JP2004114530A - グレーズド基板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】サーマルプリンターヘッド用グレーズド基板の凸状の第二グレーズ層12の寸法精度を低下されることなく形成する。
【解決手段】対向する一対の端面が分割面とし、グレーズ層を位置合わせマーカー部以外に形成した後、分割溝に沿ってセラミック基板とグレーズ層を分割し、上記セラミック基板の表面に位置合わせ様のマーカーを形成する工程からなる製造方法により所望のグレーズド基板2を得る。
【選択図】図1
【解決手段】対向する一対の端面が分割面とし、グレーズ層を位置合わせマーカー部以外に形成した後、分割溝に沿ってセラミック基板とグレーズ層を分割し、上記セラミック基板の表面に位置合わせ様のマーカーを形成する工程からなる製造方法により所望のグレーズド基板2を得る。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワードプロセッサー並びに電子プリンター等に使用されるサーマルプリンターヘッド用のグレーズド基板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
サーマルプリンターヘッド用グレーズド基板は、ワードプロセッサー及びファクシミリ及び多機能やフルカラー記録の可能なプリンター等に用いられ、近年特に印字の高密度化、高画質化、高速化、また寸法精度の向上が求められている。
【0003】
中でも図6に示すように、セラミック基板2に形成された第一グレーズ層7上に凸状の第二グレーズ層12を形成するグレーズド基板1は、第二グレーズ層12の先端曲率半径Rが小さく出来ることから、サーマルプリンターヘッド17として用いられたときに、凸状の第二グレーズ層4並びに発熱抵抗体層18上に形成された保護膜層20と印字媒体である紙との接触圧力が高く印字性が良いために、高密度、高画質が要求されるビデオプリンターサーマルヘッド用として主に用いられている。
【0004】
従来この第一グレーズ層7上に凸状の第二グレーズ層12を形成する方法として、スクリーン印刷法、ケミカルエッチング処理法、サンドブラスト処理法等が良く知られている。
【0005】
図7にスクリーン印刷法の製造方法を示している。この方法は特許文献1に示されているように、セラミック基板2に第一グレーズ層7をスクリーン印刷により印刷し所定の温度で焼成し、この第一グレーズ層7上に第一グレーズ層7より軟化点の低いガラス含有ペーストを用いスクリーン印刷で凸状の第二グレーズ層12を形成し所定の温度で焼成することにより丸みを帯びた第二グレーズ層12を形成するものである。
【0006】
図8にケミカルエッチング処理法の製造方法を示している。この方法は特許文献2に示されているように、第一グレーズ層7の形成方法は前記スクリーン印刷法と同じで、次に第二グレーズ層7となる部分にペースト状のレジスト膜11をスクリーン印刷した後、レジスト膜11部を残してケミカルエッチングすることにより凸状の第二グレーズ層12を形成し、その後所定の温度で焼成して第二グレーズ層12に丸みを持たせるものである。
【0007】
図9にサンドブラスト処理法の製造方法を示している。この方法は特許文献3、特許文献4及び特許文献5で示されているが、第一グレーズ層7の形成はスクリーン印刷法と同じであり、その後スクリーン印刷によりレジスト膜11を形成しこのレジスト膜11によりマスキングした部分を残してサンドブラストで砥粒13を吹き付け、所定深さ迄研削し凸状の第二グレーズ層12を形成した後、所定の温度で焼成することにより第二グレーズ層12に丸みを持たせるものである。
【0008】
上記ブラスト加工方法の特許文献5では、グレーズ幅、位置精度は幅公差±0.025mm以下、位置精度公差±0.03mm以下が実現でき、さらにグレーズ上に位置合わせ用のマーカーを形成することで印刷時の位置合わせ精度が向上すると示されている。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−25259号公報
【特許文献2】
特開平7−329332号公報
【特許文献3】
特開平6−40064号公報
【特許文献4】
特開平6−171128号公報
【特許文献5】
特開平7−32631号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記、スクリーン印刷法、ケミカルエッチング処理法、サンドブラスト処理法全てにおいて、第二グレーズ層12を精度良く形成しても、第二グレーズ層12形成後の焼成をする際に、グレーズの流れに差が生じ精度が低下してしまう問題があった。
【0011】
特に第一グレーズ層7端部に第二グレーズ層12を形成する場合、第一グレーズ層7の盛上がりによる第一グレーズ層7の厚み差やグレーズの傾きにより位置精度、先端曲率半径Rの精度、ヒーターピッチ精度が低下していた。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明はこれらに鑑みて行われたもので、セラミック基板上に全面または部分的に第一グレーズ層を有し、該第一グレーズ層上に凸上の第二グレーズ層を備えてなるグレーズド基板において、対向する一対の端面が分割面であり、上記セラミック基板の表面に位置合わせ用のマーカーを形成したことを特徴とする。
【0013】
また、セラミック基板上に全面的又は部分的に第一グレーズ層を有し、該第一グレーズ層状に凸状の第二グレーズ層を備えてなるグレーズド基板の製造方法において端縁部に分割溝を有するセラミック基板上にマーカー形成部を除いてグレーズ層を形成した後、上記分割溝に沿ってセラミック基板とグレーズ層を分割し、上記マーカー形成部のセラミック基板基板上にマーカーを形成する工程を含んだことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を説明する。
【0015】
図1(a)〜(g)に本発明のグレーズド基板1の製造方法を示す。
【0016】
図1(a)に示すように、セラミック基板2の両端部にグレーズダミー部3を形成し、グレーズダミー部3を後で排除する為に、端縁部に分割溝4をレーザーにて形成する。次に図1(b)に示すように、スクリーン印刷等によりセラミック基板2にあらかじめ位置合わせ用のマーカー形成部6の範囲を除いて全面あるいは部分的に第一グレーズ層7を形成する。次に図1(c)に示すように第一グレーズ層7を1200℃〜1300℃の温度で焼成した後、図1(d)に示すように、分割溝4で分割してグレーズダミー部3を排除する。
【0017】
次に図1(e)に示すように、第一グレーズ層7に感光性のレジストフィルム8を熱圧着しガラスマスク9を用いて凸状の第二グレーズ層12と、マーカー形成部6以外の範囲となるセラミック面を感光させ、図1(f)に示すように感光した部分以外のレジストフィルム8を現像液で除去し、第二グレーズ層12とマーカー形成部6の位置合わせマーカー14以外の範囲のみにレジスト膜11を形成する。次に図1(g)に示すように、レジスト膜11によりパターンニングされた第一グレーズ層7の表面をサンドブラストにより砥粒13を吹き付けて、凸状の第二グレーズ層12と凹状の位置合わせ用マーカー6を形成する。次に図1(h)に示すように、第二グレーズ層12の表面に接着しているレジスト膜11を剥離液で除去しガラス軟化点の約+50℃〜+150℃の温度で加熱し、図1(i)に示すように第二グレーズ層12に曲面を形成する。
【0018】
以下、各工程について詳述する。
【0019】
まず図1(a)に示すセラミック基板2の形成方法は、グレーズダミー部3を確保したセラミック基板2の端縁部に分割溝4をレーザーにて形成する
このときのグレーズダミー部3の幅Lは第一グレーズ層7の厚みTによって異なるが、第一グレーズ層7の厚みTが200μmの場合はグレーズダミー部3の幅Lは7mm以上が好ましく、さらに、第一グレーズ層7の厚みTが大きくなれば、第一グレーズ層7の盛上りも大きくなる為グレーズダミー部3の幅Lは広い方が好ましい。
【0020】
また、分割溝4は、第一グレーズ層厚みTが大きくなれば深いほうが好ましい。
【0021】
次に図1(b)に示すようにセラミック基板2にマーカー形成部6の範囲を確保した全面または部分的にグレーズ印刷出来る60#〜200#のステンレスメッシュのスクリーン製版を用いて、ペースト状になったグレーズガラスをスキージで圧力を加えセラミック基板2上に押し出し第一グレーズ層7を印刷する。
【0022】
尚、代表的なガラス組成としては、45〜60重量%SiO2、5〜30重量%BaO、10〜20重量%CaO、5〜10重量%Al2O3、0〜10重量%B2O3のものを用いる。このとき、サーマルプリンターヘッドとして用いられた際の蓄熱性並びに単一時間当たりの印字濃度を高くするためには、焼成後の第一グレーズ層7と第二グレーズ層12のトータルのグレーズ厚みTの好適範囲は約80μm〜約200μmであって、この工程での第一グレーズ層7は次工程の焼成後のグレーズ厚みTが前記範囲となるように形成することが好ましい。
【0023】
図1(c)に示すように、乾燥させた第一グレーズ層7を1200℃〜1300℃の温度で溶融焼成し非晶質化ガラスの状態にした後、図1(d)に示すように分割溝4に沿って分割し、グレーズダミー部3を排除する。これにより、第一グレーズ層7のグレーズ厚みTのバラツキを低減し、第一グレーズ層7の表面形状を安定させることができる。
【0024】
次に図1(e)に示すように、セラミック基板1上の第一グレーズ層7の全面に感光性樹脂のレジストフィルム8を熱圧着し、ガラスマスク9を用いて第二グレーズ層12となる部分とマーカー形成部6の位置合わせマーカー14以外の範囲を感光させる。
【0025】
次に図1(f)に示すように、レジストフィルム8の感光した部分以外を現像液で除去しレジスト膜11によりマスキングされた第一グレーズ層7の表面とマーカー形成部6を残し、図1(g)に示すように、サンドブラストにより砥粒13を吹き付け、レジスト膜11でマスキングされている部分以外を所定の深さ迄研削し、凸状の第二グレーズ層12と凹状の位置合わせ用マーカー14を形成する。この第二グレーズ層12の研削深さは、サーマルプリンターヘッドの用途によっても異なるが通常30μm〜80μm程度であり、放熱性を重視する場合には、研削深さを深くし第一グレーズ層7の厚みを薄くすることが好ましい。
【0026】
また、位置合わせの際の検出を容易にするため、位置あわせ用マーカー14の研削深さは2〜10μmが好ましく、0.3mm〜3mmの幅が好ましい。
【0027】
さらに、位置合わせ用マーカー14の位置については、凸上の第二グレーズ層12に近いほど好ましく、凸上の第二グレーズ層12の延長上に作成することが特に好ましい。
【0028】
次に図1(h)に示すように、第二グレーズ層12とマーカー形成部6の表面に接着しているレジスト膜11を剥離液で除去し、ガラス軟化点の約+50℃〜約+150℃の温度で加熱処理することにより、図1(i)に示すように第二グレーズ層12に所望の曲面をもたせる。
【0029】
加熱処理の条件は、例えばガラス軟化点が850℃の場合には約900℃〜約1000℃の範囲が好ましく、これが900℃未満になるとサンドブラストで切り立った凸形状に曲率を与えるのに必要な温度が不足するために、凸状の第二グレーズ層12の上部が曲面とならず、反対に1000℃を超すと凸状の第二グレーズ層12の曲率が大きくなるか或いは第一グレーズ層7に溶け込んで無くなる場合もある。
【0030】
以上のように本発明による方法では、サンドブラスト処理法であるためレジスト膜11を厚く形成する必要がないことから、露光法によるパターンマスキングの手法をとることができ、これによってレジスト膜11を高精度に形成できる事で第二グレーズ層12の寸法精度も高精度に形成できるとともに、第一グレーズ層7の盛り上がりを排除する事で、第一グレース層7の厚みTが安定し、またセラミック基板面上に位置合わせマーカー14を形成する事により、グレーズの流れが影響しない為、第二グレーズ層12形成後の焼成による寸法精度の低下が発生しない。
【0031】
尚、セラミック基板2の材質は、アルミナの他に窒化アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素等でも良くグレーズを形成する主面の表面粗さはRa0.6μm以下程度であれば良い。またグレーズの材料としては、酸化珪素を主体とし、他にアルミニウム、カルシウム、バリウム等の金属酸化物を含むものを用い、第一グレーズ層3をスクリーン印刷後、1200℃〜1300℃の温度で焼成する際に結晶化しなければ良い。
【0032】
【実施例】
(実施例1)
アルミナ含有率96重量%で外辺寸法が290mm×78mm、厚み1.0mmのセラミック基板1に対し、グレーズダミー部3を片側7mm加え、290mm×92mmの外辺寸法にした上グレーズダミー部3を排除するための分割溝4をレーザーにて120μmピッチ、深さ370μmで形成し、位置合わせマーカー14の範囲以外の全面に60#のステンレスメッシュで作製されたスクリーン製版を用いて、組成45〜60重量%SiO2、5〜30重量%BaO、10〜20重量%CaO、5〜10重量%Al2O3、0〜10重量%B2O3系のグレーズガラス(転移点685℃、軟化点845℃)を、スキージで圧力を加えながら焼成後のグレーズ厚みTが200μmとなるようにスクリーン印刷をし、乾燥後にトンネル型連続焼成炉で1200℃で焼成し非晶質化した第一グレーズ層7を形成した後、グレーズダミー部3を分割溝4に沿って排除し外辺寸法290×78mmの基板を形成した。
【0033】
次に、この第一グレーズ層7上全面に感光性樹脂であるポリウレタン樹脂系のレジストフィルム8を熱圧着し、凸状の第二グレーズ層12との形成部分と位置合わせマーカー6以外の範囲となるマーカー形成部6の部分を感光させるためのガラスマスク9を介し露光を行い、感光した部分以外を剥離液で除去し第二グレーズ層12を形成する部分と位置合わせマーカー14以外の範囲となるマーカー形成部6の部分をレジスト膜11でマスキングした。
【0034】
このガラスマスク9のパターン寸法精度は2μm以内のものを用い、またサンドフラスト処理の砥粒13の材質はAl2O3含有率35重量%で他SiO2、ZrO2等を含む研磨材からなり、不特定形状で800#の砥粒9を0.17KPaの空気で吹き付け第一グレーズ層7を55μm研削し凸状の第二グレーズ層12と位置合わせマーカー14を形成した。
【0035】
このサンドブラスト処理後、最高温度約950℃−10分間保持の温度プロファイルでIN−OUT2時間で加熱処理を施し、上部に所定の曲率を有する第二グレーズ層12を形成した。
【0036】
また比較例として、外辺寸法290×78mm、位置合わせマーカー14をグレーズ上に形成し、他は本発明実施例と同条件で凸状の第二グレーズ層12を形成した。
【0037】
尚、本発明の実施例、比較例共、第二グレーズ層12の位置はセラミック基板の端部からそれぞれ3mm、27mm、51mm、75mm、位置合わせ用マーカー14はセラミック基板の端部から15mmの場所に形成した。
【0038】
本発明実施例のグレーズド基板1について試料数3個、比較例についても試料数3個の第二グレーズ層12のヒーターピッチ、先端曲率半径Rの寸法値、また位置ズレについては、位置合わせ用マーカー14から3mm、27mmの第二グレーズ層12までの位置ズレについて測定をした。
【0039】
グレーズド基板1のヒーターピッチの測定値を表1に先端曲率半径R測定値を表2に、位置合わせ用マーカー6と第二グレーズ層12の位置ズレの測定値を表3に各々示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
この結果から解るように、寸法精度は比較例に比べ、本発明実施例は寸法精度が向上している。これは、比較例が第一グレーズ層7のグレーズ盛上り部に第二グレーズ層7が形成され、厚みのバラツキが大きく、グレーズ盛上り部の形状が平坦部と比較し、傾いているためである。また、位置精度については焼成による第二グレーズ層12のガラスの流れと、位置合わせ用マーカー6のガラス流れの差が位置精度を低下させた原因である。
【0044】
これに対し、本発明のグレーズド基板は寸法精度が低下する事は無かった。これは、第一グレーズ層7の盛上り部を排除することで第一グレーズ層7の厚みの差を減らし、セラミック基板上に位置合わせ用マーカー14を形成することで、位置合わせ用マーカー14のガラスの流れによる位置精度の差を少なくした為である。
【0045】
このことから、第一グレーズ層7の形状、厚み差、ガラスの流れ差により第二グレーズ層12の寸法精度の低下が発生しやすい問題があることが解る。
【0046】
したがって、セラミック基板2にグレーズダミー部3を形成し、第一グレーズ層7形成後にグレーズダミー部3を排除する事で、第一グレーズ層7の形状、厚み差を低減させ、さらに基板上に位置合わせ用マーカー14を形成する事でガラスの流れの差を低減させる事は第二グレーズ層12の寸法精度を向上させるといえる。
【0047】
実施例1の測定条件は下記の通りである。
【0048】
(1)ヒーターピッチ、位置ズレの測定方法
図2に示すように工具顕微鏡を用いて、ヒーターピッチについては第二グレーズ層12頂部から各々の第二グレーズ層12頂部までの距離をまた、位置ズレについては図3に示すように位置合わせ用マーカー14から第二グレーズ層12頂部までの距離を測定した。
【0049】
(2)先端曲率半径R
接触式表面粗さ計(小坂研究所(株)製SE−2300型)で第二グレーズ層12の表面を、図4に示す矢印方向のように横断するように表面形状15の測定を行う。 測定条件は触針径5μm90°/4mNダイヤモンド、カットオフモードはR+W、測定スピード0.5mm/Sec、測定倍率は縦2000倍で横200倍である。
【0050】
図5に示すように、この表面形状15の測定チャートより頂点16から垂線を引き当該パターン幅CをC1としその高さをhとしたとき、先端曲率半径Rは下記の計算式で求める。
【0051】
先端曲率半径R={(C1)2/(8×h)}+(h/2)
尚、この高さhはサーマルプリンターヘッドの業界で慣用となっている0.015mmを用いる。
【0052】
【発明の効果】
本発明のグレーズド基板の製造方法によれば、セラミック基板上に全面または部分的に第一グレーズ層を有し、第一グレーズ層上に凸状の第二グレーズ層を備えるグレーズド基板において、対向する一対の端面が分割面とし、グレーズ層を位置合わせマーカー部以外に形成した後、分割溝に沿ってセラミック基板とグレーズ層を分割し、上記セラミック基板の表面に位置合わせ様のマーカーを形成することで、第二グレーズ層の寸法精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(i)は本発明のグレーズド基板の製造方法を示す図である。
【図2】本発明実施例におけるグレーズド基板のヒーターピッチの測定法を示す断面図である。
【図3】本発明実施例における位置ズレの測定法を示す図である。
【図4】本発明実施例における先端曲率半径の測定方法を示す断面図である。
【図5】本発明実施例における表面形状の測定チャートの模式図である。
【図6】サーマルプリンターヘッドの断面図である。
【図7】従来のスクリーン印刷法の製造方法を示す図である。
【図8】従来のケミカルエッチング処理法によるグレーズド基板の製造方法を示す図である。
【図9】従来のサンドブラスト処理法によるグレーズド基板の製造方法を示す図である。
【符号の説明】
1:グレーズド基板
2:セラミック基板
3:グレーズダミー部
4:分割溝
6:マーカー形成部
7:第一グレーズ層
8:レジストフィルム
9:ガラスマスク
11:レジスト膜
12:第二グレーズ層
12a〜12d:第二グレーズ層頂部
13:砥粒
14:位置合わせ用マーカー
15:表面形状
17:サーマルプリンターヘッド
18:発熱抵抗体層
19:電極層
20:保護膜層
L:グレーズダミー幅
R:先端曲率半径
T:グレーズ厚み
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワードプロセッサー並びに電子プリンター等に使用されるサーマルプリンターヘッド用のグレーズド基板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
サーマルプリンターヘッド用グレーズド基板は、ワードプロセッサー及びファクシミリ及び多機能やフルカラー記録の可能なプリンター等に用いられ、近年特に印字の高密度化、高画質化、高速化、また寸法精度の向上が求められている。
【0003】
中でも図6に示すように、セラミック基板2に形成された第一グレーズ層7上に凸状の第二グレーズ層12を形成するグレーズド基板1は、第二グレーズ層12の先端曲率半径Rが小さく出来ることから、サーマルプリンターヘッド17として用いられたときに、凸状の第二グレーズ層4並びに発熱抵抗体層18上に形成された保護膜層20と印字媒体である紙との接触圧力が高く印字性が良いために、高密度、高画質が要求されるビデオプリンターサーマルヘッド用として主に用いられている。
【0004】
従来この第一グレーズ層7上に凸状の第二グレーズ層12を形成する方法として、スクリーン印刷法、ケミカルエッチング処理法、サンドブラスト処理法等が良く知られている。
【0005】
図7にスクリーン印刷法の製造方法を示している。この方法は特許文献1に示されているように、セラミック基板2に第一グレーズ層7をスクリーン印刷により印刷し所定の温度で焼成し、この第一グレーズ層7上に第一グレーズ層7より軟化点の低いガラス含有ペーストを用いスクリーン印刷で凸状の第二グレーズ層12を形成し所定の温度で焼成することにより丸みを帯びた第二グレーズ層12を形成するものである。
【0006】
図8にケミカルエッチング処理法の製造方法を示している。この方法は特許文献2に示されているように、第一グレーズ層7の形成方法は前記スクリーン印刷法と同じで、次に第二グレーズ層7となる部分にペースト状のレジスト膜11をスクリーン印刷した後、レジスト膜11部を残してケミカルエッチングすることにより凸状の第二グレーズ層12を形成し、その後所定の温度で焼成して第二グレーズ層12に丸みを持たせるものである。
【0007】
図9にサンドブラスト処理法の製造方法を示している。この方法は特許文献3、特許文献4及び特許文献5で示されているが、第一グレーズ層7の形成はスクリーン印刷法と同じであり、その後スクリーン印刷によりレジスト膜11を形成しこのレジスト膜11によりマスキングした部分を残してサンドブラストで砥粒13を吹き付け、所定深さ迄研削し凸状の第二グレーズ層12を形成した後、所定の温度で焼成することにより第二グレーズ層12に丸みを持たせるものである。
【0008】
上記ブラスト加工方法の特許文献5では、グレーズ幅、位置精度は幅公差±0.025mm以下、位置精度公差±0.03mm以下が実現でき、さらにグレーズ上に位置合わせ用のマーカーを形成することで印刷時の位置合わせ精度が向上すると示されている。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−25259号公報
【特許文献2】
特開平7−329332号公報
【特許文献3】
特開平6−40064号公報
【特許文献4】
特開平6−171128号公報
【特許文献5】
特開平7−32631号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記、スクリーン印刷法、ケミカルエッチング処理法、サンドブラスト処理法全てにおいて、第二グレーズ層12を精度良く形成しても、第二グレーズ層12形成後の焼成をする際に、グレーズの流れに差が生じ精度が低下してしまう問題があった。
【0011】
特に第一グレーズ層7端部に第二グレーズ層12を形成する場合、第一グレーズ層7の盛上がりによる第一グレーズ層7の厚み差やグレーズの傾きにより位置精度、先端曲率半径Rの精度、ヒーターピッチ精度が低下していた。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明はこれらに鑑みて行われたもので、セラミック基板上に全面または部分的に第一グレーズ層を有し、該第一グレーズ層上に凸上の第二グレーズ層を備えてなるグレーズド基板において、対向する一対の端面が分割面であり、上記セラミック基板の表面に位置合わせ用のマーカーを形成したことを特徴とする。
【0013】
また、セラミック基板上に全面的又は部分的に第一グレーズ層を有し、該第一グレーズ層状に凸状の第二グレーズ層を備えてなるグレーズド基板の製造方法において端縁部に分割溝を有するセラミック基板上にマーカー形成部を除いてグレーズ層を形成した後、上記分割溝に沿ってセラミック基板とグレーズ層を分割し、上記マーカー形成部のセラミック基板基板上にマーカーを形成する工程を含んだことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を説明する。
【0015】
図1(a)〜(g)に本発明のグレーズド基板1の製造方法を示す。
【0016】
図1(a)に示すように、セラミック基板2の両端部にグレーズダミー部3を形成し、グレーズダミー部3を後で排除する為に、端縁部に分割溝4をレーザーにて形成する。次に図1(b)に示すように、スクリーン印刷等によりセラミック基板2にあらかじめ位置合わせ用のマーカー形成部6の範囲を除いて全面あるいは部分的に第一グレーズ層7を形成する。次に図1(c)に示すように第一グレーズ層7を1200℃〜1300℃の温度で焼成した後、図1(d)に示すように、分割溝4で分割してグレーズダミー部3を排除する。
【0017】
次に図1(e)に示すように、第一グレーズ層7に感光性のレジストフィルム8を熱圧着しガラスマスク9を用いて凸状の第二グレーズ層12と、マーカー形成部6以外の範囲となるセラミック面を感光させ、図1(f)に示すように感光した部分以外のレジストフィルム8を現像液で除去し、第二グレーズ層12とマーカー形成部6の位置合わせマーカー14以外の範囲のみにレジスト膜11を形成する。次に図1(g)に示すように、レジスト膜11によりパターンニングされた第一グレーズ層7の表面をサンドブラストにより砥粒13を吹き付けて、凸状の第二グレーズ層12と凹状の位置合わせ用マーカー6を形成する。次に図1(h)に示すように、第二グレーズ層12の表面に接着しているレジスト膜11を剥離液で除去しガラス軟化点の約+50℃〜+150℃の温度で加熱し、図1(i)に示すように第二グレーズ層12に曲面を形成する。
【0018】
以下、各工程について詳述する。
【0019】
まず図1(a)に示すセラミック基板2の形成方法は、グレーズダミー部3を確保したセラミック基板2の端縁部に分割溝4をレーザーにて形成する
このときのグレーズダミー部3の幅Lは第一グレーズ層7の厚みTによって異なるが、第一グレーズ層7の厚みTが200μmの場合はグレーズダミー部3の幅Lは7mm以上が好ましく、さらに、第一グレーズ層7の厚みTが大きくなれば、第一グレーズ層7の盛上りも大きくなる為グレーズダミー部3の幅Lは広い方が好ましい。
【0020】
また、分割溝4は、第一グレーズ層厚みTが大きくなれば深いほうが好ましい。
【0021】
次に図1(b)に示すようにセラミック基板2にマーカー形成部6の範囲を確保した全面または部分的にグレーズ印刷出来る60#〜200#のステンレスメッシュのスクリーン製版を用いて、ペースト状になったグレーズガラスをスキージで圧力を加えセラミック基板2上に押し出し第一グレーズ層7を印刷する。
【0022】
尚、代表的なガラス組成としては、45〜60重量%SiO2、5〜30重量%BaO、10〜20重量%CaO、5〜10重量%Al2O3、0〜10重量%B2O3のものを用いる。このとき、サーマルプリンターヘッドとして用いられた際の蓄熱性並びに単一時間当たりの印字濃度を高くするためには、焼成後の第一グレーズ層7と第二グレーズ層12のトータルのグレーズ厚みTの好適範囲は約80μm〜約200μmであって、この工程での第一グレーズ層7は次工程の焼成後のグレーズ厚みTが前記範囲となるように形成することが好ましい。
【0023】
図1(c)に示すように、乾燥させた第一グレーズ層7を1200℃〜1300℃の温度で溶融焼成し非晶質化ガラスの状態にした後、図1(d)に示すように分割溝4に沿って分割し、グレーズダミー部3を排除する。これにより、第一グレーズ層7のグレーズ厚みTのバラツキを低減し、第一グレーズ層7の表面形状を安定させることができる。
【0024】
次に図1(e)に示すように、セラミック基板1上の第一グレーズ層7の全面に感光性樹脂のレジストフィルム8を熱圧着し、ガラスマスク9を用いて第二グレーズ層12となる部分とマーカー形成部6の位置合わせマーカー14以外の範囲を感光させる。
【0025】
次に図1(f)に示すように、レジストフィルム8の感光した部分以外を現像液で除去しレジスト膜11によりマスキングされた第一グレーズ層7の表面とマーカー形成部6を残し、図1(g)に示すように、サンドブラストにより砥粒13を吹き付け、レジスト膜11でマスキングされている部分以外を所定の深さ迄研削し、凸状の第二グレーズ層12と凹状の位置合わせ用マーカー14を形成する。この第二グレーズ層12の研削深さは、サーマルプリンターヘッドの用途によっても異なるが通常30μm〜80μm程度であり、放熱性を重視する場合には、研削深さを深くし第一グレーズ層7の厚みを薄くすることが好ましい。
【0026】
また、位置合わせの際の検出を容易にするため、位置あわせ用マーカー14の研削深さは2〜10μmが好ましく、0.3mm〜3mmの幅が好ましい。
【0027】
さらに、位置合わせ用マーカー14の位置については、凸上の第二グレーズ層12に近いほど好ましく、凸上の第二グレーズ層12の延長上に作成することが特に好ましい。
【0028】
次に図1(h)に示すように、第二グレーズ層12とマーカー形成部6の表面に接着しているレジスト膜11を剥離液で除去し、ガラス軟化点の約+50℃〜約+150℃の温度で加熱処理することにより、図1(i)に示すように第二グレーズ層12に所望の曲面をもたせる。
【0029】
加熱処理の条件は、例えばガラス軟化点が850℃の場合には約900℃〜約1000℃の範囲が好ましく、これが900℃未満になるとサンドブラストで切り立った凸形状に曲率を与えるのに必要な温度が不足するために、凸状の第二グレーズ層12の上部が曲面とならず、反対に1000℃を超すと凸状の第二グレーズ層12の曲率が大きくなるか或いは第一グレーズ層7に溶け込んで無くなる場合もある。
【0030】
以上のように本発明による方法では、サンドブラスト処理法であるためレジスト膜11を厚く形成する必要がないことから、露光法によるパターンマスキングの手法をとることができ、これによってレジスト膜11を高精度に形成できる事で第二グレーズ層12の寸法精度も高精度に形成できるとともに、第一グレーズ層7の盛り上がりを排除する事で、第一グレース層7の厚みTが安定し、またセラミック基板面上に位置合わせマーカー14を形成する事により、グレーズの流れが影響しない為、第二グレーズ層12形成後の焼成による寸法精度の低下が発生しない。
【0031】
尚、セラミック基板2の材質は、アルミナの他に窒化アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素等でも良くグレーズを形成する主面の表面粗さはRa0.6μm以下程度であれば良い。またグレーズの材料としては、酸化珪素を主体とし、他にアルミニウム、カルシウム、バリウム等の金属酸化物を含むものを用い、第一グレーズ層3をスクリーン印刷後、1200℃〜1300℃の温度で焼成する際に結晶化しなければ良い。
【0032】
【実施例】
(実施例1)
アルミナ含有率96重量%で外辺寸法が290mm×78mm、厚み1.0mmのセラミック基板1に対し、グレーズダミー部3を片側7mm加え、290mm×92mmの外辺寸法にした上グレーズダミー部3を排除するための分割溝4をレーザーにて120μmピッチ、深さ370μmで形成し、位置合わせマーカー14の範囲以外の全面に60#のステンレスメッシュで作製されたスクリーン製版を用いて、組成45〜60重量%SiO2、5〜30重量%BaO、10〜20重量%CaO、5〜10重量%Al2O3、0〜10重量%B2O3系のグレーズガラス(転移点685℃、軟化点845℃)を、スキージで圧力を加えながら焼成後のグレーズ厚みTが200μmとなるようにスクリーン印刷をし、乾燥後にトンネル型連続焼成炉で1200℃で焼成し非晶質化した第一グレーズ層7を形成した後、グレーズダミー部3を分割溝4に沿って排除し外辺寸法290×78mmの基板を形成した。
【0033】
次に、この第一グレーズ層7上全面に感光性樹脂であるポリウレタン樹脂系のレジストフィルム8を熱圧着し、凸状の第二グレーズ層12との形成部分と位置合わせマーカー6以外の範囲となるマーカー形成部6の部分を感光させるためのガラスマスク9を介し露光を行い、感光した部分以外を剥離液で除去し第二グレーズ層12を形成する部分と位置合わせマーカー14以外の範囲となるマーカー形成部6の部分をレジスト膜11でマスキングした。
【0034】
このガラスマスク9のパターン寸法精度は2μm以内のものを用い、またサンドフラスト処理の砥粒13の材質はAl2O3含有率35重量%で他SiO2、ZrO2等を含む研磨材からなり、不特定形状で800#の砥粒9を0.17KPaの空気で吹き付け第一グレーズ層7を55μm研削し凸状の第二グレーズ層12と位置合わせマーカー14を形成した。
【0035】
このサンドブラスト処理後、最高温度約950℃−10分間保持の温度プロファイルでIN−OUT2時間で加熱処理を施し、上部に所定の曲率を有する第二グレーズ層12を形成した。
【0036】
また比較例として、外辺寸法290×78mm、位置合わせマーカー14をグレーズ上に形成し、他は本発明実施例と同条件で凸状の第二グレーズ層12を形成した。
【0037】
尚、本発明の実施例、比較例共、第二グレーズ層12の位置はセラミック基板の端部からそれぞれ3mm、27mm、51mm、75mm、位置合わせ用マーカー14はセラミック基板の端部から15mmの場所に形成した。
【0038】
本発明実施例のグレーズド基板1について試料数3個、比較例についても試料数3個の第二グレーズ層12のヒーターピッチ、先端曲率半径Rの寸法値、また位置ズレについては、位置合わせ用マーカー14から3mm、27mmの第二グレーズ層12までの位置ズレについて測定をした。
【0039】
グレーズド基板1のヒーターピッチの測定値を表1に先端曲率半径R測定値を表2に、位置合わせ用マーカー6と第二グレーズ層12の位置ズレの測定値を表3に各々示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
この結果から解るように、寸法精度は比較例に比べ、本発明実施例は寸法精度が向上している。これは、比較例が第一グレーズ層7のグレーズ盛上り部に第二グレーズ層7が形成され、厚みのバラツキが大きく、グレーズ盛上り部の形状が平坦部と比較し、傾いているためである。また、位置精度については焼成による第二グレーズ層12のガラスの流れと、位置合わせ用マーカー6のガラス流れの差が位置精度を低下させた原因である。
【0044】
これに対し、本発明のグレーズド基板は寸法精度が低下する事は無かった。これは、第一グレーズ層7の盛上り部を排除することで第一グレーズ層7の厚みの差を減らし、セラミック基板上に位置合わせ用マーカー14を形成することで、位置合わせ用マーカー14のガラスの流れによる位置精度の差を少なくした為である。
【0045】
このことから、第一グレーズ層7の形状、厚み差、ガラスの流れ差により第二グレーズ層12の寸法精度の低下が発生しやすい問題があることが解る。
【0046】
したがって、セラミック基板2にグレーズダミー部3を形成し、第一グレーズ層7形成後にグレーズダミー部3を排除する事で、第一グレーズ層7の形状、厚み差を低減させ、さらに基板上に位置合わせ用マーカー14を形成する事でガラスの流れの差を低減させる事は第二グレーズ層12の寸法精度を向上させるといえる。
【0047】
実施例1の測定条件は下記の通りである。
【0048】
(1)ヒーターピッチ、位置ズレの測定方法
図2に示すように工具顕微鏡を用いて、ヒーターピッチについては第二グレーズ層12頂部から各々の第二グレーズ層12頂部までの距離をまた、位置ズレについては図3に示すように位置合わせ用マーカー14から第二グレーズ層12頂部までの距離を測定した。
【0049】
(2)先端曲率半径R
接触式表面粗さ計(小坂研究所(株)製SE−2300型)で第二グレーズ層12の表面を、図4に示す矢印方向のように横断するように表面形状15の測定を行う。 測定条件は触針径5μm90°/4mNダイヤモンド、カットオフモードはR+W、測定スピード0.5mm/Sec、測定倍率は縦2000倍で横200倍である。
【0050】
図5に示すように、この表面形状15の測定チャートより頂点16から垂線を引き当該パターン幅CをC1としその高さをhとしたとき、先端曲率半径Rは下記の計算式で求める。
【0051】
先端曲率半径R={(C1)2/(8×h)}+(h/2)
尚、この高さhはサーマルプリンターヘッドの業界で慣用となっている0.015mmを用いる。
【0052】
【発明の効果】
本発明のグレーズド基板の製造方法によれば、セラミック基板上に全面または部分的に第一グレーズ層を有し、第一グレーズ層上に凸状の第二グレーズ層を備えるグレーズド基板において、対向する一対の端面が分割面とし、グレーズ層を位置合わせマーカー部以外に形成した後、分割溝に沿ってセラミック基板とグレーズ層を分割し、上記セラミック基板の表面に位置合わせ様のマーカーを形成することで、第二グレーズ層の寸法精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(i)は本発明のグレーズド基板の製造方法を示す図である。
【図2】本発明実施例におけるグレーズド基板のヒーターピッチの測定法を示す断面図である。
【図3】本発明実施例における位置ズレの測定法を示す図である。
【図4】本発明実施例における先端曲率半径の測定方法を示す断面図である。
【図5】本発明実施例における表面形状の測定チャートの模式図である。
【図6】サーマルプリンターヘッドの断面図である。
【図7】従来のスクリーン印刷法の製造方法を示す図である。
【図8】従来のケミカルエッチング処理法によるグレーズド基板の製造方法を示す図である。
【図9】従来のサンドブラスト処理法によるグレーズド基板の製造方法を示す図である。
【符号の説明】
1:グレーズド基板
2:セラミック基板
3:グレーズダミー部
4:分割溝
6:マーカー形成部
7:第一グレーズ層
8:レジストフィルム
9:ガラスマスク
11:レジスト膜
12:第二グレーズ層
12a〜12d:第二グレーズ層頂部
13:砥粒
14:位置合わせ用マーカー
15:表面形状
17:サーマルプリンターヘッド
18:発熱抵抗体層
19:電極層
20:保護膜層
L:グレーズダミー幅
R:先端曲率半径
T:グレーズ厚み
Claims (2)
- セラミック基板上に全面又は部分的に第一グレーズ層を有し、該第一グレーズ層上に凸状の第二グレーズ層を備えてなるグレーズド基板において、対向する一対の端面が分割面であり、上記セラミック基板の表面に位置合わせ用のマーカーを形成したことを特徴とするグレーズド基板。
- セラミック基板上に全面又は部分的に第一グレーズ層を有し、該第一グレーズ層上に凸状の第二グレーズ層を備えてなるグレーズド基板の製造方法であって、端縁部に分割溝を有するセラミック基板上にマーカー形成部を除いてグレーズ層を形成した後、上記分割溝に沿ってセラミック基板とグレーズ層を分割し、上記マーカー形成部のセラミック基板上にマーカーを形成する工程を含むグレーズド基板の製造方法。
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