JP2007230997A - ストロビルリン殺菌化合物を含有する植物病害防除組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ストロビルリン殺菌化合物を含有する植物病害防除組成物であって、該マイクロカプセルが体積中位径10〜100μm且つ被膜の膜厚0.02〜0.05μmであり、該ストロビルリン殺菌化合物の芳香族炭化水素溶液が内包されてなることを特徴とするマイクロカプセル、好ましくは該被膜がポリウレタン樹脂及び/又はポリウレア樹脂からなる被膜であることを特徴とするマイクロカプセル、及び該マイクロカプセルを含有する植物病害防除組成物。
【選択図】なし
Description
ストロビルリン殺菌化合物は多くの植物病害に対して高い防除効果を有しており、既に種々のストロビルリン殺菌化合物が、水和剤やフロアブル剤等の剤型にて、実用に供されている。
本発明は、ストロビルリン殺菌化合物を含有する植物病害防除組成物であって、植物病害防除効果に対して、水系生物に対する影響が小さな植物病害防除組成物を提供することを課題とする。
[発明1]
ストロビルリン殺菌化合物を含有するマイクロカプセルであって、
該マイクロカプセルが体積中位径10〜100μm且つ被膜の膜厚0.02〜0.05μmであり、該ストロビルリン殺菌化合物の芳香族炭化水素溶液が内包されてなることを特徴とするマイクロカプセル。
[発明2]
芳香族炭化水素溶液におけるストロビルリン殺菌化合物の濃度が10〜50重量%であることを特徴とする発明1に記載されたマイクロカプセル。
[発明3]
被膜がポリウレタン樹脂及び/又はポリウレア樹脂からなる被膜であることを特徴とする発明1又は2に記載されたマイクロカプセル。
[発明4]
発明1〜3のいずれかに記載されたマイクロカプセルを含有する植物病害防除組成物。
[発明5]
発明1〜3のいずれかに記載されたマイクロカプセルを植物又は植物の生育する土壌に散布することを特徴とする植物病害を防除する方法。
[発明6]
発明1〜3のいずれかに記載されたマイクロカプセルを芝生に散布することを特徴とする芝病害を防除する方法。
[発明7]
散布量がストロビルリン殺菌化合物の重量として1〜100g/1000m3である発明5又は6に記載された方法。
本発明において、本マイクロカプセルの体積中位径はレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定することができる。体積中位径とは、粒子の集合体における粒度分布を表す代表的な特性値であり、以下のようにして求められる値である。
まず、粒子の集合体において個々の粒子の粒子径を求め、その粒子の集合体の全体積を100%とする。小さな粒子径の粒子から、順に該粒子の体積を累積していき、全体積に対して特定の比率(X%)になった際の粒子の粒子径を、累積X%体積粒子径というが、体積中位径とは、粒子の体積の累積が50%である粒子の粒径である。尚、体積中位径はMedian径と呼ぶ場合もある。
市販のレーザー回折式粒度分布測定装置としては、マスターサイザー2000(シスメックス)、SALD-2200(島津製作所)、マイクロトラックMT3000(日機装)等が挙げられる。
本発明において、本マイクロカプセルにおける被膜の膜厚は、マイクロカプセルにおける芯物質と膜物質との体積の比によって求めることができ、下式に示す式によって算出することができる。すなわち、マイクロカプセルの芯物質の重量をWc、膜物質の重量をWw、膜物質の密度をρw、芯物質の密度をρc、芯物質の体積中位径をdとすると
膜厚=(Ww/Wc)×(ρc/ρw)×(d/6)
となる。本発明における被膜の膜厚は全て当式を用いて計算したものである。
本発明において、マイクロカプセルの芯物質の重量は、ストロビルリン殺菌化合物と、芳香族炭化水素と、必要に応じて加えられるその他の成分との合計の重量より算出することができる。マイクロカプセルの膜物質の重量は、膜物質として添加された原料の合計量より算出することができる。
本マイクロカプセルにおいて、体積中位径/膜厚の値は、通常600〜2500、好ましくは700〜1500の範囲である。
[Rはハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基及びシアノ基からなる群より選ばれる基で置換されていてもよいフェニル基、或はトリフルオロメチル基で置換されていてもよいピリジル基を表し、Lは下記の群(A)
より選ばれる基を表し、Mは下記の群(B)
より選ばれる基を表し、Xはメトキシ基又はメチルアミノ基を表す。]
で示される化合物である。
一般式(I)で示される化合物は、国際出願公開WO9208703、欧州特許出願公開第253213号、欧州特許出願公開第398692号、欧州特許出願公開第460575号、欧州特許出願公開第326330号、欧州特許出願公開第804421号、欧州特許出願公開第477631号、欧州特許出願公開第382375号、欧州特許出願公開第656351号、欧州特許出願公開第781266号等に記載されるような公知の製造方法により製造することができる。
芳香族炭化水素溶液において、ストロビルリン殺菌化合物の濃度は、通常、10〜50重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲である。
本発明組成物が、本マイクロカプセルを水に分散させてなる組成物である場合は、通常は本マイクロカプセルに対して、水の量は0.8〜3.0重量部の範囲である。本マイクロカプセルが水に分散されてなる組成物において、水は通常は分散剤を含有しており、必要に応じて増粘剤、凍結防止剤、防腐剤、比重調節剤等を含有していてもよい。
凍結防止剤としては、例えばプロピレングリコール等のアルコール類が挙げられる。該凍結防止剤は、本発明組成物に対して通常0〜20重量%の範囲で含有される。
比重調節剤としては、例えば硫酸ナトリウム等の水溶性塩類、尿素等の水溶性有機化合物が挙げられる。該比重調節剤は、本発明組成物に対して通常0〜20重量%の範囲で含有される。
第二に、得られた油相を、分散剤を含有する水相にて加えて混合し、分散させた(分散工程)後に、得られた分散液に被膜を形成する樹脂の親水性原料を加え、界面にて被膜形成反応を行わせて(被膜形成工程)、本マイクロカプセルが分散した水分散液を得る。被膜を形成する樹脂がポリウレタン樹脂である場合は、樹脂の親水性原料として、多価ポリアルコールが用いられる。被膜を形成する樹脂がポリウレア樹脂である場合は、樹脂の親水性原料として、通常、多価ポリアミンが用いられる。被膜形成工程における被膜の形成温度は、通常40〜85℃の範囲であり、通常1〜90時間である。また、分散工程の際の温度が、被膜形成工程の温度よりも十分に低い場合には、被膜を形成する樹脂の親水性原料を、分散工程において添加してもよい。
被膜を形成する樹脂の原料である多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールが挙げられ、多価アミンとしては、例えばエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンが挙げられる。
具体的には例えば、水相に溶解される分散剤の種類と濃度を定め、水相1に対して油相0.3〜2の容量比で水相に油相を混合し、使用する分散機器の適切な運転条件で油相を水相に分散させる。得られた分散液中の油滴の体積中位径をレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定する。この際に得られた分散液中の油滴の体積中位径が10μmを下回る場合には、分散剤濃度を低くする、水相に油相を分散させる際の攪拌強度を小さくする、水相に対する油相の容量比を小さくする、及び/又は分散剤を変更する等の方法により体積中位径を大きくすることができる。得られた分散液中の油滴の体積中位径が100μmを上回る場合には、分散剤濃度を高くする、水相に油相を分散させる際の攪拌強度を大きくする、水相に対する油相の容量比を大きくする、及び/又は分散剤を変更する等の方法により体積中位径を小さくすることができる。
分散工程において使用することのできる分散機としては、プロペラ攪拌機、高速回転攪拌機、ホモジナイザー、ホモミックラインフロー(特殊機化工業製)が挙げられる。
本発明組成物を植物又は植物の生育する土壌に散布する場合には、本発明組成物又は本発明組成物を更に水に希釈したものを、ストロビルリン殺菌化合物の量で0.1〜1000g/1000m2、好ましくは10〜2000g/1000m2、更に好ましくは1〜100g/1000m2となるとなる量を散布する。
イネのいもち病(Pyricularia oryzae)、ごま葉枯病(Cochliobolus miyabeanus)、紋枯病(Rhizoctonia solani);ムギ類のうどんこ病(Erysiphe graminis)、赤かび病(Gibberella zeae)、さび病(Puccinia striiformis, P. graminis, P. recondita, P. hordei)、雪腐病(Typhula sp.,Micronectriella nivalis)、裸黒穂病 (Ustilago tritici, U. nuda)、なまぐさ黒穂病 (Tilletia caries)、眼紋病(Pseudocercosporella herpotrichoides)、雲形病(Rhynchosporium secalis)、葉枯病(Septoria tritici)、ふ枯病(Leptosphaeria nodorum);カンキツ類の黒点病(Diaporthe citri)、そうか病(Elsinoe fawcetti) 、果実腐敗病 (Penicillium digitatum, P. italicum);リンゴのモニリア病 (Sclerotinia mali)、腐らん病 (Valsa mali)、うどんこ病(Podosphaera leucotricha)、斑点落葉病(Alternaria mali)、黒星病(Venturia inaequalis)、;ナシの黒星病(Venturia nashicola, V. pirina)、黒斑病(Alternaria kikuchiana)、赤星病(Gymnosporangium haraeanum);モモの灰星病(Sclerotinia cinerea)、黒星病(Cladosporium carpophilum)、フォモプシス腐敗病(Phomopsis sp.)、;ブドウの黒とう病(Elsinoe ampelina)、晩腐病(Glomerella cingulata)、うどんこ病(Uncinula necator)、さび病 (Phakopsora ampelopsidis)、ブラックロット病(Guignardia bidwellii)、べと病(Plasmopara viticola);カキの炭そ病(Gloeosporium kaki)、落葉病 (Cercospora kaki, Mycosphaerella nawae);ウリ類の炭そ病(Colletotrichum lagenarium)、うどんこ病(Sphaerotheca fuliginea)、つる枯病 (Mycosphaerella melonis)、つる割病 (Fusarium oxysporum)、べと病 (Pseudoperonospora cubensis)、疫病(Phytophthora sp.)、苗立枯病 (Pythium sp.);トマトの輪紋病(Alternaria solani)、葉かび病 (Cladosporium fulvum)、疫病(Phytophthora infestans);ナスの褐紋病(Phomopsis vexans)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum);アブラナ科野菜の黒斑病(Alternaria japonica)、白斑病(Cercosporella brassicae);ネギのさび病(Puccinia allii);ダイズの紫斑病(Cercospora kikuchii)、黒とう病(Elsinoe glycines)、黒点病 (Diaporthe phaseolorum var. sojae)、さび病(Phakopsora pachyrhizi);インゲンの炭そ病(Colletotrichum lindemthianum);ラッカセイの黒渋病(Cercospora personata)、褐斑病(Cercospora arachidicola);エンドウのうどんこ病(Erysiphe pisi);ジャガイモの夏疫病(Alternaria solani)、疫病(Phytophthora infestans);イチゴのうどんこ病(Sphaerotheca humuli);チャの網もち病(Exobasidium reticulatum)、白星病(Elsinoe leucospila);タバコの赤星病(Alternaria longipes)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、炭そ病(Colletotrichum tabacum)、べと病(Peronospora tabacina)、疫病(Phytophthora nicotianae);テンサイの褐斑病(Cercospora beticola);バラの黒星病(Diplocarpon rosae)、うどんこ病(Sphaerotheca pannosa);キクの褐班病 (Septoria chrysanthemi−indici)、白さび病(Puccinia horiana);
芝のダラースポット病(Sclerotinia homeocarpa)、葉枯病(Curvularia geniculata, Helminthosporium-hagare-byo)、擬似葉腐病(Ceratobasidium spp.)、葉腐病(Rhizoctonia solani)、雪腐小粒菌核病(Typhula incarnata, Typhula ishikariensis)、炭そ病(Colletotrichum graminicola)、紅色雪腐病(Monographella nivalis)、Pythium病(Pythium spp.)、ブラウンパッチ病およびラージパッチ病(Rhizoctonia solani);
種々の作物の灰色かび病(Botrytis cinerea)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum) 等。
製造例1
化合物(6)120.4g、芳香族炭化水素(主にC11-14のアルキルナフタレンを含有する溶媒、ソルベッソ200、エクソン化学株式会社の商品名)200g及びトリレンジイソシアナートのトリメチロールプロパンとの付加体(スミジュールL−75、住化バイエルウレタン株式会社の商品名)1.9gを混合して、油相を調製した。
一方、アラビアガム15g、エチレングリコール10g及びイオン交換水297.3gを混合して、水相を調製した。
上記の油相と水相とを混合し、この混合物を室温25℃にてT.K.オートホモミクサー(特殊機化工業株式会社製ホモジナイザー)を用いて約4000rpmで4分間分散させた。次いで、分散液を60℃で緩やかに24時間攪拌して、マイクロカプセル分散液を得た。得られたマイクロカプセルは、体積中位径が30μm、体積中位径における膜厚が0.02μmであった。
次に、ザンサンガム1.5g、アルミニウムマグネシウムシリケート3g、防腐剤(バイオホープL)3g、プロピレングリコール50g及びイオン交換水297.9gを混合した増粘剤溶液と、上記マイクロカプセル分散液とを混合して、12重量%の化合物(6)を含有する本発明組成物1を得た。
分散時のT.K.オートホモミクサーの回転数を約3500rpmとし、3分間分散させた以外は、製造例1と同様にして、本発明組成物2を得た。得られたマイクロカプセル分散液中は、体積中位径は50μm、体積中位径における膜厚は0.033μmであった。
化合物(6)120.4g、芳香族炭化水素(主にC11-14のアルキルナフタレンを含有する溶媒、ソルベッソ200、エクソン化学株式会社の商品名)200g及びトリレンジイソシアナートのトリメチロールプロパンとの付加体(スミジュールL−75、住化バイエルウレタン株式会社の商品名)2.8gを混合して、油相を調製した。
一方、アラビアガム15g、エチレングリコール10g及びイオン交換水298.2gを混合して、水相を調製した。
上記の油相と水相とを混合し、この混合物を室温25℃でT.K.オートホモミクサーを用いて約4000rpmで4分間分散させた。次いで、分散液を60℃で緩やかに24時間攪拌して、マイクロカプセル分散液を得た。得られたマイクロカプセルは、体積中位径が30μm、体積中位径における膜厚が0.03μmであった。
次に、ザンサンガム1.5g、アルミニウムマグネシウムシリケート3g、防腐剤(バイオホープL)3g、プロピレングリコール50g及びイオン交換水296.1gを混合した増粘剤溶液と、上記マイクロカプセル分散液とを混合して、12重量%の化合物(6)を含有する本発明組成物3を得た。
分散時のT.K.オートホモミクサーの回転数を約3400rpmとし、3分間分散させた以外は、製造例3と同様にして、本発明組成物4を得た。得られたマイクロカプセルは、体積中位径は50μm、体積中位径における膜厚は0.05μm)
化合物(6)120.4g、芳香族炭化水素(主にC11-14のアルキルナフタレンを含有する溶媒、ソルベッソ200、エクソン化学株式会社の商品名)200g及びヘキサメチレンジイソシアナートのイソシアヌレート縮合物(スミジュールN−3300、住化バイエルウレタン株式会社の商品名)2.9gを混合して、油相を調製した。
一方、アラビアガム15g、エチレングリコール10g及びイオン交換水296.8gを混合して、水相を調製した。
上記の油相と水相とを混合し、この混合物を室温25℃でT.K.オートホモミクサーを用いて約5700rpmで3分間分散させた。次いで、分散液を75℃で緩やかに48時間攪拌して、マイクロカプセル分散液を得た。得られたマイクロカプセルは、体積中位径が15μm、体積中位径における膜厚が0.02μmであった。
次に、ザンサンガム1.5g、アルミニウムマグネシウムシリケート3g、防腐剤(バイオホープL)3.0g、プロピレングリコール50g及びイオン交換水297.4gを混合した増粘剤溶液と、上記マイクロカプセル分散液とを混合して、12重量%の化合物(6)を含有する本発明組成物5を得た。
分散時のT.K.オートホモミクサーの回転数を約4000rpmとし、6分間分散させた以外は、製造例5と同様にして、本発明組成物6を得た。得られたマイクロカプセルは、体積中位径は30μm、体積中位径における膜厚は0.04μmであった。
化合物(9)29.7g、芳香族炭化水素(主にC11-14のアルキルナフタレンを含有する溶媒、ソルベッソ200、エクソン化学株式会社の商品名)118.8g及びトリレンジイソシアナートのトリメチロールプロパンとの付加体(スミジュールL−75、住化バイエルウレタン株式会社の商品名)1.37gを混合して、油相を調製した。
一方、アラビアガム8.91g、エチレングリコール5.94g及びイオン交換水209.98gを混合して、水相を調製した。
上記の油相と水相とを混合し、この混合物を室温25℃にてT.K.オートホモミクサー(特殊機化工業株式会社製ホモジナイザー)を用いて約6500rpmで5分間分散させた。次いで、分散液を60℃で緩やかに24時間攪拌して、マイクロカプセル分散液を得た。得られたマイクロカプセルは、体積中位径が20μm、体積中位径における膜厚が0.02μmであった。
次に、ザンサンガム0.89g、アルミニウムマグネシウムシリケート1.78g、防腐剤(バイオホープL)1.78g、プロピレングリコール29.7g及びイオン交換水185.15gを混合した増粘剤溶液と、上記マイクロカプセル分散液とを混合して、5重量%の化合物(9)を含有する本発明組成物7を得た。
分散時のT.K.オートホモミクサーの回転数を約5000rpmとし、5分間分散させた以外は、製造例7と同様にして、本発明組成物8を得た。得られたマイクロカプセルは、体積中位径は25μm、体積中位径における膜厚は0.025μmであった。
化合物(3)29.7g、芳香族炭化水素(主にC11-14のアルキルナフタレンを含有する溶媒、ソルベッソ200、エクソン化学株式会社の商品名)118.8g及びトリレンジイソシアナートのトリメチロールプロパンとの付加体(スミジュールL−75、住化バイエルウレタン株式会社の商品名)1.37gを混合して、油相を調製した。
一方、アラビアガム8.91g、エチレングリコール5.94g及びイオン交換水209.98gを混合して、水相を調製した。
上記の油相と水相とを混合し、この混合物を室温25℃にてT.K.オートホモミクサー(特殊機化工業株式会社製ホモジナイザー)を用いて約7000rpmで5分間分散させた。次いで、分散液を60℃で緩やかに24時間攪拌して、マイクロカプセル分散液を得た。得られたマイクロカプセルは、体積中位径が22μm、体積中位径における膜厚が0.022μmであった。
次に、ザンサンガム0.89g、アルミニウムマグネシウムシリケート1.78g、防腐剤(バイオホープL)1.78g、プロピレングリコール29.7g及びイオン交換水185.15gを混合した増粘剤溶液と、上記マイクロカプセル分散液とを混合して、5重量%の化合物(3)を含有する本発明組成物9を得た。
分散時のT.K.オートホモミクサーの回転数を約6000rpmとし、5分間分散させた以外は、製造例10と同様にして、本発明組成物10を得た。得られたマイクロカプセルは、体積中位径は35μm、体積中位径における膜厚は0.035μmであった。
分散時のT.K.オートホモミクサーの回転数を約6000rpmとし、6分間分散させた以外は、製造例1と同様にして、比較組成物1を得た。得られたマイクロカプセルは、体積中位径は10μm、体積中位径における膜厚は0.007μmであった。
分散時のT.K.オートホモミクサーの回転数を約6000rpmとし、6分間分散させた以外は、製造例3と同様にして、比較組成物2を得た。得られたマイクロカプセルは、体積中位径は10μm、体積中位径における膜厚は0.01μmであった。
化合物(6)120.4g、芳香族炭化水素(主にC11-14のアルキルナフタレンを含有する溶媒、ソルベッソ200、エクソン化学株式会社の商品名)200g及びトリレンジイソシアナートのトリメチロールプロパンとの付加体(スミジュールL−75、住化バイエルウレタン株式会社の商品名)1.4gを混合して、油相を調製した。
一方、アラビアガム15g、エチレングリコール10g及びイオン交換水296.8gを混合して、水相を調製した。
上記の油相と水相とを混合し、この混合物を室温25℃でT.K.オートホモミクサーを用いて約6000rpmで3分間分散させた。次いで、分散液を60℃で緩やかに24時間攪拌して、マイクロカプセル分散液を得た。得られたマイクロカプセルは、体積中位径が20μm、体積中位径における膜厚が0.01μmであった。
次に、ザンサンガム1.5g、アルミニウムマグネシウムシリケート3g、防腐剤(バイオホープL)3.0g、プロピレングリコール50g及びイオン交換水298.9gを混合した増粘剤溶液と、上記マイクロカプセル分散液とを混合して、12重量%の化合物(6)を含有する比較組成物3を得た。
化合物(6)120.4g及び芳香族炭化水素(主にC11-14のアルキルナフタレンを含有する溶媒、ソルベッソ200、エクソン化学株式会社の商品名)200gを混合し、油相を調製した。
一方、アラビアガム15g、エチレングリコール10g及びイオン交換水296.8gを混合して水相を調製した。
上記の油相と水相とを混合し、この混合物を室温25℃でT.K.オートホモミクサー(特殊機化工業株式会社製ホモジナイザー)約6000rpmで3分間分散させた。得られたスラリー中の油滴の体積中位径は20μmであった。
続いて、ザンサンガム1.5g、アルミニウムマグネシウムシリケート3g、バイオホープL 3.0g、プロピレングリコール50g及びイオン交換水300.3gを混合した増粘剤溶液と、上記スラリーとを混合して、12重量%の化合物(6)を含有する比較組成物4を得た。
化合物(6)120.4g、ノニオン系界面活性剤(パイオニンD−1110;ポリオキシエチレンラウリルエーテル)120g及び芳香族炭化水素(主にC11-14のアルキルナフタレンを含有する溶媒、ソルベッソ200、エクソン化学株式会社の商品名)759.6gを混合し、12重量%の化合物(6)を含有する比較組成物5を得た。
試験例1(ベントグラスのブラウンパッチ病に対する防除効果)
ベントグラス(ペンクロス)の種をプラスチックポットに播種し、温室内で約1ヶ月栽培し芝の草丈を5mm程度にはさみを用いて刈り込した。その後、本発明組成物1〜10、比較組成物1〜5、及び、ストロビルリン殺菌化合物を有効成分とする芝用の市販剤:ヘリテージ顆粒水和剤(シンジェンタジャパン株式会社の商品名)を、ストロビルリン殺菌化合物が所定濃度になるように水で希釈した後、該希釈液を散布量が500ml/m2になるように散布した。芝の茎葉に付着した薬液が乾燥した後、V8フスマ培地で2週間培養されたRhizoctonia solaniの乾燥粉砕菌体をそのまま芝の表面に散布し、接種した。その後、該プラスチックポットを、過湿条件下で7日間置き、発病を促進させた後、発病面積率を目視調査した。
結果を、表1に記す。尚、発病面積率が0〜5%を○、6〜10%を△、11%以上を×で示した。
本発明組成物1〜6、比較組成物1〜5、及び、ストロビルリン殺菌化合物を有効成分とする芝用の市販剤:ヘリテージ顆粒水和剤(シンジェンタジャパン株式会社の商品名)の各々を、ストロビルリン殺菌化合物の量として0.5mg/Lとなるように、コイ稚魚の入った20L容ガラス製水槽(水温:22±1℃)に投入した。その後、96時間のコイ稚魚の死亡率を調査した。
結果を、表1に記す。尚、コイ稚魚の死亡率が20%以下を○、20%より大きい場合を×で示した。
Claims (7)
- ストロビルリン殺菌化合物を含有するマイクロカプセルであって、
該マイクロカプセルが体積中位径10〜100μm且つ被膜の膜厚0.02〜0.05μmであり、該ストロビルリン殺菌化合物の芳香族炭化水素溶液が内包されてなることを特徴とするマイクロカプセル。 - 芳香族炭化水素溶液におけるストロビルリン殺菌化合物の濃度が10〜50重量%であることを特徴とする請求項1に記載されたマイクロカプセル。
- 被膜がポリウレタン樹脂及び/又はポリウレア樹脂からなる被膜であることを特徴とする請求項1又は2に記載されたマイクロカプセル。
- 請求項1〜3のいずれかに記載されたマイクロカプセルを含有する植物病害防除組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載されたマイクロカプセルを植物又は植物の生育する土壌に散布することを特徴とする植物病害を防除する方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載されたマイクロカプセルを芝生に散布することを特徴とする芝病害を防除する方法。
- 散布量がストロビルリン殺菌化合物の重量として1〜100g/1000m3である請求項5又は6に記載された方法。
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