JP4896657B2 - 生活用水供給方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、水道水等の原水を処理して、少なくとも原水、軟水及び純水を生活用水として供給する生活用水供給方法及び装置に関するものである。
近年の健康ブームあるいは生活水準の向上に伴い、生活用水として水道水以外に、軟水、純水、酸性水あるいはアルカリ性水の利用が盛んである。特に、軟水は洗剤や石鹸の洗浄効果を高めるため、風呂、洗面及び洗濯などで使用するのに好適であり、豊富に供給できるシステムが要望されている。また、純水は、洗濯、食器洗い及び調理用などで使用するのに好適であり、軟水と同様に、豊富に供給できるシステムが要望されている。
特開平9−151503号公報には、水道水を浄化する浄化部と、その浄化された水を使途別に水質調整する水質調整部とを有し、水質調整部で水質調整した水を前記使途別に供給する浄化システムが開示されている。この浄化システムによれば、水道水を使用目的に適合した水質に調整した水を適所に供給することができる。
また、特開2002−143854号公報には、電解槽内に対向して設けられ通水された原水を電気化学処理できる第1電極と第2電極と、前記第1電極に正電位、且つ前記第2電極に負電位を印加する電源部と、前記第1電極と前記第2電極との間に複数のセルを形成するため、前記第1電極と前記第2電極間にそれぞれ間隔をおいて所定の順で並べられた複数のイオン交換膜と、それぞれ流量調整弁が設けられ前記複数のセルのそれぞれに通水できる導入路と、前記複数のセルのそれぞれから処理水を吐出する吐出路とを備えた電気化学的水処理装置であって、前記複数のイオン交換膜が、一価陰イオン選択性陰イオン交換膜、非イオン選択性陰イオン交換膜、非イオン選択性陽イオン交換膜、一価陽イオン選択性陽イオン交換膜から構成され、且つ前記第1電極から前記第2電極までの間にこの順で並べられている電気化学的水処理装置が開示されている。この電気化学的水処理装置によれば、一つの装置で、脱イオン水、Na型の軟水、二価イオンの豊富なミネラル水、アルカリ性水、酸性水と各種の水が容易に生成できる。
また、特開平8−108184号公報には、一価カチオンと二価カチオンが混入する原水を電気透析セルに供給し、一価イオン選択透過性カチオン交換膜、非選択透過性カチオン交換膜によって一価イオンに富み二価イオンの少ない処理水と二価イオンに富み一価イオンの少ない処理水を同時に得る水処理システムが開示されている。この水処理システムによれば、脱イオン水として水素型の軟水とアルカリ性水、酸性水が効率よく生成できる。
特開平9−151503号公報(請求項1) 特開2002−143854号公報(請求項1、図1) 特開平8−108184号公報(請求項1、図1)
しかしながら、特開平9−151503号公報の浄化システムは、異物除去手段、臭気除去手段、有害物質除去手段、適温調整手段、イオン除去手段、ミネラル添加手段、pH調整手段、ガス添加手段などの各手段の設置が必要であり、設置コストが嵩むと共に配管も複雑となるという問題がある。
また、特開2002−143854号公報の電気化学的水処理装置は、純水、酸性水及びアルカリ性水は容易に得られるものの、軟水や硬水を製造するには、得られた酸性水とアルカリ性水を混合する必要があり、pHの慎重な調整、あるいは弱酸性水生成セルと弱アルカリ性水生成セルへの通水量の調整を余儀なくされるという問題がある。また、当該電気化学的水処理装置は、水道水を原水とし、極間距離が大きいため高電圧で運転する必要がある。
また、特開平8−108184号公報の電気透析セルにおいては、濃縮室に流入した被処理水のカチオンは直流電圧によって非選択性陽イオン交換膜を透過し、脱塩室に運ばれる。一方、被処理水中のアニオンは非選択性陽イオン交換膜もステンレス製仕切り板も透過することができず、濃縮室に留まるため、結果的に濃縮室内はアニオンリッチとなってpHが低下する。 pHが低下すると、非選択性陽イオン交換膜を透過して移動するカチオンのうち、水素イオンの占める割合が高くなるため、カルシウムイオンやマグネシウムイオンの移動する割合が低くなる、いわゆる電流効率の低下現象を招くという問題がある。
従って、本発明の目的は、電気軟化装置を含む簡易な装置で、pH調整を行うことなく軟水、硬水及び純水を得ることができると共に、電気軟化装置では、低電圧で、且つ電流効率の低下現象を起こすことのない生活用水供給方法及び装置を提供することにある。
かかる実情において、本発明者は鋭意検討を行った結果、原水を逆浸透膜装置で処理して濃縮水と透過水を得る脱塩工程と、陽極室と陰極室の間に一価カチオン選択透過膜とカチオン交換膜を交互に配置してその間を通水室とし、直流電圧を印加し、一価カチオン選択透過膜の陰極側に位置する通水室(軟化室)に原水を通水し、一価カチオン選択透過膜の陽極側に位置する通水室(置換室)に該逆浸透膜装置から得られる濃縮水を流入し、該軟化室から軟水を、該置換室から硬水を得る硬度調整工程と、を有し、少なくとも原水、軟水及び透過水を生活用水として使用点に供給する方法であれば、電気軟化装置を含む簡易な装置で、pH調整や流量調整を行うことなく軟水、硬水及び純水を得ることができると共に、電気軟化装置では、低電圧で、且つ電流効率の低下現象を起こすことなく、硬水中の硬度成分を目的に応じて所望の軟化率から顕著に高い軟化率まで自在に除去できること等を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、原水を逆浸透膜装置で処理して濃縮水と透過水を得る脱塩工程と、陽極室と陰極室の間に一価カチオン選択透過膜とカチオン交換膜を交互に配置してその間を通水室とし、直流電圧を印加し、一価カチオン選択透過膜の陰極側に位置する通水室(軟化室)に原水を通水し、一価カチオン選択透過膜の陽極側に位置する通水室(置換室)に該逆浸透膜装置から得られる濃縮水を流入し、該軟化室から軟水を、該置換室から硬水を得る硬度調整工程と、を有し、少なくとも原水、軟水及び透過水を生活用水として使用点に供給する生活用水供給方法を提供するものである。
また、本発明は、逆浸透膜装置と、陽極室と陰極室の間に一価カチオン選択透過膜とカチオン交換膜を交互に配置してその間を通水室とし、一価カチオン選択透過膜の陰極側に位置する通水室を軟化室とし、一価カチオン選択透過膜の陽極側に位置する通水室を置換室とする電気軟化装置を備える生活用水供給装置であって、該逆浸透膜装置の原水側には原水導入配管を、濃縮水側には濃縮水流出配管を、透過水側には透過水流出配管をそれぞれ配し、該電気軟化装置の該軟化室には原水導入配管から分岐する分岐配管と軟水流出配管を、該置換室には逆浸透膜装置の濃縮水流出配管と接続する濃縮水導入配管と硬度成分濃縮水流出配管を、該陽極室及び該陰極室にはそれぞれ電極水の導入配管と流出配管をそれぞれ配し、原水導入配管と原水使用点を接続する原水供給配管と、軟水流出配管と軟水使用点を接続する軟水供給配管と、透過水流出配管と透過水使用点を接続する透過水供給配管とをそれぞれ配するものである生活用水供給装置を提供するものである。
本発明の生活用水供給方法によれば、電気軟化装置を含む簡易な装置を用いて、pH調整を行うことなく軟水、硬水及び純水を得ることができる。また、本発明で使用する電気軟化装置の軟化室に原水を、置換室に逆浸透膜装置の濃縮水を通水し、通電するため、軟化室では原水中の一価カチオン及び二価カチオンがカチオン交換膜を透過して置換室に移動する。同時に置換室では置換水中の主として一価カチオンが一価カチオン選択透過膜を透過して軟化室に移動する。このため、被処理水中の硬度成分を一価カチオンに置換して軟水を得ることができる。また、電気軟化装置においては、カチオンの輸送率はいずれの軟化室及び置換室においても同じであり、pHが低下することがないため、電流効率の低下現象を起こすことはない。また、電気軟化装置の置換室には逆浸透膜装置の濃縮水を通水するため、低電圧で運転できる。
本発明の生活用水供給方法及び装置(以下、2つの発明を言う場合、単に「本発明において」と言うことがある。)において、原水は生活用水として使用される水道水等の水であり、通常、アルカリ金属イオンに対して、1〜2倍当量程度の硬度成分を含んでいる。水道水には通常、カルシウムイオンやマグネシウムイオン等の2価のカチオンの他、ナトリウムイオン、カリウムイオン、塩化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン等の強電解質、炭酸イオン、シリカ等の弱電解質等の不純物が種々の比率で含まれている。
本発明において、生活用水としては、ダイニング、洗面所、バスルームなどで使用される人間が生活を営むために必要となる各種用水であり、飲料用水を含むものである。このため、生活用水が使用される場所としては、一戸建て住宅、集合住宅、仮設住宅などの各種住宅の他、会社の事務所、工場、実験室、研究所、病院、宿泊施設などの人が活動する場所も含むものである。
次ぎに、本発明の実施の形態における生活用水供給方法及び生活用水供給装置を図1及び図2を参照して説明する。本例の生活用水供給装置50は、逆浸透膜装置10と、電気軟化装置20を備えるものである。逆浸透膜装置10の原水側には原水供給配管jを、濃縮側には濃縮水流出配管cを、透過側には透過水流出配管iをそれぞれ配し、電気軟化装置20の軟化室1には原水導入配管jから分岐する分岐配管aと軟水流出配管bを、置換室2には逆浸透膜装置10の濃縮水導入配管cと硬度成分濃縮水流出配管dを、陽極室6及び陰極室5にはそれぞれ電極水の導入配管e、gと流出配管f、hをそれぞれ配し、原水供給第1配管jと原水使用点を接続する原水供給配管Kと、軟水流出配管bと軟水使用点を接続する軟水供給配管Bと、透過水流出配管iと透過水使用点を接続する透過水供給配管Iと、酸性水流出配管fと酸性水使用点を接続する酸性水供給配管Fと、アルカリ性水流出配管hとアルカリ性水使用点を接続するアルカリ性水供給配管Hをそれぞれ配する。なお、本発明において、酸性水流出配管fと酸性水使用点を接続する酸性水供給配管F、アルカリ性水流出配管hとアルカリ性水使用点を接続するアルカリ性水供給配管Hは、任意の構成要素である。なお、酸性水とアルカリ性水を供給しない場合、これらは排水口へ流れるようにすればよい。
逆浸透膜装置(RO)10としては、特に制限されず、公知の逆浸透膜装置が使用できる。RO膜としては、3.9MPa以上の高圧膜から0.98MPa以下の超低圧膜まで種々のタイプのものを使用することができる。また、RO膜としては、酢酸セルロース及びその誘導体の膜あるいは合成高分子膜が使用できる。また、逆浸透膜装置は、通常工業的に利用可能な型式に膜を収納した装置(モジュール)として使用される。モジュールの形態としては、中空糸型、スパイラル型、平板型、チューブ型及びホローファイバー型などが挙げられる。
電気軟化装置20は、図2にその一例を示すように、陽極7に隣接する陽極室6と陰極8に隣接する陰極室5の間に一価カチオン選択透過膜4とカチオン交換膜3を交互に配置してその間を通水室とし、一価カチオン選択透過膜4の陰極8側に位置する通水室を軟化室1とし、一価カチオン選択透過膜4の陽極7側に位置する通水室を置換室2としている。なお、陽極室6に隣接するイオン交換膜は、本例のように、一価カチオン選択透過膜4とすることが、陽極室6を流れる水から硬度成分が電気軟化装置内に入ることを防止できる点で好ましい。
一価カチオン選択透過膜4としては、特に制限されないが、ポリカチオンの薄層を膜面上に完全に固定したカチオン交換膜を使用することができる。膜表面に存在する陽電荷バリヤーであるポリカチオンと透過しようとするイオンとの間の静電的反発が、2価のカチオンの方が一価のカチオンに比べて大きいため、2価のカチオンの膜透過が妨げられる。このような一価カチオン選択透過膜は市販のものが使用できる。
カチオン交換膜は、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体などの3次元架橋ポリマーを膜状に形成して母体とし、これにスルホ基などの陰イオン性解離基を陽イオン交換基として導入したものである。スチレン−ジビニルベンゼンを膜状に成型した場合の機械的脆弱性を補うために、一般にジオクチルフタレートなどの可塑剤を添加して柔軟性を持たせ、かつポリ塩化ビニルなどよりなる補強材ネットを芯材として用いている。カチオン交換膜にはその作り方から、均質膜と不均質膜がある。均質膜とは、前記補強材ネットにモノマーを含浸あるいは塗布してから重合して成型したものであり、不均質膜とは、懸濁重合などによって形成した粒子状陽イオン交換樹脂を粉砕して微粉化し、この微粉状イオン交換樹脂に該樹脂を固着させるバインダーを合わせて、補強材ネットに塗布し、膜形成させたものである。カチオン交換膜3としては、上述のカチオン交換膜であって、かつ前記一価カチオン選択透過性を付与するためのポリカチオン薄膜固定化を行っていないカチオン交換膜等が用いられる。
次ぎに、本例の生活用水供給装置50を用いて生活用水を供給する方法を説明する。生活用水供給装置50を用いて生活用水を供給するには、原水を逆浸透膜装置10で処理して濃縮水と透過水(純水)を得るI工程と、陽極室6と陰極室5の間に一価カチオン選択透過膜4とカチオン交換膜3を交互に配置してその間を通水室とし、直流電圧を印加し、一価カチオン選択透過膜4の陰極側に位置する通水室(軟化室)1に原水を通水し、一価カチオン選択透過膜4の陽極側に位置する通水室(置換室)2に逆浸透膜装置10から得られる濃縮水を流入し、軟化室1から軟水を、置換室2から硬水を得るII工程と、を有し、少なくとも原水、軟水及び透過水、好ましくは原水、軟水、透過水、酸性水及びアルカリ性水を生活用水として使用点に供給する。
I工程において得られるRO透過水は、原水中の不純物イオン等が除去され、純水として使用点に供給される。純水は洗濯、食器洗い、調理用として好適である。I工程において得られるRO濃縮水は、電気軟化装置20の置換室2に送られる。RO濃縮水には、原水中の不純物が濃縮されており、これを電気軟化装置の置換室に通水することで、軟化室に高濃度の一価のカチオンを供給することが可能となり、軟化が好適に達成される。
II工程において、一価カチオン選択透過膜の陰極8側に位置する軟化室1に、原水導入配管aを通して硬度成分を含む原水を通水し、一価カチオン選択透過膜4の陽極7側に位置する置換室2に、置換水導入配管cを通して一価カチオンを含む置換水、すなわちRO濃縮水を通水し、陰極8と陽極7に直流電位を印加する。
電気軟化装置20に通水、通電すると、軟化室1では原水中の一価のカチオン及び二価のカチオン(硬度成分)がカチオン交換膜3を透過して置換室2に移動する。同時に置換室2では置換水中の主として一価カチオンが一価カチオン選択透過膜4を透過して軟化室1に移動する。このように、軟化室1では原水中の二価のカチオンを一価のカチオンに逐次置換することで連続して軟水を得、置換室2では置換水中の一価のカチオンを二価のカチオンに逐次置換することで連続して硬度成分が濃縮された濃縮水を得ることができる。また、電気軟化装置20においては、カチオンの輸送率はいずれの軟化室1及び置換室2においても同じであり、pHが低下することがないため、電流効率の低下現象が生じることはない。
電気軟化装置20において、軟化室1中の原水の流れ方向と置換室2の置換水の流れ方向は、特に制限されないが、図2に示すように、互いに向流とすることが好適である。軟化室1中の原水の流れ方向と置換室2の置換水の流れ方向を互いに向流とすれば、軟化室1に導入された原水中の硬度成分は、一価のカチオンより高電荷であり、移動し易く置換室2の排出側のカチオン交換膜3を透過するため、軟化室1から素早く系外へ排出される。これにより、置換室2側の一価カチオン選択透過膜4の膜面にスケールは発生し難くなる。
電気軟化装置20においては、置換室2から排出される置換室出口水を、配管d、eを通して陽極室6に、配管d、gを通して陰極室5にそれぞれ通水する。電気軟化装置20において、陽極出口水はカチオンが減少してpHが低下し、また陽極反応によって次亜塩素酸が発生し、酸化力や殺菌力を有するため、酸性水として利用することができる。また、陰極水流出配管hから排出される陰極出口水は、カチオンが増加してpHが上昇し、陰極反応によって水素ガスが発生するため、還元性を有するアルカリ性水として利用することができる。アルカリ性水のpHを更に高めるには、図2における陰極8と陰極直近の一価カチオン選択透過膜3の間に陰イオン交換膜を配設し、該陰イオン交換膜と該一価カチオン選択透過膜3に挟まれる空間を陰イオン排除室として、陰極水中の陰イオンを陰イオン排除室へ排除できる構造とすることもできる。該陰イオン排除室には、該室設置による電圧上昇を防ぐため、陽イオン交換樹脂を充填することが望ましい。陰イオン排除室には、置換室排出水が配管gより分岐されて供給される。陰イオン排除室からの排出水は、排水されるか、または、配管fに合流して酸性水として利用される。
II工程で得られた軟水は、pH調整をすることなく、バスルーム、洗面所などで好適に使用される。軟水は純水同様に、一日当たりの使用量が多くなり、豊富に供給できるようにする。軟水を使用点に豊富に供給するには、電気軟化装置の処理量を多くする方法、軟化貯留槽を大型化する方法などが挙げられる。アルカリ性水は調理用、食材洗浄用に好適に使用される。酸性水はトイレ、食材殺菌に好適に使用される。図2の硬水排出配管dを更に分岐して、硬水を供給できるようにすれば、硬水を調理用水などに利用することもできる。また、原水は従前通り、生活用水として使用することができ、また、純水や軟水が採取できない場合の緊急用水として使用できる。具体的には、原水供給配管Kは、全ての生活用水使用点に供給可能に別配管しておくことが好ましい。
次ぎに、本発明の他の実施の形態における生活用水製造方法及び生活用水供給装置について図3を参照して説明する。図3において、図1と同一構成要素には同一符号を付して、その説明を省略し異なる点について主に説明する。すなわち、図3において、図1と異なる点は、酸性水供給配管Fの途中に上流側から下流側に向けて、酸性水貯留槽21及び酸性水供給ポンプ22を、軟水供給配管Bの途中に軟水貯留槽31及び軟水供給ポンプ32を、アルカリ性水供給配管Hの途中にアルカリ性水貯留槽41及びアルカリ性水供給ポンプ42を、透過水供給配管Iの途中に透過水貯留槽51及び透過水供給ポンプ52をそれぞれ備え、酸性水貯留槽21の下流側の酸性水供給配管と酸性水貯留槽21が酸性水戻り配管23で接続され、軟水貯留槽31の下流側の軟水供給配管と軟水貯留槽31が軟水戻り配管33で接続され、アルカリ性水貯留槽41の下流側のアルカリ性水供給配管とアルカリ性水貯留槽41がアルカリ性水戻り配管43で接続され、透過水貯留槽51の下流側の透過水供給配管と透過水貯留槽51が透過水戻り配管53で接続されている点にある。
すなわち、該各工程で得られた酸性水、軟水、アルカリ性水及び透過水は、それぞれの貯留槽に流入し、各々の供給ポンプにより、該貯留槽から使用点に供給されると共に、該使用点で使用される量を超える供給水は、該貯留槽に戻される。このため、それぞれの生活用水を使用点に安定して供給することができる。また、各貯留槽21〜51において、高水位を検出して装置を自動的に停止する手段、低水位を検出して装置を自動的に稼動する手段を付設しておくことで、利便性が一層高まる。
本発明において、逆浸透膜装置10の前段には、原水から残留塩素やトリハロメタン等の有機成分、更に酸化鉄、シリカなどの微粒子を除去する前処理装置を設置することが、逆浸透膜装置10の膜面を防止することができる点で好ましい。前処理装置の具体例としては、活性炭や膜分離装置などが挙げられる。
本例の生活用水供給装置50、50aを用いて生活用水を製造すれば、電気軟化装置において、pH調整や流量調整を行うことなく軟水、硬水及び純水を得ることができる。特に、使用量が多い軟水と純水を概ね同量製造することができる。また、電気軟化装置20の置換室2に導入する置換水はRO濃縮水であるため、イオン濃度が通常、原水の2倍程度となり、低電圧運転が可能となる。また、電極室から所定のpHの酸性水とアルカリ性水を得ることができる。
本発明において、電気軟化装置の軟化室、置換室、陽極室および陰極室の中、少なくとも軟化室に、好ましくは軟化室と置換室に、更に好ましくは全てに、カチオン交換体を充填することができる。軟化室1にカチオン交換体を充填することで、イオン交換選択性が高い二価カチオンをより選択的に置換室2へ排除することができる。またカチオン交換体自体導電性を有するため、軟化室、置換室、陰極室又は陽極室への充填によって装置スタックの通電抵抗値を下げ、電力消費量を低減することもできる。本発明において、カチオン交換体としては、特に制限されず、カチオン交換樹脂、カチオン交換繊維及び有機多孔質カチオン交換体などが挙げられる。
本発明において、アルカリ性水貯留槽41及び透過水貯留槽51には、殺菌設備を付設することが、貯留槽中におけるアルカリ性水及び透過水中での微生物繁殖を防止することができる点で好ましい。殺菌設備としては、紫外線照射方法あるいは貯留槽及び貯留槽出口配管中に銀付きフィルターを設置する方法などが挙げられる。
本発明において、逆浸透膜装置10は、前段と後段の多段であってもよい。すなわち、前段の逆浸透膜装置から得られる濃縮水を、後段の逆浸透膜装置の被処理水とすることで、RO透過水(純水)の回収を高めることができる。また、逆浸透膜前段に昇圧ポンプを設置する場合には、濃縮水の一部を該ポンプ上流に循環させることでも、RO透過水(純水)の回収を高めることができる。
次ぎに、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって本発明を制限するものではない。
図3に示す生活用水供給装置のフロー図に従い、1280L/日の水道水を、図2の電気軟化装置の軟化室に供給し、逆浸透膜装置の濃縮水を置換室に供給し、表1の運転条件下で処理して酸性水、軟水、アルカリ性水及び透過水を得た。その結果を表1に示す。なお、水道水は活性炭+精密ろ過フィルター(D−4形+FUカートリッジ、オルガノ社製)を通したものを使用した。
<逆浸透膜装置>
・RO膜モジュール(RE2012−LP×2本;セハン社製)
・水道水供給量;871L/日
・ RO濃縮水量;442L/日、RO透過水量;429L/日
・ RO回収率;49%
<電気軟化装置>
・ RO濃縮水量;442L/日
・ 水道水供給量;409L/日
・ 酸性水量;390L/日
・ 軟水量;409L/日
・ アルカリ性水量;52L/日
<貯留槽>
・ 酸性水貯留槽及びアルカリ性水貯留槽の容量;それぞれ50L
・ 軟水貯留槽の容量;150L
・ 透過水貯留槽の容量;100L
運転結果を表1に示す。
Figure 0004896657
表1から明らかなように、実施例では、純水と軟水をほぼ同量で豊富に供給することができた。実施例では、水道水中の硬度負荷は755mgCaCO/h(44.4mgCaCO/l×17L/h)であり、RO透過水(置換水)は当該硬度成分の当量以上の一価カチオン量893mgCaCO/h(49.6mgCaCO/l×18L/h)を含有しており、良好な軟化処理が行われた。軟水の硬度は2.6mgCaCO/Lであり、硬度除去率は94%であった。
本実施の形態における生活用水供給装置のフロー図である。 図1の生活用水供給装置で用いる電気軟水装置のフロー図である。 他の実施の形態における生活用水供給装置のフロー図である。
符号の説明
1 軟化室
2 置換室
3 カチオン交換膜
4 一価カチオン選択透過膜
5 陰極室
6 陽極室
7 陽極
8 陰極
10 逆浸透膜装置
a〜j、B、F、H、I 配管
20 電気軟化装置
21 酸性水貯留槽
31 軟水貯留槽
41 アルカリ性水貯留槽
51 透過水貯留槽
22、32、42、52 ポンプ
23、33、43、53 戻り配管
50、50a 生活用水供給装置

Claims (8)

  1. 原水を逆浸透膜装置で処理して濃縮水と透過水を得る脱塩工程と、
    陽極室と陰極室の間に一価カチオン選択透過膜とカチオン交換膜を交互に配置してその間を通水室とし、直流電圧を印加し、一価カチオン選択透過膜の陰極側に位置する通水室(軟化室)に原水を通水し、一価カチオン選択透過膜の陽極側に位置する通水室(置換室)に該逆浸透膜装置から得られる濃縮水を流入し、該軟化室から軟水を、該置換室から硬水を得る硬度調整工程と、を有し、少なくとも原水、軟水及び透過水を生活用水として使用点に供給することを特徴とする生活用水供給方法。
  2. 該硬度調整工程で得られた軟水及び該脱塩工程で得られた透過水は、それぞれの貯留槽に流入し、該貯留槽から使用点に供給されると共に、該使用点で使用される量を超える供給水は、該貯留槽に戻されることを特徴とする請求項1記載の生活用水供給方法。
  3. 該陽極室から得られる酸性水及び陰極室から得られるアルカリ性水をそれぞれ生活用水として使用点に供給することを特徴とする請求項1又は2記載の生活用水供給方法。
  4. 該酸性水及びアルカリ性水は、それぞれの貯留槽に流入し、該貯留槽から使用点に供給されると共に、該使用点で使用される量を超える水は、該貯留槽に戻されることを特徴とする請求項3記載の生活用水供給方法。
  5. 逆浸透膜装置と、
    陽極室と陰極室の間に一価カチオン選択透過膜とカチオン交換膜を交互に配置してその間を通水室とし、一価カチオン選択透過膜の陰極側に位置する通水室を軟化室とし、一価カチオン選択透過膜の陽極側に位置する通水室を置換室とする電気軟化装置を備える生活用水供給装置であって、
    該逆浸透膜装置の原水側には原水導入配管を、濃縮水側には濃縮水流出配管を、透過水側には透過水流出配管をそれぞれ配し、
    該電気軟化装置の該軟化室には原水導入配管から分岐する分岐配管と軟水流出配管を、該置換室には逆浸透膜装置の濃縮水流出配管と接続する濃縮水導入配管と硬度成分濃縮水流出配管を、該陽極室及び該陰極室にはそれぞれ電極水の導入配管と流出配管をそれぞれ配し、
    原水導入配管と原水使用点を接続する原水供給配管と、
    軟水流出配管と軟水使用点を接続する軟水供給配管と、
    透過水流出配管と透過水使用点を接続する透過水供給配管とをそれぞれ配するものであることを特徴とする生活用水供給装置。
  6. 該軟水供給配管の途中に軟水貯留槽を、該透過水供給配管の途中に透過水貯留槽をそれぞれ備え、該軟水貯留槽の下流側の軟水供給配管と該軟水貯留槽が軟水戻り配管で接続され、該透過水貯留槽の下流側の透過水供給配管と該透過水貯留槽が透過水戻り配管で接続されることを特徴とする請求項5記載の生活用水供給装置。
  7. 該電気軟化装置の陽極水流出配管と酸性水使用点を接続する酸性水供給配管と、該電気軟化装置の陰極水流出配管とアルカリ性水使用点を接続するアルカリ性水供給配管とを配し、該酸性水供給配管の途中に酸性水貯留槽を、該アルカリ性水供給配管の途中にアルカリ性水貯留槽をそれぞれ備え、該酸性水貯留槽の下流側の酸性水供給配管と該酸性水貯留槽が酸性水戻り配管で接続され、該アルカリ性水貯留槽の下流側のアルカリ性水供給配管と該アルカリ性水貯留槽がアルカリ性水戻り配管でそれぞれ接続されることを特徴とする請求項5又は6記載の生活用水供給装置。
  8. 該逆浸透膜装置の前段には、該原水から有機成分を除去する前処理装置を設置したことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項記載の生活用水供給装置。
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