JP2007232958A - 明室用反射型スクリーン - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂製の干渉反射膜を用いながら、反射光の色ムラの少ない反射型スクリーンを提供する。
【解決手段】三原色に対応する予め定めた第1、第2および第3の波長帯域のうち、第1および第2の波長帯域の光を反射し、それを除いた可視光を透過する第2の膜10と、第2の膜10を透過した可視光のうち、第3の波長帯域光を透過し、それを除いた光を吸収する第1の膜12と、第1の膜12が透過した第3の波長帯域光を反射する反射膜11とを備える。これにより、第1および第2の波長を光学多層膜である第2の膜10で反射するが、第3の波長光は、反射膜11で反射でき、しかも、不要な外光は、第1の膜で吸収できる。よって、少ない枚数の光学多層膜で高コントラストの反射型スクリーンを実現できる。
【選択図】図1
【解決手段】三原色に対応する予め定めた第1、第2および第3の波長帯域のうち、第1および第2の波長帯域の光を反射し、それを除いた可視光を透過する第2の膜10と、第2の膜10を透過した可視光のうち、第3の波長帯域光を透過し、それを除いた光を吸収する第1の膜12と、第1の膜12が透過した第3の波長帯域光を反射する反射膜11とを備える。これにより、第1および第2の波長を光学多層膜である第2の膜10で反射するが、第3の波長光は、反射膜11で反射でき、しかも、不要な外光は、第1の膜で吸収できる。よって、少ない枚数の光学多層膜で高コントラストの反射型スクリーンを実現できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、反射型スクリーンに関し、特に、明室においてプロジェクタから投影された映像を反射して映し出すことのできるプロジェクタ用反射型スクリーンに関する。
プロジェクタから投影されたカラー映像を反射して映し出すプロジェクタ用反射型スクリーンとして、光吸収性を有する基材上に、青色光を選択反射する干渉反射膜と、赤色光を選択反射する干渉反射膜と、緑色光を選択反射する干渉反射膜とを重ねて配置し、その上に光拡散層を配置した構成のものが特許文献1に開示されている。この反射型スクリーンは、プロジェクタから投影される三原色光のみを反射し、それ以外の光を透過して基材に吸収させることができるため、映写環境にかかわらず高コントラストの映像を表示できる。
この特許文献1では、青、緑、赤の干渉反射膜として、熱可塑性樹脂からなる高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層した光学多層膜を用いている。干渉反射膜としては、無機材料からなる高屈折率層と低屈折率層をスパッタリング法や蒸着法等の気相成長法により積層したものも知られているが、熱可塑性樹脂からなる光学多層膜は、無機材料の光学多層膜よりも可撓性に優れ、しかも、安価に製造できる。このため、熱可塑性樹脂からなる干渉反射膜を反射型スクリーンに用いることにより、丸めて収納した場合であっても光学多層膜は傷つきにくく、しかも、製造コストを低減することができる。
上記特許文献1には、熱可塑性樹脂からなる干渉反射膜の製造方法が記載されている。すなわち、屈折率の異なる2種類の熱可塑性樹脂A,Bをそれぞれ加熱溶融し、溶融状態の樹脂を多層に押し出して積層体とし、これを拡幅してフィルム状にした後一旦冷却してキャスティングフィルムとする。その後、キャスティングフィルムを二軸延伸することにより、各層が所望の厚さの干渉反射膜を得ることができる。
特開2005−352237号公報
熱可塑性樹脂からなる干渉反射膜は、無機材料の干渉反射膜と比較して、可撓性に優れ、低コストで製造できるというメリットがあるが、溶融樹脂を多層に押し出した後延伸するという製造方法(多層押し出し延伸法)を用いるため、面内で厚みムラが生じやすい。干渉反射膜の反射波長は、高屈折率層および低屈折率層の厚みによって決まるため、厚みムラが生じると反射波長のムラが生じる。
本発明の目的は、樹脂製の光学多層膜を用いながら、反射光の色ムラの少ない反射型スクリーンを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明によれば、以下のような反射型スクリーンが提供される。すなわち、光反射膜の上に、順に積層された第1、第2の膜を備えた反射型スクリーンであり、第2の膜は、2種以上の樹脂層を積層した光学多層膜であって、三原色に対応する予め定めた第1、第2および第3の波長帯域のうちの第1および第2の波長帯域の光を反射し、それを除いた可視光を透過する性質を有し、第1の膜は、第3の波長帯域の光を透過し、それを除いた可視光を吸収する性質を有する。これにより、三原色のうち第1および第2の波長を光学多層膜である第2の膜で反射し、第3の波長の光を、反射膜で反射することができる。また、第1の膜により、第2の膜を透過した三原色以外の波長の可視光を吸収することができる。よって、少ない枚数の光学多層膜を用いる構成ありながら、三原色を反射し、不要な外光等の可視光を吸収できるため、光学多層膜に起因する反射光の色ムラを低減できる。
上述の光学多層膜は、第1の波長帯域の光を反射する干渉反射膜と、第2の波長帯域の光を反射する干渉反射膜とを積層した構成にすることができる。また、上述の第1の膜としては、第3の波長帯域光を除く可視光を吸収する染料や顔料などの色材を樹脂に分散したフィルタを用いることが可能である。上述の第3の波長帯域は、赤色波長帯域とすることができる。
また、本発明の別の態様によれば、以下のような反射型スクリーンが提供される。すなわち、三原色に対応する予め定めた第1、第2および第3の波長帯域のうち、第1および第2の波長帯域の光を反射し、それを除いた可視光を透過する第2の膜と、第2の膜を透過した可視光のうち、第3の波長帯域光を透過し、それを除いた光を吸収する第1の膜と、第1の膜が透過した第3の波長帯域光を反射する反射膜とを備える反射型スクリーンである。
上記反射膜、第1および第2の膜は、反射膜、第1の膜、第2の膜の順に積層することができ、第2の膜は2種以上の樹脂を積層した光学多層膜を用いることができる。また、上記第2の膜は、第1の波長帯域の光を反射する干渉反射膜と、第2の波長帯域の光を反射する干渉反射膜とを含む構成にすることができる。上記第1の膜としては、第3の波長帯域光を除く可視光を吸収する染料や顔料などの色材を樹脂に分散したフィルタを用いることができる。
本発明によれば、三原色に対応する3つの波長帯域光のうちの1つは、反射膜によって反射されるため、3つの波長帯域光のうちの2つのみを光学多層膜で反射すればよく、樹脂製の光学多層膜の枚数を低減できる。よって、反射光の色ムラの少ない反射型スクリーンを提供することができる。
本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
まず、図1を用いて、本実施の形態の反射型スクリーンの構成を説明する。図1のように、反射型スクリーンは、反射フィルム11の上に、赤色フィルタ12と、干渉反射膜10とを積層した構成である。干渉反射膜10の上には、必要に応じて拡散層15や不図示の保護層を配置する。
まず、図1を用いて、本実施の形態の反射型スクリーンの構成を説明する。図1のように、反射型スクリーンは、反射フィルム11の上に、赤色フィルタ12と、干渉反射膜10とを積層した構成である。干渉反射膜10の上には、必要に応じて拡散層15や不図示の保護層を配置する。
赤色フィルタ12は、波長600nm未満の光を吸収し、600nm以上の光を透過する性質を有する。赤色フィルタ12の製法としては、樹脂に色材を混合し、この樹脂を、コーティング等の方法によりプラスチックフィルムや後述の反射フィルム上に塗布して成膜する方法や、樹脂そのものをフィルム上に成形する方法を用いることができる。例えば、コーティングの場合は、有機溶剤あるいは水等の溶媒に可溶な樹脂と色材を混合して塗料化し、これをワイヤーバー等を利用して所定の膜厚に塗布・乾燥する。また、耐水・耐溶剤性を出すために熱硬化性樹脂等を利用することも可能である。
また、色材と混合する樹脂として粘接着性のあるものを用いることにより、赤色フィルタ12自体に粘接着性を持たせることができ、積層する干渉反射膜10を赤色フィルタ12自体の粘接着性により貼り合わせることも可能である。
色材としては、染料や顔料を使用することができる。また、2種類以上の色材を混合して使用することが可能である。ただし、いずれの場合でも可視光透過率が重要である。赤色フィルタ12の場合は、600nm以下の波長では透過率が20%以下、好ましくは10%以下、600nm以上の波長では透過率60%以上、好ましくは70%以上であることが、映像のコントラストを引き出す上で重要となる。透過率の変化する付近では、透過率の変化が急峻であるものが好ましい。例えば、600±30nmの範囲で透過率が20%以下から透過率60%以上へ変化する特性を持つことが好ましい。
また、色材と混合する樹脂として粘接着性のあるものを用いることにより、赤色フィルタ12自体に粘接着性を持たせることができ、積層する干渉反射膜10を赤色フィルタ12自体の粘接着性により貼り合わせることも可能である。
色材としては、染料や顔料を使用することができる。また、2種類以上の色材を混合して使用することが可能である。ただし、いずれの場合でも可視光透過率が重要である。赤色フィルタ12の場合は、600nm以下の波長では透過率が20%以下、好ましくは10%以下、600nm以上の波長では透過率60%以上、好ましくは70%以上であることが、映像のコントラストを引き出す上で重要となる。透過率の変化する付近では、透過率の変化が急峻であるものが好ましい。例えば、600±30nmの範囲で透過率が20%以下から透過率60%以上へ変化する特性を持つことが好ましい。
干渉反射膜10は、緑色光と青色光を反射し、他の可視波長光を透過する性質を有する。干渉反射膜10は、熱可塑性樹脂からなる多層干渉反射膜であり、高屈折率樹脂層と低屈折率樹脂層とを交互に多層に積層した光学多層膜である。本実施の形態では、干渉反射膜10は、緑色干渉反射膜13と、青色干渉反射膜14とを積層した2層構造である。緑色干渉反射膜13および青色干渉反射膜14は、それぞれが高屈折率樹脂層と低屈折率樹脂層とを交互に多層に積層した光学多層膜であり、高屈折率樹脂層および低屈折率樹脂層の屈折率ならびに膜厚を所定の値に設計することにより、反射波長帯域を所望の緑色帯域光(波長550nm近辺)および青色帯域光(波長450nm近辺)となるように設計されている。また、緑色干渉反射膜13および青色干渉反射膜14は、いずれも公知の多層押し出し延伸法により製造されたものである。多層押し出し延伸法は、特開2005−352237号公報等に記載されている。
反射フィルム11は、基材フィルム上に少なくとも反射層を備えた構成である。反射層は、例えばアルミニウムや銀等の金属箔の貼り合わせや、蒸着等の気相成長法を用いて設けることができる。反射層の厚みは、特に制限はないが、可撓性や反射率、価格を考慮して設計する。反射層の材質は、アルミニウムや銀が好ましく、特に銀は反射率が高い点で好ましい。基材フィルムは、可撓性があるものを使用することにより、ロールスクリーン等への適用性が向上するので望ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリレート、ポリビニルクロライド、ポリビニリデンクロライド等のプラスチックフィルムを使用することができる。
このような構成の反射型スクリーンを明室中に配置して、プロジェクタからカラー映像を構成する青・緑・赤の三原色光を拡散層15側から照射した場合、反射型スクリーンには、プロジェクタからの三原色光と外光とが入射する。入射光のうち、所定の青色帯域光は、青色干渉反射膜14で反射される。青色帯域光以外の光は、青色干渉反射膜14を透過する。透過光のうちの所定の緑色帯域光は、緑色干渉反射膜13で反射される。緑色干渉反射膜13を透過した光は、赤色フィルタ12に到達する。
赤色フィルタ12は、所定の赤色帯域(ここでは波長600nm以上)の光を透過し、それ以外の光(波長600nm未満)を吸収する性質を有するので、三原色光のうち赤色帯域光を透過するとともに、緑色および青色干渉反射膜14,13を透過してきた波長600nm未満の光、特に可視光の400〜600nmの不要な外光を吸収する。赤色フィルタ12を透過した赤色帯域光は、反射フィルム11で反射され、再び赤色フィルタ12を透過し、緑色および青色多層干渉反射膜13,14も透過する。
このように、プロジェクタから照射された三原色光のうち、青色光は青色干渉反射膜14で、緑色光は緑色干渉反射膜13で、赤色光は、反射フィルム11でそれぞれ反射された後、いずれも拡散層15で拡散されて出射される。これにより、プロジェクタからの映像を投影することができる。一方、外光を構成する波長のほとんど(三原色波長以外)は、赤色フィルタ12により吸収され、反射されないため、スクリーンが明室に配置されている場合であっても高コントラストの映像を表示できる。
本実施の形態の反射型スクリーンは、干渉反射膜10が青色干渉反射膜14と緑色干渉反射膜13の2枚で構成されるため、青、緑、赤の3枚の干渉反射膜を積層する従来の反射型スクリーンと比較して、干渉反射膜の厚みムラに起因する反射型スクリーンの色ムラを低減することができる。
赤色フィルタ12は、上述したように染料や顔料などの色材で、所定の赤色帯域を除いた可視光を吸収する。このため、色材を樹脂中に混合し、上述したようにコーティング法等で赤色フィルタ12を製造することができる。赤色フィルタ12の好ましい厚みは、色材の含有量によって透過率が異なるため、一概にはいえないが、所望の分光透過率となるように1〜50μm程度とすることが好ましい。このように、本実施の形態では赤色フィルタ12を用いることにより、マイクロメートルオーダーでの厚さ制御が可能となるため、ナノメートルオーダーで厚さ制御が必要な干渉反射膜と比較して非常に製造しやすく、色ムラも発生しない。
赤色フィルタ12は、上述したように染料や顔料などの色材で、所定の赤色帯域を除いた可視光を吸収する。このため、色材を樹脂中に混合し、上述したようにコーティング法等で赤色フィルタ12を製造することができる。赤色フィルタ12の好ましい厚みは、色材の含有量によって透過率が異なるため、一概にはいえないが、所望の分光透過率となるように1〜50μm程度とすることが好ましい。このように、本実施の形態では赤色フィルタ12を用いることにより、マイクロメートルオーダーでの厚さ制御が可能となるため、ナノメートルオーダーで厚さ制御が必要な干渉反射膜と比較して非常に製造しやすく、色ムラも発生しない。
しかも、本実施の形態の反射型スクリーンは、2枚の干渉反射膜13、14と赤色フィルタ12と反射フィルム11という簡単な構成でありながら、従来の3枚の干渉反射膜を積層する反射型スクリーンと同様に、三原色光を効率よく反射し、かつ、不要な他の可視光を吸収できる。よって、明室においても高コントラストな映像を投影できるスクリーンを従来より簡単な構成で実現でき、製造コストも低減できる。
なお、上述の実施の形態では、三原色のうちの青、緑色光を2枚の干渉反射膜13,14で反射し、赤色フィルタ12を用いる構成であったが、本発明はこれに限定されるものではない。図2のように、反射フィルム11上に、緑色波長光を透過し、他の可視光を吸収する緑色フィルタ17を配置し、その上に赤色干渉反射膜16と青色干渉反射膜14を積層した干渉反射膜20を備える構成にすることもできる。これにより、入射した三原色光および外光のうち、青および赤色光を2枚の干渉反射膜14,16で反射し、緑色フィルタ17により緑色光を透過させ、反射フィルム11で緑色光を反射することができる。この構成の場合、三原色以外の可視波長光は、緑色フィルタ17が吸収する。同様に、図3のように、反射フィルム11上に、青色波長光を透過し、他の可視光を吸収する青色フィルタ18を配置し、その上に赤色干渉反射膜16および緑色干渉反射膜13を積層した干渉反射膜30を備える構成にすることもできる。これにより、入射した三原色光および外光のうち、緑および赤色光を2枚の干渉反射膜13,16で反射し、青色フィルタ18により青色光を透過させ、反射フィルム11で青色光を反射することができる。この構成の場合、三原色以外の可視波長光は、青色フィルタ18が吸収する。
図1の反射型スクリーンの構成において、干渉反射膜10を構成する2枚の干渉反射膜13,14の積層順を入れ替えることが可能である。同様に図2の構成において干渉反射膜20を構成する2枚の干渉反射膜16,14ならびに図3の構成において干渉反射膜30を構成する2枚の干渉反射膜16,13についてもそれぞれ積層順を入れ替えることが可能である。なお、図1〜図3のいずれの構成においてもフィルタ12,17,18は、所定波長以外の可視光を吸収する作用をするため、干渉反射膜10,20,30よりも反射フィルム11側に配置する必要がある。
また、図1の構成において、反射型スクリーンに投影される三原色光の強度のバランスを取るため、反射型スクリーンの表面から測定した、青色干渉反射膜14の反射率と、緑色干渉反射膜13の反射率と、赤色フィルタ12および反射フィルム11を合わせた赤色光の反射率とがほぼ等しいことが望ましい。これを実現するために、各膜の反射率および透過率を調整することが望ましい。例えば、反射率を調整するためのフィルタをいずれかの膜の間に配置することが可能である。
なお、本実施の形態では、3原色のうちの2色を反射する干渉反射膜10,20,30をそれぞれ、2枚の干渉反射膜を積層することにより構成しているが、2枚の干渉反射膜を構成する樹脂材料を同時に多層に押し出す等により、1枚の干渉反射膜として一体に製造することも可能である。
本発明の実施例として、上述の図1の構成の反射型スクリーンを作製した。反射フィルム11としては、ルミラーS10 100μm(東レ社)にアルミニウムを約0.1μm蒸着させたものを用いた。赤色フィルタ12は、下記処方で材料を混合し、乾燥後の膜厚が4μmになるように、反射フィルム11上に塗布・乾燥した。反射フィルム11上に、赤色フィルタ12だけを設けた構造で反射スペクトルを測定したところ、図5のような特性であった。
なお、本実施例において、反射スペクトルの測定は、分光光度計(UV3101PC:島津製作所社)を用いて行った。
また、赤色フィルタ12の分光透過率を測定するため、透明基材としてコスモシャインA4300(東洋紡社)を用い、その上に前述の塗料を塗布することにより、基材上に赤色フィルタ12を形成した試料を作製した。試料の分光透過スペクトルを測定したところ、図6のような特性であった。
<赤色フィルタ塗布液処方>
染料 0.7重量部
(Orasol yellow 3R:日本チバガイギー社)
染料 0.7重量部
(Zapon Fast Red 3B:BASF社)
ポリビニルピロリドン樹脂 8.0重量部
(PVP K90:ISPジャパン社)
メチルエチルケトン 45.0重量部
メタノール変性エチルアルコール 45.0重量部
レベリング剤 0.6重量部
(Paintad-M:ダウコーニングアジア社)
緑色干渉反射膜13としては、図7のような反射スペクトルを示すものを用いた。青色干渉反射膜14としては、図8のような反射スペクトルを示すものを用いた。ただし、図7および図8は、いずれも黒色フィルム(ルミラーX30 100μm:東レ社)に緑色干渉反射膜13または青色干渉反射膜14を貼り合わせた試料を用いて測定したものである。
緑色干渉反射膜13および青色干渉反射膜14を、前述の赤色フィルタ12上に粘着剤を用いて貼り合わせることにより、図1の構造の反射型スクリーンを作製した。拡散層15を備えない、反射フィルム11、赤色フィルタ12、緑色干渉反射膜13、青色干渉反射膜14を重ねた本実施例の反射型スクリーンの反射スペクトルは、図9に示す通りである。
なお、本実施例の反射型スクリーンとしての色ムラ特性を測定する際には、拡散層15として、ディラッドスクリーンT90S(きもと社)を貼り合わせ、図1の構造としたものを用いた。
なお、本実施例において、反射スペクトルの測定は、分光光度計(UV3101PC:島津製作所社)を用いて行った。
また、赤色フィルタ12の分光透過率を測定するため、透明基材としてコスモシャインA4300(東洋紡社)を用い、その上に前述の塗料を塗布することにより、基材上に赤色フィルタ12を形成した試料を作製した。試料の分光透過スペクトルを測定したところ、図6のような特性であった。
<赤色フィルタ塗布液処方>
染料 0.7重量部
(Orasol yellow 3R:日本チバガイギー社)
染料 0.7重量部
(Zapon Fast Red 3B:BASF社)
ポリビニルピロリドン樹脂 8.0重量部
(PVP K90:ISPジャパン社)
メチルエチルケトン 45.0重量部
メタノール変性エチルアルコール 45.0重量部
レベリング剤 0.6重量部
(Paintad-M:ダウコーニングアジア社)
緑色干渉反射膜13としては、図7のような反射スペクトルを示すものを用いた。青色干渉反射膜14としては、図8のような反射スペクトルを示すものを用いた。ただし、図7および図8は、いずれも黒色フィルム(ルミラーX30 100μm:東レ社)に緑色干渉反射膜13または青色干渉反射膜14を貼り合わせた試料を用いて測定したものである。
緑色干渉反射膜13および青色干渉反射膜14を、前述の赤色フィルタ12上に粘着剤を用いて貼り合わせることにより、図1の構造の反射型スクリーンを作製した。拡散層15を備えない、反射フィルム11、赤色フィルタ12、緑色干渉反射膜13、青色干渉反射膜14を重ねた本実施例の反射型スクリーンの反射スペクトルは、図9に示す通りである。
なお、本実施例の反射型スクリーンとしての色ムラ特性を測定する際には、拡散層15として、ディラッドスクリーンT90S(きもと社)を貼り合わせ、図1の構造としたものを用いた。
また、比較例として、3枚の干渉反射膜を用いた図4の構造の反射型スクリーンを作製した。吸収フィルム21としては、黒色フィルム(ルミラーX30 100μm:東レ社)を用いた。赤色干渉反射膜22としては、図10のような反射スペクトルを示すものを用いた。ただし、図10は、上記吸収フィルム21に赤色干渉反射膜22を貼り合わせた試料を用いて測定したものである。
緑色干渉反射膜23、青色干渉反射膜24としては、本実施例の緑色干渉反射膜13、青色干渉反射膜14と同じものを用いた。吸収フィルム21、赤色干渉反射膜22、緑色干渉反射膜23、青色干渉反射膜24は、粘着剤を用いて貼り合わせた。拡散層25を備えない、吸収フィルム21、赤色干渉反射膜22、緑色干渉反射膜23、青色干渉反射膜24を貼り合わせた比較例の反射型スクリーンの反射スペクトルは、図11に示す通りである。
なお、比較例の反射型スクリーンとしての色ムラ特性を測定する際には、拡散層25として、本実施例と同様にディラッドスクリーンT90S(きもと社)を貼り合わせ、図4の構造としたものを用いた。
緑色干渉反射膜23、青色干渉反射膜24としては、本実施例の緑色干渉反射膜13、青色干渉反射膜14と同じものを用いた。吸収フィルム21、赤色干渉反射膜22、緑色干渉反射膜23、青色干渉反射膜24は、粘着剤を用いて貼り合わせた。拡散層25を備えない、吸収フィルム21、赤色干渉反射膜22、緑色干渉反射膜23、青色干渉反射膜24を貼り合わせた比較例の反射型スクリーンの反射スペクトルは、図11に示す通りである。
なお、比較例の反射型スクリーンとしての色ムラ特性を測定する際には、拡散層25として、本実施例と同様にディラッドスクリーンT90S(きもと社)を貼り合わせ、図4の構造としたものを用いた。
本実施例と比較例の拡散層を設けない状態の反射型スクリーンの反射特性を図12に示す。本実施例の反射型スクリーンは、青および緑色光の反射率が比較例と同等であり、赤色光についても、青および緑色光の反射率の9割以上の反射率を実現できている。また、三原色光以外の可視光域の反射率も比較例と同等に低く抑えることができていることがわかる。これにより、明室においてプロジェクタからのカラー映像を照射した場合でも、高コントラストに投影することができる。なお、本実施例の反射型スクリーンは、約680nm以上の波長の反射率が比較例よりも高くなっているが、この領域は人の目の感度が低いレベルにあるため、明室で用いた場合でもコントラストにはほとんど影響がない。
つぎに、本実施例と比較例の反射型スクリーンの面内方向の色ムラの測定結果を以下に示す。実施例および比較例ともに拡散層15,25まで作製したスクリーンの面内に各々任意位置9点を設定し、L*、a*、b*を測定した。そして、各点から他点を見た場合の色差ΔE*を求めた。実施例の測定結果を表1に、比較例の測定結果を表2に示す。なお、色ムラの測定は、測定器(GRETAG SPM100−II:GRETAG社)を用いて行った。
表1および表2を比較すると、本実施例の反射型スクリーンは、比較例よりも色差が非常に小さく、色ムラが顕著に少ないことが確認できる。この差は、目視においても歴然であった。
また、参考例として、実施例に用いた反射フィルム11の上に赤色フィルタ12のみを設けた構造と、比較例の吸収フィルム21の上に赤色干渉反射膜22のみを設けた構造とについて、同様にL*、a*、b*および色差ΔE*を測定した。その結果を表3および表4に示す。
表3および表4を比較することにより、実施例の赤色フィルタ12を用いた構造の方が、比較例の赤色干渉反射膜22を用いた構造よりも色差が小さいことがわかる。このように、本実施例の反射型スクリーンの色ムラ低減の作用は、赤色フィルタ12によるものであることが確認できた。
表1および表2を比較すると、本実施例の反射型スクリーンは、比較例よりも色差が非常に小さく、色ムラが顕著に少ないことが確認できる。この差は、目視においても歴然であった。
11…反射フィルム、12…赤色フィルタ、13…緑色干渉反射膜、14…青色干渉反射膜、15…拡散層、16…赤色干渉反射膜、17…緑色フィルタ、18…青色フィルタ、21…吸収フィルム、22…赤色干渉反射膜、23…緑色干渉反射膜、24…青色干渉反射膜、25…拡散層。
Claims (8)
- 光反射膜の上に、順に積層された第1、第2の膜を備え、
前記第2の膜は、2種以上の樹脂層を積層した光学多層膜であって、三原色に対応する予め定めた第1、第2および第3の波長帯域のうちの第1および第2の波長帯域の光を反射し、それを除いた可視光を透過する性質を有し、
前記第1の膜は、前記第3の波長帯域の光を透過し、それを除いた可視光を吸収する性質を有することを特徴とする反射型スクリーン。 - 請求項1に記載の反射型スクリーンにおいて、前記第2の膜は、前記第1の波長帯域の光を反射する干渉反射膜と、前記第2の波長帯域の光を反射する干渉反射膜とを含むことを特徴とする反射型スクリーン。
- 請求項1または2に記載の反射型スクリーンにおいて、前記第1の膜は、前記第3の波長帯域光を除く可視光を吸収する材料を樹脂に分散したフィルタであることを特徴とする反射型スクリーン。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の反射型スクリーンにおいて、前記第3の波長帯域は、赤色波長帯域であることを特徴とする反射型スクリーン。
- 三原色に対応する予め定めた第1、第2および第3の波長帯域のうち、第1および第2の波長帯域の光を反射し、それを除いた可視光を透過する第2の膜と、前記第2の膜を透過した可視光のうち、前記第3の波長帯域光を透過し、それを除いた光を吸収する第1の膜と、前記第1の膜が透過した第3の波長帯域光を反射する反射膜とを備えることを特徴とする反射型スクリーン。
- 請求項5に記載の反射型スクリーンにおいて、前記反射膜、第1および第2の膜は、前記反射膜、第1の膜、第2の膜の順に積層され、前記第2の膜は、2種以上の樹脂層を積層した光学多層膜であることを特徴とする反射型スクリーン。
- 請求項5または6に記載の反射型スクリーンにおいて、前記第2の膜は、第1の波長帯域の光を反射する干渉反射膜と、第2の波長帯域の光を反射する干渉反射膜とを含むことを特徴とする反射型スクリーン。
- 請求項5ないし7のうちいずれか1項に記載の反射型スクリーンにおいて、前記第1の膜は、前記第3の波長帯域光を除く可視光を吸収する材料を樹脂に分散したフィルタであることを特徴とする反射型スクリーン。
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