JPH09151503A

JPH09151503A - 浄水システム

Info

Publication number: JPH09151503A
Application number: JP31300095A
Authority: JP
Inventors: Machiko Yukitani; まち子行谷; Shigeo Ushimaru; 茂雄牛丸
Original assignee: Toshiba Corp
Current assignee: Toshiba Corp
Priority date: 1995-11-30
Filing date: 1995-11-30
Publication date: 1997-06-10

Abstract

(57)【要約】【課題】本発明は、あらゆる使途、場面で使用される
水をその使途、目的に適合した水質に調整して適所へ供
給することを目的とする。【解決手段】水道水を浄化する浄水部１と、その浄化
された水を使途別に水質調整する水質調整部２とを有
し、水質調整部２で水質調整した水を前記使途別に供給
することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、使途目的に適合し
た水質に調整した水を適所に供給することができる浄水
システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の浄水装置としては、例えばフィル
タと活性炭を組み合わせて水を浄化するようにしたもの
や、さらに最近では健康ブームも相まってこれに電気分
解機能を付加してアルカリイオン水を供給できるように
したもの等があるが、これらは何れも飲料水の供給を主
目的としたものである。通常これらの浄水装置は、水が
装置内の浄水部及び電解槽を全て通過したのちに放出さ
れる構造で、余分な経路を経ることもあるため、時間が
かかり、雑菌が混入するおそれがある。またアルカリイ
オン水を生成するときに同時に生成される酸性水は飲料
には不向きなため捨てられており、有効に利用されてい
なかった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】水は我々の生活と密接
な関係にあり、あらゆる目的、あらゆる場面で使用され
ている。例えば、のどの渇きを潤す目的でそのまま飲料
にする、来客等にお茶やコーヒーを入れる、水割りを飲
む、健康のためにアルカリイオン水を飲むなど飲料用だ
けでも、その用途はかなり多い。また調理時に野菜や米
を洗う、煮、炊き、茹でるのに使用する、味噌汁、スー
プ、だしをとるのに使用するなど、調理においても、そ
の目的、用途はかなり多い。これらの目的で使用される
水は、水道水のもつ異臭味がなく、かつおいしく、さら
には温度やミネラル量、ｐＨ値などが適度に調整された
ものが好ましい。その他、水は洗浄、浄化を目的として
も多量に使用される。例えば、衣類の洗濯、調理器具や
食器の洗浄、洗面所などで顔や手を洗う、浴室で身体を
洗う、水洗トイレ、さらに家庭内のあらゆるものを洗浄
するなど洗浄、浄化においてもその用途は広い。このよ
うな目的で使用される水は、その目的に合わせて清浄度
や水質が調整されていることが望ましい。例えば石鹸を
使用するには硬度を適度に調整して泡立ちをよくし、洗
浄力を上げるような水質がよい。また、さらに他の用途
として、スチームアイロン、加湿器、植物や魚類の水槽
などに使用することもあるが、この場合もそれぞれの目
的に応じた水質であることが望ましい。例えば、スチー
ムアイロン用ではイオン成分を除去して白い微粉による
目詰まりを生じない水質が好ましい。

【０００４】本発明は、上記に鑑みてなされたもので、
あらゆる使途、場面で使用される水をその使途、目的に
適合した水質に調整して適所へ供給することができる浄
水システムを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項１記載の発明は、水道水を浄化する浄水部
と、該浄水部で浄化した水を使途別に水質調整する水質
調整部とを有し、該水質調整部で水質調整した水を前記
使途別に供給することを要旨とする。この構成により、
水道水が浄水部で浄化された後、水質調整部で厨房にお
ける炊飯、だし用、茹でもの用、食器等の洗い、すすぎ
用、殺菌用、洗面所等における美容用、リビング、ダイ
ニング、寝室等における飲料用、健康用、お茶用、浴
室、洗濯機、トイレ用など、その使途、場面別に無イオ
ン水、強酸性水、弱酸性水、おいしい水、アルカリ水、
温水等に調整されて上記の使途、場面別に供給が行われ
る。

【０００６】請求項２記載の発明は、上記請求項１記載
の浄水システムにおいて、前記水質調整部は、イオンを
除去するイオン除去手段、ミネラル成分を添加するミネ
ラル添加手段、ｐＨ値を調整するｐＨ調整手段、ガス成
分を添加するガス添加手段及び水温を調整する適温調整
手段を有し、前記使途別に応じてこれらの手段の少なく
とも何れかの処理を施すように構成してなることを要旨
とする。この構成により、例えば、無イオン水はイオン
除去手段により水中のイオンを除去することにより調整
される。強酸性水はｐＨ調整手段により水中のイオンが
強酸性に調整される。弱酸性水はｐＨ調整手段により水
中のイオンが弱酸性に調整される。おいしい水はミネラ
ル添加手段、ｐＨ調整手段、ガス添加手段及び適温調整
手段により水中のミネラル量、ｐＨ値、炭酸ガス及び酸
素ガス等の各添加量、水温がそれぞれ適値に調整され
る。アルカリ水はミネラル添加手段、ｐＨ調整手段及び
適温調整手段により水中のミネラル量、ｐＨ値及び水温
がそれぞれ適値に調整される。また温水は適温調整手段
により目的に合わせた水温に調整される。このように目
的、使途に適合した水質が必要な手段のみを経て調整さ
れる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図１
及び図２に基づいて説明する。まず、システム構成を説
明すると、図１において、１は水道管３からの水道水を
浄化する浄水部であり、２は浄水部１で浄化された水を
使途別に水質調整する水質調整部である。浄水部１は、
異物除去手段、臭気除去手段、有害物除去手段及
び殺菌手段で構成されている。各手段は、次のような
材料又は機構部の単独もしくは複数種の組み合わせで構
成され、水道水を浄化するようになっている。異物除去
手段は、除去材料としての焼結フィルタ、不織布フィ
ルタ、濾過膜フィルタ、中空糸膜フィルタの単独もしく
は複数で構成されている。臭気除去手段は、除去材料
として吸着剤、分解材の単独もしくは両者で構成され、
除去機構が加熱、撹拌、エアレーション、キャビテーシ
ョンの単独もしくは複数で構成されている。有害物除去
手段は、除去材料として吸着剤、分解材の単独もしく
は両者で構成されている。殺菌手段は、殺菌材料及び
殺菌機構として加熱、紫外線、超音波の単独もしくは複
数で構成されている。また水質調整部２は、適温調整手
段、イオン除去手段、ミネラル添加手段、ｐＨ調
整手段及びガス添加手段で構成されている。適温調
整手段は、調温機構として加熱、冷却の単独もしくは
両者で構成されている。イオン除去手段は、除去材料
としてイオン交換樹脂と除去機構として電気透析で構成
されている。ミネラル添加手段は、添加材料として薬
剤、天然石の単独もしくは両者で構成されている。ｐＨ
調整手段は、電気分解機構で構成されている。ガス添
加手段は、添加材料として酸素ガス、炭酸ガスの単独
もしくは両者で構成されている。

【０００８】９は家屋であり、図１の例では、バルルー
ムＡ、洗面所Ｂ、リビング（応接室）、ダイニングＣ、
厨房Ｄ、トイレＥ、寝室Ｆ等で構成されている。バスル
ームＡ、洗面所Ｂ、リビング、ダイニングＣ、厨房Ｄ、
寝室Ｆには、それぞれ図２に示すような給水栓用コント
ロールパネルが備えられている。各部屋で給水栓用コン
トロールパネルを操作することにより、マイコン制御で
水質調整部２における必要な切換え弁４〜８と各手段
〜が作動し、使途、目的に合った機能水がその操作し
た部屋の給水栓等から得られるようになっている。

【０００９】次に、各使途別の水質調整水を得る場合及
びその得られた水質調整水の作用等について順に説明す
る。

【００１０】無イオン水の場合（経路ａ）；水道水は浄
水部１で浄化され、水質調整部２に入る。水質調整部２
では、適温調整手段は通過せずにバイパスしてイオン
除去手段により水中のイオンが除去される。無イオン
に調整された水は洗面所Ｂの給水栓、厨房Ｄの給水栓又
は食器洗浄機へ供給される。無イオン水は、水中のイオ
ン成分が除去されているため、水分が蒸発した後にＣ
ａ，Ｓｉなどの結晶が白く残ることがない。そこで食器
を洗浄して汚れを落とした後にこの水でリンスすると食
器類、特にガラスの曇りを防止することができる。食器
洗浄機では、機器に直結されているため、洗浄した後に
この水ですすぎ、乾燥までが自動的に実施される。また
加湿器やスチームアイロンでは、水を入れる容器や蒸気
の通過経路、出口などに白い固形物が付着して汚れとな
ったり、蒸気の出方を阻害することがない。

【００１１】殺菌水の場合（経路ｂ）；水道水は浄水部
１で浄化され、水質調整部２に入る。水質調整部２で
は、適温調整手段、イオン除去手段、ミネラル添加
手段は通過せずにバイパスしてｐＨ調整手段により
水中のｐＨが強酸性に調整される。調整された強酸性水
は厨房Ｄの殺菌庫へ供給される。強酸性水はｐＨが２前
後に調整された水のため、非常に殺菌効果が高いととも
に人体に危険でもある。しかし本実施の形態では、殺菌
庫へ直結されているので誤って飲料としたり、目に入っ
たりすることはない。殺菌庫ではまな板やふきんなどを
入れると強酸性水で殺菌され、加熱により乾燥しそのま
ま保管されるので衛生的である。

【００１２】美容水の場合（経路ｂ）；水道水は浄水部
１で浄化され、水質調整部２に入る。水質調整部２で
は、適温調整手段、イオン除去手段、ミネラル添加
手段は通過せずにバイパスしてｐＨ調整手段により
水中のｐＨが弱酸性に調整される。調整された弱酸性水
はバスルームＡ、洗面所Ｂの給水栓へ供給される。弱酸
性水はｐＨが５前後に調整されているために飲料には適
さないが、肌の引き締め効果があるため、洗顔したり、
ミストを全身に浴びるなどによる美容的効果が期待でき
る。

【００１３】おいしい水の場合（経路ｃ）；水道水は浄
水部１で浄化され、水質調整部２に入る。水質調整部２
では、適温調整手段を通り、イオン除去手段は通過
せずにバイパスし、ミネラル添加手段、ｐＨ調整手段
、ガス添加手段により、おいしい水に調整される。
調整水の条件は水温１０〜１５℃、ミネラル１００ｍｇ
／Ｌ前後、ｐＨ６〜８、炭酸ガス３〜３０ｍｇ／Ｌ、酸
素ガス５ｍｇ／Ｌ以上が好ましい。以上の条件に調整さ
れた水は厨房Ｄの給水栓、リビング（応接室）、ダイニ
ングＣの給水栓、寝室Ｆの給水栓へ供給される。おいし
い水はそのまま飲料にしてもミネラル成分の添加により
味がまろやかになっており、ガス成分の添加により清涼
感がある。また適温に調整されているために非常に飲み
やすくおいしい。この水は厨房Ｄ、リビング（応接
室）、ダイニングＣなど人の集まる部屋に供給されてい
るため、来客や家族団欒の場でそのまま、もしくは水割
りや麺つゆの希釈用に簡単に使用することができる。

【００１４】健康水の場合（経路ｄ）；水道水は浄水部
１で浄化され、水質調整部２に入る。水質調整部２で
は、適温調整手段を通り、イオン除去手段は通過せ
ずにバイパスし、ミネラル添加手段、ｐＨ調整手段
により、ｐＨが８程度の健康水に調整される。健康水は
飲料として健康を増進するため、ｐＨを体液に近いアル
カリ性に調整するだけでなく、飲料に適した水に調整す
る必要がある。そのため、水温１０〜１５℃、ミネラル
１００ｍｇ／Ｌ前後に調整することが好ましい。以上の
条件に調整された水は厨房Ｄの給水栓、リビング（応接
室）、ダイニングＣの給水栓、寝室Ｆの給水栓へ供給さ
れる。健康水はｐＨがアルカリ性のため、常日頃飲料に
することで体内をアルカリ性に調整し、生体での栄養吸
収や老廃物の排泄を助けたり、自然治癒力を高めたり、
慢性下痢、消化不良を解消するなどの効果が期待でき
る。また厨房Ｄ、リビング（応接室）、ダイニングＣな
ど人の集まる部屋に供給されているため、手軽にいつで
も飲料にすることができる。

【００１５】お茶用の場合（経路ｄ）；水道水は浄水部
１で浄化され、水質調整部２に入る。水質調整部２で
は、適温調整手段を通り、イオン除去手段は通過せ
ずにバイパスし、ミネラル添加手段、ｐＨ調整手段
により、温度７０〜８０℃、もしくは沸騰させ、ｐＨは
８程度に調整される。調整された水は厨房Ｄの給水栓、
リビング（応接室）、ダイニングＣの給水栓、寝室Ｆの
給水栓へ供給される。お茶用に調整された水はｐＨがア
ルカリ性のため、お茶がよくでて、味及び香りがよい。
また入れるお茶に適した温度に調整して供給されるた
め、ポットが不要になる。特に厨房Ｄ、リビング（応接
室）、ダイニングＣなど人の集まる部屋に供給されてい
るため、各部屋にポットを設置する必要もなく手軽にい
つでもお茶を入れることができる。

【００１６】炊飯、スープ、だし用（経路ｅ）；水道水
は浄水部１で浄化され、水質調整部２に入る。水質調整
部２では、適温調整手段、イオン除去手段は通過せ
ずにバイパスし、ミネラル添加手段、ｐＨ調整手段
により、ｐＨが１０前後に調整される。調整された水は
厨房Ｄの給水栓へ供給される。炊飯用に調整された水は
適度なミネラルを含み、ご飯がおいしく炊ける。さらに
ｐＨがアルカリ性のため、健康にもよい。スープ、だし
用に調整された水又は湯においても適度なミネラルを含
み、味がよい。またｐＨがアルカリ性のため、スープや
だしがよくでる上に健康にもよい。

【００１７】あく抜き、野菜茹でもの用（経路ｂ）；水
道水は浄水部１で浄化され、水質調整部２に入る。水質
調整部２では、適温調整手段、イオン除去手段、ミ
ネラル添加手段は通過せずにバイパスしてｐＨ調整手
段により水中のｐＨがアルカリ性に調整される。調整
された水は厨房Ｄの給水栓へ供給される。あく抜き、野
菜茹でもの用に調整された水はｐＨがアルカリ性のた
め、あく抜き効果が高い。また野菜の茹でものに使用し
た場合は色よく茹であげることができる。

【００１８】温水（経路ｆ）；水道水は浄水部１で浄化
され、水質調整部２に入る。水質調整部２では、適温調
整手段により目的に合わせた温度に調整され、バスル
ームＡのバスタブ及びシャワー、洗面所Ｂの給水栓、洗
濯機、トイレＥの温水洗浄便座、厨房Ｄの給水栓へ供給
される。温水は使用目的によって適温に調整され、一般
に洗浄に使用される。適温に調整されているため、洗浄
剤が溶けやすい、泡立ちがよいなど洗浄力の向上が期待
できる。また従来の専用ガス湯沸かし器、電気温水器な
どが不要となり、家庭又は家屋内で必要な加熱部はこの
１台で全てがまかなえる。

【００１９】以上の実施の形態では、家庭用を中心に説
明した。しかし本発明の浄水システムは、家庭用に限ら
ず、業務用への応用もできる。オフィスや飲食店、娯楽
施設、デパート、テナントビル、スポーツクラブなどそ
れぞれの目的に応じた使途別調整手段の組み合わせで様
々な調整水を適所に供給することができる。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１記載の発
明によれば、水道水を浄化する浄水部と、該浄水部で浄
化した水を使途別に水質調整する水質調整部とを有し、
該水質調整部で水質調整した水を前記使途別に供給する
ようにしたため、水道水が浄水部で浄化された後、水質
調整部で、例えば厨房における炊飯、だし用、茹でもの
用、食器等の洗い、すすぎ用、殺菌用、洗面所等におけ
る美容用、リビング、ダイニング、寝室等における飲料
用、健康用、お茶用、浴室、洗濯機、トイレ用など、そ
の使途、場面に応じて無イオン水、強酸性水、弱酸性
水、おいしい水、アルカリ水、温水等に調整して上記の
使途、場面別に供給することができる。

【００２１】請求項２記載の発明によれば、前記水質調
整部は、イオンを除去するイオン除去手段、ミネラル成
分を添加するミネラル添加手段、ｐＨ値を調整するｐＨ
調整手段、ガス成分を添加するガス添加手段及び水温を
調整する適温調整手段を有し、前記使途別に応じてこれ
らの手段の少なくとも何れかの処理を施すように構成し
たため、例えば、無イオン水はイオン除去手段により水
中のイオンを除去することにより調整し、強酸性水はｐ
Ｈ調整手段により水中のイオンを強酸性に調整し、弱酸
性水はｐＨ調整手段により水中のイオンを弱酸性に調整
し、おいしい水はミネラル添加手段、ｐＨ調整手段、ガ
ス添加手段及び適温調整手段により水中のミネラル量、
ｐＨ値、炭酸ガス及び酸素ガス等の各添加量、水温をそ
れぞれ適値に調整し、アルカリ水はミネラル添加手段、
ｐＨ調整手段及び適温調整手段により水中のミネラル
量、ｐＨ値及び水温をそれぞれ適値に調整し、また温水
は適温調整手段により目的に合わせた水温に調整するこ
とができる。このように目的、使途に適合した水質の水
を必要な手段のみを経て調整することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る浄水システムの実施の形態を示す
システム構成図である。

【図２】上記実施の形態において家屋の各部屋に備えら
れた給水栓用コントロールパネル例を示す図である。

【符号の説明】

１浄水部２水質調整部３水道管４〜８切換え弁適温調整手段イオン除去手段ミネラル添加手段ｐＨ調整手段ガス添加手段

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】水道水を浄化する浄水部と、該浄水部で
浄化した水を使途別に水質調整する水質調整部とを有
し、該水質調整部で水質調整した水を前記使途別に供給
することを特徴とする浄水システム。
【請求項２】前記水質調整部は、イオンを除去するイ
オン除去手段、ミネラル成分を添加するミネラル添加手
段、ｐＨ値を調整するｐＨ調整手段、ガス成分を添加す
るガス添加手段及び水温を調整する適温調整手段を有
し、前記使途別に応じてこれらの手段の少なくとも何れ
かの処理を施すように構成してなることを特徴とする請
求項１記載の浄水システム。