JP5305617B2 - 光重合性組成物 - Google Patents

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本発明は、特に歯科用材料に有用な疎水性無機粉体及びそれを用いた光重合性組成物に関するものである。
歯科治療において、種々の歯牙修復材料が使用されている。例えば、齲蝕や破折等により損傷をうけた歯牙の修復においては、一般にコンポジットレジンと呼ばれるペースト状の光硬化性の複合充填修復材料が、操作の簡便さや審美性の高さから汎用されている。このようなコンポジットレジンは、通常、重合性単量体、充填材、及び光重合開始剤の各成分が配合されてなる。
光重合開始剤を用いたペースト状の光重合性組成物では、環境光に対する安定性と照射光に対する反応活性のバランスを取ることが困難であった。即ち、環境光程度の弱い光では硬化が起こらず、他方で、光照射器等により強い光照射を行うことにより急速に硬化するものは、なかなか得難かった。本発明者らは、上記課題を解決し、環境光程度の弱い光(360から500nmにおいて1mW/cm未満)に対しては高い安定性を有し、しかもハロゲンランプやキセノンランプ等の照射器による強い光照射により、著しく短時間で重合が完結し、良好な硬化体物性を得られる歯科用コンポジットレジンを製造することが可能になる、新規の光重合開始剤として、α−ジケトン化合物、トリハロメチル基により置換されたs−トリアジン化合物、及びアミン化合物からなる光重合開始剤を見出し既に提案した(特許文献1)。ここで、上記アミン化合物は、重合活性が高さ等の観点から、芳香族アミン化合物が好ましく使用される。また、脂肪族アミン化合物も使用可能であるが、これは、揮発性の高さや臭気の他、後述する光重合開始剤の保存安定性の観点から第三級アミンが使用される。
一方、充填材は、無機粉体が、機械的強度等の物性を向上させる目的の他、上記重合性単量体が本質的に有する重合時の体積収縮(重合収縮)を低減させることを目的に配合されている。これらの無機粉体の中でも、シリカを主成分とするもの(シリカ系粒子)は、シランカップリング材で表面処理が可能であり、得られた疎水性無機粉体は、充填材として高い耐水性を有するものになるため大変有利である。ここで、該シランカップリング材で表面処理したシリカ系粒子は、同じ粒径であれば比表面積が小さいものが、コンポジットレジンペーストの過度の粘度上昇を抑制することができ好適であり、この観点から、金属アルコキサイドを原料としたゾルゲル法を応用して製造した球状粒子が好適に使用されている。
ところで、上記シリカ系粒子等の無機粉体を、シランカップリング剤で表面処理する方法としては、シランカップリング剤を予め加水分解させ、無機粉体に反応させる方法が一般的である。この場合、上記シランカップリング剤の加水分解は、シランカップリング剤の水溶液に触媒として有機酸を配合することにより行われる(例えば、非特許文献1参照)。ところが、係る方法で製造された疎水性無機粉体を、前記α−ジケトン化合物、トリハロメチル基により置換されたs−トリアジン化合物、及び芳香族アミン化合物からなる光重合開始剤と組合せて用いた場合、得られる光重合性組成物は、その硬化体を、太陽光に暴露すると、若干ながら色調変化が起こることが判明した。硬化体が変色するということは、実臨床を考えると充填修復部位の審美性が低下するということであり、僅かであっても好ましくない。
また、上記方法の他、無機粉体を、シランカップリング剤で表面処理する方法としては、該無機粉体を、アミン化合物存在下(無機粉体をシランカップリング剤で処理する方法として、第一級や第二級の脂肪族アミン化合物の存在下で反応させることが有効とされている。)で反応させる方法も知られている(例えば、非特許文献2参照)。ところが、本発明者らの検討によると、この方法によっても、得られた疎水性無機粉体は、前記α−ジケトン化合物、トリハロメチル基により置換されたs−トリアジン化合物、及び芳香族アミン化合物からなる光重合開始剤と組合せて光重合性組成物とすると、該光重合開始剤の重合活性の保存安定性が十分でなくなり、満足できないことが多かった。特に、光重合性組成物を、50℃程度の比較的高温で保存すると、その重合活性は大きく低下し、光重合性組成物の用途が歯科用材料である場合には、次のように大きな問題を引き起こしていた。すなわち、歯科用材料は、歯科医院等への輸送の際に、自家用車等で輸送される場合が多いが、夏季には、車内の温度は50℃を超えることも珍しくなく、このような状況下では上記理由から重合活性は大きく低下し、その商品価値を損なっていた。また、50℃よりも低い温度でも、長期間の保存では、同様に重合活性は低下する虞があった。しかして、このような光重合性組成物における重合活性の低下の原因は、配合させた疎水性無機粉体において、前記した表面処理時に使用した第一級や第二級の脂肪族アミン化合物が吸着して有意な量残存しており、これが上記光重合開始剤を劣化させるためと考えられた。
特開2005−89729号公報 水町浩、鳥羽山満著,「表面処理技術ハンドブック(初版)」,株式会社エヌ・ティー・エス,2000年1月7日,p.461、p.710 Journal of Dental Research, vol61,1982年,p.1439−1443
以上の状況にあって本発明は、光重合開始剤が、前記α−ジケトン化合物、トリハロメチル基により置換されたs−トリアジン化合物、及び芳香族アミン化合物からなるものであり、充填材として疎水性無機粉体を含有する光重合性組成物において、重合活性の保存安定性、特に高温下での重合活性の保存安定性を改良し、さらに、硬化体を太陽光に暴露した際の色調変化もできるだけ小さく抑えられたものを開発することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく、鋭意検討を行った。その結果、前記光重合性組成物に含有させる疎水性無機粉体として、表面処理時に触媒として使用した第一級及び/又は第二級の脂肪族アミン化合物の吸着量が特定の範囲にコントロールされたものを採用すると、前記の課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、(A)ラジカル重合性単量体、
(B)B1)α−ジケトン化合物、B2)トリハロメチル基により置換されたs−トリアジン化合物、及びB3)芳香族アミン化合物を含んでなる光重合開始剤、
(C)シランカップリング剤により表面処理されてなり、第一級及び/又は第二級の脂肪族アミン化合物の吸着量が2.0〜13.0μg/gである疎水性無機粉体を含有してなる光重合性組成物である。
本発明の光重合性組成物は、環境光などの弱い光(1mW/cm未満)に対する安定性が高く、ハロゲンランプやキセノンランプ等の照射器による強い光照射により、著しく短時間で重合が完結する。しかも、本発明の光重合性組成物は、長期間、特に高温下で長期間に保存しても重合活性が低下せず、さらに、太陽光に対する安定性が高く、太陽光に暴露しても変色が小さいという優れた特性を有する。したがって、コンポジットレジン等の光硬化性の歯科用複合充填修復材料として極めて有用である。
以下、本発明の光重合性組成物の各成分について説明する。
〔(A)ラジカル重合性単量体〕
ラジカル重合性単量体としては、公知のものが特に制限なく使用できる。一般に好適に使用されるものを例示すれば、下記(I)〜(III)に示されるものが挙げられる。
(I)二官能重合性単量体
(i)芳香族化合物系のもの
2,2−ビス(メタクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(3−メタクリロイルオキシ)−2−ヒドロキシプロポキシフェニル]プロパン(以下、bis−GMAと略記する)、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン(以下、D−2.6Eと略記する)、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシテトラエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシペンタエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシジプロポキシフェニル)プロパン、2(4−メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)−2(4−メタクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2(4−メタクリロイルオキシジプロポキシフェニル)−2−(4−メタクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシイソプロポキシフェニル)プロパン及びこれらのメタクリレートに対応するアクリレート;2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のメタクリレートあるいはこれらメタクリレートに対応するアクリレートのような−OH基を有するビニルモノマーと、ジイソシアネートメチルベンゼン、4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネートのような芳香族基を有するジイソシアネート化合物との付加から得られるジアダクト等。
(ii)脂肪族化合物系のもの
エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート(以下、3Gと略記する)、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートおよびこれらのメタクリレートに対応するアクリレート;2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のメタクリレートあるいはこれらのメタクリレートに対応するアクリレートのような−OH基を有するビニルモノマーと、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、イソフォロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)のようなジイソシアネート化合物との付加体から得られるジアダクト;1,2−ビス(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エチル等。
(II)三官能重合性単量体
トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリメチロールメタントリメタクリレート等のメタクリレート及びこれらのメタクリレートに対応するアクリレート等。
(III)四官能重合性単量体
ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート及びジイソシアネートメチルベンゼン、ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、イソフォロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシアネートのようなジイソシアネート化合物とグリシドールジメタクリレートとの付加体から得られるジアダクト等。
これら多官能の(メタ)アクリレート系重合性単量体は、必要に応じて複数の種類のものを併用しても良い。
さらに、必要に応じて、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等のメタクリレート、及びこれらのメタクリレートに対応するアクリレート等の単官能の(メタ)アクリレート系単量体や、上記(メタ)アクリレート系単量体以外の重合性単量体を用いても良い。
なお、本発明の光重合性組成物の必須成分である芳香族アミン化合物は、酸と反応して塩を生じ、重合活性を失う傾向があるため、(メタ)アクリル酸、p−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、10−メタクリロイルオキシデカメチレンマロン酸、2−ヒドロキシエチルハイドロジェンフェニルフォスフェート等の酸性基を有する重合性単量体は、(メタ)アクリレート系単量体等の不純物等として不可避的に混入してくる場合を除き、できる限り配合しない方が好ましい。なお、一般的な不純物量程度である場合には、前記芳香族アミン化合物を多めに使用することで重合活性を維持することが可能である。この場合、前記した芳香族アミン化合物の好適な配合量は、このような酸により中和されてしまった分を除く量である。
〔(B)光重合開始剤〕
〔B1)α−ジケトン化合物〕
本発明の光重合性組成物における光重合開始剤に用いる(B1)成分のα−ジケトン化合物としては公知の化合物が何ら制限なく使用できる。上記α−ジケトン化合物を具体的に例示すると、カンファーキノン、カンファーキノンカルボン酸、カンファーキノンスルホン酸等のカンファーキノン類;ジアセチル、アセチルベンゾイル、2,3−ペンタジオン、2,3−オクタジオン、9,10−フェナンスレンキノン、アセナフテンキノン等を挙げることができる。
使用するα−ジケトン化合物は、重合に用いる光の波長や強度、光照射の時間、あるいは組み合わせる他の成分の種類や量によって適宜選択して使用すればよく、単独または2種以上を混合して使用することもできるが、一般的にはカンファーキノン類が好適に使用され、特にカンファーキノンが好ましい。
また、配合量も、組み合わせる他の成分やラジカル重合性単量体の種類によって異なるが、通常はラジカル重合性単量体100重量部に対して0.01〜10重量部、より好ましくは0.03〜5重量部の範囲である。一般に、配合量が多いほど照射光による硬化時間が短くなり、他方、少ないほど環境光安定性に優れるものになる。
〔B2)トリハロメチル基により置換されたs−トリアジン化合物〕
本発明の光重合性組成物における光重合開始剤の第二の成分は、(B2)トリハロメチル基により置換されたs−トリアジン化合物(以下、単に「トリアジン化合物」とも称する)である。
本発明の上記トリアジン化合物としては、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基等のトリハロメチル基を少なくとも一つ有するs−トリアジン化合物であれば公知の化合物が何ら制限なく使用できる。特に好ましいトリアジン化合物を一般式で示すと下記一般式(1)で表される。
Figure 0005305617
(式中、R及びRは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルケニル基、及び置換基を有していてもよいアルコキシ基であり、Xはハロゲン原子である。)
上記一般式(1)中、Xで表されるハロゲン原子は塩素、臭素、ヨウ素の各ハロゲン原子が好適に使用されるが、塩素原子が置換したトリクロロメチル基を有する化合物を用いるのが一般的である。
上記置換基を有していてもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基等の非置換のアルキル基;トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、α,α,β−トリクロロエチル基等のハロゲンにより置換されたアルキル基等の炭素数1〜10のものが挙げられる。置換基を有していてもよいアリール基としては、フェニル基、p−メトキシフェニル、p−メチルチオフェニル基、p−クロロフェニル基、4−ビフェニリル基、ナフチル基、4−メトキシ−1−ナフチル基等の炭素数6〜12のものが例示され、置換基を有していてもよいアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、2−フェニルエテニル基等の炭素数2〜12のものが、置換基を有していてもよいアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜10のもの等が例示される。
以下、トリハロメチル基により置換されたトリアジン化合物を具体的に例示すると、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メチルチオフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2,4−ジクロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−ブロモフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(p−メトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(o−メトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(p−ブトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(1−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−ビフェニリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等を挙げることができる。
上記トリアジン化合物は1種または2種以上を混合して用いても構わない。また、その一般的な配合量は、ラジカル重合性単量体100重量部に対して0.005〜10重量部程度、より好ましくは0.03〜5重量部程度である。
〔B3)芳香族アミン化合物〕
本発明の光重合性組成物における光重合開始剤の第三の成分は、(B3)芳香族アミン化合物である。当該芳香族アミン化合物は、窒素原子に結合した有機基のうちの少なくとも一つが芳香族基であるアミン化合物であればよく、公知のものが特に制限なく使用できるが、より重合活性が高く、また揮発性が低いため臭気が少なく、さらには入手が容易な点で、第三級窒素原子に一つの芳香族基と、2つの脂肪族基が結合したアミン化合物(以下、第三級芳香族アミン化合物とも称す)であることが好ましい。代表的な第三級芳香族アミン化合物としては下記一般式(2)で表されるものが挙げられる。
Figure 0005305617
(式中、R及びRは各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基であり、Rは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、又は置換基を有していても良いアルキルオキシカルボニル基である。)
上記置換基を有していてもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基等の非置換のアルキル基;クロロメチル基、2−クロロエチル基等のハロゲンにより置換されたアルキル基;2−ヒドロキシエチル基等の水酸基により置換されたアルキル基等の炭素数1〜6のものが挙げられる。置換基を有していてもよいアリール基としては、フェニル基、p−メトキシフェニル、p−メチルチオフェニル基、p−クロロフェニル基、4−ビフェニリル基等の炭素数6〜12のものが例示され、置換基を有していてもよいアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、2−フェニルエテニル基等の炭素数2〜12のものが、置換基を有していてもよいアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜10のもの等が例示され、置換基を有していても良いアルキルオキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、アミルオキシカルボニル基、イソアミルオキシカルボニル基等のアルキルオキシ基部分の炭素数が1〜10のものが例示される。
上記R及びRとしては、炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜3の非置換のアルキル基がより好ましい。このようなアルキル基を再度具体的に例示すると、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−ヒドロキシエチル基等が挙げられる。
また、Rとしては、その結合位置がパラ位であることがより好ましく、さらには、アルキルオキシカルボニル基であることが好ましい。このようなアルキルオキシカルボニル基により置換された芳香族基を有するアミン化合物を用いることにより、後述する(B4)成分と組み合わせた場合、より優れた保存安定性が得られる。
このようなRがパラ位に結合したアルキルオキシカルボニル基である第三級芳香族アミン化合物を具体的に例示すると、p−ジメチルアミノ安息香酸メチル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸プロピル、p−ジメチルアミノ安息香酸アミル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸プロピル等が例示される。
また、一般式(2)で示される他の第三級芳香族アミン化合物を具体的に例示すると、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジベンジルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジ(β−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン等が挙げられる。
これら芳香族アミン化合物は、1種または2種以上を混合して用いても構わない。また、その一般的な配合量は、ラジカル重合性単量体100重量部に対して0.01〜5重量部であり、より好ましくは0.02〜3重量部である。
〔B4)第三級脂肪族アミン化合物〕
本発明の光重合性組成物における光重合開始剤としては、上記α−ジケトン、トリアジン化合物及び芳香族アミン化合物からなる光重合開始剤でも良いが、さらにB4)第三級脂肪族アミン化合物を併用するとさらに良好な重合活性を得ることができる。また、第三級脂肪族アミン化合物を配合することにより、芳香族アミン化合物の配合量を少なくすることもでき、これによりさらに太陽光安定性を向上させることもできる。
当該第三級脂肪族アミン化合物は、B4)窒素原子に3つの飽和脂肪族基がついた第三級アミン化合物であり、かつ、該飽和脂肪族基のうちの少なくとも2つは電子吸引性基により置換されている飽和脂肪族基である脂肪族アミン化合物であることが必要である。電子吸引性基により置換されている飽和脂肪族基を有すアミン化合物を用いることで、高い重合活性を得ることでき、さらに優れた保存安定性も得ることができる。
当該脂肪族アミン化合物における電子吸引性基は、該基が結合している飽和脂肪族基の炭素原子から電子を引きつけるような誘起効果を持つ基であり、公知の如何なる電子吸引性基でも良いが、化学的な安定性を考慮すると、水酸基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;エテニル基(ビニル基)、1−プロペニル基、エチニル基等の不飽和脂肪族基;フッ素原子;アルコキシル基;カルボニル基;カルボニルオキシ基又はシアノ基が好ましい。これらのなかでも、特に化合物の安定性に優れ、また合成が容易であり、かつラジカル重合性単量体への溶解性に優れる点で、アリール基、不飽和脂肪族基又は水酸基であることが好ましく、水酸基が特に好ましい。
このような電子吸引性基で置換される飽和脂肪族基も特に制限されるものではなく、直鎖状、分枝状、環状のいずれでも良いが、合成や入手の容易さの点で、直鎖状又は分枝状の炭素数1〜6の飽和脂肪族基であることが好ましい。また、上記電子吸引性基が置換(結合)する位置や数も特に制限されるものではないが、アミンの窒素原子に近い炭素原子上で置換している方がより保存安定性に優れる。好ましくは、窒素原子と結合している炭素原子上(飽和脂肪族基の1位)又はその隣の炭素原子上(同2位)で置換していることが好ましい。
このような電子吸引性基により置換されている飽和脂肪族基を具体的に例示すると、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基等の水酸基により置換されたもの;アリル基(エテニルメチル基)、2−プロピニル基(エチニルメチル基)、2−ブテニル基等の不飽和脂肪族基により置換されたもの;ベンジル基等のアリール基により置換されたもの等が挙げられる。
本発明の光重合開始剤におけるB4)成分としては、窒素原子に結合している3つの飽和脂肪族基のうち少なくとも2つは、このような電子吸引性基により置換されている飽和脂肪族基であることが必要である。
また、電子吸引性基により置換されていない飽和脂肪族基も特に制限されないが、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の直鎖状又は分枝状の炭素数1〜6のアルキル基が好ましいものとして挙げられる。
このような、電子吸引性基により置換されている飽和脂肪族基を少なくとも2つの有す第三級脂肪族アミン化合物を具体的に例示すると、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−プロピルジエタノールアミン、N−エチルジアリルアミン、N−エチルジベンジルアミン等の電子吸引性基により置換されている飽和脂肪族基を2つ有す化合物;トリエタノールアミン、トリ(イソプロパノール)アミン、トリ(2−ヒドロキシブチル)アミン、トリアリルアミン、トリベンジルアミン等の電子吸引性基により置換されている飽和脂肪族基を3つ有す化合物が挙げられる。
これらB4)成分の第三級脂肪族アミン化合物は、1種または2種以上を混合して用いても構わない。また、その一般的な配合量は、ラジカル重合性単量体100重量部に対して0.005〜5重量部であり、より好ましくは0.01〜3重量部である。
さらに、本発明の光重合性組成物の光重合開始剤において、前記B3)成分の芳香族アミン化合物と、上記B4)成分の第三級脂肪族アミン化合物は、両者の合計で、重合性単量体100重量部に対して0.01〜10重量部の範囲とすることが好ましく、0.02〜5重量部とすることがより好ましく、さらにその質量比がB3)成分:B4)成分=3:97〜97:3の範囲とすることが好適である。
特に好ましくは、光重合開始剤の量、即ち、光重合開始剤の成分として配合される全成分の合計量を、ラジカル重合性単量体100重量部に対して0.01〜20重量部、さらには0.05〜10重量部、特に好ましくは0.1〜3重量部の範囲とする。
〔(C)シランカップリング剤により表面処理されてなり、第一級及び/又は第二級の脂肪族アミン化合物の吸着量が1.0〜15.0μg/gである疎水性無機粉体〕
本発明の最大の特徴は、シランカップリング剤によって表面処理された疎水性無機粉体に吸着したアミン化合物量を、少量の特定範囲にコントロールした疎水性無機粉体を用いた点にある。
前述のとおり、シリカ系粒子等の無機粉体を、シランカップリング剤で表面処理する方法としては、有機酸の存在下で、シランカップリング剤を予め加水分解させ、無機粉体に反応させる方法が一般的である。しかしこの場合、得られる疎水性無機粉体を、前記α−ジケトン化合物、トリハロメチル基により置換されたs−トリアジン化合物、及び芳香族アミン化合物からなる光重合開始剤に組合せても、得られる光重合性組成物の硬化体は、太陽光に暴露した際に、色調変化が発生する。
これに対して、疎水性無機粉体として、シランカップリング剤による表面処理を、第一級や第二級の脂肪族アミン化合物を触媒として反応させたものを用いた場合、この太陽光に暴露した際の色調変化の問題は大きく抑制できる。しかして、この現象は、次のような作用によるものと、本発明者らは推察している。すなわち、まず、上記光重合性組成物の硬化体において色調変化が生じる原因は、該硬化体には、前記B1)〜B3)成分からなる光重合開始剤の余剰量が残存しており、これらの各成分が太陽光エネルギーを受けて関与しあい着色物質が生成することによるものと推定される。一方、上記第一級や第二級の脂肪族アミン化合物を触媒として用いた表面処理により得られた疎水性無機粉体は、反応後の溶媒洗浄や乾燥処理等によっても、その表面には、該脂肪族アミン化合物が有意な量で残留しているのが普通であり、この残留する脂肪族アミン化合物が、上記硬化体に残存する光重合開始剤から着色物質が生成する反応を、何らかの反応機構により抑制しているのではないかと考えられる。
このように前記光重合開始剤を用いた光重合性組成物に使用する疎水性無機粉体としては、シランカップリング剤による表面処理を、第一級や第二級の脂肪族アミン化合物を触媒として反応させたものを用いるのが、硬化体の色調変化防止の観点から大変有利であるが、一方で、この疎水性無機粉体において、該脂肪族アミン化合物の吸着量が一定量を超えて多量になると、今度は逆に、上記光重合性組成物の重合活性の保存安定性の低下の問題が顕在化してくる。すなわち、上記疎水性無機粉体には、通常、20μg程度/g以上の、前記第一級や第二級の脂肪族アミン化合物が吸着されているものであり、この場合、光重合性組成物の保存期間が長期化したり、保存温度が高温になると、前記光重合開始剤の劣化を引き起こすようになる。
したがって、上記硬化体の色調変化の問題と、光重合性組成物の重合活性の保存安定性の問題を両立して解決するには、疎水性無機粉体に吸着される第一級及び/又は第二級の脂肪族アミン化合物の吸着量は、少量範囲にコントロールする必要があり、この意味で、本発明では、該疎水性無機粉体として、該脂肪族アミン化合物の吸着量が1.0〜15.0μg/gのものを用いる。すなわち、この程度の量で脂肪族アミン化合物が吸着されているのであっても、前記した硬化体の色調変化を抑制する効果は良好に発揮され、しかも、上記した光重合開始剤における重合活性の低下の問題はほとんど発生しない状態に保持できる。これに対して、この第一級及び/又は第二級の脂肪族アミン化合物の吸着量が、上記15.0μg/gを超えると重合活性の経時変化が大きくなり、他方で、1.0μg/gを下回ると太陽光に対する硬化体の色調変化が大きくなるようになる。
ここで、本発明の疎水性無機粉体1gに吸着された第一級または第二級の脂肪族アミン化合物の吸着量は、前記した本発明の効果をより顕著に発揮させようとすると、1.3〜14.0μgが好ましく、更に好ましくは2.0〜13.0μgであるのがより好ましい。
本発明において、疎水性無機粉体に吸着された第一級または第二級の脂肪族アミン化合物量は、迅速簡便で、かつ高感度に分析できることから、ガスクロマトグラフィー(以下、GCとも略す)により定量した値をいう。具体的なGCの定量方法としては、ヘッドスペース法を用いるものであり、より具体的な方法を示すと、表面処理後の疎水性無機粉体0.5gをバイアルビンに入れで栓をし、疎水性無機粉体の入ったバイアルビンをアルミブロックに置き、130℃で10分間、加熱を行なった加熱後、バイアルビン内に発生したガスをGCに打ち込み、ピーク面積を求める。一方、表面処理時に用いたアミン化合物を上記に示した条件でGCに打ち込み、検量線を作成する。そして、この検量線を用いて、上記GCで得られたピーク面積から疎水性無機粉体に吸着されていた残存アミン量を求めるものである。
本発明において、上記無機粉体としては、特に制限されることなく公知のものが使用されるが、具体的に例示すると、非晶質シリカ、シリカ−ジルコニア、シリカ−チタニア、シリカ−チタニア−酸化バリウム、シリカ−チタニア−ジルコニア、石英、アルミナ、ガラス等の球形状粒子あるいは不定形状粒子を挙げることができる。本発明の光重合性組成物を歯科歯冠材料用や歯科充填修復材料用として用いる場合には、シリカ系粒子であるのが好ましい。シリカとジルコニア、シリカとチタニア、またはシリカと酸化バリウムとを主な構成成分とする複合酸化物の球形状の無機粒子が、X線造影性を有し、より耐摩耗性、表面滑沢性に優れた複合組成物の硬化体が得られることから、特に好適に用いられる。
無機粉体の粒径は特に限定されず、歯牙修復材料等の用途を考慮すると、その平均粒径は0.01〜100μm(特に好ましくは0.05〜5μm)が目的に応じて好適に適宜、使用できる。また、該無機粒子の屈折率も特に制限されず、一般的な歯科用の無機粒子が有する1.4〜1.7の範囲のものが制限なく使用でき、目的に合わせて適宜設定すればよい。
上記無機粒子の製造方法については、特に限定されず前記粒子径を有するものであれば、如何なる製法によって得られたものでもよい。工業的には、金属アルコキシドの加水分解によって製造する方法が好適に採用される。また、無機粒子の表面安定性を保持するために表面のOH基を減ずるのが好ましい。そのためには、無機粒子を乾燥後、更に500〜1000℃の温度で焼成する手段がしばしば好適に採用される。
こうした無機粉末を用いて、シランカップリング剤により表面処理された疎水性無機粉体を製造する方法は、通常は、前記したような第一級や第二級の脂肪族アミン化合物を触媒として用いる方法により実施するものである。そして、その条件設定により、得られる疎水性無機粉体において、第一級及び/又は第二級の脂肪族アミン化合物の吸着量を1.0〜15.0μg/gの範囲にコントロールする。具体的には、無機粉体を上記脂肪族アミン化合物を含有する有機溶媒の懸濁液中でシランカップリング剤と反応させ、有機溶媒を分離した後真空乾燥する方法を実施するものであり、その際に、該脂肪族アミン化合物の含有量をシランカップリング剤量の0.1〜2倍モル量とし、さらに、真空乾燥温度を95〜120℃とする方法が挙げられる。
この方法において、無機粉体の疎水化に用いるシランカップリング剤としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等が好適に用いられる。
これらシランカップリング剤の無機粉体に対する表面処理剤量の一般的に好ましい範囲は、用いる無機粉体の比表面積と、シランカップリング剤の被覆面積で決めることができる。即ち、無機粉体の比表面積をXm/g、シランカップリング剤の被覆面積Ym/g、用いる粒子をxg、用いるシランカップリング剤をygとしたときYy/Xxの値が0.5〜2になるように用いればよく、より好ましくは0.7〜1.5最も好ましくは0.9〜1.3の範囲である。
また、無機粉体の比表面積はBET法等で測定した値を用いればよく、シランカップリング剤の被覆面積は、下記式
Figure 0005305617
より計算して求めることができる。
また、第一級または第二級の脂肪族アミン化合物としては、具体的には、n‐プロピルアミン、イソプロピルアミン、n‐ブチルアミン、イソブチルアミン、tert‐ブチルアミン、ジエチルアミン、ジ‐n‐プロピルアミン等の炭素数1〜5の脂肪族基を有するものが好ましく、立体障害による反応性への影響、沸点(低沸点の方が、真空乾燥時に除去しやすい)の観点から第一級脂肪族アミン化合物を用いることが好ましい。また、第二級脂肪族アミン化合物においても、炭素鎖による立体障害の大きくないものが望ましく、直鎖の炭素鎖の有するものが望ましい。
これら第一級及び/又は第二級の脂肪族アミン化合物の使用量は、前記したようにシランカップリング剤量の0.1〜2倍モル量、より好ましくは0.2〜1倍モル量であることが重要である。この脂肪族アミン化合物の使用量が、シランカップリング剤量の0.1倍モル量より少ない場合、シランカップリング剤による表面処理が十分に行われなくなり、充填材として耐水性の向上が十分に望めなくなる。また、得られる疎水性無機粉体において、第一級及び/又は第二級の脂肪族アミン化合物の吸着量が1μg/gを下回るものになり、これを用いて製造した光重合性組成物において硬化体の色調変化が発生するようになる。他方で、このシランカップリング剤量の2倍モル量より多い場合、得られる疎水性無機粉体において、第一級及び/又は第二級の脂肪族アミン化合物の吸着量が15.0μg/gを上回るものになり、これを用いて製造した光重合性組成物において重合活性の保存安定性が悪化する。
無機粉体を、上記第一級及び/又は第二級の脂肪族アミン化合物を含有する有機溶媒の懸濁液中でシランカップリング剤と反応させる方法は、特に制限されるものではなく、これら成分を任意の配合順序で有機溶媒に加えて実施すればよい。反応性を高める観点からは、無機粉体と該脂肪族アミン化合物とを先に前処理させておくのが好ましい。この前処理方法は、具体的には、第一級または第二級の脂肪族アミン化合物を無機粉体と直接に接触させる方法や、反応溶媒として使用する有機溶媒の存在下に上記両者を接触させる方法等が挙げられる。接触させる際の温度は、脂肪族アミン化合物の沸点を考慮して例えば0〜50℃の温度が好ましく、接触時の圧力は、減圧〜常圧の条件から選べばよく、接触時間も1分〜1時間の条件から選べば十分である。さらに、接触には如何なる混合装置を用いてもよいが、一般的にはボールミル、アトライタ、ライカイ機を用いればよい。
無機粉体をシランカップリング材と反応させる方法は、有機溶媒中で実施する。通常は、上記第一級及び/又は第二級の脂肪族アミン化合物で前処理した無機粉体を、上記前処理に使用した混合装置を用いて、両者を接触させて実施する。反応温度は、第一級または第二級の脂肪族アミン化合物の沸点以下の温度、例えば50℃以下、好ましくは0〜50℃、更に好ましくは10〜30℃の範囲から選べばよい。また反応時間は10分〜1時間の範囲から選択すれば一般に十分である。
上記疎水化処理において反応溶媒として使用する有機溶媒は、各反応成分に対して不活性なものであれば特に限定されず必要に応じて選択して使用すればよいが、一般にはメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノールの如きアルコール性溶媒、アセトン、メチルエチルケトンの如きカルボニル基を有する溶媒、エチルエーテル、ジオキサンの如きエーテル基を有する溶媒、ギ酸メチル、酢酸エチルの如きエステル基を有する溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素などハロゲン元素を有する溶媒、ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族系の溶媒、あるいはベンゼン、キシレンなどの芳香族系の溶媒を使用すればよい。
シランカップリング剤を反応させた無機粉体は、ろ過器、エバポレーター、遠心分離機などを使用して有機溶媒を分離した後、後述する真空乾燥に供すればよい。一般には、有機溶媒の分離は粗方実施すればよいが、少なくとも有機溶媒の80質量%、より好適には少なくとも90質量は分離するのが好ましい。
上記シランカップリング剤を反応させた無機粉体の乾燥は、98〜110℃で真空乾燥することが重要である。すなわち、一般に、粉体の乾燥方法としては、単なる送風乾燥から、種々の温度での加熱乾燥まであり、後者の加熱乾燥においても常圧から種々の減圧度での減圧乾燥まである。しかして、こうした乾燥方法の中にあって、前述の反応条件で、シランカップリング剤により疎水化処理した無機粉体においては、上記温度範囲での真空乾燥を実施すれば、得られる疎水性無機粉体の第一級及び/又は第二級の脂肪族アミン化合物の吸着量は前記1.0〜15.0μg/gの範囲にコントロールできることが解った。なお、上記真空乾燥とは、1mmHg以下の高い減圧度での乾燥をいう。

ここで、真空乾燥温度が95℃を下回る場合、得られる疎水性無機粉体に吸着する該アミン化合物量が15.0μg/gを超えるようになり、保存安定性に大きな影響を及ぼす。他方で、この真空乾燥温度が120℃を超えると凝集粒子の割合が増え、ペースト中の無機粉体の充填率の低下が生じる。また、疎水性無機粉体が着色し、光重合性組成物にした際に、審美性に劣るといった問題が生じるようになる。
本発明において、上記疎水性無機粉体の一般的な配合量は、ラジカル重合性単量体と混合した時の粘度(操作性)や硬化体の機械的物性等を勘案すると、ラジカル重合性単量体100重量部に対して50〜1500重量部、より好ましくは70〜1000重量部、最も好ましくは10〜500重量部である。
本発明の光重合性組成物においては、本発明の効果を損なわない範囲で、(B)光重合開始剤以外の公知の重合開始剤を配合しても良い。当該他の重合開始剤成分としては、過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物類;酸化バナジウム(IV)アセチルアセトナート、ビス(マルトラート)オキソバナジウム(IV)等の+IV価又は+V価のバナジウム化合物類;テトラフェニルホウ素ナトリウム、テトラフェニルホウ素トリエタノールアミン塩、テトラフェニルホウ素ジメチル−p−トルイジン塩、テトラキス(p−フルオロフェニル)ホウ素ナトリウム、ブチルトリ(p−フルオロフェニル)ホウ素ナトリウム等のアリールボレート化合物類;3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノ)クマリン、7−ヒドロキシ−4−メチル−クマリン等のクマリン系色素類;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンソイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類;2,4−ジエトキシチオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、メチルチオキサンソン等のチオキサンソン誘導体;ベンゾフェノン、p,p’−ジメチルアミノベンゾフェノン、p,p’−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体類等が挙げられる。但し、高い環境光安定性を得るためには、アリールボレート化合物類及び有機過酸化物はできる限り少量にした方が良い。また、クマリン系色素類等の色素類は、重合開始剤として作用するほどの量を配合すると、光重合性組成物の色調に大きな影響を与え、高い審美性を要求される歯科用コンポジットレジンにおいては、歯と異なる色調となってしまう傾向がある。
また、本発明の光重合性組成物には、目的に応じその性能を低下させない範囲で水、有機溶媒や増粘剤、蛍光剤、有機−無機複合充填材等を添加することも可能である。当該有機溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、ジクロロメタン、メタノール、エタノール、酢酸エチル等があり、増粘剤としてはポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等の高分子化合物や高分散性シリカが例示される。有機−無機複合充填材とは、無機粉体に重合性単量体を予め添加し、ペースト状にした後に重合させ、粉砕して得られる粒状の充填材のことである。
本発明の光重合性組成物は上記のような歯科用コンポジットレジン(歯科用充填修復材料)に代表される歯科用の組成物として特に好適に使用されるが、それに限定されるものではなく、その他の用途にも使用できる。その用途としては、例えば工業用接着剤、塗料、コーティング材、フォトレジスト材料、印刷製版材料、ホログラム材料等が挙げられる。
本発明の光重合性組成物を硬化させる際には、α−ジケトン系の光重合開始剤を硬化させるために用いられるのと同じ公知の光源を用いればよいが、低強度の光照射に対しては比較的安定で、他方、ある一定以上の高強度の光照射により急速に硬化するという本発明の光重合性組成物の特徴を生かすため、カーボンアーク、キセノンランプ、メタルハライドランプ、タングステンランプ、LED、ヘリウムカドミウムレーザー、アルゴンレーザー等の可視光線の光源が何ら制限なく使用される。照射時間は、光源の波長、強度、硬化体の形状や材質によって異なるため、予備的な実験によって予め決定しておけばよい。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例で用いた化合物の略称(かっこ内)を以下に示す。
(1)略称・略号
(A)重合性単量体
・2,2−ビス[(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]プロパン(bis−GMA)
・トリエチレングリコールジメタクリレート(3G)
(B)光重合開始剤
B1)α―ジケトン
・カンファーキノン(CQ)
B2)トリハロメチル基により置換されたs−トリアジン化合物
・2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン(TCT)
・2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン(PBCT)
B3)芳香族アミン化合物
・N,N−ジメチルp−安息香酸エチル(DMBE)
・N,N−ジメチルp−安息香酸イソアミル(DMBI)
・N,N−ジメチルp−トルイジン(DMPT)
B4)第三級脂肪族アミン化合物
・トリエタノールアミン(TEOA)
・N−メチルジエタノールアミン(MDEOA)
(F)その他の成分
・ハイドロキノンモノメチルエーテル(HQME)
・2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(BP)
また、光硬化性コンポジットレジンの各種物性の測定、及び疎水性無機粉体の調製方法は以下の方法により実施した。
(1)硬化体の硬度(ヴィッカース硬度)
6mmφ×1.0mmの孔を有するテフロン(登録商標)製のモールドに光硬化性コンポジットレジンのペーストを充填してポリプロピレンフィルムで圧接し、歯科用光照射器〔LUX・O・MAX(以下、「LM」とも略する〕、アケダデンタル社;光出力密度137mW/cm)をポリプロピレンフィルムに密着して10秒照射し、硬化体を調製した。得られた硬化体を微小硬度計(松沢精機製MHT−1型)にてヴィッカース圧子を用いて、荷重100gf、荷重保持時間30秒で試験片にできたくぼみの対角線長さにより求めた。
(2)保存安定性の評価
調製した光硬化性コンポジットレジンを50℃に設定したインキュベーター内に保管し、一定期間毎に(1)と同様な方法でヴィッカース硬度を測定し、得られたヴィッカース硬度値の経時変化から保存安定性を評価した。
(3)疎水性無機粉体に吸着したアミン化合物量の測定方法
疎水性無機粉体0.5gをバイアルビンに入れで栓をした。疎水性無機粉体の入ったバイアルビンをアルミブロックに置き、130℃で10分間、加熱を行なった加熱後、バイアルビン内に発生したガスをGC(島津製作所社製GC−9A、カラム:RESTK製、RTX−5 AMINE;温度40℃一定、インジェクション温度:200℃、ディテクター温度:220℃)に打ち込み、ピーク面積を求めた。一方、表面処理時に用いた第一級及び/又は第二級の脂肪族アミン化合物を上記に示した条件でGCに打ち込み、検量線を作成した。そして、この検量線を用いて、上記GCで得られたピーク面積から疎水性無機粉体に吸着されていた上記脂肪族アミン化合物の量を求めた。
(4)太陽光に暴露した際の硬化体の色調変化
直径15mmの貫通孔を開けた厚さ1mmのポリアセタール製型に歯科用修復材料のペーストを填入し、ポリプロピレンフィルムで圧接して、歯科用光照射器(トクソーパワーライト、トクヤマデンタル社製;光出力密度700mW/cm)で本発明の歯科用修復材料全体に光があたるように5箇所を各10秒づつ光照射した。試験片の半分をアルミ箔で覆い、直射日光に延べ10時間曝露した。アルミ箔で覆った部分(未露光部)と直射日光に曝露した部分(露光部)の色調を、色差計(東京電色社製:TC−1800MKII)を用いて測定し、その差をΔEで表した。
ΔE={(ΔL+(Δa+(Δb1/2
ΔL=L1−L2
Δa=a1−a2
Δb=b1−b2
なお、L1:未露光部の明度指数、a1,b1:未露光部の色質指数、L2:露光部の明度指数、a2,b2:露光部の色質指数、ΔE:色調変化量である。
(5)疎水性無機粉体の製造方法
(A)第一級及び/又は第二級の脂肪族アミン化合物を触媒として用いて表面処理する方法
無機粉体100gを、有機溶媒(塩化メチレン)200ml中に入れ、10分間、ボールミルを使って分散させた。分散後、表1に示した量の第一級脂肪族アミン化合物(n−プロピルアミン)又は第二級脂肪族アミン化合物(ジエチルアミン)を計り取り、上記分散液に添加混合し、撹拌した。攪拌後、下記式
シランカップリング剤使用量:y(g)=100(g)X/Y
X:無機粉体の比表面積(m/g)
Y:シランカップリング剤の被覆面積(m/g)
Figure 0005305617
より計算された量のシランカップリング剤(γ−メタクリロイルオキシトリメトキシシラン)を添加し、さらに20分間、撹拌を行なった後、ロータリーエバポレーター(60℃)により有機溶媒を除去し、得られた白色固体を、表1に示した真空乾燥条件下で乾燥し、疎水性無機粉体を得た。得られた疎水性無機粉体について吸着したアミン化合物量を測定し、表1に示した。
Figure 0005305617
(B)有機酸下で表面処理する方法
無機粉体100gを200mlのイオン交換水に入れ、循環型粉砕機SCミルを用いて分散させた分散液を得た。一方、下記式
シランカップリング剤使用量:y(g)=100(g)X/Y
X:無機粉体の比表面積(m/g)
Y:シランカップリング剤の被覆面積(m/g)
算出方法は(A)と同様
より計算された量のシランカップリング剤を図り取り、pH4.0に調整した酢酸80ml中で、1時間30分かけて加水分解を行った物を、上記分散液に混合し、1時間攪拌した。攪拌後、ロータリーエバポレーターにより水を除去し、得られた白色固体を、表2に示した真空乾燥条件下(真空下80℃で18時間)で乾燥し、疎水性無機粉体を得た。得られた疎水性無機粉体について吸着したアミン化合物量を測定し、表1に示した。
Figure 0005305617
実施例1〜9、比較例1〜5
bis−GMA(60重量部)、3G(40重量部)からなる重合性単量体100重量部、重合禁止剤としてHQMEを0.15重量部、及び表3に示す光重合開始剤、充填材からなる各成分を暗所下、メノウ乳鉢を用いて攪拌混合してペースト状の光硬化性コンポジットレジンを調製した。上記ペーストについて、硬化体の硬度を測定し、さらに、保存安定性、および太陽光に暴露した際の硬化体の色調変化をそれぞれ測定した。結果を表3に示す。
Figure 0005305617
実施例1〜9と比較例1、2に示した結果から理解されるように、使用する疎水性無機粉体において、第一級及び/又は第二級の脂肪族アミン化合物の吸着量が1.0〜15.0μg/gの範囲内の場合は、保存後の硬化性が初期値の4/5程度以上に維持され保存安定性に優れ、かつ太陽光に暴露した際の硬化体の色調変化も極めて小さかった。これに対して、比較例3,4に示した疎水性無機粉体を有機酸存在下で表面処理したものや、比較例5に示した第一級及び/又は第二級の脂肪族アミン化合物の吸着量が1μg/gを下回るものを用いた場合は、保存安定性は上記実施例と同等であったものの、硬化体の色調変化が該実施例よりも有意に大きいものであった。また、比較例3〜4に示したように、上記アミン化合物の吸着量が15.0μg/gを超えると、硬化体の色調変化については上記実施例と同等であったものの、保存安定性が顕著に悪化し、50℃保存14日後には初期値の1/2程度に低下するものであった。
実施例10〜19、比較例6〜9
実施例1において、配合する光重合開始剤として、第三級脂肪族アミン化合物を含む、表4に示した組成のものを用いる以外は実施例1と同様にして光硬化性コンポジットレジンのペーストを調製した。得られた歯科用修復材料の各種物性を測定した結果を表4に示した。
Figure 0005305617
実施例10〜19のいずれのペーストも、前記実施例1〜9の結果と比較して硬化体の硬度が高まり、その状態で、保存安定性および太陽光に暴露した際の硬化体の色調変化も、高度に維持されたものであった。

Claims (3)

  1. (A)ラジカル重合性単量体、
    (B)B1)α−ジケトン化合物、B2)トリハロメチル基により置換されたs−トリアジン化合物、及びB3)芳香族アミン化合物を含んでなる光重合開始剤、(C)シランカップリング剤により表面処理されてなり、第一級及び/又は第二級の脂肪族アミン化合物の吸着量が2.0〜13.0μg/gである疎水性無機粉体を含有してなる光重合性組成物。
  2. (B)光重合開始剤として、さらにB4)3つの飽和脂肪族基が窒素原子に結合している第三級アミノ基を有しており、かつ、該飽和脂肪族基のうち少なくとも2つは電子吸引性基を置換基として有している第三級脂肪族アミン化合物を含んだものを用いる請求項1記載の光重合性組成物。
  3. 無機粉体を第一級及び/又は第二級の脂肪族アミン化合物を含有する有機溶媒の懸濁液中でシランカップリング剤と反応させ、有機溶媒を分離した後真空乾燥する疎水性無機粉体の製造方法において、上記第一級及び/又は第二級の脂肪族アミン化合物の含有量がシランカップリング剤量の0.1〜2倍モル量であり、真空乾燥温度が98〜110℃である方法により製造された疎水性無機粉体を、上記(C)疎水性無機粉体として用いてなる請求項1又は2記載の光重合性組成物。
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