JP2007234066A - 監視装置 - Google Patents

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卓 吉見
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大介 山本
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Nobutaka Kikuiri
信孝 菊入
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Abstract

【課題】 監視対象の指定に基づいて監視装置自身が当該監視対象を監視するための適切な監視方法を自動的に決定することができる汎用性の高い監視装置を提供するにある。
【解決手段】 監視装置においては、監視対象が観測機部1で観察され、観測された状況に応じて所定の対処が実施される。ここで、監視対象に関する一般的な特徴、観測方法及び対処方法の知識及び情報が一般監視知識として監視装置の記憶部5に用意されている。この一般監視知識を利用して、監視対象に関する個別の知識及び情報が個別監視知識として記憶部4に利用者によって登録される。監視計画実行部3では、一般監視知識及び個別監視知識を利用して状況に応じて監視対象の観測方法及び対処方法を計画し、この計画を実行している。
【選択図】 図2

Description

この発明は、監視対象の異常を検知して対処する監視装置に係り、特に、一般家庭への導入を容易にするために必要最低限の設定入力により適切な監視方法(観測方法及び対処方法)を自動設定して実行する汎用性の高い監視装置に関する。
一般に監視装置は、所定の物理量を計測して、或いは、所定の物理量を検出して信号を出力するセンサを備えている。監視装置では、当該センサからの信号を解析して所定の監視対象の状態を監視し、監視対象の状態を少なくとも2つのクラス、即ち、正常状態及び異常状態のいずれかに弁別している。また、監視装置において、異常状態と弁別された場合には、その異常に関する出力、例えば、通報・警報が出力され、より積極的には原因の除去等何らかの対処が実行される。
このような監視装置には、センサを搭載して移動できる移動監視ロボットを利用した監視装置がある。この監視装置は、ロボットを施設内に置くだけで設置できること、センサ自体が移動することで広範囲を監視できること、少数の高機能センサの搭載で高度な自動認識を実現できる等の利点がある。この監視装置は、移動監視ロボットのみを利用する場合に限らず、移動監視ロボットと安価な固定センサとを協調させることで、より効果的に監視を実現することができる。
このような移動監視ロボットは、当初ビル等の大型施設を対象とした警備システムの1つとして提案されている。この提案には、例えば、特許文献1に開示される「移動型警備用ロボットを用いた警備方法」がある。この提案では、そのような移動監視ロボットが異常を自動検知する場合、正常状態と異常状態を誤り無く弁別できるよう、予め正常時に予備巡回を実施して、巡回経路上の各地点におけるセンサ出力(正常値)から異常検知の閾値を計算するというキャリブレーション方法を採用している。
上記特許文献1は、運用コスト、即ち、専従の監視員が必要ない等から、監視装置を一般家庭に導入することを容易にしている。即ち、これらの監視装置は、装置導入における専ら金銭的なコストが削減され、これまで導入の難しかった一般家庭への普及の可能性がある。特に、移動監視ロボットを利用した監視装置は、多数配置された固定の監視カメラによる監視装置よりも、いつも見られているという感覚が生じにくく、一般利用者の心理的な抵抗を軽減する効果がある。また、外部の監視員に通報するのではなく、利用者に通報する監視装置は、家の中を見られたくないという一般利用者の心理にも適合している。
一般家庭に監視装置を導入する際にもうひとつ考慮し、解決されなければならない課題として、その初期設定のし易さがある。通常の監視装置の初期設定は、専門スタッフによって実現されている。即ち、固定センサによる監視方法では、家屋内の侵入口となりそうなドア及び窓、火元になりそうな台所等といった箇所に所定のセンサを配備し、これらを、例えば、各家庭に置かれる中央装置に接続し、この中央装置から公衆回線等を使って遠隔にある監視センターに接続している。このような監視装置では、どのセンサをどこに配置し、それらを中央装置のどの端子に接続するかといった作業は、全て専門のスタッフに委ねられている。
ロボットによる監視方法では、施設内のどこを監視しなければならないか、それが複数箇所ある場合にはどの順路で移動しなければならないか、それぞれの箇所で何に注意しなければならないか等の情報を監視装置に設定しなければならない。
通常、監視方法、即ち、監視装置が何をどう観測してどう対処するのかは、次の5つの手順で決定される。
(A) 監視対象の設定
(B) 予想される被害
(C) 行われるべき監視
(D) 検出される証拠
(E) 必要な態勢と対処
図1を参照して、この監視方法を決定する過程を説明する。
図1に示すように、(A)例えば、監視対象がどこかの窓である場合、(B)窓は、泥棒の侵入口になり得るが、火元になる可能性はほとんどなく、生き物ではないのでけがをしたり、病気になったりするものではないということを、人間は常識として知っている。したがって、(C)監視サービスとして、防犯・防災・見守り等のオプションがあるときには、窓に関しては、防犯を意識した監視だけを行えばよく、その際、(D)ガラスの破損、鍵の解錠、窓の開閉、侵入者の有無等を調べればよい。そして、実際の監視実行にあたっては、(E)その窓にこれらを検知する専用のセンサが取り付けられているならば、その出力を監視すれば良く、また、監視カメラ等で調べるためには、その窓にカメラを向けてガラス及び鍵等の状態を画像解析し易い位置に設置し、ズーム値等を設定すれば良いということもわかる。ただし、特に(E)については専門家でなければうまく決定できないものがある。
従来の監視装置においては、上述した(A)〜(E)の過程を人間が行っている。例えば、移動監視ロボットの位置設定についても、ロボットのとるべき位置と姿勢を教えるために、次のいずれかの方法を用いている。1つは、制御端末上に表示される施設の地図上で巡回経路を入力する方法、他の方法としては、実際にロボットを操縦して移動させた経路を記憶させる方法(ティーチングプレイバック)がある。カメラの姿勢及び光学系の設定(フォーカス、アイリス、ズーム等)も同様にロボットに与えることができる。いずれの場合も、ロボットの位置及び姿勢、或いは、搭載されたカメラの姿勢及び光学系の設定を値として直接与えている。また、前述の特許文献1に開示されるように、正常時のセンサ出力を実地に学習させるような場合でも、センサが異常を弁別するための閾値を直接監視ロボットに与えている。
監視対象が何であるかを人間は、了解しているにも関わらず、監視装置には、それを教える代わりに(E)の結果として求まる必要かつ詳細な値を直接与えている理由は、従来の監視装置が上記(E)の結果として決定された値の羅列としてしか監視対象を知ることができないからであり、上記(A)〜(E)の決定過程を独自に行うことのできる十分な知識及び仕組みを一切与えられていないからである。そのため従来技術では、値の設定を専門スタッフが行うことを前提としているか、或いは、この作業を全く行わない代わりに単純な動作しかできないかのいずれかである。したがって、従来の監視装置には、未だ次の問題点がある。
特開平5−159187
ある監視装置を使って各々異なる条件で、それぞれの現場のどこをどのように監視すべきかを決定する作業は、適用される監視装置及び用いられるセンサに応じて決定されるセキュリティの専門家の領分であり、素人である一般家庭の利用者が監視装置にこれらの情報を独力で適切に与えることが難しい。即ち、一般利用者がお店で買ってきた監視装置を独力による作業で導入してこの監視装置を稼動させることによって高度な監視サービスを受けられるようにはなっていない。
監視装置は、所定の監視対象について、その監視対象に起るであろう被害を予想したり、この被害を防ぐためにどのような証拠を検知し、どのように対処すればよいかを決定したり、そのために必要な値を計算したりするための知識及び仕組みを持っておらず、監視を行うには手間のかかる詳細な設定作業を人間によって行うことが必要である。
上記の例のごとく、監視対象が「窓」であるならそれに適した監視方法が、「ガスコンロ」ならそれに適した別の監視方法が、「乳児」ならそれに適したさらに別の監視方法がある。このように、具体的な様々な監視対象は、それぞれに適した監視方法のパタンで「窓」クラス及び「ガスコンロ」クラス及び「乳児」クラスというようなクラスに分類することができる。
もし、監視装置が上記(B)〜(E)の過程を独自に行い得るよう、例えば「窓」クラスに関する知識及びそれを活用する仕組が与えられれば、利用者がこれから監視を命じる台所の窓が装置の知っている「窓」クラスであることを装置に教えるだけで、面倒な最終値を決定して入力する必要なく、高度な「窓」のための監視を装置に計画させ、かつ実行させることができる。
この発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、利用者が監視対象を指定すると、この指定に基づいて監視装置自身が当該監視対象を監視するための適切な監視方法を自動的に決定することができる汎用性の高い監視装置を提供するにある。
この発明によれば、
ある区域内の各種監視対象の異常状態を個別に監視し、この区域内監視対象の異常状態に応じて所定の対処を実行する、移動ロボットを有する監視装置であって、
前記監視装置は、
前記区域内または前記移動ロボットに設けられ、種別コードが与えられた種々の監視対象を監視可能な観測機器を有し、前記監視対象の異常の有無と種別を含む観測情報を出力する観測手段と、
前記区域内または前記ロボットに設けられた種別コードが与えられた能動装置を有し、前記観測情報に基づいて対処を実施する対処手段と、
前記監視対象と、前記種別コード、と前記監視対象、前記観測機器および前記能動装置の所在を表す情報を記憶する個別監視知識記憶手段と、
前記種別コード及び前記所在を前記個別監視知識記憶手段へ登録する監視対象知識登録手段と、
プログラムサブルーチンであるプロシージャを記憶する記憶手段であって、前記監視対象の監視態勢を決定して実現するための監視態勢プロシージャと、前記監視対象の異常を検知するための異常検知プロシージャと、異常状態を検知した際に対処行動を決定して実行するための対処行動プロシージャとを、前記種別コード毎記憶する一般監視知識記憶手段と、
前記監視対象を監視するために、前記監視態勢を決定し、決定された前記監視態勢に基づいて前記観測手段に指令し、前記監視態勢実現後に前記観測手段を用いて前記監視対象の異常を検査し、検査の結果異常を検知した場合に前記対処行動を決定し、決定された前記対処行動に基づいて前記対処手段に指令する監視計画実行手段と、を有し
前記監視姿勢は、前記移動ロボットの位置及び姿勢の情報と、前記観測機器の設定情報と、前記移動ロボットに設けられた観測機器の異常判別閾値とを有し、
前記監視計画実行手段は、前記種別コードに対応した前記監視態勢プロシージャを実行して前記監視対象の所在に応じた監視態勢を決定し、前記監視態勢実現後に前記種別コードに対応した前記異常検知プロシージャを実行して前記観測手段に前記監視対象の異常を検査させ、検査の結果異常を検出した場合に前記種別コードに対応した前記対処行動プロシージャを実行して前記対処手段に対処させるために設けられている
ことを特徴とする監視装置が提供される。
この発明の監視装置によれば、利用者が監視対象のクラスを入力するだけで、該監視対象を監視するための詳細な方法を監視装置が自動的に決定し、監視を実行することから、一般家庭の利用者でも高度な監視能力を持つ監視装置を手軽に導入することができる。
以下、必要に応じて図面を参照しながら、この発明の一実施の形態に係る を説明する。
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態に係る監視装置について説明する。
(機能ブロック構成)
図2は、この発明に係る監視装置の一実施の形態に係る機能ブロックの構成を示している。図2に示す監視装置は、観測部1、対処部2、監視計画実行部3、個別監視知識記憶部4、一般監視知識記憶部5、監視知識登録部6より構成される。
観測部1は、監視対象を監視可能な観測機器で構成され、異常の有無及び種別を表す情報並びにその他の必要な情報を生成して出力する。即ち、観測部1では、後述する監視計画実行部3の指令に従って、移動監視ロボットに搭載され、家屋等の環境に配置されるセンサからの出力を認識解釈して、異常の有無及び種別を表す情報並びにその他の必要な情報を生成して観測情報として出力している。また、このとき観測部1は、必要な監視態勢、例えば、ロボットの位置及び姿勢、監視用カメラの姿勢及び設定、各種センサの感度及び異常判別閾値の設定等を実現するためにロボットを制御し、各種センサを制御している。
対処部2は、観測部1からの観測情報に基づいて計画された所定の対処方法を実行している。この対処部2では、後述する監視計画実行部3の指令に従って、移動監視ロボットに搭載され、或いは、家屋等の環境に配置される能動装置、或いは、対処部2自身が備える機能を駆使して、異常の通報及び記録、犯人の撃退、消火、換気等状況に応じた所定の対処行動を実行する。
監視計画実行部3は、監視対象の観測方法及び対処方法を計画し、この計画を実行する指示を観測部1及び対処部2に与えている。監視計画実行部3では、現在監視すべき監視対象を選択し、当該監視対象についての最適な監視態勢を決定し、決定された最適な監視態勢を実現するよう観測部1に指令し、観測部1からの情報に基づいて前記指令を調整しつつ監視態勢に移行する。監視計画実行部3は、監視態勢実現後は、観測部1を用いて当該監視対象の異常を検査し、異常検知時には、最適な対処行動を決定し、決定された最適な対処行動を実行するよう前記対処部2に指令し、観測部1を通じて対処行動の効果を評価し、異常事態の解決に至った場合及び異常を検知しなかった場合には次の監視対象を決定して監視を続行する。
個別監視知識記憶部4は、監視対象に関する個別の知識及び情報を記憶している。即ち、個別監視知識記憶部4では、監視装置が導入された施設内の監視対象について、それらのクラスを表す情報(種別コード)、必要ならそれらを個別に識別するための情報(名称)及びそれらの所在場所を表す情報とから成る個別監視知識を記憶している。また、必要に応じて装置が有しているセンサ、或いは、能動装置について、それらのクラスを表す情報(種別コード)、それらを個別に識別するための情報(名称)及びそれらの所在場所を表す情報を個別監視知識に追加して記憶している。
一般監視知識記憶部5は、監視対象に関する一般的な特徴及び観測方法および対処方法等の知識及び情報を記憶している。即ち、一般監視知識記憶部5では、監視対象のクラス毎に、その最適な監視態勢を決定して、その監視態勢を実現するための監視態勢プロシージャ、その異常を効果的に検知するための異常検知プロシージャ、異常時等に行うべき対処行動を決定して実行するための対処行動プロシージャを記憶している。これらのプロシージャは、具体的には、監視対象に固有のプロシージャではなく、監視対象に関して既知のクラス毎に用意される一般監視知識である。個別監視知識に記述される各監視対象のクラスに応じた各種プロシージャを前記監視計画実行部3が実行することによってクラスに適した監視方法が計画実行される。
監視知識登録部6は、監視対象の個別の知識及び情報を個別監視知識記憶部4に登録する為のインターフェース、即ち、利用者7と対話するための対話手段を有している。監視知識登録部6の対話手段を介して利用者7が個別監視知識を入力でき、該入力された個別監視知識を前記個別監視知識記憶部4に格納することができる。
尚、監視知識登録部6は、一般監視知識を外部から入力するための手段を有し、例えば、監視装置のメーカから通信等により一般監視知識を適宜受け取り、着脱自在の記録媒体に保存されている一般監視知識を適宜読み込み、該受け取ったり読み込んだりした一般監視知識を前記一般監視知識記憶部5に格納することもできる。
(機器構成例)
図3には、図2に示される監視装置を実現する機器構成の一例が示されている。この図3に示された監視装置は、移動監視ロボット11、基地ユニット12及び充電ユニット13のような機器で構成される。また、移動監視ロボット11、基地ユニット12、或いは、充電ユニット13と無線もしくは有線にて通信して連動する外部ユニットとをその機器構成に加えることが可能である。この外部ユニットとしては、家屋23に設置された火災検知センサ14、ガス漏れ検知センサ15、換気扇16、電動ガス栓17、家屋23のドア24に設置された電磁錠18及びその開閉検知センサ19、家屋23の窓25に設置された電磁錠20及びその開閉検知センサ21並びに電動カーテン22等がある。
ロボット11は、自身が搭載するセンサによって監視対象の異常を検知することができる。さらに、ロボット11は、基地ユニット12と無線で通信可能であり、家屋等の環境に設置されている基地ユニット12から離れてロボット11が稼動中であっても、両者がデータ、或いは、情報の授受を行うことが可能である。一例としては、ロボット11に設けられた画像センサ(CCDカメラ)によって監視対象を観察し、異常時には、その画像データが基地ユニット12に送信され、その対処情報が基地ユニット12に送信される。
基地ユニット12は、ロボット11の他に充電ユニット13及び各種外部ユニットと無線、若しくは、有線にて通信可能である。この通信手段としては、省電力タイプの近距離で無線通信可能な手段、或いは、電力線を経由した有線による通信手段が利用される。
基地ユニット12は、ロボット11、充電ユニット13及び外部ユニットとの通信状態を監視して、通信途絶状態が所定期間継続することで機器自体の異常を検知している。また、基地ユニット12は、ロボット11が監視対象の異常を検知してその異常を送信し、センサを内蔵した外部ユニットが監視対象の異常を検知してその異常を送信した場合等において、異常の検知を知らせる通信に対する受信で監視対象に異常が発生したことを検知している。
図2に示される観測部1、監視計画実行部3及び対処部2並びに個別監視知識記憶部4、一般監視知識記憶部5及び監視知識登録部6は、ロボット11及び基地ユニット12に設けられる。例えば、観測部1及び対処部2が移動監視ロボット11に設けられ、監視計画実行部3、個別監視知識記憶部4、一般監視知識記憶部5及び監視知識登録部6が基地ユニット12に設けられる。また、基地ユニット12には、下記に記述されるように警報音発生手段及び公衆回線を介する通信の為の通信手段等の対処部2が追加的に設けられても良い。
機器の異常、或いは、監視対象の異常を検知した基地ユニット12は、何らかの対処行動を計画し、実行するが、この基地ユニット12が計画し、実行する対処行動は、以下の3つに分類される。
対処行動1:どのような異常が発生したかを安全に記録保存する。
対処行動2:どのような異常が発生したかを利用者に確実に通報する。
対処行動3:異常による被害を最小限に抑える。
上記対処行動1のために、基地ユニット12は、発生した異常の種類及び異常発生の少し前からのセンサ出力データをタイムスタンプ付きのログとして記録するための大容量の記憶手段を具備している。なお、ログの一部は、重複してロボット11にも記録保存される。
上記対処行動2のために、基地ユニット12は、警報音発生手段及び公衆回線を介した通信手段を備え、近隣への通報、犯人への威嚇、或いは、利用者の携帯電話等への通報を実現している。
上記対処行動3のために、基地ユニット12は、ロボット11、或いは、外部ユニットを駆使して異常事態の収拾並びに被害拡大防止の措置を講じている。基地ユニット12によって、例えば、ガス漏れの場合は、電動ガス栓17が締められ、換気扇16が回され、或いは、火災の場合には、ロボット11が消火装置を搭載しているときは、そのロボット11を火元に急行させて消火させることもできる。
充電ユニット13は、ロボット11とドッキングすることによりロボット11内蔵のバッテリーを充電したり、或いは、ロボット11の内蔵バッテリーを換装したりすることにより、充電ユニット13からロボット11へ電力の受け渡しすることが可能である。
(機器異常検知)
図3に示される機器には、各々にユニークな識別コードが与えられ、何らかのデータ、或いは、情報が送信されるときには、その送信データ、或いは、情報は、必ずその頭に自身の識別コードを付加したパケットとして送り出される。この結果、基地ユニット12に限らず、他の機器と通信する各々の機器は、そのデータ、或いは、情報が何れの機器から送られてきたものかを認識し、各機器が定期的に何らかのパケットを送信するようにしておくことで、当該機器が動作しているか否かを受け側で認識することができる。従って、パケットを送らなくなった機器は、故障したか、或いは、何者かによって破壊されたかしている可能性が高い。
(機器構成のバリエーション)
以上は、移動監視ロボット11、基地ユニット12、充電ユニット13及び外部ユニット14〜22のような機器により監視装置が構成される例を示している。この発明の監視装置の変形例として、例えば移動監視ロボット11及び基地ユニット12を一体装置として構成したり、基地ユニット12及び充電ユニット13を一体装置として構成したり、移動監視ロボット11に異常検知のためのセンサを搭載せず対処のための能動装置だけを搭載して、異常検知を外部ユニットのセンサに依存したり、逆に外部ユニットを構成に含めなかったりしても良いことは明らかである。
(情報構造)
この発明の実施例に係る装置が監視装置として機能するために必要とする情報には、下記に詳述する利用者及び現場に依存する個別性の高い個別監視知識、共通要素として提供される一般監視知識及び実際の異常発生及び事態の推移に関する異常検知情報がある。
これら個別監視知識、一般監視知識及び異常検知情報の夫々について以下に説明する。
(個別監視知識)
この個別監視知識は、図2に示される監視知識登録部6を介して利用者、或いは、特別な専門知識を有しない利用者を補助する現場補助者によって個別監視知識記憶部4に入力され、入力された個別監視知識は、個別監視知識記憶部4に保持される。
この個別監視知識は、監視装置を導入する現場に固有の事情を反映した情報、即ち、利用者宅に存在する実際の監視対象を記述した情報であり、当該現場のどこに、どのような監視対象が存在しているかを表している。また、ガス漏れセンサのような監視装置と連動可能なセンサ、或いは、電磁錠のような監視装置と連動可能な能動装置等の外部ユニットが配備されている場合には、どこにどのような外部ユニットが配備されているかを表す情報もこれに加えられる。そして、このような監視対象及び外部ユニットに関する情報は、その入れ子関係から階層構造で表現される。この階層構造の例が図4に示されている。
(個別監視知識における監視対象及び外部ユニットの階層構造)
図4において、階層構造の最上位に利用者宅というノード(0番)がある。この下位層に1F台所(1番)及び1Fリビングルーム(5番)等の間取り上の区分を表すノードがある。この間取り上の区分を表すノード、例えば、台所の下には、ガスコンロ(6番)、窓(7番)及び勝手口(8番)という監視対象のノード並びにガス漏れセンサ(9番)及び火災センサ(10番)という外部ユニットノードがある。
さらに、図示していないが、窓ノードの下には、破壊検知センサ及び開閉検知センサという外部ユニットノードが、また、勝手口ノードの下には、開閉検知センサ及び電磁錠という外部ユニットノードがある。また、同じく図示していないが、窓ノード及び勝手口ノードは、より下位の監視対象としてそれぞれの鍵を表すノード及び窓ガラスを表すノードを有している。このとき、勝手口ノードの下の電磁錠ノードは、外部ユニットであると同時に監視対象でもある。
階層構造の各枝の最下位に位置する監視対象ノード以外、例えば、最上位の利用者宅ノード、中間の台所ノード及びリビングルームノードも広義の監視対象となる。このとき、台所の監視は、より下位のすべての監視対象(ガスコンロ、窓、勝手口)を監視することで達成される。もちろん、この監視のためには、階層構造の各枝の最下位に位置する監視対象ノードに必要なプロシージャが対応付けられていることが条件である。各ノードには、通し番号が付けられているが、この番号は、ノードを配列状に記憶した場合に何番目の配列要素にこのノードが記憶されているかを指す配列の添え字である。これとは別に、各ノードには、例えば「1F台所」等の名称が与えられている。これは、そのノードを利用者が個別監視知識に登録した時に判りやすいように付けられたものである。また、監視対象及び外部ユニットであるノードには、例えば「台所」というクラスを表わす情報が与えられている。クラスが明らかになっていることで、監視装置がノードで表わされている監視対象を良好に監視し、ノードで表わされている外部ユニットを利用することができる。
全てのノードには、親ノード及び子ノードを表わす番号が与えられている。親ノードとは、当該ノードの直上に位置するノードであり、子ノードとは、当該ノードの直下に位置するノードである。親ノード及び子ノードを表わす番号は、前述のノード配列の要素番号を指し、階層を有しない1次元配列に記憶されているノードの階層関係を定義する情報である。なお、親ノード及び子ノードを有していないノードでは、該当する箇所に−1が入れられている。
最下層に位置する監視対象及び外部ユニットのノードは、名称及びクラスの他に補助的なパラメータ(図中の鍵タイプ及び所在等)を記述した情報を有している。また、家屋、部屋及び通路に相当するノードには、図示していないが、必要に応じて間取りを表す情報が与えられている。また、階層構造とは別に、個別監視知識には、正規利用者を認証するための情報等も含まれている。
(一般監視知識)
一般監視知識は、予め監視装置のシステム管理者によって用意される装置に共通の監視知識であり、一般監視知識記憶部5に記憶されている。
この一般監視知識は、様々な現場に共通する情報として、監視対象のクラスに応じた最適な監視方法を実現するためのプロシージャライブラリで構成され、一般監視知識記憶部5により保持される。一般監視知識は、前述の個別監視知識で設定された監視対象及び外部ユニットについて、そのクラス毎に共通の知識、即ち、監視に適した距離及びズーム値等を決定する監視態勢プロシージャ、各監視対象の異常検知に適した異常検知プロシージャ、異常時に想定される災害や犯罪の被害を最小限に食い止めるための措置を実行する対処行動プロシージャの情報等が相当している。なお、個別監視知識で定義される監視対象に適した監視方法を決定する方法として、次の2つ(テーブルルックアップ法及びオブジェクト指向プログラミング)が考えられる。
(テーブルルックアップ法)
1つは監視対象のクラスを表わす情報を参照して、適当な監視態勢プロシージャ・異常検知プロシージャ・対処行動プロシージャの情報をテーブル引きで検索する方法(テーブルルックアップ法)である。このとき、このテーブルが一般監視知識として用意される。各プロシージャは、プログラムサブルーチンとして実装され、その関数ライブラリ自体も一般監視知識を構成する一部として監視装置に供給される。テーブルには、関数のエントリアドレス、若しくは、関数を特定する名称等が記述されており、この情報を使って所定の関数ルーチンを呼び出すことができる。
(オブジェクト指向プログラミング)
また、別の方法として、オブジェクト指向プログラミングがある。監視対象のクラスに応じて1つのオブジェクトが決まっている。各オブジェクトは、そのメソッド(プログラムサブルーチン)として専用の監視態勢プロシージャ・異常検知プロシージャ・対処行動プロシージャを有し、各オブジェクトは、オブジェクトライブラリとして一般監視知識を構成している。監視対象毎に監視態勢、異常検知及び対処の具体的な処理が当該監視対象のクラスに対応したオブジェクトのメソッドとして与えられる。
(異常検知情報)
異常検知情報は、観測部1に設けられている各種センサの出力データ、それを解析して検出された異常の有無及び種別の情報、異常発生の時刻、異常発生からの時間経過等、監視装置運用中に生成・利用される情報の集合を指している。
過去の観測部1の出力及びその時の事象を関連付けた事例は、異常検知情報として監視計画実行部3に記憶される。監視計画実行部3が観測部1の出力から監視対象の異常の有無を判断するに際しては、この過去の観測部1の出力及びその時の事象に関連付けられ事例を参照して判断の精度が向上され、誤判断が低下される。
(個別監視知識、一般監視知識、異常検知情報の内訳)
以上で述べた各種情報の内訳が図5に示されている。
個別監視知識として記憶される情報は、監視対象、センサ及び能動装置に関する名称、クラス及び所在等の情報(監視対象情報、センサ情報及び能動装置情報)、正規利用者に通報するための認証コード、通報先の電話番号及び複数通報先がある場合の優先順位等の情報(アクセス情報)及び移動監視時に的確に移動できるための間取り、床材及び障害物の情報(移動監視用情報)から成っている。
一般監視知識として記憶される情報は、クラス及び監視態勢プロシージャ並びにクラス及び異常検知プロシージャの照応関係を記述した観測知識、クラス及び対処行動プロシージャの照応関係を記述した対処知識、監視対象、センサ及び能動装置に関する一般知識、各種プロシージャを実装したプログラムサブルーチン群から成っている。
個別監視知識は、利用者による入力により形成されるが、新たなセンサ及び能動装置等を追加する時には、それらに添付される記録媒体に収められたインストーラプログラムを使って簡単に入力できる。このインストーラプログラムは、追加されるセンサ及び能動装置のクラスに関する個別監視知識及び一般監視知識を追加するに用いられる。
尚、一般監視知識として、所定の処理(計算及び情報処理及び制御)を行うプロシージャに代えて、所定の計算値及び情報処理結果及び制御パラメータを導き出すことのできるテーブル等の情報が用意されていても良い。
(処理構成)
監視装置は、少なくとも3つの動作モード(初期設定モード、自律警備モード及び遠隔操縦モード)を有している。
初期設定モードは、前述した個別監視知識を現場に合わせて登録入力したり、一般監視知識を通信回線及び記録媒体等を介して更新したりするためのモードであり、監視装置を導入した最初に実行されなければならない作業モードである。
自律警備モードは、後述する防犯用途への適用例にも示すように、監視装置が自律的に監視するモードであり、その監視内容として、泥棒等から財産を守る防犯オプション、火災等に対応する防災オプション、病人・高齢者・乳幼児等の安全を守る見守りオプションが単独もしくは混在して実施されるモードである。
遠隔操縦モードは、監視装置が備える特に移動監視ロボット及び電動カメラ雲台等を利用者が操縦して、装置のセンサを通じて現場を監視したり、所定場所に移動させたりすることのできるモードである。遠隔監視モードは、後述するように自律監視モード中から実行することが可能である。
初期設定モード、自律警備モード及び遠隔操縦モードは、図6に示されるような手順で実行される。即ち、図6に示されるように、電源投入によって監視装置が起動され(ステップS1)、その後、装置が備える操作入力手段(スイッチ及びボタン等)及び音声命令受理手段(音声認識装置等)及び通信手段(リモコン及び携帯電話等)等を介して、何らかの指令が利用者から与えられると(ステップS2の下向き分岐)、その指令に従ったモードに移行する。
指令が初期設定を指示するものであるときは(ステップS3の下向き分岐)、監視装置は、初期設定モードに移行して(ステップS5)、対話的に個別監視知識が入力され、或いは、一般監視知識が更新される。指令が初期設定を指示でなく、指令が自律警備を指示するものであるときは(ステップS6の下向き分岐)、監視装置は、自律警備モードに移行して(ステップS7)、監視作業を開始する。指令が自律警備を指示するものでなく、指令が遠隔操縦を指示するものであるときは(ステップS8の下向き分岐)、監視装置は、遠隔操縦モードに移行して(ステップS9)、利用者からの操作を受け付けて動作する。指令が遠隔操縦を指示するものでなく、指令が停止を指示するものであるときは(ステップS10の下向き分岐)、監視装置は、その動作を停止させて電源を遮断する。
指令が上記のいずれにも該当しない不正なものであったときは(ステップS10の右向き分岐)、次の指令が入力されるのを待つこととなる(ステップS2)。
(登録)
次に、図7を参照して、初期設定モード或いは機器の更新モードにおいて、利用者が監視知識登録部6を用いて個別監視知識記憶部4へ監視対象の情報を入力してこれを登録する例を説明する。
図7は、監視装置に監視対象を登録する際の処理の流れを示すフローチャートである。図7に示す処理が開始されると(ステップS20)、始めにユーザが監視対象の名称をキーボード、音声入力、若しくは、一覧からの選択により入力する(ステップS21)。監視対象の名称が入力されると、この名称の言語が解析されて監視対象の装置の種別(クラス)が検索されて選択肢が提示される(ステップS22)。ユーザがその選択肢から種別を選択し、その種別が特定されたかが確認される。(ステップS23,S24)種別が特定されない場合には、再びステップS22に戻される。ステップS24で種別が特定された場合には、設置場所を選択する為の間取り、例えば、図8に示すような間取りが提示され(ステップS25)、この間取り上で監視対象物の位置を指定すると(ステップS26)、処理が終了される(ステップS27)。
ここで、選択肢からの入力は、予め装置がローカルに、若しくは、ネットワーク上に用意された一般監視知識記憶部5からの情報に基づき、最新の情報を順次登録しやすい選択肢として提示し、利用者(ユーザ)がこの中から選択していくことで、容易に入力できる。
また、監視対象が特定されたならば、各メーカのサーバより、監視対象の大きさ等の情報、操作するために必要となるドライバ等をインターネット上より検索し、ダウンロードして、監視装置の個別監視知識記憶部4及び一般監視知識記憶部5へ登録する。次に、場所情報は、装置が、既に個別監視知識部4に間取り図が入力されていれば、その中での位置を入力する。もし入力されていないならば、間取り図入力、もしくは、監視装置を監視対象の位置へ移動させることで、設置場所を測定して登録する。
以下に、台所にあるコンロを登録する際のシーケンス例(1)〜(14)を示す。
(1)画面表示:「名称を入力して下さい」
ステップ20でシーケンスが開始されると、ステップS21において、ユーザに対して「名称を入力して下さい」の画面が提示され、名称の入力が促される。
(2)利用者入力:“台所のコンロ”
ステップS21において、ユーザが“台所のコンロ”を入力する。
(3)画面表示:「種別を入力して下さい−“防犯関係”、“防災関係”、“見守り関係”…“その他”」
画面には、「種別を入力して下さい」が表示され、選択肢として「“防犯関係”、“防災関係”、“見守り関係”…“その他”」が提示される(ステップS22)。
(4)利用者入力:「防災関係を選択」
ステップS23において、ユーザが「防災関係」を選択すると、ステップS24に移行され、種別の全てが特定されていないことから、ステップS22に移行される。
(5)画面表示:「種別を入力して下さい−“調理”、“掃除・洗濯”、“冷暖房”…“その他”」
画面には、「種別を入力して下さい」が表示され、選択肢として「“調理”、“掃除・洗濯”、“冷暖房”…“その他”」が提示される(ステップS22)。
(6)利用者入力:「調理関係を選択」
ステップS23において、ユーザが「調理関係を選択」を選択すると、ステップS24に移行され、種別の全てが特定されていないことからステップS22に移行される。
(7)画面表示:「種別を入力して下さい−“電子レンジ”、“コンロ”、“電磁調理器”…“その他”」
画面には、「種別を入力して下さい」が表示され、選択肢として「“電子レンジ”、“コンロ”、“電磁調理器”…“その他”」が提示される(ステップS22)。
(8)利用者入力:「コンロを選択」
ステップS23において、ユーザが「コンロを選択」を選択すると、ステップS24に移行され、種別の全てが特定されていないことからステップS22に移行される。
(9)画面表示:「メーカを入力し下さい−“###社”、“○△社”…“その他”」
画面には、「メーカを入力し下さい」が表示され、選択肢として「“###社”、“○△社”…“その他”」が提示される(ステップS22)。
(10)利用者入力:「○△社を選択」
ステップS23において、ユーザが「○△社を選択」を選択すると、ステップS24に移行され、種別の全てが特定されていないことからステップS22に移行される。
(11)画面表示:「型番を入力して下さい−”AHA002”、“AVA234”… “その他”」
画面には、「型番を入力して下さい」が表示され、選択肢として「”AHA002”、“AVA234”… “その他”」が提示される(ステップS22)。
(12)利用者入力:選択、もしくは入力(音声或いはキーボード)
「型番」が選択され、或いは、「型番」が音声或いはキーボードで入力されると、ステップS24に移行され、種別の全てが特定されたとしてステップS25に移行される。
(13)画面表示:「設置場所を入力して下さい−間取り図」提示
画面には、「設置場所を入力して下さい」が表示されるとともに図8に示すような「間取り図」が提示される。
(14)利用者入力:「間取り図」上をクリック
ユーザが「間取り図」上で位置を指定する為にその設定位置をクリックすると、その場所が指定され、シーケンスが終了される。(ステップS25,S26)
<名称から種別・場所情報を推測>
また、別の利用者が監視知識登録部6を用いて個別監視知識記憶部4へ監視対象情報を入力する例を図9のフローチャートに示す。こちらは、名称の入力で“台所のコンロ”が入力された場合、日本語の解析を行い、場所を示す“台所”、種別“コンロ”という、名称から、場所情報と種別情報を判別、次画面では、種別“コンロ”からメーカ名選択に移行。場所入力の際も場所“台所”から間取り台所を表示し、利用者の入力を減らすことができる。
図9を参照して監視装置に監視対象を登録する際の処理の流れを説明する。図9に示す処理が開始されると(ステップS30)、始めにユーザが監視対象の名称をキーボード、音声入力、若しくは、一覧からの選択により入力する(ステップS31)。監視対象の名称が入力されると、この名称の言語が解析されて監視対象の装置の種別(クラス)及び場所に関する選択肢の有無が検索される(ステップS32)。検索された結果に、種別情報の有無が確認され(ステップS33)、種別情報があれば、その検索結果が提示される(ステップS34)。ユーザによって、その種別(クラス)が確認され、その種別で良いかが確認される。(ステップS35,S36)ステップS36において、種別(クラス)が合っていない場合には、ステップS37に移行される。ステップS33において、種別情報がない場合には、種別(クラス)に関する選択肢が提示される(ステップS37)。ユーザがその選択肢から種別を選択し、その種別が特定されたかが確認される。(ステップS38,S39)種別が特定されない場合には、再びステップS37に戻される。ステップS36で種別が合っている場合、或いは、ステップS39において、種別が特定された場合には、場所情報があったかが確認される。(ステップS40)場所情報がある場合には、検索された場所情報が提示され、その提示された種別と場所情報がユーザによって確認される。(ステップS42、S43)場所情報が合っているか否かが確認され、場所情報が合っている場合には、処理が終了される(ステップS43,S46)。場所情報が合っていない場合には、設置場所を選択する為の間取り、例えば、図8に示すような間取りが提示され、この間取り上で監視対象物の位置を指定すると、処理が終了される(ステップS44,S45,S46)。
<間取り入力・間取り情報からの監視対象候補の提示>
個別監視知識記憶部へ場所情報を入力する方法の一例として、図8に示すような室内の間取り図を用いる方法について説明する。
利用者は、室内の間取り情報を、手書きの間取り図、もしくは、建築時に手に入れた設計図を本監視装置のカメラを用いて取り込む。ここで、別スキャナ等で取り込むことにより、建築業者がWeb上で公開している間取り図を、一般監視知識記憶部から入手、もしくは別途、監視知識登録部6を用いて入力しても良い。個別監視知識記憶部に取り込まれた間取り図から、監視知識登録部は、階層構造を有するノードへの切り分けを行う。例えば、各閉じられた線の内部を部屋と判別し、その部屋の役割(台所、風呂等)を利用者は、その部屋の大きさ、水周りの有無等から、可能性の高い順に順位付けされた選択肢の中から選択、決定する。次に、部屋ノードの下位階層として、監視対象の候補になるものを挙げ、(例えば、台所&ガス栓→コンロ等)、自動的に、もしくは、間取り上に提示し利用者の指示により、監視対象として登録する。
(防犯用途への適用例)
監視装置を一般家庭における防犯を目的とした用途に適用した例を示す。
一般家庭における防犯を目的とした監視装置では、監視対象として侵入盗が侵入してくる可能性がある玄関ドア及び勝手口ドア、また各部屋に設けられた大小様々な窓を設定し、それぞれのドア及び窓に取り付けられた開閉センサ及び振動センサ、或いは、ロボットに搭載された音センサ等の異常検知用センサにより外部からの不審な侵入者を検知し、ロボットが異常検知現場に急行して現場の状況を利用者に知らせたり、不審者を見つけた場合には音声及び画像による人物確認、映像撮影、必要な連絡先への通報等を行ったりする。
図2に示すように、監視装置は、個別の監視対象に関する知識情報(個別監視知識)が登録されたデータベース(個別監視知識記憶部4)と、監視対象に関する一般的な知識情報(一般監視知識)が登録されたデータベース(一般監視知識記憶部5)という2つのデータベース手段を備えており、監視計画実行部3がこれらのデータベース内に記述されている知識情報を参照することで監視対象の異常を検知するための観測方法及び異常検知時の対処方法等を適宜自動生成する。そのため、利用者がこの監視装置を自宅に設置する際には、監視対象知識登録部6を介して窓及びドアの設置位置及び形態といった利用者の自宅に固有の情報を入力し、個別監視知識として個別監視知識記憶部4に登録すれば良い。
以下、監視装置における監視対象の登録作業、監視対象の登録に伴い監視装置が自動生成する監視作業のための情報、これらを用いた移動監視ロボットによる監視作業の具体例を示す。
<監視対象の登録>
利用者がこの発明に係る監視装置を自宅に設置する際には、監視対象である窓及びドアに関する情報のうち、利用者の自宅に固有の情報を個別監視知識記憶部4に登録する。具体的な登録情報には、次に示すようなものがある。
(1)監視対象(ドア及び窓)の名称。
監視対象であるドア及び窓の名称の登録は、原則的に自宅内にある全てのドア及び窓を、利用者が順次システムに登録していくものであり、それぞれのドア及び窓を特定するために用いる。名称の例としては、玄関ドア、勝手口ドア、リビング南側窓、リビング東側窓等がある。利用者の入力作業負担を軽減するため、予めシステムが用意している代表的な名称を擁したリストの中から利用者が適当なものを選択する等の方法が用意されている。
(2)監視対象(ドア及び窓)の位置情報
監視対象であるドア及び窓の位置情報の登録は、例えばその家屋を作ったハウスメーカーからCADデータの提供を受ける等、別の手段にて入手登録された自宅の間取りリスト(地図)からまず対象のドア及び窓がある部屋(区域)を選択し、その後、その部屋(区域)内におけるドア及び窓の設置位置、設置向きを入力する。入力方法は、キーボードからの数値入力または地図上でポインティングデバイス等を用いたGUI入力が用意されている。間取り情報は、階層構造で登録されており、各部屋(区域)の基準座標系は自宅全体の基準座標系上で、また各部屋(区域)内における各ドア、窓の位置、向きは、各部屋(区域)の基準座標系上で相対的に記述されている。
(3)監視対象(ドア及び窓)のタイプ情報
監視対象であるドア及び窓のタイプ情報の登録は、一般監視知識に基づいて、ドア及び窓のタイプ別型格(仕様)一覧リストが表示され、その中から該当するドア及び窓のタイプを選択することで行う。監視対象のクラス(ドアクラス及び窓クラス、或いは、より分解能の高いサブクラス)はこのタイプ情報によって決定される。
<監視対象の登録に伴いシステムが自動生成する監視作業のための情報>
利用者により、各監視対象であるドア及び窓を特定する名称、位置情報、タイプ情報が登録されると、これらの情報をキーとして、システムにより監視作業に必要な以下の情報が一般監視知識から抽出、或いは、生成される。
(4)監視作業場所設定情報
監視対象であるドア及び窓の位置情報、タイプ情報と、移動監視ロボットの仕様情報との組み合わせにより、監視ロボットが当該監視対象のドア及び窓を監視する際に、適切な監視作業が行える監視場所(移動先位置、向き)の情報が算出される。これらの監視場所情報は、監視対象の基準座標系上で記述される。
(5)監視作業時カメラ設定情報
監視作業場所設定情報と同様、監視対象のドア及び窓の位置情報、タイプ情報と、監視ロボットの仕様情報との組み合わせにより、移動監視ロボットが監視対象のドア及び窓を監視作業場所から監視する際に、適切な監視作業が行えるカメラアングル及びズーム値等の情報が算出される。
(6)監視種別情報
監視対象としてドア及び窓を選択したことにより、システムは監視種別を開閉監視と破損監視という防犯オプションに設定する。また、監視種別に応じた使用検知手段及び対処手段の情報を一般監視知識から取り出す。
(7)使用検知手段情報
システムは、一般監視知識に基づき、開閉監視のための検知手段として、当該監視対象のドア及び窓に取り付けられた開閉センサを選択する。ここで選択されるドア及び窓の開閉センサは、光及び磁力等を用いてドア及び窓の開閉を検知する簡易なものである。破損監視のための検知手段としては、当該監視対象のドア及び窓に取り付けられた振動センサ、および移動監視ロボットに搭載した音センサを選択する。その他、人間の屋内移動状況をチェックするための、各部屋を区切るドアのドアノブ操作が行われたことを検知するセンサも使われる。また、使用するセンサに合わせて、振動センサ及び音センサの出力から当該監視対象の窓及びドアが破損したかどうかを判定する判定処理プログラムを選択する。この判定処理プログラムは、毎回センサ出力とその時の事象を関連付けた事例を内部に蓄積し、判定処理部を常に改良更新しているため、過去の事例を数多く蓄積することにより、誤検知が少なくなるように工夫されている。さらに、移動監視ロボットに搭載されたカメラにより、監視場所の状況は画像として常に取り込まれるため、ドア及び窓の開閉状態及び鍵の開閉状態、窓ガラスの破損状態等を取得画像から判定するための判定処理プログラムも選択される。
(8)対処手段情報
監視装置は、一般監視知識に基づき、監視対象であるドア及び窓に異常が検知されたときの異常確認手段および異常対処手段を生成する。例えば、窓の破損が検知された場合は、移動監視ロボットが待機位置から監視作業場所へ急行し、搭載カメラを動かして当該窓の状況を確認するための映像を得るまでの移動経路生成及び作業動作手順生成を行ったり、窓の破損が確認された場合には、異常内容を状況に応じて外出先の利用者及び警備会社、警察等に通報する手順を生成したりする。
<監視装置の導入から監視装置の監視動作の終了までの処理>
図2及び図3に示した監視装置において、図10を参照して監視装置の導入から監視装置の監視動作の終了までの処理を説明する。
装置が起動すると(ステップS50)、始めにステップS51で個別監視知識が個別監視知識記憶部4に登録されているかが確認される。導入後の最初の起動であれば、警備対象となる利用者宅などの現場について装置はまだ何も知らない状態であり、現場固有の個別監視知識は、個別監視知識記憶部4に登録されていない。この場合、ステップS51から右に分岐してステップS52に至る遷移が自動的に行われる。
ステップS52では、利用者によって、現場情報に相当する個別監視知識が登録される。既に説明したように、個別監視知識としては、現場の地図(間取り、床材、障害物など)、そこに配置されている監視対象(そのクラスと位置)及びロボット11の初期位置が最低でも登録されなければならない(ステップS52−1,S52−2)。移動監視ロボット11に搭載されているセンサ及び能動装置は、既に個別監視知識の一部に登録されて出荷される。また、装置に付属して販売されるセンサ及び能動装置を現場に設置する場合には、それらのクラスは、既に個別監視知識の一部に登録されているので、その位置のみを登録するだけでよい。ロボット本体11、装置に付属していないセンサ及び能動装置を追加で現場に設置する場合には、そのクラスと位置を登録することが必要とされる(ステップS52−3,S52−4)。なお、追加されるセンサ及び能動装置のクラスに対応した一般監視知識が装置に登録されていない場合には、当該センサ及び能動装置に付属する記録媒体から、あるいは当該センサ及び能動装置の供給元のサイトからオンラインで、必要な一般監視知識の一部を装置にインストールすることができる。個別監視知識記憶部4へのこのような個別監視知識の登録が1回でも行われると、個別監視知識記憶部4に登録済みフラグが記録される。
次に、現場情報が個別監視知識記憶部4に登録されると、監視装置は、登録されている個別監視知識及び一般監視知識を用いて、現場を自律監視するためのプランを装置が作成する(ステップS53)。まず、装置は各監視対象をチェックするのに適したロボット11の態勢を割り出す。ここで、態勢とは、ロボットが当該監視対象の異常を確認するのに適した位置と姿勢、そのとき用いられるべきセンサとその感度設定などの調整要素のことを指している。これらの情報は、監視対象のクラスに応じて一般監視知識に記述されている当該監視対象クラスの監視体制決定メソッドを呼び出すことで計算できる。このメソッドは、間取り上の当該監視対象の位置と、装置が有しているセンサのリストから、間取り地図上のロボット11の行くべき位置ととるべき姿勢、そのときに活用されるセンサの選択とその感度及び指向性などの設定を決定する。通常、監視対象に対してロボット11がとるべき位置は、床面上のあるゾーンとして与えられる。このゾーンと間取り地図上でロボットが通行可能なフリースペースとのアンドが求められ、その重心がロボットの行くべき位置として決定される。位置が決まれば、監視対象との位置関係によってロボット11の姿勢が決まる。そして、同時にそのときの監視対象との距離関係と弁別したい異常の内容によってセンサの種類、感度及び指向性などの詳細が定まる(ステップS53−1)。
各監視対象についてロボット11の監視位置が決定されると、ロボットの初期位置から出発して全ての監視対象を最短距離で巡回する順番と地図上の巡回経路が計算される(ステップS53−2)。
巡回順と巡回経路が決定すると、ステップS54において巡回順の最初の監視対象が現在の監視対象に設定され、その監視対象に関する自律監視動作が開始される(ステップS55)。
ステップS55では、現在の監視対象の異常を確認するための監視位置まで、まずロボット11が自律移動する(ステップS55−1)。この移動の最中、ロボット11は、その搭載するセンサ(カメラや超音波センサなど)を駆使して地図に載っていない障害物などを避けながら(ステップS55−2)監視位置まで移動する。また、発見された障害物など、地図と食い違う部分については、これを都度地図に書き加えながら進んでいく(ステップS55−3)。監視位置に到着するとロボット11は、監視態勢として所定の姿勢をとるとともに、必要なセンサの設定を行って(ステップS55−4)、当該監視対象の異常を確認する(ステップS55−55)。
もし、このとき異常が発見された際には、ステップS56の下へ分岐してステップS57に至り、装置は必要な対処行動を一般監視知識から決定し(ステップS57−1)、これを実行する(ステップS57−2)。対処は、利用者への通報などの情報伝達のほかに能動装置を駆使して実行され、例えば、サイレン或いはフラッシュなどによる侵入者への威嚇、電磁弁などによるガスの遮断、換気扇の起動及びカメラ映像並びにマイク音声での記録などが実行される。
対処行動を発動した場合、装置は、その効果を確認する(ステップS58)。この確認は、異常を表すセンサ出力が減少あるいは消失することで確認できる。例えば、ガス漏れの場合、ガス濃度が減少に転じた場合には、対処行動としてのガス遮断は効果ありとみなされる。また、ガス濃度が完全に安全値に下がった場合には、事態が収集できたとみなして監視動作を継続する(ステップS59、S60)。逆に減少に転じなければ、漏れの個所はそこではないということになり深刻である。装置が行うことのできる応急処置が効果を表さない場合には、装置は、利用者にその旨通報するとともに、その指示を受けて警備保障会社や警察消防などに通報するなど、他の処置を行わなければならない(ステップS58の左分岐)。
1つの監視対象に対する上記ステップS55からステップS60までの処理は、1回の巡回において全ての監視対象を確認し終えるまで繰り返される。
尚、ステップS51の条件分岐は、個別監視知識の初回登録が行われたことを表す登録済みフラグが個別監視知識記憶部に記録されていなければ自動的に右分岐へ遷移する。また、当該フラグがある場合には、登録済みの個別監視知識に対して追加や変更を行うことを利用者が装置の操作入力手段(スイッチなど)を介して指令した場合のみ右分岐へ遷移する。既に初回登録が済んでいて、登録内容の変更が必要ない場合には、条件分岐は下分岐へ遷移して、ステップS52をスキップしてステップS53に至る。このとき、それまでの巡回において新たな障害物などが検出されて地図情報が更新されている場合に備えて、ステップS53において巡回経路の計算のみ(ステップS53−2)を再実行する。
以上のように、この発明の一実施の形態に係る監視装置によれば、監視装置の一般監視知識記憶部5に格納された一般監視知識の支援の基に個別性の強い個別監視知識が個別監視知識記憶部4に格納される。このような構成により、利用者が監視対象を指定すると、この指定に基づいて監視装置自身が当該監視対象を監視するための適切な監視方法を自動的に決定することができる。しかも、適切な監視方法には、監視態勢及び異常検知処理のアルゴリズム及び異常時の対処内容等があるが、これらを自動的に決定することができる。各監視対象を監視するための装置側の態勢、例えば、移動監視ロボットの位置及び姿勢、監視用カメラの姿勢及び光学系の状態(フォーカス、アイリス、ズーム等)、各種センサの感度及び異常判別閾値、有効な対処法等を利用者が自身の頭を悩ませながら事細かに設定する必要がなくなる。即ち、非専門家を含めた利用者が監視対象を指定すると、この指定に従って、監視装置自身が当該監視対象を監視するための適切な監視方法、即ち、監視態勢及び異常検知処理のアルゴリズム及び異常時の対処内容等を自動的に決定することができる。
次に、監視装置の実際の適用例及びその変形例を以下に説明する。
<移動監視ロボットによる監視作業の具体例>
監視装置により移動監視ロボットが利用者宅内の監視作業を行う場合には、利用者が在宅している時の監視モードである在宅モード及び利用者が外出している時の監視モードである不在モードの2つのモードがあり、状況に応じてモードが自動的に切り替わりながら監視作業が実施される。図11を参照して、状況に応じてモードが自動的に切り替わりながら監視作業が実施される警備、即ち、自律警備の処理の具体例を説明する。
自律警備が開始されると(ステップS70)、移動監視ロボット11は、ある待機場所で監視を開始する(ステップS71)。ステップS72において、自律警備が終了したかが確認され、終了である場合には、自律警備が終了される(ステップS73)。自律警備が終了でない場合には、ステップS74において、観測部1において異常が検知されたかが確認される。異常が検知されない場合には、移動監視ロボット11による巡回監視が開始される時刻に至ったかが確認される(ステップS75)。巡回監視が開始時刻でない場合には、再びステップS71に戻され、そのまま待機場所での監視に維持される。ステップS75において、巡回監視が実施される開始時刻に達すると、監視計画実行部3において、個別監視知識及び一般監視知識を基にして監視対象としてリストアップされた監視位置に至る移動経路が生成される(ステップS76)。移動監視ロボット11は、この移動経路に沿って監視対象としてリストアップされた監視位置に移動を開始する(ステップS77)。ステップS78において、この移動監視ロボット11の移動中に異常が検知されたかが確認される。異常が検知されない場合には、監視対象がモニタされ、その監視対象に異常があるかが自動的に判定される(ステップS80)。この自動判定で異常ありかが、ステップS80で確認される。このステップで異常がなければ、リストに次の監視対象があるかが確認される。(ステップS81)次の監視対象がある場合には、ステップS76に戻され、次の監視対象がない場合には、待機場所に移動監視ロボット11が戻され(ステップS82)、再びステップS71に示すように待機場所での監視が続行される。
ステップS74、S78で異常が検知されると、その異常が検知された監視対象が特定される(ステップS83)。監視ロボット11を特定された監視対象を監視する監視位置に移動させるために、監視位置に至る移動経路が生成される(ステップS84)。移動監視ロボット11は、この移動経路に沿ってこの監視位置に移動を開始する(ステップS85)。監視ロボット11が監視位置に到達すると、監視対象がモニタされ(ステップS86)、その監視対象の異常内容が自動的に判定される(ステップS87)。尚、ステップS80において、自動判定で異常ありの場合には、ステップ87において、監視対象の異常内容が自動的に判定される。
異常が検知された監視対象の特定において、固定センサが異常を検知した場合には、監視計画実行部3は、個別監視知識に含まれる地図情報を取得し、その地図情報を基にして異常発生場所を特定することとなる。また、監視ロボット11に搭載されたセンサが異常を検知した場合には、センサ信号から関連情報を監視計画実行部3が取得し、地図情報から異常が発生した場所を特定することとなる。一例として、ガラスが割れる音をステレオマイクが検出した場合には、その音源を定位して窓ガラスの方向を決定し、地図情報からその窓ガラスの位置を特定することとなる。監視対象として不審者が外部から侵入する恐れがあるドア及び窓が該当する場合には、監視対象であるドア及び窓の異常を検知する開閉センサ、振動センサ、或いは、監視ロボット11に搭載された音検知センサ、又は、TVカメラが観測機器として利用される。また、監視対象として不審者が室内をうろついていることを検知するための室内ドアが設定された場合には、家人不在時に室内ドアに取り付けられた観測機器である開閉センサの出力によって侵入者がいることが検知される。
監視ロボットが異常発生場所に移動する際には、監視計画実行部3は、監視ロボット11の現在位置を特定し、各種センサを利用して障害物を回避し、或いは、監視ロボット11自体の対処機構を利用して障害物を乗り越え、或いは、ドア等を通過して異常発生場所に移動することとなる。
異常内容が判定されると、監視ロボット11でその異常内容に対して対処可能かが判定される(ステップS88)。この判定は、監視計画実行部3で実行される。対処の一例としては、監視対象である室内ドアに観測手段である開閉センサに加えて対処手段であるドアノブ操作装置が設けられ、他の対処手段である移動監視ロボットからのリモコン信号を受けて自動的にドアノブが操作されて侵入者が室内に閉じこめられるようなことが想定される。また、観測手段が室内をうろついている不審者を発見した際には、対処手段である移動監視ロボットが現場に移動して、不審者に声をかけてその返答の音声及び映像を取得して人物を認証すると共に必要な連絡先への通報の処理を実行しても良い。
監視ロボット11でその異常内容に対して対処ができなければ、人手で対処が決定され(ステップS89)、その異常内容が通報される。人手による対処が決定されると、移動監視ロボット11は、待機場所に戻され(ステップS90)。ステップS88において、監視ロボット11でその異常内容に対して対処可能である場合には、監視ロボット11で対象可能な対処方法で自動的に対処が施され、或いは、人手による遠隔操作で監視ロボット11その他の対処手段が遠隔操作されてその異常内容に対処される(ステップS89)。この対処の状況は、モニタされ(ステップS90)、その映像が記録されるとともにそのモニタ映像が送信されるとともに対処結果が監視計画実行部3で判定される(ステップ91)。ステップS92において、対処が完了したかが確認される(ステップS92)。対処が完了していない場合には、ステップS89に戻される。対処が完了している場合には、待機場所に移動監視ロボット11が戻され(ステップS90)、再びステップS71に示すように待機場所での監視が続行される。
上述した自律警備においては、各モードに応じて下記のような事項が判断され、各種処理が実施される。
利用者が在宅している時の監視モードである在宅モードでは、移動監視ロボット11は、家の中の在宅時用監視箇所を定期的に巡回監視する(家人がいない部屋等を中心に監視)。センサ異常検知時にはアラーム音等で家人に異常を知らせるとともに、異常検知箇所への緊急出動を行う。
また、利用者が外出している時の監視モードである不在モードでは、移動監視ロボットは、家の中の不在時用監視箇所を定期的に巡回監視する(自宅全域を対象とし、侵入者の可能性がある場所を重点的に監視)。センサ異常検知時には異常検知箇所へ緊急出動して現場の状況を確認するための映像を取得するとともに、外出先の家人に通報する。また、外出先からの遠隔操作による監視及び対処を行う。
在宅モードと不在モードの切り替えは、利用者が外出時、帰宅時にロボットに働きかけることにより、ロボットが自動的に判断して行われる。在宅モード時、家人が玄関へ行ったことをドアノブ操作検知センサ等で検知すると、移動監視ロボット11は、そのたびに見送りのために玄関にかけつける。利用者が「行ってきます」と声をかけると、音声認識と顔画像処理により人物認証を行い、家人の誰が外出するのかを認識する。ロボットにあらかじめ登録されている家人全員が外出状態であると判断されると、玄関のドアが閉じて施錠されたことの検知と同時にロボットは監視モードを在宅モードから不在モードに切り替える。一方、家人の誰かが帰宅し、玄関の鍵を開けて入ってくると、ロボットはやはり玄関まで出迎える。利用者が「ただいま」と声をかけると、外出時同様、音声認識と顔画像処理により人物認証を行い、家人の誰が帰宅したのかを認識し、監視モードを在宅モードに切り替える。もし、ロボットに登録されている家人以外の人間が入ってきたと判断された場合は、後に述べる不審者対処法を実行する。なお、監視モードの切り替えは、家人全員の毎日のスケジュールをロボットが学習することにより、切り替えの妥当性を判断する判断材料に利用される。即ち、監視計画実行部3が家人全員の毎日のスケジュールを学習することにより、在宅監視モードと不在監視モードを自動的に切り替えることができ、また、監視計画実行部3では、この切り替えの妥当性が判断され、誤判断による監視モードの切り替えを防ぐことができることが好ましい。
監視モードが不在モード時にドアノブ操作検知センサが作動した場合には、不審者が屋内を移動している可能性があると判断され、ロボットは状況確認のために現場に急行する。なお、ドアノブ操作検知センサはドアノブ操作装置の機能も併せ持っており、ロボットが定期的に巡回監視をするときには、ロボットからリモコン信号を送出することにより、ロボットがドア部を通過するためのドアノブ操作が行える。
不在モード時の移動監視ロボットによる異常検知時対処手段としては、まず異常検知現場に自律移動により急行し、現場の状況を確認するための全体映像およびズームアップ映像を撮影する。取得した映像に基づいて、窓ガラスの破損及び窓の開閉状況等、異常内容の自動判断を試みるとともに、その結果と現場の映像を外出先の利用者に送信する。外出先の利用者は現場の映像を見て状況を判断し、遠隔操作でロボットを操縦して対処したり、必要に応じて警備会社及び警察等への通報を行ったりする。また、屋内で不審者が検知されたときは、ロボットが合成音声により声をかけて人物確認を行うとともに、その映像を撮影して外出先の利用者に送信し、外出先の利用者が、不審者に話しかけることも可能である。
次に、図13及び図14を参照して、監視装置を遠隔操作する際の処理について説明する。
ステップS101で遠隔操作が開始されると、遠隔地のユーザと監視装置との間の接続が確立されることとなる(ステップS102)。この状態において、異常が検知されたかが確認される(ステップS103)。このステップS103で異常が検知された場合には、その異常情報が利用者に送信される(ステップS104)。このステップS103で異常が検知されない場合には、遠隔地から利用者が通信系を介して所定の要求のリストからある要求を選択することとなる(ステップS105)。この利用者の選択した要求が監視ロボット11の状態を送信する要求であるかが確認される(ステップS106)。もし、ステップS106で送信要求であるならば、ステップS107で監視ロボット11のステータス情報が利用者に送信される。ステップS106及びS107に続いて、S108において、利用者の選択した要求に監視ロボット11に搭載されたカメラで撮影された映像データを送信する要求が含まれるかが確認される(ステップS110)。ステップS110において、要求に映像データを送信する要求が含まれている場合には、その監視ロボット11に搭載されたカメラで撮影された映像データが利用者に送信される(ステップS111)。続いて、ステップS112において、利用者の選択した要求に監視ロボット11が監視する室内に固定されたカメラからの映像データを送信する要求が含まれているかが確認される。ステップS113において、その固定カメラからの映像データを送信する要求が含まれている場合には、固定カメラで撮影された映像データが利用者に送信される(ステップS113)。また、ステップS114において、利用者の選択した要求に監視ロボット11を移動させる要求が含まれているかが確認される。監視ロボット11の移動要求があれば、ステップS115において、監視ロボット11が移動される。
この監視ロボット11の移動においては、監視計画実行部3では、監視ロボット11に対して次のような指示を与えている。監視対象(窓A、或いは、コンロB)のメニューが個別管理知識として用意されている場合には、そのメニューが利用者に与えられ、そのメニュー上での利用者選択に従って、監視計画実行部3は、監視ロボット11に対して移動指示、例えば、窓A、或いは、コンロBを監視する地点への移動指示を与えている。移動先(台所、リビング)に関するメニューが個別管理知識として用意されている場合には、監視計画実行部3は、監視ロボット11に対して移動先の指示を与え、地図が個別管理知識として用意されている場合には、監視計画実行部3は、その地図上で利用者が指定した地点に監視ロボット11を移動させる指示を与え、或いは、利用者が監視ロボット11の移動量(例えば、前進1m、右回転90度)を設定した場合には、監視計画実行部3は、その移動量だけ監視ロボット11を移動させる指示を与えることとなる。
ステップS116及びS117が終了すると、遠隔操作が終了かが確認される。遠隔操作の終了でない場合には、ステップS105に戻され、利用者の選択した要求が全てチェックされる。遠隔操作の終了である場合には、ステップS119において、利用者と監視装置との間の接続を切断する為の処理が実行される(ステップS119)。その後、ステップS120において、遠隔操作の処理が終了される。
(防災用途への適用例)
次に、本実施例装置を一般家庭における火災対応に適用した例を示す。
図15には、監視装置を防災用途に適用した場合における処理を示している。また、図16には、監視装置を防災用途に適用する監視装置の機器構成例を示している。
図16に示されるように、監視装置は、移動監視ロボット11、家屋に設置されている感知センサ30、対処手段2及び基地ユニット12に相当するホームサーバから構成されている。移動監視ロボット11は、移動監視ロボット11が監視すべき室内の監視対象物を撮影する為の監視カメラ11A、移動監視ロボット11外の監視対象物に関する異常を検知する為の感知センサ11B、その内部に設けられ、移動監視ロボット11Cの状態を検出する内界センサ11C及び移動監視ロボット11を移動させる為の移動手段11Fを具備している。この移動監視ロボット11は、ホームサーバ12との間でデータを転送する為の通信手段11Dを備え、この通信手段11Dによってホームサーバ12との間でローカルエアリアネットワークを構築している。また、この移動監視ロボット11は、インターネット40等に接続する為の通信手段11Eを備え、この通信手段11Eを介して公衆回線に接続されている。更に、ホームサーバ12は、一般の公衆回線網42に接続されている。利用者は、携帯電話41、インターネット40及び公衆回線網42を介してホームサーバ12及び移動監視ロボット11にアクセス可能に構成されている。
図16に示す防災用途に適用する監視装置においては、稼動モードとして登録モード、待機&巡回モード、通報&確認モード及び対処モードが用意されている。このような監視装置において、監視が開始されると(ステップS120)、始めに、移動監視ロボット11は、待機モードの維持される(ステップS131)。次に、ステップS132において、利用者から巡回の指示があったか、或いは、巡回時刻になったかが確認される。巡回指示がなく、また、巡回時刻に達していない場合には、移動監視ロボット11は、その待機位置で異常を検知する状態に維持される。ステップS133において、待機位置で異常が検知されなければ、再びステップS131に戻される。また、ステップS133において、異常が検知されれば、ステップS137における通報及び確認モードに移行される。
ステップS132において、巡回指示があり、或いは、巡回時刻に達すると、巡回モードに設定される(ステップS134)。この巡回モードで監視ロボット11が巡回を開始し、巡回中に異常が検知されたかが判定される(ステップS135)。異常の検知がなければ、ステップS136で巡回が終了しているかが確認される(ステップS136)。巡回が終了されていない場合には、ステップS134に戻される。巡回が終了していれば、ステップS131の待機モードに戻される。ステップS135において、異常の検知があれば、ステップS137における通報及び確認モードに移行される。
ステップS137における通報及び確認モードでは、通信手段11Dを介して、或いは、通信手段11D及びインターネット40を介して異常がホームサーバ12に通報され、ホームサーバ12は、その異常を確認するように移動監視ロボット11を指示することとなる。また、通信手段11Eを介して利用者の携帯電話41に異常が通報され、利用者は、その異常に応じて公衆回線網42を介してホームサーバに問い合わせを出し、必要な指示をホームサーバ12に与えることとなる。この指示に従って、ホームサーバ12は、移動監視ロボット11或いは他の処置手段に適切な処置をさせることとなる。
ステップS137の通報及び確認モードに続いて、ステップS138において、利用者或いはホームサーバ12から対処の指示があったか、或いは、対処可能と判断されたかが確認される(ステップS138)。対処するまでもない異常でその指示をしなかった場合、或いは、その異常に対しては監視装置では、対処不能と判断して利用者が警備者(警察官或いは消防士を含む。)に通報したような場合には、ステップS131の待機モードに戻される。
ステップS138において、利用者或いはホームサーバ12から対処の指示があり、或いは、監視装置における対処手段2で対処可能と判断された場合には、対処モードが設定されて対処が実行される(ステップS139)。ステップS140において、実行された対処が終了したかが確認され、終了していない場合には、ステップS139に戻される。対処が終了した場合には、ステップS131の待機モードに復帰される。
<防災用途における登録モード>
利用者は、既に説明したように監視知識登録部6を用いて、個別監視知識記憶部4へ監視対象情報を登録する。防災に関する監視対象の例としては、火災の原因となるコンロ、ストーブ、アイロン、コンセント周り等、ガス漏れ及び不完全燃焼による一酸化ガス等によるガス中毒の原因となるガス給湯器、ガスコンロ、ストーブ、水漏れの原因となる風呂、洗濯機等多岐にわたる。
コンロを監視対象として登録する場合には、コンロの名称、種別、メーカ、型番、設置場所、その他特徴等を表す監視対象情報を登録する。設置場所の登録方法としては、間取り図上から入力する方法、移動監視ロボットを予め決められた基準位置(例えば充電ステーション等)から操作し設置場所へ移動、カメラ方向を向けさせることによる入力方法がある。その際、移動監視ロボットは、自信の持つセンサを用い、自己位置を認識し、カメラ方向を用いてコンロの位置を推定、自身の持つマップにコンロの設置場所を記録する。コンロの種別、および付加情報は、予め移動監視ロボットの持つ一般監視知識記憶部もしくはインターネット40上にある一般監視知識記憶部より、“コンロ”を選択し、一般的なコンロに関する情報(観測方法:カメラ、熱センサ、煙センサ、対処方法:消火)といった情報を、本監視対象の情報として、個別監視知識記憶部4に登録する。以上のようにし、監視して欲しい監視対象を登録する。
<待機&巡回モード>
登録終了後、移動監視ロボットを所定位置(例えば充電ステーション)に置く。移動監視ロボットは、登録された監視対象の情報、ロボットの内部情報(バッテリー残量等)、利用者からの指示、ロボット自身の持つセンサ情報、家庭内に設置されているセンサからの情報に基づき、監視すべき場所、監視すべき頻度、監視時間を考慮し、巡回経路を生成し、移動監視ロボットの行動計画を作成する。
移動監視ロボットの行動としては、移動せずにロボット自体の持つ各種感知センサ及びカメラと、家屋に設置されている固定センサの状態を監視する待機モードと、巡回移動をしながら、ロボット自体の持つ各種感知センサ及びカメラと、家屋に設置されている固定センサの状態を監視する巡回モードとがある。
作成された行動計画に基づき、移動監視ロボットは行動する。待機&巡回モードでは、移動監視ロボットは、それ自身のもつ各種感知センサの異常検知(例えば、温度センサによる周囲温度の上昇、煙センサによる煙の検出、ガスセンサによるガスの検出)、もしくは予め家屋内に設置されている既設センサ(温度センサ、煙センサ、ガス漏れセンサ等)の異常検出時に、無線通信もしくは既設センサからの警報音から、移動監視ロボットが異常の種類、場所を判別する。異常が検知された場合には、通報&確認モードに移行する。
<通報&確認モード>
検知された異常の種類により、一般監視知識記憶部5もしくは個別監視知識記憶部4の対応表により対応を変える。例えば緊急度の高いセンサによる検知の場合は、すぐに通報処理を行う。通報処理としては、移動監視ロボットから直接もしくは別途設けられたサーバを用いて、利用者、警備会社、消防署に通報処理を行う。緊急度の低いセンサ及び誤報の多いセンサであれば、すぐに通報処理をせず、確認処理を行う。確認処理は、ロボット自身、利用者の指示、警備会社の指示により、異常発生箇所へ移動もしくは異常発生箇所へカメラを向ける処理をし、異常内容の映像・音を取得する。そして、映像・音からロボットが判断、もしくは映像・音を利用者ないしは警備会社に転送し、利用者ないし警備会社が異常発生内容を判断する。そして判断結果に応じて、通報処理もしくは対処モードへ移行する。
<対処モード>
異常内容が移動監視ロボットによって対処可能なものの場合、移動監視ロボット自体によってもしく家屋内の機器を操作することによって対処する。移動監視ロボット自体によって対処可能な例としては、火災を検知した場合、高熱部に向け消火剤を散布する(ロボットが対処手段として消火器を備えている場合)、等がある。家屋の機器を操作することによって対処可能な例としては、ガスを検知した場合ガス栓遮断器を作動する、煙を検知したならば換気扇を回す、等がある。
(見守り用途への適用例)
次に、監視装置を一般家庭における高齢者及び乳幼児の見守り用途に適用した例を示す。
(見守り対象となるクラス)
見守り用途における監視対象は、健康を損ねている病人及び、認知・判断・運動能力に衰えの現れた高齢者及び、目の離せない乳幼児の安全を守ることである。そこで、本適用例では、監視対象を次の6クラスに分け、必要な監視を実行する。
(1) 病人:病気のため、見守りが必要になっている家人。
基本的に寝室等の一定場所に居ることが多いが、屋内を自由に移動するため所在把握が必要であり、本人を識別追跡するための画像処理、音声処理、或いは、無線タグの携行等が必要になる。
(2) 寝たきり老人:加齢のため、体が不自由でベッド等に寝たきりになっている高齢者。寝室のベッド等の一定場所に居るので本人を識別追跡する必要はない。
(3) 痴呆老人:加齢のため記憶力及び判断力に障害のある高齢者。
基本的に居室等の一定場所に居ることが多いが、屋内を自由に移動するため所在把握が必要であり、本人を識別追跡するための画像処理及び音声処理及び、或いは、無線タグの携行等が必要になる。
(4) 寝たきり痴呆老人:体が不自由でベッド等に寝たきりになっており、かつ記憶力及び判断力に障害のある高齢者。
寝室のベッド等の一定場所に居るので本人を識別追跡する必要はない。
(5) 幼児:自力で移動できるが、まだ十分に判断力及び体力が備わっていない幼児。
基本的に子供部屋等の一定場所に居ることが多いが、屋内を自由に移動するため所在把握が必要であり、本人を識別追跡するための画像処理及び音声処理及び、或いは、無線タグの携行等が必要になる。
(6) 乳児:自力で移動することのできない乳児。
ベビーベッド等の一定場所に居るので本人を識別追跡する必要はない。
(監視タスクとサブタスク)
装置が行わなければ成らない監視タスクは、次の2つ(所在把握タスク及び異常検知タスク)から成り立っており、さらに幾つかのサブタスクに分割される。
所在把握タスク
自由に移動できる監視対象クラスに対して実施されるタスクであり、熱源反応による及びドア開閉センサによる人物移動の把握と、それに次ぐ音声認識及び顔画像認識等による個人識別、或いは、携行される無線タグによる所在把握により遂行される。
異常検知タスク
監視対象に危険が及んでいないかを監視するタスクであり、次ぎにサブタスク(活動検知、危険行動検知、危険兆候検知)から成っている。
活動検知
あらゆるクラスに対して実施されるサブタスクであり、画像処理による呼吸有無及び体動有無の認識、音声認識による発声有無の認識により遂行される。
危険行動検知
痴呆老人と幼児を専ら対象として実施されるサブタスクであり、所在情報に基づいて、高温部への近接、高所への移動、2階以上の窓からの乗り出し等の危険行動を認識する。
危険兆候検知
あらゆるクラスに対して実施されるサブタスクであり、専ら音声認識処理により、悲鳴、うめき声、泣き声を検知して、何らかの危機にあることを認識する。
(対処)
異常検知タスクが何らかの異常(無活動、危険行動、危険兆候)を検知した場合、監視装置は、まず、監視対象に音声により呼びかけて反応を探ったり、危険行動を止めるよう進言したりする。所定時間経過しても状況が改善しない場合や、明らかに災害及び侵入者が認められた場合には、より強い対処として警報音の発生及び外出中の利用者への通報、状況の記録等を行う。
(その他の支援)
なお、監視装置は特に高齢者に対して、見守りサービスを行うだけでなく、例えば、時事情報のインターネットから取得して話題提供をしつつ、高齢者と雑談してもよい。或いは、家屋内の各種家電機器及び情報機器を高齢者が利用し易いように、これをアシストしてもよい。
(変形実施例)
なお、この発明に係る監視装置は上記に例示した実施形態に限定されず、その趣旨を逸脱しない限り様々に変形して実施することが可能である。
例えば、前記個別監視知識記憶部4及び前記一般監視知識記憶部5を、装置本体から着脱自在な記録媒体として実現することも可能である。
監視対象に対してその監視方法を決定するまでの通常の過程を示す説明図である。 この発明の一実施の形態に係る監視装置の機能をブロックで示す機能ブロック図である。 図2に示される監視装置における機器の構成の例を概略的に示す説明図である。 図2に示される監視装置における個別監視知識と一般監視知識との関係の一例を階層構造で示す概念図である。 図2に示される監視装置における個別監視知識、一般監視知識及び異常検知情報の内訳を示す説明図である。 図2に示される監視装置における概略の処理を示すフローチャートである。 図2に示される監視装置における監視対象を登録する処理の流れを示すフローチャートである。 図2に示される監視装置の個別監視記憶部に格納される間取り図の例を概略的に示す設計図である。 図2に示される監視装置における監視対象を登録する場合の他の処理の流れを示すフローチャートである。 図2に示される監視装置における監視装置の導入から監視装置の監視動作の終了までの処理を説明する為のフローチャートである。 図2に示される監視装置を防犯に適用した事例における自律警備時の処理の流れを示すフローチャートである。 図2に示される監視装置を防犯に適用した事例における自律警備時の処理の流れを示すフローチャートである。 図2に示される監視装置を防犯に適用した事例における遠隔操作時の処理の流れを示すフローチャートである。 図2に示される監視装置を防犯に適用した事例に遠隔操作時の処理の流れを示すフローチャートである。 図2に示される監視装置を防犯に適用した事例における処理の流れを示したフローチャートである。 図2に示される監視装置を防犯に適用した事例における機器構成の例を示すブロック図である。
符号の説明
1...観測部
2...対処部
3...監視計画実行部
4...個別監視知識記憶部
5...一般監視知識記憶部
6...監視知識登録部
11...移動監視ロボット
12...基地ユニット
13...充電ユニット

Claims (4)

  1. ある区域内の各種監視対象の異常状態を個別に監視し、この区域内監視対象の異常状態に応じて所定の対処を実行する、移動ロボットを有する監視装置であって、
    前記監視装置は、
    前記区域内または前記移動ロボットに設けられ、種別コードが与えられた種々の監視対象を監視可能な観測機器を有し、前記監視対象の異常の有無と種別を含む観測情報を出力する観測手段と、
    前記区域内または前記ロボットに設けられた種別コードが与えられた能動装置を有し、前記観測情報に基づいて対処を実施する対処手段と、
    前記監視対象と、前記種別コード、と前記監視対象、前記観測機器および前記能動装置の所在を表す情報を記憶する個別監視知識記憶手段と、
    前記種別コード及び前記所在を前記個別監視知識記憶手段へ登録する監視対象知識登録手段と、
    プログラムサブルーチンであるプロシージャを記憶する記憶手段であって、前記監視対象の監視態勢を決定して実現するための監視態勢プロシージャと、前記監視対象の異常を検知するための異常検知プロシージャと、異常状態を検知した際に対処行動を決定して実行するための対処行動プロシージャとを、前記種別コード毎記憶する一般監視知識記憶手段と、
    前記監視対象を監視するために、前記監視態勢を決定し、決定された前記監視態勢に基づいて前記観測手段に指令し、前記監視態勢実現後に前記観測手段を用いて前記監視対象の異常を検査し、検査の結果異常を検知した場合に前記対処行動を決定し、決定された前記対処行動に基づいて前記対処手段に指令する監視計画実行手段と、を有し
    前記監視姿勢は、前記移動ロボットの位置及び姿勢の情報と、前記観測機器の設定情報と、前記移動ロボットに設けられた観測機器の異常判別閾値とを有し、
    前記監視計画実行手段は、前記種別コードに対応した前記監視態勢プロシージャを実行して前記監視対象の所在に応じた監視態勢を決定し、前記監視態勢実現後に前記種別コードに対応した前記異常検知プロシージャを実行して前記観測手段に前記監視対象の異常を検査させ、検査の結果異常を検出した場合に前記種別コードに対応した前記対処行動プロシージャを実行して前記対処手段に対処させるために設けられている
    ことを特徴とする監視装置。
  2. 前記監視対象知識登録手段は、前記監視対象の所在を表す情報を画面表示上の座標を指定し、前記監視対象の種別コードを予め定められた選択肢の中から1つを選択することで利用者が入力できる入力手段を含むことを特徴とする請求項1記載の監視装置。
  3. 前記監視対象登録手段は、前記種別コード毎に、前記監視態勢プロシージャ、前記異常状態プロシージャ及び前記対処行動プロシージャを入力することを特徴とする請求項1または2に記載の監視装置。
  4. ある区域内の各種監視対象の異常状態を個別に監視し、この区域内監視対象の異常状態に応じて所定の対処を実行する、移動ロボットを有する監視装置であって、
    前記監視装置は、
    前記区域内または前記移動ロボットに設けられ、種別コードが与えられた種々の監視対象を監視可能な観測機器を有し、前記監視対象の異常の有無と種別を含む観測情報を出力する観測手段と、
    前記区域内または前記ロボットに設けられた種別コードと前記観測情報に基づいて対処を実施する対処手段と、
    前記監視対象と、前記種別コード、と前記監視対象および前記観測機器の所在を表す情報を記憶する個別監視知識記憶手段と、
    前記種別コード及び前記所在を前記個別監視知識記憶手段へ登録する監視対象知識登録手段と、
    前記監視対象の監視態勢を決定して実現するための監視態勢プロシージャと、前記監視対象の異常を検知するための異常検知プロシージャと、異常状態を検知した際に対処行動を決定して実行するための対処行動プロシージャとを、前記種別コード毎記憶する一般監視知識記憶手段と、
    前記監視対象を監視するために、前記監視態勢を決定し、決定された前記監視態勢に基づいて前記観測手段に指令し、前記監視態勢実現後に前記観測手段を用いて前記監視対象の異常を検査し、検査の結果異常を検知した場合に前記対処行動を決定し、決定された前記対処行動に基づいて前記対処手段に指令する監視計画実行手段と、を有し
    前記監視姿勢は、前記移動ロボットの位置及び姿勢の情報と、前記観測機器の設定情報と、前記移動ロボットに設けられた観測機器の異常判別閾値とを有し、
    前記監視計画実行手段は、前記種別コードに対応した前記監視態勢プロシージャを実行して前記監視対象の所在に応じた監視態勢を決定し、前記監視態勢実現後に前記種別コードに対応した前記異常検知プロシージャを実行して前記観測手段に前記監視対象の異常を検査させ、検査の結果異常を検出した場合に前記種別コードに対応した前記対処行動プロシージャを実行して前記対処手段に対処させるために設けられている
    ことを特徴とする監視装置。
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