JP2007231568A - 錠の防御構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドリルにより開けられた貫通孔を利用して、錠箱内の施解錠機構を作動させる不正な解錠操作を阻止する防御構造を提供し、施錠装置の防犯性を向上させる。
【解決手段】シリンダ錠からの施解錠操作力の入力によって、錠箱11内の施解錠機構を作動させて扉枠側のストライクに対しデッドボルト15を進退させる防御構造100であって、錠箱11が、扉屋外板と施解錠機構との間に防御側板51を備え、防御側板51が、デッドボルト15の移動軌跡と重なる領域、及びこのデッドボルトとシリンダ錠との連動連結部分となる施解錠機構の一部と重なる領域に中空部を有する枠板と、枠板を表裏から挟む一対の挟持板とからなり、中空部には、穿孔阻止部材65が収容充填される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、デッドボルトを進退させる施解錠機構が内設された錠箱に関し、特に、ドリルにより開けた貫通孔から施解錠機構を作動させる不正解錠を阻止する錠の防御構造に関する。
住宅、マンション、アパート等に設けられる施錠装置は、一般的に扉に錠箱を内蔵している。錠箱にはロック部材である例えばデッドボルトが扉木口から進退自在に設けられる。施錠装置は、屋外側に露出したシリンダ錠の鍵孔に、合鍵を挿入して回転操作することによって、扉木口よりデッドボルトが進退され、建物躯体側の扉枠に設けたストライクに対して施解錠が行われる。また、屋内側からは、サムターンが回転操作されるのみで、デッドボルトが進退され、扉の施解錠が簡便に行えるようになっている。
シリンダ錠は、一般的に固定筒に内設される外筒と、この外筒に回動自在な内筒とを有し、外筒と内筒とには、両者に亘ってピン挿入孔が穿設されている。このピン挿入孔には、外筒側ピン挿入孔にドライバピン、内筒側ピン挿入孔にはタンブラピンが収容され、合鍵が内筒のキー孔に挿入されることで、合鍵のキー溝に一致した位置にタンブラピンが配置され、その結果、タンブラピンとドライバピンとの境が、内筒外周と外筒内周との境界、すなわち、シアーラインに一致することで、内筒が外筒に対して回動可能となる。合鍵により内筒が回動されると、内筒の後部に設けられ内筒と一体回転する連結部材(テールピース)が錠箱の施解錠機構に回転力を入力し、デッドボルトを進退させる。
ところが、従来のシリンダ錠は、前端面の殆どが化粧リングの前面板等によって覆われているものの、その前面板の背面には、外筒の前端面や固定筒の前端面が同心円状に存在しているため、円筒状の穴開工具であるホールソーを用い、特に外筒の前端面から円筒状の切り込みを入れれば、シリンダ錠機構の破壊若しくは内筒の抜き取り等による破壊的な不正解錠が可能となる問題を包含していた。
そこで、固定筒の先端に、硬質鋼材からなるピンを半径方向に埋入し、ホールソーを用いて固定筒の前端面に円筒状の切り込みを入れようとしても、所定の切り込みを入れた時点でホールソーの刃部をピンに当て、それ以上のホールソーの切り込みを阻止する防犯性の高いシリンダ錠が開発されている。
上記のように、合鍵により内筒が回動されると、内筒の後部に設けられ内筒と一体回転するテールピースが錠箱の施解錠機構に回転力を入力し、デッドボルトを進退させる。錠箱にはダルマ軸が設けられ、このダルマ軸にシリンダー錠の連結部であるテールピースが係合される。デッドボルトが突出された状態(すなわち、施錠状態)で、テールピースが解錠方向へ回転されると、ダルマ軸も同方向へと回転され、ダルマ軸の外周に突設された押杆を介してデッドボルトの切欠部を押圧し、デッドボルトを錠箱内へ後退(すなわち、解錠)させるようになっている。
しかしながら、近年、上記した対策の取られた防犯性の高いシリンダ錠を備える施錠装置では、シリンダ錠近傍の扉屋外面からドリルを用いて錠箱側板に貫通孔を開け、当該貫通孔から棒等を挿入して、デッドボルトの切欠部等を押圧するなどして、デッドボルトを直接錠箱内へ後退させる不正解錠、所謂カム送りが報告されている。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、ドリルにより開けられた貫通孔を利用して、錠箱内の施解錠機構を作動させる不正な解錠操作を阻止する錠箱を構成するよう錠の防御構造を提供し、もって、施錠装置の防犯性向上を図ることを目的とする。
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載の錠の防御構造は、シリンダ錠からの施解錠操作力の入力によって、錠箱11内の施解錠機構13を作動させて扉枠側のストライクに対しデッドボルト15を進退させる錠の防御構造100であって、
前記錠箱11が収容される扉47の屋外板と前記施解錠機構13との間に防御側板51を備え、
該防御側板51には穿孔阻止部材65が備えられ、
該穿孔阻止部材65は、少なくとも前記デッドボルト15の移動軌跡と、該デッドボルト15と前記シリンダ錠との連動連結部分となる前記施解錠機構13の一部と重なる領域に被覆配置されたことを特徴とする。
この錠の防御構造100では、カム送りのための貫通孔を穿孔するために、扉の屋外板にドリルで切り込みが入れられ、ドリル先端が防御側板51に達しても、屋外板を貫通した後、穿孔阻止部材65に当接し、穿孔阻止部材65によってそれ以上の孔開けが阻止される。
請求項2記載の錠の防御構造は、前記防御側板51が、前記錠箱11の側板を兼ねることを特徴とする。
この錠の防御構造では、防御側板51が、錠箱11と一体構造となり、施解錠装置としての取り扱いが容易なものとなり、扉への取付施工が容易なものとなる。
請求項3記載の錠の防御構造は、前記防御側板51は、前記穿孔阻止部材65が収容される中空部53aを有する枠板53と、該枠板53を表裏から挟む一対の挟持板55a,55bとからなることを特徴とする。
この錠の防御構造では、カム送りのための貫通孔を穿孔するために、扉の屋外板にドリルで切り込みが入れられ、ドリル先端が防御側板51に達しても、屋外板を貫通し、屋外側の挟持板55aを貫通した後、穿孔阻止部材65に当接し、穿孔阻止部材65によってそれ以上の孔開けが阻止される。
請求項4記載の錠の防御構造は、前記穿孔阻止部材65の厚さと、前記枠板53の厚さとが略同等に設定され、前記穿孔阻止部材65が前記中空部53aに充填されていることを特徴とする。
この錠の防御構造では、枠板53の中空部53aに、穿孔阻止部材65が隙間なく配置されることとなり、上記のようなドリルによる切り込みがあっても、それが侵入する隙間を形成せず、それ以上の孔開けが阻止される。
請求項5記載の錠の防御構造は、前記穿孔阻止部材65が、硬質鋼材からなる断面円形状のピン67を複数並べてなることを特徴とする。
この錠の防御構造では、ドリルの先端がピン67の外周に当接すると、硬質かつ曲面となったピン外周面により、ドリル先端が外周面に沿って滑り、ピン同士間の密着により形成される湾曲V溝内に入る。湾曲V溝内に入ったドリル先端は、今度は溝の延在方向に沿って滑り、ピン67を切断できず、結局、穿孔阻止部材65、すなわち、防御側板51を貫通できない。
請求項6記載の錠の防御構造200は、前記穿孔阻止部材65Cが、硬質鋼材からなる球体71を複数並べてなることを特徴とする。
この錠の防御構造200では、ドリルの先端が球体71の外周に当接すると、硬質かつ球面となった球体外周により、ドリル先端が外周面に沿って滑り、少なくとも3つの球体同士間の密着により形成される湾曲凹部内に入る。湾曲凹部内に入ったドリルが回転されても、ドリル先端に接触する3つの球体71がドリルの回転に伴って回転し、球体71を切り欠けず、結局、穿孔阻止部材65C、すなわち、防御側板51Cを貫通できない。
請求項7記載の錠の防御構造300は、前記穿孔阻止部材65Dが、硬質鋼材からなる線状部材73を編成又は織成してなる略シート状部材75よりなることを特徴とする。
この錠の防御構造300では、ドリルの先端がシート状部材75の表面に当接すると、編成又は織成により形成されて、互いの間隔が密となった線状部材73により、この線状部材73が、硬質、かつ上下交互に組まれることで強靱となった表面により、ドリル先端が滑り、或いは線状部材同士間の格子凹部すなわち編目や織目内に入る。編目又は織目内に入ったドリルが回転されても、ドリル先端はシート状となった部材75を切り欠けず、或いは絡まってしまい、結局、穿孔阻止部材65D、すなわち、防御側板51Dを貫通できない。
本発明に係る請求項1記載の錠の防御構造によれば、錠箱が、扉屋外板と施解錠機構との間に防御側板を備え、防御側板が、少なくともデッドボルトの移動軌跡と重なる領域及びこのデッドボルトとシリンダ錠との連動連結部分となる施解錠機構の一部と重なる領域に穿孔阻止部材を備えるので、カム送りのための貫通孔を穿孔するために、扉屋外板にドリルで切り込みを入れ、ドリル先端が防御側板に達すると、屋外板を貫通した後、穿孔阻止部材に当接し、穿孔阻止部材によってそれ以上の孔開けが阻止される。この結果、ドリルにより開けられた貫通孔を利用して、錠箱内の施解錠機構を作動させる不正な解錠操作、所謂カム送りを阻止でき、施錠装置の防犯性を向上させることができる。
請求項2記載の錠の防御構造によれば、防御側板が、錠箱と一体構造となり、施解錠装置としての取り扱いが容易なものとなり、すなわち、扉への取付施工が容易なものとなる。これにより、扉に取り付けられた錠装置は、防犯性を向上されたものとなる。
請求項3記載の錠の防御構造によれば、錠箱が、扉屋外板と施解錠機構との間に防御側板を備え、防御側板が、デッドボルトの移動軌跡と重なる領域及びこのデッドボルトとシリンダ錠との連動連結部分となる施解錠機構の一部と重なる領域に穿孔阻止部材を備えるので、カム送りのための貫通孔を穿孔するために、扉屋外板にドリルで切り込みを入れ、ドリル先端が防御側板に達すると、屋外側の挟持板を貫通した後、穿孔阻止部材に当接し、穿孔阻止部材によってそれ以上の孔開けが阻止される。この結果、ドリルにより開けられた貫通孔を利用して、錠箱内の施解錠機構を作動させる不正な解錠操作、所謂カム送りを阻止でき、施錠装置の防犯性を向上させることができる。
請求項4記載の錠の防御構造によれば、枠板の中空部に、穿孔阻止部材が略隙間なく配置されることとなり、上記のようなドリルによる切り込みがあっても、それが侵入する隙間を容易に形成することがなく、そして、それ以上の孔開けが阻止される。
請求項5記載の錠の防御構造によれば、穿孔阻止部材が、硬質鋼材からなる断面円形状のピンを複数並べてなるので、ドリルの先端がピンの外周に当接すると、硬質かつ曲面となったピン外周により、ドリル先端が外周面に沿って滑り、ピン同士間の密着により形成される湾曲V溝内に入る。湾曲V溝内に入ったドリル先端は、今度は溝の延在方向に沿って滑り、ピンを切断できず、結局、穿孔阻止部材、すなわち、防御側板を貫通できない。これにより、錠箱内に通じる貫通孔の穿孔を防止できる。
請求項6記載の錠の防御構造によれば、穿孔阻止部材が、硬質鋼材からなる球体を複数並べてなるので、ドリルの先端が球体の外周に当接すると、硬質かつ球面となった球体外周により、ドリル先端が外周面に沿って滑り、少なくとも3つの球体同士間の密着により形成される湾曲凹部内に入る。湾曲凹部内に入ったドリルが回転されても、ドリル先端に接触する3つの球体がドリルの回転に伴って回転し、球体を切り欠けず、結局、穿孔阻止部材、すなわち、防御側板を貫通できない。これにより、錠箱内に通じる貫通孔の穿孔を防止できる。
請求項7記載の錠の防御構造によれば、穿孔阻止部材が、互いの間隔が密となった線状部材により編成又は織成により略シート状部材に形成されていることから、ドリルの先端が帯板の表面に当接すると、硬質、かつ上下交互に組まれることで強靱となった表面により、ドリル先端が滑り、或いは線状部材同士間の格子凹部すなわち編目や織目内に入る。編目又は織目内に入ったドリルが回転されても、ドリル先端はシート状となった部材を切り欠けず、或いは絡まってしまい、結局、穿孔阻止部材、すなわち、防御側板を貫通できない。これにより、錠箱内に通じる貫通孔の穿孔を防止できる。
以下、本発明に係る錠の防御構造の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る防御側板を備えた錠の概略側面図、図2は錠箱内の施解錠機構を表した側面図、図3は防御側板の分解斜視図、図4は図3に示した挟持板の斜視図、図5は図4に示した枠板及び穿孔阻止部材の分解斜視図である。
本実施の形態による錠の防御構造100は、扉の屋外側に設けられる図示しないシリンダ錠からの施解錠操作力の入力によって、錠箱11内の施解錠機構13を作動させて図示しない扉枠側のストライクに対しデッドボルト15を進退させる。
ここで、防御構造100の要部構成の説明に先立ち錠箱11について説明する。
錠箱11は、図2に示す施解錠機構13を収容する。錠箱11の前端面には取付板17が設けられ、取付板17は扉木口に固定ビス19によって固定される。取付板17の表面にはさらに木口に表出するフロントパネル21が化粧ビス23によって固定される。これにより、錠箱11は、扉木口でフロントパネル21によって覆われ、フロントパネル21に形成されたデッドボルト出入口21aからデッドボルト15を進退させることになる。
ダルマ軸25の一端側には扉の室外面側(図2の紙面表面側)に設けられる例えばシリンダ錠の連結部、所謂テールピースが係合される。また、ダルマ軸25の他端側には扉の室内面側(図2の紙面背面側)に設けられるサムターンが嵌入される。ダルマ軸25には半径方向外側に突出する押杆27が設けられ、押杆27の先端は支持軸29に支持された揺動バネ31に連結されている。したがって、ダルマ軸25は、揺動バネ31によって例えば90°の回転角度範囲のいずれか一方側に寄せられるよう回動付勢される。
錠箱11内には支持部材であるガイド手段33が突設され、ガイド手段33はデッドボルト15に形成された図示しない凹溝をガイドする。デッドボルト15は、上記の押杆27に、後部切欠15aが押圧されることで、錠箱11外へと突出される。突出されたデッドボルト15は、ストッパー軸35によって基端を揺動自在に支持したストッパー37が、ストッパーバネ39の付勢力で回動係止されることで、後退が規制されるようになっている。
ダルマ軸25は、デッドボルト15が突出された状態で、図2の反時計回りに回転されることにより、押杆27を介してデッドボルト15の後部切欠15aを押圧して、デッドボルト15を後退(図2の右側へ移動)させる。この際、同時に揺動バネ31が解除片41を介してストッパー37を押下し、ストッパー37とデッドボルト15との係合状態を解除する。なお、図2中、43はノブ軸、45はノブ軸43の時計回りの回転によって錠箱11内に後退されるラッチボルトを示す。
錠箱11は、扉47の図示しない屋外板と施解錠機構13との間に防御側板51を備えている。防御側板51は、錠箱11の側板に貼着するもの、或いは錠箱11の側板自体、すなわち側板を兼ねるものであってもよい。本実施の形態では、錠箱11の側板自体が防御側板51からなる場合を説明する。防御側板51は、図3に示すように、デッドボルト15の移動軌跡と重なる領域及びこのデッドボルトとシリンダ錠との連動連結部分となる施解錠機構の一部と重なる領域に中空部53aを有する枠板53と、この枠板53を表裏から挟む一対の挟持板55a,55bとからなる。
中空部53aは、デッドボルト15の移動軌跡と重なる領域であり、かつ、このデッドボルト15とシリンダ錠とを連動連結する施解錠機構の一部である押杆27のデッドボルト接触部(切欠15a等)、揺動バネ31、解除片41、ストッパー37とデッドボルト15の接触部とも重なっている。つまり、これらの各部位は、中空部53aの輪郭内側に位置している。
枠板53、挟持板55a,55bは、図3、図4に示すように、シリンダ錠用の取付穴57を有する。なお、本実施の形態において、挟持板55a,55bは、同一形状のものが使用される。また、挟持板55a,55bは、後述する枠板53の突起に嵌合する複数の嵌合穴61が、中空部53aの輪郭に沿ってその外側に穿設されている。また、嵌合穴61は、挟持板55a,55bの四隅にも穿設されている。また、挟持板55a,55b、枠板53には、取付穴57近傍に、取付位置決め用の貫通穴63が穿設されている。なお、挟持板55a,55bには、図示しないが、枠板53とともに積層状態として錠箱11へビス固定するためのビス穴を備えることとしてもよい。
枠板53の中空部53aには、穿孔阻止部材65が収容される。本実施の形態において、穿孔阻止部材65は、硬質鋼材からなる断面円形状のピン67を複数並べてなる。本実施の形態では、長手方向を横方向にしたピン67を上下方向に並べている。ピン67に用いられる硬質鋼材としては、例えば、耐摩耗性が良好で、ロックウェル硬さがロックウェルCスケールで55HRc以上となり、真空焼き入れ、焼き戻しされたSUJ2(高炭素クロム軸受鋼)等が好適となる。
図5に示すように、中空部53aが切欠部53b等を有しているときには、その部位に相当する異なる長さのピン67が挿入される。このピン67の直径は、枠板53の板厚と略一致している。そして、防御側板51は、挟持板55a,55b、枠板53の厚みを組み合わせることで、種々の厚みのものに形成することができる。
例えば、
挟持板55b:枠板53:挟持板55a:合計厚さ:ピン67の直径
0.3mm:1.0mm:0.3mm:1.6mm:1.0mm
0.3mm:1.0mm:0.4mm:1.7mm:1.0mm
0.4mm:1.0mm:0.4mm:1.8mm:1.0mm
0.3mm:1.2mm:0.3mm:1.8mm:1.2mm
0.3mm:1.2mm:0.4mm:1.9mm:1.2mm
0.4mm:1.2mm:0.4mm:2.0mm:1.2mm
とすることができる。すなわち、被取付体となる扉や錠箱の厚さ寸法に合せて組み合わせが可能となっている。
また、枠板53には、中空部53aの外側に輪郭に沿って複数の突起69が設けられている。突起69は、連続方向で、枠板53自体の表裏面方向に互い違いになるよう突出し、挟持板55a又は挟持板55bに向かって交互に突出するようになっている。この突起69は、挟持板55a,55bの嵌合穴61にそれぞれ嵌合する。挟持板55a,55bと枠板53とは、中空部53aに穿孔阻止部材65を装填した状態で、嵌合穴61に嵌合された突起69の先端が反対側の面で加締められることで、3層に積層された一体の積層板、すなわち、防御側板51となる。
この防御構造100では、不図示のドリルによって、扉47の扉屋外板に孔が開けられ、挟持板55aを貫通した後、先端がピン67の外周に当接すると、硬質かつ曲面となったピン外周により、ドリル先端が外周面に沿って滑り、ピン同士間の密着により形成される湾曲V溝内に入る。湾曲V溝内に入ったドリル先端は、今度は溝の延在方向に沿って滑り、ピン67を切断できず、結局、穿孔阻止部材65、すなわち、防御構造100を貫通できない。また、ドリルをピン67に直交させて破ろうとしても、ピン同士が密着し、かつピン67が硬質であることから、時間を要することとなり、防犯対策として十分なものとなる。
図6は第1の実施の形態の変形例1を表す側面図、図7は第1の実施の形態の変形例2を表す側面図である。
なお、穿孔阻止部材65Aは、図6に示すように、ピン67を長手方向が上下方向となるようにして並べられても良い。
また、穿孔阻止部材65Bは、図7に示すように、ダルマ軸25を略中心とする同心円弧形状のピン67Aを並べても良い。
この防御構造100によれば、錠箱11が、扉屋外板と施解錠機構13との間に防御側板51を備え、防御側板51が、デッドボルト15の移動軌跡と重なる領域及びこのデッドボルトとシリンダ錠との連動連結部分となる施解錠機構の一部と重なる領域に穿孔阻止部材65を備えるので、カム送りのための貫通孔を穿孔するために、扉屋外板にドリルで切り込みを入れ、ドリル先端が防御側板51に達すると、屋外側の挟持板55aを貫通した後、穿孔阻止部材65に当接し、穿孔阻止部材65によってそれ以上の孔開けが阻止される。
すなわち、穿孔阻止部材65が、硬質鋼材からなる断面円形状のピン67を複数並べてなるので、ドリルの先端がピン67の外周に当接すると、硬質かつ曲面となったピン外周により、ドリル先端が外周面に沿って滑り、ピン同士間の密着により形成される湾曲V溝内に入る。湾曲V溝内に入ったドリル先端は、今度は溝の延在方向に沿って滑り、ピン67を切断できず、結局、穿孔阻止部材65、すなわち、防御側板51を貫通できない。これにより、錠箱11内に通じる貫通孔の穿孔を防止できる。この結果、ドリルにより開けられた貫通孔を利用して、錠箱11内の施解錠機構13を作動させる不正な解錠操作、所謂カム送りを阻止でき、施錠装置の防犯性を向上させることができる。
なお、これらの変形例1,2と上述の第1の実施の形態とをそれぞれ組み合わせることとしてもよく、すなわち、ピン67の長手方向が交差するように層状に重ねて構成することとしてもよい。このようにピン67の延在方向を異なるよう構成することで、より強固な専横阻止部材65を構成できる。
次に、本発明に係る錠の防御構造の第2の実施の形態を説明する。
図8は第2の実施の形態による防御構造の側面図である。
この防御構造200は、防御側板51Cの穿孔阻止部材65Cが、硬質鋼材からなる球体71を複数並べてなる。球体71は、直径が枠板53の板厚と略同一となる。複数の球体71は、中空部53a内に上下左右に接触した状態で密となって収容充填される。
この防御構造200によれば、穿孔阻止部材65Cが、硬質鋼材からなる球体71を複数並べてなるので、ドリルの先端が球体71の外周に当接すると、硬質かつ球面となった球体外周により、ドリル先端が外周面に沿って滑り、少なくとも3つの球体同士間の密着により形成される湾曲凹部内に入る。湾曲凹部内に入ったドリルが回転されても、ドリル先端に接触する3つの球体71がドリルの回転に伴って回転し、球体71を切り欠けず、結局、穿孔阻止部材65C、すなわち、防御側板51Cを貫通できない。これにより、錠箱11内に通じる貫通孔の穿孔を防止できる。
次に、本発明に係る防御構造の第3の実施の形態を説明する。
図9は第3の実施の形態による防御構造の側面図である。
この防御構造300は、防御側板51Dの穿孔阻止部材65Dが、硬質鋼材からなる複数の交差する線状部材73を上下交互に組んで、すなわち織成して略シート状部材75を構成してなる。線状部材73により組まれたシート状部材75の厚みは、枠板53の板厚と略同一となる。
したがって、この防御構造300によれば、穿孔阻止部材65Dが、硬質鋼材からなる複数交差する線状部材73を上下交互に組んで織成されシート状部材75とされるので、ドリルの先端がシート状部材75の表面に当接すると、硬質、かつ上下交互に組まれることで波状に曲面となった線状部材表面により、ドリル先端が湾曲表面に沿って滑り、また4つの線状部材同士間の織目格子凹部内に入る。格子凹部内に入ったドリルが回転されても、ドリル先端が格子凹部の内面、すなわち、密に織り組まれた表面を切り欠けず、結局、穿孔阻止部材65D、すなわち、防御側板51Dを貫通できない。これにより、錠箱11内に通じる貫通孔の穿孔を防止できる。また、複数の線状部材73によって織成されてなるシート状部材75にて穿孔阻止部材65Dを構成しているので、挟持板55aが大きく欠損されても、穿孔阻止部材65Dが簡単に中空部53aから脱落することがない。
本発明に係る防御側板を備えた錠の概略側面図である。 錠箱の施解錠機構を表した側面図である。 防御側板の分解斜視図である。 図3に示した挟持板の斜視図である。 図4に示した枠板及び穿孔阻止部材の分解斜視図である。 第1の実施の形態の変形例1を表す側面図である。 第1の実施の形態の変形例2を表す側面図である。 第2の実施の形態による防御構造の側面図である。 第3の実施の形態による防御構造の側面図である。
符号の説明
11…錠箱
13…施解錠機構
15…デッドボルト
51,51C,51D…防御側板
53…枠板
53a…中空部
55a,55b…挟持板
65,65C,65D…穿孔阻止部材
67…ピン
71…球体
73…線状部材
75…シート状部材
100,200,300…錠の防御構造

Claims (7)

  1. シリンダ錠からの施解錠操作力の入力によって、錠箱内の施解錠機構を作動させて扉枠側のストライクに対しデッドボルトを進退させる錠の防御構造であって、
    前記錠箱が収容される扉の屋外板と前記施解錠機構との間に防御側板を備え、
    該防御側板には穿孔阻止部材が備えられ、
    該穿孔阻止部材は、少なくとも前記デッドボルトの移動軌跡と、該デッドボルトと前記シリンダ錠との連動連結部分となる前記施解錠機構の一部と重なる領域に被覆配置されたことを特徴とする錠の防御構造。
  2. 前記防御側板が、前記錠箱の側板を兼ねることを特徴とする請求項1記載の錠の防御構造。
  3. 前記防御側板は、前記穿孔阻止部材が収容される中空部を有する枠板と、該枠板を表裏から挟む一対の挟持板とからなることを特徴とする請求項1又は2記載の錠の防御構造。
  4. 前記穿孔阻止部材の厚さと、前記枠板の厚さとが略同等に設定され、前記穿孔阻止部材が前記中空部に充填されていることを特徴とする請求項3記載の錠の防御構造。
  5. 前記穿孔阻止部材が、硬質鋼材からなる断面円形状のピンを複数並べてなることを特徴とする請求項1,2,3,4のいずれか1つに記載の錠の防御構造。
  6. 前記穿孔阻止部材が、硬質鋼材からなる球体を複数並べてなることを特徴とする請求項1,2,3,4のいずれか1つに記載の錠の防御構造。
  7. 前記穿孔阻止部材が、硬質鋼材からなる線状部材を編成又は織成してなる略シート状部材よりなることを特徴とする請求項1,2,3,4のいずれか1つに記載の錠の防御構造。
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