JP2007229952A - サーマルプリンタヘッド用グレーズド基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】プリンタ設計上プラテンローラとICの接触を避ける構造上からサーマルプリンタヘッドを搭載する角度θを調整するが、グレーズ層の頂部から数百ミクロンの位置で発熱抵抗体の位置をずらして形成する場合に、ヘッド設計に見合った最適な曲率半径を得る。
【解決手段】セラミック基板1と、該セラミック基板1上に備えられた第一グレーズ層3と、該第一グレーズ層3上に備えられた凸状の第二グレーズ層4と、を有するグレーズド基板2において、前記第二グレーズ層4は、厚みが30μm〜150μmであり、且つ頂部から厚み方向に45%の範囲における曲率半径の変化が±2.5%の範囲である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ワードプロセッサー並びに電子プリンタ等に使用されるサーマルプリンタヘッド用のグレーズド基板に関する。
サーマルプリンタヘッド用グレーズド基板は、ワードプロセッサー及びファクシミリ及び多機能やフルカラー記録の可能なプリンタ等に用いられ、近年特に印字の高密度化、高画質化、高速化が求められている。
図4に示すように、グレーズド基板2はセラミック基板1に形成された平坦な第一グレーズ層3と、この第一グレーズ層上に形成された凸状の第二グレーズ層4とを有しており、このグレーズド基板を用いたサーマルプリンタヘッド14の一般的な構成として、グレーズド基板2における第一グレーズ層3及び第二グレーズ層4上に発熱抵抗体15、電極16および保護膜17を薄膜形成し、電極層16に備わっている端子上にIC18を搭載するとともに樹脂で被覆して電流を制御するものである。
前記グレーズド基板2において第二グレーズ層4を設けることにより、その先端部の曲率半径Rを小さくできるため、第二グレーズ層4上に形成された発熱抵抗体15、保護膜17と被印字媒体との接触圧力が高く印字性が良好となり、高密度、高画質が要求されるビデオプリンタサーマルプリンタヘッド用として主に用いられている。
従来より、第一グレーズ層3上に凸状の第二グレーズ層4を形成する方法として、スクリーン印刷法、ケミカルエッチング処理法、サンドブラスト処理法等が多用されている。
特許文献1では、凸状の第二グレーズ層を熱処理する際の条件として、軟化したガラスの粘度が104〜105ポイズになる温度で行われる。とあるが、これは一般的な硼珪酸ガラス等の材料に代表されるガラスの作業温度範囲を800℃〜850℃が示されている。
また、特許文献2では、凸状のガラスグレーズ層の形成方法として、ガラス転移点以上での昇温速度が40℃/分〜60℃/分、最高温度1000℃〜1200℃、最高温度での保持時間が10分〜20分であって、最高温度保持後のガラス転移点までの冷却速度が40℃/分〜60℃/分とすることが示されているが、凸状のガラスグレーズ層の頂部近傍のみの曲率半径を調整した形成方法である。
さらに、特許文献3では、凸状のガラスグレーズ層の曲率半径について、ガラスグレーズ層と基板との一方の接触点と、ガラスグレーズ層の頂点と基板とのもう一方の接触点との3点で決まる仮想円の半径と定義しており、凸状のある部分のみを特定した形状であることを示している。
特開平6−047942号公報 特開平6−047941号公報 特開平5−004361号公報
図4に示すようなサーマルプリンタヘッド14におけるIC18は、第一グレーズ層3上に搭載されているが、このIC18は紙等の印字媒体を保護膜17上に押し付けるためのプラテンローラ19との接触を避ける構造にする必要があり、その手段としてサーマルプリンタヘッド14を搭載する角度θを調整している。
一般的に第二グレーズ層4の頂部中央に発熱抵抗体15を形成しているが、前述のように搭載する角度θを調整する場合は、発熱抵抗体15とプラテンローラ19とを接触させるため、発熱抵抗体15を形成する位置が第二グレーズ層4の頂部中央から数百ミクロンの位置にずらして形成することとなる。この場合、発熱抵抗体15の形成する位置はサーマルプリンタヘッド設計に見合った固有の曲率半径を形成している必要があるが、従来は、特許文献3のように、ガラスグレーズ層と基板との一方の接触点と、ガラスグレーズ層の頂点と、基板とのもう一方の接触点との3点で決まる仮想円の半径と定義しており、凸状のある部分のみで曲率半径を設計し形成しているために、頂部中央から発熱抵抗体15の位置をずらした場合、曲率半径の差があり最適な曲率半径が得られないという課題を有していた。
そのため、第2グレーズ層の頂部から厚み方向に10%程度までの曲率半径しか制御できず、この結果、印字圧が強過ぎたり、弱過ぎたりバラツキが生じやすい。印字圧が強すぎると、インクリボンにシワが寄り印字不具合をきたしたり、紙に接触傷を付け、削り粕の蓄積で発熱体を破損したりする。一方、印字圧が弱過ぎると、印字濃度が薄くなり印画品質が損なわれるという不具合を発生させやすい。
これらの課題に対して、本発明では、第二グレーズ層4の凸部の曲率半径は発熱抵抗体15を形成する位置に対して最適な曲率半径が使用側より希望されている。
本発明のサーマルプリンタヘッド用グレーズド基板は、セラミック基板と、該セラミック基板上に備えられた第一グレーズ層と、該第一グレーズ層上に備えられた凸状の第二グレーズ層と、を有するグレーズド基板において、前記第二グレーズ層は、厚みが30μm〜150μmであり、且つ頂部から厚み方向に45%の範囲における曲率半径の平均値に対する変化率が±2.5%の範囲内であることを特徴とする。
また、前記頂部から厚み方向に45%の範囲における曲率半径が1.0mm〜4.0mmの範囲であることを特徴とする。
さらに、前記第一グレーズ層および第二グレーズ層は、SiOを40重量%以上、60重量%以下の範囲で有することを特徴とする。
本発明は、第二グレーズ層は、厚みが30μm〜150μmであり、且つ頂部から厚み方向に45%の範囲における曲率半径の平均値に対する変化率が±2.5%の範囲内であることにより、発熱抵抗体を形成する位置対して最適な設計が可能となり、このグレーズド基板をサーマルプリンタヘッドとして用いた場合、印字媒体である紙とヘッドの接触性が良好で印字濃度ムラを解消し高画質化が可能となる。
また、本発明は、前記頂部から厚み方向に45%の範囲における曲率半径が1.0mm〜4.0mmの範囲であることにより、印字媒体の硬度に対して印字不具合を生じない最適な曲率半径を作製することで最良の印画品質を提供することが可能となる。
さらに、本発明は、前記第一グレーズ層および第二グレーズ層は、SiOを40重量%以上、60重量%以下の範囲で有することにより、印画品質に影響を及ぼすガラス結晶化や曲率ばらつきの発生を抑止し、前記のようなプリンタ設計に対し最適な曲率半径が制御可能となる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明のサーマルプリンタヘッド用グレーズド基板(以下、単にグレーズド基板と称す)を示す斜視図であり、図1(a)はセラミック基板1の主面全面に第一グレーズ層3を形成しその上に凸状の第二グレーズ層4を備えた場合、図1(b)は第一グレーズ層3がセラミック基板1上に部分的に形成されその上に凸状の第二グレーズ層4を備えたものであり、図1(c)は第二グレーズ層4の頂部を示す拡大断面図である。
本発明のグレーズド基板2は、セラミック基板1と、該セラミック基板1上に備えられた第一グレーズ層3と、該第一グレーズ層3上に備えられた凸状の第二グレーズ層4とを有するものであり、図4に示すようなサーマルプリンタヘッドに搭載されて用いることができる。
前記セラミック基板1は、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素等を主成分とし、グレーズ層を形成する側の主面の表面粗さは算術平均粗さRaで0.6μm以下程度とすることが好ましく、第一グレーズ層3を形成する際に密着性を高いものにでき、また、主成分としてアルミナを用いることが好ましく、安価で機械的強度、加工性の優れたものとすることができる。
また、セラミック基板1上に形成される第一グレーズ層3および第二グレーズ層4は、例えば、酸化珪素を主成分とし、他にアルミニウム、カルシウム、バリウム等の金属酸化物を含有して成り、第一グレーズ層3の表面粗さは算術平均粗さRaで0.020μm以下であることが好ましい。
本発明のグレーズド基板2は、図2(b)に示すように、第二グレーズ層4の厚みTが30μm〜150μmであり、且つ頂部4aから厚み方向に45%の範囲における曲率半径の平均値に対する変化率が±2.5%の範囲内であることが重要である。
これにより、サーマルプリンタヘッドとして用いる際の紙等の印字媒体やインクの種類等の用途に応じて、所望の曲率半径を有したサーマルプリンタヘッドとすることで、頂部から厚み方向に45%の範囲において、プリンタ設計に応じた位置に発熱抵抗体15を設置できるため、サーマルプリンタヘッドの発熱抵抗体15と被印字媒体である紙等との接触圧が良好となり、最適な印画品質を提供できる。
ここで、第二グレーズ層4の厚みTを30μm〜150μmとするのは、本発明のグレーズド基板2を図4に示すようなサーマルプリンタヘッドとして用いる際に、IC18が第一グレーズ層3上に搭載されるため、プリンタ設計上のプラテンローラ19との接触を避ける構造にする必要があるためである。同時に、曲率半径を規定する部分を第二グレーズ層4の頂部4aから厚み方向に45%の範囲としたのは、サーマルプリンタヘッドとして角度θを調整して使用する際に、第二グレーズ層4上に形成した発熱抵抗体15を第二グレーズ層4の頂部4aからずらして形成される範囲となる部分を規定したものである。
この範囲での第2グレーズ層4の曲率半径の変化を±2.5%の範囲内とすることで、プラテンローラ19で押し圧を加えて紙等の印字媒体やインクリボンに発熱抵抗体15を接触させる際、頂部4aの中央部に発熱抵抗体15が形成された場合と異なり、
また、前記頂部4aから厚み方向に45%の範囲における曲率半径は、前述の様に個々の機種設計において前記発熱体との接触角度を変化させる必要がある場合、この範囲であれば必要な部位に発熱抵抗体15を形成できるため、発熱抵抗体15に加わる接触圧が安定し良好な印画濃度を提供することができる。さらには、このバラツキを±1.5%以下とすることが好ましい。
さらに、第二グレーズ層4の曲率半径Rは、サーマルプリンタヘッドの用途により異なるが、小さい方が紙等の印字媒体との接触圧力が高く、印画濃度を濃くできるために1.0mmから4.0mmまでの曲率半径とすることが好ましい。曲率半径Rが1.0mm未満になると、紙擦れ等のトラブルの原因となりやすく、一方、曲率半径が4.0mmを超えると、第二グレーズ層4の熱放散性が悪くなり、印画の押印等の熱応答性に追従できなくなる問題があるためである。
なお、曲率半径Rは、図2に示すように以下の方法により測定できる。図2(a)にグレーズド基板2を上から見た平面図、図2(b)に第二グレーズ層4の頂部4aを示す拡大断面図、図2(c)に第二グレーズ層4の形状を測定するための模式図である。
この第二グレーズ層4の表面を図2(b)に示すように接触式表面粗さ計にて、矢印方向に横断するように表面形状の測定を行う。測定条件は、例えば触針径5μm90°/4mNダイヤモンド、カットオフモードはR+W、測定スピード0.5mm/Sec、測定倍率は縦2000倍で横200倍である。例えば、図2(c)に示すように、この表面形状12の測定結果より第2グレーズ層4の頂部4aの頂点13から垂線を引きパターン幅DをD1としその高さをhとしたとき、曲率半径Rは、以下の式により算出することができる。
曲率半径R={D1↑2/(8×h)}+(h/2) この測定高さhを例えば、頂部より5μm間隔にて測定する。
次いで、曲率半径Rの変化率は、前述のように測定したそれぞれの高さhにおける曲率半径Rの値に基づいて曲率半径Rの平均値を求め、この平均値に対して測定したそれぞれの高さhにおける曲率半径Rの最大値、最小値の変化率、即ち、
((曲率半径Rの最大値−曲率半径Rの平均値)/曲率半径Rの平均値)×100(%)、((曲率半径Rの最小値−曲率半径Rの平均値)/曲率半径Rの平均値)×100(%)を
それぞれ算出することで得られる。
また、前記第一グレーズ層3および第二グレーズ層4は、SiOを40重量%以上、60重量%以下の範囲で有することが好ましい。これは、SiOが40重量%未満となると、第一グレーズ層3および第二グレーズ層4は、組成上安定性に欠け、第一グレーズ層3の形成時の表面状態に欠陥が多く、SiOが60重量%以上だと第二グレーズ層4の熱処理最適温度付近ではガラスが軟化し辛いために、第二グレーズ層4を熱処理する際の焼成温度を高くする必要があるが、同時に結晶が析出する温度域にまで到達するため、良好な平滑面が得られない問題があった。また、良好な平滑面を得るために析出した結晶が際溶解するまで更に焼成温度を高くすると、ガラスの軟化が進み過ぎてしまい第二グレーズ4層が第一グレーズ層3に溶け込んでしまう問題があるためである。
ここで、図3(a)〜(h)に本発明のグレーズド基板2の製造方法を示す。
図3(a)に示すように、スクリーン印刷等によりセラミック基板1に全面或いは部分的に第一グレーズ層3を形成する。
次に、図3(b)に示すように第一グレーズ層3を1200℃〜1300℃の温度で焼成し、図3(c)に示すように、第一グレーズ層3に感光性のレジスト5を形成しガラスマスク6を用いて凸状の第二グレーズ層4となる部分を紫外線7で感光させる。
次いで、図3(d)に示すように感光した部分以外のレジスト5をアルカリ水溶液9で除去し、第二グレーズ層4となる部分のみにレジスト膜8を形成する。
次に、図3(e)に示すように、レジスト膜8によりパターンニングされた第一グレーズ層3の表面をエッチング液10を吹き付けて所定の深さ迄加工し、凸状の第二グレーズ層4を形成する。
次に、図3(f)に示すように、第二グレーズ層4の表面に接着しているレジスト膜8を強アルカリ水溶液11で除去し、図3(g)の状態とする。次にガラス軟化点の約+50℃〜+150℃の温度で、その際の昇温速度を30℃〜32℃/分で加熱し、最高温度の保持時間10分〜20分程度で図3(h)に示すように第二グレーズ層4に曲面を形成する。
以下、各工程について詳述する。
まず図3(a)に示す第一グレーズ層3の形成方法は、セラミック基板1の全面または部分的にグレーズ印刷できる60#〜200#のステンレスメッシュのスクリーン製版を用いて、ペースト状になったグレーズガラスをスキージで圧力を加えセラミック基板1上に押し出し第一グレーズ層3を印刷する。
このとき、サーマルプリンタヘッド14として用いられた際の蓄熱性並びに単一時間当たりの印字濃度を高くするためには、図3(b)が示すように焼成後の第一グレーズ層3と第二グレーズ層4のトータルの厚みTの好適範囲は約100μm〜約200μmであって、この工程での第一グレーズ層3は次工程の焼成後のグレーズ厚みTが前記範囲となるように形成することが好ましい。
図3(b)に示すように、乾燥させた第一グレーズ層3を1200℃〜1300℃の温度で溶融焼成し非晶質化ガラスの状態にし、次に図3(c)に示すように、第一グレーズ層3の全面に感光性樹脂のレジスト5を形成し、ガラスマスク6を用いて第二グレーズ層4となる部分を紫外線7で感光させる。
このとき露光処理を行うガラスマスク6の寸法精度は、3μm以内でなければならない、その理由は図2(a)で示す露光後のレジスト膜8のパターン幅D並びにパターン間寸法P並びにパターン長さ方向の直線度Cの寸法精度を10μm以内に制御するためである。
次に図3(d)に示すように、レジスト5の感光した部分以外をアルカリ水溶液9で除去しレジスト膜8によりマスキングされた第一グレーズ層3の表面を残し、図3(e)に示すように、エッチング液10を吹き付け、レジスト膜8でマスキングされている部分以外を所定の深さ迄加工し、凸状の第二グレーズ層4を形成する。この加工深さは、サーマルプリンタヘッド14の用途によっても異なるが通常30μm〜150μm程度であり、放熱性を重視する場合には、加工深さを深くし第一グレーズ層3の厚みを薄くすることが好ましい。
なお、エッチングの条件は、弗硝酸含有率10%〜20%からなる水溶液で、これを約0.1KPa〜約0.3KPaで吹き付ける。
次に、図3(f)に示すように、第二グレーズ層4の表面に接着しているレジスト膜8を強アルカリ水溶液11で除去し、図3(g)の状態にする。ガラス軟化点の約+50℃〜約+150℃の温度でその際の昇温速度を30℃〜32℃/分で加熱し、最高温度の保持時間10分〜20分程度で加熱処理することにより、図3(h)に示すように第二グレーズ層4に所望の曲率半径の形状とすることができ、バラツキも抑制できる。本発明では、これら加熱処理の条件により第二グレーズ層4に所望の曲率半径を制御できることを見いだしたものである。
加熱処理の条件は、例えばガラス軟化点が850℃の場合には約900℃〜約1000℃の範囲が好ましく、これが900℃未満になるとエッチングで切り立った凸形状に曲率を与えるのに必要な温度が不足するために、凸状の第二グレーズ層4の頂部が曲面とならず、反対に1000℃を超すと凸状の第二グレーズ層4の曲率が大きくなるか或いは第一グレーズ層3に溶け込んで無くなる場合もある。
このようにして得られたグレーズド基板2は、各種層を形成してサーマルプリンタ用のヘッドとして好適に用いることができる。
次いで、本発明の実施例を示す。
先ず、セラミック基板としてアルミナの含有率96重量%で、外辺寸法が290mm×78mm、厚み1.0mmのセラミック基板1上の全面に200#のステンレスメッシュで作製されたスクリーン製版を用いて、SiO45〜60重量%、BaO5〜30重量%、CaO10〜20重量%、Al5〜10重量%、B0〜10重量%のグレーズガラス(転移点685℃、軟化点845℃)を、スキージで圧力を加えながら焼成後の厚みTが200μmとなるようにスクリーン印刷をし、乾燥後にトンネル型連続焼成炉で約1250℃で焼成し非晶質化した第一グレーズ層3を形成した。
次に、この第一グレーズ層3上全面に感光性樹脂系のレジスト5を形成し、凸状の第二グレーズ層4の形成部分を感光させるためのガラスマスク6を介し露光を行い、感光した部分以外をアルカリ水溶液9で除去し第二グレーズ層4を形成する部分のみレジスト膜8でマスキングした。
このガラスマスク6のパターン寸法精度は3μm以内のものを用い、エッチングの条件は、弗硝酸含有率20%水溶液からなり、これを約0.2KPaで吹き付け第一グレーズ層3を55μm加工し凸状の第二グレーズ層4を形成した。
このエッチング処理後、最高温度約940℃で10分間保持の温度プロファイルで昇温速度を31℃/分、IN−OUT1時間で加熱処理を施し、上部に所定の曲率を有する第二グレーズ層4を形成した。昇温速度40℃/分で1000℃以下であってもグレーズ表面が結晶化することなく曲率が形成できることが確認された。
また比較例として、第二グレーズ層4の加熱処理条件を最高温度約900℃で10分間保持の温度プロファイルで昇温速度を20℃/分、IN−OUT1.5時間とし他は本発明実施例と同条件で凸状の第二グレーズ層4を形成した。
なお、本発明の実施例、比較例とも図2(a)に示す第二グレーズ層4の長さLは100mm、幅Dは0.65mm、第二グレーズ層4同士の間の距離Bは28mm、高さTは0.055mmである。
そして、本発明実施例及び比較例のグレーズド基板2について試料数3個の第二グレーズ層4の曲率半径値について測定を実施した。その測定条件は下記の通りである。
曲率半径Rは、接触式表面粗さ計で第二グレーズ層4の表面を、図2(b)に示す矢印方向のように横断するように表面形状の測定を行う。測定条件は触針径5μm90°/4mNダイヤモンド、カットオフモードはR+W、測定スピード0.5mm/Sec、測定倍率は縦2000倍で横200倍である。また、図2(c)に示すように、この表面形状12の測定チャートより頂点13から垂線を引き当該パターン幅DをD1としその高さをhとしたとき、曲率半径Rは下記の計算式で求める。
曲率半径R={D1↑2/(8×h)}+(h/2)
なお、この高さhは、第二グレーズ層の頂部から厚み方向にそれぞれ10〜45%の範囲にある5μm、10μm、15μm、20μm、25μmの水準を用いる。以上の測定方法により測定したグレーズド基板2の曲率半径Rの測定値を表1に示す。そして、各hにおける曲率半径Rの測定値より、その変化率を実施形態に前述した方法で算出した。
各試料を図4に示すようなサーマルプリンタ用ヘッドとして印字状態を確認し、その評価結果で最良なものを○、印画濃度が薄く濃度ムラがあるものを×とした。
Figure 2007229952
表1の結果からわかるように、本発明実施例の第二グレーズ層4の頂部から45%の範囲における曲率半径Rの変化率が2.4%以下であり、プラテンローラとの接触圧が安定し濃度ムラもなく印画濃度も最良な結果となった。
これに対し、比較例の第二グレーズ層4の頂部から45%の範囲における曲率半径Rの変化率が7.2%以上となり、第二グレーズ層4の加熱処理される時間が長く形状が流動したため、曲率半径のばらつき量が大きく、これにより発熱抵抗体が印字媒体である紙およびインクリボンがプラテンローラとの接触圧がばらついたため印画濃度に色ムラが発生した。
(a)、(b)は本発明のグレーズド基板の種々の実施形態を示す斜視図である。 本発明のグレーズド基板の種々の形状寸法を測定する方法を説明する図であり、(a)はグレーズド基板2を上から見た平面図、(b)は第二グレーズ層4の頂部を示す拡大断面図、(c)は第二グレーズ層4の形状を測定するための模式図である。 (a)〜(h)は本発明のグレーズド基板の製造方法を示す概略断面図である。 本発明のグレーズド基板を用いたサーマルプリンタヘッドと、これを用いて印字する様子を説明するための断面図である。
符号の説明
1:セラミック基板
2:グレーズド基板
3:第一グレーズ層
4:第二グレーズ層
5:レジスト
6:ガラスマスク
7:紫外線光
8:レジスト膜
9:アルカリ水溶液
10:エッチング液
11:強アルカリ水溶液
12:測定チャートの模式図
13:頂点
14:サーマルプリンタヘッド
15:発熱抵抗体層
16:電極層
17:保護膜層
18:IC
19:プラテンローラ
R:曲率半径
T:グレーズ厚み

Claims (3)

  1. セラミック基板と、該セラミック基板上に備えられた第一グレーズ層と、該第一グレーズ層上に備えられた凸状の第二グレーズ層と、を有するグレーズド基板において、前記第二グレーズ層は、厚みが30μm〜150μmであり、且つ頂部から厚み方向に45%の範囲における曲率半径の平均値に対する変化率が±2.5%の範囲内であることを特徴とするサーマルプリンタヘッド用グレーズド基板。
  2. 前記頂部から厚み方向に45%の範囲における曲率半径が1.0mm〜4.0mmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載のサーマルプリンタヘッド用グレーズド基板。
  3. 前記第一グレーズ層および第二グレーズ層は、SiOを40重量%〜60重量%以下の範囲で有することを特徴とする請求項1または2に記載のサーマルプリンタヘッド用グレーズド基板。
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