JP2007231210A - 光ラジカル重合開始剤、及びこれを配合した光ラジカル重合性組成物 - Google Patents

光ラジカル重合開始剤、及びこれを配合した光ラジカル重合性組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 ハロゲンランプやキセノンランプ等の重合用光照射器を用いた光照射に対して迅速に硬化し、優れた物性の硬化体を与える光重合型歯科用コンポジットレジンに使用するのが好適な光ラジカル重合開始剤を開発すること。
【解決手段】 (A)カンファーキノン等のα−ジケトン、
(B)B1)N,N−ジメチルp−安息香酸エチル等の芳香族アミン化合物、B2)トリエタノールアミン等の脂肪族アミン化合物からなるアミン化合物、
(C)ジアリールヨードニウム塩、
及び(D)9,10−ジメチルアントラセン等の縮合多環式芳香族化合物
を含有してなる光ラジカル重合開始剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、歯科用材料に有用な新規な光ラジカル重合開始剤、並びにこれを配合した光ラジカル重合性組成物に関する。該光ラジカル重合性組成物は、ハロゲンランプやキセノンランプ等の照射器の光照射により、短時間で速やかに重合が完結し、より高い硬化体物性を得られるため、光重合型歯科用コンポジットレジンとして使用される。
光照射によりラジカルまたはイオン種を発生し、重合性の不飽和化合物または環状化合物を重合させる光重合開始剤に関しては、種々の提案がなされている。一般的には、光を吸収しそれ自身が分解して重合活性種を生成する化合物や、さらに適当な増感剤を組み合わせた系が広く検討され、使用されている。
前者の例としては、アシルフォスフィンオキサイド化合物やα−ジケトン化合物が知られており、後者の例としてはα−ジケトン化合物と第3級アミン化合物との組み合わせがよく知られ、特に歯科用材料の分野で有用に用いられている。
例えば、歯科用材料の分野では、当該光ラジカル重合開始剤は、コンポジットレジンと呼ばれる、(メタ)アクリレート系単量体および無機フィラー(充填材)を主成分とするペースト状組成物に添加し、該コンポジットレジンを光ラジカル重合性のものとするために用いられる。当該コンポジットレジンはペーストの状態で歯牙の充填や成形を行った後に歯科用の光照射器等により光を照射して硬化させて使用される(以下、重合硬化させるために照射する光を「照射光」ともいう。一般にこのような照射は100〜1500mW/cmの光源を用い、0〜10mm程度の距離から行う。)
具体的には、歯科診療室内で上記ペースト状組成物を、修復すべき歯牙の窩洞に充填し、歯牙の形に形成した後に、専用の光照射器を用いて照射光を照射して重合硬化させたり、あるいは歯科技工所内において上記組成物を石膏模型上で修復すべき歯牙の形に築盛し、これを光照射により重合硬化させてから硬化体を得、次いで歯科医院において、この硬化体を歯科用接着剤を用いて歯質に接着させる等の方法により歯の修復が行われている(例えば、非特許文献1参照)。
しかしながら、上記のα−ジケトン化合物と第3級アミン化合物とを組み合わせて光重合開始剤として用いた場合には、充填や築盛等の操作をしている間にペーストの粘度が上昇してしまい、操作が困難になってしまうという問題があった。
この操作性低下の問題は、光重合開始剤として使用されているカンファーキノン、およびジメチル安息香酸エチルエステルに代表される第3級アミン化合物の組み合わせが、弱い光に対しても高い活性を有するため、口腔内を照らすデンタルライトあるいは蛍光灯のような室内灯等の光等(これらの光を以後「環境光」と呼ぶ。これらの光強度は、通常10000ルックス以下であり、照射光の強度の数%にも満たない。)に感応してしまい硬化が開始されるのが原因である。このような現象は、光重合開始剤の添加量を減らしたり、重合禁止剤を添加すればある程度には回避することが出来る。
しかしながら、このような方法を適用した場合には、照射光を従来と同程度の時間照射しても十分な硬化が起こらずに、得られる硬化体の強度が低下する、硬化体の表面近傍に未重合モノマーが多量に残ってしまうという問題がしばしば起こる。このため、重合硬化を十分進行させるためには照射光の照射時間を長くする必要がある。しかしながら、上記コンポジットレジンは患者の口腔内で使用されることが多く、照射時間を長く取ることは操作に時間がかかるだけではなく、患者にも多大な負担を強いるという問題があった。
即ち、上記従来の光重合開始剤を用いたペースト状組成物では、環境光に対する安定性と照射光に対する反応活性のバランスを取ることが困難、即ち、環境光程度の弱い光では硬化が起こらず、他方、歯科用の光照射器等によって強い光照射を行うと急速に硬化するものを得ることはできなかった。
このような問題を解決すべく、アリールヨードニウム塩、増感剤、及び電子供与体を用いることも知られている(例えば、特許文献1参照)。この光重合開始剤を用いた組成物は重合硬化に要する照射光照射時間が従来に比べて短時間になっている。また、アリールヨードニウム塩、増感剤、及び電子供与体を用いる触媒系において、電子供与体の1種であるアミン化合物として芳香族アミンと脂肪族アミンとを併用ことも知られている(例えば、特許文献2参照)。芳香族アミンと脂肪族アミンとを併用した光重合開始剤を用いた組成物は、併用しない場合に比べ重合硬化に要する照射光照射時間がさらに短時間になっている。しかしながら、歯科治療における操作性や患者の負担を勘案すれば、その重合硬化に要する照射光照射時間は、依然十分に満足できるものではなく、更に短時間にすることが強く望まれていた。
一方、縮合多環式芳香族化合物は、光カチオン重合の増感剤として用いられてきたが、近年では、他の成分と組み合わせてラジカル重合の開始剤として用いられ始めている。そして、α−ジケトン化合物等の可視光に吸収を有する色素、アリールヨードニウム化合物等の光酸発生剤、アミン化合物等の電子供与体からなるラジカル重合開始剤に組合わせて使用することにより、前記重合硬化に要する照射光照射時間の短時間化にある程度に有効であることが提案されている(特許文献3)。しかしながら、このラジカル重合の開始剤の組合わせにおいて、アミン化合物は、芳香族アミンや脂肪族アミンが示される中から一種を選んで単独で使用することしか示されておらず、これらを組合わせて使用することについては何の記載も示唆も無い。しかして、このようなアミン化合物を一種類単独で、縮合多環式芳香族化合物と組合わせて使用する態様でも、前記した重合硬化速度は、歯科用コンポジットレジン等の用途においては依然として十分に満足できるものではなく、更なる改善が必要であった。
細田裕康編、「光重合型コンポジットレジンの基礎と臨床」、日本歯科出版、昭和61年2月10日、p.9−20 特開昭63−273602号公報 特開2005−213231号公報 特開2004−196775号公報
以上の背景にあって本発明者らは、ラジカル重合性単量体に配合して光ラジカル重合性組成物にした際に、ハロゲンランプやキセノンランプ等の照射器による光照射により、極めて短時間で重合が完結し、良好な硬化体物性を得られる光ラジカル重合開始剤を開発することを目的とする。特に、光重合型歯科用コンポジットレジンに代表される歯科用の光ラジカル重合性組成物の光ラジカル重合開始剤として上記性状を発揮でき、操作性に優れ、患者の負担も最小限にすむ上記光ラジカル重合開始剤を開発することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく、鋭意検討を行った。その結果、α−ジケトン化合物、アミン化合物、及びジアリールヨードニウム塩からなる光ラジカル重合開始剤において、該アミン化合物を併用し、さらに、これに縮合多環式芳香族化合物を組合わせて使用することにより、これを用いた光ラジカル重合性組成物は著しく短時間で重合が完結するようになることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、(A)α−ジケトン、
(B)B1)芳香族アミン化合物、及びB2)脂肪族アミン化合物からなるアミン化合物、
(C)ジアリールヨードニウム塩、並びに
(D)縮合多環式芳香族化合物
を含有してなることを特徴とする光ラジカル重合開始剤である。
本発明の光ラジカル重合開始剤は、従来公知の光ラジカル重合開始剤と比較して、これを用いた光ラジカル重合性組成物に対して、ハロゲンランプやキセノンランプ等の種々の照射器から光照射された際に、極めて速くに重合硬化を完結させることができる。すなわち、アミン化合物として、芳香族アミン化合物と脂肪族アミン化合物とを併用し、さらに縮合多環式芳香族化合物を組合わせることで、光源の種類によらず高い重合活性を示し短時間での硬化が可能になった。
さらに、得られた硬化体は機械的強度が高く、歯科用充填材である光重合型コンポジットレジン等の歯科用光ラジカル重合性組成物として使用した際には、このように高い硬化体強度を有し、しかも、前記の如くに硬化速度が速いため、操作性に優れ、患者の負担も少ない重合性組成物を得ることができる。
本発明の光ラジカル重合開始剤は、(A)α−ジケトン、(B)B1)芳香族アミン化合物、B2)脂肪族アミン化合物からなるアミン化合物、(C)ジアリールヨードニウム塩、及び(D)縮合多環式芳香族化合物を含有してなる。以下、これら各成分について説明する。
〔(A)α−ジケトン化合物〕
本発明において、α−ジケトン化合物としては、公知の化合物が何ら制限なく使用できる。具体的に例示すると、カンファーキノン、カンファーキノンカルボン酸、カンファーキノンスルホン酸等のカンファーキノン類;ジアセチル、アセチルベンゾイル、2,3−ペンタジオン、2,3−オクタジオン、9,10−フェナンスレンキノン、アセナフテンキノン等を挙げることができる。
使用するα−ジケトン化合物は、重合に用いる光の波長や強度、光照射の時間、あるいは組み合わせる他の成分の種類や量によって適宜選択して使用すればよく、単独または2種以上を混合して使用することもできるが、一般的にはカンファーキノン類が好適に使用され、特にカンファーキノンが好ましい。
こうしたα−ジケトン化合物の含有量も、組み合わせる他の成分やラジカル重合性単量体の種類によって異なるが、通常はラジカル重合性単量体100重量部に対して0.01〜10重量部、より好ましくは0.03〜5重量部の範囲である。配合量が多いほど照射光による硬化時間が短くなり、他方、少ないほど環境光安定性に優れる。
〔(B)アミン化合物〕
本発明の光ラジカル重合開始剤における特徴の1つは、(B)成分のアミン化合物として、B1)芳香族アミン化合物と、B2)脂肪族アミン化合物とを併用する点にある。このように両アミン化合物を併用することにより両者が相乗的に作用し合い、どちらか一方のみを用いた場合に比して、遥かに良好な重合活性が発現され、より短時間で硬化し、その硬化体物性も良好がものになる。
B1)芳香族アミン化合物
芳香族アミン化合物としては、窒素原子に結合した有機基のうちの少なくとも一つが芳香族基であるアミン化合物であればよく、公知のものが特に制限なく使用できる。重合活性がより高く、また揮発性が低いため臭気が少なく、さらには入手が容易な点で、窒素原子に一つの芳香族基と、2つの脂肪族基が結合したアミン化合物(以下、第3級芳香族アミン化合物とも称す)であることが好ましい。代表的な第3級芳香族アミン化合物としては下記一般式(1)で表されるものが挙げられる。
Figure 2007231210
(式中、R及びRは各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基であり、Rは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、又は置換基を有していても良いアルキルオキシカルボニル基である。)
上記置換基を有していてもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基等の非置換のアルキル基;クロロメチル基、2−クロロエチル基等のハロゲンにより置換されたアルキル基;2−ヒドロキシエチル基等の水酸基により置換されたアルキル基等の炭素数1〜6のものが例示される。置換基を有していてもよいアリール基としては、フェニル基、p−メトキシフェニル、p−メチルチオフェニル基、p−クロロフェニル基、4−ビフェニリル基等の炭素数6〜12のものが例示される。置換基を有していてもよいアルケニル基としては、ビニル基、2−プロペニル基、2−フェニルエテニル基等の炭素数2〜12のものが例示される。置換基を有していてもよいアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜10のもの等が例示される。また、置換基を有していても良いアルキルオキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基等のアルキルオキシ基部分の炭素数が1〜10のものが例示される。
上記R及びRとしては、炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜3の非置換のアルキル基、または水酸基で置換されたアルキル基がより好ましい。このようなアルキル基を再度具体的に例示すると、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−ヒドロキシエチル基等が挙げられる。
また、Rとしては、その結合位置がパラ位であることがより好ましい。
一般式(1)で示される芳香族アミン化合物を具体的に例示すると、p−ジメチルアミノ安息香酸メチル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸プロピル、p−ジメチルアミノ安息香酸ペンチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソペンチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸プロピル、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジベンジルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジ(β−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン等が挙げられる。
B2)脂肪族アミン化合物
本発明の光ラジカル重合開始剤における、B2)脂肪族アミン化合物としては、公知の脂肪族アミン化合物が何ら制限なく使用できる。この脂肪族アミン化合物としては第1級アミン、第2級アミン及び第3級アミンの何れであっても良いが、歯科用として用いた場合に臭気等の問題が少ないため、一般に第3級アミン化合物が用いられる。なお、当該脂肪族アミン化合物とは、窒素原子に結合している有機基が、すべて脂肪族基(但し、置換基を有していても良い)である化合物である。
このような窒素原子に結合している脂肪族基を具体的に例示すると、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基等の直鎖状または分枝状の炭素数1〜6のアルキル基;エテニル基(ビニル基)、アリル基などのアルケニル基が挙げられる。また、脂肪族基に結合している置換基としては、水酸基(置換された脂肪族基としては、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基等が挙げられる);フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;アセチルオキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基などの炭素数1〜3のアシルオキシ基;メトキシ基、エトキシ基、フロポキシ基等の炭素数1〜3のアルコキシル基;カルボニル基、カルボニルオキシ基又はシアノ基等が挙げられる。
本発明で好適に使用される脂肪族アミン化合物を具体的に例示すると、2−エチルヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン等の脂肪族第1級アミン化合物;ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジアリルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、ジ−n−オクチルアミン等の脂肪族第2級アミン化合物;トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリアリルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−プロピルジエタノールアミン、N−エチルジアリルアミン、N−エチルジベンジルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジプロピルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリ(イソプロパノール)アミン、トリ(2−ヒドロキシブチル)アミン、トリベンジルアミン等の第3級アミン化合物であり、さらに好ましくは、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−プロピルジエタノールアミン、N−エチルジアリルアミン、N−エチルジベンジルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミンが挙げられる。
本発明において、上述したB1)芳香族アミン化合物とB2)脂肪族アミン化合物とからなる(B)のアミン化合物の量(成分B1)と成分B2)との合計量)は、通常、成分(A)のα−ジケトン化合物100質量部当り、10乃至1000質量部、特に50乃至500質量部の範囲が好ましいが、より好ましくは、光ラジカル重合開始剤が配合されるラジカル重合性単量体100質量部当り、0.01〜10質量部、特に0.02〜5質量部となる量で、成分(B)のアミン化合物を使用するのがよい。
また、B1)芳香族アミン化合物及びB2)脂肪族アミン化合物としては、それぞれ、先に例示した化合物を1種単独或いは2種以上の組み合わせで使用することができるが、両者の質量比B1):B2)が97:3〜3:97、好ましくは90:10乃至25:75、特に80:20〜40:60の範囲となるように、両者を併用することが好適である。
〔(C)ジアリールヨードニウム塩〕
本発明において、(C)ジアリールヨードニウム塩としては、公知の化合物が何ら制限なく使用できる。代表的なジアリールヨードニウム塩系化合物としては、下記一般式(2)
Figure 2007231210
(上記式中、R、R、R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、又はニトロ基であり、Mはアニオンである。)
で示されるものが挙げられる。
ここで、R、R、R、及びRのハロゲン原子としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基などが挙げられる。また、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜20のものが好ましい。また、アリール基としては、フェニル基、p−メチルフェニル基、p−クロロフェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜14のものが好ましい。また、アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、ブテニル基、2−フェニルエテニル基、2−(置換フェニル)エテニル基等の炭素数2〜14のものが好ましい。また、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、の炭素数1〜6のものが好ましい。さらに、アリールオキシ基としては、フェノキシ、p−メトキシフェニル、p−オクチルオキシフェニル等の炭素数6〜14のものが好ましい。
上記ジアリールヨードニウム塩を具体的に例示すると、ジフェニルヨードニウム、ビス(p−クロロフェニル)ヨードニウム、ジトリルヨードニウム、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、p−イソプロピルフェニル−p−メチルフェニルヨードニウム、ビス(m−ニトロフェニル)ヨードニウム、p−tert−ブチルフェニルフェニルヨードニウム、p−メトキシフェニルフェニルヨードニウム、ビス(p−メトキシフェニル)ヨードニウム、p−オクチルオキシフェニルフェニルヨードニウム等のカチオンと、クロリド、ブロミド、p−トルエンスルホナート、トリフルオロメタンスルホナート、テトラフルオロボレート、テトラキスペンタフルオロフェニルボレート、テトラキスペンタフルオロフェニルガレート、ヘキサフルオロフォスフェート、ヘキサフルオロアルセナート、ヘキサフルオロアンチモネート等のアニオンからなるジアリールヨードニウム塩を挙げることができる。
これらジアリールヨードニウム塩の中でも、ラジカル重合性単量体に対する溶解性の点から、p−トルエンスルホナート、トリフルオロメタンスルホナート、テトラフルオロボレート、テトラキスペンタフルオロフェニルボレート、テトラキスペンタフルオロフェニルガレート、ヘキサフルオロフォスフェート、ヘキサフルオロアルセナート、ヘキサフルオロアンチモネート塩が好ましく、さらに保存安定性の観点から、テトラキスペンタフルオロフェニルボレート、テトラキスペンタフルオロフェニルガレート、ヘキサフルオロアンチモネート塩が特に好適である。
これらジアリールヨードニウム塩は、1種または2種以上混合して用いても構わない。また、その一般的な配合量は、成分(A)のα−ジケトン化合物100質量部当り、10乃至1000質量部、特に、50乃至500質量部の範囲が好ましい。さらには、光ラジカル重合開始剤が配合されるラジカル重合性単量体100重量部に対して0.005〜5重量部であるのが好ましく、最も好ましくは0.01〜3重量部である。
(D)縮合多環式芳香族化合物
本発明の最大の特徴は、前記(B)成分のアミン化合物として、B1)芳香族アミン化合物と、B2)脂肪族アミン化合物とを併用した系において、さらに(D)成分として縮合多環式芳香族化合物を配合した点にある。該縮合多環式芳香族化合物は一般的に電子供与体化合物として知られており、光ラジカル重合開始剤の1成分として用ることが提案されている化合物である。しかして前記したとおり、この縮合多環式芳香族化合物を上記アミン化合物の1種が含まれる光ラジカル重合開始剤の系に配合させることにより、これを用いた光ラジカル重合性組成物の重合活性が向上することはある程度には知られているが、その向上効果はとても十分なものとはとても言えないものであり、こうした背景にあって本発明では、このように該アミン化合物をB1)芳香族アミン化合物とB2)脂肪族アミン化合物とを併用する構成に変更することにより、該重合活性を著しく向上させる(硬化時間が短くなる)ことを実現したものである。その向上の程度は、(D)縮合多環式芳香族化合物、B1)芳香族アミン化合物、B2)脂肪族アミン化合物の個々が有する該向上効果の範囲からは到底予測できない顕著なものであり、このような優れた相乗効果は全く予想外のことである。
こうした(D)縮合多環式芳香族化合物としては、公知の化合物が何ら制限なく使用できるが、少なくとも1つの水素原子を有する飽和炭素原子が縮合多環式芳香族環と結合した構造を持つ縮合多環式芳香族化合物が好適である。
このような少なくとも1つの水素原子を有する飽和炭素原子が縮合多環式芳香族環と結合した構造を持つ縮合多環式芳香族化合物を具体的に例示すると、1−メチルナフタレン、1−エチルナフタレン、1,4−ジメチルナフタレン、アセナフテン、1,2,3,4−テトラヒドロフェナントレン、1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、ベンゾ[f]フタラン、ベンゾ[g]クロマン、ベンゾ[g]イソクロマン、N−メチルベンゾ[f]インドリン、N−メチルベンゾ[f]イソインドリン、フェナレン、4,5−ジメチルフェナントレン、1,8−ジメチルフェナントレン、アセフェナントレン、1−メチルアントラセン、9−メチルアントラセン、9−エチルアントラセン、9−シクロヘキシルアントラセン、9,10−ジメチルアントラセン、9,10−ジエチルアントラセン、9.10−ジシクロヘキシルアントラセン、9−メトキシメチルアントラセン、9−(1−メトキシエチ)アントラセン、9−ヘキシルオキシメチルアントラセン、9,10−ジメトキシメチルアントラセン、9−ジメトキシメチルアントラセン、9−フェニルメチルアントラセン、9−(1−ナフチル)メチルアントラセン、9−ヒドロキシメチルアントラセン、9−ヒドロキシエチルアントラセン、9,10−ジヒドロキシメチルアントラセン、9−アセトキシメチルアントラセン、9−(1−アセトキシエチル)アントラセン、9,10−ジアセトキシメチルアントラセン、9−ベンゾイルオキシメチルアントラセン、9,10−ジベンゾイルオキシメチルアントラセン、9−エチルチオメチルアントラセン、9−(1−エチルチオエチル)アントラセン、9,10−ビス(エチルチオメチル)アントラセン、9−メルカプトメチルアントラセン、9−(1−メルカプトエチル)アントラセン、9,10−ビス(メルカプトメチル)アントラセン、9−エチルチオメチルー10−メチルアントラセン、9−メチル−10−フェニルアントラセン、9−メチル−10−ビニルアントラセン、9−アリルアントラセン、9,10−ジアリルアントラセン、9−クロロメチルアントラセン、9−ブロモメチルアントラセン、9−ヨードメチルアントラセン、9−(1−クロロエチル)アントラセン、9−(1−ブロモエチル)アントラセン、9−(1−ヨードエチル)アントラセン、9,10−ジクロロメチルアントラセン、9,10−ジブロモメチルアントラセン、9,10−ジヨードメチルアントラセン、9−クロロ−10−メチルアントラセン、9−クロロ−10−エチルアントラセン、9−ブロモ−10−メチルアントラセン、9−ブロモ−10−エチルアントラセン、9−ヨード−10−メチルアントラセン、9−ヨード−10−エチルアントラセン、9−メチル−10−ジメチルアミノアントラセン、アセアンスレン、7,12−ジメチルベンズ(a)アントラセン、7,12−ジメトキシメチルベンズ(a)アントラセン、5,12−ジメチルナフタセン、コラントレン、1−メチルコラントレン、7−メチルベンゾ(a)ピレン、3,4,9,10−テトラメチルペリレン、3,4,9,10−テトラキス(ヒドロキシメチル)ペリレン、ビオランスレン、イソビオランスレン、5,12−ジメチルナフタセン、6,13−ジメチルペンタセン、8,13−ジメチルペンタフェン、5,16−ジメチルヘキサセン、9,14−ジメチルヘキサフェン等が挙げられる。
上記の縮合多環式芳香族化合物のうち、少なくとも3個のベンゼン環が縮合したアントラセン環、フェナントレン環を有した縮合多環式芳香族化合物が好適に用いられる。さらに好ましくは、少なくとも3個のベンゼン環が直線的に縮合したアントラセン環を有する縮合多環式芳香族化合物が好適に用いられる。具体的には9,10−ジメチルアントラセン、7,12−ジメチル[a]ベンゾアントラセン等が挙げられる。
さらに、歯科用途で考えた場合、歯科用光照射器の可視光線で活性が必要のため、上記の縮合多環式芳香族化合物のうち、可視域に吸収を有する化合物が好ましく、可視域に極大吸収波長を有するものが好ましい。
また、上記以外の縮合多環式芳香族化合物としては、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン、ナフタセン、ベンズ[a]アントラセン、ピレン、ペリレン等が挙げられる。
上記縮合多環式芳香族化合物は1種または2種以上を混合して用いても構わない。また、その一般的な配合量は、成分(A)のα−ジケトン化合物100質量部当り、10乃至1000質量部、特に、50乃至500質量部の範囲が好ましい。さらには、光ラジカル重合開始剤が配合されるラジカル重合性単量体100重量部に対して0.005〜10重量部が好ましく、最も好ましくは0.03〜5重量部である。
本発明の光ラジカル重合開始剤はラジカル重合性単量体を重合させるために用いられるものであり、特に制限なく公知の如何なる光ラジカル重合性組成物用の重合開始剤として用いても良い。なかでも、硬化速度が優れたものに対する要求が特に強く、さらには一回当たりの使用量が少ないため、製造後、長期に保存されることの多い歯科用途の光ラジカル重合性組成物用として使用するのが好ましく、特に、光重合型コンポジットレジン用の同重合開始剤として最適である。
ここで、光重合型歯科用コンポジットレジンとは、ウ蝕等により欠損した歯牙を修復するために用いられる材料であり、一般には、(メタ)アクリレート系の重合性単量体と無機充填材を主成分とし、可視光の照射により重合硬化させるために光重合開始剤が配合されている。また、操作性を良好なものとするために、使用時に混合する必要のない1ペースト型の材料とされているものが多い。
以下に、本発明の光重合開始剤を用いた光重合型歯科用コンポジットレジンについて、より詳しく説明する。
該光重合型歯科用コンポジットレジンに含まれる重合性単量体としては、酸性基(スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸残基等)を有さない(メタ)アクリレート系の重合性単量体が、硬化速度や硬化体の機械的物性の観点から好適に用いられ、特に、複数の重合性官能基を有する、多官能の(メタ)アクリレート系重合性単量体が好ましい。当該多官能性の(メタ)アクリレート系重合性単量体としては、公知のものが特に制限なく使用できる。一般に好適に使用されるものを例示すれば、下記(I)〜(III)に示されるものが挙げられる。
(I)二官能重合性単量体
(i)芳香族化合物系のもの
2,2−ビス(メタクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(3−メタクリロイルオキシ)−2−ヒドロキシプロポキシフェニル]プロパン(以下、bis−GMAと略記する)、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン(以下、D−2.6Eと略記する)、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシテトラエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシペンタエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシジプロポキシフェニル)プロパン、2(4−メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)−2(4−メタクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2(4−メタクリロイルオキシジプロポキシフェニル)−2−(4−メタクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシイソプロポキシフェニル)プロパン及びこれらのメタクリレートに対応するアクリレート;2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のメタクリレートあるいはこれらメタクリレートに対応するアクリレートのような−OH基を有するビニルモノマーと、ジイソシアネートメチルベンゼン、4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネートのような芳香族基を有するジイソシアネート化合物との付加から得られるジアダクト等。
(ii)脂肪族化合物系のもの
エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート(以下、3Gと略記する)、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートおよびこれらのメタクリレートに対応するアクリレート;2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のメタクリレートあるいはこれらのメタクリレートに対応するアクリレートのような−OH基を有するビニルモノマーと、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、イソフォロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)のようなジイソシアネート化合物との付加体から得られるジアダクト;1,2−ビス(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エチル等。
(II)三官能重合性単量体
トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリメチロールメタントリメタクリレート等のメタクリレート及びこれらのメタクリレートに対応するアクリレート等。
(III)四官能重合性単量体
ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート及びジイソシアネートメチルベンゼン、ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、イソフォロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシアネートのようなジイソシアネート化合物とグリシドールジメタクリレートとの付加体から得られるジアダクト等。
これら多官能の(メタ)アクリレート系重合性単量体は、必要に応じて複数の種類のものを併用しても良い。
さらに、必要に応じて、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等のメタクリレート、及びこれらのメタクリレートに対応するアクリレート等の単官能の(メタ)アクリレート系単量体や、上記(メタ)アクリレート系単量体以外の重合性単量体を用いても良い。
なお、本発明の光重合開始剤の必須成分である(B)アミン化合物は、酸と反応して塩を生じ、重合活性を失う傾向があるため、(メタ)アクリル酸、p−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、10−メタクリロイルオキシデカメチレンマロン酸、2−ヒドロキシエチルハイドロジェンフェニルフォスフェート等の酸性基を有する重合性単量体は、(メタ)アクリレート系単量体等の不純物等として不可避的に混入してくる場合を除き、できる限り配合しない方が好ましい。もちろん、一般的な不純物量程度である場合には、前記アミン化合物を多めに使用することで重合活性を維持することが可能である。この場合、前記したアミン化合物の好適な配合量は、このような酸により中和されてしまった分を除く量である。このとき、一般には、芳香族アミン化合物よりも脂肪族アミン化合物の方が塩基としての活性が高く、酸による中和も起こりやすいため、中和反応により消費されたのは全てB2)成分の脂肪族アミン化合物であるとして計算するのが好ましい。
また、前記無機充填材としては、歯科用コンポジットレジンの充填材として公知の無機充填材が何ら制限なく用いられるが、代表的な無機充填材を例示すれば、石英、シリカ、アルミナ、シリカチタニア、シリカジルコニア、ランタンガラス、バリウムガラス、ストロンチウムガラス等の金属酸化物類が挙げられる。また必要に応じて、ケイ酸塩ガラス、フルオロアルミノシリケートガラス等の歯科用の無機充填材として公知のカチオン溶出性の無機充填材を配合しても良い。これらは一種または二種以上を混合して用いても何ら差し支えない。
また、これら無機充填材に重合性単量体を予め添加し、ペースト状にした後に重合させ、粉砕して得られる粒状の有機−無機複合充填材を用いても良い。
これら充填材の粒径は特に限定されず、一般的に歯科用材料として使用されている0.01μm〜100μm(特に好ましくは0.01〜5μm)の平均粒径の充填材が目的に応じて適宜使用できる。また、該充填材の屈折率も特に制限されず、一般的な歯科用の無機充填材が有する1.4〜1.7の範囲のものが制限なく使用でき、目的に合わせて適宜設定すればよい。粒径範囲や、屈折率の異なる複数の無機充填材を併用しても良い。
さらに、上記充填材の中でもとりわけ球状の無機充填材を用いると、得られる硬化体の表面滑沢性が増し、優れた歯科用コンポジットレジンとなり得る。
上記無機充填材は、シランカップリング剤に代表される表面処理剤で処理することが、重合性単量体とのなじみを良くし、機械的強度や耐水性を向上させる上で望ましい。表面処理の方法は公知の方法で行えばよく、シランカップリング剤としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等が好適に用いられる。
これらの充填材の割合は、使用目的に応じて、重合性単量体と混合したときの粘度(操作性)や硬化体の機械的物性を考慮して適宜決定すればよいが、一般的には重合性単量体100重量部に対して50〜1500重量部、好ましくは70〜1000重量部の範囲で用いられる。
また、歯牙の色調に合わせるために顔料、蛍光顔料、染料、紫外線に対する変色防止のために紫外線吸収剤を添加してもよいし、その他、歯科用コンポジットレジンの成分として公知の添加剤を、本発明の効果に影響のない範囲で配合しても良い。
このような光重合型歯科用コンポジットレジンを製造する方法は特に限定されず、公知の同材料の製造方法に従えばよい。一般的には、遮光下、配合する各成分を所定量秤とり、均一になるまで混練すればよい。
本発明の光ラジカル重合開始剤を上記コンポジットレジンに配合する際の好適な配合量は、該光ラジカル重合開始剤を構成する(A)〜(D)成分が前記範囲内にあり、かつその合計量が、重合性単量体100重量部に対して、0.01〜20重量部、さらには0.05〜10重量部、特に好ましくは0.1〜3重量部の範囲であるのが好ましい。
本発明の光ラジカル重合開始剤は、上記のような1ペースト型の光重合型歯科用コンポジットレジンにおいて特に好適に使用されるが、ラジカル重合性単量体と混合した光ラジカル重合性組成物として、その他の用途にも使用できる。その用途としては特に限定されないが、例えば歯科用途としては、歯科用接着剤や義歯床材料が挙げられる。さらには、こうした歯科用途以外の光ラジカル重合性組成物にも好適に使用でき、具体的には、フォトレジスト材料、印刷製版材料、ホログラム材料等が挙げられる。
これら一般的な用途においては、前記(メタ)アクリレート系重合性単量体に加えて、しばしば重合の容易さ、粘度の調節、あるいはその他の物性の調節のために、上記(メタ)アクリレート系重合性単量体以外の他の重合性単量体を混合して重合させることも可能である。これら他の重合性単量体を例示すると、フマル酸モノメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジフェニル等のフマル酸エステル類;スチレン、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレン、α−メチルスチレンダイマー等のスチレンあるいはα−メチルスチレン誘導体;ジアリルテレフタレート、ジアリルフタレート、ジアリルジグリコールカーボネート等のアリル化合物等を挙げることができる。これらの重合性単量体は単独または二種以上を一緒に使用することができる。
さらに本発明の光ラジカル重合開始剤を配合した光ラジカル重合性組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で他の公知の重合開始剤を配合しても良い。当該他の重合開始剤成分としては、過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物類;酸化バナジウム(IV)アセチルアセトナート、ビス(マルトラート)オキソバナジウム(IV)等の+IV価又は+V価のバナジウム化合物類;テトラフェニルホウ素ナトリウム、テトラフェニルホウ素トリエタノールアミン塩、テトラフェニルホウ素ジメチル−p−トルイジン塩、テトラキス(p−フルオロフェニル)ホウ素ナトリウム、ブチルトリ(p−フルオロフェニル)ホウ素ナトリウム等のアリールボレート化合物類;3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノ)クマリン、7−ヒドロキシ−4−メチル−クマリン等のクマリン系色素類;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンソイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類;2,4−ジエトキシチオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、メチルチオキサンソン等のチオキサンソン誘導体;ベンゾフェノン、p,p’−ジメチルアミノベンゾフェノン、p,p’−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体類等が挙げられる。
但し、高い環境光安定性を得るためには、アリールボレート化合物類及び有機過酸化物はできる限り少量にした方が良い。また、クマリン系色素類等の色素類は、重合開始剤として作用するほどの量を配合すると、光重合性組成物の色調に大きな影響を与え、高い審美性を要求される歯科用コンポジットレジンにおいては、歯と異なる色調となってしまう傾向がある。
また、本発明の光ラジカル重合開始剤を配合した光ラジカル重合性組成物には、目的に応じその性能を低下させない範囲で水、有機溶媒や増粘剤等を添加することも可能である。当該有機溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、ジクロロメタン、メタノール、エタノール、酢酸エチル等があり、増粘剤としてはポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等の高分子化合物や高分散性シリカが例示される。
本発明の光ラジカル重合開始剤を配合した光ラジカル重合性組成物を硬化させる際には、α−ジケトン系の光重合開始剤を硬化させるために用いられるのと同じ公知の光源を用いればよいが、低強度の光照射に対しては比較的安定で、他方、ある一定以上の高強度の光照射により急速に硬化するという本発明の光ラジカル重合開始剤の特徴を生かすため、カーボンアーク、キセノンランプ、メタルハライドランプ、タングステンランプ、LED、ヘリウムカドミウムレーザー、アルゴンレーザー等の可視光線の光源が何ら制限なく使用される。照射時間は、光源の波長、強度、硬化体の形状や材質によって異なるため、予備的な実験によって予め決定しておけばよい。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例で用いた化合物の略称(かっこ内)を以下に示す。
(1)略称・略号
(A)α−ジケトン
・カンファーキノン(CQ)
B1)芳香族アミン化合物
・N,N−ジメチルp−トルイジン(DMPT)
・N,N−ジメチルp−安息香酸エチル(DMBE)
B2)脂肪族アミン化合物
・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMEM)
・トリエタノールアミン(TEOA)
・N−メチルジエタノールアミン(MDEOA)
(C)ジアリールヨードニウム塩
・ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロリン酸(DPI)
・4−イソプロピル−4‘メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート(IPDPI)
(D)縮合多環式芳香族化合物
・9,10−ジメチルアントラセン(DMAn)
・7,12−ジメチル[a]ベンゾアントラセン(DMBAn)
(E)重合性単量体
・2,2−ビス[(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]プロパン(bis−GMA)
・トリエチレングリコールジメタクリレート(3G)
(F)無機充填材
・球状シリカ−ジルコニア、γ−メタクリロイルオキシトリメトキシシラン表面処理物;平均粒径;0.5μm(F−1)
・球状シリカ−チタニア、γ−メタクリロイルオキシトリメトキシシラン表面処理物;平均粒径;0.08μm(F−2)
(G)その他の成分(重合禁止剤)
・ハイドロキノンモノメチルエーテル(HQME)
また、光硬化性コンポジットレジンの調製方法、硬化特性(環境光安定性、硬化時間)及び硬化体の機械的強度の測定は以下の方法を用いた。
(1)光ラジカル重合型コンポジットレジンの調製方法
重合性単量体に対し所定量の光重合開始剤と無機充填材を加え、赤色光下にて均一に攪拌して調製した。
(2)照射光の強さ
被照射面における光強度(mW/cm)を、歯科用光照度計:MODEL100 CURING RADIOMETER/Kerr社製を用い測定した。
(3)評価に用いた光照射器について
(3−1)ハロゲンランプ照射器
歯科用光照射器「TP」:トクヤマデンタル社製トクソーパワーライト、照射面における光強度700mW/cm、光源はハロゲンランプ、照射口径8mm。
(3−2)レーザーダイオード照射器
歯科用光照射器「EFL」:3MESPE社製エリパーフリーライト、照射面における光強度260mW/cm、光源はレーザーダイオード、照射口径8mm。
(3−3)キセノンランプ照射器
歯科用光照射器「A95」:DMD社製アポロ95E、照射面における光強度950mW/cm、光源はキセノンランプ、照射口径8mm。
(4)硬化体の硬度(ヴィッカース硬度)
6mmφ×1.0mmの孔を有するテフロン(登録商標)製のモールドにペーストを充填してポリプロピレンフィルムで圧接し、歯科用光照射器(TP、EFL、A95)をポリプロピレンフィルムに密着してTP、EFLは10秒照射、A95は3秒照射し、硬化体を調製した。得られた硬化体を微小硬度計(松沢精機製MHT−1型)にてヴィッカース圧子を用いて、荷重100gf、荷重保持時間30秒で試験片にできたくぼみの対角線長さにより求めた。
実施例1〜7、比較例1〜12
ラジカル重合性単量体としてBis−GMA(60質量部)、3G(40質量部)を用い、これにラジカル重合開始剤として表1に示した組成のものを加えて、暗所下にて溶解し均一溶液を得た。
歯科用光照射器(TP)を用いて、この溶液の硬化性をヴィッカース硬度で評価した。結果を表1に示した。なお、表1中のカッコ内の値は、カンファーキノンを100質量部とした場合の各配合成分の質量部を示した。
Figure 2007231210
実施例1〜7に示したように、α−ジケトンであるカンファーキノン、芳香族アミン化合物、脂肪族アミン化合物、ジアリールヨードニウム塩、及び縮合多環式芳香族化合物を併用した本発明の光ラジカル重合性組成物を用いた光ラジカル重合性組成物は、短い照射時間においても高い表面硬度を示した。これに対して、比較例1〜13のように、本発明の必須成分が一つでも配合されない組成においては、表面硬度は大きく劣るものであった。特に、比較例6、12のように芳香族アミン化合物と脂肪族アミン化合物とが併用されていない組成においては、他の必須成分を配合しない組成(比較例1〜5、比較例7〜11)に比べ、若干表面硬度は高い(比較例6は表面硬度11、比較例12は表面硬度9)ものであったが、本発明の必須成分をすべて配合した場合(実施例2:表面硬度21)と比較すると、その値は大きく下回るものでしかなかった。また、比較例13のように縮合多環式芳香族化合物を添加しない場合においても、他の必須成分を配合しない組成(比較例1〜5、比較例7〜12)に比べ、若干硬度は高い(表面硬度14)ものであったが、前記本発明の必須成分をすべて配合した場合と比較すると、著しく低い硬度でしかなかった。
実施例8〜14、比較例14〜25
Bis−GMA(60質量部)、3G(40質量部)からなるラジカル重合性単量体100質量部に、無機充填材としてF−1(140質量部)及びF−2(60質量部)、重合禁止剤としてHQME(0.15質量部)を配合したペースト状の組成物に、さらに表2に示す組成の光ラジカル重合開始剤を配合した光ラジカル重合型コンポジットレジンを得た。
このペースト状の硬化性組成物の硬度を評価した。結果を表2に示した。なお、表2中のカッコ内の値は、カンファーキノンを100質量部とした場合の各成分の質量部を示した。
Figure 2007231210
実施例8〜14に示したように、α−ジケトンであるカンファーキノン、芳香族アミン化合物、脂肪族アミン化合物、ジアリールヨードニウム塩、縮合多環式芳香族化合物を併用した本発明の硬化性組成物は短い照射時間においても高い表面硬度を示した。それに対して、比較例14〜25のように、本発明の必須成分が一つでも配合されない組成においては、表面硬度は大きく劣るものであった。特に、比較例18、24のように芳香族アミン化合物と脂肪族アミン化合物を併用しない組成においては、他の必須成分を配合しない組成(比較例14〜17、比較例19〜24)に比べ、若干表面硬度は高いものであったが、本発明の必須成分をすべて配合した実施例と比較すると、その表面硬度は大きく下回るものでしかなかった。また、比較例25のように縮合多環式芳香族化合物を添加しない場合においても、他の必須成分を配合しない組成(比較例14〜24)に比べ、若干表面硬度は高いものであったが、本発明の必須成分をすべて配合した場合と比較すると、その表面硬度は大きく下回るものでしかなかった。

Claims (4)

  1. (A)α−ジケトン、
    (B)B1)芳香族アミン化合物、及びB2)脂肪族アミン化合物からなるアミン化合物、
    (C)ジアリールヨードニウム塩、並びに
    (D)縮合多環式芳香族化合物
    を含有してなることを特徴とする光ラジカル重合開始剤。
  2. 請求項1記載の光ラジカル重合開始剤、及びラジカル重合性単量体を含有してなる光ラジカル重合性組成物。
  3. 歯科用である請求項2記載の光ラジカル重合性組成物。
  4. ラジカル重合性単量体が、酸性基を有さないものであり、さらに、無機充填剤を含んでなる、請求項2記載の光ラジカル重合性組成物からなる光重合型歯科用コンポジットレジン。
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