JP2007235031A - 半導体試験装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自己診断を行う手間を軽減するとともに、自己診断の結果に応じてそれまでに行った試験結果が無駄になることを最小限に抑えることができる半導体試験装置を提供すること。
【解決手段】半導体試験装置は、複数のチップに対応する回路が形成されたウエハに対して半導体試験を行うものであり、一のウエハに含まれるチップの位置を順番に切り替えながら所定の測定を実施する半導体試験実行部131と、半導体試験実行部131による測定結果が所定数のチップについて連続してフェイルとなったときに、自己診断を実施する自己診断実行部134とを備えている。
【選択図】図4

Description

本発明は、ウエハテストを行う半導体試験装置に関する。
従来から、製造プロセスによって微細回路が形成された半導体ウエハに対してプローバ装置を用いて各種の半導体試験を実施する半導体試験装置が知られている。このような半導体試験装置では、ウエハに含まれる複数のチップに対して所定の順番で半導体試験を実施することになるが、連続してフェイルが発生する場合がある。連続したフェイルの発生原因としては、各チップに欠陥があって本当に試験結果がフェイルになる場合の他に、プローバ装置に備わったプローブ針の接触異常や半導体試験装置内のピンエレクトロニクスに異常がある場合がある。このため、プローバ装置に通常の試験時にセットされていたプローブカードを自己診断用ボードに交換して半導体試験装置の故障の有無を自己診断する手法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平8−306750号公報(第2−3頁、図1−5)
ところで、特許文献1に開示された手法では、自己診断を実施する際に試験用のプローブカードを自己診断用ボードに交換する必要があり多大な手間がかかるという問題があった。また、手間がかかることなどを考慮して複数枚のウエハからなる1ロットの試験が終了した後に自己診断を実施していたため、自己診断前に実施した試験結果が無駄になる場合があるという問題があった。例えば、自己診断の結果、プローブ針の接触異常や半導体試験装置側のピンエレクトロニクスの異常が発見された場合には試験結果に信頼性がなくなるため、同じウエハに対して試験を再度実施する必要がある。
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、自己診断を行う手間を軽減するとともに、自己診断の結果に応じてそれまでに行った試験結果が無駄になることを最小限に抑えることができる半導体試験装置を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明の半導体試験装置は、複数のチップに対応する回路が形成されたウエハに対して半導体試験を行うものであり、一のウエハに含まれるチップの位置を順番に切り替えながら所定の測定を実施する半導体試験実行手段と、半導体試験実行手段による測定結果が所定数のチップについて連続してフェイルとなったときに、自己診断を実施する自己診断実行手段とを備えている。ウエハ内の複数のチップにおいて連続フェイルが発生したときに自己診断が実施されるため、半導体試験装置自身の異常発生の有無をその可能性が生じたときにその都度確認することができ、半導体試験装置が正常でない状態で1ロットの全てのウエハに対して半導体試験を実施してそれまで行った試験結果が無駄になることを防止することができる。
また、上述した半導体試験実行手段において測定を実施する際にウエハに入力する信号を生成するとともにウエハから出力された信号を取り込むピンエレクトロニクスと、ピンエレクトロニクスとウエハとの間の電気的接続を行うプローブ針を有するプローブカードとをさらに備え、自己診断実行手段は、プローブ針をウエハに接触させたときの接触抵抗に基づいて自己診断を実施することが望ましい。これにより、自己診断用のボードに交換することなく、半導体試験装置による測定環境を維持しながら自己診断を行うことができ、自己診断を行う手間を軽減することができる。
また、上述した自己診断実行手段は、連続したフェイルが発生する直前に測定結果がパスとなったチップについて自己診断を実施することが望ましい。これにより、プローブ針の接触抵抗が徐々に大きくなったことにより測定結果がフェイルになったことを確実かつ簡単に確認することができる。
また、上述したプローブ針の先端を研磨する針先研磨手段をさらに備え、ウエハにおいて測定結果が最初にパスとなったチップとプローブ針の接触抵抗を基準抵抗値としたときに、自己診断実行手段によって、自己診断の対象となるチップの抵抗値がこの基準抵抗値に対して所定の範囲から外れることが確認されたときに、針先研磨手段による研磨が実施されることが望ましい。これにより、プローブ針の接触抵抗が徐々に大きくなって正常範囲を外れた異常状態を元の正常状態に戻すことが可能になる。また、定期的にプローブ針の針先研磨を行う場合に比べて研磨回数を減らすことができるため、プローブ針の寿命を延ばすことが可能となる。
また、上述したウエハにおいて測定結果が最初にパスとなったチップとプローブ針の接触抵抗を基準抵抗値としたときに、自己診断実行手段によって、自己診断の対象となるチップの抵抗値がこの基準抵抗値に対して所定の範囲内にあることが確認されたときに、半導体試験実行手段による測定が継続されることが望ましい。これにより、半導体試験装置自身に異常がない場合に半導体試験を継続することができるため、自己診断の手間の軽減とも相まって自己診断による半導体試験の中断時間を最小限に抑えることができる。
また、本発明の半導体試験装置は、複数のチップに対応する回路が形成されたウエハに対して半導体試験を行うものであり、一のウエハに含まれる複数のチップに対して所定の測定を実施する半導体試験実行手段と、半導体試験実行手段による測定結果がパスとなったチップの数の全チップ数に対する割合が基準値よりも小さくなったときに、自己診断を実施する自己診断実行手段とを備えている。各ウエハ毎のフェイルの数が多い場合に自己診断が実施されるため、半導体試験装置が正常でない状態で1ロットの全てのウエハに対して半導体試験を実施してそれまで行った試験結果が無駄になることを防止することができる。
また、上述した半導体試験実行手段において測定を実施する際にウエハに入力する信号を生成するとともにウエハから出力された信号を取り込むピンエレクトロニクスと、ピンエレクトロニクスとウエハとの間の電気的接続を行うプローブ針を有するプローブカードとをさらに備え、自己診断実行手段は、プローブ針とウエハとの接触を解除した状態で、ピンエレクトロニクス内の電流あるいは電圧の状態を調べることにより自己診断を実施することが望ましい。これにより、自己診断用のボードに交換することなく、プローブ針をウエハから離間するだけで自己診断を行うことができ、自己診断を行う手間を軽減することができる。
また、上述した自己診断実行手段による自己診断の結果、異常が検出されたときに、半導体試験実行手段による測定が中断され、異常発生を外部に知らせる通知手段をさらに備えることが望ましい。これにより、異常発生時に半導体試験の測定が中断されるため、それ以後測定を継続することによって試験結果が無駄になることを防止することができる。また、測定を中断したときに、その旨が外部に通知されるため、別の詳細な自己診断を実施したり、異常箇所を修理する等の処置が可能になる。
また、上述した自己診断実行手段による自己診断の結果、異常が検出されなかったときに、半導体試験実行手段による測定が継続されることが望ましい。これにより、半導体試験装置自身に異常がない場合に半導体試験を継続することができるため、自己診断の手間の軽減とも相まって自己診断による半導体試験の中断時間を最小限に抑えることができる。
以下、本発明を適用した一実施形態の半導体試験装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、一実施形態の半導体試験装置の全体構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態の半導体試験装置は、テスタ本体100、テスタヘッドユニット200、プローバユニット300を備えている。
テスタ本体100は、被試験対象デバイス(DUT)としてのウエハ上に形成された集積回路に対して行われる半導体試験の全体を制御するためのものであり、テスタバス10を介してテスタヘッドユニット200に接続され、GPIB(General Purpose Interface Bus)ケーブル20を介してプローバユニット300に接続されている。テスタヘッドユニット200は、ウエハに対して入力する試験パターンに対応する信号を発生するとともにウエハから出力される信号を取り込んで処理する。プローバユニット300は、セットされたウエハの位置決めやウエハ上に形成されたパッドに対する電気的な接続を行う。
図2は、本実施形態の半導体試験装置の機能ブロック図である。図2に示すように、本実施形態の半導体試験装置は、テスタコントローラ(TC)100、デバイス電源120、タイミング発生器(TG)210、パターン発生器(PG)220、データセレクタ(DS)230、フォーマット制御部(FC)240、ピンエレクトロニクス(PE)250、デジタルコンペア部(DC)260、アナログ測定部270、パフォーマンスボード(PB)280、プローブカード310、チャック320、プローブカード駆動機構330、針先研磨部340を備えている。
テスタコントローラ110は、デバイステストプログラムを実行して所定の半導体試験を実施するために必要な一連の制御を行う。テスタコントローラ110の内部構成および機能ブロックについては後述する。デバイス電源120は、ウエハ400の電源端子に所定の動作電圧を印加する。
タイミング発生器210は、半導体試験動作の基本周期を設定するとともに、この設定した基本周期内に含まれる各種のタイミングエッジを生成する。パターン発生器220は、ウエハ400の各端子(パッド)に入力するパターンデータを発生する。データセレクタ230は、パターン発生器220から出力される各種のデータと、このデータが入力されるウエハ400の各端子とを対応させる。フォーマット制御部240は、パターン発生器220により生成されデータセレクタ230によって選択されたパターンデータと、タイミング発生器210により生成されたタイミングエッジとに基づいて、ウエハ400に対して入力する実際のパターン波形を生成する。
ピンエレクトロニクス250は、ウエハ400との間の物理的なインタフェースをとるためのものである。例えば、ピンエレクトロニクス250には、ウエハ400上の対応する端子に所定のパターン波形を印可するドライバと、各端子に現れる電圧波形と所定のローレベル電圧およびハイレベル電圧との比較を行うコンパレータが含まれている。デジタルコンペア部260は、ウエハ400の各端子の出力に対し、データセレクタ230で選択された各ピンの期待値データとの比較を行う。
アナログ測定部270は、ウエハ400の各端子に所定の電圧を印加したり、所定の電流を流すことにより、各端子の電圧特性、電流特性等のアナログ特性を測定する。デバイス電源120は、半導体装置の電源端子に所定の動作電圧を印加する。
パフォーマンスボード280は、半導体試験用の接続がなされており、ピンエレクトロニクス250に接続される。
プローブカード310は、パフォーマンスボード280に接続され、取り付けられたプローブ針312をウエハ400の所定位置に接触させる。ウエハ400には試験終了後に切り分けられる複数個のチップに対応する集積回路が形成されており、プローブカード310は、いずれかのチップに対応するようにセットされる。このセット位置(試験対象となるチップ)は、プローブカード310をプローブカード駆動機構330によって移動させることにより変更することができる。なお、プローブカード310とウエハ400上のチップとの対応は必ずしも1対1である必要はなく、2個あるいは4個等複数のチップに対して同時に半導体試験を実施する場合には、これらの同時測定の対象となる複数のチップに対応するようにプローブカード310の形状やプローブ針312の位置が決定される。
チャック320は、ウエハ400を載せた状態で固定するとともに、その上下方向の位置を移動させる。ウエハ400は、試験対象となる回路が上側を向くように固定され、上方からプローブカード310のプローブ針312が端子に接触する。
針先研磨部340は、プローブ針312の先端を研磨する。例えば、プローブカード駆動機構330によってプローブカード310を所定位置に移動させた後、針先研磨部340によってプローブ針312の先端の研磨が実施される。
例えば、上述したテスタコントローラ110とデバイス電源120がテスタ本体100に、タイミング発生器210、パターン発生器220、データセレクタ230、フォーマット制御部240、ピンエレクトロニクス250、デジタルコンペア部260、アナログ測定部270、パフォーマンスボード280がテスタヘッドユニット200に、プローブカード310、チャック320、プローブカード駆動機構330、針先研磨部340がプローバユニット300にそれぞれ分散されて搭載されている。
図3は、テスタコントローラ110の内部構成を示す図である。図3に示すように、テスタコントローラ110は、CPU111、メモリ112、ハードディスク装置113、ブリッジ回路114、GPIBインタフェース(IF)115、外部インタフェース(IF)116、通信インタフェース(IF)117を備えている。
CPU111は、ハードディスク装置113にインストールされた各種のプログラムを実行することにより、テスタコントローラ110としての制御動作を行う。例えば、デバイステストプログラム、自己診断プログラム、コンパクトチェッカプログラム、試験継続プログラムなどがインストールされて実行される。メモリ112は、CPU111によって各種のプログラムを実行する際の作業領域として使用される。
ブリッジ回路114は、テスタコントローラ110の内部バスとテスタバス10との間に接続されており、これら2つのバス間でデータや信号の入出力を行う。GPIBインタフェース115は、GPIBケーブル20を介したデータや信号の入出力動作を制御する。外部インタフェース116は、外部に接続された図示しないオペレータコール(故障発生等を知らせるための警告灯)の点灯/非点灯動作を制御する。例えば、オペレータコールに備わった駆動部に外部インタフェース116から点灯指示が送られ、オペレータコールが点灯する。通信インタフェース117は、図示しない外部のパーソナルコンピュータや携帯電話等に対して電子メールを送信するために必要な通信制御を行う。例えば、イーサネット(登録商標)を介してパーソナルコンピュータが接続されている場合に、特定のIPアドレスを指定することで、このパーソナルコンピュータを操作する特定の利用者に対してメールを送ることができる。あるいは、通信インタフェース117を介してインターネットに接続可能な場合には、携帯電話のアドレスを指定することでこの携帯電話を所持する利用者に対してメールを送ることができる。
図4は、テスタコントローラ110の機能ブロック図である。図4に示すように、テスタコントローラ110は、半導体試験実行部131、テスタバスドライバ132、GPIBドライバ133、自己診断実行部134、コンパクトチェッカ実行部135、LRQ(ロードリクエスト)ファイル136、試験継続処理部137、OC(オペレータコール)駆動処理部138、メール送信処理部139を備えている。
半導体試験実行部131は、ウエハ400に対して機能試験、DC試験、AC試験等の各種の半導体試験を実施する。この半導体試験実行部131は、CPU111によってデバイステストプログラムを実行したときに作成される。利用者は、任意のタイミングで半導体試験の開始を指示することができ、この開始指示に応じて半導体試験実行部131が作成される。
テスタバスドライバ132は、テスタバス10を介した信号の入出力動作を行う。GPIBドライバ133は、GPIBケーブル20を介した信号の入出力動作を行う。これらのテスタドライバ132、GPIBドライバ133は、テスタコントローラ110の起動時に、それぞれのドライバ用プログラムを実行することにより作成される。
自己診断実行部134は、主にウエハ400に対する半導体試験と並行して半導体試験の故障を自己診断する。本実施形態では、CPU111によって自己診断プログラムを実行したときに作成されるが、この自己診断プログラムは、GPIBドライバ133の機能の一部に含まれている。自己診断実行部134によって実施される動作には以下のようなものがある。
(1)プローブ針312の針圧の自動調整
(2)ウエハ400内の各チップに対する連続フェイルの監視と監視結果に対応する一連の処理
(3)ウエハ400毎の歩留まり監視と監視結果に対応する一連の処理
(4)コンパクトチェッカ実行部135の起動
(1)の針圧の自動調整は、プローブ針312の接触抵抗を監視しながらプローブカード310をウエハ400に近づけることで行っている。例えば、プローブ針312とウエハ400との接触点を含む信号経路に所定の電圧を印加したときに流れる電流値を測定したり、所定の電流を流したときに生じる電位差を測定したり、あるいはプローブ針312に接続されたダイオードの特性を測定することにより、プローブ針312の接触抵抗を検出することができる。また、本実施形態では、自己診断実行部134は、GPIBドライバ133の機能の一部に含まれるため、GPIBケーブル20を介して指示を送ってプローバユニット300において行われる。但し、接触抵抗の検出方法については、ピンエレクトロニクス250を用いてプローブ針312に関連する特定箇所の電圧特性や電流特性を測定することによって行うなどの他の方法を用いるようにしてもよい。(2)〜(4)の詳細については後述する。
コンパクトチェッカ実行部135は、ウエハ400に対して半導体試験を実施するために用いられるパフォーマンスボード280が接続された状態であって、プローブカード310とウエハ400とを接触させない状態で、ピンエレクトロニクス250やデバイス電源120、アナログ測定部270等に対して故障診断を行う。具体的には、ピンエレクトロニクス250内の電流あるいは電圧の状態を検出することにより、ピンエレクトロニクス250内の回路の異常やデバイス電源120の異常等を検出することができる。このような自己診断のためだけにピンエレクトロニクス250の内部構成を変更する必要は必ずしもないが、ピンエレクトロニクス250内あるいは外部に自己診断用の回路や配線を追加するようにしてもよい。すなわち、パフォーマンスボード280が接続された状態で自己診断を実施することができることが重要であり、この条件を満たせば回路等を追加してもよい。このコンパクトチェッカ実行部135は、コンパクトチェッカプログラムをCPU111によって実行したときに作成される。なお、本実施形態では、コンパクトチェッカプログラムはメモリ112に常駐させておくものとし、必要が生じたときにCPU111によって実行するものとする。この実行指示(コンパクトチェッカ実行部135に対する起動指示)は、自己診断実行部134によって所定のタイミングで行われる。
LRQ(ロードリクエスト)ファイル136は、コンパクトチェッカ実行部135による故障診断動作が終了後に作成されるファイルである。ウエハ400に対して半導体試験を実施中に、自己診断実行部134によってコンパクトチェッカ実行部135を起動してピンエレクトロニクス250の故障診断を実施してしまうと、ピンエレクトロニクス250内の設定内容の一部が故障診断用に書き換わってしまい、故障診断終了後に半導体試験を継続することができなくなってしまう。この書き換わった設定内容は、再度デバイステストプログラムを実行して半導体試験実行部131を再作成することで復元することができる。しかし、一般に、GPIBドライバ133(自己診断実行部134)が動作中は、その動作が終了するまでデバイステストプログラムの起動動作が待たされるため、自己診断実行部134によってデバイステストプログラムを実行してピンエレクトロニクス250内の設定内容を復元することはできない。
ところで、GPIBドライバ133や半導体試験実行部131とは関係のない外部プログラムによってデバイステストプログラムを実行することで設定内容を復元することができる。しかし、コンパクトチェッカ実行部135による自己診断が終了した後に、ウエハ400内の試験対象のチップを変更(プローブカード310を移動)する必要があり、その指示をGPIBドライバ133からプローバユニット300に対して行う必要がある。GPIBドライバ133からは外部プログラムの実行結果(設定内容の復元が終了したか否か)を確認することができないため、プローブカード310の移動が終了する前に、ピンエレクトロニクス250の設定内容の復元が終了して半導体試験が再開されるおそれがある。このように、外部プログラムを用いて、GPIBドライバ133の動作と非同期にデバイステストプログラムを実行しただけでは、半導体試験の一連の動作に支障を生じるおそれがある。
このような不都合を解決するために、本実施形態では、LRQファイル136と試験継続処理部137が用いられている。試験継続処理部137は、外部プログラムである試験継続プログラムをCPU111によって実行することにより作成される。試験継続処理部137は、自己診断実行部134による動作が終了後(コンパクトチェッカ実行部135を起動することによる一連の動作が終了した後)に、LRQファイル136が作成されたか否かを監視する。LRQファイル136が作成されたことが確認されると、試験継続処理部137は、デバイステストプログラムを実行して半導体試験実行部を起動し、その後、GPIBドライバ133からプローバユニット300に向けて指示を送ってプローブカード310を次のチップに対応する位置に移動させる。このようにすることで、上記の不都合が回避され、次のチップに対する測定を継続することができる。
OC駆動処理部138は、外部インタフェース116に接続されたオペレータコールを駆動する処理を行う。メール送信処理部139は、通信インタフェース117を介してメールを送信する処理を行う。なお、本実施形態では、コンパクトチェッカ実行部135による自己診断の結果、ピンエレクトロニクス250に異常箇所が発見されたときにオペレータコールの点灯やメールの送信が行われるため、OC駆動処理部138とメール送信処理部139はコンパクトチェッカ実行部135に含ませるようにしてもよい。
上述した半導体試験実行部131が半導体試験実行手段に、自己診断実行部134、コンパクトチェッカ実行部135が自己診断実行手段に、針先研磨部340が針先研磨手段に、OC駆動処理部138、メール送信処理部139が通知手段にそれぞれ対応する。
本実施形態の半導体試験装置はこのような構成を有しており、次に1ロットに対応する複数枚のウエハ400に対して半導体試験を行う場合の動作について説明する。図5および図6は、半導体試験と並行して行われる自己診断動作等の動作手順を示す図である。
半導体試験動作が開始されて1枚目のウエハ400がプローバユニット300のチャック320にセットされると(ステップ101)、まず、自己診断実行部134は、プローブ針312の針圧の自動調整を実施する(ステップ102)。
図7は、プローブ針312の針圧の自動調整の具体的内容を示す図である。初期状態として、チャック320の高さ(ウエハ400の上面の高さ)がプローブ針312の先端位置から−200μmの位置(マイナスはプローブ針312よりも下方にチャック320の位置があることを示している)にセットされている。チャック320の高さが−150μmに達するまでは、自己診断実行部134は、1回に25μmずつチャック320を上昇させ、その都度パスピンが発生するか否かを判定する。ここで、パスピンとは、ウエハ400との間で導通状態が確認されたプローブ針312のことであり、各プローブ針312に接続されたダイオードの両端電圧を測定することによりプローブ針312のウエハ400に対する接触抵抗が検出され、この接触抵抗に基づいてプローブ針312のウエハ400への接触の有無が判定される。ダイオードの両端電圧の測定結果は、例えばアナログ測定部270から取得することができる。また、チャック320の高さがー150μmに達した後は、自己診断実行部134は、1回に5μmずつチャック320を上昇させ、その都度パスピンが発生するか否かを判定する。一つでもパスピンが発生した後は、自己診断実行部134は、全てのプローブ針312がパスピンになるまで、1回に2μmずつチャック320を上昇させる。全てのプローブ針312がパスピンになると、自己診断実行部134は、そのときのチャック320の高さに所定のオーバードライブ分を加算してチャック320の高さを設定する。このようにして、全てのプローブ針312がパスピンになって安定した電気的接続がなされるような針圧の自動調整が行われる。
針圧自動調整が終了すると、半導体試験実行部131は、GPIBドライバ133に指示を送ってプローブカード310を測定対象のチップ位置に移動させた後(ステップ103)、この最初のチップに対する測定を実施する(ステップ104)。自己診断実行部134は、この最初のチップに対する測定結果を監視しており、測定結果がパスか否かを判定する(ステップ105)。パスの場合には肯定判断が行われる。この場合には、次に、半導体試験実行部131は、測定対象となる次のチップが存在するか否かを判定する(ステップ106)。存在する場合には肯定判断が行われ、ステップ103に戻って次のチップに対するプローブカード310の移動動作以降が繰り返される。
一方、測定対象となるチップに対する測定結果がフェイルの場合にはステップ105において否定判断が行われ、次に、自己診断実行部134は、フェイルとなったチップが所定個数連続したか否かを判定する(ステップ107)。所定個数連続していない場合には否定判断が行われ、ステップ106に移行して次のチップの有無が判定される。
また、測定結果がフェイルになったチップが所定個数連続している場合にはステップ107において肯定判断が行われる。この場合には、自己診断実行部134は、連続したフェイルが発生した直前にパスとなったチップの位置にプローブカード310の位置を戻して、半導体試験実行部131は、このチップに対する再度の測定を実施する(ステップ108)。自己診断実行部134は、このチップに対する測定結果を監視しており、測定結果がパスか否かを判定する(ステップ109)。パスの場合には肯定判断が行われ、測定対象となるチップ位置を戻した後に(ステップ110)、ステップ104に移行して測定が継続される。また、再度の測定結果がフェイルの場合にはステップ109の判定において否定判断が行われ、自己診断実行部134は、プローブ針312の接触抵抗を測定し(ステップ111)、この測定結果が正常であるか否かを判定する(ステップ112)。正常である場合には肯定判断が行われ、ステップ110に移行してチップ位置を元に戻した後にステップ104に移行して測定が継続される。一方、抵抗値測定の結果が異常である場合にはステップ112の判定において否定判断が行われ、自己診断実行部134は、プローバユニット300に対して指示を送ってプローブ針312の針先研磨を実施する(ステップ113)。その後、針先研磨前に測定したチップが再測定され(ステップ114)、自己診断実行部134は、測定結果がパスか否かを判定する(ステップ115)。パスの場合には肯定判断が行われ、ステップ104に戻って、連続フェイルが発生した最後のチップから再度の測定が実施される。また、フェイルの場合にはステップ115の判定において否定判断が行われる。この場合には、自己診断実行部134は、コンパクトチェッカ(CC)実行部135を起動する(ステップ116)。これにより、コンパクトチェッカ実行部135による診断が行われる。自己診断実行部134は、この診断の結果がパスであるか否かを判定し(ステップ117)、診断結果がフェイルであった場合には否定判断を行ってOC駆動処理部138、メール送信処理部139に指示を送ってオペレータコールの点灯と特定のアドレスに向けて故障発生の旨を知らせるメールの送信を行う(ステップ118)。その後、測定動作が中断される(ステップ119)。
また、コンパクトチェッカ実行部135による診断結果がパスである場合にはステップ117において肯定判断が行われる。この場合には、ステップ104に戻って測定が継続される。
図8は、フェイル発生時にプローブ針312の抵抗値測定を実施する動作の説明図である。図8に示すウエハ400内の1つの四角形枠が1つのチップを示しており、各チップ内に付された1〜16の符号が各チップの測定順番を示している。また、○が測定結果がパスであることを、×が測定結果がフェイルであることをそれぞれ示している。図8に示す例では、番号1のチップから順番に測定を行っていった結果、番号1のチップの測定結果がフェイルであり、番号2のチップの測定結果がパスであったことが示されている。また、番号16番のチップの測定結果がフェイルであり、番号13〜16で示された4つのチップが連続してフェイルになった場合を考える。例えば、ステップ107における連続フェイルの判断基準を4個とすると、番号16のチップの測定結果がフェイルになったときにステップ107において肯定判断が行われる。この場合には、この連続フェイルが発生する直前のチップである番号12のチップに戻ってプローブ針312の接触抵抗測定が実施される(ステップ111)。また、この測定結果に基づいてステップ112における正常か否かの判定は、測定対象となっているウエハ400において最初に測定結果がパスになったチップを測定した際のプローブ針312の接触抵抗(この接触抵抗を「基準抵抗値」と称する)を基準にして行われる。すなわち、図8に示す例では、番号12のチップに戻って測定した接触抵抗が、番号2のチップに対応する測定の際に得られた基準抵抗値に対して所定範囲内に収まっている場合には正常と判定される。所定範囲を超えて接触抵抗が大きくなっている場合には針先研磨が必要である異常状態であると判定され、ステップ113に移行して針先研磨が実施される。
次のチップが存在しない場合(ウエハ400の全てのチップに対して測定が終了した場合であり、図8に示す例ではn番目のチップに対する測定が終了した場合)にはステップ106の判定において否定判断が行われる。この場合には、自己診断実行部134は、全てのチップに対して測定が終了したウエハ400の歩留り率は基準値以上か否かを判定する(ステップ120)。ここで、歩留まり率とは、1枚のウエハ400に含まれる全チップ数に対して測定結果がパスとなったチップの割合である。歩留り率が基準値以上の場合には肯定判断が行われる。次に、半導体試験実行部131は、1つのロットに含まれる全てのウエハ400に対して測定が終了したか否かを判定する(ステップ125)。測定が終了していないウエハ400が存在する場合には否定判断が行われ、ステップ101に戻って次のウエハ400がプローバユニット300のチャック320にセットされ、このウエハ400に対する測定が開始される。
また、歩留り率が基準値よりも小さくなった場合にはステップ120の判定において否定判断が行われる。この場合には、自己診断実行部134は、コンパクトチェッカ(CC)実行部135を起動する(ステップ121)。これにより、コンパクトチェッカ実行部135による診断が行われる。自己診断実行部134は、この診断の結果がパスであるか否かを判定し(ステップ122)、診断結果がフェイルであった場合には否定判断を行ってOC駆動処理部138、メール送信処理部139に指示を送ってオペレータコールの点灯と特定のアドレスに向けて故障発生の旨を知らせるメールの送信を行う(ステップ123)。その後、測定動作が中断される(ステップ124)。
また、コンパクトチェッカ実行部135による診断結果がパスである場合にはステップ122において肯定判断が行われる。これは、歩留り率は悪いが半導体試験装置自体は正常であることを意味している。すなわち、製造されたウエハ400そのものに原因があってフェイルのチップが多数存在することになる。この場合には、測定を継続するためにステップ125に移行し、測定未終了のウエハ400が存在するか否かの判定が行われる。
図9は、歩留り率の判定結果に応じた処理の概要を示す図である。図9に示すように、1ロットに含まれる各ウエハ400に対する測定が終了したときに歩留り率が基準値と比較される。図9に示す例では、基準値として80%が設定されている。例えば、2回目のウエハ400の歩留りが72%であって基準値を下回っているため、コンパクトチェッカ実行部135が起動される。その結果がパスの場合には次のウエハ400に対して測定が継続される。また、結果がフェイルの場合には測定が中断され、オペレータコールの点灯とメール送信が行われる。
このように、本実施形態の半導体試験装置では、ウエハ400内の複数のチップにおいて連続フェイルが発生したときに自己診断が実施されるため、半導体試験装置自身の異常発生の有無をその可能性が生じたときにその都度確認することができ、半導体試験装置が正常でない状態で1ロットの全てのウエハに対して半導体試験を実施してそれまで行った試験結果が無駄になることを防止することができる。特に、自己診断用のボードに交換することなく、半導体試験装置による測定環境を維持しながら自己診断を行うことができ、自己診断を行う手間を軽減することができる。
また、連続したフェイルが発生する直前に測定結果がパスとなったチップについて自己診断を実施することにより、プローブ針の接触抵抗が徐々に大きくなったことにより測定結果がフェイルになったことを確実かつ簡単に確認することができる。特に、針先研磨部340による針先研磨を実施することにより、プローブ針312の接触抵抗が徐々に大きくなって正常範囲を外れた異常状態を元の正常状態に戻すことが可能になる。また、定期的にプローブ針312の針先研磨を行う場合に比べて研磨回数を減らすことができるため、プローブ針312の寿命を延ばすことが可能となる。さらに、半導体試験装置自身に異常がない場合に半導体試験を継続することにより、自己診断の手間の軽減とも相まって自己診断による半導体試験の中断時間を最小限に抑えることができる。
また、本実施形態の半導体試験装置では、各ウエハ400毎のフェイルの数が多い場合(歩留まりが悪い場合)に自己診断が実施されるため、半導体試験装置が正常でない状態で1ロットの全てのウエハに対して半導体試験を実施してそれまで行った試験結果が無駄になることを防止することができる。また、異常発生時に測定を中断したときに、その旨が外部に通知されるため、別の詳細な自己診断を実施したり、異常箇所を修理する等の処置が可能になる。
一実施形態の半導体試験装置の全体構成を示す図である。 本実施形態の半導体試験装置の機能ブロック図である。 テスタコントローラの内部構成を示す図である。 テスタコントローラの機能ブロック図である。 半導体試験と並行して行われる自己診断動作等の動作手順を示す図である。 半導体試験と並行して行われる自己診断動作等の動作手順を示す図である。 プローブ針の針圧の自動調整の具体的内容を示す図である。 フェイル発生時にプローブ針の抵抗値測定を実施する動作の説明図である。 歩留り率の判定結果に応じた処理の概要を示す図である。
符号の説明
10 テスタバス
20 GPIBケーブル
100 テスタ本体
110 テスタコントローラ(TC)
111 CPU
112 メモリ
113 ハードディスク装置(HDD)
114 ブリッジ回路
115 GPIBインタフェース(IF)
116 外部インタフェース(IF)
117 通信インタフェース(IF)
120 デバイス電源
131 半導体試験実行部
132 テスタバスドライバ
133 GPIBドライバ
134 自己診断実行部
135 コンパクトチェッカ実行部
136 LRQ(ロードリクエスト)ファイル
137 試験継続処理部
138 OC(オペレータコール)駆動処理部
139 メール送信処理部
200 テスタヘッドユニット
210 タイミング発生器(TG)
220 パターン発生器(PG)
230 データセレクタ(DS)
240 フォーマット制御部(FC)
250 ピンエレクトロニクス(PE)
260 デジタルコンペア部(DC)
270 アナログ測定部
280 パフォーマンスボード(PB)
300 プローバユニット
310 プローブカード
312 プローブ針
320 チャック
400 ウエハ

Claims (9)

  1. 複数のチップに対応する回路が形成されたウエハに対して半導体試験を行う半導体試験装置において、
    一のウエハに含まれるチップの位置を順番に切り替えながら所定の測定を実施する半導体試験実行手段と、
    前記半導体試験実行手段による測定結果が所定数のチップについて連続してフェイルとなったときに、自己診断を実施する自己診断実行手段と、
    を備えることを特徴とする半導体試験装置。
  2. 請求項1において、
    前記半導体試験実行手段において測定を実施する際に前記ウエハに入力する信号を生成するとともに前記ウエハから出力された信号を取り込むピンエレクトロニクスと、
    前記ピンエレクトロニクスと前記ウエハとの間の電気的接続を行うプローブ針を有するプローブカードと、
    をさらに備え、前記自己診断実行手段は、前記プローブ針を前記ウエハに接触させたときの接触抵抗に基づいて自己診断を実施することを特徴とする半導体試験装置。
  3. 請求項2において、
    前記自己診断実行手段は、連続したフェイルが発生する直前に測定結果がパスとなったチップについて自己診断を実施することを特徴とする半導体試験装置。
  4. 請求項3において、
    前記プローブ針の先端を研磨する針先研磨手段をさらに備え、
    前記ウエハにおいて測定結果が最初にパスとなったチップと前記プローブ針の接触抵抗を基準抵抗値としたときに、前記自己診断実行手段によって、自己診断の対象となるチップの抵抗値がこの基準抵抗値に対して所定の範囲から外れることが確認されたときに、前記針先研磨手段による研磨が実施されることを特徴とする半導体試験装置。
  5. 請求項3において、
    前記ウエハにおいて測定結果が最初にパスとなったチップと前記プローブ針の接触抵抗を基準抵抗値としたときに、前記自己診断実行手段によって、自己診断の対象となるチップの抵抗値がこの基準抵抗値に対して所定の範囲内にあることが確認されたときに、前記半導体試験実行手段による測定が継続されることを特徴とする半導体試験装置。
  6. 複数のチップに対応する回路が形成されたウエハに対して半導体試験を行う半導体試験装置において、
    一のウエハに含まれる複数のチップに対して所定の測定を実施する半導体試験実行手段と、
    前記半導体試験実行手段による測定結果がパスとなったチップの数の全チップ数に対する割合が基準値よりも小さくなったときに、自己診断を実施する自己診断実行手段と、
    を備えることを特徴とする半導体試験装置。
  7. 請求項6において、
    前記半導体試験実行手段において測定を実施する際に前記ウエハに入力する信号を生成するとともに前記ウエハから出力された信号を取り込むピンエレクトロニクスと、
    前記ピンエレクトロニクスと前記ウエハとの間の電気的接続を行うプローブ針を有するプローブカードと、
    をさらに備え、前記自己診断実行手段は、前記プローブ針と前記ウエハとの接触を解除した状態で、前記ピンエレクトロニクス内の電流あるいは電圧の状態を調べることにより自己診断を実施することを特徴とする半導体試験装置。
  8. 請求項7において、
    前記自己診断実行手段による前記自己診断の結果、異常が検出されたときに、前記半導体試験実行手段による測定が中断され、異常発生を外部に知らせる通知手段をさらに備えることを特徴とする半導体試験装置。
  9. 請求項7において、
    前記自己診断実行手段による前記自己診断の結果、異常が検出されなかったときに、前記半導体試験実行手段による測定が継続されることを特徴とする半導体試験装置。
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