JP2007228360A - 高周波モジュールおよび無線通信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】消費電力の無駄を削減することで、エンドユーザーによる充電池の充電回数を削減することのできる高周波モジュールおよび無線通信装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の高周波モジュールは、送信用フィルタ31および受信用フィルタ32を含むアンテナ共用器3と、送信用フィルタ31に接続される送信系回路と、受信用フィルタ32に接続される受信系回路とを具備する高周波モジュールであって、送信用フィルタ31にはグランドに接続されたキャパシタ35が開閉自在なスイッチ34を介して接続されるとともに、受信系回路には受信電力検出手段4が接続されており、受信電力検出手段4で検出された受信電力に応じてスイッチ34が開閉するようになっていることを特徴とするものである。
【選択図】図2
【解決手段】本発明の高周波モジュールは、送信用フィルタ31および受信用フィルタ32を含むアンテナ共用器3と、送信用フィルタ31に接続される送信系回路と、受信用フィルタ32に接続される受信系回路とを具備する高周波モジュールであって、送信用フィルタ31にはグランドに接続されたキャパシタ35が開閉自在なスイッチ34を介して接続されるとともに、受信系回路には受信電力検出手段4が接続されており、受信電力検出手段4で検出された受信電力に応じてスイッチ34が開閉するようになっていることを特徴とするものである。
【選択図】図2
Description
本発明は、携帯型情報端末機、携帯電話等の電子通信機器・電子通信装置等に用いられる高周波モジュールに関し、特にCDMA方式の端末装置に使用される高周波電力増幅回路、高周波フィルタ回路、高周波アンテナ共用器などを一体構成した小型・高性能かつ低価格な高周波モジュール及びこれを内部に搭載した無線通信装置に関するものである。
一般に、高周波モジュールは、図7の一点鎖線で囲まれる領域に示されるような回路構成を有している(例えば特許文献1参照)。図7において、101は送信信号入力端子、102は送信フィルタ(バンドパスフィルタ)、103は電力増幅回路、104はアンテナ共用器、105はアンテナ接続端子、106は受信信号出力端子であり、これらがモジュール基板上に搭載またはモジュール基板の表面もしくは内部に形成されてなるものである。このような高周波モジュールは、無線通信装置の回路基板上で、アンテナ接続端子105にはアンテナ107が接続されて使用され、また、受信信号出力端子106には入力整合回路を介してローノイズアンプが接続されて使用される。
送信信号入力端子101から入力された送信信号は、送信フィルタ102で受信感度を劣化させないよう、送信信号に含まれる不要成分を除去され、電力増幅回路103で信号増幅される。そして、増幅された送信信号は、アンテナ共用器104およびアンテナ接続端子105を経てアンテナ107から空中へ放射されるようになっている。
一方、アンテナ107から入力された受信信号は、アンテナ接続端子105およびアンテナ共用器104を経て、受信信号出力端子106から出力される。そして、受信信号出力端子106から出力された受信信号は、入力整合回路を介してローノイズアンプへ入力され、その後、復調機能をもつ受信回路へ入力され、携帯電話の場合は音声として出力されるようになっている。
特開2005−123909
例えば、CDMA方式の携帯電話システムでは、携帯電話の出力電力は基地局での受信電力が一定になるように制御される。つまり、携帯電話と基地局までの距離に応じて携帯電話の出力電力は制御される。ここで、携帯電話が基地局から離れたところにいる場合、携帯電話からの送信電力は大きくなるため、電力増幅回路から発生している受信周波数帯のノイズも大きくなる。アンテナ共用器の送信用フィルタの特性において、このノイズを減衰させなければならないため、大きな減衰特性が要求される。
一方、携帯電話が基地局に近いところにいる場合、携帯電話からの送信電力は小さいため、電力増幅回路から発生している受信周波数帯のノイズも小さい。したがって、アンテナ共用器の送信用フィルタの特性において、このノイズを減衰させる特性は小さくても良い。しかしながら、送信用フィルタの特性は一定であるから、携帯電話が基地局から近い場合は、オーバースペックの状態で使用されており、これにより消費電力の無駄が生じていた。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、消費電力の無駄を削減することで、エンドユーザーによる充電池の充電回数を削減することのできる高周波モジュールおよび無線通信装置を提供することを目的とする。
本発明の高周波モジュールは、アンテナ共用器の送信用フィルタが受信電力または電力増幅回路の動作モード切替信号に応じて特性を変更するようにしたものである。
すなわち本発明は、送信用フィルタおよび受信用フィルタを含むアンテナ共用器と、前記送信用フィルタに接続される送信系回路と、前記受信用フィルタに接続される受信系回路とを具備する高周波モジュールであって、前記送信用フィルタにはグランドに接続されたキャパシタが開閉自在なスイッチを介して接続されるとともに、前記受信系回路には受信電力検出手段が接続されており、該受信電力検出手段で検出された受信電力に応じて前記スイッチが開閉するようになっていることを特徴とする高周波モジュールである。
これにより、携帯電話が基地局に近いところにいる場合は、携帯電話の出力電力は小さいため受信周波数帯のノイズも小さくなり、これを減衰させるためのアンテナ共用器の受信周波数帯の減衰量も少なくてよい。そこで、スイッチを開放して、アンテナ共用器の送信用フィルタの減衰極を通過帯域から離すことで、受信周波数帯の減衰量も少なくなるが、通過帯域のロスを削減することができる。したがって、電力増幅回路が出力する送信電力が削減され、携帯電話としての消費電力が削減できる。
また本発明は、送信用フィルタおよび受信用フィルタを含むアンテナ共用器と、前記送信用フィルタに接続される送信系回路と、前記受信用フィルタに接続される受信系回路とを具備する高周波モジュールであって、前記送信用フィルタにはグランドに接続されたキャパシタが開閉自在なスイッチを介して接続されるとともに、前記送信系回路には動作モード切替機能を有する電力増幅回路が具備されており、前記電力増幅回路に送られる動作モード切替信号に応じて前記スイッチが開閉するようになっていることを特徴とする高周波モジュールである。
このように電力増幅回路に出力電力による動作モード切替機能がある場合は、この動作モード切替信号にてスイッチを制御することにより、受信電力検出手段を具備することなく消費電力を削減することができる。
さらに本発明は、アンテナと、該アンテナに接続される請求項1または請求項2に記載の高周波モジュールと、前記アンテナで送受信される送受信信号を処理するICと、ベースバンド信号を処理するICとを具備する無線通信装置である。これにより、小型かつ優れた特性の無線通信装置を得ることができる。
本発明によれば、基地局の距離に応じて送信電力を変更する無線通信装置において、基地局に近いところにいる場合は、消費電力を削減することができる。特に都市部の人口密集部では、単位面積あたりの基地局の数が多いため、この効果が顕著となる。これにより、エンドユーザーによる充電池の充電回数を減らすことができる。また、ひとつの充電池を長い間使い続けることができるので、環境に配慮した製品を市場に供給できる。
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の高周波モジュールの構成例を示すブロック図であり、図2は本発明の特性を変更することができるアンテナ共用器のブロック図であり、図3は本発明の高周波モジュールの外観斜視図である。
図1は本発明の高周波モジュールの構成例を示すブロック図であり、図2は本発明の特性を変更することができるアンテナ共用器のブロック図であり、図3は本発明の高周波モジュールの外観斜視図である。
本発明の高周波モジュールは、図1の一点鎖線で囲まれる領域に示されるような回路構成を有しており、送信信号入力端子51、送信フィルタ1(バンドパスフィルタ)、電力増幅回路2、アンテナ共用器3、アンテナ接続端子52、受信信号出力端子53および受信電力検出手段4が、図3に示すモジュール基板6上に搭載またはモジュール基板6の表面もしくは内部に形成されてなるものである。なお、図3では、送信信号入力端子51、アンテナ接続端子52および受信信号出力端子53は示していない。
送信信号入力端子51から入力された送信信号は、送信フィルタ1で受信感度を劣化させないよう、送信信号に含まれる不要成分が除去され、電力増幅回路2で増幅される。そして、増幅された送信信号は、アンテナ共用器3およびアンテナ接続端子52を経てアンテナ7から空中へ放射されるようになっている。なお、本発明において送信系回路とは、送信信号入力端子51からアンテナ共用器3までの経路のことをいう。
一方、アンテナ7から入力された受信信号は、アンテナ接続端子52およびアンテナ共用器3を経て、受信信号出力端子53から出力される。そして、受信信号出力端子53から出力された受信信号は、入力整合回路(図示しない)を介してローノイズアンプ(図示しない)へ入力され、その後、復調機能をもつ受信回路(図示しない)へ入力され、携帯電話の場合は音声として出力されるようになっている。なお、本発明において受信系回路とは、アンテナ共用器3から受信信号出力端子までの経路のことをいう。
アンテナ共用器3は、送信用フィルタ31(TXフィルタ)、受信用フィルタ32(RXフィルタ)及びこれらの整合回路33を含む回路であり、これらのフィルタの方式は限定されないが、例えば、誘電体からなるモジュール基板6上に設けられた弾性表面波(SAW)素子により構成されることが好ましい。これにより、高周波モジュールの小型化を実現できる。また、弾性表面波素子に代えて、BAW(Bulk Acoustic Wave)素子で構成すれば、小型化と耐電力の維持を両立できる。
電力増幅回路2の構成は、限定されないが、好ましくは、高周波信号を増幅する機能を持ち、小型化、高効率化を図るためにGaAsHBT(ガリウム砒素ヘテロジャンクションバイポーラトランジスタ)構造、又はP−HEMT(Pseudomorphic High Electoron Mobility Transistor)構造のGaAsトランジスタやシリコントランジスタを含む半導体素子とこの半導体素子に電源を供給するバイアス回路と負荷との整合をとるための出力整合回路で形成されている。このバイアス回路と出力整合回路は、モジュール基板6に内層するのが、小型化のために好ましい。
送信フィルタ1は、アンテナ共用器3と同様、例えば、誘電体上に形成されたSAW素子により構成されることが好ましい。これにより、高周波モジュールの小型化を実現できる。また、弾性表面波素子に代えて、BAW素子で構成してもよい。
そして、送信用フィルタ31には、グランドに接続されたキャパシタ35が開閉自在なスイッチ34を介して接続されている。このスイッチ34は、送信用フィルタ31の減衰極を形成する共振器に並列に接続されている。スイッチ34は、送信用フィルタ31がSAW素子により構成された場合には、モジュール基板6の上に半導体素子を実装することで機能を実現することが望ましく、送信用フィルタ31がBAW素子により構成された場合には、送信用フィルタ31内部にMEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を用いたスイッチを形成することが望ましい。また、送信用フィルタ31の特性を変更するためのキャパシタ35は、送信用フィルタ31内部で形成するのが望ましいが、必要とするキャパシタンス値が大きい場合は、モジュール基板6の内層での形成やモジュール基板6上にチップコンデンサを実装することで形成しても良い。
また、受信系回路である受信信号出力端子53とアンテナ共用器3との間には、受信電力検出手段4が接続されている。この受信電力検出手段4としては、半導体素子を使用して、受信電力に応じた電圧を出力させる手段や、ダイオードの整流作用を利用して、受信電力に応じた電圧を出力させる手段がある。この受信電力検出手段4から出力される電圧に応じてスイッチ34は開閉される。
なお、これらの素子を搭載または表面もしくは内部に形成するモジュール基板6は、誘電体層を複数層積層してなる誘電体基板と、その表面や内部に導体からなる配線導体層が形成されてなるものである。例えば、ガラスエポキシ樹脂などの有機系誘電体基板に対して、銅箔などの導体によって配線導体層を形成し、積層して熱硬化させたもの、または、セラミック材料などの無機系誘電体基板グリーンシートに種々の配線導体層を形成し、これらを積層後同時に焼成したものが用いられる。
モジュール基板1を構成する誘電体材料としては、セラミック等が挙げられ、特に限定されるものではない。ただし、ガラス粉末、あるいはガラス粉末とセラミックフィラー粉末との混合物を焼成してなるガラスセラミック焼結体からなることによって、電極、配線導体層、ビア導体などをCu、Ag、Au、Ni、Pt、Pd又はそれらの混合物などを使用することが可能である。ここで用いられるガラス成分としては、少なくともSiO2を含み、Al2O3、B2O3、ZnO、PbO、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属酸化物のうちの少なくとも1種を含有したものであって、例えば、SiO2−B2O3系、SiO2−B2O3−Al2O3系−MO系(但し、MはCa、Sr、Mg、BaまたはZnを示す)等のホウケイ酸ガラス、アルカリ珪酸ガラス、Ba系ガラス、Pb系ガラス、Bi系ガラス等が挙げられる。これらのガラスは、焼成によって結晶が析出する結晶化ガラスであることが基板強度を高める上で望ましい。また、セラミックフィラーとしては、クォーツ、クリストバライト等のSiO2や、Al2O3、ZrO2、ムライト、フォルステライト、エンスタタイト、スピネル、マグネシア等が好適に用いられる。上記ガラス成分およびフィラー成分は、ガラス成分が10〜70重量%、フィラー成分が30〜90重量%の割合からなることが基板強度を高める上で望ましい。
一方、配線導体層は、誘電体基板と同時焼成して形成するために、誘電体基板を形成するセラミック材料の焼成温度に応じて種々組み合わせられる。例えば、セラミック材料が前記(1)の場合、タングステン、モリブデン、マンガン、銅の群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする導体材料が好適に用いられる。セラミック材料が前記(2)(3)の低温焼成セラミック材料を用いる場合、銀、銅、金、アルミニウムの群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする低抵抗導体材料が用いられる。
また、ビアホール導体は、誘電体層に形成した貫通孔にメッキ処理するか、導体ペーストを充填するかして形成される。
特に、セラミック材料を用いれば、セラミック誘電体からなる基板の比誘電率は通常9から25と樹脂基板に比べて高いので、誘電体層を薄くでき、誘電体層に内層された回路の素子のサイズを小さくでき、素子間距離も狭くすることができる。
とりわけ、ガラスセラミックスなどの低温で焼成が可能なセラミック材料を用いると、前述したように、導体パターンを低抵抗の銅、銀などによって形成することができるので望ましい。
送信フィルタ1、電力増幅回路2、アンテナ共用器3、受信電力検出手段4などをモジュール基板6上に搭載またはモジュール基板6の表面もしくは内部に形成した後、全体を樹脂封止して構成すれば、樹脂封止してなる高周波モジュールが完成する。
本発明の高周波モジュールの動作を、CDMA方式の携帯電話に搭載した例で、図4(a)に示す送信用フィルタの送信−アンテナ間の周波数特性と、図4(b)に示す電力増幅回路の出力電力と消費電流の関係を用いて説明する。
CDMA方式の携帯電話システムでは、携帯電話の出力電力は、基地局での受信電力が一定になるように制御される。つまり、携帯電話と基地局までの距離に応じて携帯電話の出力電力は制御される。例えば、携帯電話が基地局から遠く離れたところにいる場合、携帯電話での携帯電話からの送信電力は最大23dBmと大きくなるため、電力増幅回路の出力電力は約28dBmとなり、受信周波数帯のノイズも約−140dBm/Hzと大きくなる。アンテナ共用器の送信用フィルタの特性では、このノイズを減衰させなければならないため、40〜45dBの大きな減衰特性が要求される。
一方、携帯電話が基地局に近いところにいる場合、携帯電話からの送信電力は例えば13dBmと小さくなり、これに伴い電力増幅回路の出力電力は約18dBmとなり、受信周波数帯のノイズも約−150dBm/Hzに小さくなる。したがって、アンテナ共用器の送信用フィルタ特性のこのノイズを減衰させる特性は、35〜40dBと小さくても良い。しかし、現状のアンテナ共用器は、受信電力に応じて特性を変更する手段を備えておらず、基地局から近い場合は、オーバースペックの状態で使用されていた。
本発明は、この状況に着目し、携帯電話が基地局に近いところにいる場合、例えば、受信電力検出手段4の受信電力が−89dBm以上の場合は、スイッチ34を開放して、送信用フィルタ31から一方電極がグランドに接続され他方電極がスイッチ34に接続されたキャパシタ35を切り離す。これにより、減衰極を形成する共振器のキャパシタンスが減り、共振周波数が上がることで減衰極fpの周波数が上がる。周波数特性で説明すると、図4(a)に示している送信用フィルタ31の周波数特性を、実線から点線へ、すなわち減衰極fpを通過帯域から離す(減衰極fpの周波数を上げる)ことで、通過帯域のロスを約2dB削減する。これにより、電力増幅回路2の出力すべき送信電力が18dBmから16dBmに減少する。図4(b)に示す電力増幅回路の出力電力と消費電流の関係より、消費電流が約30mA削減することができるため、携帯電話としての消費電力が削減できる。
一方、携帯電話が基地局から遠いところにいる場合、例えば、受信電力検出手段4の受信電力が−89dBm未満の場合は、スイッチ35は接続状態とし、減衰極を形成する共振器に一方電極がグランドに接続され他方電極がスイッチ34に接続されたキャパシタ35を接続する。これにより、減衰極を形成する共振器のキャパシタンスが増え、図4(a)に示している送信用フィルタ31の周波数特性を、点線から実線へ、すなわち減衰極fpを通過帯域に近づける(減衰極fpの周波数を下げる)ことで、受信帯域においては40〜45dBの大きな減衰特性を得られる。
なお、上述の説明においては、−89dBmを境界としてスイッチ35を切り替えることとしたが、携帯電話においては基地局を中心として受信電力が−104dBmまでの領域をおおよその圏内としており、スイッチ35を圏内のどの位置で切り替えるようにするか、すなわちどの受信電力によって切り替えるようにするかは適宜決定できる。
次に、他の発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
図5および図6に示す発明は、送信用フィルタ31および受信用フィルタ32を含むアンテナ共用器3と、送信用フィルタ31に接続される送信系回路と、受信用フィルタ32に接続される受信系回路とを具備する点や、送信用フィルタ31にグランドに接続されたキャパシタ35が開閉自在なスイッチ34を介して接続される点については、図1および図2に示す発明と共通する。しかし、図5および図6に示す発明は、アンテナ共用器3の特性の制御、すなわち送信用フィルタ31の特性の変更を受信電力検出手段4を用いるのではなく、ベースバンドIC(図示しない)から動作モード制御端子54を介して、動作モード切替機能を有する電力増幅回路2へ入力される制御信号(動作モード切替信号)を用いて、送信用フィルタ31の特性を制御できるようにしたものである。具体的には、電力増幅回路2に送られる動作モード切替信号に応じてスイッチ34が開閉するようになっているものである。
図5および図6に示す発明は、送信用フィルタ31および受信用フィルタ32を含むアンテナ共用器3と、送信用フィルタ31に接続される送信系回路と、受信用フィルタ32に接続される受信系回路とを具備する点や、送信用フィルタ31にグランドに接続されたキャパシタ35が開閉自在なスイッチ34を介して接続される点については、図1および図2に示す発明と共通する。しかし、図5および図6に示す発明は、アンテナ共用器3の特性の制御、すなわち送信用フィルタ31の特性の変更を受信電力検出手段4を用いるのではなく、ベースバンドIC(図示しない)から動作モード制御端子54を介して、動作モード切替機能を有する電力増幅回路2へ入力される制御信号(動作モード切替信号)を用いて、送信用フィルタ31の特性を制御できるようにしたものである。具体的には、電力増幅回路2に送られる動作モード切替信号に応じてスイッチ34が開閉するようになっているものである。
ここで、電力増幅回路2の動作モード切替機能とは、電力増幅回路2の出力電力が小さい場合は、歪みが発生しにくいため消費電流を優先した動作モードに、電力増幅回路2の出力電力が大きい場合は、歪みが発生しやすいため歪み特性を優先した動作モードに切り替える機能のことである。本発明の送信用フィルタ31に接続されるスイッチ34を、消費電流を優先した動作モードにするための動作モード切替信号が入力されたときは開放し、歪み特性を優先した動作モードにするための動作モード切替信号が入力されたときは閉鎖させることで、受信電力検出手段を設けることなく、消費電力を削減することのできる高周波モジュールが得られる。なお、動作モード切替信号の利用に際しては、高周波モジュール内部での引き回しで完結でき、機器設計時における高周波モジュール外の外部回路の配線パターンが増加することもないというメリットも有している。
動作モードを切り替える出力電力値は任意に設定できるが、例えば、電力増幅回路2の出力が16dBm以上の場合は、ハイパワーモードとし、電流を多く流すことで、電力増幅器2の歪みを抑える。このとき、スイッチ34は閉じて、送信用フィルタ31にキャパシタ35が接続され、送信用フィルタ31の送信−アンテナ間の周波数特性は、図4(a)の実線となる。一方、電力増幅回路2の出力が16dBm未満の場合は、ローパワーモードとし、電力増幅器2の歪みは少なくなるので消費電流を抑えるモードとし、スイッチ34を開放して、送信用フィルタ31とキャパシタ35は切り離され、送信用フィルタ31の送信−アンテナ間の周波数特性は、図4(a)の点線となる。これにより、送信用フィルタ31の通過帯域のロスが削減し、電力増幅回路2へ要求される出力電力が削減するため、電力増幅回路2の消費電流が削減し、携帯電話の消費電力を削減できる。
なお、本発明としては、電力増幅回路2とアンテナ共用器3との間にアイソレータを接続し、電力増幅回路2の負荷変動による特性変化の影響を小さくした場合にも適用できる。その他、本発明としては送信フィルタ1を含まない構成なども採用でき、本実施形態に限定されず、本発明の範囲内で種々の変更を施すことが可能である。さらに本発明は、受信電力に応じて電力増幅回路のバイアスを調整する手段と併用することも可能である。
これまで述べた高周波モジュールは、300MHz以上の高周波に対応することを想定しており、アンテナ7と、アンテナ7で送受信される送受信信号を処理するICとしてのRFIC(図示しない)と、ベースバンド信号を処理するICとしてのベースバンドIC(図示しない)とを具備する無線通信装置、特に携帯電話に適用することで、小型化を図ることができる。なお、本発明において、RFICとベースバンドICとは一体に形成されていてもよい。
1 送信フィルタ
2 電力増幅回路
3 アンテナ共用器
31 送信用フィルタ
32 受信用フィルタ
33 整合回路
34 スイッチ
35 キャパシタ
4 受信電力検出手段
51 送信信号入力端子
52 アンテナ接続端子
53 受信信号出力端子
54 動作モード制御端子
6 モジュール基板
7 アンテナ
2 電力増幅回路
3 アンテナ共用器
31 送信用フィルタ
32 受信用フィルタ
33 整合回路
34 スイッチ
35 キャパシタ
4 受信電力検出手段
51 送信信号入力端子
52 アンテナ接続端子
53 受信信号出力端子
54 動作モード制御端子
6 モジュール基板
7 アンテナ
Claims (3)
- 送信用フィルタおよび受信用フィルタを含むアンテナ共用器と、前記送信用フィルタに接続される送信系回路と、前記受信用フィルタに接続される受信系回路とを具備する高周波モジュールであって、
前記送信用フィルタにはグランドに接続されたキャパシタが開閉自在なスイッチを介して接続されるとともに、前記受信系回路には受信電力検出手段が接続されており、
該受信電力検出手段で検出された受信電力に応じて前記スイッチが開閉するようになっていることを特徴とする高周波モジュール。 - 送信用フィルタおよび受信用フィルタを含むアンテナ共用器と、前記送信用フィルタに接続される送信系回路と、前記受信用フィルタに接続される受信系回路とを具備する高周波モジュールであって、
前記送信用フィルタにはグランドに接続されたキャパシタが開閉自在なスイッチを介して接続されるとともに、前記送信系回路には動作モード切替機能を有する電力増幅回路が具備されており、
前記電力増幅回路に送られる動作モード切替信号に応じて前記スイッチが開閉するようになっていることを特徴とする高周波モジュール。 - アンテナと、該アンテナに接続される請求項1または請求項2に記載の高周波モジュールと、前記アンテナで送受信される送受信信号を処理するICと、ベースバンド信号を処理するICとを具備する無線通信装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012507885A (ja) * | 2008-05-30 | 2012-03-29 | クゥアルコム・インコーポレイテッド | 減少された電力消費送信機 |
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