
前記ポリアルキレングリコール誘導体としては、ポリエチレングリコール(PEG)誘導体、ポリプロピレングリコール誘導体、ポリブチレングリコール誘導体、ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコールのブロックコポリマー誘導体、ランダムコポリマー誘導体が挙げられる。そして、ポリエチレングリコール誘導体の基本ポリマー骨格としては、エチレングリコール、ジグリセロール、ペンタエリスリトール、ヘキサグリセロールが挙げられる。ポリアルキレングリコール誘導体の分子量は100〜50,000であることが好ましい。より好ましくは、1,000〜20,000である。
上記ポリエチレングリコール誘導体としては特に限定されないが、例えば、両末端にチオール基を有する重量平均分子量が1,000、2,000、6,000または10,000のエチレングリコール型ポリエチレングリコール誘導体、両末端にアミノ基を有する重量平均分子量が1,000、2,000、6,000または10,000のエチレングリコール型ポリエチレングリコール誘導体、3つの末端にチオール基を有する重量平均分子量が5,000または10,000のトリメチロールエタン型ポリエチレングリコール誘導体、3つの末端にアミノ基を有する重量平均分子量が5,000または10,000のトリメチロールエタン型ポリエチレングリコール誘導体、4つの末端にチオール基を有する重量平均分子量が5,000、10,000または20,000のジグリセロール型ポリエチレングリコール誘導体、4つの末端にアミノ基を有する重量平均分子量が5,000、10,000または20,000のジグリセロール型ポリエチレングリコール誘導体、4つの末端にチオール基を有する重量平均分子量が10,000または20,000のペンタエリスリトール型ポリエチレングリコール誘導体、4つの末端にアミノ基を有する重量平均分子量が10,000または20,000のペンタエリスリトール型ポリエチレングリコール誘導体、8つの末端にチオール基を有する重量平均分子量が10,000または20,000のヘキサグリセロール型ポリエチレングリコール誘導体、8つの末端にアミノ基を有する重量平均分子量が10,000または20,000のヘキサグリセロール型ポリエチレングリコール誘導体が挙げられる。
「重量平均分子量(weight-average molecular weight)」とは、高分子の平均分子量を表す数値の一つである。高分子は、同じ基本構造単位を有し異なる分子の長さ(鎖長)を有する分子の混合物であるため、分子の鎖長の違いに応じた分子量分布を有する。その分子量を示すために平均分子量を用いる。平均分子量には、重量平均分子量、数平均分子量等があるが、ここでは重量平均分子量を使用する。なお、本発明における重量平均分子量の値(100%)とは、その値に対して上限が110%のもの、下限が90%のものも包含する。ポリエチレングリコール誘導体は、例えば、Poly(ethylene Glycol) Chemistry: Biotechnical and Biomedical Applications, J Milton Harris編, Plenum Press, NY(1992)の第22章に記載された方法に従って作製することができ、さらに一つまたは複数の1級アミノ基またはチオール基を含むように化学的に修飾することができる。また、日本油脂社より、ポリエチレングリコール誘導体(サンブライトHGEO−20TEA、サンブライトPTE−10TSH等)として購入することができる。
上記ポリペプチドとしては、特に限定されないが、コラーゲン、ゼラチン、アルブミンまたはポリリジンが挙げられる。多糖としては、特に限定されないが、ペクチン、ヒアルロン酸、キチン、キトサン、カルボキシメチルキチン、カルボキシメチルキトサン、コンドロイチン硫酸、ケラチン硫酸、ケラト硫酸、ヘパリンまたはそれらの誘導体が挙げられる。
多糖誘導体(A)とポリマー(C)とを含有してなる多糖組成物において、好適な多糖誘導体(活性エステル化多糖)(A)とポリマー(C)との組合せは、下記の通りである。 2つの末端にチオール基を有するエチレングリコール型PEG誘導体、2つの末端にアミノ基を有するエチレングリコール型PEG誘導体、3つの末端にチオール基を有するトリメチロールエタン型PEG誘導体、3つの末端にアミノ基を有するトリメチロールエタン型PEG誘導体、4つの末端にチオール基を有するペンタエリスリトール型PEG誘導体、4つの末端にアミノ基を有するペンタエリスリトール型PEG誘導体、8つの末端にチオール基を有するヘキサグリセロール型PEG誘導体、8つの末端にアミノ基を有するヘキサグリセロール型PEG誘導体、アルブミン、ゼラチン、コラーゲン、ポリリジン、ペクチン、キトサン、キチンおよびカルボキシメチル(CM)キチンからなる群から選ばれる少なくとも1つのポリマー(C)と活性エステル化ペクチンとの組合せ。
2つの末端にチオール基を有するエチレングリコール型PEG誘導体、2つの末端にアミノ基を有するエチレングリコール型PEG誘導体、3つの末端にチオール基を有するトリメチロールエタン型PEG誘導体、3つの末端にアミノ基を有するトリメチロールエタン型PEG誘導体、4つの末端にチオール基を有するペンタエリスリトール型PEG誘導体、4つの末端にアミノ基を有するペンタエリスリトール型PEG誘導体、8つの末端にチオール基を有するヘキサグリセロール型PEG誘導体、8つの末端にアミノ基を有するヘキサグリセロール型PEG誘導体、アルブミン、ゼラチン、コラーゲン、ポリリジン、ペクチン、キトサン、キチンおよびCMキチンからなる群から選ばれる少なくとも1つのポリマー(C)と活性エステル化CMデキストランとの組合せ。
2つの末端にチオール基を有するエチレングリコール型PEG誘導体、2つの末端にアミノ基を有するエチレングリコール型PEG誘導体、3つの末端にチオール基を有するトリメチロールエタン型PEG誘導体、3つの末端にアミノ基を有するトリメチロールエタン型PEG誘導体、4つの末端にチオール基を有するペンタエリスリトール型PEG誘導体、4つの末端にアミノ基を有するペンタエリスリトール型PEG誘導体、8つの末端にチオール基を有するヘキサグリセロール型PEG誘導体、8つの末端にアミノ基を有するヘキサグリセロール型PEG誘導体、アルブミン、ゼラチン、コラーゲン、ポリリジン、ペクチン、キトサン、キチンおよびCMキチンからなる群から選ばれる少なくとも1つのポリマー(C)と活性エステル化CMプルランとの組合せ。
2つの末端にチオール基を有するエチレングリコール型PEG誘導体、2つの末端にアミノ基を有するエチレングリコール型PEG誘導体、3つの末端にチオール基を有するトリメチロールエタン型PEG誘導体、3つの末端にアミノ基を有するトリメチロールエタン型PEG誘導体、4つの末端にチオール基を有するペンタエリスリトール型PEG誘導体、4つの末端にアミノ基を有するペンタエリスリトール型PEG誘導体、8つの末端にチオール基を有するヘキサグリセロール型PEG誘導体、8つの末端にアミノ基を有するヘキサグリセロール型PEG誘導体、アルブミン、ゼラチン、コラーゲン、ポリリジン、ペクチン、キトサン、キチンおよびCMキチンからなる群から選ばれる少なくとも1つのポリマー(C)と活性エステル化CMヒドロキシエチルスターチとの組合せ。
両末端にチオール基を有する重量平均分子量が1,000、2,000、6,000または10,000のエチレングリコール型PEG誘導体、両末端にアミノ基を有する重量平均分子量が1,000、2,000、6,000または10,000のエチレングリコール型PEG誘導体、3つの末端にチオール基を有する重量平均分子量が5,000または10,000のトリメチロールエタン型PEG誘導体、3つの末端にアミノ基を有する重量平均分子量が5,000または10,000のトリメチロールエタン型PEG誘導体、4つの末端にチオール基を有する重量平均分子量が5,000、10,000または20,000のジグリセロール型PEG誘導体、4つの末端にアミノ基を有する重量平均分子量が5,000、10,000または20,000のジグリセロール型PEG誘導体、4つの末端にチオール基を有する重量平均分子量が10,000または20,000のペンタエリスリトール型PEG誘導体、4つの末端にアミノ基を有する重量平均分子量が10,000または20,000のペンタエリスリトール型PEG誘導体、8つの末端にチオール基を有する重量平均分子量が10,000または20,000のヘキサグリセロール型PEG誘導体および8つの末端にアミノ基を有する重量平均分子量が10,000または20,000のヘキサグリセロール型ポリエチレングリコール誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1つのポリマー(C)と活性エステル化ペクチンとの組合せ。
両末端にチオール基を有する重量平均分子量が1,000、2,000、6,000または10,000のエチレングリコール型PEG誘導体、両末端にアミノ基を有する重量平均分子量が1,000、2,000、6,000または10,000のエチレングリコール型PEG誘導体、3つの末端にチオール基を有する重量平均分子量が5,000または10,000のトリメチロールエタン型PEG誘導体、3つの末端にアミノ基を有する重量平均分子量が5,000または10,000のトリメチロールエタン型PEG誘導体、4つの末端にチオール基を有する重量平均分子量が5,000、10,000または20,000のジグリセロール型PEG誘導体、4つの末端にアミノ基を有する重量平均分子量が5,000、10,000または20,000のジグリセロール型PEG誘導体、4つの末端にチオール基を有する重量平均分子量が10,000または20,000のペンタエリスリトール型PEG誘導体、4つの末端にアミノ基を有する重量平均分子量が10,000または20,000のペンタエリスリトール型PEG誘導体、8つの末端にチオール基を有する重量平均分子量が10,000または20,000のヘキサグリセロール型PEG誘導体および8つの末端にアミノ基を有する重量平均分子量が10,000または20,000のヘキサグリセロール型PEG誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1つのポリマー(C)と活性エステル化CMデキストランとの組合せ。
両末端にチオール基を有する重量平均分子量が1,000、2,000、6,000または10,000のエチレングリコール型PEG誘導体、両末端にアミノ基を有する重量平均分子量が1,000、2,000、6,000または10,000のエチレングリコール型PEG誘導体、3つの末端にチオール基を有する重量平均分子量が5,000または10,000のトリメチロールエタン型PEG誘導体、3つの末端にアミノ基を有する重量平均分子量が5,000または10,000のトリメチロールエタン型PEG誘導体、4つの末端にチオール基を有する重量平均分子量が5,000、10,000または20,000のジグリセロール型PEG誘導体、4つの末端にアミノ基を有する重量平均分子量が5,000、10,000または20,000のジグリセロール型PEG誘導体、4つの末端にチオール基を有する重量平均分子量が10,000または20,000のペンタエリスリトール型PEG誘導体、4つの末端にアミノ基を有する重量平均分子量が10,000または20,000のペンタエリスリトール型PEG誘導体、8つの末端にチオール基を有する重量平均分子量が10,000または20,000のヘキサグリセロール型PEG誘導体および8つの末端にアミノ基を有する重量平均分子量が10,000または20,000のヘキサグリセロール型PEG誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1つのポリマー(C)と活性エステル化プルランとの組合せ。
両末端にチオール基を有する重量平均分子量が1,000、2,000、6,000または10,000のエチレングリコール型PEG誘導体、両末端にアミノ基を有する重量平均分子量が1,000、2,000、6,000または10,000のエチレングリコール型PEG誘導体、3つの末端にチオール基を有する重量平均分子量が5,000または10,000のトリメチロールエタン型PEG誘導体、3つの末端にアミノ基を有する重量平均分子量が5,000または10,000のトリメチロールエタン型PEG誘導体、4つの末端にチオール基を有する重量平均分子量が5,000、10,000または20,000のジグリセロール型PEG誘導体、4つの末端にアミノ基を有する重量平均分子量が5,000、10,000または20,000のジグリセロール型PEG誘導体、4つの末端にチオール基を有する重量平均分子量が10,000または20,000のペンタエリスリトール型PEG誘導体、4つの末端にアミノ基を有する重量平均分子量が10,000または20,000のペンタエリスリトール型PEG誘導体、8つの末端にチオール基を有する重量平均分子量が10,000または20,000のヘキサグリセロール型PEG誘導体および8つの末端にアミノ基を有する重量平均分子量が10,000または20,000のヘキサグリセロール型PEG誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1つのポリマー(C)と活性エステル化CMヒドロキシエチルスターチとの組合せ。
多糖誘導体(SD)(A)に対するポリマー(C)(AP)との混合比率(SD/AP)は、SD/AP=20/80〜98/2(W/W)であることが好ましく、ポリマー(C)が80質量%よりも多く混合される場合は、ポリマー(C)の阻害により多糖誘導体(A)の自己架橋性が得られ難く、逆に、2質量%より少ない場合は、最終的に得られる含水ゲルの硬さ、その性状を調整するのが困難となるからである。
上記多糖組成物からなる創傷被覆材は、液状の所望の形態で提供することができる。前記粉状の多糖誘導体(A)に、粉状のポリマー(C)を混合して、粉状の多糖組成物を調製することができる。また、前記粉状の多糖組成物に、粉状のpH調整剤の塩を混合して得られるpH調整剤の塩を含む粉状の多糖組成物を調製することもできる。
多糖誘導体(A)の水溶液、ポリマー(C)の水溶液をそれぞれ調製し、二液型とすることができる。それら水溶液を混合することにより、多糖誘導体(A)とポリマー(C)からなる含水ゲルを調製することができる。このとき、多糖誘導体(A)の水溶液は、濃度が1〜80%(W/V)であることが好ましく、ポリマー(C)の水溶液は、濃度が1〜80%(W/V)であるのが好ましい。特に、ポリマー(C)を溶解する水は、pH7.5〜10.5に調製した水であっても良いし、純水または緩衝液を使用して混合時にpH調整剤の塩を添加しても良い。多糖誘導体(A)の水溶液とポリマー(C)の水溶液とを混合後、最終的な多糖誘導体(A)とポリマー(C)とをあわせた濃度が0.1〜80%(W/V)であることが好適である。
本発明において、創傷被覆材の材形は特に限定されないが、含水ゲルを挙げることができる。
また、適用面の湿潤状態や形状に応じて、溶液状物のスプレーによる適用面上でのゲル化や、多糖組成物の凍結乾燥状のシートと溶液状、粉末状のアルカリ成分の組み合わせも選択できる。
創傷被覆材としての多糖誘導体または多糖組成物を、上記したように所望の形状に展開して使用することができる。
ポリマー(C)を含む多糖組成物は、さらに前記pH調整剤と混合して使用することができる。多糖組成物をpH調整剤とを混合する際は、あらかじめ混合しておいてもよい(プレ混合)し、使用時にその場で適宜混合してもよい。使用時にpH調整剤等の水溶液を加えることにより、所望の局所に創傷被覆材を適用することができる。
また、多糖組成物には、本発明の特性を損なわない範囲で、広く公知の添加剤をさらに含ませることができる。この際には、特に、生体に許容し得る添加剤を使用するのが好ましい。添加剤としては特に限定されないが、硬化触媒、充填剤、可塑剤、軟化剤、安定剤、脱水剤、着色剤、タレ防止剤、増粘剤、物性調整剤、補強剤、揺変剤、劣化防止剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、溶剤、担体、賦形剤、防腐剤、結合剤、膨化剤、等張剤、溶解補助剤、保存剤、緩衝剤、希釈剤等が挙げられる。これらを1種または2種以上含むことができる。
添加剤として具体的には、水、生理食塩水、医薬的に許容される有機溶媒、ゼラチン、コラーゲン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、水溶性デキストラン、カルボキシメチルスターチナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、エチルセルロース、キサンタンガム、アラビアゴム、トラガント、カゼイン、寒天、ジグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ワセリン、パラフィン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ヒト血清アルブミン(HSA)、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、PBS、非イオン性界面活性剤、生体内分解性ポリマー、無血清培地、医薬添加物として許容される界面活性剤あるいは生体内で許容し得る生理的pHの緩衝液などが挙げられる。
使用される担体は、使用部位に応じて上記の中から適宜あるいは組合せて選ばれるが、これらに限定されるものではない。また、適当なプロペラントによりエアロゾルやペーストなどの製剤として調製することができる。
本発明の創傷被覆材は、支持体または裏打ち材として市販のガーゼ、フィルム、シート、織布、不織布などのバンデージ類と組み合わせて使用することが出来る。
創傷被覆材は、熱傷、擦過創、採皮創などの創傷に対し、表皮形成までの期間創傷面を保護すると同時に創部を湿潤環境下に置いて表皮化を促す。そのために求められることとしては余剰な水分は吸水し、かつ一定の保水性を有している必要がある。それは本発明の架橋構造を形成する多糖誘導体が吸水・保水する性質により達成する。また、表皮化までの一定期間複雑な形状を含む創傷面を湿潤環境に維持する必要がある。それは本発明の多糖側鎖に導入された活性エステル基が創傷面を含む生体表面に露出した水酸基ともゆるく化学的に結合する性質により一定期間創傷面上に留まる性質により達成する。このように、本発明の多糖誘導体は、それ自体の持つ吸水・保水性と、生体とのゆるやかな結合による一定期間の創傷面での維持により、表皮化までの期間創傷面を湿潤環境下に保持することにより、創傷治癒を達成する画期的な創傷被覆材と言える。
以下に、実施例をもって本発明を一層具体的に説明するが、これらは一例として示すものであり、本発明はこれらにより何等限定されるものではない。
(合成例1)
(1)原料多糖(酸型多糖)の調製
活性エステル化多糖誘導体の原料となる原料多糖としてカルボキシメチルデキストラン(酸型CMデキストラン)を調製した。
デキストラン(Dextran T-40、AmershamBiosciences社、重量平均分子量40000)10gに、18%水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム、和光純薬工業社製)125gを添加し25℃で90分間攪拌し溶解した後、20%モノクロル酢酸(W/V)(モノクロル酢酸、和光純薬工業社)75gを添加して、60℃で6時間攪拌した。その後、20%塩酸を使用して反応溶液をpH1.0に調整し、25℃で2時間攪拌した。反応溶液を90vol%エタノール水溶液(100%エタノール、和光純薬工業社製)5Lに滴下し、吸引ロートを用いて析出物を回収した。90vol%エタノール水溶液3Lを使用して得られた析出物を洗浄して、最後にエタノールで置換した後、減圧乾燥した。これにより酸型CMデキストランを調製した。
(2)カルボキシ基、あるいはカルボキシメチル基の定量
上記(1)で得られた酸型CMデキストラン(原料多糖)について、これらのカルボキシ基、あるいはカルボキシメチル基の定量を行なった。原料多糖0.2g(A(g))を秤取り、0.1mol/L 水酸化ナトリウム水溶液20
mlと80vol%メタノール水溶液10mlとの混合溶液に添加し、25℃で3時間攪拌した。得られた溶液に、指示薬として、1.0%フェノールフタレイン(W/V)90vol%エタノール水溶液を3滴添加し、0.05mol/l硫酸を用いて酸塩基逆滴定を行い、0.05mol/l硫酸の使用量(V1 ml)を測定した(フェノールフタレイン、和光純薬工業社製)。また、原料多糖を添加しない以外は同様にして行なったブランクでの0.05mol/l硫酸の使用量(V0 ml)を測定した。下記式(1)に従い、原料多糖のカルボキシ基およびカルボキシメチル基の基量(Bmmol/g)を算出したところ、1.26mmol/gであった。なお、使用した0.1mol/l 水酸化ナトリウム水溶液、0.05mol/l 硫酸の力価は、ともに1.00であった。
B=(V0-V1)×0.1÷A………・(1)
A:原料多糖の質量(g)
B:カルボキシ基およびカルボキシメチル基の基量(mmol/g)
上記(1)で得られたCMデキストランのカルボキシメチル基量は、1.01mmol/gであった。
(3)活性エステル化CMデキストランの調製
酸型CMデキストランの活性エステル化反応には、反応溶媒はDMSO、求電子性基導入剤はN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)(和光純薬工業社製)、脱水縮合剤は1-エチル-3-ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩(EDC)(和光純薬工業社製)を使用し、活性エステル化多糖を調製した。
上記(1)で得られた酸型CMデキストラン(カルボキシメチル基量1.01mmol/g)2.0gをDMSO200gに添加し、70℃で3時間攪拌して溶解した。その後、NHS 2.32g(20.2mmol)とEDCl 3.86g(20.2mmol)を添加して、25℃で24時間攪拌した。反応溶液を無水アセトン2Lに滴下し、吸引ロートを用いて析出物を回収した。無水アセトン1Lを使用して得られた析出物を洗浄して、減圧乾燥した。これにより、活性エステル化CMデキストランを調製した。Z/XおよびY/Xの比は下記の通りである。
Z/X=10、Y/X=10
(4)活性エステル化多糖(多糖誘導体)のNHS導入量の算出
(3)で得られた活性エステル化CMデキストランについて、以下のようにして求めたNHS導入量は、0.8mmol/gであった。
NHS導入量は、多糖誘導体の単位重量あたりに存在するNHS含有量である。
Nヒドロキシスクシンイミド(NHS)の検量線を作成するため、0.1、0.2、0.5、1.0、2.5mMのNHS標準水溶液を調製した。各NHS標準水溶液1mlに2N水酸化ナトリウム水溶液0.2mlを添加し、60℃で加熱して10分間攪拌した。放冷後、0.85N塩酸1.5ml、および0.5%FeCl3/1N塩酸溶液0.5mlを添加し、分光光度計を用いて吸収波長500nmの吸光度を測定した(FeCl3 和光純薬工業社製)。各NHS水溶液の濃度をX軸、吸光度をY軸としてプロットし、線形近似を行い、下記のNHS濃度算出するための数式(2)を得た。
Y=αX+β………・・(2)
X:NHS濃度(mM)
Y:波長500nmにおける吸光度
α=0.178(傾き)
β=0.021(切片)
γ=0.995(相関係数)
吸光度を元にNHS濃度、X(mM)が算出される。
次に(3)の活性エステル化多糖0.01g(C(g))を秤取り、純水1mlに添加して、25℃で3時間攪拌した後、2N水酸化ナトリウム水溶液0.2mlを添加して、60℃で過熱して10分間攪拌を行なった。室温まで放冷した後、0.85N塩酸1.5mlを添加した。不溶物を含む、得られた溶液から、ろ過綿を用いて不溶物を除去した後、0.5%FeCl3/1N塩酸溶液0.5mlを添加し、分光光度計を用いて吸収波長500nmの吸光度を測定した(FeCl3 和光純薬工業社製)。吸光度測定値が、NHS標準溶液の濃度が5mMの時の吸光度を上回るときは、純水で希釈した(希釈倍率H)。前記NHS濃度算出する数式(2)を利用して吸光度測定値より、活性エステル化多糖のNHS濃度(D mmol)を算出した。続いて下記の数式(3)より、活性エステル化多糖のNHS基導入量を求めた。
NHS基導入量(mmol/g)=(D×H)×0.001÷C…………(3)
(5)活性エステル化多糖誘導体の自己架橋性
合成例1(5)に記載の活性エステル化CMデキストリンの場合と同様な方法で行い、活性エステル化CMデキストランは、「自己架橋性あり」と判定した。
(合成例2)
原料多糖(酸型多糖)の調製
活性エステル化多糖誘導体の原料となる原料多糖としてカルボキシメチルデキストリン(酸型CMデキストリン)を調製した。デキストリン(和光純薬工業社製、重量平均分子量25000)10gに、純水62.5gを添加し溶解した後、36%水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム、和光純薬工業社製)62.5gを添加し25℃で90分間攪拌し溶解した後、15%モノクロル酢酸(W/V)(モノクロル酢酸、和光純薬工業社)75gを添加して、60℃で6時間攪拌した。その後、20%塩酸を使用して反応溶液をpH1.0に調整し、25℃で2時間攪拌した。反応溶液を90vol%エタノール水溶液(100%エタノール、和光純薬工業社製)5Lに滴下し、吸引ロートを用いて析出物を回収した。90vol%エタノール水溶液3Lを使用して得られた析出物を洗浄して、最後にエタノールで置換した後、減圧乾燥した。これにより酸型CMデキストリンを調製した。
(2)カルボキシ基、あるいはカルボキシメチル基の定量
合成例1(2)に記載の酸型CMデキストランの場合と同様な方法で行なった。
上記(1)で得られたCMデキストリンのカルボキシメチル基量は、1.26mmol/gであった。
(3)活性エステル化CMデキストリンの調製
酸型CMデキストリンの活性エステル化反応には、反応溶媒はDMSO、求電子性基導入剤はN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)(和光純薬工業社製)、脱水縮合剤は1-エチル-3-ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩(EDC)(和光純薬工業社製)
を使用し、活性エステル化多糖を調製した。
上記(1)で得られたCMデキストリン(カルボキシメチル基量1.26mmol/g)3.0gをDMSO90gに添加し、70℃で3時間攪拌して溶解した。その後、NHS 4.35g(37.8mmol)とEDC7.22g(37.8mmol)を添加して、25℃で24時間攪拌した。反応溶液を無水アセトン2Lに滴下し、吸引ロートを用いて析出物を回収した。無水アセトン1Lを使用して得られた析出物を洗浄して、減圧乾燥した。これにより、活性エステル化CMデキストリンを調製した。Z/XおよびY/Xの比は下記の通りである。
Z/X=10、Y/X=10
(4)活性エステル化多糖(多糖誘導体)のNHS導入量の算出
合成例1(4)に記載の活性エステル化CMデキストランの場合と同様な方法で行なった。(3)で得られた活性エステル化CMデキストリンについて、以下のようにして求めたNHS導入量は、0.8mmol/gであっ
(5)活性エステル化多糖誘導体の自己架橋性
合成例1(5)に記載の活性エステル化CMデキストランの場合と同様な方法で行い、活性エステル化CMデキストリンは、「自己架橋性あり」と判定した。
(合成例3)
原料多糖(酸型多糖)の調製
活性エステル化多糖誘導体の原料となる原料多糖としてカルボキシメチルヒドロキシエチルデンプン(酸型CMヒドロキシエチルデンプン)を調製した。
ヒドロキシエチルデンプン(Coatmaster 三晶社、重量平均分子量200000)10gに、18%水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム、和光純薬工業社製)125gを添加し25℃で90分間攪拌し溶解した後、20%モノクロル酢酸(W/V)(モノクロル酢酸、和光純薬工業社)75gを添加して、60℃で6時間攪拌した。その後、20%塩酸を使用して反応溶液をpH1.0に調整し、25℃で2時間攪拌した。反応溶液を90vol%エタノール水溶液(100%エタノール、和光純薬工業社製)5Lに滴下し、吸引ロートを用いて析出物を回収した。
エタノール水溶液3Lを使用して得られた析出物を洗浄して、最後にエタノールで置換した後、減圧乾燥した。これにより酸型CMヒドロキシエチルデンプンを調製した。
(2)カルボキシ基、あるいはカルボキシメチル基の定量
合成例1(2)に記載の酸型CMデキストランの場合と同様な方法で行なった。
上記(1)で得られたCMヒドロキシエチルデンプンのカルボキシメチル基量は、0.72mmol/gであった。
(3)活性エステル化CMヒドロキシエチルデンプンの調製
酸型CMヒドロキシエチルデンプンの活性エステル化反応には、反応溶媒はDMSO、求電子性基導入剤はN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)(和光純薬工業社製)、脱水縮合剤は1-エチル-3-ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩(EDC)(和光純薬工業社製)
を使用し、活性エステル化多糖を調製した。
上記(1)で得られたCMヒドロキシエチルデンプン(カルボキシメチル基量0.72mmol/g)2.0gをDMSO200gに添加し、70℃で3時間攪拌して溶解した。その後、NHS 1.66g(14.4mmol)とEDC1.38g(7.2mmol)を添加して、25℃で24時間攪拌した。反応溶液を無水アセトン2Lに滴下し、吸引ロートを用いて析出物を回収した。無水アセトン1Lを使用して得られた析出物を洗浄して、減圧乾燥した。これにより、活性エステル化CMヒドロキシエチルデンプンを調製した。Z/XおよびY/Xの比は下記の通りである。Z/X=5、Y/X=10
(4)活性エステル化多糖(多糖誘導体)のNHS導入量の算出
合成例1(4)に記載の活性エステル化CMデキストランの場合と同様な方法で行なった。(3)で得られた活性エステル化CMヒドロキシエチルデンプンのNHS導入量は、0.19mmol/gであった。
(5)活性エステル化多糖誘導体の自己架橋性
合成例1(5)に記載の活性エステル化CMデキストランの場合と同様な方法で行い、活性エステル化CMヒドロキシエチルデンプンは、「自己架橋性あり」と判定した。
(合成例4)
(1)原料多糖(酸型多糖)の調製
活性エステル化多糖誘導体の原料となる原料多糖としてカルボキシメチルプルラン(酸型CMプルラン)を調製した。プルラン(PU101 林原生物科学研究所、重量平均分子量100000)10gに、18%水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム、和光純薬工業社製)125gを添加し25℃で90分間攪拌し溶解した後、20%モノクロル酢酸(W/V)(モノクロル酢酸、和光純薬工業社)75gを添加して、60℃で6時間攪拌した。その後、20%塩酸を使用して反応溶液をpH1.0に調整し、25℃で2時間攪拌した。反応溶液を90vol%エタノール水溶液(100%エタノール、和光純薬工業社製)5Lに滴下し、吸引ロートを用いて析出物を回収した。
エタノール水溶液3Lを使用して得られた析出物を洗浄して、最後にエタノールで置換した後、減圧乾燥した。これにより酸型CMプルランを調製した。
(2)カルボキシ基、あるいはカルボキシメチル基の定量
合成例1(2)に記載の酸型CMデキストランの場合と同様な方法で行なった。上記(1)で得られたCMプルランのカルボキシメチル基量は、0.79mmol/gであった。
(3)活性エステル化CMプルランの調製
酸型CMプルランの活性エステル化反応には、反応溶媒はDMSO、求電子性基導入剤はN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)(和光純薬工業社製)、脱水縮合剤は1-エチル-3-ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩(EDC)(和光純薬工業社製)を使用し、活性エステル化多糖を調製した。
上記(1)で得られたCMプルラン(カルボキシメチル基量0.79mmol/g)2.0gをDMSO200gに添加し、70℃で3時間攪拌して溶解した。その後、NHS 1.82g(15.8mmol)とEDC1.51g(7.9mmol)を添加して、25℃で24時間攪拌した。反応溶液を無水アセトン2Lに滴下し、吸引ロートを用いて析出物を回収した。無水アセトン1Lを使用して得られた析出物を洗浄して、減圧乾燥した。これにより、活性エステル化CMプルランを調製した。Z/XおよびY/Xの比は下記の通りである。Z/X=5、Y/X=10
(4)活性エステル化多糖(多糖誘導体)のNHS導入量の算出
合成例1(4)に記載の活性エステル化CMデキストランの場合と同様な方法で行なった。(3)で得られた活性エステル化CMプルランのNHS導入量は、0.20mmol/gであった。
(5)活性エステル化多糖誘導体の自己架橋性
合成例1(5)に記載の活性エステル化CMデキストランの場合と同様な方法で行い、活性エステル化CMプルランは、「自己架橋性あり」と判定した。
(合成例5)
(1)原料多糖(酸型多糖)の調製
活性エステル化多糖誘導体の原料となる原料多糖としてカルボキシメチル高度分岐環状デキストリン(酸型CM高度分岐環状デキストリン)を調製した。
高度分岐環状デキストリン(商品名クラスターデキストリン、江崎グリコ株式会社製、重量平均分子量163000)10gに、純水62.5gを添加し溶解した後、36%水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム、和光純薬工業社製)62.5gを添加し25℃で90分間攪拌し溶解した後、15%モノクロル酢酸(W/V)(モノクロル酢酸、和光純薬工業社)75gを添加して、60℃で6時間攪拌した。その後、20%塩酸を使用して反応溶液をpH1.0に調整し、25℃で2時間攪拌した。反応溶液を90vol%エタノール水溶液(100%エタノール、和光純薬工業社製)5Lに滴下し、吸引ロートを用いて析出物を回収した。90vol%エタノール水溶液3Lを使用して得られた析出物を洗浄して、最後にエタノールで置換した後、減圧乾燥した。これにより酸型CM高度分岐環状デキストリンを調製した。
(2)カルボキシ基、あるいはカルボキシメチル基の定量
合成例1(2)に記載の酸型CMデキストランの場合と同様な方法で行なった。上記(1)で得られたCM高度分岐環状デキストリンのカルボキシメチル基量は、1.27mmol/gであった。
(3)活性エステル化CM高度分岐環状デキストリンの調製
酸型CM高度分岐環状デキストリンの活性エステル化反応には、反応溶媒はDMSO、求電子性基導入剤はN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)(和光純薬工業社製)、脱水縮合剤は1-エチル-3-ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩(EDC)(和光純薬工業社製)を使用し、活性エステル化多糖を調製した。
上記(1)で得られたCM高度分岐環状デキストリン(カルボキシメチル基量1.27mmol/g)3.0gをDMSO90gに添加し、70℃で3時間攪拌して溶解した。その後、NHS 4.38g(38.1mmol)とEDC3.64g(19.05mmol)を添加して、25℃で24時間攪拌した。反応溶液を無水アセトン2Lに滴下し、吸引ロートを用いて析出物を回収した。無水アセトン1Lを使用して得られた析出物を洗浄して、減圧乾燥した。これにより、活性エステル化CM高度分岐環状デキストリンを調製した。Z/XおよびY/Xの比は下記の通りである。Z/X=5、Y/X=10
(4)活性エステル化多糖(多糖誘導体)のNHS導入量の算出
合成例1(4)に記載の活性エステル化CMデキストランの場合と同様な方法で行なった。(3)で得られた活性エステル化CM高度分岐環状デキストリンのNHS導入量は、0.53mmol/gであった。
(5)活性エステル化多糖誘導体の自己架橋性
合成例1(5)に記載の活性エステル化CMデキストランの場合と同様な方法で行い、活性エステル化CM高度分岐環状デキストリンは、「自己架橋性あり」と判定した。
(実施例1)ラット採皮創での創傷被覆材としての作用、創傷治癒効果
上記合成例1で得た活性エステル化多糖誘導体を創傷被覆材として以下の実験に供した。Sprague-Dawley(SD)系ラットをネンブタール麻酔下で背部剃毛し、イソジン消毒したラット背部皮膚に10/1000インチの深さの創面20×20mmの採皮創を正中線を挟んで2か所機械的に作製し、ガーゼで軽く止血後、多糖誘導体の粉体を創傷面上に展開し、硬化剤としてアルカリ溶液(1mol炭酸水素ナトリウム)を噴霧した。多糖誘導体の凍結乾燥スポンジは直ちにゲル化して創傷面に密接に接着し、容易に脱離することはなかった(図1)。その上には市販の非固着性ガーゼを静置した。対照として、採皮創上にガーゼで軽く止血後何も処置せずにそのまま市販の非固着性ガーゼを静置した。3日後に観察時、多糖誘導体貼付群は容易に非固着性ガーゼを剥離できたが非固着性ガーゼのみ静置群ではガーゼの剥離は容易でなかった(図2)。観察後にラットを剖検し創傷面を組織標本として観察したところ、対照群では表皮形成が全く観られなかったのに対し、多糖誘導体貼付群では表皮形成が完了していた(図3)。よって、本発明の多糖誘導体貼付群は表皮形成促進に優れた創傷治癒効果を持つ創傷被覆材となりうることが確認された。
ラットでの実験を示す(手術当日)。 ラットでの実験を示す(手術3日後)。 組織標本の顕微鏡写真。

Claims (14)

  1. 多糖側鎖に導入された、活性水素含有基と反応しうる活性エステル基を少なくとも1つ有し、アルカリ条件下での水との接触により、前記活性エステル基と活性水素含有基との共有結合による架橋物を形成しうる架橋性多糖誘導体からなる創傷被覆材。
  2. 前記活性水素含有基が多糖分子内水酸基であり、前記多糖誘導体が自己架橋性である請求項1に記載の創傷被覆材。
  3. 前記活性エステル基が、そのカルボニル炭素に、求電子性基が結合したエステル基である請求項1もしくは2のいずれかに記載の創傷被覆材。
  4. 前記求電子性基が、N-ヒドロキシアミン系化合物から導入される基である請求項3に記載の創傷被覆材。
  5. 前記多糖誘導体が、その乾燥重量に対し、前記活性エステル基を0.1〜2mmol/gの量で含む請求項1〜4のいずれかに記載の創傷被覆材。
  6. 前記多糖誘導体が、カルボキシル基および/またはカルボキシアルキル基をさらに有する請求項1〜5のいずれかに記載の創傷被覆材。
  7. 前記多糖誘導体が非塩型である請求項1〜6のいずれかに記載の創傷被覆材。
  8. 前記活性エステル基が導入される原料多糖が、カルボキシ基および/またはカルボキシアルキル基を有する前記架橋性多糖誘導体の前駆段階において、その非塩型で、60℃から120℃の間の温度で、非プロトン性極性溶媒に溶解性を示す多糖である請求項1〜7のいずれかに記載の創傷被覆材。
  9. 前記活性エステル基が導入される原料多糖が、それ自身は本来カルボキシ基およびカルボキシアルキル基を持たない多糖である請求項1〜8のいずれかに記載の創傷被覆材。
  10. 前記アルカリ条件が、pH7.5〜12の範囲である請求項1〜9のいずれかに記載の創傷被覆材。
  11. 請求項1〜10のいずれかで規定の前記架橋性多糖誘導体(A)と、該多糖誘導体(A)以外のポリマー(C)とを含む架橋性多糖組成物からなる創傷被覆材。
  12. 請求項1〜10のいずれかで規定の前記架橋性多糖誘導体(A)と、該多糖誘導体(A)と非混合状態のpH調整剤(B)とを含む架橋性多糖組成物からなる創傷被覆材。
  13. さらに前記多糖誘導体(A)以外のポリマー(C)を含む請求項12に記載の架橋性多糖組成物からなる創傷被覆材。
  14. 請求項1〜13に記載のいずれかの多糖誘導体を、市販のガーゼ、フィルム、シート、織布、不織布などのバンデージ類と組み合わせて使用する創傷被覆材。

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