JP4016196B2 - 対物レンズ駆動装置及びディスクドライブ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は対物レンズ駆動装置及びディスクドライブ装置に関する。詳しくは、対物レンズを有する可動部が支持軸部に回動自在かつ摺動自在に支持された対物レンズ駆動装置及び該対物レンズ駆動装置を備えたディスクドライブ装置についての技術分野に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスク等のディスク状記録媒体に対して情報信号の記録や再生を行うディスクドライブ装置があり、このようなディスクドライブ装置には、支持軸部にその軸回り方向に回動自在かつ軸方向に摺動自在に支持された可動部を動作させて、ディスク状記録媒体に照射されるレーザー光のフォーカシング調整及びトラッキング調整を行う対物レンズ駆動装置が設けられているものがある。
【0003】
このような従来の対物レンズ駆動装置を図14及び図15に示す。
【0004】
対物レンズ駆動装置aは、磁性金属材料によって形成された固定部bと該固定部bに支持された可動部cとを備えている。
【0005】
固定部bは、ベース部dと該ベース部dの両側縁から立ち上げられたヨーク部e、eとベース部dの略中央部から上方へ突出された支持軸部fとを有している。ヨーク部e、eの内面には、それぞれマグネットg、gが取り付けられている。
【0006】
可動部cはボビンhに所要の各部材が取り付けられて成る。
【0007】
ボビンhは本体部iと該本体部iから前方へ突出されたレンズホルダー部jとを有している。本体部iの略中央部には下方へ突出された円筒状を為す被支持筒部kが設けられている。レンズホルダー部jには対物レンズlが保持されている。
【0008】
ボビンhには、コイル体mが取り付けられている。コイル体mは軸方向が上下となるように略角筒状に巻回されたフォーカシングコイルnの両側部にそれぞれ前後に隣接した状態で2つずつのトラッキングコイルo、o、・・・が取り付けられて成る。
【0009】
ボビンhの被支持筒部kには、磁性金属材料によって形成された磁性材料pが取り付けられている。磁性材料pは可動部cをフォーカシング方向及びトラッキング方向における中立位置に保持する役割を果たすものである。
【0010】
可動部cは固定部bの支持軸部fが被支持筒部kに挿入されることにより、支持軸部fに、その軸方向に摺動自在かつ軸回り方向に回動自在に支持されている。支持軸部fの軸方向がディスク状記録媒体に対してフォーカシング調整が為されるフォーカシング方向であり、ディスク状記録媒体の略半径方向がディスク状記録媒体に対してトラッキング調整が為されるトラッキング方向である。
【0011】
可動部cが支持軸部fに支持された状態においては、フレキシブルプリント配線板qの一端部rがボビンhの後面部に取り付けられ、フレキシブルプリント配線板qの中間部sが固定部bのベース部dの下面に取り付けられる(図15参照)。フレキシブルプリント配線板qの図示しない他端部は、図示しない電流供給回路に接続されている。
【0012】
ボビンhに取り付けられたフレキシブルプリント配線板qの一端部rはフォーカシングコイルn及びトラッキングコイルo、o、・・・に電気的に接続され、電流供給回路からフレキシブルプリント配線板qを介してフォーカシングコイルn及びトラッキングコイルo、o、・・・に各別に駆動電流が供給される。
【0013】
このような可動部cが支持軸部fに支持された軸摺動型の対物レンズ駆動装置aは、可動部が固定部に対してサスペンションによって支持されているタイプの対物レンズ駆動装置に比して、可動部cの重量バランスが良好であるため、フォーカシング方向に直交する方向における耐振動性に優り、自重による可動部cの変位が小さい等の長所を有する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した従来の対物レンズ駆動装置aにあっては、フォーカシングコイルn及びトラッキングコイルo、o、・・・に駆動電流を供給するために、可動部cに取り付けられたフレキシブルプリント配線板qを用いているため、可動部cが固定部bに対して動作されるときに、フレキシブルプリント配線板qの剛性によって可動部cに大きな負荷がかかり易く、共振周波数が高くなり低域における感度が低くなる等の不具合が生じ、可動部cの動作に支障を来たすおそれがある。
【0015】
また、フレキシブルプリント配線板qの剛性により可動部cが支持軸部fに押し付けられる方向への力が付与されると、可動部cの中立位置が不安定になったり、可動部cが支持軸部fに線接触した状態で押し付けられることにより摺動ロスが大きく感度の低下等を来たすという問題もある。
【0016】
さらに、フォーカシングコイルqを用いる分、その配置スペースが必要とされる上、この配置スペースは、可動部cが動作されたときに可動部cの動作に伴って変位されるフォーカシングコイルqの変位量をも考慮した大きなスペースとしなければならず、対物レンズ駆動装置aの小型化を阻む要因となっていた。
【0017】
そこで、本発明対物レンズ駆動装置及びディスクドライブ装置は、上記した問題点を克服し、当該対物レンズ駆動装置の可動部の動作の安定化及び小型化を図ることを課題とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明対物レンズ駆動装置は、上記した課題を解決するために、対物レンズの光軸方向へ突出して設けられた支持軸部と磁性材料によって形成された少なくとも一対のヨーク部とフォーカシング調整時に駆動電流が供給されるフォーカシングコイルとトラッキング調整時に駆動電流が供給されるトラッキングコイルとを有する固定部と、記支持軸部の軸回り方向に回動自在かつ当該支持軸部の軸方向に摺動自在に支持されると共にフォーカシング調整時に前記ディスクテーブルに装着された前記ディスク状記録媒体の記録面に離接する方向であるフォーカシング方向に動作されトラッキング調整時に当該ディスクテーブルに装着された当該ディスク状記録媒体の略半径方向であるトラッキング方向に動作される可動部とを設け、前記可動部に記ヨーク部に対向して配置されると共に極対数が1のマグネットを取り付け、前記マグネット側に突出すると共に当該マグネットを引き寄せて前記可動部をフォーカシング方向及びトラッキング方向における中立位置にそれぞれ保持する中立用突部を前記ヨーク部に設け、前記中立用突部を略矩形状に形成し、トラッキング方向に延びる軸を中心として当該中立用突部又は前記マグネットを当該マグネット又は当該中立用突部に対して所定の角度傾斜させたものである。
【0019】
また、本発明ディスクドライブ装置は、上記した課題を解決するために、対物レンズ駆動装置に、対物レンズの光軸方向へ突出して設けられた支持軸部と磁性材料によって形成された少なくとも一対のヨーク部とフォーカシング調整時に駆動電流が供給されるフォーカシングコイルとトラッキング調整時に駆動電流が供給されるトラッキングコイルとを有する固定部と、記支持軸部の軸回り方向に回動自在かつ当該支持軸部の軸方向に摺動自在に支持されると共にフォーカシング調整時に前記ディスクテーブルに装着された前記ディスク状記録媒体の記録面に離接する方向であるフォーカシング方向に動作されトラッキング調整時に当該ディスクテーブルに装着された当該ディスク状記録媒体の略半径方向であるトラッキング方向に動作される可動部とを設け、前記可動部に記ヨーク部に対向して配置されると共に極対数が1のマグネットを取り付け、前記マグネット側に突出すると共に当該マグネットを引き寄せて前記可動部をフォーカシング方向及びトラッキング方向における中立位置にそれぞれ保持する中立用突部を前記ヨーク部に設け、前記中立用突部を略矩形状に形成し、トラッキング方向に延びる軸を中心として当該中立用突部又は前記マグネットを当該マグネット又は当該中立用突部に対して所定の角度傾斜させたものである。
【0020】
従って、本発明対物レンズ駆動装置及びディスクドライブ装置にあっては、可動部に対するフレキシブルプリント配線板による負荷がなくなる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明対物レンズ駆動装置及びディスクドライブ装置の実施の形態を添付図面に従って説明する。
【0022】
ディスクドライブ装置1は、薄い箱状を為す外筐2内に所要の各部材及び各機構が配置されて成り、外筐2の前面には横長の矩形状を為す挿脱口2aが形成されている(図1参照)。ディスク状記録媒体100は挿脱口2aを介して外筐2の内部に挿入され又は外筐2から取り出される。
【0023】
外筐2内にはシャーシ3が配置されている(図1参照)。シャーシ3の略中央部の下面側には図示しないスピンドルモーターが配置され、該スピンドルモーターのモーター軸にディスクテーブル4が固定されている。
【0024】
シャーシ3には配置孔3aが形成され、ディスクテーブル4が配置孔3aからシャーシ3の上方へ突出されている(図1参照)。
【0025】
シャーシ3の下面側には、リードスクリュー5とガイド軸6、6とが平行な状態で配置されている(図1参照)。シャーシ3の配置孔3aには、光学ピックアップ7がディスクテーブル4に装着されるディスク状記録媒体100の半径方向へ移動可能な状態で配置されている。
【0026】
光学ピックアップ7は移動ベース8に所要の各部材が配置されて成る。光学ピックアップ7は、移動ベース8の一端部がリードスクリュー5に螺合されると共に移動ベース8の両端部がそれぞれガイド軸6、6に摺動自在に支持され(図1参照)、リードスクリュー5の回転によりガイド軸6、6に案内されてディスク状記録媒体100の半径方向へ移動される。
【0027】
対物レンズ駆動装置9は、固定部10と該固定部10に支持された可動部11とを備えている(図2乃至図4参照)。
【0028】
固定部10は、移動ベース8の上面に取り付けられるベース部12と、該ベース部12の両側縁からそれぞれ上方へ折り曲げられて形成されたヨーク部13、13と、ベース部12の略中央部から上方へ突出された支持軸部14とを有し、少なくともベース部12とヨーク部13、13とは磁性金属材料によって形成されている。
【0029】
ヨーク部13、13の内面の中央部には、それぞれ互いに近づく方向へ突出された中立用突部13a、13aが設けられている。中立用突部13a、13aは横長の矩形状に形成されている。
【0030】
ヨーク部13、13には、それぞれフォーカシングコイル15、15が取り付けられている。フォーカシングコイル15は、ヨーク部13を周囲から囲むようにして取り付けられ、軸方向が上下方向となるようにされている。フォーカシングコイル15、15は、それぞれヨーク部13、13の内面側に位置する部分が可動部11にフォーカシング方向への駆動力を付与するための駆動力発生部15a、15aとして形成されている。
【0031】
フォーカシングコイル15の駆動力発生部15aには、前後に並ぶようにしてトラッキングコイル16、16が取り付けられている。トラッキングコイル16、16は軸方向が左右方向となるようにされている。トラッキングコイル16、16、・・・は、それぞれ前後方向において近接して位置する部分が可動部11にトラッキング方向への駆動力を付与するための駆動力発生部16a、16a、・・・として形成されている。
【0032】
フォーカシングコイル15、15及びトラッキングコイル16、16、・・・は、これらのコイル線の各先端部が電流供給回路に接続された図示しないフレキシブルプリント配線板に半田付け等によってそれぞれ接続される。
【0033】
可動部11はボビン17に所要の各部材が取り付けられて成る。
【0034】
ボビン17は本体部18と該本体部18から前方へ突出されたレンズホルダー部19とを有している(図2及び図3参照)。
【0035】
本体部18の中央部には被支持孔18aが形成されている(図4参照)。本体部18の左右両側面部には、それぞれマグネット20、20とバックヨーク21とが取り付けられている。
【0036】
マグネット20、20は、それぞれ極対数が1とされた所謂単極マグネットであり、外面側と内面側とで異なる着磁が為されている(図3及び図4参照)。マグネット20、20は本体部18に対して、例えば、稍前下がりに傾斜された状態で取り付けられている(図5参照)。
【0037】
バックヨーク21は、軸方向が上下方向となるような角筒状に形成され、被支持孔18aを囲むようにして本体部18に取り付けられている。バックヨーク21の左右両側面部21a、21aは、それぞれマグネット20、20の内面に接している。
【0038】
レンズホルダー部19には対物レンズ22が取り付けられている(図2及び図3参照)。
【0039】
可動部11は支持軸部14が被支持孔18aに挿入されることにより、支持軸部14に、その軸方向に摺動自在かつ軸回り方向に回動自在に支持される。支持軸部14の軸方向がディスク状記録媒体100に対してフォーカシング調整が為されるフォーカシング方向(図2に示すF―F方向)であり、ディスク状記録媒体100の略半径方向がディスク状記録媒体100に対してトラッキング調整が為されるトラッキング方向(図2に示すT―T方向)である。
【0040】
可動部11が支持軸部14に支持された状態においては、マグネット20、20が、それぞれヨーク部13、13に対向して位置され、マグネット20、20とヨーク部13、13との間にそれぞれフォーカシングコイル15、15の駆動力発生部15a、15aとトラッキングコイル16、16、・・・とが配置される。このとき、上記したように、マグネット20、20は本体部18に対して稍前下がりに傾斜された状態で取り付けられているため、マグネット20、20は、それぞれヨーク部13、13の中立用突部13a、13aに対して角度θ傾斜した状態とされる(図5参照)。
【0041】
固定部10のヨーク部13、13の上面に、可動部11を覆う磁性材料によって形成された平板状のカバー23が取り付けられている(図2及び図4参照)。
【0042】
マグネット20、20は、例えば、図2乃至図4で見て左側に位置するものは外側がS極とされ内側がN極とされており、右側に位置するものは内側がS極とされ外側がN極とされている(図3及び図4参照)。左側のマグネット20のN極から発生した磁束はバックヨーク21を介して右側のマグネット20に至り、さらに右側のヨーク部13からベース部12又はカバー23を経て左側のヨーク部13に至り、左側のマグネット20のS極に達する(図4参照)。このとき可動部11は、マグネット20、20の磁力とフォーカシングコイル15、15の駆動力発生部15a、15a、・・・に前後に流れる駆動電流との関係によってフォーカシング方向へ動作され、マグネット20、20の磁力とトラッキングコイル16、16、・・・の駆動力発生部16a、16a、・・・に上下に流れる駆動電流との関係によってトラッキング方向へ動作される。
【0043】
以下に、ディスクドライブ装置1の動作について説明する。
【0044】
ディスク状記録媒体100がディスクテーブル4に装着され図示しない記録スイッチ又は再生スイッチが操作されると、スピンドルモーターの駆動によるディスクテーブル4の回転に伴ってディスク状記録媒体100が回転される。ディスク状記録媒体100が回転されると、移動ベース8に設けられた図示しない発光素子からレーザー光が出射され対物レンズ22を介してディスク状記録媒体100の記録面に照射される。
【0045】
ディスク状記録媒体100の記録面に照射されたレーザー光は当該記録面で反射され、移動ベース8に設けられた図示しない受光素子に入射され、光電変換されて情報信号の記録又は再生が行われる。
【0046】
情報信号の記録又は再生が行われるときには、対物レンズ駆動装置9によってフォーカシング調整及びトラッキング調整が行われる。フォーカシング調整時には、電流供給回路からフォーカシングコイル15、15に駆動電流が供給され、対物レンズ22を介して照射されるレーザー光のスポットがディスク状記録媒体100の記録面に集光するように、可動部11が支持軸部14の軸方向に動作される。トラッキング調整時には、電流供給回路からトラッキングコイル16、16、・・・に駆動電流が供給され、対物レンズ22を介して照射されるレーザー光のスポットがディスク状記録媒体100の記録面に集光するように、可動部11が支持軸部14の軸回り方向に動作される。
【0047】
対物レンズ駆動装置9にあっては、固定部10のヨーク部13、13にそれぞれ中立用突部13a、13aが設けられているため、該中立用突部13a、13aにそれぞれマグネット20、20の中央部が引き寄せられる。従って、フォーカシングコイル15、15に駆動電流が供給されていないときに可動部11をフォーカシング方向における中立位置に確実に保持することができ、また、トラッキングコイル16、16、・・・に駆動電流が供給されていないときに可動部11をトラッキング方向における中立位置に確実に保持することができる。
【0048】
尚、中立用突部13a、13aの表面積、突出量及び形状等は必要に応じて任意に変更可能である。中立用突部13a、13aの表面積、突出量及び形状等を変更することにより、可動部11を動作させるための駆動力に影響を与えることなく、フォーカシング動作及びトラッキング動作における共振周波数を任意に変更することができる。共振周波数の変更により、例えば、ディスク状記録媒体100の回転動作における共振周波数との一致を回避したり、可動部11の感度の向上を図ることができる。
【0049】
図7は、可動部のフォーカシング方向又はトラッキング方向における位置が変化されたときに、可動部に付与されるフォーカシング方向への駆動力Fz及びトラッキング方向への回転トルクTzを示すグラフ図である。
【0050】
図7の上側に示すグラフ図は中立用突部13a、13aが設けられていない従来の対物レンズ駆動装置についてのデーターを示し、図7の下側に示すグラフ図は中立用突部13a、13aが設けられた対物レンズ駆動装置9についてのデーターを示している。
【0051】
縦軸に駆動力Fz又は回転トルクTzを示し、横軸に可動部の各位置を示している。かっこ内の左側の数値がフォーカシング方向における中立位置からの距離(mm)を示し、かっこ内の右側の数値がトラッキング方向における中立位置からの回転角度(deg.)を示す。例えば、「(0.5、0)」は、可動部が中立位置から0.5mmカバーに近付く方向へ移動され、トラッキング方向には回動されずトラッキング方向における中立位置にある状態を示している。
【0052】
図中、折れ線グラフで示すデーターは駆動力Fzを示し、それぞれフォーカシングコイルに駆動電流を供給しなかった場合(0アンペア)、フォーカシングコイルに0.1アンペアの駆動電流を供給した場合及びフォーカシングコイルに1アンペアの駆動電流を供給した場合の3つの場合について測定している。
【0053】
図中、棒グラフで示すデーターは回転トルクTzを示し、それぞれフォーカシングコイルに駆動電流を供給しなかった場合(0アンペア)、フォーカシングコイルに0.1アンペアの駆動電流を供給した場合及びフォーカシングコイルに1アンペアを供給した場合の3つの場合について測定している。
【0054】
従来の対物レンズ駆動装置については、図7の上側のグラフ図に示すように、可動部がフォーカシング方向に+0.5mm移動され駆動電流が0アンペアの場合に、同じ方向(プラス側)への駆動力Fzが発生している。また、可動部がフォーカシング方向に−0.5mm移動され駆動電流が0アンペアの場合に、同じ方向(マイナス側)への駆動力Fzが発生している。従って、何れの場合にも、可動部をフォーカシング方向における中立位置から離間させる方向への駆動力が発生しており、フォーカシング方向における中立位置への保持を適正に行うことができないことを示している。
【0055】
対物レンズ駆動装置9については、図7の下側のグラフ図に示すように、可動部11がフォーカシング方向に+0.5mm移動され駆動電流が0アンペアの場合に、逆方向(マイナス側)への駆動力Fzが発生している。また、可動部11がフォーカシング方向に−0.5mm移動され駆動電流が0アンペアの場合に、逆方向(プラス側)への駆動力Fzが発生している。従って、何れの場合にも、可動部11をフォーカシング方向における中立位置に近付ける方向への駆動力が発生しており、フォーカシング方向における中立位置への保持を適正に行うことができることが確認された。
【0056】
マグネット20、20は、上記したように、それぞれヨーク部13、13に設けられた中立用突部13a、13aに対して傾斜された状態とされているため(図5参照)、マグネット20、20は中立用突部13a、13aに対して水平となるように引き寄せられ、可動部11が支持軸部14に対して該支持軸部14と被支持孔18aとのクリアランス分傾斜される(図6参照)。
【0057】
従って、可動部11は支持軸部14に対して常に一方に傾斜した状態でフォーカシング方向及びトラッキング方向に動作され、耐振動性が良好となり、支持軸部14に対する可動部11の傾斜方向の変動を来たすことなく安定して動作される。
【0058】
以上に記載した通り、対物レンズ駆動装置9にあっては、固定部10にフォーカシングコイル15、15及びトラッキングコイル16、16、・・・が設けられているため、駆動電流を供給するためのフレキシブルプリント配線板を可動部11に取り付ける必要がなく、動作中に可動部11に負荷がかかることがなく、可動部11の感度の向上による動作の安定化を図ることができる。
【0059】
また、可動部11にフレキシブルプリント配線板が取り付けられないため、フレキシブルプリント配線板の可動スペースを確保する必要がなく、その分、対物レンズ駆動装置9の小型化を図ることができる。
【0060】
さらに、可動部11に設けられたマグネット20、20は極対数が1とされた単極マグネットであるため、マグネット20、20を小型とすることができると共に安価に製造することができるため、対物レンズ駆動装置9の小型化及び製造コストの低減を図ることができる。
【0061】
加えて、可動部11に電流供給回路との電気的接続を図るための半田付け等の作業を行う必要がなく、固定部10に半田付け等を行うことにより作業性の向上を図ることができ、また、半田付け等による可動部11の重量バランスの悪化を防止することができる。
【0062】
尚、上記には、支持軸部14と被支持孔18aとのクリアランス分、可動部11を支持軸部14に対して傾斜させた状態で動作させる方法として、マグネット20、20を中立用突部13a、13aに対して傾斜させる例を示したが、逆に、中立用突部13a、13aをマグネット20、20に対して傾斜させることにより、可動部11を支持軸部14に対して傾斜させた状態で動作させるようにしてもよい。
【0063】
次に、固定部の一部及びカバーが非磁性材料によって形成された対物レンズ駆動装置9Aについて説明する(図8参照)。
【0064】
尚、以下に示す対物レンズ駆動装置9Aは、上記した対物レンズ駆動装置9と比較して、固定部の一部とカバーとが非磁性材料によって形成されたことのみが相違するため、対物レンズ駆動装置9と比較して異なる部分についてのみ詳細に説明をし、その他の部分については対物レンズ駆動装置9における同様の部分に付した符号と同じ符号を付して説明は省略する。
【0065】
対物レンズ駆動装置9Aにあっては、固定部10Aのヨーク部13、13とベース部12Aとが別の材料で形成され、ヨーク部13、13は磁性材料によって形成されており、ベース部12Aが非磁性材料によって形成されている。また、カバー23Aも非磁性材料によって形成されている。
【0066】
対物レンズ駆動装置9Aにあっては、上記のように、ベース部12Aとカバー23Aとが非磁性材料によって形成されているため、可動部11のマグネット20、20がベース部12A及びカバー23Aに引き寄せられず、フォーカシング方向における中立位置への保持を良好な精度で確実に行うことができる。
【0067】
上記には、ベース部12Aとカバー23Aとを非磁性材料によって形成した対物レンズ駆動装置9Aについて説明したが、フォーカシング方向における中立位置への保持を良好な精度で確実に行うために、図9に示すような対物レンズ駆動装置9Bを用いることもできる。
【0068】
対物レンズ駆動装置9Bは、固定部10Bのベース部12Bとカバー23Bとが何れも磁性材料によって形成されている。
【0069】
ベース部12Bには可動部11の下方の所定の位置に、孔12a、12aが形成されている。
【0070】
カバー23Bには可動部11の上方の所定の位置に、孔23a、23aが形成されている。
【0071】
対物レンズ駆動装置9Bにあっては、ベース部12Bとカバー23Bとが磁性材料によって形成され、可動部11はベース部12Bとカバー23Bとを流れる磁束の影響を受けるが、孔12a、12a及び孔23a、23aによって当該磁束の影響が小さくされている。
【0072】
従って、対物レンズ駆動装置9Bにあっても、フォーカシング方向における中立位置への保持を良好な精度で確実に行うことができる。
【0073】
次に、上記したフォーカシングコイル15、15及びトラッキングコイル16、16、・・・に代えてフォーカシングコイルとトラッキングコイルとが一体に形成されたコイル体を用いた対物レンズ駆動装置9Cについて説明する(図10乃至図13参照)。
【0074】
尚、以下に示す対物レンズ駆動装置9Cは、上記した対物レンズ駆動装置9と比較して、フォーカシングコイル15、15及びトラッキングコイル16、16、・・・に代えてこれらが一体に形成されたコイル体を用いたことのみが相違するため、対物レンズ駆動装置9と比較して異なる部分についてのみ詳細に説明をし、その他の部分については対物レンズ駆動装置9における同様の部分に付した符号と同じ符号を付して説明は省略する。
【0075】
対物レンズ駆動装置9Cにあっては、固定部10Cのヨーク部13、13の内面に、それぞれコイル体24、24が取り付けられている(図10及び図11参照)。
【0076】
コイル体24はFPコイルと称されるコイルであり、コイル用基板25にそれぞれ横長の略角筒状を為し上下に離間して位置されたフォーカシングコイル26、26と、それぞれ縦長の略角筒状を為し前後に離間して位置されたトラッキングコイル27、27とが一体に形成されて成るものである(図12参照)。フォーカシングコイル26、26とトラッキングコイル27、27とは、それぞれ略全体が重なるようにして設けられている。
【0077】
コイル用基板25の後端部には、上下に離間して端子部25a、25a、・・・が設けられ、該端子部25a、25a、・・・にフォーカシングコイル26、26の各一端部とトラッキングコイル27、27の各一端部とがそれぞれ接続されている。
【0078】
コイル体24、24の後端部側には給電用基板28が配置されている(図10及び図13参照)。給電用基板28としては、例えば、フレキシブルプリント配線板が用いられている。給電用基板28は、その一端部に図示しない縦長の挿通孔が左右に離間して形成され、該挿通孔の開口縁に接続端子部が上下に離間して設けられている。給電用基板28の他端部は図示しない電流供給回路に接続されている。
【0079】
コイル体24、24は、それぞれ後端部が給電用基板28の挿通孔を挿通されて給電用基板28の後方側に突出され、端子部25a、25a、・・・がそれぞれ給電用基板28の接続端子部に、例えば、半田29、29、・・・によって接続される。従って、コイル体24、24のフォーカシングコイル26、26、・・・とトラッキングコイル27、27、・・・とには、給電用基板28を介して電流供給回路から各別に駆動電流が供給される。
【0080】
上記のように、対物レンズ駆動装置9Cにあっては、それぞれコイル用基板25、25にフォーカシングコイル26、26、・・・及びトラッキングコイル27、27、・・・が形成されて成る平板状のコイル体24、24が用いられているため、ヨーク部13、13を結ぶ方向における幅が小さくなり、小型化を図ることができる。
【0081】
また、対物レンズ駆動装置9Cにあっては、その組立工程において、フォーカシングコイル26、26、・・・及びトラッキングコイル27、27、・・・の給電用基板28への接続は、コイル用基板25、25の端子部25a、25a、・・・を給電用基板28の接続端子部にそれぞれ接続すればよいため、フォーカシングコイルとトラッキングコイルのコイル線の端部を給電用基板28の接続端子部にそれぞれ接続するという面倒な作業を行う必要がなく、組立工程における作業性の向上を図ることができる。
【0082】
上記した実施の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施する際の具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【0083】
【発明の効果】
以上に記載したところから明らかなように、本発明対物レンズ駆動装置は、ディスクテーブルに装着されるディスク状記録媒体の半径方向へ移動する移動ベースを有すると共に該移動ベースに設けられた発光素子から照射されたレーザー光を対物レンズを介して当該ディスク状記録媒体の記録面に照射する光学ピックアップに設けられ、当該ディスク状記録媒体の記録面にレーザー光が集光するようにフォーカシング調整及びトラッキング調整を行う対物レンズ駆動装置であって、記対物レンズの光軸方向へ突出して設けられた支持軸部と磁性材料によって形成された少なくとも一対のヨーク部とフォーカシング調整時に駆動電流が供給されるフォーカシングコイルとトラッキング調整時に駆動電流が供給されるトラッキングコイルとを有する固定部と、記支持軸部の軸回り方向に回動自在かつ当該支持軸部の軸方向に摺動自在に支持されると共にフォーカシング調整時に前記ディスクテーブルに装着された前記ディスク状記録媒体の記録面に離接する方向であるフォーカシング方向に動作されトラッキング調整時に当該ディスクテーブルに装着された当該ディスク状記録媒体の略半径方向であるトラッキング方向に動作される可動部とを備え、前記可動部に記ヨーク部に対向して配置されると共に極対数が1のマグネットが取り付けられ、前記マグネット側に突出すると共に当該マグネットを引き寄せて前記可動部をフォーカシング方向及びトラッキング方向における中立位置にそれぞれ保持する中立用突部を前記ヨーク部に設け、前記中立用突部を略矩形状に形成し、トラッキング方向に延びる軸を中心として当該中立用突部又は前記マグネットを当該マグネット又は当該中立用突部に対して所定の角度傾斜させたことを特徴とする。
【0084】
従って、駆動電流を供給するためのフレキシブルプリント配線板を可動部に取り付ける必要がなく、動作中に可動部に負荷がかかることがなく、可動部の感度の向上による動作の安定化を図ることができる。
【0085】
また、可動部にフレキシブルプリント配線板が取り付けられないため、フレキシブルプリント配線板の可動スペースを確保する必要がなく、その分、対物レンズ駆動装置の小型化を図ることができる。
【0086】
さらに、可動部に設けられたマグネットは極対数が1とされているため、マグネットを小型とすることができると共に安価に製造することができるため、対物レンズ駆動装置の小型化及び製造コストの低減を図ることができる。
【0087】
加えて、可動部に電流供給回路との電気的接続を図るための半田付け等の作業を行う必要がなく、固定部に半田付け等を行うことにより作業性の向上を図ることができ、また、半田付け等による可動部の重量バランスの悪化を防止することができる。そのうえ、フォーカシングコイルに駆動電流が供給されていないときに可動部をフォーカシング方向における中立位置に確実に保持することができ、また、トラッキングコイルに駆動電流が供給されていないときに可動部をトラッキング方向における中立位置に確実に保持することができる。また、可動部は支持軸部に対して常に一方に傾斜した状態でフォーカシング方向及びトラッキング方向に動作され、耐振動性が良好となり、支持軸部に対する可動部の傾斜方向の変動を来たすことなく安定して動作させることができる。
【0092】
本発明ディスクドライブ装置は、ディスクテーブルに装着されるディスク状記録媒体の半径方向へ移動する移動ベースを有すると共に当該移動ベースに設けられた発光素子から照射されたレーザー光を対物レンズを介して当該ディスク状記録媒体の記録面に照射する光学ピックアップを備え、当該光学ピックアップに設けられた対物レンズ駆動装置によって当該ディスク状記録媒体の記録面にレーザー光が集光するようにフォーカシング調整及びトラッキング調整が行われるディスクドライブ装置であって、上記対物レンズ駆動装置は、上記対物レンズの光軸方向へ突出して設けられた支持軸部と磁性材料によって形成された少なくとも一対のヨーク部とフォーカシング調整時に駆動電流が供給されるフォーカシングコイルとトラッキング調整時に駆動電流が供給されるトラッキングコイルとを有する固定部と、記支持軸部の軸回り方向に回動自在かつ当該支持軸部の軸方向に摺動自在に支持されると共にフォーカシング調整時に前記ディスクテーブルに装着された前記ディスク状記録媒体の記録面に離接する方向であるフォーカシング方向に動作されトラッキング調整時に当該ディスクテーブルに装着された当該ディスク状記録媒体の略半径方向であるトラッキング方向に動作される可動部とを備え、前記可動部に記ヨーク部に対向して配置されると共に極対数が1のマグネットが取り付けられ、前記マグネット側に突出すると共に当該マグネットを引き寄せて前記可動部をフォーカシング方向及びトラッキング方向における中立位置にそれぞれ保持する中立用突部を前記ヨーク部に設け、前記中立用突部を略矩形状に形成し、トラッキング方向に延びる軸を中心として当該中立用突部又は前記マグネットを当該マグネット又は当該中立用突部に対して所定の角度傾斜させたことを特徴とする。
【0093】
従って、駆動電流を供給するためのフレキシブルプリント配線板を可動部に取り付ける必要がなく、動作中に可動部に負荷がかかることがなく、可動部の感度の向上による動作の安定化を図ることができる。
【0094】
また、可動部にフレキシブルプリント配線板が取り付けられないため、フレキシブルプリント配線板の可動スペースを確保する必要がなく、その分、対物レンズ駆動装置の小型化によるディスクドライブ装置の小型化を図ることができる。
【0095】
さらに、可動部に設けられたマグネットは極対数が1とされているため、マグネットを小型とすることができると共に安価に製造することができるため、対物レンズ駆動装置の小型化及び製造コストの低減に伴うディスクドライブ装置の小型化及び製造コストの低減を図ることができる。
【0096】
加えて、可動部に電流供給回路との電気的接続を図るための半田付け等の作業を行う必要がなく、固定部に半田付け等を行うことにより作業性の向上を図ることができ、また、半田付け等による可動部の重量バランスの悪化を防止することができる。そのうえ、フォーカシングコイルに駆動電流が供給されていないときに可動部をフォーカシング方向における中立位置に確実に保持することができ、また、トラッキングコイルに駆動電流が供給されていないときに可動部をトラッキング方向における中立位置に確実に保持することができる。また、可動部は支持軸部に対して常に一方に傾斜した状態でフォーカシング方向及びトラッキング方向に動作され、耐振動性が良好となり、支持軸部に対する可動部の傾斜方向の変動を来たすことなく安定して動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2乃至図13と共に本発明の実施の形態を示すものであり、本図はディスクドライブ装置の概略斜視図である。
【図2】カバーを分離して示す対物レンズ駆動装置の拡大斜視図である。
【図3】カバーを取り外した状態で示す対物レンズ駆動装置の拡大平面図である。
【図4】カバーを取り付けた状態で示す図3のIV―IV線に沿う断面図である。
【図5】ヨークに設けられた中立用突部とマグネットとの関係を示す概念図である。
【図6】可動部が支持軸部に対して傾斜された状態を示す概念図である。
【図7】可動部が各位置にあるときに、可動部に発生するフォーカシング方向における駆動力とトラッキング方向における回転トルクとを測定したデーターを示すグラフ図である。
【図8】ベース部とカバー部とが非磁性材料によって形成された対物レンズ駆動装置を示す拡大断面図である。
【図9】ベース部とカバー部とに孔が形成された対物レンズ駆動装置を示す拡大断面図である。
【図10】コイル体を用いた対物レンズ駆動装置をカバーを取り外して示す拡大平面図である。
【図11】カバーを取り付けた状態で示す図10のXI―XI線に沿う断面図である。
【図12】コイル体の拡大側面図である。
【図13】図10のXIII―XIII線に沿う断面図である。
【図14】図15と共に従来の対物レンズ駆動装置を示すものであり、本図は概略拡大平面図である。
【図15】概略拡大断面図である。
【符号の説明】
1…ディスクドライブ装置、4…ディスクテーブル、7…光学ピックアップ、8…移動ベース、9…対物レンズ駆動装置、10…固定部、11…可動部、13…ヨーク部、13a…中立用突部、14…支持軸部、15…フォーカシングコイル、16…トラッキングコイル、20…マグネット、22…対物レンズ、100…ディスク状記録媒体、9A…対物レンズ駆動装置、10A…固定部、12A…ベース部、9B…対物レンズ駆動装置、10B…固定部、9C…対物レンズ駆動装置、10C…固定部、24…コイル体、25…コイル用基板、25a…端子部、26…フォーカシングコイル、27…トラッキングコイル、28…給電用基板

Claims (2)

  1. ディスクテーブルに装着されるディスク状記録媒体の半径方向へ移動する移動ベースを有すると共に該移動ベースに設けられた発光素子から照射されたレーザー光を対物レンズを介して当該ディスク状記録媒体の記録面に照射する光学ピックアップに設けられ、当該ディスク状記録媒体の記録面にレーザー光が集光するようにフォーカシング調整及びトラッキング調整を行う対物レンズ駆動装置であって、
    記対物レンズの光軸方向へ突出して設けられた支持軸部と磁性材料によって形成された少なくとも一対のヨーク部とフォーカシング調整時に駆動電流が供給されるフォーカシングコイルとトラッキング調整時に駆動電流が供給されるトラッキングコイルとを有する固定部と、
    記支持軸部の軸回り方向に回動自在かつ当該支持軸部の軸方向に摺動自在に支持されると共にフォーカシング調整時に前記ディスクテーブルに装着された前記ディスク状記録媒体の記録面に離接する方向であるフォーカシング方向に動作されトラッキング調整時に当該ディスクテーブルに装着された当該ディスク状記録媒体の略半径方向であるトラッキング方向に動作される可動部とを備え、
    前記可動部に記ヨーク部に対向して配置されると共に極対数が1のマグネットが取り付けられ
    前記マグネット側に突出すると共に当該マグネットを引き寄せて前記可動部をフォーカシング方向及びトラッキング方向における中立位置にそれぞれ保持する中立用突部を前記ヨーク部に設け、
    前記中立用突部を略矩形状に形成し、トラッキング方向に延びる軸を中心として当該中立用突部又は前記マグネットを当該マグネット又は当該中立用突部に対して所定の角度傾斜させた
    ことを特徴とする対物レンズ駆動装置。
  2. ディスクテーブルに装着されるディスク状記録媒体の半径方向へ移動する移動ベースを有すると共に当該移動ベースに設けられた発光素子から照射されたレーザー光を対物レンズを介して当該ディスク状記録媒体の記録面に照射する光学ピックアップを備え、当該光学ピックアップに設けられた対物レンズ駆動装置によって当該ディスク状記録媒体の記録面にレーザー光が集光するようにフォーカシング調整及びトラッキング調整が行われるディスクドライブ装置であって、
    前記対物レンズ駆動装置は、
    前記対物レンズの光軸方向へ突出して設けられた支持軸部と磁性材料によって形成された少なくとも一対のヨーク部とフォーカシング調整時に駆動電流が供給されるフォーカシングコイルとトラッキング調整時に駆動電流が供給されるトラッキングコイルとを有する固定部と、
    前記支持軸部の軸回り方向に回動自在かつ当該支持軸部の軸方向に摺動自在に支持されると共にフォーカシング調整時に前記ディスクテーブルに装着された前記ディスク状記録媒体の記録面に離接する方向であるフォーカシング方向に動作されトラッキング調整時に当該ディスクテーブルに装着された当該ディスク状記録媒体の略半径方向であるトラッキング方向に動作される可動部とを備え、
    前記可動部に前記ヨーク部に対向して配置されると共に極対数が1のマグネットが取り付けられ、
    前記マグネット側に突出すると共に当該マグネットを引き寄せて前記可動部をフォーカシング方向及びトラッキング方向における中立位置にそれぞれ保持する中立用突部を前記ヨーク部に設け、
    前記中立用突部を略矩形状に形成し、トラッキング方向に延びる軸を中心として当該中立用突部又は前記マグネットを当該マグネット又は当該中立用突部に対して所定の角度傾斜させた
    ことを特徴とするディスクドライブ装置。
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