JP2005346863A - 光ピックアップおよび光ディスク装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光ピックアップの可動部を小型化、軽量化しながらも固有共振周波数の影響を低減し、光ディスク追従性を高める。
【解決手段】光ピックアップ104は、可動部10と、固定部12と、可動部10と固定部12とを連結する複数のサスペンションワイヤ14とを備えている。フォーカシングコイル20と、トラッキングコイル30と、チルトコイル40とを含んで構成されている。チルトコイル40を線材を巻回して構成したコイルとし、かつ、フォーカシングコイル20とトラッキングコイル30とをプリントコイル70としてハイブリッド構造とし、レンズホルダ16に取着して可動部10を構成する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、光ディスクに信号の記録や再生を行う光ディスク装置およびこのような光ディスク装置に用いられる光ピックアップに関する。
高密度記録ディスクおよびコンパクトディスクの記録および/または再生を行う光ディスク装置の光ピックアップとして、対物レンズが装備されているレンズホルダに、3方向の駆動に対応するためのコイル、すなわち、フォーカシングコイル、トラッキングコイル、チルトコイルを装着した可動部を有するものが提案されている(例えば特許文献1〜3参照)。
そして、光ディスク装置および光ピックアップは小型化、軽量化の傾向にあり、如何に小型化し軽量化するかが課題となっている。
このような光ピックアップでは、各コイルに、それぞれ駆動信号が供給されることで、可動部がフォーカシング(上下)方向、トラッキング(左右)方向、チルト(θ)方向に駆動されるように構成されている。
また、光ピックアップの可動部は、上記各駆動方向に対して、それぞれの固有共振周波数を有し、これら固有共振周波数は、前記レンズホルダとレンズホルダに設けられた各コイル等とを含む可動部の構造や部品材料等によって決まる。
この固有共振周波数が、上記コイルの駆動信号を制御するために要求されるサーボ帯域に近いと、対物レンズ駆動に有害な影響を与えサーボ制御の妨げになることが知られている。したがって、一般には固有共振周波数をサーボ帯域の5倍以上の高い値に設定することが理想とされている。
特開2001−93177号公報 特開2002−245646号公報 特開2001−297460号公報
ところで、近年、光ディスクの記録速度や再生速度の高速化が要求されることに伴ない前記サーボ帯域の広帯域化が要求されていることから、小型化、軽量化を図りつつ可動部の固有共振周波数を如何に高く設定するかが重要な問題となってきている。
本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、その目的は光ピックアップの可動部を小型化、軽量化しながらも固有共振周波数の影響を低減し、光ディスク追従性を高めた光ピックアップおよび光ディスク装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、対物レンズを有する可動部と、前記可動部に対して前記対物レンズの光軸方向であるフォーカシング方向と直交するタンジェンシャル方向に間隔をおいて設けられた固定部と、前記フォーカシング方向および前記タンジェンシャル方向に直交するトラッキング方向における前記可動部の両側と前記固定部をそれぞれ連結し前記可動部を前記固定部に対して前記フォーカシング方向およびトラッキング方向に移動可能に支持するとともに前記タンジェンシャル方向に延在する仮想軸の周方向であるチルト方向に傾動可能に支持するサスペンションワイヤとを備え、前記可動部は、前記対物レンズと、前記対物レンズを保持するレンズホルダと、前記可動部の前記フォーカシング方向への移動用のフォーカシングコイルと、前記可動部の前記トラッキング方向への移動用のトラッキングコイルと、前記可動部の前記チルト方向への傾動用のチルトコイルとを含んで構成された光ピックアップであって、前記レンズホルダが前記対物レンズを保持する箇所の前記トラッキング方向における両側に前記サスペンションワイヤが連結される外壁がそれぞれ設けられ、前記チルトコイルまたは前記フォーカシングコイルのうちの一方のコイルは、導電性を有する線材が巻回されて構成され少なくとも2つ設けられ、前記一方のコイルは、前記線材が巻回される仮想軸を前記タンジェンシャル方向に平行させて前記対物レンズの中央を挟んだ箇所で両側の前記外壁箇所に取着され、前記チルトコイルまたは前記フォーカシングコイルのうちの他方のコイルと前記トラッキングコイルは、絶縁基板に、それぞれ導電材がコイル状に形成された前記他方のコイル用のコイル部および前記トラッキングコイル用のコイル部とからなるプリントコイルとして構成され、前記プリントコイルは2枚設けられ、前記タンジェンシャル方向における前記レンズホルダの両端部に取着され前記両側の外壁を連結していることを特徴とする。
また本発明は、光ディスクを保持して回転駆動する駆動手段と、前記駆動手段によって回転駆動する光ディスクに対し記録および/または再生用の光ビームを照射し、前記照射された光ビームの前記光記録媒体での反射光による反射光ビームを検出する光ピックアップとを有する光ディスク装置であって、前記光ピックアップは、対物レンズを有する可動部と、前記可動部に対して前記対物レンズの光軸方向であるフォーカシング方向と直交するタンジェンシャル方向に間隔をおいて設けられた固定部と、前記フォーカシング方向および前記タンジェンシャル方向に直交するトラッキング方向における前記可動部の両側と前記固定部をそれぞれ連結し前記可動部を前記固定部に対して前記フォーカシング方向およびトラッキング方向に移動可能に支持するとともに前記タンジェンシャル方向に延在する仮想軸の周方向であるチルト方向に傾動可能に支持するサスペンションワイヤとを備え、前記可動部は、前記対物レンズと、前記対物レンズを保持するレンズホルダと、前記可動部の前記フォーカシング方向への移動用のフォーカシングコイルと、前記可動部の前記トラッキング方向への移動用のトラッキングコイルと、前記可動部の前記チルト方向への傾動用のチルトコイルとを含んで構成され、前記レンズホルダが前記対物レンズを保持する箇所の前記トラッキング方向における両側に前記サスペンションワイヤが連結される外壁がそれぞれ設けられ、前記チルトコイルまたは前記フォーカシングコイルのうちの一方のコイルは、導電性を有する線材が巻回されて構成され少なくとも2つ設けられ、前記一方のコイルは、前記線材が巻回される仮想軸を前記タンジェンシャル方向に平行させて前記対物レンズの中央を挟んだ箇所で両側の前記外壁箇所に取着され、前記チルトコイルまたは前記フォーカシングコイルのうちの他方のコイルと前記トラッキングコイルは、絶縁基板に、それぞれ導電材がコイル状に形成された前記他方のコイル用のコイル部および前記トラッキングコイル用のコイル部とからなるプリントコイルとして構成され、前記プリントコイルは2枚設けられ、前記タンジェンシャル方向における前記レンズホルダの両端部に取着され前記両側の外壁を連結していることを特徴とする。
本発明によれば、チルトコイルまたはフォーカシングコイルのうちの一方のコイルを線材を巻回して構成したコイルとし、かつ、チルトコイルまたはフォーカシングコイルのうちの他方のコイルとトラッキングコイルとをプリントコイルとしてハイブリッド構造とした。
そのため、プリントコイルを2層で構成することができ、プリントコイルの軽量化、ひいては可動部の軽量化を図れる。
また、プリントコイルにより、レンズホルダの両側の外壁に取着した線材を巻回して構成したコイルとレンズホルダを連結することにより、可動部の剛性を高めることができる。
これにより、可動部の軽量化を図りながら固有共振周波数を高く設定でき、光ピックアップのサーボ帯域の広帯域化を実現する上で有利となり、光ディスクの記録速度や再生速度の高速化を実現できる。
本発明は、光ピックアップの可動部を小型化、軽量化しながらも固有共振周波数の影響を低減し、光ディスク追従性を高めるという目的を、チルトコイルまたはフォーカシングコイルのうちの一方のコイルを線材を巻回して構成したコイルとし、かつ、チルトコイルまたはフォーカシングコイルのうちの他方のコイルとトラッキングコイルとをプリントコイルとしてハイブリッド構造とすることで達成した。
以下、本発明による光ピックアップ及び記録再生装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1における光ピックアップを組み込んだ光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
図1において、光ディスク装置101は、CD−RやDVD±R、DVD−RAMなどの光記録媒体としての光ディスク102を回転駆動する駆動手段としてのスピンドルモータ103と、光ピックアップ104と、光ピックアップ104をその半径方向に移動させる駆動手段としての送りモータ105とを備えている。ここで、スピンドルモータ103は、システムコントローラ107及びサーボ制御部109により所定の回転数で駆動制御される構成になっている。
信号変復調部及びECCブロック108は、信号処理部120から出力される信号の変調、復調及びECC(エラー訂正符号)の付加を行う。光ピックアップ104は、システムコントローラ107及びサーボ制御部109からの指令に従って回転する光ディスク102の記録面に対して光ビームを照射する。このような光照射により光ディスク102に対する光信号の記録、再生が行われる。
また、光ピックアップ104は、光ディスク102の記録面からの反射光ビームに基づいて、後述するような各種の光ビームを検出し、各光ビームに対応する信号を信号処理部120に供給できるように構成されている。
前記信号処理部120は、各光ビームに対応する検出信号に基づいてサーボ制御用信号、すなわち、フォーカシングエラー信号、トラッキングエラー信号、RF信号、記録時における光ディスクの回転制御を行うために必要なATIP信号などを生成できるように構成されている。また、再生対象とされる記録媒体の種類に応じて、サーボ制御部109、信号変調及びECCブロック108等により、これらの信号に基づく復調及び誤り訂正処理等の所定の処理が行われる。
ここで、信号変調及びECCブロック108により復調された記録信号が、例えばコンピュータのデータストレージ用であれば、インタフェース111を介して外部コンピュータ130等に送出される。これにより、外部コンピュータ130等は光ディスク102の記録面に記録された信号を再生信号として受け取ることができるように構成されている。
また、信号変調及びECCブロック108により復調された記録信号がオーディオ・ビジュアル用であれば、D/A、A/D変換器112のD/A変換部でデジタル/アナログ変換され、オーディオ・ビジュアル処理部113に供給される。そして、このオーディオ・ビジュアル処理部113でオーディオ・ビデオ信号処理が行われ、オーディオ・ビジュアル信号入出力部114を介して外部の撮像・映写機器に伝送される。
光ピックアップ104には送りモータ105が接続され、送りモータ105の回転によって光ピックアップ104が光ディスク102上の所定の記録トラックまで移動されるように構成されている。スピンドルモータ103の制御と、送りモータ105の制御と、光ピックアップ104の対物レンズを保持するアクチュエータのフォーカシング方向及びトラッキング方向の制御並びにチルト方向への傾動制御は、それぞれサーボ制御部109により行われる。
すなわち、サーボ制御部109は、ATIP信号に基づいてスピンドルモータ103の制御を行ない、フォーカシングエラー信号およびトラッキングエラー信号に基づいてアクチュエータの制御を行う。
また、サーボ制御部109は、信号処理部120から入力されるフォーカシングエラー信号、トラッキングエラー信号、再生信号(RF信号)などに基づいて、後述するフォーカシングコイル20(図3参照)、トラッキングコイル30(図3参照)、チルトコイル40(図3参照)に供給するための駆動信号(電流、電圧)をそれぞれ生成するように構成されている。
また、レーザ制御部121は、光ピックアップ104におけるレーザ光源を制御するものである。
なお、ここでフォーカシング方向とは、光ピックアップ104の対物レンズ7(図2参照)の光軸方向をいう。また、タンジェンシャル方向とは、前記フォーカシング方向と直交する方向であって光ディスク102の円周のタンジェンシャル方向(接線方向)と平行する方向をいう。また、トラッキング方向とは、前記フォーカシング方向およびタンジェンシャル方向と直交する方向をいう。また、チルト方向とは、タンジェンシャル方向に延在する仮想軸の周方向をいう。
次に光ピックアップ104について説明する。
図2は実施例1における光ピックアップ104の構成を示す斜視図、図3は光ピックアップ104の構成を示す分解斜視図、図4は光ピックアップ104の平面図、図5は図4のA矢視図、図6は図4のB矢視図、図7は図4のC矢視図、図8は可動部および固定部の斜視図、図9、図10は可動部の斜視図、図11(A)はレンズホルダの平面図、(B)は(A)のB矢視図、(C)は(B)のC矢視図、図12(A)、(B)はレンズホルダの斜視図、図13はレンズホルダとチルトコイルの分解斜視図、図14はレンズホルダにチルトコイルを取着した状態を示す組み立て図である。
また、図2〜図14において矢印Xはトラッキング方向、矢印Yはタンジェンシャル方向、矢印Zはフォーカシング方向、矢印Tはチルト方向を示す。
図2、図3に示すように、光ピックアップ104は、光ディスク装置101の筐体内で光ディスク102の半径方向に移動可能に設けられたマウント部材60上に設けられている。
光ピックアップ104は、可動部10と、固定部12と、可動部10と固定部12とを連結する複数のサスペンションワイヤ14とを備えている。
可動部10は、対物レンズ7と、対物レンズ7を保持するレンズホルダ16と、ハイブリッド構造をなすフォーカシングコイル20およびトラッキングコイル30並びにチルトコイル40とを含んで構成されている。
固定部12は、マウント部材60上に取着された支持ブロック13で構成され、支持ブロック13は合成樹脂を用いて型により一体成形されている。
支持ブロック13は可動部10に対してタンジェンシャル方向Yに間隔をおいて配置されている。支持ブロック13は、トラッキング方向Xに沿った長さと、フォーカシング方向Zに沿った高さとを有している。
レンズホルダ16のトラッキング方向Xにおける両側と、支持ブロック13のトラッキング方向Xにおける両側とは、それぞれ3本のサスペンションワイヤ14で連結されている。
3本のサスペンションワイヤ14はフォーカシング方向Zに間隔をおいて互いに平行に設けられ、支持ブロック13に対してレンズホルダ16をフォーカシング方向Zとトラッキング方向Xとに移動可能に、かつ、チルト方向Tに傾動可能に支持している。
これら各サスペンションワイヤ14は導電性および弾性を有する材質で構成されている。
トラッキング方向Xの両側に3本ずつ設けられた合計6本のサスペンションワイヤ14のうち、支持ブロック13側の端部は、不図示の配線部材を介して前記サーボ制御部109に接続され、サーボ制御部109からフォーカシング用の駆動信号とトラッキング用の駆動信号とチルト用の駆動信号とが供給されるように構成されている。
本実施例では、6本のサスペンションワイヤ14のうち、マウント部材60側に位置する2本のサスペンションワイヤ14にはフォーカシング用の駆動信号が供給される。6本のサスペンションワイヤ14のうち、マウント部材60の反対側に位置する2本のサスペンションワイヤ14にはトラッキング用の駆動信号が供給される。6本のサスペンションワイヤ14のうち、残りの2本のサスペンションワイヤ14にはチルト用の駆動信号が供給される。
レンズホルダ16のフォーカシング方向Zにおけるマウント部材60の箇所には矩形板状のヨークベース50が設けられている。ヨークベース50には対物レンズ7の光軸が通る部分に開口(不図示)が設けられている。
ヨークベース50には、レンズホルダ16のタンジェンシャル方向Yの両側に臨むようにそれぞれヨーク片5002が立設されている。
また、各ヨーク片5002がレンズホルダ16に臨む面には、それぞれマグネット52が取着されている。
図3に示すように、各マグネット52は矩形板状に形成され、マグネット52がレンズホルダ16に臨む面にはN極とS極とが交互に位置する田の字状に配置され、かつ、互いに対向するマグネット52同士はN極とS極とが向かい合うように配置されている。
図9〜図12に示すように、レンズホルダ16は、対物レンズ7を保持する保持壁部1602と、保持壁部1602のトラッキング方向Xにおける両側部からそれぞれタンジェンシャル方向Yおよびフォーカシング方向Zを通る面に対して平行する方向に突設された内壁1604と、この内壁1604に連結され内壁1604の外側で内壁1604に対して平行に設けられた外壁1606とを有し、合成樹脂を用いて型により一体成形されている。言い換えると、レンズホルダ16のトラッキング方向Xおける両側に外壁1606が位置している。
保持壁1602は、矩形枠状に形成されその中央部の開口で対物レンズ7を保持している。
保持壁1602と反対側に位置する内壁1604の端部と外壁1606の端部1606とは保持壁1602と平行する底壁1608によって連結されている。
また、互いに対向する内壁1604のタンジェンシャル方向Yの両端は、トラッキング方向Xに平行して帯状に延在する連結壁1610により連結されている。
また、底壁1608のタンジェンシャル方向Yにおける両端寄りの箇所に、トラッキング方向Xに延在して内壁1604と外壁1606を連結するリブ1612が設けられている。
また、各外壁1606の外面にはフォーカシング方向Zに間隔をおいて2つの取付片1614がそれぞれ突設されており、これら合計4つの取付片1614を介してレンズホルダ16と4本のサスペンションワイヤ14が連結されている。
したがって、タンジェンシャル方向Yにおけるレンズホルダ16の両側部には、保持壁1602と、一対の内壁1604と、連結壁1610により開口1620が形成され、また、保持壁1602と反対側に位置するレンズホルダ16の端部には、一対の内壁1604と、一対の連結壁1610により開口1622が形成されている。
チルトコイル40は、可動部10のチルト方向Tへの傾動用のコイルであり、レンズホルダ16に取着されている。
図13、図14に示すように、本実施例では、チルトコイル40は、導電性を有する線材がタンジェンシャル方向Yと平行する仮想軸の回りに巻回されて構成され、本実施例では4つのチルトコイル40が設けられ、4つのチルトコイル40は、電気的には直列に接続されている。本実施例では前記線材として例えば線径が0.06mm〜0.065mmの銅線を用いている。また、本実施例では、チルトコイル40は空芯コイルとして構成されている。
各チルトコイル40は、前記線材が巻回される仮想軸をタンジェンシャル方向Yに平行させて、内壁1604と外壁1606と底壁1608とで形成される溝に挿入され、含浸剤(光硬化型接着剤)により前記溝に取着されており、このチルトコイル40の前記溝への取着により内壁1604と外壁1606は一体的に連結されている。
本実施例では、内壁1604と外壁1606と底壁1608とリブ1612とで形成される溝に挿入されて含浸剤(光硬化型接着剤)により取着されている。言い換えると、チルトコイル40は、レンズホルダ16の両側の内壁1604と外壁1606の間でタンジェンシャル方向Yにおける両端部にそれぞれ取着されている。
このチルトコイル40の内壁1604と外壁1606との間への取着により、内壁1604と外壁1606とはあたかも一体的に結合され、剛性が高められる。
本実施例では、リブ1612を設けているので、チルトコイル40を圧縮に対して抵抗する部材として機能させ、リブ1612を引っ張りに対して抵抗する部材として機能させることができる。
図8、図9、図10に示すように、レンズホルダ16の両側の各外壁1606のトラッキング方向Xにおける外面にプリント基板80が接着により取着され、プリント基板80はフォーカシング方向Zおよびタンジェンシャル方向Yを通る面に平行して延在している。
プリント基板80はフレキシブル基板であり、フレキシブルな絶縁基板に導電部が形成されたもので、4つの取付片1614に取着された4本のサスペンションワイヤ14から、フォーカシングコイル20およびトラッキングコイル30に前記導電部を介して前記フォーカシング用の駆動信号およびトラッキング用の駆動信号が供給される。
また、4つのチルトコイル40へは、残り2本のサスペンションワイヤ14から前記導電部を介して前記チルト用の駆動信号が供給される。
フォーカシングコイル20はレンズホルダ16に取着され可動部10をフォーカシング方向Zへ移動させるコイルであり、トラッキングコイル30はレンズホルダ16に取着され可動部10をトラッキング方向Yへ移動させるコイルである。
図3、図8に示すように、本実施例では、フォーカシングコイル20およびトラッキングコイル30は単一のプリントコイル70として構成され、このプリントコイル70は2枚設けられている。
プリントコイル70は、矩形板状に形成されたリジッドな絶縁基板72と、絶縁基板72の長手方向の両側に形成された2つのフォーカシングコイル20用のコイル部74と、それら2つのフォーカシングコイル20用のコイル部74の間に形成された2つのトラッキングコイル30用のコイル部76とから構成され、各コイル部74、76は、絶縁基板72に導電材がコイル状に形成されることで構成されている。
絶縁基板72は、その長手方向を両側の外壁1606間に向けてタンジェンシャル方向Yにおけるレンズホルダ16の両側に取着され、したがって、プリントコイル70は、フォーカシング方向Zおよびトラッキング方向Xを通る面に対して平行に延在し、絶縁基板72のトラッキング方向Xにおける両側にフォーカシングコイル20用のコイル部74が設けられ、これらコイル部74の間に2つのトラッキングコイル30用のコイル部76がフォーカシング方向Zに並べられて形成され、コイル部74,76の導電材はタンジェンシャル方向Yと平行する仮想軸の回りに巻回されて構成されている。
プリントコイル70はそれぞれタンジェンシャル方向Yにおけるレンズホルダ16の両端に接着剤により取着され、各プリントコイル70の表面が各マグネット52に臨むように配設されている。プリントコイル70がレンズホルダ16に取着されることにより、レンズホルダ16の両側の外壁1606同士が、また、互いに対向する内壁1604と外壁1606同士が、また、互いに対向する内壁1604同士が絶縁基板72により連結され、これら内壁1604、外壁1606が一体化され、可動部10の剛性が高められている。
各フォーカシングコイル20は、マグネット52のフォーカシング方向Zにおいて隣接するS極とN極とに臨むように配置され、各トラッキングコイル30はトラッキング方向Xにおいて隣接するS極とN極とに臨むように配置されている。
本実施例では、各マグネット52の表面に対向するバックヨークが設けられておらず、マグネット52、ヨークベース50、ヨーク片5002で形成される磁路がオープンとなっている。
次に光ピックアップ104の動作について説明する。
サーボ制御部109からフォーカシングコイル20にフォーカシング用の駆動信号が供給されると、フォーカシングコイル20に発生した磁界と各マグネット52の磁界との磁気相互作用によって生じるフォーカシング方向Zの力がレンズホルダ16に作用することによりレンズホルダ16、すなわち可動部10がフォーカシング方向に動かされる。
また、サーボ制御部109から各トラッキングコイル30にトラッキング用の駆動信号が共通に供給されると、各トラッキングコイル30に発生した磁界と各マグネット52の磁界との磁気相互作用によってトラッキング方向Xの力がレンズホルダ16に作用することにより可動部10がトラッキング方向Xに動かされる。
また、サーボ制御部109からチルトコイル40にチルト用の駆動信号が供給されると、チルトコイル40に発生した磁界と各マグネット52の磁界との磁気相互作用によって生じるチルト方向Tの力がプリントコイル70を通してレンズホルダ16に作用することにより可動部10がチルト方向Tに傾動される。
なお、前記フォーカシング用の駆動信号がフォーカシングコイル20に供給されていない状態では、レンズホルダ16はサスペンションワイヤ14の弾性によりフォーカシング方向の中立位置に保持され、また、前記トラッキング用の駆動信号がトラッキングコイル30に供給されていない状態では、レンズホルダ16はサスペンションワイヤ14の弾性によりトラッキング方向Xの中立位置に保持され、前記チルト用の駆動信号がチルトコイル40に供給されていない状態では、レンズホルダ16はサスペンションワイヤ14の弾性によりチルト方向Tの中立位置に保持される。
本実施例によれば、チルトコイル40またはフォーカシングコイル20のうち、一方のコイルを線材を巻回して構成したコイルとし、かつ、チルトコイル40またはフォーカシングコイル20のうち、他方のコイルとトラッキングコイル30とをプリントコイル70としてハイブリッド構造とし、レンズホルダ16に取着して可動部10を構成するようにした。
そのため、プリントコイル70を2層で構成することができ、プリントコイル70の軽量化、ひいては可動部10の軽量化を図れる。
また、プリントコイル70により、レンズホルダ16の両側の外壁1606に取着した線材を巻回して構成したチルトコイル40とレンズホルダ16を連結することにより、可動部10の剛性を高めることができる。
これにより、可動部10の軽量化を図りながら固有共振周波数を高く設定でき、光ピックアップ104のサーボ帯域の広帯域化を実現する上で有利となる。
また、本実施例では、レンズホルダ16のタンジェンシャル方向Yの両側にプリントコイル70をそれぞれ取着したので、これら2枚のプリントコイル70によってレンズホルダ16の両側の外壁1606に取着した線材を巻回して構成したチルトコイル40とレンズホルダ16を連結できるため、可動部10の剛性を高める上でより一層有利となる。
また、本実施例では、リブ1612を設けているので、チルトコイル40やプリントコイル70による可動部10の剛性を高める効果と同様の作用により、可動部10の剛性を高める上でより一層有利となる。
また、チルトコイル40により内壁1604および外壁1606部分の剛性が高められレンズホルダ16の剛性が確保されることから、内壁1604および外壁1606をそれぞれ薄肉で形成できるとともに、実施例のように開口1620,1622を設けることができ、レンズホルダ16の軽量化、すなわち可動部10の軽量化を達成でき、光ピックアップ104の応答性を高める上でより一層有利となる。
なお、実施例では、チルトコイル40を4つ設けた場合について説明したが、チルトコイル40は2つ以上であればよい。
また、実施例では、チルトコイル40を導電性を有する線材を用いて構成した場合について説明したが、チルトコイル40ではなく、フォーカシングコイル20を導電材を用いて構成し、実施例のようにチルトコイル40と同様に配置してもよい。
本発明の実施例1における光ピックアップを組み込んだ光ディスク装置の構成を示すブロック図である。 実施例1における光ピックアップ104の構成を示す斜視図である。 光ピックアップ104の構成を示す分解斜視図である。 光ピックアップ104の平面図である。 図4のA矢視図である。 図4のB矢視図である。 図4のC矢視図である。 可動部および固定部の斜視図である。 可動部の斜視図である。 可動部の斜視図である。 レンズホルダの説明図である。 レンズホルダの斜視図である。 レンズホルダとチルトコイルの分解斜視図である。 レンズホルダにチルトコイルを取着した状態を示す組み立て図である。
符号の説明
7……対物レンズ、10……可動部、12……固定部、14……サスペンションワイヤ、16……レンズホルダ、1606……外壁、20……フォーカシングコイル、30……トラッキングコイル、40……チルトコイル、70……プリントコイル、101……光ディスク装置、102……光ディスク、104……光ピックアップ。

Claims (16)

  1. 対物レンズを有する可動部と、
    前記可動部に対して前記対物レンズの光軸方向であるフォーカシング方向と直交するタンジェンシャル方向に間隔をおいて設けられた固定部と、
    前記フォーカシング方向および前記タンジェンシャル方向に直交するトラッキング方向における前記可動部の両側と前記固定部をそれぞれ連結し前記可動部を前記固定部に対して前記フォーカシング方向およびトラッキング方向に移動可能に支持するとともに前記タンジェンシャル方向に延在する仮想軸の周方向であるチルト方向に傾動可能に支持するサスペンションワイヤとを備え、
    前記可動部は、前記対物レンズと、前記対物レンズを保持するレンズホルダと、前記可動部の前記フォーカシング方向への移動用のフォーカシングコイルと、前記可動部の前記トラッキング方向への移動用のトラッキングコイルと、前記可動部の前記チルト方向への傾動用のチルトコイルとを含んで構成された光ピックアップであって、
    前記レンズホルダが前記対物レンズを保持する箇所の前記トラッキング方向における両側に前記サスペンションワイヤが連結される外壁がそれぞれ設けられ、
    前記チルトコイルまたは前記フォーカシングコイルのうちの一方のコイルは、導電性を有する線材が巻回されて構成され少なくとも2つ設けられ、
    前記一方のコイルは、前記線材が巻回される仮想軸を前記タンジェンシャル方向に平行させて前記対物レンズの中央を挟んだ箇所で両側の前記外壁箇所に取着され、
    前記チルトコイルまたは前記フォーカシングコイルのうちの他方のコイルと前記トラッキングコイルは、絶縁基板に、それぞれ導電材がコイル状に形成された前記他方のコイル用のコイル部および前記トラッキングコイル用のコイル部とからなるプリントコイルとして構成され、
    前記プリントコイルは2枚設けられ、前記タンジェンシャル方向における前記レンズホルダの両端部に取着され前記両側の外壁を連結している、
    ことを特徴とする光ピックアップ。
  2. 前記一方のコイルは4つ設けられ、前記一方のコイルは、前記両側の外壁の前記タンジェンシャル方向における両端部にそれぞれ取着されていることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ。
  3. 前記他方のコイル用のコイル部は、前記プリントコイルのトラッキング方向における両側の箇所にそれぞれ設けられ、前記トラッキングコイル用のコイル部はそれら両側の前記他方のコイル用のコイル部の間に設けられていることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ。
  4. 前記レンズホルダの両側の外壁の前記トラッキング方向における外方にプリント基板が取着され、前記チルトコイルと前記フォーカシングコイルと前記トラッキングコイルへの駆動信号は、前記サスペンションワイヤから前記プリント基板の導電部を経てそれぞれ前記チルトコイルと前記フォーカシングコイルと前記トラッキングコイルへ供給されることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ。
  5. 前記固定部は前記トラッキング方向に移動するマウント部材上に取着され、前記マウント部材には前記各プリントコイルに臨ませてそれぞれマグネットが立設されていることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ。
  6. 前記レンズホルダは、前記対物レンズを保持する保持壁を有し、前記保持壁と前記外壁の間に、前記保持壁に連結されると共に前記外壁に連結された内壁が前記外壁と平行して設けられ、前記一方のコイルは前記内壁と外壁の間に取着されそれら内壁と外壁を一体的に連結していることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ。
  7. 前記レンズホルダは、前記対物レンズを保持する保持壁を有し、前記保持壁部の前記トラッキング方向における両側部からそれぞれ屈曲しタンジェンシャル方向およびフォーカシング方向を通る面に平行して延在する内壁が設けられ、前記内壁の前記保持壁とは反対側の端部から底壁が保持壁と離れる方向に突設され、前記外壁は、前記底壁の端部から屈曲され前記内壁と平行して設けられ、前記底壁の前記タンジェンシャル方向における端部寄りの箇所に前記トラッキング方向に延在して前記内壁と外壁とを連結するリブが設けられ、前記一方のコイルは、前記内壁と外壁と底壁とリブとで形成される溝に取着され前記内壁と外壁と底壁とを一体的に連結していることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ。
  8. 光ディスクを保持して回転駆動する駆動手段と、
    前記駆動手段によって回転駆動する光ディスクに対し記録および/または再生用の光ビームを照射し、前記照射された光ビームの前記光記録媒体での反射光による反射光ビームを検出する光ピックアップとを有する光ディスク装置であって、
    前記光ピックアップは、
    対物レンズを有する可動部と、
    前記可動部に対して前記対物レンズの光軸方向であるフォーカシング方向と直交するタンジェンシャル方向に間隔をおいて設けられた固定部と、
    前記フォーカシング方向および前記タンジェンシャル方向に直交するトラッキング方向における前記可動部の両側と前記固定部をそれぞれ連結し前記可動部を前記固定部に対して前記フォーカシング方向およびトラッキング方向に移動可能に支持するとともに前記タンジェンシャル方向に延在する仮想軸の周方向であるチルト方向に傾動可能に支持するサスペンションワイヤとを備え、
    前記可動部は、前記対物レンズと、前記対物レンズを保持するレンズホルダと、前記可動部の前記フォーカシング方向への移動用のフォーカシングコイルと、前記可動部の前記トラッキング方向への移動用のトラッキングコイルと、前記可動部の前記チルト方向への傾動用のチルトコイルとを含んで構成され、
    前記レンズホルダが前記対物レンズを保持する箇所の前記トラッキング方向における両側に前記サスペンションワイヤが連結される外壁がそれぞれ設けられ、
    前記チルトコイルまたは前記フォーカシングコイルのうちの一方のコイルは、導電性を有する線材が巻回されて構成され少なくとも2つ設けられ、
    前記一方のコイルは、前記線材が巻回される仮想軸を前記タンジェンシャル方向に平行させて前記対物レンズの中央を挟んだ箇所で両側の前記外壁箇所に取着され、
    前記チルトコイルまたは前記フォーカシングコイルのうちの他方のコイルと前記トラッキングコイルは、絶縁基板に、それぞれ導電材がコイル状に形成された前記他方のコイル用のコイル部および前記トラッキングコイル用のコイル部とからなるプリントコイルとして構成され、
    前記プリントコイルは2枚設けられ、前記タンジェンシャル方向における前記レンズホルダの両端部に取着され前記両側の外壁を連結している、
    ことを特徴とする光ディスク装置。
  9. 前記外壁は、前記タンジェンシャル方向およびフォーカシング方向を通る面に平行して延在し、前記プリントコイルは、前記トラッキング方向およびフォーカシング方向を通る面に平行して延在していることを特徴とする請求項8記載の光ディスク装置。
  10. 前記一方のコイルは4つ設けられ、前記一方のコイルは、前記両側の外壁の前記タンジェンシャル方向における両端部にそれぞれ取着されていることを特徴とする請求項8記載の光ディスク装置。
  11. 前記他方のコイル用のコイル部は、前記プリントコイルのトラッキング方向における両側の箇所にそれぞれ設けられ、前記トラッキングコイル用のコイル部はそれら両側の前記他方のコイル用のコイル部の間に設けられていることを特徴とする請求項8記載の光ディスク装置。
  12. 前記レンズホルダの両側の外壁の前記トラッキング方向における外方にプリント基板が取着され、前記チルトコイルと前記フォーカシングコイルと前記トラッキングコイルへの駆動信号は、前記サスペンションワイヤから前記プリント基板の導電部を経てそれぞれ前記チルトコイルと前記フォーカシングコイルと前記トラッキングコイルへ供給されることを特徴とする請求項8記載の光ディスク装置。
  13. 前記固定部は前記トラッキング方向に移動するマウント部材上に取着され、前記マウント部材には前記各プリントコイルに臨ませてそれぞれマグネットが立設されていることを特徴とする請求項8記載の光ディスク装置。
  14. 前記レンズホルダは、前記対物レンズを保持する保持壁を有し、前記保持壁と前記外壁の間に、前記保持壁に連結されると共に前記外壁に連結された内壁が前記外壁と平行して設けられ、前記一方のコイルは前記内壁と外壁の間に取着されそれら内壁と外壁を一体的に連結していることを特徴とする請求項8記載の光ディスク装置。
  15. 前記レンズホルダは、前記対物レンズを保持する保持壁を有し、前記保持壁部の前記トラッキング方向における両側部からそれぞれ屈曲しタンジェンシャル方向およびフォーカシング方向を通る面に平行して延在する内壁が設けられ、前記内壁の前記保持壁とは反対側の端部から底壁が保持壁と離れる方向に突設され、前記外壁は、前記底壁の端部から屈曲され前記内壁と平行して設けられ、前記一方のコイルは前記内壁と外壁と底壁で形成される溝に取着され前記内壁と外壁と底壁とを一体的に連結していることを特徴とする請求項8記載の光ディスク装置。
  16. 前記レンズホルダは、前記対物レンズを保持する保持壁を有し、前記保持壁部の前記トラッキング方向における両側部からそれぞれ屈曲しタンジェンシャル方向およびフォーカシング方向を通る面に平行して延在する内壁が設けられ、前記内壁の前記保持壁とは反対側の端部から底壁が保持壁と離れる方向に突設され、前記外壁は、前記底壁の端部から屈曲され前記内壁と平行して設けられ、前記底壁の前記タンジェンシャル方向における端部寄りの箇所に前記トラッキング方向に延在して前記内壁と外壁とを連結するリブが設けられ、前記一方のコイルは、前記内壁と外壁と底壁とリブとで形成される溝に取着され前記内壁と外壁と底壁とを一体的に連結していることを特徴とする請求項8記載の光ディスク装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013077272A1 (ja) * 2011-11-21 2013-05-30 三洋電機株式会社 対物レンズホルダ、対物レンズ駆動装置、光ピックアップ装置

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