JP2012000548A - 精製水の製造装置とその使用方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】RO装置10の処理水を貯水する第1貯水タンク11、EDI装置12の処理水を貯水する第2貯水タンク13が仕切壁2により仕切られている。EDI装置12から第2貯水タンク13への処理水の流入量(V1)と、第2貯水タンク13からのEDI処理水の採水量(V2)を調整することで、第2貯水タンク13のEDI処理水が常に天井面13aと接触しているので、EDI処理水中に気体が溶存することが防止される。
【選択図】図2
Description
貯水タンク20内にEDI処理水が流入し、水位が設定上限位置に達したとき、レベルスイッチ30からの信号により、貯水タンク20内へのEDI処理水の流入が停止されることが記載されている(段落番号42)。そして、図2、図3からも容易に理解できるとおり、貯水タンク20の天井面からは間隔をおいてレベルスイッチの上限が設置されている。
このため、貯水タンク20内のEDI処理水は、タンク内に存在する空間と常に接触した状態となっており、その界面で、あるいは、貯水タンク20内の水位の変動やタンク上部からのEDI処理水の流入、落下による液面の乱れ等により、EDI処理水中には前記空間内に存在する気体が溶け込み、EDI処理装置の出口から出された時点と比べると、精製度合いが低下(電気伝導度が低下)している可能性がある。
図1の装置では、蒸気ヒーター13による原水Wの加熱により、溶存酸素が減少された後、管路24を通して膜モジュール3へ圧送されて脱気処理がなされ、脱気水W0が脱気水タンク2へ供給されることが記載さている(段落番号17)。
しかし、段落番号18の記載と図1から明らかなとおり、脱気水タンク2の天井面と脱気水W0の水面との間には空間が存在している。このため、引用文献1と同様に、その界面で、あるいは、脱気水タンク2内の水面の変動や脱気水流入により液面の乱れ等により、脱気水W0中には前記空間内に存在する気体が溶け込んでいる可能性がある。
逆浸透膜処理装置(以下「RO装置」という)、RO装置の処理水(以下「RO処理水」という)を貯水するための第1貯水タンク、電気再生式脱イオン装置(以下「EDI装置」という)、EDI装置の処理水(以下「EDI処理水」という)を貯水するための第2貯水タンクを有する精製水の製造装置であって、
RO装置と第1貯水タンクが管で接続され、第1貯水タンクとEDI装置が管で接続され、EDI装置と第2貯水タンクが管で接続され、第2貯水タンクと第1貯水タンクが管で接続されており、第2貯水タンク内のEDI処理水を採水して使用するものであり、
運転時においては、EDI装置から第2貯水タンクへのEDI処理水の流入量(V1)と、第2貯水タンクからのEDI処理水の採水量(V2)がV1>V2の関係を満たすように調整されるようになっており、
第2貯水タンク内において、EDI処理水が常に天井面と接触し、気体と接触しない状態に維持されるようになっている、精製水の製造装置を提供する。
請求項1〜4のいずれか1項記載の精製水の製造装置により製造した精製水の使用方法であって、
原水をRO装置に供給してRO処理水を製造し、第1貯水タンクに貯水する工程、
第1貯水タンクのRO処理水をEDI装置に供給し、EDI処理水を製造し、第2貯水タンクに貯水する工程により精製水を製造した後、
第2貯水タンク内の精製水を採水して使用するとき、EDI処理装置から第2貯水タンクにEDI処理水を供給する量(V1)と第2貯水タンク内の精製水を採水する量(V2)が、V1>V2になるように調整する、精製水の使用方法を提供する。
(1)図1に示す精製水の製造装置
水源(水道水、地下水等)と接続された原水ライン20とRO装置10が接続されている。なお、原水ライン20には、必要に応じて軟水装置、プレフィルター(ミクロフィルター等)、活性炭処理装置等の前処理装置を設置することができる。
採水ライン24には開閉弁53が設置されており、採水ライン24と第1貯水タンクに11は、採水時の余剰のEDI処理水を返送するためのライン28で接続されている。
ライン28は、図1に示すライン28に代えて、採水ライン24と第2貯水タンク13を接続するラインにすることもできる。
(I)第2貯水タンク13内に設置されたレベルセンサー、
(II)ライン23に設置された流量計とライン24に設置された流量計の組み合わせ、
(III)上記の(I)と(II)の両方の組み合わせ、
等を適用することができる。
こうすることにより、第2貯水タンク13内において、EDI処理水が常に天井面13aと接触し、気体と接触しない状態(満水状態)に維持されるようになる。このため、第2貯水タンク13内のEDI処理水に気体(特に二酸化炭素)が溶解することが防止されるため、採水したEDI処理水の純度(電気伝導度で評価される)が低下することが防止される。
図2に示す製造装置は、図1の装置が第1貯水タンク11と第2貯水タンク13を別々に設置していることに対して、第1貯水タンク11と第2貯水タンク13を全体として1つのタンクにしたことが異なっている。なお、図2にて図1と同一番号は、同一のものであることを示す。
第1貯水タンク11には、レベルセンサー31、紫外線殺菌灯32、エアフィルター33が備えられている。
第1貯水タンク11の天井面11aには、RO処理水ライン21が接続されて、底面にはEDI装置12への送水ライン22が接続されている。
第2貯水タンク13の天井面13aには、EDI処理水ライン23が接続され、底面にはユースポイントへの採水ライン24が接続されている。
ライン28は、図2に示すライン28に代えて、採水ライン24と第2貯水タンク13を接続するラインにすることもできる。
第1貯水タンク11には、レベルセンサー31、紫外線殺菌灯32、エアフィルター33が備えられている。
第1貯水タンク11の天井面11aには、RO処理水ライン21が接続されて、底面にはEDI装置12への送水ライン22が接続されている。
第2貯水タンク13の凸部15の天井面15aは、第1貯水タンク11の天井面11aよりも高くなるように設定されている。
天井面15a近傍の側面15bから天井面11aを通ってオーバーフローライン25が接続されている。ここで、図示するように、側面15bのオーバーフローライン25の接続部の高さは、天井面11aよりも高い位置になっている。なお、オーバーフローライン25は、凸部の天井面15aから天井面11aを通って接続されていてもよい。
第2貯水タンク13の天井面13aには、EDI処理水ライン23が接続され、底面にはユースポイントへの採水ライン24が接続されている。
(1)図1及び図2に示す精製水の製造装置の使用方法
図1及び図2(図3、図4の実施形態も含む)で示す精製水の製造装置は、第1貯水タンク11と第2貯水タンク13が別々に設置されているか、一つのタンク内に設置されているかの違いであり、使用方法は同一である。以下においては、図2及び図3に示す精製水の製造装置の使用方法として説明する。
第2貯水タンク13では、EDI処理水は必要に応じて紫外線殺菌灯42により殺菌される。
第2貯水タンク13に設置されたレベルセンサー41は、ポンプが空引き運転となるのを防止するためのセンサーである。
また、エアフィルター43は、第2貯水タンク13から排水する際にタンク内への通気孔の役目をするものであり、精製水の製造時及び採水時においては、エアフィルタ−43から第2貯水タンク13内に通気されることはない。
このとき、EDI装置12から第2貯水槽13へのEDI処理水の流入量(V1;単位L/hr)と、第2貯水タンク13からライン24により採水されるEDI処理水の採水量(V2;単位L/hr)はV1>V2の関係を満たすように調整する。好ましくはV1とV2の比率V1/V2=1.1〜2、より好ましくは1.1〜1.5の範囲になるように調整する。
このような満水状態に維持されていることから、第2貯水タンク13内のEDI処理水に気体(特に二酸化炭素)が溶存することが防止されるため、採水したEDI処理水の純度(電気伝導度で評価される)が低下することが防止される。
RO処理装置10:SHR−82(ダイセン・メンブレン・システムズ(株)製)
RO膜:SV08−DRA98
RO処理水量(透過水量):1600L/hr
運転圧力:0.56MPa
第1貯水タンク11:容量200L、材質:ポリエチレン
EDI装置12:装置型番EDI1000(ダイセン・メンブレン・システムズ(株)製)
EDI電極面積:4.2dm2
(測定装置)
比抵抗計(プラグインタイプ)((株)堀場アドバンスドテクノ)
図2及び図3に示す製造装置にて精製水の製造及び使用を行った。
予め水道水を軟水装置・活性炭で前処理したものをRO処理装置10に供給して、RO処理水を得た。RO処理水はライン21から第1貯水タンク11に送って貯水した。
EDI装置12の運転条件は次のとおりである。
EDI処理水量(第2貯水タンク13への流入量)(V1):1400L/hr
濃縮水流量:60L/hr
電極室水量:10L/hr
電流:0.6〜1.5A
電圧:250〜350V
この運転過程において、第2貯水タンク13の天井面13aは常にEDI処理水が接触するように満水状態を維持しており、運転停止時においてもこの状態を維持した。
一方、運転停止直後に採水ライン24から採水して、第2貯水タンク13の水位を満水から約2/3まで下げた状態で15時間放置した。水位を満水から約2/3まで下げた直後の電気伝導度は0.22μS/cm、であり、15時間経過後の電気伝導度は0.40μS/cmであった。
上記測定は運転停止時の電気伝導度の測定であるが、運転中において、第2貯水タンク13内において液面と天井面の間に空間が形成されるようにすると、電気伝導度の低下はより顕著になるものと考えられる。
11 第1貯水タンク
12 EDI装置
13 第2貯水タンク
20 原水ライン
21 RO処理水ライン
22 RO処理水の送水ライン
23 EDI処理水ライン
24 採水ライン
25 オーバーフローライン
Claims (6)
- 逆浸透膜処理装置(以下「RO装置」という)、RO装置の処理水(以下「RO処理水」という)を貯水するための第1貯水タンク、電気再生式脱イオン装置(以下「EDI装置」という)、EDI装置の処理水(以下「EDI処理水」という)を貯水するための第2貯水タンクを有する精製水の製造装置であって、
RO装置と第1貯水タンクがRO処理水ラインで接続され、
第1貯水タンクとEDI装置が送水ラインで接続され、
EDI装置と第2貯水タンクがEDI処理水ラインで接続され、
第2貯水タンクと第1貯水タンクがオーバーフローラインで接続されており、
第2貯水タンク内のEDI処理水を採水して使用するものであり、
運転時においては、EDI装置から第2貯水タンクへのEDI処理水の流入量(V1)と、第2貯水タンクからのEDI処理水の採水量(V2)がV1>V2の関係を満たすように調整されるようになっており、
第2貯水タンク内において、EDI処理水が常に天井面と接触し、気体と接触しない状態に維持されるようになっている、精製水の製造装置。 - 第1貯水タンクと第2貯水タンクが、1つのタンクが仕切壁により縦方向に2つに仕切られてなるものである、請求項1記載の精製水の製造装置。
- 第1貯水タンクと第2貯水タンクが、
第2貯水タンクの天井面が第1貯水タンクの天井面よりも高い位置にあり、
第2貯水タンクの天井面又は天井面近傍の側面と第1貯水タンクの天井面がオーバーフローラインで接続されている、請求項1又は2記載の精製水の製造装置。 - 第2貯水タンクが天井面の一部に凸部を有しており、前記凸部天井面が第1貯水タンクの天井面よりも高い位置にあり、
前記凸部天井面又は凸部天井面近傍の側面と第1貯水タンクの天井面がオーバーフローラインで接続されている、請求項1又は2記載の精製水の製造装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項記載の精製水の製造装置により製造した精製水の使用方法であって、
原水をRO装置に供給してRO処理水を製造し、第1貯水タンクに貯水する工程、
第1貯水タンクのRO処理水をEDI装置に供給し、EDI処理水を製造し、第2貯水タンクに貯水する工程により精製水を製造した後、
第2貯水タンク内の精製水を採水して使用するとき、EDI処理装置から第2貯水タンクにEDI処理水を供給する量(V1)と第2貯水タンク内の精製水を採水する量(V2)が、V1>V2になるように調整する、精製水の使用方法。 - V1/V2=1.1〜2の範囲になるように調整する、請求項5記載の精製水の使用方法。
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