JP2007230271A - 過回転防止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ミスシフト時に生じ得る課題を解決することができる過回転防止装置を提供する。
【解決手段】手動多段変速装置24のギアポジションを変更する際に、ギアポジションの変更に起因したパワートレインの過回転を防止する為に、過回転が発生し得るギアポジションにゲートストッパーを延出して当該ギアポジションへの変速を機械的に阻止する過回転防止制御を行う。この過回転防止制御を開始した際に制動装置を作動して車速を制御する車速制御手段を行う。すなわち、エンジンコントロールユニット11は、前記過回転防止制御中にクラッチを切断した際には、車速制御信号16をABSコントロールユニット15に出力してブレーキユニット32を作動し車速をコントロールする。
【選択図】図1

Description

本発明は、手動変速装置を備えた車両におけるパワートレインの過回転を防止する過回転防止装置に関する。
従来、手動変速装置を備えた車両には、過回転防止装置が設けられており、パワートレインの過回転を防止できるように構成されている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。
これらの過回転防止装置は、過回転が発生するギアポジションへのシフトを機械的に防止するように構成されており、変速時に生ずるパワートレインの過回転を未然に防止できるように構成されている。
特開平5−223168号公報 特開平5−248536号公報
しかしながら、従来の過回転防止装置にあっては、ミスシフトによってギアポジションを変更できない間は空走状態となり、エンジンブレーキを効かせることができなくなってしまう。
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、ミスシフト時に生じ得る課題を解決することができる過回転防止装置を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために本発明の請求項1の過回転防止装置にあっては、車両に設けられた変速機のギアポジションを変更する際に、ギアポジションの変更に起因したパワートレインの過回転を防止する過回転防止制御を備えた過回転防止装置において、前記過回転防止制御を開始した際に制動装置を作動して車速を制御する車速制御手段を備えている。
すなわち、変速機のギアポジションを変更する際に、パワートレインに過回転が生じ得るギアポジションにギアをシフトしようとした場合、例えばそのギアポジションへのシフトを機械的に阻止したり、エンジンとトランスミッションとを繋ぐクラッチを開放したりする過回転防止制御が行われる。
このとき、このようなミスシフトによってギアポジションを変更できない、又はクラッチが開放された際には、空走状態となり、エンジンブレーキを効かせることができなくなってしまう。
そこで、前記過回転防止制御を開始した際には、制動装置を作動して車速を制御する車速制御が行われる。
また、請求項2の過回転防止装置においては、前記車両の速度が予め定められた所定速度以上であることを前記過回転防止制御の開始条件とする。
すなわち、車速が遅い場合、変速機を最も低いギアポジションに変更しても過回転が生じない車速があり、このような車速の場合には、前述した過回転防止制御を開始することはない。
このため、このような車速を前記所定速度に設定することで、不必要な前記過回転防止制御を開始する為の判断処理等を回避することができる。
さらに、請求項3の過回転防止装置では、前記ギアポジションが予め定められた所定ポジション以上であることを前記過回転防止制御の開始条件とする。
すなわち、最も低いギアポジションがセレクトされている場合、現在より低いギアポジションに変速することはできず、このようなギアポジションからの変速操作によって過回転が発生することはない。
このため、このようなギアポジションを前記所定ポジションに設定することで、不必要な前記過回転防止制御を開始する為の判断処理等を回避することができる。
加えて、請求項4の過回転防止装置にあっては、前記ギアポジションを変更する際の変更操作力が所定の閾値を越えた際に、前記回転防止制御を停止する。
すなわち、強いエンジンブレーキを必要とする場合、ドライバーの意志によって過回転が発生し得るギアポジションに変速することがある。このとき、前記ギアポジションへの変速意志があるため、ミスシフトの場合と比較して、その操作力は大きい。
このような場合、その変更操作力が前記閾値を越えた時点で、前記回転防止制御は停止され、例えばそのギアポジションへのギアのシフトが許容されたり、エンジンとトランスミッションとを繋ぐクラッチが接続されることによって、強いエンジンブレーキが得られる。
また、請求項5の過回転防止装置においては、前記車速制御手段を開始してから所定の一定時間を経過した際に、前記制動装置による車速の制御を停止する車速制御停止手段を備えている。
すなわち、変速時において、ギアポジションがセレクトされない状態が継続されると、その間、制動装置が作動することとなる。この場合ブレーキが過熱することが考えられる。
このため、前記車速制御を開始してから一定時間を経過した際には、前記制動装置による車速の制御を停止することにより、ブレーキの過熱が防止される。
以上説明したように本発明の請求項1の過回転防止装置にあっては、ミスシフトによる過回転防止制御の開始に伴ってエンジンブレーキを効かせることができない場合であっても、制動装置を作動する車速制御によって車速を制御することができる。
したがって、坂道などでミスシフトをしてしまい、そのミスシフト期間中、エンジンブレーキを効かせることができず加速してしまう恐れのある場合であっても、前記車速制御によって車速を制御することができる。これにより、ミスシフト時に生じ得る課題を解決することができる。
また、請求項2の過回転防止装置においては、ギアポジションを変更しても過回転が生じない車速の場合には、不必要な前記過回転防止制御を開始する為の判断処理等を省略することができる。
これにより、コントロールユニットによる負担を軽くすることができるとともに、他の処理速度を向上することができる。
さらに、請求項3の過回転防止装置では、より低いギアポジションに変速することができない場合には、不必要な前記過回転防止制御を開始する為の判断処理等を省略することができる。
これにより、コントロールユニットによる負担を軽くすることができるとともに、他の処理速度を向上することができる。
加えて、請求項4の過回転防止装置にあっては、強いエンジンブレーキを必要とする場合などドライバーの意志によって過回転が発生し得るギアポジションに変速されることがある。
この場合、その変更操作力が閾値を越えた時点で、前記回転防止制御を停止することができる。これにより、強いエンジンブレーキを得ることができる。
また、請求項5の過回転防止装置においては、変速時において、ギアポジションがセレクトされない状態が継続され制動装置の作動が継続されることになっても、前記車速制御を開始してから一定時間を経過した際に、前記制動装置による車速の制御を停止することができる。これにより、ブレーキの過熱を未然に防止することができる。
以下、本発明の一実施の形態を図に従って説明する。図1は、本実施の形態にかかる過回転防止装置1を示す図であり、該過回転防止装置1は、手動の変速機を備えた車両に設けられている。
この過回転防止装置1は、エンジンコントロールユニット11を中心に構成されており、該エンジンコントロールユニット11には、車室内に設けられた過回転抑止制御セレクトスイッチからの過回転抑止制御セレクトスイッチ信号12と、アクセルコントロールユニット13からのアクセルポジション信号14と、ABSコントロールユニット15からの車速信号16と、エンジン17に設けられたエンジン回転センサからのエンジン回転数信号18と、クラッチ断続ユニット21からのクラッチ変位方向信号22と、クラッチ断続信号23と、手動多段変速装置24からのニュートラル信号25と、誤変速防止ユニット26からの誤変速検知信号27と、変速ゲート28からのギアポジション判別信号29とが入力されるように構成されている。
前記エンジンコントロールユニット11は、車速制御信号31を前記ABSコントロールユニット15に出力するように構成されており、前記ABSコントロールユニット15は、前記車速制御信号31に基づいて、ブレーキユニット32を作動することにより制動操作を行えるように構成されている。
また、前記エンジンコントロールユニット11からは、回転制御信号41を電子制御スロットル42に対して出力するように構成されており、該電子制御スロットル42は、前記回転制御信号41に従って前記エンジン17に設けられたスロットルバルブを開閉制御するように構成されている。
前記クラッチ断続ユニット21は、オペレーティングシリンダと、クラッチ断続検知センサと、変位センサとを備えており、当該クラッチ断続ユニット21には、クラッチペダル51からの断続操作が入力されるように構成されている。このクラッチ断続ユニット21は、前記クラッチペダル51の操作に応じてクラッチユニット52を制御するように構成されており、当該クラッチ断続ユニット21からは、クラッチの変位方向を前記クラッチ変位方向信号22として前記エンジンコントロールユニット11へ出力するように構成されている。これにより、前記エンジン17から前記手動多段変速装置24への動力の伝達状態を前記クラッチユニット52で制御できるように構成されており、前記クラッチユニット52や前記手動多段変速装置24等によってパワートレインが構成されている。
前記エンジンコントロールユニット11は、誤変速防止ストッパー駆動信号61を前記誤変速防止ユニット26に出力するように構成されており、該誤変速防止ユニット26は、変速操作ユニット62の手動変速コントロールレバー63の所定のギアポジションへのセレクトを阻止する為のゲートストッパーと、該ゲートストッパーを駆動するストッパー駆動源と、各ゲートストッパーへの操作力を検出する誤変速検知センサとを備えている。
前記変速操作ユニット62は、前記手動変速コントロールレバー63の操作に従って前記手動多段変速装置24で噛合するギアを変更できるように構成されており、当該手動多段変速装置24がニュートラルポジションの際に、前記ニュートラル信号25を前記エンジンコントロールユニット11へ出力するように構成されている。
前記変速操作ユニット62の変速ゲート28は、ギアポジション判別ユニットを備えており、該ギアポジション判別ユニットは、手動変速コントロールレバー63によってセレクトされたギアポジションを前記ギアポジション判別信号29として前記コントロールユニット11へ出力するように構成されている。
該コントロールユニット11は、車室内に設けられた過回転警告灯71に過回転警報信号72を出力するとともに、車室内に設けられた車速制御警告灯73に車速制御警報信号74を出力するように構成されている。
そして、このエンジンコントロールユニット11は、ROM及びRAMを内蔵したマイコンを中心に構成されており、前記ROMには、当該マイコンの処理手順を示すプログラムや処理中に使用するデータマップ等が記憶されている。また、前記RAMには、処理過程で必要となるデータやフラグ(FLAG)を読み書きされるように構成されている。
これにより、当該コントロールユニット11は、図2に示したように、例えばギアポジションが四速で車速がV4でかつエンジン回転数がN4で走行中に、手動変速コントロールレバー63を三速にシフトした場合、エンジン回転数が、予め定められた上限値Nemaxより大きなN3になることを演算することができる。この場合、三速をセレクトする為のセレクト溝にゲートストッパーを延出して前記手動変速コントロールレバー63を当該セレクト溝に移動できないようにする過回転防止制御を行うように構成されている。
以上の構成にかかる本実施の形態の動作を、図3〜図8に示すフローチャートに従って説明する。
すなわち、このサブルーチンが呼び出されると、セレクトスイッチ信号12と、車速信号16と、エンジン回転数信号18と、ギアポジション判別29と、クラッチ断続信号23と、アクセルポジション信号14と、ニュートラル信号25とを入力し(S1)、過回転抑止制御セレクトスイッチ信号12がONか否かを判断する(S2)。
前記過回転抑止制御セレクトスイッチがON操作されておらず、過回転抑止制御セレクトスイッチ信号12がOFFの場合には、総ての入力信号を更新して(S3)、前記ステップS1へ戻る。また、前記過回転抑止制御セレクトスイッチがON操作されており、過回転抑止制御セレクトスイッチ信号12がONの場合には、前記RAMに設定されたFLAG−Cを「0」(S4)、FLAG−Sを「0」(S5)、FLAG−SPCを「0」とした後(S6)、取得した車速Vsnと最も低いギアポジションである一速でのエンジン回転数の上限値での上限車速V1とを比較して前記車速Vsnが前記上限車速V1以上か否かを判断する(S7)。
前記車速Vsnが前記上限車速V1未満の場合には、前記ステップS3へ分岐する一方、前記車速Vsnが前記上限車速V1以上の場合には、次のステップS8へ移行する。
ここで、車速Vsnが遅い場合、手動多段変速装置24を最も低いギアポジションである一速に変更しても過回転が生じない車速があり、このような車速、つまり一速でのエンジン回転数の上限値での前記上限車速V1未満の場合には、後述する過回転防止制御を開始することはない。
このため、前記車速Vsnが前記上限車速V1未満の場合に前記ステップS3へ分岐することにより、以後の過回転防止制御を開始する為の判断処理等を省略することができる。これにより、エンジンコントロールユニット11の処理負担を軽くすることができるとともに、他の処理速度を向上することができる。
前記ステップS8では、ギアポジションが二速以上であるか否かを判断する(S8)。前記ギアポジションが二速未満、つまりギアポジションが一速の場合、前記ステップS3へ分岐する一方、前記ギアポジションが二速以上の場合には、次のステップS9へ移行する。
ここで、最も低いギアポジションである一速がセレクトされている場合、現在より低いギアポジションに変速することはできず、このようなギアポジションからの変速操作によって過回転が発生することはない。
このため、前記ギアポジションが二速未満、つまりギアポジションが一速の場合に、前記ステップS3へ分岐することによって、以後の過回転防止制御を開始する為の判断処理等を省略することができる。これにより、エンジンコントロールユニット11の処理負担を軽くすることができるとともに、他の処理速度を向上することができる。
前記ステップS9では、検出した車速Vsnでの各ギアポジションにおけるエンジン回転数Np1n〜Np6nを演算し(S9)、現在のアクセル開度がPSVnが前回値のアクセル開度PSVn−1以下か否かを判断する(S10)。現在のアクセル開度がPSVnが前回値のアクセル開度PSVn−1を越えていてアクセルが踏み込まれている場合には、ドライバーにギアポジションをシフトする意志が無いと判断して、前記ステップS3へ分岐する一方、現在のアクセル開度がPSVnが前回値のアクセル開度PSVn−1以下でアクセルが戻されている場合には、ドライバーにギアポジションをシフトする意志が有ると判断して、次のステップS11へ移行する。
このステップS11では、エンジン回転数の上限値Nemaxを越えるエンジン回転数NpXnとなるギアポジション、つまり現在の車速でギアがセレクトされた際にオーバーレブするギアポジションがあるか否かを判断する(S11)。オーバーレブするギアポジションが無い場合には、前記ステップS3へ分岐する一方、オーバーレブするギアポジションが有る場合には、次のステップS12へ移行する。
このステップS12では、誤変速防止ユニット26に誤変速検知信号27を出力してオーバーレブが発生し得るギアポジションをセレクトする為のセレクト溝にゲートストッパーを延出して前記手動変速コントロールレバー63を当該セレクト溝に移動できないようにする過回転防止制御を行う(S12)。これにより、オーバーレブ、具体的にはエンジン17,クラッチユニット52や手動多段変速装置24等の動力伝達系のパワートレインに過回転が生じ得るギアポジションへの変速、つまりミスシフトを未然に防止することができる。
そして、過回転防止制御中を示すFLAG−1を「1」にして(S13)、ストッパータイマーによるカウントを開始するとともに(S14)、クラッチの状態を示すFLAG−Cが「0」か否かを判断する(S21)。
前記FLAG−Cが「0」でないクラッチ切断時には、手動変速コントロールレバー63がいずれのセレクトポジションにも無く、変速操作が開始されたと判断できるので、ステップS28へ移行する一方、前記FLAG−Cが「0」でクラッチ接続状態にある場合には、前記ストッパータイマーによるカウント値が一定時間を経過したか否かを判断する(S22)。
このとき、前記ストッパータイマーによるカウント値が一定時間を経過していた場合には、前記ゲートストッパーを作動してから一定時間経過してもシフトチェンジが開始されていないと判断して、前記ゲートストッパーを元位置に戻してストッパータイマーをクリアした後(S23)、前記ステップS3へ移行する一方、前記ストッパータイマーによるカウント値が一定時間を経過していない場合には、ステップS24へ分岐する。
該ステップS24では、前記クラッチ断続信号23を再取得して更新し(S24)、FLAG−Cが「0」か否かを判断する(S25)。前記FLAG−Cが「0」でなく、クラッチが切断されていた場合には、FLAG−Cを「1」として(S26)、前記ステップS21へ移行する一方、前記FLAG−Cが「0」で、クラッチが接続されている場合には、ストッパータイマーを積算して(S27)、前記ステップS21へ移行する。これにより、クラッチが切断されシフトチェンジが開始されるまで、これらのステップをループする。
このループ中に前記クラッチが切断された際には、ストッパータイマーをクリアして(S28)、クラッチタイマによるカウントを開始した後(S29)、前記手動変速コントロールレバー63から前記ゲートストッパーに加えられる操作力Elnが予め設定された第1閾値Eln1以上か否かを判断する(S30)。前記操作力Elnが前記第1閾値Eln1未満、すなわち前記手動変速コントロールレバー63が総ての前記ゲートストッパーに押圧されていないような非ミスシフト時には、ステップS31へ分岐する一方、いずれかの前記ゲートストッパーへの前記操作力Elnが前記第1閾値Eln1以上であり、前記手動変速コントロールレバー63がいずれかの前記ゲートストッパーに押圧されたミスシフト時には、ステップS32へ移行する。
このステップS32では、ミスシフト警告灯を点灯した後(S32)、前記クラッチタイマーによるカウント値が予め定められた一定時間経過したか否かを判断する(S33)。このとき、前記クラッチタイマーによるカウント値が前記一定時間以内の場合には、前記クラッチタイマーを積算して(S34)、前記ステップS30へ戻る一方、前記クラッチタイマーによるカウント値が前記一定時間を経過していた場合には、前記一定時間以上クラッチが切断されているため、ステップS41へ移行する。
このステップS41では、前記手動変速コントロールレバー63から前記ゲートストッパーに加えられる操作力Elnが第2閾値Eln2より小さいか否かを判断する(S41)。このとき、前記第2閾値Eln2は、前記第1閾値Eln2より大きな値に設定されており、前記手動変速コントロールレバー63から前記ゲートストッパーに加えられる操作力Elnがかなり大きな時に前記操作力Elnが前記第2閾値Eln2を越えるように設定されている。このため、前記操作力Elnが第2閾値Eln2以上の場合、緊急と判断してミスシフト警告灯を消灯した後(S42)、過回転防止用の前記ゲートストッパーを後退して作動を停止するとともに(S43)、前記FLAG−Sを「0」にして(S44)、メインルーチンへ戻る。
ここで、強いエンジンブレーキを必要とする場合、ドライバーは自らの意志によって過回転が発生し得るギアポジションに変速することがある。このとき、前記ギアポジションへの変速意志があるため、ミスシフトの場合と比較して、その操作力は大きい。
このような場合、その変更操作力Elnが第2閾値Eln2以上となった時点で、回転防止制御をキャンセルし、前記ゲートストッパーを戻すことによって、どのギアポジションへのギアシフトも許容することができる。これにより、ギヤシフト後に強いエンジンブレーキを得ることができる。
一方、前記ステップS41において、前記操作力Elnが第2閾値Eln2より小さい場合には、車速信号16を更新して(S51)、現在更新した車速Vsn+1が前回取得した車速Vsnより速くなっているか否かを判断する(S52)。現在更新した車速Vsn+1が大きくなっていない場合には、ステップS71へ分岐する一方、現在更新した車速Vsn+1が大きくなっており増速している場合には、車速制御を開始して車速制御警告灯73を点灯しかつ前記FLAG−SPCを「1」とするとともに(S53)、車速制御タイマーによるカウントを開始した後(S54)、次のステップS61へ移行する。
前記ステップS54の車速制御を具体的に説明すると、ABSコントロールユニット15へ車速制御信号31を出力してブレーキユニット32を作動してブレーキを掛ける。このとき、前記車速制御信号31は、現在更新した車速Vsn+1と前回取得した車速Vsnとの速度差に基づいて演算するものとし、速度差が大きくなるに従って前記ブレーキユニット32による制動力が大きくなるように設定するものとする。
このとき、前述したミスシフトによるギアポジションの変更を防止する為の過回転防止制御が開始されており、前記クラッチが開放された状態では、エンジンブレーキを効かせることができない。
そこで、前記過回転防止制御中にクラッチユニット52のクラッチが切断された状態であっても、制動装置であるブレーキユニット32を作動する車速制御によって、車速を制御することができる。
したがって、坂道などでミスシフトをしてしまい、そのミスシフト期間中、エンジンブレーキを効かせることができず加速してしまう恐れのある場合であっても、前記車速制御によって車速を抑えることができる。これにより、ミスシフト時に生じ得る課題を解決することができる。
そして、前記ステップS61において前記車速信号16を更新し(S61)、現在更新した車速Vsn+2が前回更新した車速Vsn+1以上になっているか否かを判断する(S62)。このとき、現在更新した車速Vsn+2が前回更新した車速Vsn+1未満で車両が減速した場合には、前記車速制御信号31の出力を停止してブレーキユニット32の作動を停止し車速制御を解除し、前記FLAG−SPCを「0」するとともに、前記車速制御タイマーをクリアした後(S63)、ステップS71へ分岐する一方、現在更新した車速Vsn+2が前回更新した車速Vsn+1以上で車両が減速していない場合には、前記車速制御タイマーが予め設定された一定時間以内か否かを判断する(S64)。
このとき、前記車速制御タイマーが予め設定された一定時間以内で無い場合には、前記車速制御信号31の出力を停止してブレーキユニット32の作動を停止し、車速制御を解除するとともに、前記車速制御タイマーをクリアし、車速制御警告灯73を消灯した後(S65)、前記FLAG−SPCを「0」、前記FLAG−Cを「0」にして(S66)、前記ステップS43へ移行する。
すなわち、前記車速制御タイマーが予め設定された一定時間以内で無い場合、前記ブレーキユニット32を作動してから一定時間経過しても、いずれのギアポジションもセレクトされていない、又はドライバーが意図的にニュートラル状態を継続していることが考えられる。このような場合には、前記ブレーキユニット32が連続して作動することとなり、ブレーキが過熱が懸念される。
そこで、前記車速制御を開始してから一定時間経過した際には、前記ブレーキユニット32による車速の制御を停止することにより、ブレーキの過熱を未然に防止することができる。
一方、前記ステップS64において、前記車速制御タイマーが予め設定された一定時間以内である場合には、ニュートラル信号25を更新して(S71)、ニュートラルスイッチがOFFであるか否かを判断する(S72)。このとき、ニュートラルスイッチがONの場合には、シフト操作が完了していない為、前記FLAG−SPCが「0」であるか否かを判断する(S73)。前記FLAG−SPCが「0」の場合には、前記ステップS51へ戻る一方、前記FLAG−SPCが「0」でない場合には、前記車速制御タイマーを積算して(S74)、前記ステップS61へ戻る。
また、前記ステップS72において、ニュートラルスイッチがOFFとなり、いずれかのギアポジションがセレクトされた際には、シフト操作が完了したと判断しエンジンブレーキがかかるので、ミスシフト警告灯を消灯して(S75)、前記車速信号16と前記エンジン回転数信号18と、前記ギアポジション判別信号29とを更新した後(S81)、現在取得したエンジン回転数Nen+1が前回取得したエンジン回転数Nenより小さいか否かを判断する(S82)。
このとき、現在取得したエンジン回転数Nen+1が前回取得したエンジン回転数Nen以上で、クラッチ切断中にエンジン回転数が上昇している場合には、運転者がブリッピング動作をしていることが考えられるため、前記FLAG−SPCが「0」であるか否かを判断する(S83)。前記FLAG−SPCが「0」の場合には、いずれかのギアポジションへのシフトが完了し運転者によるクラッチONが完了したので(S84)、前記FLAG−Cを「0」にして(S85)、前記ステップS43へ移行する。
また、前記ステップS83の判断で前記FLAG−SPCが「0」で無い場合には、車速制御を解除する為に、ステップS111へ分岐して、車速制御を解除するとともに、前記車速制御タイマーをクリアし、車速制御警告灯73を消灯した後(S111)、前記FLAG−SPCを「0」にして(S112)、前記ステップS84へ移行する。
一方、前記ステップS30において、前記操作力Elnが前記第1閾値Eln1未満、すなわち前記手動変速コントロールレバー63が総ての前記ゲートストッパーに押圧されていないような非ミスシフト時と判断された際には、ニュートラルスイッチ信号25がOFFか否かを判断する(S31)。このとき、前記ニュートラルスイッチ信号25がOFFでなくギアポジションがニュートラルの場合には、前記ステップS34へ分岐する一方、前記ニュートラルスイッチ信号25がOFFでギアポジションがニュートラルでない場合には、ミスシフトした後に正規のギアがセレクトされているため、ミスシフト警告灯は消灯しているか否かを判断する(S121)。
このとき、前記ミスシフト警告灯が点灯している場合には、過回転警告灯71等を消灯して(S122)、ギアポジション判別信号29を更新した後(S123)、現在取得したギアポジションPgn+1が前回取得したギアポジションPgnより小さいか否かを判断する(S124)。このとき、現在取得したギアポジションPgn+1が前回取得したギアポジションPgn以上の場合には、シフトアップ動作をしたことが考えられるので、ブリッピングが不要であり、前記クラッチタイマーによるカウント値をクリアした後(S125)、前記ステップS84へ移行する。
一方、前記ステップS124において現在取得したギアポジションPgn+1が前回取得したギアポジションPgnより小さいと判断した場合には、シフトダウン動作をしたので、ブリッピングが必要であるため、前記ステップS81へ移行する。
なお、本実施の形態にあっては、過回転防止制御としてギアポジションを変更する際に、パワートレインに過回転が発生し得るギアポジションへのシフトを機械的に阻止する構造を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、前記過回転防止制御として、エンジン17と手動多段変速装置24とを繋ぐクラッチユニット52を開放するものであっても前述と同様の効果を得ることができる。
本発明の一実施の形態を示すブロック図である。 同実施の形態の車速とエンジン回転数との関係を示す説明図である。 同実施の形態の動作を示すフローチャートである。 図3に続くフローチャートである。 図4に続くフローチャートである。 図5に続くフローチャートである。 図6に続くフローチャートである。 図7に続くフローチャートである。
符号の説明
1 過回転防止装置
3 エンジン
11 エンジンコントロールユニット
15 ABSコントロールユニット
24 手動多段変速装置
26 誤変速防止ユニット
28 変速ゲート
32 ブレーキユニット
52 クラッチユニット

Claims (5)

  1. 車両に設けられた変速機のギアポジションを変更する際に、ギアポジションの変更に起因したパワートレインの過回転を防止する過回転防止制御を備えた過回転防止装置において、
    前記過回転防止制御を開始した際に制動装置を作動して車速を制御する車速制御手段を備えたことを特徴とする過回転防止装置。
  2. 前記車両の速度が予め定められた所定速度以上であることを前記過回転防止制御の開始条件としたことを特徴とする請求項1記載の過回転防止装置。
  3. 前記ギアポジションが予め定められた所定ポジション以上であることを前記過回転防止制御の開始条件としたことを特徴とする請求項1又は2記載の過回転防止装置。
  4. 前記ギアポジションを変更する際の変更操作力が所定の閾値を越えた際に、前記回転防止制御を停止することを特徴とした請求項1、2又は3記載の過回転防止装置。
  5. 前記車速制御手段を開始してから所定の一定時間を経過した際に、前記制動装置による車速の制御を停止する車速制御停止手段を備えたことを特徴とする請求項1から4にいずれか記載の過回転防止装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8550959B2 (en) 2010-11-24 2013-10-08 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Vehicle drive system
CN107035858A (zh) * 2017-05-31 2017-08-11 安徽合力股份有限公司 一种自动换挡变速箱的空挡超速保护控制系统及控制方法
US9802616B2 (en) 2011-08-29 2017-10-31 Robert Bosch Gmbh Method for assisting a driver of a motor vehicle
CN113619387A (zh) * 2021-08-31 2021-11-09 三一专用汽车有限责任公司 发动机超速控制方法、装置、车辆和车辆超速控制方法

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