JP2007236399A - ポリマー被覆型ステント - Google Patents
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Abstract
【課題】ポリマー被覆型ステントにおいて、ポリマー被膜とその基材である金属との接着を向上させ、生体内環境下で両素材間の接着が長期にわたって維持されるように改良する。
【解決手段】基材金属を、接着増強効果を有する特定のプライマー即ち、分子内に複数個の酸性水酸基と少なくとも1個の官能基を有する有機化合物を必須成分とするプライマーで前処理してからその上に疎水性で柔軟性のあるポリマー被膜を形成する。
【解決手段】基材金属を、接着増強効果を有する特定のプライマー即ち、分子内に複数個の酸性水酸基と少なくとも1個の官能基を有する有機化合物を必須成分とするプライマーで前処理してからその上に疎水性で柔軟性のあるポリマー被膜を形成する。
Description
本発明は、金属製ステント表面に強固に接着したポリマー被膜を有し、生体内環境下で該ポリマー被膜が金属表面から剥離することのない優れた耐久性を示すポリマー被覆型ステントに関する。
ステントとは、血管、気管、胆管などの生体内の管腔が狭窄や閉塞した場合、当該狭窄部を拡張し必要な管腔領域を確保するため当該部位に留置する環状の医療用具である。ステントは、管径が小さくなるよう収縮させて体内に挿入し、狭窄部等で拡張させて管径を大きくし、当該管腔を拡張・保持するのに使用される。例えば、近年、狭窄した血管の再建を目的として、経皮的冠動脈血管形成術(Percutaneous Transluminal Coronary Anqioplasty)(以下、PTCAと称する)により、PTCAバルーンカテーテルによる拡張、及び金属製ステントの留置による治療が行われている。当該ステントは、カテーテルに装着したバルーンに造影剤を送って膨張・拡張して形成された血管内に留置することにより、再狭窄を防止・抑制させることを企図しているものである。このようにステントの留置は、バルーン拡張のみによる血管形成に対し、再狭窄を抑制させる期待のもとに行われているものであったが、実際には、初期の予想ほど再狭窄率の低下を得られていないのが現状である。これは主としてステントの留置に伴う平滑筋細胞の移動および増殖による新生血管内膜過形成、および動脈壁の障害による血栓症の発症による。そこで、金属製ステントの表面を、治療用薬剤を保持したポリマー被膜でおおうことにより、これらの副作用を阻止または抑制する試みがなされているが(例えば、特許文献1参照)、ポリマー被膜と基材金属との接着が生体内では急速に劣化するため、被膜が金属表面から剥離しやすいなどの問題がある。
特開平8−33718号公報
従って本発明の目的は、生体内環境下でのポリマー被膜と基材金属との接着の劣化を抑制し、耐久性が改良されたポリマー被覆型ステントを提供することである。
本発明の別の目的は、薬剤溶出性、及びポリマー被膜の金属への接着耐久性が両立したポリマー被覆型ステントを提供することである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、金属製ステントの表面に特定のプライマーをあらかじめコーティングし、しかる後にポリマー被膜をコーティングすることにより、ポリマー被膜が金属製ステントに強固に接着し、生体内環境下での接着耐久性が著しく改良されることを見出し、更に検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、金属製ステントの表面に特定のプライマーをコーティングし、しかる後、ポリマー被膜がコーティングされたステント及び該ポリマー被膜上に更に治療薬剤を含むポリマー被膜がコーティングされたステントを提供する。
ステントの素材である金属としては、耐蝕性が高く、高弾性であるものが好ましく、具体例としてステンレス鋼、タンタル、ニッケル−チタン合金(ニチノールを含む)およびコバルト合金(コバルト−クロム−ニッケル合金を含む)が挙げられる。これらの金属を加工して成形されたステントに特定のプライマーがコーティングされるが、プライマーの効果を最大限引き出すには、金属表面をクリーニングすることが必要である。クリーニング法としては工業的に利用される方法が好適に用いられる。即ち、水洗、スチーム洗浄、溶剤洗浄、機械研磨、化学研磨、プラズマ洗浄、紫外線(UV)/オゾン洗浄である。
本発明で用いる特定のプライマーとは、分子内に複数個の酸性水酸基と少なくとも1個の官能基を有する有機化合物(以下、酸性水酸基含有化合物と称す)を必須成分とし、これに必要に応じ揮発性有機溶剤などの後述する添加剤を加えたものである。酸性水酸基含有化合物の酸性水酸基としては、カルボン酸、リン酸モノエステル、リン酸ジエステル、ホスホン酸、ホスホン酸モノエステル、フェノールの水酸基を挙げることができる。官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基などの重合性基、アミノ基、アミド基、エポキシ基、イソシアネート基、酸クロリド基、酸無水物基、水酸基、メルカプト基、アジド基、トリアルコキシシリル基などを挙げることができる。複数個の酸性水酸基と少なくとも1個の官能基が結合している酸性水酸基含有化合物の炭素数は2〜10000の範囲であるが、より好ましくは3〜500である。酸性水酸基はステントの金属表面に化学吸着し、一方、官能基はプライマーの構成成分同士での化学結合形成又は/及びプライマー上に積層されるポリマー被膜との化学結合形成をもたらす。
なかでもカルボキシル基又は/およびリン原子に結合した酸性水酸基を複数個有する酸性水酸基含有化合物を必須成分とするプラマーは各種金属とりわけ卑金属に強く接着し、生体内環境下での接着耐久性も高い。特に2個の酸性水酸基が同一のリン原子に結合している場合、即ちリン酸モノエステル、ホスホン酸、及びベンゼン環のオルト位に置換した2個のカルボキシル基の水酸基である場合、接着耐久性は著しく向上する。好適な酸性水酸基含有化合物の具体例として、4−メタクリロイルオキシエチルトリメリット酸、11−メタクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸、アリルホスホン酸、10−メタクリロイルオキシデシル=ジハイドロジェン=ホスフェートなどの重合性モノマー、10−アミノデシルホスホン酸、11−ヒドロキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸、グリシジルトリメリット酸などを挙げることができる。プライマーには主成分である酸性水酸基含有化合物のほか必要に応じてモノマー、プレポリマー、ポリマー、カップリング剤、架橋剤、揮発性溶剤、界面活性剤、重合開始剤などの添加剤が配合される。プライマー中の酸性水酸基含有化合物の量は0.01〜100重量%、好ましくは0.1〜100重量%である。
該プライマーの金属ステントへのコーティングは、浸漬、スピンコート、噴霧などの方法で行われる。コーティングされたプライマーの厚みは0.001〜1μmであるのが好ましい。従ってコーティング層が均一かつ薄膜となるよう、プライマーの組成とコーティング方法を選択する必要がある。例えばプライマーをコーティングした後、余剰プライマーを溶剤で洗い流し、金属表面に化学吸着した酸性水酸基含有化合物のみを残存させることも可能である。プライマーが溶剤を含む場合は乾燥を必要とする。該プライマーが重合性である場合は、加熱、UV照射、電子線照射などの方法で重合硬化させることも可能である。
該プライマー層上にコーティングするポリマーは、ポリマー被膜の目的に応じて選択される。ステントを生体内に留置した際にポリマ−被膜が経時的に分解・消失することを期待する場合は、生分解性ポリマーをコーティングすることも可能であるが、生体内でポリマーが安定で、被膜の分解・劣化によるステント金属表面の露出が生じないことが要求される通常の用途では、生体安定性が高くかつ生体適合性を有するポリマー(以下、生体安定性ポリマーと称する)を選択することが望ましく、ポリマー被膜(プライマー層を含む)/金属間接着の生体内での耐久性の観点から、ポリマーは低吸水性、即ち疎水性であることが望ましい。加えて、ステントの拡張・変形時にポリマー被膜に亀裂が生ずることなくしなやかに追従する必要があることから、ポリマー被膜は適度の柔軟性を有している必要がある。即ち本発明に好適なポリマーは生体安定性を有し、疎水性でかつ柔軟性のある生体適合性ポリマーである。かかるポリマーの具体例としてフルオロシリコーン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン、(メタ)アクリレート系重合体、ポリ(エチレン−ビニルアルコール)共重合体、2−メタクリロイルオキシデシルホスホリルコリンの単独又は共重合体、(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)−スチレンブロック共重合体が挙げられる。
ポリマー被膜をプライマー上に形成する方法は、ポリマーを溶剤で希釈してステント表面にコーティングし、しかる後、溶剤を揮発させて被膜とする方法(方法A)、及び、プレポリマー又は/及びモノマーをステント表面にコーティングし、しかる後に重合又は/及び架橋硬化させる方法(方法B)の二つに大別される。方法Aは、溶剤に溶解可能な線状ポリマー、例えばポリブチルメタクリレート、ポリ(エチレン−ビニルアルコール)共重合体の被膜形成に適用される。ポリマー溶液は、浸漬、スピンコート、噴霧法でコーティングすることができ、コーティング後、溶剤を強制乾燥(加熱、減圧)することにより除去する。方法Bはバルク状態で重合又は/及び架橋反応が進行するプレポリマー又は/及びモノマーに適用される。具体例としては、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、(メタ)アクリレート系樹脂のプレポリマー又は/及びモノマーなどを挙げることができる。方法Bでは、必要に応じて、溶剤、ポリマー、充填剤、重合開始剤が添加される。溶剤が添加された場合は、重合又は/及び架橋の前に、該溶剤を揮発・除去しておく必要がある。重合/架橋は、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂ではプレポリマーの分子間架橋反応によって行われる。一方、(メタ)アクリレート系樹脂ではモノマーのラジカル重合反応によって行われる。重合反応は、モノマーのコーティング層の加熱、可視光〜UV照射、電子線照射などの活性化手段により開始され進行する。ラジカル重合反応は空気中の酸素により阻害を受けるので、重合は窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下か又は真空中で行うのが好ましい。ポリマー被膜の厚みは、通常0.1〜200μm、好ましくは0.1〜50μmであり、1〜100回のコーティングを繰り返すことにより、所望の被膜厚みを達成できる。
更に本発明では必要に応じてポリマー被膜に薬剤溶出性を付与することができる。薬剤溶出性を付与する場合は、生体安定性ポリマー被膜上にこれと密着する生分解性又は親水性ポリマーの被膜を形成し、該被膜中に薬剤を内蔵させる。生分解性ポリマーの具体例としては、ポリカプロラクトン、ポリL乳酸、ポリDL乳酸、ポリグリコリド、ポリラクチド、グリコリド−ラクチド共重合体、ポリエーテル、ポリオルトエステル、ポリイミノカーボネート、脂肪族ポリカーボネート、ポリアミド、ポリホスファゼンなどが挙げられる。一方、親水性ポリマーの具体例としては、ポリエチレンオキシド、スルホン化ポリエチレンオキシド、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールなどである。これらのポリマー被膜(以下、生分解性又は親水性ポリマー被膜と称する)を、下地となる生体安定性ポリマー被膜上に直接コーティングすることはもちろん可能であるが、両被膜の密着性が悪い場合は、密着を良くするため、コーティングに先立ち生体安定性ポリマー被膜に表面処理を施し活性化することが必要となる。表面処理法としては、酸化剤やフッ素ガスなどによる薬品処理、表面グラフト重合、プラズマ放電処理、コロナ放電処理、UV/オゾン処理、電子線照射が挙げられる。生分解性ポリマーは揮発性溶剤に溶かして溶液とし、未処理又は表面処理済みの生体安定性ポリマー被膜表面にコーティングされ、溶剤は減圧、送風、加熱などの手段により除去される。該揮発性溶剤としては、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、クロロホルム、アセトニトリル、メチルエチルケトン、メタノール、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、水およびこれらの混合物を挙げることができる。
溶出させる薬剤は、抗血小板剤、抗凝固剤、血栓溶解剤、アンチフィブリン、アンチトロンビン、免疫抑制剤、抗増殖剤、抗炎症剤、抗がん剤、抗酸化剤、抗代謝剤、抗有糸分裂剤、過形成阻害剤、平滑筋細胞阻害剤、抗生物質、成長因子、成長因子阻害剤、細胞接着阻害剤、細胞接着促進剤および健常新血管内膜組織形成促進剤などである。また、治療効果を有する遺伝子、プラスミド、デコイ、アンチセンスなどを前記薬剤と同様にポリマー被膜中に内蔵し、溶出させることも可能である。薬剤を生分解性又は親水性ポリマー被膜から溶出させる最も単純な手法は、該ポリマー中に薬剤を分子レベル〜ミクロンオーダーのサイズで分散させる手法である。この手法では該ポリマー溶液中へ、薬剤を溶解させるか、微粒子(マイクロカプセルであってもよい)として分散させて得られた溶液又は分散液を生体安定性ポリマー被膜上にコーティングする。コーティングは浸漬、スピンコート、噴霧などの方法で行われる。コーティング後に溶剤を強制的に除去することにより、薬剤を内蔵した該ポリマー被膜を形成することができる。コーティングは必要に応じて1〜100回繰り返し、被膜厚さを0.1〜200μmにコントロールする。
生体内でのステントからの薬剤溶出速度は、生分解性又は親水性ポリマーの分解速度と吸水膨潤した該ポリマー内での治療薬剤の拡散速度に依存する。ポリマーの分解速度が遅いにもかかわらず薬剤のポリマー中の拡散が速過ぎて、薬剤が短時間にほとんど全て溶出するような場合は、薬剤分子が該ポリマーに吸着し、拡散が遅延するように該ポリマーを化学修飾する必要がある、この目的のために行う化学修飾とは、具体的には水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基などの官能基の導入である。薬剤分子の官能基がこれらの官能基と相互作用することにより、薬剤分子の拡散が遅くなり、放出が持続的になる。
本発明のポリマー被覆型ステントは、金属ステント表面に接着耐久性の優れたポリマー被膜が形成されており、従来のポリマー被覆型金属製ステントの弱点、即ち生体内移植後に起きる被膜の剥離が防げるようになった。これにより、血管内ステント留置後の再閉塞率は低下し、更に薬剤溶出性の付与が血栓予防、内膜過形成予防効果を高め、再閉塞率はより一層低下するという利点がある。
本発明の効果を最大限発現しうる実施の1形態は以下の通りである。即ち、ポリマー被覆に供する金属製ステント表面を蒸留水、次いでトリクロロエタンなどの塩素系有機溶剤で洗浄し汚れを落とした後、プラズマ洗浄を行って清浄な金属表面を得る。該表面に10−メタクリロイルオキシデシル=ジハイドロジェン=ホスフェートなどのリン酸モノエステル基を有するモノマーの0.5〜5重量%を含有するメチルメタクリレート溶液(適量の紫外線重合開始剤を含む)に1分以上浸漬してから引き上げ溶媒を完全に除去する。ついで、1〜20重量%ポリアルキルメタクリレートと適量の紫外線重合開始剤をメチルメタクリレート(MMA)に溶解してなるコーティング液をプライマー処理されたステント表面に塗布し、MMAを窒素雰囲気下、常温で除去しポリマー被膜を形成させる。ついで10分間程度、UVを照射して被膜を完全に硬化させる。更に、適量のヘパリン等薬剤の微粉末を分散させたポリ乳酸/塩化メチレン溶液(ポリマー濃度:1〜20重量%)を塗布してから塩化メチレンを常温減圧下で蒸発させ、生分解性ポリマー皮膜を生成させる。
以上の工程により、作製されたポリマー被覆型ステントは、生体内環境下に長期間留置されても金属表面からポリマー被膜が剥離することもなく、かつ被膜の外層からはヘパリン等薬剤が持続的に放出されるため、管腔の再狭窄を明瞭に予防する。なお、本明細書では、主として血管内ステントを例にとり発明の詳細を開示したが、本発明は血管内ステントに限定されるものではなく、気管、胆管、腸管などの管腔に用いられるステントをも包含する。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により限定的に解釈されるものではない。
〔実施例1〕
10−メタクリロイルオキシデシル=ジハイドロジェン=ホスフェートを1重量%含有するアセトン溶液中に試作のCo−Cr合金製ステント(溶剤による表面クリーニング済み)を未拡張の状態で完全に浸漬し、1時間室温で静置した。1時間後に該アセトン溶液より取り出し、30分間風乾しプライマー処理を完了した。次いで、あらかじめ5重量部のポリブチルメタクリレート、0.1重量部のエチレングリコールジメタクリレート、0.1重量部の2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(TMDPO)を100重量部のメチルメタクリレート(MMA)に溶解して調合しておいたポリマー被膜コーティング溶液にプライマー処理済みのステントを5秒間浸漬し、すぐに溶液より引き上げ軽く液切りしてから、遮光下、50℃の窒素気流中に30分間静置し、MMAを揮発させた。ステントを石英ガラス製密封容器に入れ、容器中の空気を窒素ガスで置換し、メタルハライドランプ(200W)の光を至近距離から5分間照射した。前記のポリマーコーティング操作を3回繰り返し、3回目は光照射後にステントを6時間密閉容器中に静置した。ステントを容器より取り出しこれにバルーンを挿入して拡張した後、ステント表面のポリマー被膜の状態を実体顕微鏡(倍率:×100)で観察し、被膜にヒビ割れ、剥離などの欠陥がないことを確認した。観察後、該ステントを37℃のpH7.4−リン酸緩衝液に浸漬し4ヶ月間保存した。保存終了後、ステントを乾燥し、実体顕微鏡(倍率:×100)で観察したが、被膜のヒビ割れ、剥離の欠陥は認められなかった。
10−メタクリロイルオキシデシル=ジハイドロジェン=ホスフェートを1重量%含有するアセトン溶液中に試作のCo−Cr合金製ステント(溶剤による表面クリーニング済み)を未拡張の状態で完全に浸漬し、1時間室温で静置した。1時間後に該アセトン溶液より取り出し、30分間風乾しプライマー処理を完了した。次いで、あらかじめ5重量部のポリブチルメタクリレート、0.1重量部のエチレングリコールジメタクリレート、0.1重量部の2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(TMDPO)を100重量部のメチルメタクリレート(MMA)に溶解して調合しておいたポリマー被膜コーティング溶液にプライマー処理済みのステントを5秒間浸漬し、すぐに溶液より引き上げ軽く液切りしてから、遮光下、50℃の窒素気流中に30分間静置し、MMAを揮発させた。ステントを石英ガラス製密封容器に入れ、容器中の空気を窒素ガスで置換し、メタルハライドランプ(200W)の光を至近距離から5分間照射した。前記のポリマーコーティング操作を3回繰り返し、3回目は光照射後にステントを6時間密閉容器中に静置した。ステントを容器より取り出しこれにバルーンを挿入して拡張した後、ステント表面のポリマー被膜の状態を実体顕微鏡(倍率:×100)で観察し、被膜にヒビ割れ、剥離などの欠陥がないことを確認した。観察後、該ステントを37℃のpH7.4−リン酸緩衝液に浸漬し4ヶ月間保存した。保存終了後、ステントを乾燥し、実体顕微鏡(倍率:×100)で観察したが、被膜のヒビ割れ、剥離の欠陥は認められなかった。
〔比較例1〕
実施例1において、プライマー処理を省略した点以外は同じ条件でステント表面上にポリマー被膜を形成した。次いでステントをバルーンで拡張し、ステント表面のポリマー被膜の状態を実体顕微鏡(倍率:×100)で観察したところ、被膜が基材金属から一部剥離している欠陥を観察した。観察後、該ステントを37℃のpH7.4−リン酸緩衝液に浸漬し4ヶ月間保存した。保存終了後、ステントを乾燥し、実体顕微鏡で観察したところ、被膜が基材金属から剥離している部分が多数認められた。
実施例1において、プライマー処理を省略した点以外は同じ条件でステント表面上にポリマー被膜を形成した。次いでステントをバルーンで拡張し、ステント表面のポリマー被膜の状態を実体顕微鏡(倍率:×100)で観察したところ、被膜が基材金属から一部剥離している欠陥を観察した。観察後、該ステントを37℃のpH7.4−リン酸緩衝液に浸漬し4ヶ月間保存した。保存終了後、ステントを乾燥し、実体顕微鏡で観察したところ、被膜が基材金属から剥離している部分が多数認められた。
〔実施例2〕
実施例1の方法に従ってポリブチルメタクリレートを主成分とする被膜が形成されたステント表面上に、以下に記述する方法に従って、塩酸サルポグレラートを内蔵する親水性ポリマー被膜を積層した。30重量%のグリセリンモノメタクリレート、4重量%のグリセリンジメタクリレート、20重量%の塩酸サルポグレラート、1重量%のTMDPO及び45重量%のMMAからなる光重合性のコーティング液を調合した。該液にポリブチルメタクリレートの被膜を有するステントを未拡張の状態で5秒間浸漬し、その後、液から引き上げて、過剰な液を液切りした。ついで、コーティング液が付着したステントを石英ガラス製の密閉容器に入れ、容器中の空気を窒素ガスで置換した。ついでメタルハライドランプ(200W)の光を至近距離から5分間照射した。再度、前記のコーティングを繰り返し、その後、ステントを6時間密閉容器中に静置してから取り出し、これにバルーンを挿入して拡張した。拡張されたステントのポリマー被膜の状態を実体顕微鏡(倍率:×100)で観察した。ヒビ割れ、剥離などの欠陥は観察されなかった。観察を終えたステントを37℃のpH7.4−リン酸緩衝液に浸漬し4ヶ月間保存した。保存終了後、ステントを乾燥し、実体顕微鏡で観察したが、被膜の劣化による基材金属の露出は認められなかった。
実施例1の方法に従ってポリブチルメタクリレートを主成分とする被膜が形成されたステント表面上に、以下に記述する方法に従って、塩酸サルポグレラートを内蔵する親水性ポリマー被膜を積層した。30重量%のグリセリンモノメタクリレート、4重量%のグリセリンジメタクリレート、20重量%の塩酸サルポグレラート、1重量%のTMDPO及び45重量%のMMAからなる光重合性のコーティング液を調合した。該液にポリブチルメタクリレートの被膜を有するステントを未拡張の状態で5秒間浸漬し、その後、液から引き上げて、過剰な液を液切りした。ついで、コーティング液が付着したステントを石英ガラス製の密閉容器に入れ、容器中の空気を窒素ガスで置換した。ついでメタルハライドランプ(200W)の光を至近距離から5分間照射した。再度、前記のコーティングを繰り返し、その後、ステントを6時間密閉容器中に静置してから取り出し、これにバルーンを挿入して拡張した。拡張されたステントのポリマー被膜の状態を実体顕微鏡(倍率:×100)で観察した。ヒビ割れ、剥離などの欠陥は観察されなかった。観察を終えたステントを37℃のpH7.4−リン酸緩衝液に浸漬し4ヶ月間保存した。保存終了後、ステントを乾燥し、実体顕微鏡で観察したが、被膜の劣化による基材金属の露出は認められなかった。
〔実施例3〕
実施例1の方法に従ってポリブチルメタクリレートを主成分とする被膜が形成されたステント表面上に、以下に記述する方法に従って、塩酸サルポグレラートを内蔵する生分解性ポリマー被膜を積層した。6重量%のポリL乳酸と4重量%の塩酸サルポグレラートと90重量%のクロホホルムからなるコーティング溶液を調合した。該溶液にポリブチルメタクリレートの被膜を有するステントを未拡張の状態で5秒間浸漬し、その後、液から引き上げて、過剰な液を液切りした。クロロホルムを50℃の窒素気流中で蒸発させ、再度、前記のコーティングを繰り返した。次いで、ステントにバルーンを挿入して拡張した。拡張されたステントのポリマー被膜の状態を実体顕微鏡(倍率:100)で観察した。ヒビ割れ、剥離などの欠陥は観察されなかった。観察を終えたステントを37℃のpH7.4−リン酸緩衝液に浸漬し4ヶ月間保存した。保存終了後、ステントを乾燥し、実体顕微鏡で精査したが、被膜の劣化による基材金属の露出は認められなかった。
実施例1の方法に従ってポリブチルメタクリレートを主成分とする被膜が形成されたステント表面上に、以下に記述する方法に従って、塩酸サルポグレラートを内蔵する生分解性ポリマー被膜を積層した。6重量%のポリL乳酸と4重量%の塩酸サルポグレラートと90重量%のクロホホルムからなるコーティング溶液を調合した。該溶液にポリブチルメタクリレートの被膜を有するステントを未拡張の状態で5秒間浸漬し、その後、液から引き上げて、過剰な液を液切りした。クロロホルムを50℃の窒素気流中で蒸発させ、再度、前記のコーティングを繰り返した。次いで、ステントにバルーンを挿入して拡張した。拡張されたステントのポリマー被膜の状態を実体顕微鏡(倍率:100)で観察した。ヒビ割れ、剥離などの欠陥は観察されなかった。観察を終えたステントを37℃のpH7.4−リン酸緩衝液に浸漬し4ヶ月間保存した。保存終了後、ステントを乾燥し、実体顕微鏡で精査したが、被膜の劣化による基材金属の露出は認められなかった。
〔実施例4〕
4−メタクリロイルオキシエチルトリメリット酸を1重量%、ポリエチルメタクリレートを3重量%、ベンゾイルパーオキサイドを0.1重量%含有するエチルメタクルレート溶液中に試作のステンレス鋼(SUS316L)製ステント(溶剤による表面クリーニング済み)を未拡張の状態で完全に浸漬し、1時間室温で静置した。1時間後に該溶液よりステントを取り出し、30分間風乾しプライマー処理を完了した。次いで、4重量%のポリエーテルタイプ熱可塑性ウレタン(バイオネート80A)が溶解されたN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液にプライマー処理済みのステントを5秒間浸漬し、すぐに溶液より引き上げ軽く液切りした。該ステントを減圧可能な密閉容器に移し、室温で1時間減圧乾燥を行い、続いて減圧のまま70℃に昇温し、6時間熱処理を行った。熱処理終了後、該ステントを容器より取り出し、これにバルーンを挿入して拡張した。拡張されたステント表面のポリマー被膜の状態を実体顕微鏡(倍率:×100)で観察し、被膜にヒビ割れ、剥離などの欠陥がないことを確認した。観察後、該ステントを37℃のpH7.4−リン酸緩衝液に浸漬し4ヶ月間保存した。保存終了後、ステントを乾燥し、実体顕微鏡(倍率:×100)で観察したが、被膜のヒビ割れ、剥離の欠陥は認められなかった。
4−メタクリロイルオキシエチルトリメリット酸を1重量%、ポリエチルメタクリレートを3重量%、ベンゾイルパーオキサイドを0.1重量%含有するエチルメタクルレート溶液中に試作のステンレス鋼(SUS316L)製ステント(溶剤による表面クリーニング済み)を未拡張の状態で完全に浸漬し、1時間室温で静置した。1時間後に該溶液よりステントを取り出し、30分間風乾しプライマー処理を完了した。次いで、4重量%のポリエーテルタイプ熱可塑性ウレタン(バイオネート80A)が溶解されたN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液にプライマー処理済みのステントを5秒間浸漬し、すぐに溶液より引き上げ軽く液切りした。該ステントを減圧可能な密閉容器に移し、室温で1時間減圧乾燥を行い、続いて減圧のまま70℃に昇温し、6時間熱処理を行った。熱処理終了後、該ステントを容器より取り出し、これにバルーンを挿入して拡張した。拡張されたステント表面のポリマー被膜の状態を実体顕微鏡(倍率:×100)で観察し、被膜にヒビ割れ、剥離などの欠陥がないことを確認した。観察後、該ステントを37℃のpH7.4−リン酸緩衝液に浸漬し4ヶ月間保存した。保存終了後、ステントを乾燥し、実体顕微鏡(倍率:×100)で観察したが、被膜のヒビ割れ、剥離の欠陥は認められなかった。
〔実施例5〕
0.5重量%アリルホスホン酸水溶液に試作のCo−Cr合金製ステント(溶剤による表面クリーニング済み)を未拡張の状態で完全に浸漬し、1時間室温で静置した。1時間後に該水溶液よりステントを取り出し、30分間風乾しプライマー処理を完了した。次に主剤10gに対し、硬化剤1gを加えた2液型シリコーンエラストマー(MED−2111)をヘキサン89gに分散させたシリコーンエラストマー溶液を調合し、該溶液をハンドスプレーで、ステントに均一に噴霧した。ついで、ステントを60℃のオーブン中で24時間加熱硬化させ、ポリマー被膜を形成した。被膜形成が終了したステントにバルーンを挿入して拡張した。拡張されたステント表面のポリマー被膜の状態を実体顕微鏡(倍率:×100)で観察し、被膜にヒビ割れ、剥離などの欠陥がないことを確認した。観察後、該ステントを37℃のpH7.4−リン酸緩衝液に浸漬し4ヶ月間保存した。4ヶ月後にステントを乾燥し、実体顕微鏡(倍率:×100)で観察したが、被膜のヒビ割れ、剥離の欠陥は認められなかった。
0.5重量%アリルホスホン酸水溶液に試作のCo−Cr合金製ステント(溶剤による表面クリーニング済み)を未拡張の状態で完全に浸漬し、1時間室温で静置した。1時間後に該水溶液よりステントを取り出し、30分間風乾しプライマー処理を完了した。次に主剤10gに対し、硬化剤1gを加えた2液型シリコーンエラストマー(MED−2111)をヘキサン89gに分散させたシリコーンエラストマー溶液を調合し、該溶液をハンドスプレーで、ステントに均一に噴霧した。ついで、ステントを60℃のオーブン中で24時間加熱硬化させ、ポリマー被膜を形成した。被膜形成が終了したステントにバルーンを挿入して拡張した。拡張されたステント表面のポリマー被膜の状態を実体顕微鏡(倍率:×100)で観察し、被膜にヒビ割れ、剥離などの欠陥がないことを確認した。観察後、該ステントを37℃のpH7.4−リン酸緩衝液に浸漬し4ヶ月間保存した。4ヶ月後にステントを乾燥し、実体顕微鏡(倍率:×100)で観察したが、被膜のヒビ割れ、剥離の欠陥は認められなかった。
Claims (4)
- ポリマー被膜が、分子内に複数個の酸性水酸基と少なくとも1個の官能基を有する有機化合物を必須成分とするプライマー層を介して金属製ステント表面に接着された構造を有することを特徴とするポリマー被覆型ステント。
- 2個の酸性水酸基が、同一リン原子に結合していることを特徴とする請求項1に記載のステント。
- 2個の水酸基が、ベンゼン環のオルト位に置換した2個のカルボキシル基の水酸基であることを特徴とする請求項1に記載のステント。
- ポリマー被膜が、生体安定性ポリマーからなる下層と薬剤を含む生分解性又は親水性ポリマーからなる上層の複層構造を有することを特徴とする請求項1に記載のステント。
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