JP2005089312A - 歯科用光重合性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 重合収縮が小さく、また硬化後の硬化体の機械的物性にも優れるものとするために、無機フィラーの配合割合を比較的高くした場合でも、流動性に優れ、フロアブルコンポジットレジンとして好適に使用できる光重合性組成物を提供する。
【解決手段】 100質量部の重合性単量体、100〜400質量部の無機フィラー、及び有効量の光重合開始剤を含んでなる歯科用光重合性組成物において、該無機フィラーのうちの粒径が0.03μm以上0.1μm未満の粒子の60質量%以上をシリカ−ジルコニア系の球状無機酸化物粒子とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、歯科用材料に有用な新規な光重合性組成物に関する。さらに詳しくは、フィラー充填率を下げることなく該組成物に必要な操作性を付与できる光重合性組成物を提供するものである。
歯科診療分野、特にウ蝕等により欠損した歯牙を修復するための材料として、コンポジットレジンと呼ばれるフィラー(充填材)と重合性単量体を主成分とする重合性組成物が広く使用されている。このようなコンポジットレジンを用いた歯科治療において、歯けい部楔状欠損、根面ウ蝕及び臼歯部初期ウ蝕等の小さくて浅いペーストの窩洞を修復する症例があるが、該症例に関しては、10〜1500ポイズ程度の低粘度で、また塑性流動距離が1〜15mm程度と流動性が大きく、操作性に優れたフロアブルコンポジットレジンが好適に使用される(例えば、非特許文献1、2、特許文献1)。
このようなフロアブルコンポジットレジンは直接口腔内で容器から修復部に充填することが多いため、従来のコンポジットレジンよりも遥かに口径の小さい(細い)取り出し口から押し出す形態が取られている。従って、その粘度は10〜1500ポイズ程度以下である必要があり、また、修復部に充填後、自然に流れて隅々まで行き渡る必要があるため、後述する塑性流動距離による流動性評価が0であっては、フロアブルコンポジットレジンとしては事実上使用できない。
フィラーの配合されたペースト状の組成物において、粘度を低減させ、また流動性を高くすることは、含まれるフィラーの割合を低下させることにより可能である。また、半導体用の封止剤等に係わる分野においては、配合するシリカや石英粉末の粒度分布を適宜設定することにより、流動性を高めることができることも知られている。
他方、歯科用のコンポジットレジンは口腔内で充填、硬化をさせるため、一般的には光重合開始剤が配合された、可視光の照射により硬化する光硬化型のものが主流となっている。
このような光照射によりラジカルまたはイオン種を発生し、重合性の不飽和化合物または環状化合物を重合させる光重合開始剤に関しては、種々の提案がなされている。一般的には、光を吸収しそれ自身が分解して重合活性種を生成する化合物や、さらに適当な増感剤を組み合わせた系が広く検討され、使用されている。
前者の例としては、アシルフォスフィンオキサイド化合物やα−ジケトン化合物が知られており、後者の例における増感剤としては種々のアミン化合物がよく知られ、特に歯科用材料の分野で有用に用いられている(例えば、特許文献1、2)。
このようなアミン化合物としては種々のものが提案されているが、その中に、トリエタノールアミン、エチルジエタノールアミン等の水酸基を有する脂肪族アミン化合物がある。このような水酸基を有する脂肪族アミン化合物はトリエチルアミン等の他の脂肪族アミン化合物に比べて揮発性が低いため長期保存時に揮発して減少する割合が小さく、またそのために臭気も少なく、口腔内で用いる歯科用組成物に配合した場合の利点は大きい。さらに、重合開始剤の一成分として知られるトリハロメチル基を有するs−トリアジン化合物(例えば、特許文献3)と共に保存した場合の保存安定性が、他の脂肪族アミン化合物に比べて格段に優れているという特徴も有する。
細田裕康編、「光重合型コンポジットレジンの基礎と臨床」、日本歯科出版、昭和61年2月10日、p.9−20 福島正義編、「新・MI臨床&接着修復」、デンタルダイヤモンド社、平成14年10月1日、p.90−97 特開2001−139411号公報 特開2000−26226号公報 特開平9−309811号公報
しかしながら、本発明者らの検討によれば、光重合開始剤の成分として配合するアミン化合物として、上記トリエタノールアミン、エチルジエタノールアミン等の水酸基を有する脂肪族アミン化合物を配合した場合、他のアミン化合物を採用した場合に比べて光重合性組成物の流動性が著しく低下し、ほとんど流動しなくなってしまうという問題が生じることを見出した。
このようなアミン化合物を配合した光重合性組成物を、前述したようなフロアブルコンポジットレジンとして使用可能な流動性を有すものとするために、無機フィラーの配合割合を適当な流動性を発現するまで低減させると、硬化時の重合収縮が大きくなり、また得られる硬化体の機械的強度が低くなりすぎるという問題が生じる。また、配合する無機フィラーの粒度分布を調整する方法でも、室温程度で用いられる歯科用のフロアブルコンポジットレジンとして必要な程度の粘度、流動性を得ることはできなかった。
従って、歯科用コンポジットレジンとして使用可能な重合収縮が小さく、硬化後の機械的強度にも優れたものとできる、重合性単量体100質量部に対して100〜400質量部の無機フィラーが配合された光重合性の歯科用組成物において、トリエタノールアミン、エチルジエタノールアミン等の水酸基を有する脂肪族アミン化合物を配合した場合でも適度な流動性を付与することの可能な技術の開発が求められていた。
本発明者等は上記課題に鑑み、鋭意研究を進めた結果、驚くべきことに、配合されるフィラーのうち粒径0.03〜0.1μmという特定の粒径範囲にあるフィラーの材質が、組成物の粘度や流動性に極めて大きな影響を与えることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は100質量部の重合性単量体、100〜400質量部の無機フィラー、及び有効量の光重合開始剤を含んでなる歯科用光重合性組成物において、該無機フィラーのうちの粒径が0.03μm以上0.1μm未満の粒子の60質量%以上が、シリカ−ジルコニア系の球状無機酸化物粒子であることを特徴とする歯科用光重合性組成物である。
本発明によれば、重合収縮が小さく、また硬化後の硬化体の機械的物性にも優れるものとするために、無機フィラーの配合割合を比較的高くした場合でも、流動性に優れ、フロアブルコンポジットレジンとして好適に使用できる光重合性組成物が提供される。
本発明の光重合性組成物は、重合性単量体、無機フィラー及び光重合開始剤を含んでなる。当該重合性単量体としては、歯科用コンポジットレジンの成分として公知の重合性単量体を特に制限されることなく採用できる。好ましくは、酸性基(スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸残基等)を有さない(メタ)アクリレート系の重合性単量体が、硬化速度や硬化体の機械的物性の観点から好適に用いられ、特に、複数の重合性官能基を有する、多官能の(メタ)アクリレート系重合性単量体が好ましい。当該多官能性の(メタ)アクリレート系重合性単量体としては、公知のものが特に制限なく使用できる。一般に好適に使用されるものを例示すれば、下記(I)〜(III)に示されるものが挙げられる。
(I)二官能重合性単量体
(i)芳香族化合物系のもの
2,2−ビス(メタクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(3−メタクリロイルオキシ)−2−ヒドロキシプロポキシフェニル]プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシテトラエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシペンタエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシジプロポキシフェニル)プロパン、2(4−メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)−2(4−メタクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2(4−メタクリロイルオキシジプロポキシフェニル)−2−(4−メタクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシイソプロポキシフェニル)プロパン及びこれらのメタクリレートに対応するアクリレート;2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のメタクリレートあるいはこれらメタクリレートに対応するアクリレートのような−OH基を有するビニルモノマーと、ジイソシアネートメチルベンゼン、4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネートのような芳香族基を有するジイソシアネート化合物との付加から得られるジアダクト等。
(ii)脂肪族化合物系のもの
エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートおよびこれらのメタクリレートに対応するアクリレート;2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のメタクリレートあるいはこれらのメタクリレートに対応するアクリレートのような−OH基を有するビニルモノマーと、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、イソフォロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)のようなジイソシアネート化合物との付加体から得られるジアダクト;1,2−ビス(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エチル等。
(II)三官能重合性単量体
トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリメチロールメタントリメタクリレート等のメタクリレート及びこれらのメタクリレートに対応するアクリレート等。
(III)四官能重合性単量体
ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート及びジイソシアネートメチルベンゼン、ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、イソフォロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシアネートのようなジイソシアネート化合物とグリシドールジメタクリレートとの付加体から得られるジアダクト等。
これら多官能の(メタ)アクリレート系重合性単量体は、必要に応じて複数の種類のものを併用しても良い。
さらに、必要に応じて、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等のメタクリレート、及びこれらのメタクリレートに対応するアクリレート等の単官能の(メタ)アクリレート系単量体や、上記(メタ)アクリレート系単量体以外の重合性単量体を用いても良い。これら他の重合性単量体を例示すると、フマル酸モノメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジフェニル等のフマル酸エステル類;スチレン、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレン、α−メチルスチレンダイマー等のスチレンあるいはα−メチルスチレン誘導体;ジアリルテレフタレート、ジアリルフタレート、ジアリルジグリコールカーボネート等のアリル化合物等を挙げることができる。これら単官能の(メタ)アクリレート系単量体や、その他の重合性単量体は単独または二種以上を一緒に使用することができる。また、(メタ)アクリル酸、p−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、10−メタクリロイルオキシデカメチレンマロン酸、2−ヒドロキシエチルハイドロジェンフェニルフォスフェート等の酸性基を有する重合性単量体を配合してもよいが、これら酸性基を有する重合性単量体は、後述するアミン化合物と反応して塩を生じてしまい、その活性を著しく減少させる傾向があるのみならず、得られる硬化体の耐着色性や耐水性を低下させる場合もあるため、(メタ)アクリレート系単量体等の不純物等として不可避的に混入してくる場合を除き、できる限り配合しない方が好ましい。なお、一般的な不純物量程度である場合には、後述するアミン化合物を多めに使用することで重合活性を維持することが可能である。ただしこの場合、アミン化合物の好適な配合量は、このような酸により中和されてしまった分を除く量である。
本発明の歯科用組成物を歯科用コンポジットレジンとして用いることを考慮すると、得られる硬化体の機械的強度や耐水性に優れる点で、配合される全重合性単量体中、多官能性の(メタ)アクリレート系重合性単量体が70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更に好ましい。
本発明の光重合性組成物における第二の成分は無機フィラーである。重合性単量体100質量部に対して100質量部以上の無機フィラーが配合されていないと、硬化時の重合収縮が大きすぎ、また硬化体の機械的物性も劣ったものとなってしまう。他方、400質量部より多いと、後述する粒径が0.03μm以上0.1μm未満の粒子の形状及び材質を適切なものとしても、必要な流動性が得られない。より好ましくは重合性単量体100質量部に対して150〜300質量部である。
当該無機フィラーとしては、粒径が0.03μm以上0.1μm未満の粒子が含まれており、かつ、該0.03μm以上0.1μm未満の粒子の60質量%以上が、シリカ−ジルコニア系の球状無機酸化物粒子であれば、他は特に制限されることなく、歯科用として公知のいかなる無機フィラーを用いても良いが、より良好な流動性を得るために、全無機フィラー100体積%に占める、粒径が0.03μm未満の粒子の割合が0〜10体積%(好ましくは0〜5体積%)、粒径0.03μm以上0.1μm未満の粒子が5〜60体積%(好ましくは10〜50体積%)、0.1μm以上の粒子が40〜95体積%(好ましくは、50〜90体積%)となるよう配合することが好ましい。
なお、本発明の光重合性組成物において配合される無機フィラー粒子の粒径とは、レーザー回折−散乱法によって測定されるものである。
上記、本発明の光重合性組成物に含まれる、粒径が0.03μm以上0.1μm未満の粒子は、その60質量%以上が、シリカ−ジルコニア系の球状無機酸化物粒子でなくてはならない。この粒径範囲にある粒子の40質量%以上が、非球状である場合、あるいはその材質がシリカ、シリカ−チタニア等の他の酸化物粒子等、シリカ−ジルコニア系以外の無機粒子である場合には、良好な流動性を得ることができず、よって本発明の目的を達成することができない。
なお、上記粒子が球状であるとは、走査型電子顕微鏡観察等による形状観察で、粒子が丸みをおびた粒子であることを示し、断面が楕円形であるなど真球状のものでなくても良い。真球状以外のものである場合には、長径とそれに直交する径(短径)の比(平均斉度)が0.6以上、好ましくは0.8以上であることが好ましい。
本発明においてシリカ−ジルコニア系の無機酸化物粒子とは、ケイ素(Si)とジルコン(Zr)を主たる金属元素とする該金属の酸化物であり、微量成分として、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属等の他の金属元素を含んでいてもよい。他の金属元素を含む場合、その割合は全金属元素の合計(酸素は含まない)を100モル%とした場合、ケイ素とジルコンの割合が80モル%以上、好ましくは90モル%以上であることが好ましい。
また上記の通り、本発明の光重合性組成物においては、0.03μm未満の粒子、及び0.1μm以上の粒子は配合されていてもされていなくてもよいが、より高いフィラー充填率を得るために、配合されていた方が好ましい。0.03μm未満の粒子は、その形状や材質にかかわらず配合量が多くなるにつれ光重合性組成物の流動性を大きく低下させる傾向があり、一般的には、配合して得られる光重合性組成物の粘度の微調整のために配合される。他方、0.1μm以上の粒子は流動性や粘度に対し、0.1μm未満の粒子ほどの影響はないが、得られる硬化体の審美性(表面滑沢性)や機械的強度には大きな影響を与える。一般的には、不定形のものより球状のものの方が、また粒径の小さいほど審美性は良好になる一方で、不定形のものの方が機械的強度は良好なものとすることができる。粒径が0.1μm以上の粒子を配合する場合には、最も径の大きな粒子が20μm以下の粒子であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、5μm以下であることがさらに好ましい。さらに、その粒子径分布は、0.1μm以上の粒子の前記レーザー回折−散乱法に測定した体積頻度分布において、80体積%以上が0.15〜5μmの粒子であることが好ましく、0.2〜2μmの粒子であることがより好ましい。粒径が0.1μm以上の粒子としては、その材質や形状の異なるものが複数種配合されていても良い。
このような、粒径が0.03μm未満の粒子、0.1μm以上の粒子、並びに0.03μm以上、0.1μm未満の粒子で球状シリカ−ジルコニア系以外のものの材質は特に制限されるものではなく、光重合性組成物に配合される無機フィラーとして公知の材質のものが使用できる。このような無機フィラーとしては、シリカ、アルミナ、チタニア、シリカ−アルミナ、シリカ−チタニア、石英ガラス、バリウムガラス、アルミノシリケートガラス等が挙げられる。
さらに本発明の光重合性組成物には、上記のような無機フィラーを重合性単量体に混合、硬化、粉砕して得られる有機−無機複合フィラーを配合しても良い。このような有機−無機複合フィラーは、光重合性組成物に配合された状態では、その粒径に応じた挙動をする一方、硬化後には、該有機−無機複合フィラー中の粒子の粒径に準じた挙動をする。このような有機−無機複合フィラーとしては、配合されている無機粒子の粒径が0.01〜2μmの範囲にあり、有機−無機複合フィラー自体は、粒径が0.2〜100μmの範囲にあるものが好適に使用できる。なお、当該有機−無機複合フィラーを配合する場合の、重合性単量体に対する配合量は、該有機−無機複合フィラー中に含まれる無機粒子成分の量が150質量部以上で、かつ、該有機−無機複合フィラーにおける有機質部分も無機フィラーの一部とみなして400質量部以下となるように配合量を調整する必要がある。なぜならば、硬化後の硬化体の機械的強度に対しては、該有機−無機複合フィラー中の無機粒子成分が効果を有するのに対し、硬化性組成物の流動性に対しては、有機−無機複合フィラーが単一のフィラーとして作用するからである。同様の理由により、配合されるフィラーにおける、各粒径の粒子の割合の計算に際しても、該有機−無機複合フィラーにおける有機質部分も無機フィラーの一部とみなして前記好適範囲を決定する必要がある。
上記無機フィラー及び有機−無機複合フィラーは、シランカップリング剤に代表される表面処理剤で処理されたものを用いることが、重合性単量体とのなじみを良くし、機械的強度や耐水性を向上させる上で望ましい。用いるシランカップリング剤の種類は、用いる重合性単量体の種類やペーストの操作性、及び硬化体の機械的物性等他の物性との兼ね合いから適宜決定すれば良いが、好適に使用できるものを例示すると、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルモノメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピル(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等が挙げられ、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。
さらに、これらフィラーの屈折率も特に制限されるものではなく、目的に合わせて適宜設定すればよいが、一般的な歯科用の無機フィラーが有する1.4〜1.7の範囲のものを用いることが光硬化性や審美性の点から好ましい。また屈折率の異なる複数の無機フィラーを併用しても良い。
本発明の光重合性組成物における第3の成分は光重合開始剤である。当該光重合開始剤は歯科用の光重合性組成物における光重合開始剤として公知のものをなんら制限なく採用することができる。他方、光を照射せずとも硬化する化学重合型の重合開始剤では、流動性が経時的に変化してしまうため、やはり本発明が意味をなさないものになってしまう。
このような光重合開始剤として代表的なものとしては、α−ジケトン系、アシルフォスフィンオキサイド系、α−ジケトン/アミン化合物系、α−ジケトン/光酸発生剤/アミン化合物系、アシルフォスフィンオキサイド/アミン化合物系のもの等が挙げられる。
これらのなかでも、流動性に与える影響が大きなアミン化合物を配合する重合開始剤系において本発明の効果は顕著である。さらに、良好な環境光安定性と高い重合活性を有する一方で、配合するアミン化合物として、流動性に極めて大きな影響を与える化合物である窒素原子に結合した3つの脂肪族基のうちの少なくとも2つが水酸基により置換された脂肪族基である第3級脂肪族アミン化合物を、重合性組成物の保存安定性を良好なものとするために採用する必要性が高い、α−ジケトン/光酸発生剤/アミン化合物系のものに対して本発明を適用することが好ましい。
特に、環境光安定性と重合活性に優れる一方で、保存安定性に対してアミン化合物の種類の影響が大きいため、該光酸発生剤が、トリハロメチル基により置換されたs−トリアジン化合物であるものが最も好ましい。
即ち、詳細は不明ながら、トリハロメチル基により置換されたs−トリアジン化合物と脂肪族第3級アミン化合物を並存(同一包装にて保存)させておくと、s−トリアジン化合物が分解して(若しくは他の反応を起こして)、経時的に重合活性が低下するが、脂肪族第3級アミン化合物として、上記のような窒素原子に結合した3つの脂肪族基のうちの少なくとも2つが水酸基により置換された脂肪族基である第3級脂肪族アミン化合物を採用することにより、その活性の低下は大幅に低減される。一方、窒素原子に結合した3つの脂肪族基のうちの少なくとも2つが水酸基により置換された脂肪族基である第3級脂肪族アミン化合物を配合すると、他のアミン化合物を配合した場合に比べて、著しく流動性が低下し、本発明の方法以外では、充分な流動性と無機フィラーの配合割合を両立させることができないためである。
換言すれば、従来公知の光重合開始剤に比べて、良好な環境光安定性と重合活性を有する優れた光重合開始剤である、α−ジケトン/トリハロメチル基により置換されたs−トリアジン化合物/アミン化合物の光重合開始剤系において、さらに保存安定性も優れたものとするために、アミン化合物として、窒素原子に結合した3つの脂肪族基のうちの少なくとも2つが水酸基により置換された脂肪族基である第3級脂肪族アミン化合物を採用した場合に、得られる光重合性組成物の流動性は粒径0.03〜0.1μmの範囲にある無機フィラーの形状及び材質に大きく左右されるため、該無機フィラーとして本発明に規定する如き、球状のシリカ−ジルコニア系の粒子を採用する必要性がある。
以下では、このようなα−ジケトン/光酸発生剤/アミン化合物系の光重合開始剤についてさらに詳しく説明する。
上記α−ジケトン化合物としては、公知の化合物が何ら制限なく使用できる。該α−ジケトン化合物を具体的に例示すると、カンファーキノン、カンファーキノンカルボン酸、カンファーキノンスルホン酸等のカンファーキノン類;ジアセチル、アセチルベンゾイル、2,3−ペンタジオン、2,3−オクタジオン、9,10−フェナンスレンキノン、アセナフテンキノン等を挙げることができる。
使用するα−ジケトン化合物は、重合に用いる光の波長や強度、光照射の時間、あるいは組み合わせる他の成分の種類や量によって適宜選択して使用すればよく、単独または2種以上を混合して使用することもできる。これらのなかでも、歯科用に用いることを考慮すると、可視光域に最大吸収波長を有する化合物であることが好ましく、一般的にはカンファーキノン類が好適に使用され、特にカンファーキノンが好ましい。また、添加量も組み合わせる他の成分や重合性単量体の種類によって異なるが、通常は重合性単量体100重量部に対して0.01〜10重量部、より好ましくは0.03〜5重量部の範囲である。配合量が多いほど照射光による硬化時間が短くなり、他方、少ないほど環境光安定性に優れる。
上記トリアジン化合物としては、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基等のトリハロメチル基を少なくとも一つ有する置換s−トリアジン化合物であれば公知の化合物が何ら制限なく使用できる。特に好ましいs−トリアジン化合物を一般式で示すと下記一般式(1)で表される。
Figure 2005089312
(式中、R及びRは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルケニル基、及び置換基を有していてもよいアルコキシ基であり、Xはハロゲン原子である。)
上記一般式(1)中、Xで表されるハロゲン原子は塩素、臭素、ヨウ素の各ハロゲン原子が好適に使用されるが、塩素原子が置換したトリクロロメチル基を有する化合物を用いるのが一般的である。
上記置換基を有していてもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基等の非置換のアルキル基や、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、α,α,β−トリクロロエチル基等のハロゲンにより置換されたアルキル基等の炭素数1〜10のものが挙げられる。また、置換基を有していてもよいアリール基としては、フェニル基、p−メトキシフェニル、p−メチルチオフェニル基、p−クロロフェニル基、4−ビフェニリル基、ナフチル基、4−メトキシ−1−ナフチル基等の炭素数6〜14のものが例示される。さらに、置換基を有していてもよいアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、2−フェニルエテニル基等の炭素数2〜12のものが例示される。また、置換基を有していてもよいアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜10のもの等が例示される。
以下、トリハロメチル基により置換されたトリアジン化合物を具体的に例示すると、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メチルチオフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2,4−ジクロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−ブロモフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(p−メトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(o−メトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(p−ブトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(1−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−ビフェニリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等を挙げることができる。
上記トリアジン化合物は1種または2種以上を混合して用いても構わない。また、その一般的な添加量は、重合性単量体100重量部に対して0.005〜10重量部程度、より好ましくは0.03〜5重量部程度である。
アミン化合物も特に限定されるものではないが、本発明の効果が特に顕著に得られる点で、窒素原子に結合した3つの脂肪族基のうちの少なくとも2つが水酸基により置換された脂肪族基である第3級脂肪族アミン化合物が含まれていることが好ましい。
このような窒素原子に結合した3つの脂肪族基のうちの少なくとも2つが水酸基により置換された脂肪族基である第3級脂肪族アミン化合物における、窒素原子に結合した3つの脂肪族基は、そのうちの少なくとも2つが水酸基により置換されているものであれば特に限定されるものではなく、直鎖状、分枝状、環状のいずれでも良いが、合成や入手の容易さの点で、直鎖状又は分枝状の炭素数1〜6の飽和脂肪族基であることが好ましい。また、上記水酸基が置換(結合)する位置や数も特に制限されるものではないが、アミンの窒素原子に近い炭素原子上で置換している方がより保存安定性に優れる。好ましくは、窒素原子と結合している炭素原子上(飽和脂肪族基のα位)又はその隣の炭素原子上(同β位)で置換していることが好ましい。
このような水酸基により置換されている飽和脂肪族基を具体的に例示すると、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
また、該第3級脂肪族アミン化合物における3つめの脂肪族基は、水酸基に置換されていてもいなくてもよい。このような水酸基に置換されていない脂肪族基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の直鎖状又は分枝状の炭素数1〜6のアルキル基が好ましいものとして挙げられる。
このような、脂肪族基のうちの少なくとも2つが水酸基により置換されている第3級脂肪族アミン化合物を具体的に例示すると、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−プロピルジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の化合物が挙げられる。
これらの第3級脂肪族アミン化合物は、1種または2種以上を混合して用いても構わない。また、その一般的な配合量は、重合性単量体100重量部に対して0.005〜5重量部であり、より好ましくは0.01〜3重量部である。
またα−ジケトン/光酸発生剤/アミン化合物系の光重合開始剤においては、重合活性をさらに向上させるために、上記、窒素原子に結合した3つの脂肪族基のうちの少なくとも2つが水酸基により置換された脂肪族基である第3級脂肪族アミン化合物に加えて、芳香族アミン化合物をさらに配合することが好ましい。
当該芳香族アミン化合物は、窒素原子に結合した有機基のうちの少なくとも一つが芳香族基であるアミン化合物であればよく、公知のものが特に制限なく使用できるが、より重合活性が高く、また揮発性が低いため臭気が少なく、さらには入手が容易な点で、第3級窒素原子に一つの芳香族基と、2つの脂肪族基が結合したアミン化合物(以下、第3級芳香族アミン化合物とも称す)であることが好ましい。
好適に使用できる芳香族アミン化合物を具体的に例示すると、p−ジメチルアミノ安息香酸メチル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸プロピル、p−ジメチルアミノ安息香酸アミル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸プロピル、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジベンジルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジ(β−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン等が挙げられる。
これら芳香族アミン化合物は、1種または2種以上を混合して用いても構わない。また、その一般的な配合量は、重合性単量体100重量部に対して0.01〜5重量部であり、より好ましくは0.02〜3重量部である。
なお、上記アミン化合物は、酸と反応して塩を生じ、重合活性を失う傾向があるため、前述したような酸性基を有する重合性単量体を配合した場合、あるいは他の(メタ)アクリレート系単量体等の不純物等として不可避的に混入してくる場合には、前記したアミン化合物の好適な配合量は、このような酸により中和されてしまった分を除く量である。
さらに本発明の光重合性組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で他の公知の光重合開始剤を配合しても良い。当該他の光重合開始剤成分としては、テトラフェニルホウ素ナトリウム、テトラフェニルホウ素トリエタノールアミン塩、テトラフェニルホウ素ジメチル−p−トルイジン塩、テトラキス(p−フルオロフェニル)ホウ素ナトリウム、ブチルトリ(p−フルオロフェニル)ホウ素ナトリウム等のアリールボレート化合物類;3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノ)クマリン、7−ヒドロキシ−4−メチル−クマリン等のクマリン系色素類;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンソイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類;2,4−ジエトキシチオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、メチルチオキサンソン等のチオキサンソン誘導体;ベンゾフェノン、p,p’−ジメチルアミノベンゾフェノン、p,p’−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体類等が挙げられる。但し、高い環境光安定性を得るためには、アリールボレート化合物類及び有機過酸化物はできる限り少量にした方が良い。また、クマリン系色素類等の色素類は、重合開始剤として作用するほどの量を配合すると、光重合性組成物の色調に大きな影響を与え、高い審美性を要求される歯科用コンポジットレジンにおいては、歯と異なる色調となってしまう傾向がある。
また、歯牙の色調に合わせるために顔料、蛍光顔料、染料、紫外線に対する変色防止のために紫外線吸収剤を添加してもよいし、その他、歯科用コンポジットレジン、あるいはその他の歯科用組成物の成分として公知の添加剤を、本発明の効果に影響のない範囲で配合しても良い。
このような光重合型のコンポジットレジンを製造する方法は特に限定されず、公知の光重合型コンポジットレジンの製造方法に従えばよい。一般的には、遮光下、配合する各成分を所定量秤りとり、均一になるまで混練すればよい。
本発明の光重合開始剤を配合した光重合性組成物を硬化させる際には、使用する光重合開始剤(α−ジケトンやアシルホスフィンオキサイド)を硬化させるために用いられるのと同じ公知の光源を用いればよく、カーボンアーク、キセノンランプ、メタルハライドランプ、タングステンランプ、LED、ハロゲンランプ、ヘリウムカドミウムレーザー、アルゴンレーザー等の可視光線の光源が何ら制限なく使用される。光重合開始剤として、前記したようなα−ジケトン/トリハロメチル基により置換されたs−トリアジン化合物/アミン化合物系のものを採用した場合には、該光重合開始剤系の、低強度の光照射(約1mW/cm以下)に対しては比較的安定で、他方、ある程度(約20mW/cm)以上の高強度の光照射により急速に硬化するという特徴を生かすため、一般的には、これら光源を用い、被照射面における光強度が20mW/cm程度以上になるように光照射を行えばよい。照射時間は、光源の波長、強度、硬化体の形状や材質によって異なるため、予備的な実験によって予め決定しておけばよい。歯科用コンポジットレジンとして用いることを考慮すると、必要な光照射時間が3〜60秒程度になるように調製することが好ましい。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例で用いた化合物の略称(かっこ内)を以下に示す。
無機フィラー
・球状シリカ−ジルコニア、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン表面処理物;平均粒径0.06μm;最小粒径0.03μm;最大粒径0.09μm;平均斉度0.98:(0.06Si−Zr)
・球状シリカ−ジルコニア、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン表面処理物;平均粒径0.08μm;最小粒径0.05μm;最大粒径0.11μm;0.1〜0.11μmの粒子の割合3体積%;平均斉度0.97:(0.08Si−Zr)
・球状シリカ−チタニア、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン表面処理物;平均粒径0.08μm;最小粒径0.05μm;最大粒径0.11μm;0.1〜0.11μmの粒子の割合2体積%;平均斉度(0.08Si−Ti)
・球状シリカ−ジルコニア、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン表面処理物;平均粒径0.5μm;最小粒径0.2μm;最大粒径1μm;平均斉度(0.5Si−Zr)
・球状シリカ−チタニア、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン表面処理物;平均粒径0.5μm;最小粒径0.2μm;最大粒径0.9μm;平均斉度(0.5Si−Ti)
・球状シリカ−ジルコニア、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン表面処理物;平均粒径0.2μm;最小粒径0.1μm;最大粒径0.4μm;平均斉度(0.2Si−Zr)
・不定形微粉末シリカ、表面処理なし;平均一次粒径0.01μm;最大粒径0.015μm(QS102)
・有機−無機複合フィラー(CF):乳鉢中で、予め重合開始剤としてアゾイソブチロニトリルを重量比で0.5%溶解してあるbis−GMAと3Gの混合物を、無機フィラー(0.2Si−Zr)300質量部に対して100質量部添加混合し、ペースト化した。これを、95℃、窒素雰囲気下で1時間加熱重合した。重合硬化体を振動ボールミルを用いて粉砕し、さらにγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン0.02質量%によって、エタノール中、90℃で5時間還流することで表面処理を行った。この有機−無機複合フィラーは平均粒径30μm、最小粒径は1μm、最大粒径は100μmであった。
光重合開始剤
α―ジケトン
・カンファーキノン(CQ)
トリハロメチル基により置換されたs−トリアジン化合物
・2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン(TCT)
アミン化合物
・トリエタノールアミン(TEOA)
・N−メチルジエタノールアミン(MDEOA)
・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMEM)
・N,N−ジメチルエタノールアミン(DMEOA)
・N,N−ジメチルp−安息香酸エチル(DMBE)
その他の成分(重合禁止剤)
・ハイドロキノンモノメチルエーテル(HQME)
また、照射光のつよさ、光重合型歯科用コンポジットレジンの調製方法、塑性流動距離、硬化特性(環境光安定性、硬化速度)、硬化体の機械的強度、及び重合収縮率の測定は以下の方法を用いた。
(1)照射光のつよさ
被照射面における光強度(mW/cm)は、ウシオ電機株式会社製UIT−101を用い、360〜500nmの波長で測定して得た値を用いた。
(2)光重合型歯科用コンポジットレジンの調製方法
重合性単量体に対し所定量の光重合開始剤と無機フィラーを加え、赤色光下にて均一に攪拌して調製した。
(3)流動性
光重合性組成物の流動性は、以下に示す塑性流動距離で評価した。即ち、ガラスプレート上に光重合型歯科用コンポジットレジン約0.03gを直径が5mm以内となるように載せ5秒間自然展開させた後に該ガラス平面を鉛直にして静置したときに、該ガラス平面に展開した歯科用光重合性組成物の最下端の位置が該ガラス平面を鉛直にした直後から3分間で移動した距離を測定し塑性流動距離とした。
(4)環境光安定性試験
光重合型歯科用コンポジットレジン試料の表面が10000ルクスになるように光源と試料との距離を設定した。光源には15W蛍光灯(松下電器製、商品名パルック)を用い、試料表面の照度を照度計(デジタルルックスメーターFLX−1330、東京硝子器械製。400〜700nmに感度を有する。)を用いて上記照度に設定した。なおこの照射面における光強度は0.4mW/cmであった。作製した光重合型歯科用コンポジットレジンをポリプロピレンフィルムに0.03g量り採り、上記蛍光灯の光を所定時間時間照射した後、試料を押しつぶし、試料内部が固まり始めた時間を計測した。なお、照射時間は5秒間隔とした。この時間が長いほど環境光安定性に優れ、良好な操作余裕時間を得ることができる。
(5)照射光による硬化速度
6mmφ×1.0mmの孔を有するポリテトラフルオロエチレン製のモールドに光重合型歯科用コンポジットレジンを充填してポリプロピレンフィルムで圧接し、歯科用光照射器(トクソーパワーライト、トクヤマデンタル社;光出力密度700mW/cm)をポリプロピレンフィルムに密着して5秒、10秒、15秒と5秒間隔で照射し、それぞれの照射時間での硬化体の硬さを手で触って以下の基準で評価した。このときの照射面における光強度は640〜650mW/cmであった。
○:十分硬化して硬い。
△:少し硬化しているが柔らかいゲル状。
×:全く硬化していない。
(6)曲げ強度
ステンレス製型枠に光重合型歯科用コンポジットレジンを充填し、ポリプロピレンで圧接した状態で、一方の面から10秒×3回、全体に光が当たるように場所を変えて歯科用光照射器(トクソーパワーライト、トクヤマデンタル社;光出力密度700mW/cm)にてポリプロピレンに密着させて光照射を行なった。ついで、反対の面からも同様にポリプロピレンに密着させて10秒×3回光照射を行ない硬化体を得た。#800の耐水研磨紙にて、硬化体を2×2×25mmの角柱状に整え、この試料片を試験機(島津製作所製、オートグラフAG5000D)に装着し、支点間距離20mm、クロスヘッドスピード1mm/分で3点曲げ破壊強度を測定した。このときの照射面における光強度は640〜650mW/cmであった。
(7)硬化体の硬度(ヴィッカース硬度)
6mmφ×1.0mmの孔を有するポリテトラフルオロエチレン製のモールドに光重合型歯科用コンポジットレジンを充填してポリプロピレンフィルムで圧接し、歯科用光照射器(LUX・O・MAX、アケダデンタル社;光出力密度137mW/cm)をポリプロピレンフィルムに密着して10秒照射し、硬化体を調製した。得られた硬化体を微小硬度計(松沢精機製MHT−1型)にてヴィッカース圧子を用いて、荷重100gf、荷重保持時間30秒で試験片にできたくぼみの対角線長さにより求めた。このときの照射面における光強度は640〜650mW/cmであった。
(8)保存安定性の評価
調製した光重合型歯科用コンポジットレジンを50℃に設定したインキュベーター内に保管し、一定期間毎に(7)と同様な方法でヴィッカース硬度を測定し、得られたヴィッカース硬度値の経時変化から保存安定性を評価した。
(9)重合収縮率
直径3mm、高さ7mmの孔を有するSUS製割型に、直径3mm、高さ4mmのSUS製プランジャーを填入して孔の高さを3mmとした。これに光重合型歯科用コンポジットレジンを充填し、上からポリプロピレンフィルムで圧接した。フィルム面を下に向けて歯科用照射器(トクソーパワーライト、トクヤマデンタル社;光出力密度700mW/cm)の備え付けてあるガラス製台の上に載せ、更にSUS製プランジャーの上から微小な針の動きを計測できる短針を接触させた。歯科用照射器によって重合硬化させ、照射開始より1分後の収縮[%]を、短針の上下方向の移動距離から算出した。このときの照射面における光強度は640〜650mW/cmであった。
実施例1
2,2−ビス[(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]プロパン(bis−GMA)60質量部とトリエチレングリコールジメタクリレート(3G)40質量部の混合物からなる重合性単量体100質量部、無機フィラー0.06Si−Zrを60質量部、0.5Si−Zrを140質量部、重合禁止剤としてHQMEを0.15質量部、及び表1に示す光重合開始剤からなる光重合性組成物を暗所下、メノウ乳鉢を用いて攪拌混合して調製した。得られたペーストの塑性流動変形、環境光安定性、硬化速度を評価し、光照射の所定時間を10秒間として得られた硬化体のヴィッカース硬度及び曲げ強度を測定した。また、保存安定性に関しても評価を行なった。さらに、光照射開始から1分後の重合収縮率についても評価を行った。これらの結果を表2に示す。さらに、本実施例で調製された光重合性組成物をエタノールで希釈して測定した場合の混合フィラーの粒度分布曲線を図1に示した。なお、粒度分布測定は、ベックマンコールター社製LS230を用い、レーザー回折−光散乱法により測定した。
Figure 2005089312
Figure 2005089312
実施例2〜4、比較例1
配合した無機フィラーを、表1に記載のものとした以外は、実施例1と同様にして光重合性組成物を調製、各種物性の評価を行った。結果を表2に示した。
表1及び表2に記載された各実施例の結果から理解されるように、他の条件が同じである場合には、無機フィラー中の0.1μm以上の粒子の材質や形状を変化させてもほとんど、流動性に変化はみられない。一方、実施例1と、比較例1及び2との比較から理解されるように、0.03μm以上0.1μm未満の粒子の材質は、流動性に極めて大きな影響を与え、このような粒子としてシリカ−ジルコニア系粒子を採用することによりフロアブルコンポジットレジンとして好適に使用できる、高い流動性を得ることができる。
実施例5
s−トリアジン化合物を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして光重合性組成物を調製、各種物性の評価を行った。結果を表2に示した。
実施例6,7、比較例2
配合した無機フィラーを、表3に記載のものとした以外は、実施例1と同様にして光重合性組成物を調製、各種物性の評価を行った。結果を表4に示した。これら実施例、比較例は、0.03μm以上0.1μm未満の粒子におけるシリカジルコニア系粒子の割合を変化させた場合の結果であり、シリカジルコニア系粒子が60質量%以上ある場合に良好な流動性を得ることができることがわかる。
Figure 2005089312
Figure 2005089312
実施例8、比較例3
配合した無機フィラーを、表5に記載のものとした以外は、実施例1と同様にして光重合性組成物を調製、各種物性の評価を行った。結果を表6に示した。これら実施例、比較例は、0.03μm未満の粒子を配合した場合の結果である。前記した実施例1、比較例1とこの実施例6との比較から、無機フィラーとしてこのような粒子が含まれる場合、含まれない場合に比して流動性が低下するが、0.03μm以上0.1μm未満の粒子の材質を変化させるのに比べて、その影響はあまり大きくないことがわかる。
Figure 2005089312
Figure 2005089312
実施例9
配合した無機フィラーを、表7に記載のものとした以外は、実施例1と同様にして光重合性組成物を調製、各種物性の評価を行った。結果を表8に示した。
実施例10
配合したアミン化合物を、表7に記載のものとした以外は、実施例1と同様にして光重合性組成物を調製、各種物性の評価を行った。結果を表8に示した。
Figure 2005089312
Figure 2005089312
実施例11,比較例4
光重合開始剤の成分として配合する脂肪族アミン化合物として、表11に示す水酸基を有さないものを用いた以外は実施例1と同様にして光重合性組成物を調製、各種物性の評価を行った。結果を表10に示した。
Figure 2005089312
Figure 2005089312
実施例1と実施例11との比較から、用いる脂肪族アミン化合物の種類により、流動性は大きく影響を受けることがわかる。しかし、実施例11と比較例4との比較から、やはり0.03μm以上0.1μm未満の粒子の材質が流動性に与える影響が大きく、該粒子がシリカジルコニアである場合に、より流動性の高いものとできることが理解できる。
図1は、実施例1で調製された光重合性組成物をエタノールで希釈して測定した場合の混合フィラーの粒度分布曲線を示すものである。

Claims (3)

  1. 100質量部の重合性単量体、100〜400質量部の無機フィラー、及び有効量の光重合開始剤を含んでなる歯科用光重合性組成物において、該無機フィラーのうちの粒径が0.03μm以上0.1μm未満の粒子の60質量%以上が、シリカ−ジルコニア系の球状無機酸化物粒子であることを特徴とする歯科用光重合性組成物。
  2. 光重合開始剤が、(a)α−ジケトン、(b)トリハロメチル基により置換されたs−トリアジン化合物、(c)窒素原子に結合した3つの脂肪族基のうちの少なくとも2つが水酸基により置換された脂肪族基である第3級脂肪族アミン化合物からなる光重合開始剤である、請求項1の歯科用光重合性組成物。
  3. 1ペースト型の光重合型歯科用コンポジットレジンである請求項1又は2記載の歯科用光重合性組成物。
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