JP2007234125A - 光ピックアップ及びそれを備えた光ディスク装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】部品のコストを削減するとともに、部品点数を削減して作業工程の削減とコスト削減とを実現する光ディスク装置を提供することである。
【解決手段】支点軸方式の光ピックアップ1を備えた光ディスク装置において、対物レンズ11と、対物レンズ11を保持する樹脂製のレンズホルダ8と、レンズホルダ8に一体成型され回動軸且つ摺動軸となる樹脂製のシャフト5と、シャフト5の回動面且つ摺動面となる孔3cを底面に有するアクチュエータベース3とを備えた構成とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、支点軸方式の光ピックアップ及びそれを備えた光ディスク装置に関する。
CD、DVD等の光ディスクを記録再生する光ディスク装置には、光ディスクにレーザを照射し信号を読み取ったり記録したりする光ピックアップが備えられる。
ここで、光ピックアップの対物レンズは、フォーカス制御のために、光軸方向であるフォーカス方向に変位可能に取り付ける必要がある。また、対物レンズは、トラッキング制御のために、光軸に対して垂直方向であり、且つトラック方向に対して垂直方向となるトラッキング方向にも変位可能に取り付ける必要がある。
対物レンズをフォーカス方向及びトラッキング方向に変位可能に取り付けるための方式としては、従来より、支点軸方式、4ワイヤ方式、板バネ方式、成形ヒンジ方式などが用いられてきた。
支点軸方式は、対物レンズの光軸中心に対する偏心位置でレンズホルダを光ピックアップ本体に固定された軸に嵌合する方式である。そして、対物レンズをフォーカス方向に変位させるにはレンズホルダを軸に沿って摺動させ、対物レンズをトラッキング方向に変位させるにはレンズホルダを軸中心に回動させる。
また4ワイヤ方式、板バネ方式、成形ヒンジ方式は、それぞれ対物レンズを4本のワイヤ、板バネ、樹脂成形によって形成された成形ヒンジを介して、光ピックアップに本体に取り付ける方式である。そして、対物レンズをフォーカス方向及びトラッキング方向に変位させるには、ワイヤ、板バネ、成形ヒンジを撓ませる。
このように、光ピックアップには様々な形態があるが、支点軸方式は、軸中心に回動させる場合はよいが、この軸に沿ってフォーカス方向に支持部材を摺動させる際に引っかかり等が生じ、スムーズな変位を行うことができないことがある。また4ワイヤ方式、板バネ方式、成形ヒンジ方式は、構造が複雑なため組み立て精度を高める必要があり、製造コストが高くなるという問題がある。そこで、このような問題を解決するために様々な光ピックアップが提案されている。
例えば特許文献1には、対物レンズを取り付けた支持部材における光軸中心からの偏心位置が樹脂板の突端部間で光軸方向に平行な回動軸を中心として回動自在に枢着された光ピックアップの対物レンズ支持装置が開示されている。
また特許文献2には、信号読取装置の2次共振周波数を上昇させ、制御周波数帯域を広げるための信号読取装置用熱可塑性樹脂材料と、それを成形して得られる信号読取装置用部品が開示されている。
また特許文献3には、レンズホルダの弾性率と摺動性とを共に高レベルに両立させて装置の高速化及び応答性の向上を図る光ピックアップ装置が開示されている。
特開平1−287829号公報 特開2001−67702号公報 特開平9−305998号公報
ところで、4ワイヤ方式や板バネ方式や成形ヒンジ方式よりも製造コストの低い支点軸方式を採用しても、光ピックアップの部材には金属や樹脂が混在しており、部品点数が多いため作業工程が多く、また金属部材を多く用いる程コストアップになる。
通常、支点軸方式においてレンズホルダは樹脂製であり、レンズホルダの回動軸且つ摺動軸となるシャフトは金属である。そして金属シャフトがレンズホルダの孔に圧入される。金属シャフトには表面粗度の安定や磁束密度の向上などの利点があるが、部品のコストが高いという問題や作業工程が多いという問題がある。そこで、金属シャフトを用いることによるこれらの問題を解決することが望まれる。この点について、特許文献1〜3には記載も示唆もされていない。
本発明は、部品のコストを削減した光ピックアップを提供することを第1の目的とする。更に、部品点数を削減し、作業工程の削減とコスト削減とを実現する光ピックアップを提供することを第2の目的とする。また、この光ピックアップを備えた光ディスク装置を提供することを第3の目的とする。
上記第1の目的を達成するために本発明は、支点軸方式の光ピックアップにおいて、対物レンズと、該対物レンズを保持するレンズホルダと、該レンズホルダに固定され回動軸且つ摺動軸となる樹脂製のシャフトと、該シャフトの回動面且つ摺動面となる孔を有するアクチュエータベースとを備えたことを特徴とする。
この構成では、従来のアクチュエータベースに固定された金属製のシャフトに対してレンズホルダが摺動していた構成に代えて、アクチュエータベースに対してレンズホルダに固定された樹脂製のシャフトが摺動する構成としている。
また上記第2の目的を達成するためには、上記の光ピックアップにおいて、前記レンズホルダ及び前記シャフトを樹脂の一体成型品にすればよい。
また上記第3の目的を達成するために本発明は、支点軸方式の光ピックアップを備えた光ディスク装置において、対物レンズと、該対物レンズを保持する樹脂製のレンズホルダと、該レンズホルダに一体成型され回動軸且つ摺動軸となる樹脂製のシャフトと、該シャフトの回動面且つ摺動面となる孔を底面に有するアクチュエータベースとを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、アクチュエータベースに対してレンズホルダに固定された樹脂製のシャフトが摺動する構成とすることにより、フォーカスやトラッキングの性能は維持しながら部品のコストを削減することができる。
また本発明によれば、更に、レンズホルダとシャフトとを樹脂の一体成型にすることにより、部品点数が削減され、作業工程の削減とコスト削減とが実現する。
図1は、光ピックアップの分解斜視図、図2は、光ピックアップの上面図、図3は、光ピックアップの側断面図である。但し、図3ではピックアップベースは省略してある。
光ピックアップ1は支点軸方式を採用しており、樹脂製のピックアップベース2、金属製のアクチュエータベース3、マグネット4、樹脂製のシャフト5、磁性片6、フォーカスコイル7、樹脂製のレンズホルダ8、フレキシブルプリント基板9、トラッキングコイル10、対物レンズ11、樹脂製のカバー12を備える。上記の樹脂としては、液晶性全芳香族系ポリエステルなどを用いることができる。従来のシャフトは金属製であったため、それを樹脂製にすることで部品コストが削減できる。また、シャフトは摺動や回動するので表面粗度を管理する必要があり、金属製から樹脂製に変更することで管理が容易となる。
アクチュエータベース3はピックアップベース2にネジ止めされる。ピックアップベース2には、不図示のレーザダイオード、レンズ系、受光素子等が取り付けられる。シャフト5はアクチュエータベース3の底面に設けられた孔3c(図3)に、回動可能及び摺動可能に挿嵌される。孔3cの内側面はシャフト5の回動面且つ摺動面となる。なお孔3cは、シャフト5の動作を安定して規制するためにその内側面を大きくすることが好ましく、図3に示すように、a及びb方向に突出した形状とすることが好ましい。
また、レンズホルダ8の中央部には下方向にボス部8b(図3)が突設され、レンズホルダ8の上面からボス部8bを貫通するように軸孔8aが設けられる。また、レンズホルダ8の端部には対物レンズ11が接着される。また、ボス部8bに嵌合するようフォーカスコイル7および磁性片6がレンズホルダ8に接着され、レンズホルダ8の両側面にはトラッキングコイル10の巻線部が接着される。そして、シャフト5が圧入等により軸孔8aに固定される。
なお、シャフト5はレンズホルダ8に一体成型する方がより好ましい。一体成型することにより部品点数の削減になり、シャフト5をレンズホルダ8に圧入する作業工程の削減と、コスト削減とを実現することができる。更に、シャフト5をレンズホルダ8に圧入したときに生じ易いシャフト5の傾きがなくなることで部品精度を上げることができ、光ピックアップの性能を向上させることができる。
また、アクチュエータベース3の両側面には底面から起立する起立板3aが設けられ、この起立板3aに当接するようマグネット4が接着される。
また、フレキシブルプリント基板9の一端に設けられた貼付部9aが、レンズホルダ8の後方の端面8cに接着される。そして、フレキシブルプリント基板9に設けられた貼付部9cが、ベース部3の起立板3aに略直交する側面に底面から起立されて設けられた起立板3bの外側面に接着される。そして、貼付部9aが有する端子がフォーカスコイル7の引出し線およびトラッキングコイル10の引出し線と半田付けにより接続される。また、フレキシブルプリント基板9の端部9dが有する端子が、ピックアップベース2に取り付けられるメインフレキシブルプリント基板(不図示)と半田付けにより接続される。また、接続部9bは貼付部9aと貼付部9cとを接続する部分である。
そして、レンズホルダ8を覆うようにカバー12がアクチュエータベース3の上部に取り付けられる。カバー12には、対物レンズ11を臨む開口部12aと、シャフト5が遊嵌される孔12bが形成されている。
上記の構成において、フレキシブルプリント基板9の端部9dが有する端子から電流が供給され、フォーカスコイル7に電流が流れると、フォーカスコイル7が励磁され、レンズホルダ8及びシャフト5が図3中a又はb方向に変位し、対物レンズ11の焦点を光ディスクの記録面に合わせるフォーカスサーボが行われる。このときシャフト5は孔3cの内側面に対して摺動している。また、同様にトラッキングコイル10に電流が流れると、トラッキングコイル10が励磁され、レンズホルダ8及びシャフト5が図2中c又はd方向に回動し、対物レンズ11により光ディスク上に形成されるビームスポットをトラックに追従させるトラッキングサーボが行われる。このときシャフト5は孔3cの内側面に対して回動している。
上記の光ピックアップ1のように、従来のアクチュエータベースに固定された金属製のシャフトに対してレンズホルダが摺動していた構成に代えて、アクチュエータベース3に対してレンズホルダ8に固定された樹脂製のシャフト5が摺動する構成とすることにより、フォーカスやトラッキングの性能は維持しながら部品のコストを削減することができる。更に、レンズホルダ8とシャフト5とを樹脂の一体成型にすることにより、部品点数が削減され、作業工程の削減とコスト削減とが実現する。
本発明の光ディスク装置は、CDやDVD等の光ディスクを再生、記録する。光ディスク装置の一例としてDVDプレーヤを例にその構成を説明する。DVDプレーヤは、DVDにデジタル記録された画像データをデータ・ビット・ストリームとして読み出すディスクドライブ装置と、読み出されたデータ・ビット・ストリームから圧縮変換前の画像データと音声データとを復元して画像と音声を再生するデコーダと、DVDプレーヤ全体の動作を制御する制御部と、視聴制限の基準となる所定の周波数を格納するEEPROMと、リモコンからの赤外線の明滅信号による操作指示を入力する受光回路と、ユーザがDVDプレーヤに対する操作指示をDVDプレーヤ側にて実施可能な操作パネルとから構成されている。付属品として上記の操作指示を入力するリモコンがある。
ディスクドライブ装置は、フォーカス用の磁気駆動部等に対して制御信号を送出することにより光ピックアップを所定位置に駆動させるサーボ信号処理部と、光ピックアップからの読み取り信号を増幅して所定の制御信号を生成するRFアンプと、増幅された信号の中から記録されているデジタルデータを復元してデータ・ビット・ストリームに変換して出力するCD信号処理部とから構成されている。
そして、制御部による制御のもとでこれらが相互に作動し、DVDに記録されたデータ・ビット・ストリームをデコーダに出力可能となっている。デコーダはデータ・ビット・ストリームをビデオ成分とオーディオ成分とに分離するとともにMPEG復調し、ビデオ信号と音声信号とに復元しつつそれらを同期させて出力する。
制御部の内部には演算処理の主体となるCPUとともに、所定の制御プログラムが記録されたROMやワークエリアなどとして利用されるRAMが備えられているとともに、外部機器を制御するための制御回路が備えられている。この制御部による制御のもとで上述したようにディスクドライブ装置やデコーダが画像及び音声を再生する。
本発明は、CDやDVD等の光ディスクを再生、記録する光ディスク装置であって、支点軸方式の光ピックアップを備えたものに利用することができる。
本発明の光ピックアップの分解斜視図である。 本発明の光ピックアップの上面図である。 本発明の光ピックアップの側断面図である。
符号の説明
1 光ピックアップ
3 アクチュエータベース
3c 孔
5 シャフト
8 レンズホルダ
11 対物レンズ

Claims (3)

  1. 支点軸方式の光ピックアップを備えた光ディスク装置において、
    対物レンズと、該対物レンズを保持する樹脂製のレンズホルダと、該レンズホルダに一体成型され回動軸且つ摺動軸となる樹脂製のシャフトと、該シャフトの回動面且つ摺動面となる孔を底面に有するアクチュエータベースとを備えたことを特徴とする光ディスク装置。
  2. 支点軸方式の光ピックアップにおいて、
    対物レンズと、該対物レンズを保持するレンズホルダと、該レンズホルダに固定され回動軸且つ摺動軸となる樹脂製のシャフトと、該シャフトの回動面且つ摺動面となる孔を有するアクチュエータベースとを備えたことを特徴とする光ピックアップ。
  3. 前記レンズホルダ及び前記シャフトが樹脂の一体成型品であることを特徴とする請求項2記載の光ピックアップ。
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