JP2007231424A - プラズマ発生用電源装置、該電源装置により構成されたプラズマcvd装置及びプラズマcvd法 - Google Patents

プラズマ発生用電源装置、該電源装置により構成されたプラズマcvd装置及びプラズマcvd法 Download PDF

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Abstract

【課題】
薄膜太陽電池等の製造に用いられる両面放電型のプラズマCVD装置において、同時に搬入搬出される2枚の基板に、安定して均一な堆積膜を形成することが可能、即ち、両側のプラズマをアンバランス無く、均一に生成することが可能な高周波プラズマ発生用電源、該電源を用いたプラズマCVD装置及び方法を提供すること。
【解決手段】
両面放電型のプラズマ源に、互いに独立の関係にある2つの高周波電源の出力を供給することにより、両側のプラズマをアンバランス無く、均一に生成することを可能とする。該2つの高周波電源として、パルス変調型電源及びそれぞれに中心周波数の異なるバンドパスフイルターを有する2周波数型電源を用いることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマを利用して基板の表面に所定の堆積膜を形成するプラズマCVD装置及びプラズマCVD法に関する。特に、本発明は、アモルファスシリコン薄膜太陽電池、及びアモルファスシリコンと微結晶シリコンを含む結晶質シリコンのタンデム型薄膜太陽電池等の製造に用いられるプラズマCVD装置及びプラズマCVD法に関する。
プラズマを用いて基板の表面に各種の膜を堆積し、各種電子デバイスを製作することは、LCD(液晶デイスプレー)用TFT(薄膜トランジスター)、アモルファスSi系太陽電池、薄膜結晶質Si系太陽電池、複写機用感光体、および各種情報記録デバイス等の分野において既に実用化されている。また、ダイヤモンド薄膜および立方晶ボロンナイトライド(C−BN)等の超硬質膜製造分野においても実用化が進みつつある。
しかしながら、特に薄膜太陽電池の分野においては、製品の低コスト化を図る生産技術が充分に完成されておらず、依然として、その本格的実用化普及に必要な低コスト化が社会的ニーズとして強く求められている。その為に、生産性向上に関する開発研究が、鋭意行われている状況にある。
上記低コスト化及びそれを実現するための生産性向上に関する技術分野には、量産性向上技術として、プラズマCVD装置全体の配置構成、即ちインライン型、マルチチャンバー型あるいは並列配置型等に見られるように製膜室の配置の改善に論点をおいたもの、基板面積の増大や製膜速度の改善に論点をおいたもの、及び製膜室内に設置可能な基板の枚数を1枚から複数枚へ増加させることに論点をおいたもの等がある。
ここで、生産性向上を図る上での最も効果的、かつ基本的な技術は、基板の大面積化や製膜速度向上に関する技術と、製膜室に同時に設置可能な基板の枚数(基板の同時処理枚数)の増大に関する技術である。
なお、特に、基板の同時処理枚数の増大化技術は、生産性を確実に向上できるという効果がる。即ち、具体的には、製膜室に基板を1枚だけ配置して堆積膜を製造する場合に比べ、基板を同時に2枚配置して堆積膜を製造する場合は、生産性は、確実に2倍に向上するという効果がある。
製膜室内に同時に設置する基板の枚数を1枚から2枚へ増加させる技術に関する代表例に、特許文献1及び特許文献2がある。
特許文献1に記載の解決しようとする課題は概略次のとおりである。生産性を向上するために、製膜室内で2枚の基板を同時に製膜できる従来の両面放電型のプラズマCVD装置において、一方の放電領域である第1の電極と第2の電極間の放電と、他方の放電領域である第1の電極と第2の電極間の放電にアンバランスが生じることがある。そのアンバランスの原因は、基板搬送機構の部材である第2の電極と第3の電極が非対称に配置されることにある。その結果、該放電のアンバランスを解消することができず、両面での均等な製膜が困難であった。
特許文献1に記載の上記課題を解決する為の手段は概略次のとおりである。電力を印加する第1電極と、この第1電極の両面にそれぞれ対向して設けられた接地第2電極との間でプラズマを発生して、接地第2電極上に配置した基板表面に薄膜を形成する両面放電型プラズマCVD装置において、該第1電極が、1)
接地金属平板と、2)該接地金属平板の両面に絶縁スペーサを挟んで平行配置した電力印加用金属平板とから成り、3)各電力印加用金属平板にはそれぞれ別個の電源から電力を供給することを特徴とする。
なお、特許文献1では、両面放電のアンバランスの原因として放電用の電極の位置の非対称性を指摘しているが、それ以外の原因について何も言及されていないし、何も示唆されていない。
特許文献2に記載の解決しようとする課題は概略次のとおりである。通常のプラズマCVD装置において、一対の電極を構成する一方の電極である非接地電極と製膜室の壁との間に製膜に寄与しない無効なプラズマが発生する。そのため、放電電力にロスが生じるという課題がある。
特許文献2に記載の上記課題を解決する為の手段は概略次のとおりである。生成プラズマにより、反応ガスを分解反応させて基板上に製膜するプラズマCVD装置において、反応容器と、この反応容器内の中央部に配置された、電極カバーで囲まれたラダー電極と、前記反応容器内で前記ラダー電極を介して向かい合う位置に配置された、前記ラダー電極側に基板を支持・加熱するヒータ源と、前記ラダー電極と前記基板間に反応性ガスを供給するガス供給機構と、前記ラダー電極に電気的に接続された高周波電源とを具備することを特徴とする。
また、生成プラズマにより、反応ガスを分解反応させて基板上に製膜するプラズマCVD装置において、反応容器と、この反応容器内の中央部に配置された、ガス供給機能と電極機能とを備えたラダー電極装置と、前記反応容器内で前記ラダー電極を介して向かい合う位置に配置された、前記ラダー電極側に基板を支持・加熱するヒータ源と、前記ラダー電極装置に反応性ガスを供給するガス供給機構と、前記ラダー電極装置に電気的に接続された高周波電源とを具備することを特徴とする。
なお、特許文献2では、両面放電のアンバランスの発生及び該アンバランスに起因する製膜の不均一性について、何も言及されていないし、何も示唆されていない。
特開平05−283343(第1−4図) 特開2002−121677(第1図、第3図、第5図)
最近、エネルギー資源問題や地球環境問題に対応した新エネルギー源として実用化普及の加速化が期待されている薄膜シリコン系太陽電池の分野では、これまで以上により一層の生産コストの低減が社会的ニーズとして強く求められている。
そのために、アモルファスシリコン太陽電池及びアモルファスシリコンと結晶質系シリコンを用いたタンデム型太陽電池については、その生産性向上による低コスト化に関する開発研究が、依然として活発に行われている。
しかしながら、従来技術では、以下に述べるような課題が依然として存在し、その解決が望まれている。
アモルファスシリコンシングル型太陽電池、及びアモルファスシリコンと結晶質系シリコンを用いたタンデム型太陽電池の生産性は、次に示すキーファクターの積の形で表される。即ち、
生産性=「基板の同時処理枚数」x「基板面積(均一性)」x「製膜速度」x「膜質」x「再現性」x「基板搬送速度」x「装置稼動率」x「製品歩留まり」等
上記生産性のキーファクターにおいて、「基板面積(均一性)」x「製膜速度」x「膜質」x「再現性」の改善については、電源周波数を従来の13.56MHzに代えて、VHF帯域(30〜300MHz)の周波数を採用する方式が試みられている。
また、「基板搬送速度」x「装置稼動率」の改善については、従来のインライン型及びマルチチャンバー型から、並列配置型を採用する方式が試みられている。
しかしながら、「基板の同時処理枚数」を1枚から複数枚に増大させるための技術改善については、ブレークスルーのための解決策の発掘を目指した試行錯誤的な研究開発が行われているものの、依然として未解決の課題である。そのため、アモルファスシリコンシングル型太陽電池、及びアモルファスシリコンと結晶質系シリコンを用いたタンデム型太陽電池等の生産現場では、基板の同時処理枚数が1枚のプラズマCVD装置が採用されている。
特許文献1には、両面の放電領域を接地された金属板で仕切りことを特徴とする、次に示す両面放電のプラズマCVD装置を提案している。
プラズマCVD装置における第1電極は、接地金属平板を挟んで両側に2枚の電力印加用金属平板が絶縁スペーサを介して取り付けられ、各電力印加用金属平板は、別個の電源に接続される。したがって、それぞれ一つの電源からは、一方の電力印加用金属平板にのみ電力が供給される。接地金属平板は2枚の電力印加用金属平板相互の間での容量結合を遮断する働きをしている。即ち、一方の電力印加用金属平板に投入された電力はこの接地金属平板の存在により互いに電気的な干渉を受けることが無くなる。その結果、各電源の電力を調整することでそれぞれの電源に接続された片側のみの放電が制御できることになる。
しかしながら、その仕切りの構造は、基板搬送手段が移動するための空間が有るものとなっている。そのため、上記接地金属平板は上記2枚の電力印加用金属平板相互の間での容量結合を遮断する働きを有しておらず、その結果として、その空間を介して、両面の放電領域は繋がった形になっている。即ち、上記放電領域を上記接地された金属板で完全に仕切る機能はないので、両方のプラズマは連成し、互いに干渉し合うことになる。その結果、アンバランス無く、均一に安定して生成することは不可能である。
なお、上記2枚の電力印加用金属平板に挟まれる接地金属平板を基板搬送手段が移動するための空間を無くした形で設置した場合は、両面放電方式ではなく、単に、1枚の基板を搬送する基板搬送手段を有する1つの製膜室を隣り合わせて設置した装置となり、両面放電のプラズマCVD装置とは異なる通常の構造の装置となる。その場合は生産性向上のメリットがないことは言うまでもない。
また、特許文献1には、両面放電のアンバランスの原因として放電用の電極の位置の非対称性を指摘しているが、それ以外の原因について何も言及されていないし、何も示唆されていない。
特許文献2に記載の技術では、両面の放電領域の間に接地された仕切り金属板が無い構成であるので、両方のプラズマは連成し、互いに干渉し合うので、アンバランス無く、均一に安定して生成することは不可能である。
また、特許文献2には、両面放電のアンバランスの発生及び該アンバランスに起因する製膜の不均一性について、何も言及されていないし、何も示唆されていない。
以上で明らかのように、特許文献1及び特許文献2に記載の技術及びそれら特許文献に記載の知見では、薄膜太陽電池の低コスト化に必要な生産技術である両面放電型のプラズマCVD装置技術の改善は、依然として、解決が困難であることを示している。
本発明者は、最近、上記両面放電型のプラズマCVD装置におけるプラズマのアンバランス及びプラズマ生成の制御性の困難性に関する本質的原因あるいは課題は、次に示す問題に関係しているということを発見した。
特許文献1において指摘されている基板搬送系の位置の不確定あるいは再現性不足に起因する接地電極と非接地電極で構成される放電空間の容量のアンバランス発生という問題は、該基板搬送系の位置決め精度及び再現性を高めることで、容易に解決できる。
本発明者が発見した本質的原因あるいは課題は、次に示す問題である。
第1に、従来の両面放電型のプラズマCVD装置及び方法においては、その2つのプラズマの干渉を、本質的に、遮断することはできないという問題がある。
従来の両面放電型のプラズマCVD装置は、図6に示すように、基板搬送手段が移動するための空間Q3を有するので、その空間Q3を介して、両面にある2つのプラズマ領域Q1、Q2は電気的に結合する。即ち、プラズマ領域Q1、Q2間には容量結合が存在するという問題がある。そのため、両面にある2つのプラズマ領域Q1、Q2の容量結合を、本質的に、遮断することはできないという問題がある。
第2に、高周波電源及び整合器からなる電力供給系に起因する問題がある。従来の高周波プラズマ生成に用いられる高周波電力供給系は、図7に示すように、発振器と、増幅器と、進行波検出器及び反射波検出器が付属した方向性結合器から成る高周波電源と、その高周波電源と負荷であるプラズマのインピーダンスを整合させるための整合器とから構成され、該増幅器の出力を該整合器を介して、電極へ供給するが、その際、その整合器にノイズ電波が混入すると、反射波との識別ができないという問題がある。
具体的に説明すると、次の通りである。図7に示す従来の両面放電型プラズマCVD装置の高周波電力供給系において、発振器の出力を増幅器で増幅し、整合器を介して、プラズマ生成用電極に供給する。そして、増幅器に付属した進行波Bの検出器及び反射波Bの検出器を見ながら、整合器を調整することにより、反射波Bを抑制(反射波Bを進行波Bの電力の1〜10%程度に調整)している。しかしながら、この方法では、整合器の下流側の反射波Aがその整合器へ戻ってきた場合、それについての有無を判別できない。即ち、図7において、進行波B及び反射波Bの検出はできるが、整合器の下流側の進行波A及び反射波Aの検出はできない。
また、該整合器の下流側から、他方のプラズマ(ここでは、隣のプラズマという)に供給された別の電源から供給された電力の漏洩波が混入してきた場合、該整合器及び該反射波B検出器は、その有無を判別できない。
即ち、従来の両面放電型の高周波プラズマ生成用の高周波電源装置においては、上記隣のプラズマに供給された別の電源からの電力の漏洩波の影響を受けた状態で、目的とするプラズマ生成に必要な電力を供給及びその制御を行っている。
したがって、両面放電型の高周波プラズマ生成用の高周波電源装置は、基板搬送手段が移動するための空間Q3を介して混入する隣のプラズマからの漏洩波の影響によるインピーダンス整合の不安定及び再現性不足という問題がある。
この問題は、両面放電型の一方のプラズマ生成において、他方のプラズマ生成用高周波電力供給系から混入する漏洩波により、安定したプラズマの制御は出来ないということを意味している。
以上説明したように、従来技術では、上記第1及び第2の問題が有る為に、両面放電型のプラズマCVD装置における両側のプラズマをアンバランス無く、均一に生成することは不可能であった。そのため、両面の製膜室に同時に2枚の基板を設置して、その2枚の基板に、安定して均一な堆積膜を形成することは不可能であった。
即ち、従来の両面放電型の高周波プラズマCVD装置においては、生産性向上のキーファクターの一つである基板の同時処理枚数を、従来の1枚から2枚へ倍増することにより、生産性を2倍に向上さることが困難であるという課題がある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、両面放電型のプラズマCVD装置において、両側のプラズマをアンバランス無く、均一に生成するプラズマ発生用電源装置、該電源装置により構成されたプラズマCVD装置及びプラズマCVD法を提供することを目的とする。
本発明に係わるプラズマ発生用電源装置は、排気系を備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、放電用の第1電極と、この第1電極の両面側にそれぞれに対向して配置された第2電極及び第3電極と、該第1電極と第2電極間に高周波電力を供給する第1の高周波電源と、該第1電極と第3電極間に高周波電力を供給する第2の高周波電源と、プラズマ処理すべき第1の基板を該第1電極と第2電極間に配置させ、かつ、プラズマ処理すべき第2の基板を該第1電極と第3電極間に配置させる基板保持手段とを具備し、該第1電極と第2電極間に生成されるプラズマ及び該第1電極と第3電極間に生成されるプラズマを利用して該第1及び第2の基板の表面に薄膜を形成するプラズマCVD装置に用いられるプラズマ発生用電源装置において、前記第1の高周波電源及び第2の高周波電源が、互いに独立の関係にある高周波電力を発生する高周波電源であることを特徴とする。
また、本発明に係わるプラズマ発生用電源装置においては、前記第1の高周波電源と第2の高周波電源は、それぞれの出力がパルス変調され、時間的に交互に動作する高周波電源であることを特徴とする。
また、本発明に係わるプラズマ発生用電源装置においては、前記第1の高周波電源と第2の高周波電源が、それぞれ任意の同期信号に同期した任意のパルス変調が可能で、かつ、該パルス変調のデユーテイ比即ちパルス幅Hwと周期T0の比Hw/T0を50%以下に設定可能な高周波電源であることを特徴とする。
また、本発明に係わるプラズマ発生用電源装置においては、前記第1の高周波電源及び第2の高周波電源から出力される高周波電力の周波数が、互いに異なる値の周波数であることを特徴とする。
また、本発明に係わるプラズマ発生用電源装置においては、前記第1高周波電源及び第2高周波電源と前記電極を接続する線路に、それぞれ、該電源から供給される電力のそれぞれの周波数成分のみを通過させる機能をもつバンドパスフイルター回路を配置させたことを特徴とする。
また、本発明に係わるプラズマCVD装置は、排気系を備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、放電用の第1電極と、この第1電極の両面側にそれぞれに対向して配置された第2電極及び第3電極と、該第1電極と第2電極間に高周波電力を供給する第1の高周波電源と、該第1電極と第3電極間に高周波電力を供給する第2の高周波電源と、プラズマ処理すべき第1の基板を該第1電極と第2電極間に配置させ、かつ、プラズマ処理すべき第2の基板を該第1電極と第3電極間に配置させる基板保持手段とを具備し、該第1電極と第2電極間に生成されるプラズマ及び該第1電極と第3電極間に生成されるプラズマを利用して該第1及び第2の基板の表面に薄膜を形成するプラズマCVD装置において、前記第1及び第2の高周波電源が請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の高周波電源により構成されていることを特徴とする。
本発明に係わるプラズマCVD法は、排気系を備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、放電用の第1電極と、この第1電極の両面側にそれぞれに対向して配置された第2電極及び第3電極と、該第1電極と第2電極間に高周波電力を供給する第1の高周波電源と、該第1電極と第3電極間に高周波電力を供給する第2の高周波電源と、プラズマ処理すべき第1の基板を該第1電極と第2電極間に配置させ、かつ、プラズマ処理すべき第2の基板を該第1電極と第3電極間に配置させる基板保持手段とを具備し、該第1電極と第2電極間に生成されるプラズマ及び該第1電極と第3電極間に生成されるプラズマを利用して該第1及び第2の基板の表面に薄膜を形成するプラズマCVD法において、前記第1及び第2の高周波電源を請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の高周波電源によって構成し、堆積膜を形成することを特徴とする。
本発明によれば、両面放電型のプラズマCVD装置及びプラズマCVD法において、従来不可能であったアンバランスなしの両面放電及び均一で、再現性のある堆積膜の形成が可能である。即ち、両方のプラズマで安定して形成することができるので、従来の1枚の基板製膜方式に代えて2枚の基板製膜方式が実用化できる。
このことは、アモルファスSiシングル型太陽電池、アモルファスと結晶質シリコン型タンデム太陽電池、LCD(液晶デイスプレー)用TFT(薄膜トランジスター)、複写機用感光体、および各種情報記録デバイス等の産業分野において、生産性向上技術としての応用が可能となる。
特に薄膜シリコン系太陽電池製造分野での応用では、次のキーファクターの積の形で表される生産性が約2倍へ増大することが可能である。即ち、生産性=「基板の同時処理枚数」x「基板面積(均一性)」x「製膜速度」x「膜質」x「再現性」x「基板搬送速度」x「装置稼動率」x「製品歩留まり」等において、「基板の同時処理枚数」が従来の1枚から2枚へ増大することが可能である。
したがって、薄膜シリコン系太陽電池産業での生産ライン用プラズマCVD装置の両面放電方式への応用において、生産性向上および製品コストの低減に関する貢献度は著しく大きい。
以下、本発明の実施の一形態に係わるプラズマ発生用電源装置、該電源装置により構成されたプラズマCVD装置及びプラズマCVD法について、図面を参照して説明する。
なお、以下の説明では、プラズマ発生用電源装置、該電源装置により構成されたプラズマCVD装置及びプラズマCVD法の一例として、太陽電池を製作する際に必要なアモルファスシリコン系薄膜を製作する装置及び方法が記載されているが、本願の発明対象が下記の例の装置及び方法に限定されるものではない。
(実施例1)
本発明に関する実施例1のプラズマ発生用電源装置、該電源装置により構成されたプラズマCVD装置及びプラズマCVD法について、図1ないし図3を参照して説明する。
図1は実施例1に係わるプラズマ発生用電源装置及び該電源装置により構成されたプラズマCVD装置の構成を示す概略図、図2は図1図示のプラズマ発生用電源装置におけるパルス変調信号の概念図、図3は図1図示のプラズマ発生用電源装置におけるパルス変調された信号の概念図である。
先ず、装置の構成を説明する。図1において、符番1は真空容器である。この真空容器1には、図示しない真空ポンプと排気管2a、2b、2c、2d及び図示しない原料ガス供給装置と原料ガス供給管3a、3bが配置されている。
符番4a及び4bは、第1の電極及び第3の電極で、それぞれ、絶縁物6a及び6bで絶縁支持されており、非接地の電極である。第1及び第3の電極4a、4bのサイズは任意で良いが、ここでは、それぞれ、例えば、長さ50cmx幅30cmx厚み5mm(材質:SUS材)である。
該第1及び第3の電極4a、4bにはそれぞれ、原料ガスが通過する孔10a、10bが多数個配置されている。
孔10a、10bは、後述するように、それぞれ、原料ガス供給管3a、3bより供給された原料ガス、例えばシランガス(SiH4)が一対の電極4a、5a及び4b、5bの間で、プラズマ化された原料ガス、例えばシランガス(SiH4)のプラズマ及びその中にある電気的に中性の化学的活性種及びラデイカル種等を均一に排気及び拡散する機能を有している。
符番5a及び5bは第2の電極及び第4の電極で、それぞれ、真空容器1に固定されている。第2及び第4の電極5a、5bのサイズは任意で良いが、ここでは、それぞれ、例えば、長さ50cmx幅30cmx厚み5mm(材質:SUS材)である。
該第2及び第4の電極5a、5bには、それぞれ、原料ガスが通過する孔11a、11bが多数個配置されている。この孔11a、11bは、それぞれ、原料ガス供給管3a、3bより供給される原料ガス、例えばシランガス(SiH4)を、整流して、前記一対の電極4a、5a及び4b、5bの間に均一に供給する機能を有している。
符番7は基板搬送手段本体で、後述の第1及び第2の基板支持板8a、8bと組み合わせて用いることにより、後述の第1及び第2の基板9a、9bを搬入して、所定の位置に設置する。そして、第1及び第2の基板9a、9bに膜が堆積された後、搬出する。
符番8a、8bは、第1及び第2の基板支持板で、それぞれ、基板の搬入、搬出の際及び後述のプラズマで堆積膜を形成する際に、基板を固着している。
なお、該基板搬送手段本体7と第1及び第2の基板支持板8a、8bは、基板9a、9bを所定の位置に再現性良く、設置できる機能を有する。
符番9a、bは、第1及び第2の基板で、それぞれの表面に、目的とする膜が後述の要領により堆積される。
符番10a、10bは、第1及び第2の孔で、それぞれ、原料ガス供給管3a、3bより供給された原料ガス、例えばシランガス(SiH4)が一対の電極4a、5a及び4b、5bの間で、プラズマ化された原料ガス、例えばシランガス(SiH4)のプラズマ及びその中にある電気的に中性の化学的活性種及びラデイカル種等を均一に排気及び拡散する。
符番11a、11bは、第3及び第4の孔で、それぞれ、原料ガス供給管3a、3bより供給される原料ガス、例えばシランガス(SiH4)を、整流して、前記一対の電極4a、5a及び4b、5bの間に均一に供給する。
符番12a、12bは、基板温度制御ヒータで、それぞれ、基板9a、9bを所定の一定温度に加熱、保持する。
なお、真空容器1内の圧力は、図示しない圧力計によりモニターされ、図示しない圧力調整弁により自動的に所定の値に調整、設定される。
本実施例の場合は、原料ガスが流量200sccm〜1000sccm程度の場合、圧力0.01Torr〜10Torr(1.33Pa〜1330Pa)程度に調整できる。真空容器1の真空到達圧力は2〜3E−7Torr(2.66〜3.99E−5Pa)程度である。
符番15は発信器で、周波数は任意で良いが、例えば、10MHz〜100MHz(VHF帯域)の正弦波信号を発生する。なお、該発振器15の出力は2分岐されて、その一方は、後述の第1のスイッチ18aを介して、第1の増幅器19aに伝送され、他方は、後述の第2のスイッチ18bを介して、第2の増幅器19bに伝送される。
符番16はパルス発生器で、任意のパルス幅で、且つ任意の繰り返し数を設定可能であり、その出力は、後述の第1及び第2の遅延回路17a、17bを介して後述の第1及び第2のスイッチ18a、18bの制御信号として用いられる。なお、ここでは、パルス繰り返し数を500Hz〜10KHzの範囲に、且つデユーテイ比即ちパルス幅Hwとパルス繰り返し周期T0の比Hw/T0を50%以下に設定できる装置を用いる。
符番17a、17bは、第1及び第2の遅延回路で、それぞれ、パルス発生器16の出力パルスを任意の時間だけ、遅延させることができるもので、その遅延時間を設定することが可能で、例えば、1〜500μ秒の範囲で任意の値で遅延する機能を有する。
符番18a、18bは、第1及び第2のスイッチで、それぞれ、第1及び第2の遅延回路17a、17bを介して伝送されるパルス電圧信号に応じて、スイッチがON、OFFする装置である。
第1及び第2のスイッチ18a、18bは、それぞれ、その下流にある後述の第1及び第2の増幅器19a、19bへ、パルス変調された高周波信号を伝送するが、そのパルス変調された高周波信号について、具体的には、図2及び図3を参照して説明する。
第1及び第2のスイッチ18a、18bは、それぞれ、図2図示のパルス状の電圧波形V1(t)及びV2(t)で、ON、OFFされる。図2において、T0は、パルス幅Hwのパルス信号の繰り返し周期で、例えば、1/500Hz〜1/10KHzの範囲で、任意に設定可能である。また、Taは、第1のスイッチ18aをON、OFFするパルス信号の立ち上がり時刻と、第2のスイッチ18bをON、OFFするパルス信号の立ち上がり時刻の間隔(遅れ時間)を示す。Taの値は、第1及び第2の遅延回路17a、17bを用い、時間軸で見て、V1(t)とV2(t)が重なり合わずに、交互になるように設定する。
V1(t)及びV2(t)を図2図示のように設定すると、第1及び第2のスイッチ18a、18bを通過する発振器15の出力は、図3図示のW1(t)及びW2(t)のようになる。即ち、後述の第1及び第2の増幅器19a、19bに伝送される信号は、パルス幅Hw、繰り返し周波数1/T0、該2つの信号の立ち上がり時刻の間隔(遅れ時間)Taで特徴付けされるパルス変調された正弦波信号である。
なお、Taの値は、上記第1及び第2の遅延回路17a、17bを用いて、デユーテイ比即ちパルス幅Hwとパルス繰り返し周期T0の比Hw/T0で50%以下において、任意に設定される。
符番19a、19bは、第1及び第2の増幅器である。第1の増幅器19aは、第1のスイッチ18aを介して伝送された発振器15の出力を増幅して、後述の第1の整合器20aに伝送する。第2の増幅器19bは、第2のスイッチ18bを介して伝送された発振器15の出力を増幅して、後述の第2の整合器20bに伝送する。
なお、該第1及び第2の増幅器19a、19bには、それぞれ、出力値(進行波)のモニター及び下流側から反射して戻ってくる反射波のモニターが付属している。また、該反射波による電力増幅器本体の電気回路を防護するためのアイソレータが付属されている。
符番20a、20bは第1及び第2の整合器であり、それぞれ、該整合器の下流側に接続される第1電極4aと第3電極5a、及び第2電極4bと第4電極5bでプラズマを生成するための電力を供給する際に、インピーダンスの整合を取る機能を有する。
符番21a、21bは第1及び第2の電流導入端子で、それぞれ、第1の整合器20aと後述の第1の給電点22a、及び第2の整合器20bと後述の第2の給電点22bを同軸ケーブルを介して接続する。
符番22a、22bは第1及び第2の給電点で、それぞれ、第1及び第2の整合器20a、20bを介して第1及び第2の増幅器19a、19bから供給される電力を第1電極4a及び第2電極4bに供給する。
なお、ここでは、上記発振器15、パルス発生器16、第1及び第2の遅延回路17a、17b、第1及び第2のスイッチ18a、18b、第1及び第2の増幅器19a、19b、第1及び第2の整合器20a、20bから構成される装置を、実施例1のプラズマ発生用電源装置と呼ぶ。
また、上記発振器15、パルス発生器16、第1の遅延回路17a、第1のスイッチ18a、第1の増幅器19a、第1の整合器20aから構成される装置を、実施例1のプラズマ発生用電源装置の第1の電力供給系と呼ぶ。
そして、上記発振器15、パルス発振器16、第2の遅延回路17b、第2のスイッチ18b、第2の増幅器19b、第2の整合器20bから構成される装置を、実施例1のプラズマ発生用電源装置の第2の電力供給系と呼ぶ。
次に、上記構成のプラズマCVD装置を用いて、プラズマCVDによる薄膜太陽電池用アモルファスシリコン膜を製造する場合の方法を説明する。
先ず、図1図示のプラズマCVD装置において、基板搬送手段本体7と第1及び第2の基板支持板8a、8bを用いて、基板9a、9bを所定の位置に設定する。基板は、サイズが長さ50cmx幅30cmx厚み4mmの太陽電池用透明電極付のガラス板である。
次に、図示しない真空ポンプを稼動させ、真空容器1内の不純物ガス等を除去した後、原料ガス供給管3a、3bからSiH4ガスを、例えば300sccm、圧力0.5Torr(66.5Pa)で供給しつつ、基板温度は80〜350℃の範囲、例えば180℃に保持する。なお、基板温度制御ヒータ12a、12bを用いることにより、基板温度は所定温度に一様に、例えば目標温度の値±5〜10℃で設定できる。
そして、上記実施例1のプラズマ発生用電源装置の第1の電力供給系を構成する各装置を次のように動作させる。発振器15の周波数を10MHz〜100MHzの範囲、例えば30MHzに設定する。パルス発生器16は、繰り返し周波数を500Hz〜10KHzの範囲、例えば2kHz、パルス幅Hwを例えば200μ秒、第1の増幅器19aの出力を500W〜2kW、例えば700Wとする。
なお、電流導入端子21aと第1の給電点22a間は真空用同軸ケーブルを用いるのが異常放電防止上好ましい。そして、該真空用同軸ケーブルと給電点22aの接続部を高純度アルミナの絶縁材で囲うのが、異常放電防止上好ましい。
他方、上記実施例1のプラズマ発生用電源装置の第2の電力供給系を構成する各装置を次のように設定する。発振器15は、第1の電力供給系と共用であるので、その周波数は上記30MHzである。パルス発生器16は、第1の電力供給系と共用であるので、上記繰り返し周波数:2kHz及びパルス幅Hw:200μ秒である。第2の遅延回路17bを用いて、図2図示のTaの値を250μ秒とする。
この場合、図2図示のV1(t)とV2(t)のように、2つのパルス電圧トレインが時間的に交互になるように、設定することが必要である。その設定に、第2の遅延回路17bと第1の遅延回路17aの両方を用いても良い。
第2の増幅器19aの出力を500W〜2kWの範囲、例えば700Wとする。
なお、上記の給電点22aへの電力供給と同様に、電流導入端子21bと第2の給電点22b間は真空用同軸ケーブルを用いるのが異常放電防止上好ましい。そして、該真空用同軸ケーブルと給電点22bの接続部を高純度アルミナの絶縁材で囲うのが、異常放電防止上好ましい。
上記の要領で、図1図示のプラズマCVD装置を構成する各装置の動作条件を設定すると、第1の電極4aと第3の電極5aの間、及び第1の電極4aと第1の基板支持板8aの間に導入されたSiH4ガスはプラズマ化される。
ここで、第1の電極4aと第3の電極5aの間、及び第1の電極4aと第1の基板支持板8aの間に生成されるプラズマを、実施例1の第1のプラズマと呼ぶ。
実施例1の第1のプラズマが生成されると、そのプラズマ中に存在するSiH3、SiH2、SiH等の化学的活性種が拡散現象により拡散し、基板9aの表面に吸着し、アモルファスSi膜が堆積する。
同様に、第2の電極4bと第4の電極5bの間、及び第2の電極4bと第2の基板支持板8bの間に導入されたSiH4ガスはプラズマ化される。
ここで、第2の電極4bと第4の電極5bの間、及び第2の電極4bと第2の基板支持板8bの間に生成されるプラズマを、実施例1の第2のプラズマと呼ぶ。
実施例1の第2のプラズマが生成されると、そのプラズマ中に存在するSiH3、SiH2、SiH等の化学的活性種が拡散現象により拡散し、基板9bの表面に吸着し、アモルファスSi膜が堆積する。
ここで、実施例1の第1のプラズマと第2のプラズマが生成される時間帯に着目する。
実施例1の第1のプラズマは、図3に示すパルス変調された正弦波W1(t)の信号が第1の増幅器19aで増幅され、第1の整合器20a、第1の電流端子21a及び第1の給電点22aを介して供給された電力により生成されるので、該プラズマの生成される時間帯は、パルス幅Hw=200μ秒、繰り返し周期T0=500μ秒のパルス状の限られた時間帯である。
他方、実施例1の第2のプラズマは、図3に示すパルス変調された正弦波W2(t)の信号が第1の増幅器19bで増幅され、第2の整合器20b、第2の電流端子21b及び第2の給電点22bを介して供給された電力により生成されるので、該プラズマの生成される時間帯は、繰り返し周期T0=500μ秒、パルス幅Hw=200μ秒、パルス立ち上がり時刻Ta=250μ秒のパルス状の限られた時間帯である。
なお、このパルス変調された正弦波W2(t)は、パルス変調された正弦波W1(t)の立ち下がり時刻から50μ秒(Ta―Hw=250μ秒―200μ秒)遅れて立ち上がるパルス変調された正弦波である。
その結果、実施例1の第1のプラズマと第2のプラズマは、同じ時間帯ではなく、交互にずれた時間帯に生成することができる。即ち、この2つのプラズマを生成する電力は、互いに独立の関係にあり、互いに干渉することが不可能の関係にある。
このことは、従来の両面型のプラズマCVD装置での問題、即ち、基板搬送手段が移動するための空間Q3を介して混入する隣のプラズマからの漏洩波の影響によるインピーダンス整合の不安定及び再現性不足という問題を防止可能であることを示している。
ところで、基板9a、9bの表面に堆積するアモルファスSi膜の製膜速度は、原料ガスの供給量、圧力及び基板温度が一定であれば、それぞれの電力の強さに依存する。また、作製されるアモルファスSi膜の膜質は、原料ガスの供給量、SiH4希釈ガスとして混入するH2ガスの供給量、圧力、基板温度及び電源の周波数及びその電力の強さ等に依存する。
したがって、太陽電池製造に応用する場合は、上記原料ガスの供給量、SiH4希釈ガスとして混入するH2ガスの供給量、圧力、基板温度及び電源の周波数及びその電力の強さ等をパラメータに、それぞれの最適値を選定する予備製膜試験が必要である。
その予備製膜試験においても、また、太陽電池製造への応用においても、該パラメータと得られる膜の製膜速度及び膜質の関係を示すデータは、再現性が成立することが必要で、かつ、極めて重要である。
本実施例で示す図1図示のプラズマCVD装置では、上記実施例1の第1のプラズマと、上記実施例1の第2のプラズマは、時間的に交互に生成されるので、互いに影響されることが無い。
即ち、2枚の基板8a、8bは、上記種々のパラメータのみに依存した形で、再現性良く製膜ができる。
このことは、従来の両面放電型のプラズマCVD装置で問題であった他方のプラズマを生成する電力の影響(漏洩波の問題)を受けることなく、安定したプラズマの生成ができるということを意味している。
本実施例では、電極サイズが長さ50cmx幅30cmx厚み5mmであり、給電点が1点であるので、基板サイズ長さ50cmx幅30cm程度に制約されるが、電極サイズを大きくして、給電点の位置及び個数を増加するなど、大面積化への対応の工夫をすれば基板サイズの拡大は可能であるということは当然のことである。
また、a−Si太陽電池、薄膜シリコンのタンデム型太陽電池等の製造では、両面放電型のプラズマCVD装置で基板2枚に再現性良く製膜することが、生産性向上のため、強く求められている。本実施例によれば、上記発振器15、パルス発生器16、第1及び第2の遅延回路17a、17b、第1及び第2のスイッチ18a、18b、第1及び第2の増幅器19a、19b、第1及び第2の整合器20a、20bから構成されるプラズマ発生用電源装置を用いることで、両面放電型のプラズマCVD装置で基板2枚に再現性の良い製膜が可能である。
このことは、薄膜シリコン太陽電池製造分野での生産性向上および低コスト化に係わる工業的価値が著しく大きいことを意味している。
(実施例2)
本発明に関する実施例2のプラズマ発生用電源装置、該電源装置により構成されたプラズマCVD装置及びプラズマCVD法について、図4を参照して説明する。
図4は実施例2に係わるプラズマ発生用電源装置及び該電源装置により構成されたプラズマCVD装置の構成を示す概略図である。
本装置は、互いに異なる周波数の高周波電力を供給できる2出力の電源と、該2つの出力のそれぞれに接続される2つのバンドパスフイルターと、2つの整合器から構成されるということを特徴とする。
先ず、装置の構成を説明する。ただし、実施例1に示した部材と同じ部材は、同符号を付して説明を省略する。
図4において、符番13a、13bは第1及び第2の発振器で、それぞれ、周波数は任意で良いが、例えば、10MHz〜100MHz(VHF帯域)の正弦波信号を発生する。この信号は、それぞれに、第1及び第2の増幅器19a、19bで電力増幅された後、後述の第1及び第2のバンドパスフイルター14a、14b、第1及び第2の整合器20a、20b、及び電流導入端子21a、21b、及び同軸ケーブルを介して、給電点22a、22bに給電される。
符番14a、14bは、第1及び第2のバンドパスフイルターで、周波数10MHz〜100MHzにおいて、予め設定する任意の周波数のみの電力を通過させる機能を有する。ただし、例えば、30MHzと33MHz、あるいは、60MHzと65MHzのように、予め、周波数を選定し、それに対応できる第1及び第2のバンドパスフイルターを設計し、製造しておくことが必要である。
なお、ここでは、上記発振器13a、13b、第1及び第2の増幅器19a、19b、第1及び第2のバンドパスフイルター14a、14b、第1及び第2の整合器20a、20bから構成される装置を、実施例2のプラズマ発生用電源装置と呼ぶ。
また、上記発振器13a、第1の増幅器19a、第1のバンドパスフイルター14a、第1の整合器20aから構成される装置を、実施例2のプラズマ発生用電源装置の第1の電力供給系と呼ぶ。
そして、上記発振器13b、第2の増幅器19b、第2のバンドパスフイルター14b、第2の整合器20bからから構成される装置を、実施例2のプラズマ発生用電源装置の第2の電力供給系と呼ぶ。
次に、上記構成のプラズマCVD装置を用いて、プラズマCVDによる薄膜太陽電池用アモルファスシリコン膜を製造する場合の方法を説明する。
先ず、図4図示のプラズマCVD装置において、基板搬送手段本体7と第1及び第2の基板支持板8a、8bを用いて、基板9a、9bを所定の位置に設定する。基板は、例えば、サイズが長さ50cmx幅30cmx厚み4mmの太陽電池用透明電極付のガラス板である。
次に、図示しない真空ポンプを稼動させ、真空容器1内の不純物ガス等を除去した後、原料ガス供給管3a、3bからSiH4ガスを、例えば300sccm、圧力0.5Torr(66.5Pa)で供給しつつ、基板温度は80〜350℃の範囲、例えば180℃に保持する。なお、基板温度制御ヒータ12a、12bを用いることにより、基板温度は所定温度に一様に、例えば目標温度の値±5〜10℃で設定できる。
そして、上記プラズマ発生用電源装置の第1の電力供給系を構成する各装置を次のように動作させる。
実施例2のプラズマ発生用電源装置の第1の電力供給系において、第1の発振器13aの周波数を10MHz〜100MHzの範囲、例えば30MHzに設定する。第1の増幅器19aの出力を500W〜2kW、例えば700Wとする。第1のバンドパスフイルターは、予め用意した中心周波数30MHz対応のバンドパスフイルターを用いる。
第1の整合器20aは、出力値(進行波)のモニター及び下流側から反射して戻ってくる反射波のモニターを見ながら、反射波がゼロあるいはほとんどゼロになるように、調整する。なお、一般的には、反射波の強さを出力値の数%以下に抑えることができる。
第1の電流導入端子21aと第1の給電点22a間は真空用同軸ケーブルを用いるのが異常放電防止上好ましい。そして、該真空用同軸ケーブルと給電点22aの接続部を高純度アルミナの絶縁材で囲うのが、異常放電防止上好ましい。
他方、実施例2のプラズマ発生用電源装置の第2の電力供給系において、第2の発振器13bの周波数を10MHz〜100MHzの範囲、例えば33MHzに設定する。第2の増幅器19bの出力を500W〜2kW、例えば700Wとする。第2のバンドパスフイルターは、予め用意した中心周波数33MHz対応のバンドパスフイルターを用いる。
第2の整合器20aは、出力値(進行波)のモニター及び下流側から反射して戻ってくる反射波のモニターを見ながら、反射波がゼロあるいはほとんどゼロになるように、調整する。なお、一般的には、反射波の強さを出力値の数%以下に抑えることができる。
第2の電流導入端子21bと第2の給電点22b間は真空用同軸ケーブルを用いるのが異常放電防止上好ましい。そして、該真空用同軸ケーブルと給電点22bの接続部を高純度アルミナの絶縁材で囲うのが、異常放電防止上好ましい。
上記の要領で、図4図示のプラズマCVD装置の構成する各装置の動作条件を設定すると、第1の電極4aと第3の電極5aの間、及び第1の電極4aと第1の基板支持板8aの間に導入されたSiH4ガスはプラズマ化される。
ここで、第1の電極4aと第3の電極5aの間、及び第1の電極4aと第1の基板支持板8aの間に生成されるプラズマを、実施例2の第1のプラズマと呼ぶ。
実施例2の第1のプラズマが生成されると、そのプラズマ中に存在するSiH3、SiH2、SiH等の化学的活性種が拡散現象により拡散し、基板9aの表面に吸着し、アモルファスSi膜が堆積する。
同様に、第2の電極4bと第4の電極5bの間、及び第2の電極4bと第2の基板支持板8bの間に導入されたSiH4ガスはプラズマ化される。
ここで、第2の電極4bと第4の電極5bの間、及び第2の電極4bと第2の基板支持板8bの間に生成されるプラズマを、実施例2の第2のプラズマと呼ぶ。
実施例2の第2のプラズマが生成されると、そのプラズマ中に存在するSiH3、SiH2、SiH等の化学的活性種が拡散現象により拡散し、基板9bの表面に吸着し、アモルファスSi膜が堆積する。
ここで、実施例2の第1のプラズマを生成するための実施例2の第1の電力供給系と、実施例2の第2のプラズマを生成するための実施例2の第2の電力供給系の電磁波干渉に着目する。
実施例2の第1のプラズマは、実施例2の第1の電力供給系から供給された電力で生成されるが、その生成において、第1の増幅器と第1の整合器の間に中心周波数30MHzのバンドパスフイルターが設置されている。即ち、第1の増幅器と第1の整合器の間は周波数30MHz以外の周波数成分の電力は遮断されて通過できない。そのため、第1の増幅器に、実施例2の第2のプラズマ生成用の第2の電力供給系が発する周波数33MHzの電磁波が、実施例2の第1の電力供給系から供給された電力の反射波に混入して戻ることは出来ない。
なお、実施例2の第1の電力供給系の電力を、第1の給電点22aに給電するに際し、第1の増幅器に付属している出力値(進行波)のモニター及び下流側から反射して戻ってくる反射波のモニターを見ながら、反射波がゼロあるいはほとんどゼロになるように、第1の整合器20aを調整するので、該反射波のモニターに対して第2のプラズマ生成用の実施例2の第2の電力供給系が発する電力が影響ないということは、実施例2の第1の電力供給系に対する影響はないということを意味する。
その結果、実施例2の第1の電力供給系による第1のプラズマ生成に際し第2のプラズマ生成用の実施例2の第2の電力供給系の影響を抑えることが可能である。
同様に、第2のプラズマは、実施例2の第2の電力供給系から供給された電力で生成されるが、その生成において、第2の増幅器と第2の整合器の間に中心周波数33MHzのバンドパスフイルターが設置されている。即ち、第2の増幅器と第2の整合器の間は周波数33MHz以外の周波数成分の電力は遮断されて通過できない。そのため、第2の増幅器に、第1のプラズマ生成用の実施例2の第1の電力供給系が発する周波数30MHzの電磁波が、実施例2の第2の電力供給系から供給された電力の反射波に混入して戻ることは出来ない。
なお、実施例2の第2の電力供給系の電力を、第2の給電点22bに給電するに際し、第2の増幅器に付属している出力値(進行波)のモニター及び下流側から反射して戻ってくる反射波のモニターを見ながら、反射波がゼロあるいはほとんどゼロになるように、第2の整合器20bを調整するので、該反射波のモニターに対して第1のプラズマ生成用の実施例2の第1の電力供給系が発する電力が影響ないということは、実施例2の第2の電力供給系に対する影響はないということを意味する。
その結果、実施例2の第2の電力供給系による第2のプラズマ生成に際し、第1のプラズマ生成用の実施例2の第1の電力供給系の影響を抑えることが可能である。
このことは、従来の両面型のプラズマCVD装置での問題、即ち、基板搬送手段が移動するための空間Q3を介して混入する隣のプラズマからの漏洩波の影響によるインピーダンス整合の不安定及び再現性不足という問題を防止可能であるということを示している。
ところで、基板9a、9bの表面に堆積するアモルファスSi膜の製膜速度は、原料ガスの供給量、圧力及び基板温度が一定であれば、それぞれの電力の強さに依存する。また、作製されるアモルファスSi膜の膜質は、原料ガスの供給量、SiH4希釈ガスとして混入するH2ガスの供給量、圧力、基板温度及び電源の周波数及びその電力の強さ等に依存する。
したがって、太陽電池製造に応用する場合は、上記原料ガスの供給量、SiH4希釈ガスとして混入するH2ガスの供給量、圧力、基板温度及び電源の周波数及びその電力の強さ等をパラメータに、それぞれの最適値を選定する予備製膜試験が必要である。
その予備製膜試験においても、また、太陽電池製造への応用においても、該パラメータと得られる膜の製膜速度及び膜質の関係を示すデータは、再現性が成立することが必要で、かつ、極めて重要である。
本実施例で示す図4図示のプラズマCVD装置では、第1の電極4aと第3の電極5aの間及び第1の電極4aと第3の基板支持板8aの間に生成されるプラズマと、第2の電極4bと第4の電極5bの間及び第2の電極4bと第2の基板支持板8bの間に生成されるプラズマは、互いに影響を与えることなく生成される。即ち、2枚の基板8a、8bは、上記種々のパラメータのみに依存した形で、再現性良く製膜ができる。
このことは、従来の両面放電型のプラズマCVD装置で問題であった他方のプラズマ生成電力の影響(漏洩波の問題)を受けることなく、安定したプラズマの生成ができるということを意味している。
本実施例では、電極サイズが長さ50cmx幅30cmx厚み5mmであり、給電点が1点であるので、基板サイズ長さ50cmx幅30cm程度に制約されるが、電極サイズを大きくして、給電点の位置及び個数を増加するなど、大面積化への対応の工夫をすれば基板サイズの拡大は可能であるということは当然のことである。
また、a−Si太陽電池、薄膜シリコンのタンデム型太陽電池等の製造では、両面放電型のプラズマCVD装置で基板2枚に再現性良く製膜することが、生産性向上のため、強く求められている。本実施例によれば、上記発振器13a、13b、第1及び第2の増幅器19a、19b、第1及び第2のバンドパスフイルター14a、14b、第1及び第2の整合器20a、20bから構成されるプラズマ発生用電源装置を用いることで、両面放電型のプラズマCVD装置で基板2枚に再現性の良い製膜が可能である。
このことは、薄膜シリコン太陽電池製造分野での生産性向上および低コスト化に係わる工業的価値が著しく大きいことを意味している。
(実施例3)
本発明に関する実施例3のプラズマ発生用電源装置、該電源装置により構成されたプラズマCVD装置及びプラズマCVD法について、図5を参照して説明する。
図5は実施例3に係わるプラズマ発生用電源装置及び該電源装置により構成されたプラズマCVD装置の構成を示す概略図である。
本装置は、互いに異なる周波数の高周波電力を供給できる2出力の電源と、2つの整合器から構成されるということを特徴とする。
実施例3の装置は、実施例2の装置即ち図4図示の装置から第1及び第2のバンドパスフイルターを取り除いた構成になっている。その構成部材は、実施例1及び実施例2に示した部材と同じ部材であるので、同符号を付して説明を省略する。
なお、ここでは、発振器13a、13b、第1及び第2の増幅器19a、19b、第1及び第2の整合器20a、20bから構成される装置を、実施例3のプラズマ発生用電源装置と呼ぶ。
また、上記発振器13a、第1の増幅器19a、第1の整合器20aから構成される装置を、実施例3のプラズマ発生用電源装置の第1の電力供給系と呼ぶ。
そして、上記発振器13b、第2の増幅器19b、第2の整合器20bからから構成される装置を、実施例3のプラズマ発生用電源装置の第2の電力供給系と呼ぶ。
図5図示のプラズマCVD装置を用いて、プラズマCVDによる薄膜太陽電池用アモルファスシリコン膜を製造する場合の方法を説明する。
先ず、図5図示のプラズマCVD装置において、基板搬送手段本体7と第1及び第2の基板支持板8a、8bを用いて、基板9a、9bを所定の位置に設定する。基板は、例えば、サイズが長さ50cmx幅30cmx厚み4mmの太陽電池用透明電極付のガラス板である。
次に、図示しない真空ポンプを稼動させ、真空容器1内の不純物ガス等を除去した後、原料ガス供給管3a、3bからSiH4ガスを、例えば300sccm、圧力0.5Torr(66.5Pa)で供給しつつ、基板温度は80〜350℃の範囲、例えば180℃に保持する。なお、基板温度制御ヒータ12a、12bを用いることにより、基板温度は所定温度に一様に、例えば目標温度の値±5〜10℃で設定できる。
そして、上記プラズマ発生用電源装置の実施例3の第1の電力供給系を構成する各装置を次のように動作させる。
プラズマ発生用電源装置の第1の電力供給系において、第1の発振器13aの周波数を10MHz〜100MHzの範囲、例えば60MHzに設定する。第1の増幅器19aの出力を500W〜2kW、例えば700Wとする。
第1の整合器20aは、出力値(進行波)のモニター及び下流側から反射して戻ってくる反射波のモニターを見ながら、反射波がゼロあるいはほとんどゼロになるように、調整する。なお、一般的には、反射波の強さを出力値の数%以下に抑えることができる。
第1の電流導入端子21aと第1の給電点22a間は真空用同軸ケーブルを用いるのが異常放電防止上好ましい。そして、該真空用同軸ケーブルと給電点22aの接続部を高純度アルミナの絶縁材で囲うのが、異常放電防止上好ましい。
他方、プラズマ発生用電源装置の実施例3の第2の電力供給系において、第2の発振器13bの周波数を10MHz〜100MHzの範囲、例えば65MHzに設定する。第2の増幅器19bの出力を500W〜2kW、例えば700Wとする。
第2の整合器20aは、出力値(進行波)のモニター及び下流側から反射して戻ってくる反射波のモニターを見ながら、反射波がゼロあるいはほとんどゼロになるように、調整する。なお、一般的には、反射波の強さを出力値の数%以下に抑えることができる。
第2の電流導入端子21bと第2の給電点22b間は真空用同軸ケーブルを用いるのが異常放電防止上好ましい。そして、該真空用同軸ケーブルと給電点22bの接続部を高純度アルミナの絶縁材で囲うのが、異常放電防止上好ましい。
上記の要領で、図5図示のプラズマCVD装置の構成する各装置の動作条件を設定すると、第1の電極4aと第3の電極5aの間、及び第1の電極4aと第1の基板支持板8aの間に導入されたSiH4ガスはプラズマ化される。
ここで、第1の電極4aと第3の電極5aの間、及び第1の電極4aと第1の基板支持板8aの間に生成されるプラズマを、実施例3の第1のプラズマと呼ぶ。
実施例3の第1のプラズマが生成されると、そのプラズマ中に存在するSiH3、SiH2、SiH等の化学的活性種が拡散現象により拡散し、基板9aの表面に吸着し、アモルファスSi膜が堆積する。
同様に、第2の電極4bと第4の電極5bの間、及び第2の電極4bと第2の基板支持板8bの間に導入されたSiH4ガスはプラズマ化される。
ここで、第2の電極4bと第4の電極5bの間、及び第2の電極4bと第2の基板支持板8bの間に生成されるプラズマを、実施例3の第2のプラズマと呼ぶ。
実施例3の第2のプラズマが生成されると、そのプラズマ中に存在するSiH3、SiH2、SiH等の化学的活性種が拡散現象により拡散し、基板9bの表面に吸着し、アモルファスSi膜が堆積する。
ここで、実施例3の第1のプラズマを生成するための第1の電力供給系と、実施例3の第2のプラズマを生成するための第2の電力供給系の電磁波干渉に着目する。
実施例3において、第1のプラズマは、実施例3の第1の電力供給系から供給された電力で生成されるが、その生成において、該電力の周波数は60MHzであり、第1の整合器は、該60MHzの成分の電力について、整合を取る。即ち、第1の増幅器と第1の整合器の間は60MHz以外の周波数成分の電力は、インピーダンスが大きくて、実質的には遮断される。
そのため、第1の増幅器に、第2のプラズマ生成用の実施例3の第2の電力供給系が発する周波数65MHzの電磁波が、実施例3の第1の電力供給系から供給された電力の反射波に混入して戻ることは出来ない。
なお、実施例3の第1の電力供給系の電力を、第1の給電点22aに給電するに際し、第1の増幅器に付属している出力値(進行波)のモニター及び下流側から反射して戻ってくる反射波のモニターを見ながら、反射波がゼロあるいはほとんどゼロになるように、第1の整合器20aを調整するので、該反射波のモニターに対して第2のプラズマ生成用の実施例3の第2の電力供給系が発する電力が影響ないということは、第1の電力供給系に対する影響はないということを意味する。
その結果、実施例3の第1の電力供給系による第1のプラズマ生成に際し、第2のプラズマ生成用の実施例3の第2の電力供給系の影響を抑えることが可能である。
同様に、実施例3において、第2のプラズマは、実施例3の第2の電力供給系から供給された電力で生成されるが、その生成において、該電力の周波数は65MHzであり、第2の整合器は、該65MHzの成分の電力について、整合を取る。即ち、第2の増幅器と第2の整合器の間は65MHz以外の周波数成分の電力は、インピーダンスが大きくて、実質的には遮断される。即ち、第2の増幅器と第2の整合器の間は65MHz以外の周波数成分の電力は遮断されて通過できない。
そのため、第2の増幅器に、第1のプラズマ生成用の実施例3の第1の電力供給系が発する周波数60MHzの電磁波が、実施例3の第2の電力供給系から供給された電力の反射波に混入して戻ることは出来ない。
なお、実施例3の第2の電力供給系の電力を、第2の給電点22bに給電するに際し、第2の増幅器に付属している出力値(進行波)のモニター及び下流側から反射して戻ってくる反射波のモニターを見ながら、反射波がゼロあるいはほとんどゼロになるように、第2の整合器20bを調整するので、該反射波のモニターに対して第1のプラズマ生成用の実施例3の第1の電力供給系が発する電力が影響ないということは、実施例3の第2の電力供給系に対する影響はないということを意味する。
その結果、実施例3の第2の電力供給系による第2のプラズマ生成に際し、第1のプラズマ生成用の実施例3の第1の電力供給系の影響を抑えることが可能である。
このことは、従来の両面型のプラズマCVD装置での問題、即ち、基板搬送手段が移動するための空間Q3を介して混入する隣のプラズマからの漏洩波の影響によるインピーダンス整合の不安定及び再現性不足という問題を防止可能であるということを示している。
ところで、基板9a、9bの表面に堆積するアモルファスSi膜の製膜速度は、原料ガスの供給量、圧力及び基板温度が一定であれば、それぞれの電力の強さに依存する。また、作製されるアモルファスSi膜の膜質は、原料ガスの供給量、SiH4希釈ガスとして混入するH2ガスの供給量、圧力、基板温度及び電源の周波数及びその電力の強さ等に依存する。
したがって、太陽電池製造に応用する場合は、上記原料ガスの供給量、SiH4希釈ガスとして混入するH2ガスの供給量、圧力、基板温度及び電源の周波数及びその電力の強さ等をパラメータに、それぞれの最適値を選定する予備製膜試験が必要である。
その予備製膜試験においても、また、太陽電池製造への応用においても、該パラメータと得られる膜の製膜速度及び膜質の関係を示すデータは、再現性が成立することが必要で、かつ、極めて重要である。
本実施例で示す図5図示のプラズマCVD装置では、第1の電極4aと第3の電極5aの間及び第1の電極4aと第3の基板支持板8aの間に生成されるプラズマと、第2の電極4bと第4の電極5bの間及び第2の電極4bと第2の基板支持板8bの間に生成されるプラズマは、互いに影響を与えることなく生成される。即ち、2枚の基板8a、8bは、上記種々のパラメータのみに依存した形で、再現性良く製膜ができる。
このことは、従来の両面放電型のプラズマCVD装置で問題であった他方のプラズマ生成電力の影響(漏洩波の問題)を受けることなく、安定したプラズマの生成ができるということを意味している。
本実施例では、電極サイズが長さ50cmx幅30cmx厚み5mmであり、給電点が1点であるので、基板サイズ長さ50cmx幅30cm程度に制約されるが、電極サイズを大きくして、給電点の位置及び個数を増加するなど、大面積化への対応の工夫をすれば基板サイズの拡大は可能であるということは当然のことである。
また、a−Si太陽電池、薄膜シリコンのタンデム型太陽電池等の製造では、両面放電型のプラズマCVD装置で基板2枚に再現性良く製膜することが、生産性向上のため、強く求められている。本実施例によれば、上記発振器13a、13b、第1及び第2の増幅器19a、19b、第1及び第2の整合器20a、20bから構成されるプラズマ発生用電源装置を用いることで、両面放電型のプラズマCVD装置で基板2枚に再現性の良い製膜が可能である。
このことは、薄膜シリコン太陽電池製造分野での生産性向上および低コスト化に係わる工業的価値が著しく大きいことを意味している。
図1は実施例1に係わるプラズマ発生用電源装置及び該電源装置により構成されたプラズマCVD装置の構成を示す概略図。 図2は図1図示のプラズマ発生用電源装置におけるパルス変調信号の概念図。 図3は図1図示のプラズマ発生用電源装置におけるパルス変調された信号の概念図。 図4は実施例2に係わるプラズマ発生用電源装置及び該電源装置により構成されたプラズマCVD装置の構成を示す概略図。 図5は実施例3に係わるプラズマ発生用電源装置及び該電源装置により構成されたプラズマCVD装置の構成を示す概略図。 従来の両面放電型のプラズマCVD装置の構成を示す概略図。 高周波プラズマCVD装置用電源装置の動作を示す概略図。
符号の説明
1・・・真空容器、
2a、2b、2c、2d・・・排気管、
4a、4b・・・第1及び第3の電極、
5a、5b・・・第2及び第4の電極
6a、6b・・・絶縁材、
7・・・基板搬送手段本体、
8a、8b・・・第1及び第2の基板支持板、
9a、9b・・・第1及び第2の基板、
10a、10b・・・孔、
11a、11b・・・孔、
12a、12b・・・第1及び第2の基板温度制御ヒータ、
13a、13b・・・第1及び第2の発振器、
14a、14b・・・第1及び第2のバンドパスフイルター、
15・・・発振器、
16・・・パルス発生器、
17a、17b・・・第1及び第2の遅延回路、
18a、18b・・・第1及び第2のスイッチ、
19a、19b・・・第1及び第2の増幅器、
20a、20b・・・第1及び第2の整合器、
21a、21b・・・第1及び第2の電流導入端子、
22a、22b・・・第1及び第2の給電点。

Claims (7)

  1. 排気系を備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、放電用の第1電極と、この第1電極の両面側にそれぞれに対向して配置された第2電極及び第3電極と、該第1電極と第2電極間に高周波電力を供給する第1の高周波電源と、該第1電極と第3電極間に高周波電力を供給する第2の高周波電源と、プラズマ処理すべき第1の基板を該第1電極と第2電極間に配置させ、かつ、プラズマ処理すべき第2の基板を該第1電極と第3電極間に配置させる基板保持手段とを具備し、該第1電極と第2電極間に生成されるプラズマ及び該第1電極と第3電極間に生成されるプラズマを利用して該第1及び第2の基板の表面に薄膜を形成するプラズマCVD装置に用いられるプラズマ発生用電源装置において、前記第1の高周波電源及び第2の高周波電源が、互いに独立の関係にある高周波電力を発生する高周波電源であることを特徴とするプラズマ発生用電源装置。
  2. 前記第1の高周波電源と第2の高周波電源は、それぞれの出力がパルス変調され、時間的に交互に動作する高周波電源であることを特徴とする請求項1記載のプラズマ発生用電源装置。
  3. 前記第1の高周波電源と第2の高周波電源が、それぞれ任意の同期信号に同期した任意のパルス変調が可能で、かつ、該パルス変調のデユーテイ比即ちパルス幅Hwと周期T0の比Hw/T0を50%以下に設定可能な高周波電源であることを特徴とする請求項2記載のプラズマ発生用電源装置。
  4. 前記第1の高周波電源及び第2の高周波電源から出力される高周波電力の周波数が、互いに異なる値の周波数であることを特徴とする請求項1記載のプラズマ発生用電源装置。
  5. 前記第1高周波電源及び第2高周波電源と前記電極を接続する線路に、それぞれ、該電源から供給される電力のそれぞれの周波数成分のみを通過させる機能をもつバンドパスフイルター回路を配置させたことを特徴とする請求項4記載のプラズマ発生用電源装置。
  6. 排気系を備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、放電用の第1電極と、この第1電極の両面側にそれぞれに対向して配置された第2電極及び第3電極と、該第1電極と第2電極間に高周波電力を供給する第1の高周波電源と、該第1電極と第3電極間に高周波電力を供給する第2の高周波電源と、プラズマ処理すべき第1の基板を該第1電極と第2電極間に配置させ、かつ、プラズマ処理すべき第2の基板を該第1電極と第3電極間に配置させる基板保持手段とを具備し、該第1電極と第2電極間に生成されるプラズマ及び該第1電極と第3電極間に生成されるプラズマを利用して該第1及び第2の基板の表面に薄膜を形成するプラズマCVD装置において、前記第1及び第2の高周波電源が請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の高周波電源により構成されていることを特徴とするプラズマCVD装置。
  7. 排気系を備えた真空容器と、この真空容器内に放電用ガスを供給する放電用ガス供給系と、放電用の第1電極と、この第1電極の両面側にそれぞれに対向して配置された第2電極及び第3電極と、該第1電極と第2電極間に高周波電力を供給する第1の高周波電源と、該第1電極と第3電極間に高周波電力を供給する第2の高周波電源と、プラズマ処理すべき第1の基板を該第1電極と第2電極間に配置させ、かつ、プラズマ処理すべき第2の基板を該第1電極と第3電極間に配置させる基板保持手段とを具備し、該第1電極と第2電極間に生成されるプラズマ及び該第1電極と第3電極間に生成されるプラズマを利用して該第1及び第2の基板の表面に薄膜を形成するプラズマCVD法において、前記第1及び第2の高周波電源を請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の高周波電源によって構成し、堆積膜を形成することを特徴とするプラズマCVD法。
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