JP2007234459A - 燃料電池システムの制菌方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】被処理水の制菌処理用に特別の機器を設けることなく被処理水を制菌することのできる、電気脱イオン装置を備えた燃料電池システムの制菌方法、及び電気脱イオン装置を備えた制菌可能な燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池システム1は、燃料電池本体2と、燃料電池本体2の前段に設けられ、イオン交換膜によって区画された陰極室31B及び陽極室31Aを有する電気脱イオン装置31と、電気脱イオン装置31の陰極室31Bからの排出水(陰極水)を燃料電池システム1における制菌対象箇所に通水する返送管9とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気脱イオン装置を備えた燃料電池システムにおける制菌方法及び電気脱イオン装置を備えた制菌処理が可能な燃料電池システムに関する。
近年、都市ガス等を改質することにより得られる水素と空気中の酸素との反応によって、直流電流と水とを得ることのできる燃料電池システムが提案されている。このような燃料電池システムでは、燃料ガスの改質や、燃料電池本体における固体高分子電解質膜の性能維持に純水が必要とされており、水素と酸素との反応によって得られる凝縮水を水処理装置にて処理した後に、得られた処理水を、純水を必要とする燃料電池システムにおける各ユニットに供給している。
このように、燃料電池システムにおいては、水や空気が使用されるため、その配管には水分が付着することがある。また、燃料電池システムにおいて生成した水を効率よく使用するために、その生成した水を一時的に貯蔵タンク等に貯蔵することがある。さらに、燃料電池システムでは、水素と酸素との反応時に生じる熱を回収し、エネルギーの無駄な損失を防ぐ工夫がなされており、水素と酸素との反応が行われる部分、燃料の改質部分等のような発熱する箇所等は、菌類等の微生物が増殖するのに適した環境となっていることが考えられる。
このような燃料電池システムにおいては、当該燃料電池システムの運転開始時に又は定期的に殺菌洗浄処理を行う必要があり、仮に、水処理装置に導入される被処理水に菌類等の微生物が混入したとしても、その菌類の増殖を抑制し、水処理装置からの生産水の水質が悪化しないようにすることが求められる。
そこで、燃料電池システムにおける菌類の増殖を抑制することを目的として、従来、殺菌化学種としてのオゾンや過酸化水素を生成させる手段を設けて、生成したオゾンや過酸化水素を循環する水や燃料ガス又は酸化ガスに添加する手段を有する燃料電池システム(特許文献1参照)、燃料電池の水経路に殺菌処理手段として電極やUVランプを備えた燃料電池システム(特許文献2参照)、配管やタンクの構成部材に銅、亜鉛、鉛若しくはこれらを含む合金を使用し、又はこれらの金属片をタンク内の被処理水に浸漬させた燃料電池システム(特許文献3参照)、燃料電池システムにおける循環水の水温を殺菌に必要な所定温度に上昇させる手段を有する燃料電池システム(特許文献4参照)等が提案されている。
特開2004−103394号公報 特開2004−179128号公報 特開平8−22833号公報 特開2002−270194号公報
しかしながら、特許文献1に記載の燃料電池システムは、オゾンや過酸化水素等の化学種を生じさせるため、残留化学種の管理が必要となり、燃料電池システムの制御・メンテナンス上好ましくなく、かつ燃料電池システムに化学種を生成する生成機をさらに設けなければならないという問題があった。
また、特許文献2に記載の燃料電池システムは、紫外線による殺菌処理を行うために、燃料電池システムにさらに紫外線照射装置を設けなければならず、また、紫外線による殺菌処理は、紫外線を照射した時に一時的に殺菌効果があるのみで、紫外線照射後に菌類が混入した場合にその菌類の繁殖を効果的に抑制することができないという問題があった。
さらに、特許文献3に記載の燃料電池システムは、銅や亜鉛等によって菌類の増殖を妨げる効果を見込めるが、これらの金属の溶出イオンによって燃料電池システムの劣化を招いてしまい、特に電気脱イオン装置を備える燃料電池システムにおいては、金属の溶出イオンによって当該電気脱イオン装置に負荷がかかってしまうという問題があった。
さらにまた、特許文献4に記載の燃料電池システムは、制菌対象となる水の温度を上昇させる必要があるため、燃料電池システムにさらに加熱装置を設けなければならないという問題があった。
これらの問題点に鑑みて、本発明は、被処理水の制菌処理用に特別の機器を設けることなく被処理水を制菌することのできる、電気脱イオン装置を備えた燃料電池システムの制菌方法、及び電気脱イオン装置を備えた制菌可能な燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、電気脱イオン装置を備える燃料電池システムの制菌方法であって、前記電気脱イオン装置の陰極室を通過した電極水を前記燃料電池システムにおける制菌対象箇所に通水し、前記制菌対象箇所における菌類の発生及び/又は増殖を抑制することを特徴とする燃料電池システムの制菌方法を提供する(請求項1)。
電気脱イオン装置の陰極室を通過した陰極水は、酸化還元電位(ORP値)の低い電解水であって、高い殺菌効果を有するものであるため、上記発明(請求項1)によれば、電気脱イオン装置の陰極室を通過した電極水(陰極水)を制菌対象箇所に通水することで、制菌対象箇所における菌類の発生及び/又は増殖を効果的に抑制することができる。
本明細書において、「制菌」には、菌類の発生を抑制すること、菌類を死滅させることにより菌類の増殖を抑制すること、及び菌類を死滅させることなく菌類の増殖を抑制すること等が含まれる。
また、本発明は、電気脱イオン装置を備える燃料電池システムの制菌方法であって、前記電気脱イオン装置の陰極室を通過し、pHが9以上の電極水を前記燃料電池システムにおける制菌対象箇所に通水し、前記制菌対象箇所における菌類の発生及び/又は増殖を抑制することを特徴とする燃料電池システムの制菌方法を提供する(請求項2)。
pH9以上の陰極水であれば、特に優れた殺菌効果を発揮し得るため、上記発明(請求項2)によれば、制菌対象箇所における菌類の発生及び/又は増殖をより効果的に抑制することができる。
上記発明(請求項1,2)においては、前記電極水を、連続的に又は間欠的に前記制菌対象箇所に通水することが好ましい(請求項3)。電気脱イオン装置の陰極室を通過した陰極水は、その酸化還元電位(ORP値)により制菌効果が異なるが、かかる発明(請求項3)によれば、電気脱イオン装置の陰極室を通過した電極水(陰極水)が有する制菌作用を制御することができ、これにより所望の制菌効果を得ることができる。
上記発明(請求項1〜3)においては、前記燃料電池システムは、水蒸気を混合した燃料原料から改質反応によって燃料ガスを生成する燃料改質器及び当該燃料改質器からの排ガス中に含まれる水蒸気を凝縮させて水を回収する凝縮器を接続する排ガス管と、前記電気脱イオン装置の上流側に設けられた脱炭酸装置と、前記電気脱イオン装置に供給される被処理水を貯留する貯水タンクとをさらに備え、前記制菌対象箇所が、前記排ガス管の途中、前記脱炭酸装置及び前記貯水タンクからなる群より選ばれる1又は2以上であることが好ましい(請求項4)。
燃料電池システムのうち、燃料改質器と凝縮帰途を接続する排ガス管、脱炭酸装置及び貯水タンクは、菌類が発生及び/又は増殖しやすい環境にあるため、上記発明(請求項4)によれば、これらの箇所を制菌することにより、燃料電池システムにおける菌類の発生及び/又は増殖を効果的に抑制することができる。
また、本発明は、燃料電池本体と、前記燃料電池本体の前段に設けられた電気脱イオン装置と、前記電気脱イオン装置の陰極室を通過した電極水を前記燃料電池システムにおける制菌対象箇所に通水する配管を備えることを特徴とする燃料電池システムを提供する(請求項5)。
上記発明(請求項5)によれば、制菌対象箇所における菌類の発生及び/又は増殖を抑制することのできる燃料電池システムを提供することができる。
また、本発明は、燃料電池本体と、前記燃料電池本体の前段に設けられた電気脱イオン装置と、前記電気脱イオン装置の陰極室を通過し、pHが9以上の電極水を前記燃料電池システムにおける制菌対象箇所に通水する配管を備えることを特徴とする燃料電池システムを提供する(請求項6)。
上記発明(請求項5〜6)において、前記電極水を、連続的に又は間欠的に前記制菌対象箇所に通水することが好ましい(請求項7)。かかる発明(請求項7)によれば、連続的に又は間欠的に制菌対象箇所に電極水を通水することで、電極水の制菌効果を制御することができ、これにより所望の制菌効果を得ることができる。
上記発明(請求項5〜7)においては、水蒸気を混合した燃料原料から改質反応によって燃料ガスを生成する燃料改質器と、前記燃料改質器からの排ガス中に含まれる水蒸気を凝縮させて水を回収する凝縮器と、前記燃料改質器と前記凝縮器とを接続する排ガス管と、前記電気脱イオン装置の上流側に設けられた脱炭酸装置と、前記電気脱イオン装置に供給される被処理水を貯留する貯水タンクとをさらに備え、前記制菌対象箇所が、前記排ガス管の途中、前記脱炭酸装置及び前記貯水タンクのうちの少なくとも1箇所であることが好ましい(請求項8)。
燃料電池システムのうち、燃料改質器と凝縮器とを接続する排ガス管、逆浸透膜分離装置及び貯水タンクは、菌類が発生及び/又は増殖しやすい環境にあるため、上記発明(請求項8)によれば、これらの箇所を制菌することにより、菌類の発生及び/又は増殖を効果的に抑制することのできる燃料電池システムを提供することができる。
本発明によれば、被処理水の制菌処理用に特別の機器を設けることなく被処理水を制菌することのできる、電気脱イオン装置を備えた燃料電池システムの制菌方法、及び電気脱イオン装置を備えた制菌可能な燃料電池システムを提供することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る燃料電池システムを、図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る燃料電池システムの概略構成図であり、図2は、本発明の一実施形態に係る燃料電池システムにおける電気脱イオン装置の概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態に係る燃料電池システム1は、燃料極21と空気極22とを有する燃料電池本体2と、燃料電池本体2の前段に接続された水処理システム3と、燃料電池本体2の燃料極21の前段に接続された燃料改質器4と、燃料改質器4の前段に接続された水蒸気分離器5と、燃料改質器4に接続された凝縮器6とを備える。
燃料電池本体2は、燃料改質器4から燃料極21に供給された水素ガスをプロトン(H)として空気極22まで移動させ、空気極22に供給された空気中の酸素と反応させる。これにより燃料電池本体2は、起電力を生じさせる。なお、燃料極21に供給された水素ガスのうち未反応の水素ガスは、燃料改質器4に戻され、再度燃料極21に供給される。
燃料改質器4は、都市ガスと、水蒸気分離器6から供給された水蒸気との反応により水素ガス(H)と二酸化炭素(CO)とを生成する。燃料改質器4にて生成された水素ガス(H)は、燃料電池本体2の燃料極21に供給され、二酸化炭素(CO)は、未反応の水蒸気とともに凝縮器6に供給される。
水蒸気分離器5には、燃料電池本体2にて生じた熱を回収した高温水が燃料電池本体2から供給される。水蒸気分離器5は、供給された高温水を気体成分である水蒸気と液体成分である水とに分離して回収し、回収した水蒸気を燃料改質器4に供給する。なお、水蒸気分離器5にて回収された液体成分である水は、水処理システム3から燃料電池本体2に供給される生産水とともに、燃料電池本体2に燃料電池冷却水として供給される。
凝縮器6は、排ガス管7を介して燃料改質器4の後段に接続されており、燃料改質器4から排ガス管7を通じて供給された排ガスを凝縮し、水を回収する。凝縮器6にて回収された回収水は、後述する水処理システム3の貯水タンク34に供給される。
水処理システム3は、電気脱イオン装置31と、電気脱イオン装置31の前段に接続された脱炭酸装置33と、凝縮器6の後段に接続され、凝縮器6での回収水を貯蔵する貯水タンク34と、凝縮器6の後段と貯水タンク34とを接続する第1の送液管8Aと、貯水タンク34と脱炭酸装置33とを接続する第2の送液管8Bと、電気脱イオン装置31の陰極室31Bと制菌対象箇所とを接続する返送管9と、電気脱イオン装置31の後段と燃料電池本体2の前段とを接続する第3の送液管8Cとを備える。
電気脱イオン装置31は、図2に示すように、陽極311、陰極312、陽極311と陰極312との間に交互に配列されたカチオン交換膜313及びアニオン交換膜314、並びにカチオン交換膜313とアニオン交換膜314とを交互に配列することにより形成された陽極室31A、陰極室31B、脱塩室31C及び濃縮室31Dを備えている。脱塩室31Cには、イオン交換樹脂、イオン交換繊維又はグラフト交換体等からなるアニオン交換体及びカチオン交換体が、混合されて又は複層状に充填されている。なお、濃縮室31D、陽極室31A及び陰極室31Bには、イオン交換樹脂等が充填されていてもよいし、充填されていなくてもよい。
電気脱イオン装置31の後段は、第3の送液管8Cを介して燃料電池本体2に接続されている。電気脱イオン装置31にて生産された生産水は、第3の送液管8Cを通じて、燃料電池冷却水として燃料電池本体2に供給される。
貯水タンク34は、第1の送液管8Aを介して凝縮器6に接続されており、凝縮器6における回収水が一時的に貯蔵される。また、貯水タンク34には、外部からも水(水道水)が補給され得る。なお、貯水タンク34の後段は、第2の送液管8Bにより脱炭酸装置33の前段と接続されている。
脱炭酸装置33としては、例えば、空気曝気方式のものを用いることができる。曝気用の空気は、脱炭酸装置33に接続された洗気装置(図示せず)中でバブリングされて浄化処理された後、脱炭酸装置33内の水中に吹き込まれる。この洗気装置には、電気脱イオン装置31の濃縮室31Dからの排水が供給される。これにより、電気脱イオン装置31からの排水を有効利用することができる。なお、この洗気装置からの排水は、系外に排出される。
返送管9は、電気脱イオン装置31の陰極室13Bから制菌対象箇所に接続されている送液管であり、電機脱イオン装置31の陰極室31Bからの陰極水は、返送管9を介して制菌対象箇所に導入される。制菌対象箇所としては、貯水タンク34、貯水タンク34と脱炭酸装置33とを接続する第2の送液管8Bの途中、水蒸気分離器5と電気脱イオン装置31からの生産水を燃料電池本体2に供給する第3の送液管8Cとの途中、燃料改質器4と凝縮器6とを接続する排ガス管7の途中等が挙げられ、返送管9は、これらの箇所に接続されている。
このような構成を有する燃料電池システム1において、凝縮器6からの回収水を貯蔵した貯水タンク34から、第2の送液管8Bを通じて脱炭酸装置33に被処理水が通水される。脱炭酸装置33に通水された被処理水は、脱炭酸処理が行われた後に、電気脱イオン装置31の脱塩室31Cに通水される。電気脱イオン装置31により脱イオン処理がされた処理水(生産水)は、燃料電池冷却水として燃料電池本体2に供給される。
電気脱イオン装置31の陰極室31Bからの排出水(陰極水)は、電気脱イオン装置31の陰極室31Bから各制菌対象箇所に接続されている返送管9を通じて、各制菌対象箇所に通水される。この陰極水は、電気脱イオン装置31中で電気分解された電解還元水であり、酸化還元電位(ORP値)の低い水であるため、制菌対象箇所に陰極水が添加されると、その添加された箇所が、菌類の増殖の起こり難い環境となる。
これにより、例えば、貯水タンク34、及び/又は貯水タンク34と脱炭酸装置33とを接続する第2の送液管8Bの途中に陰極水が通水されると、電気脱イオン装置31にて処理される被処理水中における菌類の発生及び/又は増殖を抑制することができる。
また、水蒸気分離器5と電気脱イオン装置31からの生産水を燃料電池本体2に供給する第3の送液管8Cとを接続する配管の途中に陰極水が通水されることで、燃料電池本体2に供給される燃料電池冷却水中における菌類の発生及び/又は増殖を抑制することができる。
さらに、燃料改質器4と凝縮器6とを接続する排ガス管7は、燃料改質器4において生成した二酸化炭素とともに、燃料改質器4において未反応の水蒸気も通過するため、排ガス管7内にて水蒸気が凝縮して水が生じると、その水が排ガス管7の内壁に付着することもあり、菌類の発生及び/又は増殖が起こりやすい環境にある。したがって、当該箇所に陰極水が通水されることで、排ガス管7内における菌類の発生及び/又は増殖を抑制することができる。
電気脱イオン装置31の陰極室31Bからの陰極水は、制菌対象箇所に連続的に通水されてもよいし、所定の間隔をおいて間欠的に通水されてもよい。間欠的に通水される場合、その通水間隔は特に制限されるものではない。また、制菌対象箇所への陰極水の通水量は、各制菌対象箇所にて制菌し得る量であればよい。
陰極水の通水量は、陰極水が合流された制菌対象箇所にある水の酸化還元電位(ORP値)が、−10mV以下となる量であることが好ましく、具体的には、制菌対象箇所にある水1Lに対し陰極水10〜500mLを通水することが好ましい。陰極水が合流された水のORP値、及び陰極水の通水量が上記範囲内であれば、制菌対象箇所における菌類の発生及び/又は増殖を効果的に抑制することができる。
制菌対象箇所に通水される陰極水のpHは、9以上であることが好ましく、特に10以上であることが好ましい。陰極水のpHが9未満であると、所望の制菌効果を得られないおそれがある。
本実施形態に係る燃料電池システム1によれば、電気脱イオン装置31の陰極室31Bから排出される陰極水を制菌対象箇所に添加するだけの簡単な構成で、制菌対象箇所における菌類の発生及び/又は増殖を抑制することができ、燃料電池システム1の制菌処理用に特別な機器を設ける必要がない。したがって、燃料電池システム1における制菌対象箇所の制菌処理費用を低減することができるとともに、燃料電池システム1の占有面積を小さくすることができる。
また、貯水タンク34及び/又は第2の送液管8Bに陰極水を通水すれば、電気脱イオン装置31の被処理水の制菌処理に薬品等を使用することもなく、電気脱イオン装置31にて処理される被処理水の酸化還元電位が低くなるため、電気脱イオン装置31の部材の劣化を抑制できる。特に、電気脱イオン装置31のカチオン交換膜313及びアニオン交換膜314の劣化を抑制することができるため、これらの膜の交換頻度を低減することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、本実施形態では、電気脱イオン装置31の陰極室31Bからの陰極水をその電気脱イオン装置31を有する燃料電池システム1の制菌対象箇所に通水しているが、他の燃料電池システムにおける制菌対象箇所に陰極水を通水させるようにしてもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕
図3に示す水処理システムを用い、工業用水を逆浸透膜分離装置32で処理した透過水を被処理水として電気脱イオン装置31に導入し、電気脱イオン装置31の陰極室31Bからの排出水(陰極水)500mLを回収し、サンプル水を得た。
得られたサンプル水の酸化還元電位(ORP値,mV)を、ORP計(堀場製作所社製)を用いて測定した。また、1250倍に希釈したM−TGE培地を空気中に3日間放置し、その後当該M−TGE培地1mLを量り取り、サンプル水と混合した。当該サンプル水に外部から菌類が混入しないように、当該サンプル水をスクリュー式の蓋をしたビン中に入れた。これと同一のものを全部で4検体作成して、そのうちの2検体を5℃の冷蔵庫中で保管し、残りの2検体を30℃の恒温槽中で保管した。
保管から3日後、4日後、5日後に、これらの検体のそれぞれからサンプル水を採取し、M−TGE培地にて30℃の温度条件下で72時間の培養を行い、培地に増殖した菌数を計測した。
結果を表1に示す。
〔比較例1〕
図3に示す水処理システムを用い、工業用水を逆浸透膜分離装置32で処理した透過水を被処理水として電気脱イオン装置31に導入し、電気脱イオン装置31からの生産水500mLを採取し、サンプル水を得た。
得られたサンプル水について、実施例1と同様にしてORP値(mV)を測定するとともに、1250倍に希釈したM−TGE培地を空気中に3日間放置し、その後当該M−TGE培地1mLを量り取り、サンプル水と混合した。当該サンプル水に外部から菌類が混入しないように、当該サンプル水をスクリュー式の蓋をしたビン中に入れた。これと同じものを全部で4検体作成して、そのうちの2検体を5℃の冷蔵庫中で保管し、残りの2検体を30℃の恒温槽中で保管した。
保管から3日後、4日後、5日後に、これらの検体のそれぞれからサンプル水を採取し、M−TGE培地にて30℃の温度条件下で72時間の培養を行い、培地に増殖した菌数を計測した。
結果を表1に示す。
Figure 2007234459
表1に示すように、実施例1のサンプル水は、ORP値が−120mVで、比較例1のサンプル水のORP値に比して低い値であり、菌の増殖が起こりにくい環境であることが確認された。このことは、菌数の計測結果からも同様に確認された。具体的には、比較例1により得られたサンプル水中の菌数は増加しているのに対し、実施例1により得られたサンプル水中の菌数は増加しておらず、菌の増殖が抑制されていることが確認された。
〔実施例2〕
100mL容の水タンクにPP製の人工海藻を入れ、当該水タンクに水がオーバーフローする系を作成し、電気脱イオン装置の陰極室を通過した水を1日1回、2時間通水するようにタイマー式でセットした。ここに、1250倍に希釈したM−TGE培地を13.5mL/hrで添加し続け、5日間連続でサンプリングした。得られたサンプル水をM−TGE培地にて30℃の温度条件下で72時間培養し、培地に増殖した菌数を計測した。
結果を図4に示す。
〔比較例2〕
100mL容の水タンクにPP製の人工海藻を入れ、当該水タンクに水がオーバーフローする系を作成した。ここに、1250倍に希釈したM−TGE培地を13.5mL/hrで添加し続け、5日間連続でサンプリングした。得られたサンプル水をM−TGE培地にて30℃の温度条件下で72時間培養し、培地に増殖した菌数を計測した。
結果を図4に示す。
図4に示すように、実施例2の制菌方法では、経過日数に従って菌数が減少しているのに対し、比較例2の制菌方法では、漸増傾向が認められた。これにより、本発明の方法により制菌し得ることが確認された。
本発明の制菌方法は、電気脱イオン装置を備える燃料電池システムの制菌処理に有用である。
本発明の一実施形態に係る燃料電池システムを示す概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る燃料電池システムにおける電気脱イオン装置を示す概略構成図である。 本発明の実施例における水処理システムを示す概略構成図である。 本発明の実施例における連続通水試験の試験結果を示すグラフである。
符号の説明
1…燃料電池システム
2…燃料電池本体
3…水処理システム
31…電気脱イオン装置
31B…陰極室
33…脱炭酸装置
34…貯水タンク
4…燃料改質器
5…水蒸気分離器
6…凝縮器
7…排ガス管
8A〜8C…第1〜第3の送液管
9…返送管

Claims (8)

  1. 電気脱イオン装置を備える燃料電池システムの制菌方法であって、
    前記電気脱イオン装置の陰極室を通過した電極水を前記燃料電池システムにおける制菌対象箇所に通水し、前記制菌対象箇所における菌類の発生及び/又は増殖を抑制することを特徴とする燃料電池システムの制菌方法。
  2. 電気脱イオン装置を備える燃料電池システムの制菌方法であって、
    前記電気脱イオン装置の陰極室を通過し、pHが9以上の電極水を前記燃料電池システムにおける制菌対象箇所に通水し、前記制菌対象箇所における菌類の発生及び/又は増殖を抑制することを特徴とする燃料電池システムの制菌方法。
  3. 前記電極水を、連続的に又は間欠的に前記制菌対象箇所に通水することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池システムの制菌方法。
  4. 前記燃料電池システムは、水蒸気を混合した燃料原料から改質反応によって燃料ガスを生成する燃料改質器及び当該燃料改質器からの排ガス中に含まれる水蒸気を凝縮させて水を回収する凝縮器を接続する排ガス管と、前記電気脱イオン装置の上流側に設けられた脱炭酸装置と、前記電気脱イオン装置に供給される被処理水を貯留する貯水タンクとをさらに備え、
    前記制菌対象箇所が、前記排ガス管の途中、前記脱炭酸装置及び前記貯水タンクのうちの少なくとも1箇所であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池システムの制菌方法。
  5. 燃料電池本体と、
    前記燃料電池本体の前段に設けられた電気脱イオン装置と、
    前記電気脱イオン装置の陰極室を通過した電極水を前記燃料電池システムにおける制菌対象箇所に通水する配管と
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  6. 燃料電池本体と、
    前記燃料電池本体の前段に設けられた電気脱イオン装置と、
    前記電気脱イオン装置の陰極室を通過し、pHが9以上の電極水を前記燃料電池システムにおける制菌対象箇所に通水する配管と
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  7. 前記電極水を、連続的に又は間欠的に前記制菌対象箇所に通水することを特徴とする請求項5又は6に記載の燃料電池システム。
  8. 水蒸気を混合した燃料原料から改質反応によって燃料ガスを生成する燃料改質器と、
    前記燃料改質器からの排ガス中に含まれる水蒸気を凝縮させて水を回収する凝縮器と、
    前記燃料改質器と前記凝縮器とを接続する排ガス管と、
    前記電気脱イオン装置の上流側に設けられた脱炭酸装置と、
    前記電気脱イオン装置に供給される被処理水を貯留する貯水タンクとをさらに備え、
    前記制菌対象箇所が、前記排ガス管の途中、前記脱炭酸装置及び前記貯水タンクのうちの少なくとも1箇所であることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の燃料電池システム。
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