JP2007236185A - 位置決め装置の同期防振制御装置 - Google Patents

位置決め装置の同期防振制御装置 Download PDF

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【課題】共振負荷の振動抑制と外乱抑圧制御を可能とする。
【解決手段】外乱オブザーバ20と軸ねじれ反力推定オブザーバ30を用いて、2慣性共振系の振動抑制に有効である共振比制御手段を構成すると共に、負荷側の軸ねじれ角を測定し、軸ねじれ角と負荷の加速度に基づいて負荷側の外乱を推定するように構成した負荷側外乱オブザーバ40にて推定した負荷側の外乱を、負荷側外乱から位置指令値までの逆システム50を通してフィードバックする。
【選択図】図6

Description

本発明は、位置決め装置の同期防振制御装置に係り、特に、電子部品搭載装置等に用いられるガントリ型XY位置決め装置に用いるのに好適な、位置決め装置の同期防振制御装置に関する。
従来のガントリ型XY位置決め装置は、図1(A)(全体図)、(B)(略示平面図)、(C)(略示側面図)に電子部品搭載装置の一例を示す通り、Y方向への移動に左右1対の平行に配置されたY軸駆動部(以下YL軸、YR軸)を持ち、その上に設置されたX軸駆動部(X軸)でX方向への移動を行なう構成をとる。図において、7は、X軸12のYL軸9側をY方向に駆動するためのモータ(YL軸モータと称する)、8は、同じくX軸12のYR軸10側をY方向に駆動するためのモータ(YR軸モータと称する)、11は、X軸12上の搭載ヘッド15をX方向に駆動するためのモータ(X軸モータと称する)、16は、搭載ヘッド15上を上下のZ方向に駆動される吸着ノズルである。
X軸、Y軸の駆動には、回転型モータM+ボールねじB又はタイミングベルトや、リニアモータが使用される。図において、Cはカップリング、Eはリニアエンコーダである。
各軸は、指令発生部より各モータ制御部に受けた指令に基づき、モータ制御をして位置決めが行なわれるが、左右1対のY軸は、X軸が傾かないようにするため、左右両軸が同期して移動することが必要である。
しかしながら、前記ガントリ型XY位置決め装置で位置決めを行なう場合、X軸の負荷が移動することによって、左右1対の平行に配置されたYL軸とYR軸の受ける負荷のバランスが変化するため、左右の偏差が発生し、位置決め精度や位置決め時間に悪影響を与えるという問題点があった。
これを防ぐための、一手法として特許文献1に、図2に示す如く、X軸の負荷位置をモニタして、その位置により変化する左右YL軸9・YR軸10への負荷イナーシャ値を元に、可変ゲイン速度アンプ4、5を用いて、各速度ループゲインを可変とすることで、左右の偏差を抑えようとすることが提案されている。
又、共振系の振動抑制と外乱抑圧制御に対して、状態フィードバック制御やH∞制御、遅い外乱オブザーバ制御、共振比制御(非特許文献1参照)等の手法が提案されている。
特許第3125015号公報 結城他「共振比制御による2慣性共振系の振動抑制制御」電学論D、113巻(平成5年)10号、1162頁−1169頁
しかしながら、特許文献1の技術では、図3を見て分かるとおり、単にX軸の負荷位置により変化する、左右YL・YR軸に掛かる静的なイナーシャ値を元に各軸の速度ループゲインの可変を行なうという方式のため、X軸負荷が加速・減速動作した場合などの動的な影響は考慮されることがない。
実際の位置決め時には、X軸負荷が低速で静かに駆動する場合だけではなく、高速での駆動や様々な加減速度でのあらゆるパターンでの駆動が使用される。高い加減速度で位置決めする場合と低い加減速度で位置決めする場合には、YL・YR軸の受ける影響も大きく異なる。
このため、特許文献1の技術のように、単純にX軸の負荷位置により左右YL・YR軸の速度ループゲインを切り換えるだけの方式では、X軸負荷が動作するあらゆるパターンに応じて、最適に左右Y軸の同期制御を行なうことは困難である。
又、YL・YR軸毎の摩擦や組付けによる平行度の差等も考慮されておらず、これらの要因は同期制御の妨げとなる。
一方、状態フィードバック制御やH∞制御は、制御系が複雑であったり、計算量が膨大であることなどから、高速、高機能のCPUが必要となり、実機への適用には問題がある。
これに対して、遅い外乱オブザーバ制御と共振比制御は、比較的簡単な制御系から構成され、実用性が高い。
しかしながら、非特許文献1に記載された共振比制御では、X軸負荷が移動してY軸の共振周波数が変動する場合については考慮されていない。
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、共振負荷の振動抑制と外乱抑圧制御を可能とすることを課題とする。
本発明は、共振負荷の振動を抑制すると共に外乱を抑制するための共振比制御手段と、負荷の変動を含む外乱を補償するための負荷側外乱オブザーバと、を含み、該負荷側外乱オブザーバにて推定した負荷側の外乱を、負荷側外乱から位置指令値までの逆システムを通してフィードバックすることを特徴とする位置決め装置の同期防振制御装置により、前記課題を解決したものである。
又、前記共振比制御手段が、外乱オブザーバと軸ねじれ反力推定オブザーバを含むようにしたものである。
又、前記共振比制御手段と負荷側外乱オブザーバを、複数の軸に適用するようにしたものである。
本発明は、又、外乱を抑制するための外乱オブザーバと、軸ねじれ反力が無視できる剛性の高い負荷の変動を含む外乱を補償するための負荷側外乱オブザーバと、を含み、該負荷側外乱オブザーバにて推定した負荷側の外乱を、負荷側外乱から位置指令値までの逆システムを通してフィードバックすることを特徴とする位置決め装置の同期防振制御装置により、前記課題を解決したものである。
又、前記外乱オブザーバで用いるモータ慣性の推定値(ノミナル値)を、実際のモータ慣性の値より大に設定することで、位相進み補償を行なうようにしたものである。
又、前記負荷側外乱オブザーバを、複数の軸に適用するようにしたものである。
又、前記負荷側外乱オブザーバを並列駆動する2つの平行な軸に適用する際に、和動モードと差動モードに分解する仮想モード制御を行なうようにしたものである。
又、前記負荷側外乱オブザーバが、負荷側の軸ねじれ角を測定し、該軸ねじれ角と負荷の加速度に基づいて負荷側の外乱を推定するようにしたものである。
本発明では、上記の問題点を解決するため、共振比制御に加えて、負荷側外乱オブザーバに基づく同期防振制御を行なう。
XY位置決め装置等のモータ駆動系においては、図4に示す如く、モータM(慣性Jm)と負荷L(慣性J1)を低剛性の弾性軸(図では、ばねS(ばね定数Kf))で結合した、図5に示すような2慣性共振系と見なすことができるため、共振比制御を用いて、2慣性共振負荷の振動抑制と外乱抑圧制御を行なう。
更に、Y軸に負荷側外乱オブザーバを適用することにより、X軸の移動によるY軸の負荷質量の変動、Y軸に印加される外乱、剛性などのパラメータ変動により生じる外乱をまとめて補償することが可能となる。即ち、X軸がどの位置にある場合においても、あたかもY軸の中央部に固定されているかのように扱うことができ、また、X軸の移動によりY軸が受ける外乱に対してもロバスト性を持つ為、容易に同期制御を実現することが可能となる。
なお、Y軸だけでなく、X軸にも適用したり、更に、単軸の位置決め装置にも適用することができる。
本発明によれば、共振系の振動抑制に有効な共振比制御を適用することにより、共振負荷の振動抑制と外乱抑圧制御が可能となる。
又、Y軸に負荷側外乱オブザーバを適用することにより、X軸の移動によるY軸の負荷質量の変動、Y軸に印加される外乱、剛性などのパラメータ変動により生じる外乱をまとめて補償することが可能となる。即ち、X軸がどの位置にある場合においても、あたかもY軸の中央部に固定されているかのように扱うことができ、また、X軸の移動によりY軸が受ける外乱に対してもロバスト性を持つため、容易に同期制御を実現することが可能となる。外乱オブザーバに基づいた制御法であるため、振動抑制効果を持ちながらロバスト性の確保も達成できる。
更に、状態フィードバック制御やH∞制御に比べて制御系が簡単で、演算量も少ないため、高価なCPU等を使用する必要がない。また、設計や調整が容易である。
又、負荷と軸の剛性が高く、軸ねじれ補償が必要とならない場合には、共振比制御を構成せずに、軸ねじれ反力推定オブザーバを省略して、外乱オブザーバのみで制御系を構成することが可能である。
又、並列駆動される2つの平行な軸、例えばYL・YR両軸に負荷側外乱オブザーバを適用することにより、X軸の移動によるY軸の負荷質量の変動、Y軸に印加される外乱、剛性等のパラメータ変動により生じる外乱をまとめて補償することが可能となる。
更に、YL・YR両軸を、例えば2次アダマール行列に基づいて、和動モードと差動モードに分解する仮想モード制御を行なうことにより、仮想和動軸において重心位置サーボ、仮想差動軸においてヨーイング量抑圧のための位置レギュレータをそれぞれ構成することが可能となり、高い精度で2軸同期防振制御を容易に実現することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明の第1実施形態に係るY軸1軸(片側)分の同期防振制御装置の全体のブロック図を図6に示す。
本制御装置では、図7に示すような外乱オブザーバ20と、図8に示すような軸ねじれ反力推定オブザーバ30を用いて、2慣性共振系の振動抑制において有効である共振比制御手段を構成する。
共振比制御は、状態フィードバック制御やH∞制御などと異なり、比較的簡単な制御系から構成される為、設計が容易であり、計算量も少なくて済むなど実用性が高い。
モータ側に外乱オブザーバ20を適用することにより、モータに作用する各種外乱の影響を除去することができ、図9に示すようなロバストな加速度制御系を構築することができる。即ち、外乱オブザーバゲインGdisを大きく設定することにより、外乱トルクTdism
の影響が除去されることが分かる。これにより、モータは軸ねじれ反力を除去し、負荷側の影響を受けないロバストな制御系となる。
なお、外乱オブザーバ20をモータ側に適用することにより、唯一の負荷側の情報である軸ねじれ反力を相殺、除去してしまうため、負荷の振動を誘発してしまうことになる。
そこで、外乱オブザーバ20とほぼ同じ構造を持つ図8に示した軸ねじれ反力推定オブザーバ30を利用して、軸ねじれ反力の推定を行なう。図8において、Greacは軸ねじれ反力推定オブザーバ30に含まれる1次のローパスフィルタのカットオフ周波数である。
モータ側に外乱オブザーバ20を適用することにより加速度制御系を構成した制御対象に、軸ねじれ反力をフィードバックした系を図10に示す。図において、Krは軸ねじれ反力のフィードバックゲインであり、任意に設定することができる。
加速度参照値(d2θm/dt2refからモータ位置θmまでの伝達関数と、モータ位置θmから負荷位置θlまでの伝達関数はそれぞれ以下のようになる。
Figure 2007236185
又、モータ共振周波数ωm及び負荷共振周波数ω1を以下のように定義する。
Figure 2007236185
ここで、共振比Kを次式に定義する。
K =ωm /ω1 …(5)
=√(1+KrJ1) …(6)
負荷共振周波数ωlはモータ側には零点として作用する逆共振周波数となる。
ωlは任意パラメータを含まず制御対象により決定される。また、モータ側の状態フィ
ードバックに対して不可制御である。
一方、ωmは軸ねじれ反力フィードバックゲインKrにより、任意に設定できる。
共振比を制御することは、仮想的モータ慣性を制御することに相当し、共振比が大きいとき、即ちKrが大きい場合には、負荷慣性に対しモータ慣性が小さくなり、負荷側の影響を受けやすくなる。また逆も同様である。
共振比を
K=√5 …(7)
に設定することにより、いかなる2慣性共振系に対しても、振動抑制、即応性とも優れるゲイン設定が可能となる。
各ゲインは以下の通りである。
Kr=4/J1 …(8)
Kp=ω12 …(9)
Kv=4ω1 …(10)
(ωm:モータ共振周波数、ωl:負荷共振周波数、Jl:負荷慣性)
更に、X軸の移動によるY軸への影響を除去するため、Y軸の負荷側に、図11に示すような外乱オブザーバ40を構成する。
Y軸への影響は、Y軸負荷側に印加される外乱及びパラメータ変動による外乱として、次式で表される。
Figure 2007236185
Y軸にリニアエンコーダ等を備えて、Y軸負荷側の軸ねじれ角が測定できる場合、軸ねじれ角と負荷の先端加速度に基づいて負荷側外乱オブザーバ40を構成することにより、負荷側に印加される外乱及びパラメータ変動による外乱を合計した全負荷側外乱を推定することが可能となる。
負荷側外乱オブザーバ40のブロック線図を図11に示す。
ここで、広域ノイズ低減のため、カットオフ周波数g1の1次ローパスフィルタ42を挿入している。これにより、ゲインも調整できる。
推定した負荷側外乱を補償するため、負荷側外乱から位置指令までの逆システム50を通してフィードバックする。負荷側の正確な値は不明で全て推定値(ノミナル値)として制御されるため、共振比制御に用いるねじれ反力も実際の値ではなく、推定値に基づく値をフィードバックする必要がある。
位置指令値θcmdから負荷位置θlまでの伝達関数は次式のようになる。
Figure 2007236185
又、負荷側外乱Tdisl *allから負荷位置θ1までの伝達関数は次式のようになる。
Figure 2007236185
従って、負荷側外乱から位置指令値までの逆システムは次式のようになる。
Figure 2007236185
負荷側外乱抑制システムのY軸1軸(片側)での構成を図12に示す。
以上のように、負荷側外乱オブザーバ40を用いることにより、軸剛性Kf及び負荷側の慣性J1を推定値Kfn、J1nとして扱うことができる。従って、推定値と実際のずれを外乱として補償することで、X軸の移動によりY軸の共振周波数が変動することを防ぐことができ、共振周波数を固定することが可能となる。
従って、YL軸、YR軸のそれぞれに上記システムを用いれば、X軸がどの位置にある場合においても、あたかもY軸の中央部に固定されているかのように扱うことができ、また、X軸の移動によりY軸が受ける外乱に対してもロバスト性を持つため、容易に同期制御を実現することが可能となる。
第1実施形態の同期防振制御の有効性を確認する為、シミュレーションを行なった。シミュレーションのパラメータを表1に示す。
Figure 2007236185
図13は、X軸負荷が中央にある場合、即ちYL軸とYR軸に掛かる負荷を等しくした場合(J1L=J1R=J1n)のシミュレーション結果である。この場合は、左右Y軸でのパラメータ変動が一切生じず、また軸の弾性によって生じる共振も共振比制御により抑圧される為、左右Y軸間での偏差は生じない。
図14は、X軸負荷をYL軸側に寄せた場合のシミュレーション結果である。
図14(A)に同期防振制御を行なわない場合の結果を、図14(B)に同期防振制御を行なった場合の結果を示す。同期防振制御を行なうことで、YL軸とYR軸との偏差が小さく抑えられ、精度良く同期を取ることが可能であることが分かる。
図15は、図15(A)に示す如く、X軸の移動によりYL軸とYR軸の負荷が常時変動する際のシミュレーション結果である。この場合においても、図15(C)に示す如く、同期防振制御を行なうことにより、X軸がどの位置にある場合でも、YL軸とYR軸との偏差が小さく抑えられ、精度良く同期を取ることが可能であることが分かる。
以上のシミュレーション結果を見て分かるとおり、本発明の同期防振制御を用いることによって、負荷側を推定値化して左右Y軸の共振周波数を固定することができる為、共振比制御により同期の確保及び高精度な防振位置決め制御が容易に実現できることを確認できた。
なお、図6の本制御装置のブロック図では、速度演算部にP制御を用いているが、PI
制御、PD制御、PID制御を用いても良い。
又、共振比制御系内の外乱オブザーバの負荷慣性の推定値Jmnを実際の負荷慣性値Jm
より大きく設定しても良い。これにより、位相進み補償を達成し、2慣性共振系よりも更に高次の振動極に対して安定化を図ることが可能となり、すべての共振極の安定化を達成することができる。
なお、第1実施形態では、モータと負荷とが柔軟な駆動軸により結合され、軸ねじれが問題となるような剛性の低い制御系を対象としていたが、負荷と軸の剛性が高く軸ねじれ補償が必要ないような場合には、図16に示す第2実施形態のように、軸ねじれ反力推定オブザーバを省略して、外乱オブザーバ10のみで位相進み補償制御を構成することが可能である。この場合、軸ねじれ反力オブザーバを省略する為、フィードバックゲインKrは0となる。
この第2実施形態においても、位相進み補償の効果により、第1実施形態と同様に全ての共振極に対して安定化を図ることができる。
又、回転型モータとタイミングベルト又はボールねじを組み合わせたものや、リニアモータなど何にでも用いることができる。YL軸とYR軸の両方にリニアモータを用いた第3実施形態の同期防振制御装置を図17に示す(同じくKr=0)。
又、図18に示すような構成の、一方の軸(図ではYL軸)にのみリニアモータを使用し、他方の軸(図ではYR軸)はリニアモータ無しでガイドのみのXY位置決め装置であれば、ブロック線図は図6や図16のままで、同様の効果を得ることが可能となる。
次に、上記の負荷側外乱オブザーバを導入した2慣性共振系に対して、仮想モード制御に基づくYL、YR両軸の同期制御を行なうようにした、本発明の第4実施形態について説明する。
本実施形態では、Y軸2軸を仮想的な和動軸と差動軸に分解して制御系を構成する。例えば2次アダマール行列を用いて、次のように、2軸を仮想和動軸、仮想差動軸にモード変換する。
Figure 2007236185
ここで、αは、対になるパラメータの種類を表わしている。
本実施形態では、位置応答値θm、速度応答値dθm/dt、ねじれ反力T reac及び負荷外乱補償位置指令θcmpを用いる。又、添え字comは和動モードを、difは差動モードを表わす。
2軸の同期を実現するため、図19に示すように、和動軸において2軸の重心位置を制御するための位置サーボを構成し、差動軸においてヨーイングを0に制御するための位置レギュレータを構成する。図において、9FはYL軸9の足、10FはYR軸10の足である。
それぞれの仮想軸における加速度参照値は、共振比制御に基づき、以下のようになる。
2θcom ref/dt2=(θcom cmd+θcom cmp−θcom m)Kpv
−(dθcom m/dt)Kv−Kr*comr eac …(17)
2θdif ref/dt2=(θdif cmd+θdif cmp−θdif m)Kpv
−(dθdif m/dt)Kv−Kr*dif reac …(18)
2軸並列駆動においては、差動モード指令d2θdif ref/dt2=0とする。
又、仮想軸で設計した加速度参照値は、2次アダマール行列の逆行列を用いることにより、次式に示す如く、実モータへの加速度参照値に変換が可能である。
Figure 2007236185
仮想モード共振比制御に基づくY軸並列駆動での同期防振制御系の構成を図20に示す。 第4実施形態の同期防振制御の有効性を確認する為、シミュレーションを行なった。シュミレーションのパラメータは表1と同じである。
図21は、X軸負荷が中央にある場合、即ちYL軸とYR軸に掛かる負荷を等しくした場合のシミュレーション結果である。図21(A)に同期防振制御を行なわない通常の並列駆動の結果を、図21(B)に同期防振制御を行なった並列駆動の結果を示す。この場合は、左右Y軸でのパラメータ変動が一切生じず、また軸の弾性によって生じる共振も共振比制御により抑圧される為、左右Y軸間での偏差は生じない。
図22は、X軸負荷をYL軸側に寄せた場合のシミュレーション結果である。図22(A)に同期防振制御を行なわない通常の並列駆動の結果を、図22(B)に同期防振制御を行なった並列駆動の結果を示す。同期防振制御を行なうことで、YL軸とYR軸との偏差が小さく抑えられ、精度良く同期を取ることが可能であることが分かる。
以上のシミュレーション結果を見て分かる通り、第4実施形態の同期防振制御を用いることによって、負荷側をノミナル化して左右Y軸の共振周波数を固定することが可能となり、仮想モード共振比制御により同期の確保及び高精度な防振位置決め制御が容易に実現できることを確認できた。
本発明は、2軸並列駆動での同期防振制御に好適であるが、X軸などの単軸での外乱抑圧に用いても効果が高い。即ち、送り位置の変化によるボールねじやベルト等の剛性変化(モータ軸に近ければ剛性が高いが、離れて剛性が下がると発振を生じ易くなる)、Y軸の移動によりX軸が受ける衝撃(外乱)、対象物を把持したことによる負荷変動等に対する補償(振動抑制と外乱抑圧)に効果がある。
本発明の適用対象の1つである電子部品搭載装置の(A)全体図、(B)略示平面図、(C)略示側面図 特許文献1に記載された制御装置を示すブロック図 同じく同軸駆動軸の負荷の位置対負荷イナーシャ特性図 本発明の適用対象の2慣性共振系のモデル図 同じく2慣性共振系のブロック図 本発明に係る同期防振制御装置の第1実施形態のブロック図 第1実施形態で用いられている外乱オブザーバを示すブロック図 同じく軸ねじれ反力推定オブザーバを示すブロック図 同じく加速度制御系を示すブロック図 同じく軸ねじれ反力フィードバックを示すブロック図 同じく負荷側外乱オブザーバを示すブロック図 同じく負荷側外乱制御システムを示すブロック図 同じくX軸負荷が中央にある場合のシミュレーション結果を示す図 同じくX軸負荷をY軸側に寄せた場合のシミュレーション結果を示す図 同じくX軸の移動によりYL軸とYR軸の負荷が常時変動する際のシミュレーション結果を示す図 軸ねじれ補償が必要でない場合の本発明に係る同期防振制御装置の第2実施形態のブロック図 リニアモータに用いた場合の本発明に係る同期防振制御装置の第3実施形態のブロック図 図6又は図16に示した同期防振制御装置の第1又は第2実施形態が適用可能なリニアモータXY位置決め装置の一例の構成を示す略示平面図 本発明の第4実施形態における2軸並列駆動での位置の和動モードと差動モードを示す平面図 同じく同期防振制御系の構成を示すブロック図 同じくX軸負荷が中央にある場合のシミュレーション結果を示す図 同じくX軸負荷をY軸側に寄せた場合のシミュレーション結果を示す図
符号の説明
20…外乱オブザーバ
30…軸ねじれ反力推定オブザーバ
40…負荷側外乱オブザーバ
50…逆システム

Claims (9)

  1. 共振負荷の振動を抑制すると共に外乱を抑制するための共振比制御手段と、
    負荷の変動を含む外乱を補償するための負荷側外乱オブザーバと、
    を含み、
    該負荷側外乱オブザーバにて推定した負荷側の外乱を、負荷側外乱から位置指令値までの逆システムを通してフィードバックすることを特徴とする位置決め装置の同期防振制御装置。
  2. 前記共振比制御手段が、外乱オブザーバと軸ねじれ反力推定オブザーバを含むことを特徴とする請求項1に記載の位置決め装置の同期防振制御装置。
  3. 前記共振比制御手段と負荷側外乱オブザーバが、複数の軸に適用されることを特徴とする請求項1又は2に記載の位置決め装置の同期防振制御装置。
  4. 前記負荷側外乱オブザーバを並列駆動する2つの平行な軸に適用する際に、和動モードと差動モードに分解する仮想モード制御を行なうことを特徴とする請求項3に記載の位置決め装置の同期防振制御装置。
  5. 外乱を抑制するための外乱オブザーバと、
    軸ねじれ反力が無視できる剛性の高い負荷の変動を含む外乱を補償するための負荷側外乱オブザーバと、
    を含み、
    該負荷側外乱オブザーバにて推定した負荷側の外乱を、負荷側外乱から位置指令値までの逆システムを通してフィードバックすることを特徴とする位置決め装置の同期防振制御装置。
  6. 前記外乱オブザーバで用いるモータ慣性の推定値を、実際のモータ慣性の値より大に設定することで、位相進み補償を行なうことを特徴とする請求項2又は5に記載の位置決め装置の同期防振制御装置。
  7. 前記負荷側外乱オブザーバが、複数の軸に適用されることを特徴とする請求項5に記載の位置決め装置の同期防振制御装置。
  8. 前記負荷側外乱オブザーバを並列駆動する2つの平行な軸に適用する際に、和動モードと差動モードに分解する仮想モード制御を行なうことを特徴とする請求項7に記載の位置決め装置の同期防振制御装置。
  9. 前記負荷側外乱オブザーバが、負荷側の軸ねじれ角を測定し、該軸ねじれ角と負荷の加速度に基づいて負荷側の外乱を推定するようにしたことを特徴とする請求項1又は5に記載の位置決め装置の同期防振制御装置。
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Cited By (6)

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