以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の第1の実施形態にかかる部品装着装置用の部品装着ヘッドの一例として、ヘッド部101の斜視図を図1に示す。
図1に示すように、ヘッド部101は、部品の一例として電子部品2を吸着保持可能な部品保持部材の一例である吸着ノズル1を複数備えられた第1サブヘッド及び第2サブヘッドの一例であるサブヘッド3を3個備えている。また、各サブヘッド3において備えられている各吸着ノズル1は、夫々のサブヘッド3の回転中心であるサブヘッド回転中心R回りに回転移動可能となっている。さらに、各サブヘッド3は、夫々が備える各吸着ノズル3を上記サブヘッド回転中心R回りに回転移動させる回転機構の一例であるノズル回転機構10と、夫々が備える各吸着ノズル1より昇降動作を行わせる吸着ノズル1を選択する選択機構の一例であるノズル選択機構40と、ノズル選択機構40により選択された吸着ノズル1のみを昇降動作させる昇降機構の一例であるノズル昇降機構20とを個別に備えている。また、ノズル回転機構10、ノズル選択機構40、及びノズル昇降機構20とが備えられた各サブヘッド3は、ヘッドフレーム5に固定されており、これにより各サブヘッド3はヘッド部101として一体と構成されている。
次に、このような構成のヘッド部101を備える部品供給装置の一例として、電子部品供給装置102の模式的な斜視図を図2に示す。
図2に示すように、電子部品装着装置102は、ヘッド部101を2個備えている。また、電子部品装着装置102は、夫々のヘッド部101を電子部品装着装置102の機台に沿った方向である図示X軸方向又はY軸方向に移動させるXYロボット8と、電子部品装着装置102における機台上の図示Y軸方向における対向する両端部に夫々設けられ、複数の電子部品2を供給可能に収納している部品供給部の一例である複数のパーツカセット6と、電子部品装着装置102の機台上の中央付近に、電子部品2が装着される回路形成体の一例である回路基板4を解除可能に固定するステージ7とを備えている。ここで、回路形成体とは、樹脂基板、紙−フェノール基板、セラミック基板、ガラス・エポキシ(ガラエポ)基板、フィルム基板などの回路基板、単層基板若しくは多層基板などの回路基板、部品、筐体、又は、フレームなど、回路が形成されている対象物を意味する。なお、図2において、図示X軸方向とY軸方向とは、互いに直交している。
XYロボット8は、電子部品装着装置102における機台上の対向する端部のうちの上記パーツカセット6が備えられていない方の両端部、つまり、図示X軸方向における両端部の夫々に、角柱状の剛体で門型に形成されたY軸ロボット8a、及び各Y軸ロボット8aに梁状の両端を支持されて、各Y軸ロボット8aにより図示Y軸方向に個別に進退移動可能な2つのX軸ロボット8bを備えており、ヘッド部101は、X軸ロボット8b上を図示X軸方向に進退移動可能に、夫々のX軸ロボット8bに取り付けられている。
また、各パーツカセット6は、部品供給位置6aにおいて電子部品2を供給可能となっており、部品供給位置6aが一定の間隔である配列間隔Pでもって、図示X軸方向と平行に一列に配列されるように各パーツカセット6が上記機台上の上記両端部の夫々に設置されている。
また、電子部品装着装置102は、吸着ノズル1により吸着保持された電子部品2の画像を撮像することにより、電子部品2の吸着姿勢を認識可能な撮像装置30を2個備えている。撮像装置30は、その撮像方向を上向きとして、各パーツカセット6とステージ7との間における上記機台上に夫々設置されており、XYロボット8によるヘッド部101の移動により、電子部品2を吸着保持した吸着ノズル1を備えるサブヘッド3が、撮像装置30の上方を通過するように移動されて、この通過の際に電子部品2の画像が撮像され、撮像された画像により電子部品2の吸着姿勢が認識される。
また、電子部品装着装置102は、各ヘッド部101、XYロボット8、撮像装置30、及び各パーツカセット6における夫々の動作を制御する制御部9を備えている。また、撮像装置30により撮像された画像による電子部品2の吸着姿勢は制御部9により認識される。
次に、このような構成の電子部品装着装置102が備えるヘッド部101における吸着ノズル1の配置について説明する。
図3は、ヘッド部101における吸着ノズル1の平面的な配置を示す配置図である。図3に示すように、ヘッド部101は3個のサブヘッド3を夫々のサブヘッド回転中心Rが図示X軸方向沿いに一列となるように備えており、各サブヘッド3は6本の吸着ノズル1を備えている。各サブヘッド3において、吸着ノズル1は、サブヘッド回転中心R回りのその円周上に均等な間隔でもって配列、つまり、上記サブヘッド回転中心Rに対して平面的に点対称に6本の吸着ノズル1が配置されている。また、吸着ノズル1が配置される上記円周の直径は、パーツカセット6における配列間隔Pの整数倍の間隔の一例として、配列間隔Pと同じ寸法となっている。また、各サブヘッド3は、夫々の上記サブヘッド回転中心Rの軸の配列間隔を上記パーツカセット6における配列間隔Pの2以上の整数倍の間隔の一例として、配列間隔Pの2倍の間隔でもって一列に、かつパーツカセット6の配列方向と略平行に、すなわち、図示X軸方向と略平行に配列されている。
これにより、図3に示すように、サブヘッド3における夫々のサブヘッド回転中心Rを結ぶ線上においては、サブヘッド3毎に2本ずつの吸着ノズル1、つまり、ヘッド部101における合計6本の吸着ノズル1を同時に配置することが可能となっており、これら6本の吸着ノズル1の夫々の配列間隔は、配列間隔Pとすることができる。
また、ヘッド部101においては、全ての吸着ノズル1が同じ種類の吸着ノズル1であってもよいし、又は、サブヘッド3毎に異なる種類の吸着ノズル1が備えられている場合であってもよい。また、各サブヘッド3において、上記サブヘッド回転中心Rに対して点対称に配置された吸着ノズル1が、夫々同じ種類の吸着ノズル1である場合であってもよい。
次に、ヘッド部101が備える各サブヘッド3の構造について詳細に説明する。
図1に示すように、大略角筒形状のヘッドフレーム5は、3個のサブヘッド3を上下方向に貫通させるように支持している。図4はこの3個のサブヘッド3のうちの1個のサブヘッド3がヘッドフレーム5に支持された状態の縦断面図であり、さらに、図4の部分拡大図を図21に示す。図4に示すように、サブヘッド3の下部において、各吸着ノズル1が軸状の各ノズルシャフト11の下端に、吸着ノズル1の中心がノズルシャフト11の軸芯と一致するように、1対1に着脱可能に固定されている。また、各ノズルシャフト11は、図3において説明した各吸着ノズル1の配列に従って平面的に配列されながら、各吸着ノズル1のサブヘッド回転中心Rをその中心とする円柱状のノズルホルダー12により、支持されて取り付けられている。また、各ノズルシャフト11は、ノズルホルダー12の上下両面を貫通しており、ノズルホルダー12内にて昇降可能となっている。また、ノズルホルダー12は、その中心をホルダー回転中心として回転可能にヘッドフレーム5の下部内側に固定された軸受け12aにより支持されている。
また、ノズルホルダー12の図示左側には、6個の吸装着用バルブ51がヘッドフレーム5の外側に上下方向に一列に連ねられて固定されており、各吸装着バルブ51はヘッド部101に備えられた真空吸引装置50に導圧管で接続されている。また、吸装着用バルブ51は吸着ノズル1と一対一に対応されており、夫々の吸装着用バルブ51から夫々に対応する吸着ノズル1の先端部まで、個別に一連の導圧経路が形成されている。これら夫々の導圧経路は、吸装着用バルブ51からヘッドフレーム5の図示左下側部を横方向に貫通するように形成された導圧管路と、ヘッドフレーム5の内側部分におけるこの導圧管路の貫通高さ位置に合致するようにノズルホルダー12の外周全体に形成された溝部とヘッドフレーム5の内周面で囲まれた部分と、上記溝部からノズルホルダー12におけるノズルシャフト11の貫通部分ノズルホルダー12の外周面から夫々のノズルシャフト11の貫通部分の内周面まで貫通するように形成された導圧管路と、この導圧管路と連なるようにノズルシャフト11内部の軸心部分に形成された導圧管路により構成されている。これにより、ノズルホルダー12がその回転移動によりホルダー回転中心回りの任意の位置に位置された場合においても、上記導圧経路は保持される構造となっている。
また、6個の吸装着用バルブ51は、制御部9により個別に開閉動作が可能となっており、吸装着用バルブ51が開動作されたときは、開動作された吸装着用バルブ51から対応する吸着ノズル1の先端部までの上記導圧経路と、上記吸装着バルブ51から真空吸引装置50までの上記導圧管が通じた状態とされるため、上記吸着ノズル1による電子部品2の吸着保持を行うことができる。また、吸装着用バルブ51が閉動作されたときは、閉動作された吸装着用バルブ51から対応する吸着ノズル1の先端部までの上記導圧経路と、上記吸装着バルブ51から真空吸引装置50までの上記導圧管が、閉動作された吸装着用バルブ51において遮断された状態とされるため、上記吸着ノズル1による電子部品2の吸着保持の解除を行うことができる。従って、サブヘッド3が備える6本の吸着ノズル1のうちの1又は複数の任意の吸着ノズル1により電子部品2の吸着保持又は吸着保持解除を個別に行うことが可能となっている。
また、ヘッドフレーム5の上面外側には、ノズル回転機構10における駆動部の一例である回転用モータ15がその駆動軸15aを下向きとして固定されており、回転用モータ15がヘッド部101における最上部となっている。また、回転用モータ15の駆動軸15aと一体的に回転するように駆動軸15aの下方先端部に軸状のスプラインシャフト13が固定されている。また、スプラインシャフト13の下部は、ノズルホルダー12の上部中央に固定されており、ノズルホルダー12のホルダー回転中心は、スプラインシャフト13の中心と、及び回転用モータ15の駆動軸15aの回転中心と同じとなっている。これにより、ノズル回転駆動機構10において、回転用モータ15の駆動軸15aが正逆回転駆動されることによりスプラインシャフト13が正逆回転されて、スプラインシャフト13が正逆回転されることによりノズルホルダー12がホルダー回転中心回りに正逆回転され、ノズルホルダー12に支持されている各吸着ノズル1のサブヘッド回転中心R回りの正逆回転が可能となっている。なお、ノズル回転機構10における駆動部がサブヘッド3毎に備えられた回転用モータ15である場合に代えて、ヘッド部101において回転用モータを1つ備え、上記1つの回転用モータにより各サブヘッド3におけるスプラインシャフト13の回転を伝達可能となっている場合であってもよい。
また、ノズル回転機構10におけるスプラインシャフト13の中央付近には、円筒状及び円盤状の部分を組み合わせて一体に構成されたスプラインナット14が、その円筒状の部分をスプラインシャフト13の外周に沿って昇降可能に、その中心をスプラインシャフト13の回転中心上において取り付けられている。また、スプラインナット14は、その円筒状の部分の周囲における円盤状の上面部分に段部14aが形成されており、段部14aにおいて、各ノズルシャフト11の上部が貫通されており、スプラインナット14は、スプラインナット14の上記貫通部分の内周と各ノズルシャフト11の外周との間に一定の隙間を保ち、互いに接触することなく、各ノズルシャフト11の外周に沿って昇降可能となっている。
次に、サブヘッド3が備える各吸着ノズル1のうちより、ノズル昇降機構20により昇降動作を行わせる吸着ノズル1を選択するノズル選択機構40について説明する。
ノズル選択機構40は、スプラインナット14の上方においてノズルシャフト11を、夫々の軸芯である昇降動作軸上において、昇降動作を行わせる軸状の6個のエアシリンダシャフト25を、個別に昇降動作させるエアシリンダ部28を6個備えており、各エアシリンダ部28はヘッドフレーム5の上部内側に設置されている。また、各エアシリンダ部28は、各エアシリンダシャフト25の上端に固定された円柱状のピストン28bと、円柱状のエアシリンダブロック27の内部に、各ピストン28bの配列に合致するように形成された円筒上のガイド28aにより構成されており、ピストン28bは、対応するガイド28aの内側に配置されかつ夫々のガイド28aの内側に案内されてガイド28a内で昇降可能となっている。
また、エアシリンダブロック27は、その中心部分において、スプラインシャフト13が上下方向に貫通されてスプラインシャフト13に固定されており、スプラインシャフト13の回転中心をその回転中心として、ヘッドフレーム5の上部内側側面に取り付けられた軸受け27aにより回転可能に支持されている。
また、各エアシリンダ部28において、夫々のガイド28aの内面と夫々のピストン28bの上面とで囲まれた加圧空気供給室29に対して圧縮空気が個別に給排気可能となっている。これにより、選択されたエアシリンダ部28において、加圧空気供給室29に圧縮空気が給気されると、その加圧空気供給室29を構成しているピストン28bがガイド28aに沿って下降されることにより、ピストン28bに固定されているエアシリンダシャフト25が、ノズルシャフト11の昇降動作軸に沿って下降されることになる。
ここで、各加圧空気供給室29に対する圧縮空気の給気機構について説明すると、各エアシリンダ部28の図示左側には、6個のノズル選択用バルブ61がヘッドフレーム5の外側に上下方向に一列に連ねられて固定されており、各ノズル選択用バルブ61はヘッド部101に備えられた圧縮空気給気装置60に導圧管で接続されている。また、ノズル選択用バルブ61は加圧空気供給室29と一対一に対応されており、夫々のノズル選択用バルブ61から夫々に対応する加圧空気供給室29まで、個別に一連の導圧経路が形成されている。これら夫々の導圧経路は、ノズル選択用バルブ61からヘッドフレーム5の図示左上側部を横方向に貫通するように形成された導圧管路と、ヘッドフレーム5の内側部分におけるこの導圧管路の貫通高さ位置に合致するようにエアシリンダブロック27の外周全体に形成された溝部とヘッドフレーム5の内周面で囲まれた部分と、上記溝部からエアシリンダブロック27の内部における加圧空気供給室29まで貫通するように形成された導圧管路とにより構成されている。これにより、エアシリンダブロック27がその回転移動により回転中心回りの任意の位置に位置された場合においても、上記導圧経路は保持される構造となっている。
また、6個のノズル選択用バルブ61は、制御部9により個別に開閉動作が可能となっており、ノズル選択用バルブ61が開動作されたときは、開動作されたノズル選択用バルブ61から対応する加圧空気供給室29までの上記導圧経路と、上記ノズル選択用バルブ61から圧縮空気供給室60までの上記導圧管が通じた状態とされるため、上記加圧空気供給室29に圧縮空気を供給することができ、ピストン28bを下降させて、エアシリンダシャフト25を下降させることができる。また、ノズル選択用バルブ61が閉動作されているときは、ノズル選択用バルブ61から対応する加圧空気供給室29までの上記導圧経路と、上記ノズル選択用バルブ61から圧縮空気供給室60までの上記導圧管が、閉動作されたノズル選択用バルブ61において遮断された状態とされるため、上記加圧空気供給室29への圧縮空気の供給は行われない。従って、サブヘッド3が備える6個のエアシリンダ部28のうちの1又は複数の任意のエアシリンダ部28における加圧空気供給室29への圧縮空気の給気動作を個別に行うことが可能となっている。
また、ノズルシャフト11は、夫々の上端部の周部に形成された円環突起状のばね受部11aの下部とノズルホルダー12の上部とに取り付けられ、かつ夫々のノズルシャフト11の外側に巻きつけるように取り付けられた弾性体の一例である付勢ばね16を介して、ノズルホルダー12の上面により支えられるとともに、各ノズルシャフト11の上端が、各付勢ばね16により上方に付勢されて、夫々のエアシリンダシャフト25の下端部25aに常時当接された状態となっている。なお、各ノズルシャフト11の下部には、その軸径が他の部分よりも大径とされた段部11bが形成されており、これにより、付勢ばね16により上方に付勢されたノズルシャフト11は、段部11bの上面がノズルホルダー12の下面に当接された位置において、ノズルシャフト11の昇降動作の上端位置が制限されている。
また、選択されたエアシリンダ部28によりエアシリンダシャフト25が下降動作された場合においては、そのエアシリンダシャフト25の下端部25aと、エアシリンダシャフト25の下端部25aに当接されているノズルシャフト11の上端と、スプラインナット14の段部14aの上面が同じ高さ位置とされた状態において、夫々が一体的とされた状態とすることができる。このような状態が、サブヘッド3が備える各吸着ノズル1より、昇降動作を行わせる吸着ノズル1がノズル選択機構40により選択された状態であり、この状態においてスプラインナット14を昇降動作させることにより、上記一体とされたノズルシャフト11の昇降動作が、後述するように可能となる。
次に、このスプラインナット14を昇降動作させ、ノズルシャフト11及び吸着ノズル1を昇降動作させるノズル昇降機構20について説明する。
ノズル昇降機構20は、駆動部の一例である昇降用モータ21の正逆回転運動をスプラインナット14の昇降運動へと変換して伝達する機構である。図4に示すように、昇降用モータ21は、その駆動軸21aの回転中心がサブヘッド回転中心Rと略直交するように、駆動軸21aを図示左側として、ヘッドフレーム5の図示右下側面外側に固定されている。
また、図4において、昇降用モータ21の駆動軸21aには、駆動軸21aの回転軸をその回転中心として正逆回転可能な偏芯カム22が取り付けられており、偏芯カム22は、その外周部において、ヘッドフレーム5の内側に取り付けられた軸受け22bにより、上記回転可能に支持されている。偏芯カム22は、その回転中心の軸と平行に偏芯された軸を中心とした偏芯軸22aが偏芯カム22の図示左側面に設けられている。これにより、昇降用モータ21の駆動軸21aが正逆回転駆動されることにより、偏芯カム22が上記回転中心において正逆回転され、偏芯軸22aは偏芯カム22の回転中心回りに偏芯しつつ正逆回転されることとなる。
また、図4において、偏芯カム22の偏芯軸22aは、偏芯カム22の正逆回転運動を昇降運動に変換する昇降用カムフォロア24の下部に、サブヘッド3の配列方向に長い穴形状で形成された長穴部24aにはめ込まれている。偏芯カム22の偏芯軸22a外周には軸受け22cが取り付けられており、長穴部24aは、上下方向に偏芯軸22aの軸受け22c直径と同じ寸法となっており、横方向には、偏芯軸22aの偏芯の回転運動における軸受け22cの左端位置と右端位置との間の寸法よりも僅かに大きな寸法となっている。また、昇降用カムフォロア24は、棒状の上部が上下方向に移動可能なLMレール部24cとして形成されており、このLMレール部24cと合致する凹溝状のLMガイド部23aを備えたLMブロック23がヘッドフレームの図示右側内面に固定されている。これにより、LMレール部24cは、LMブロック23における凹溝状のLMガイド部23a内で円滑に上下動可能となっている。
ここで、図4におけるA方向の矢視図として、これらの関係を別の側面から示した図を図5(B)に、図5(B)におけるB方向の断面矢視図を図5(A)に示す。図5(A)及び(B)に示すように、昇降用モータ21により正逆回転された偏芯カム22により、偏芯軸22aが駆動軸21aの回転中心回りに正逆回転されるが、昇降用カムフォロア24における長穴部24a及びLMレール部24cにより、上記偏芯軸22aの回転運動のうちの図示左右方向の運動は伝達されることなく、図示上下方向の運動のみ昇降用カムフォロア24に伝達されることとなる。上記上下方向の運動のみ伝達された昇降用カムフォロア24において、LMブロック23におけるLMガイド部23aに沿ってLMレール部24cが昇降動作され、昇降用カムフォロア24の昇降動作を行うことが可能となっている。
また、偏芯カム22における偏芯軸22aがその正逆回転運動における下端に位置したときに、昇降用カムフォロア24はその昇降動作の下端位置に位置され、偏芯軸22aがその回転運動における上端に位置したときに、昇降用カムフォロア24はその昇降動作の上端位置に位置される。従って、偏芯カム22における偏芯軸22aの軸受け22cの偏芯の回転運動における上端位置と下端位置との間の寸法が、昇降用カムフォロア24の昇降可能動作量となっている。
また、昇降用カムフォロア24は、図4に示すように、その上下方向の中央付近において、スプラインナット14における円盤状の部分の周端部の一部を、上下面から挟み込むように上下方向においてのみ固定するナット駆動部24bを備えている。ナット駆動部24bには、スプラインナット14の周端部における接触部分に軸受け24dが取り付けられており、これにより、ナット駆動部24bにより昇降用カムフォロア24の昇降動作をスプラインナット14の昇降動作に伝達可能となるとともに、スプラインナット14はその回転動作がナット駆動部24bにより制限を受けない。また、昇降用カムフォロア24によるスプラインナット14の昇降動作は、エアシリンダブロック27の下面とノズルホルダー12の上面との間で行われ、エアシリンダブロック27の下面中央部には、スプラインナット14における円筒状の部分の上端が接触しないように、円筒状の凹部が形成されている。
サブヘッド3が備える6本の吸着ノズル1のうちの1本又は複数本の吸着ノズル1の昇降動作を行う場合には、まず、サブヘッド3において昇降動作を行う1本又は複数本の吸着ノズル1が選択され、ノズル選択機構40において、選択された吸着ノズル1に対応するエアシリンダ部28における加圧空気供給室29に圧縮空気が給気される。この結果、選択されたエアシリンダ部28のピストン28b及びエアシリンダシャフト25が下降されて、エアシリンダシャフト25の下端部25aと、この下端部25aに当接されているノズルシャフト11の上端と、スプラインナット14の段部14aの上面とが同じ高さ位置とされた状態において、夫々が一体的な状態とされる。その後、加圧空気供給室29への圧縮空気の給気が停止されて、加圧空気供給室29内の圧力が保持され、この一体的な状態が保たれる。
その後、ノズル昇降機構20における昇降用モータ21の駆動軸21aが正逆方向に回転駆動され、この正逆方向の回転運動が偏芯カム22を介して、昇降用カムフォロア24の昇降動作へと変換されて、昇降用カムフォロア24のナット駆動部24bによりスプラインナット14が昇降動作される。このとき、上記選択された吸着ノズル1に対応するノズルシャフト11のみが、スプラインナット14と一体的な状態とされているため、スプラインナット14の昇降動作により、上記選択された吸着ノズル1に対応するノズルシャフト11が昇降動作されて、上記選択された吸着ノズル1が昇降動作されることとなる。一方、選択されていない吸着ノズル1に対応するノズルシャフト11は、スプラインナット14と一体的な状態とされていない、つまり、選択されていない吸着ノズル1に対応するエアシリンダ部28における加圧空気供給室29に圧縮空気が供給されないため、ノズルシャフト11の上端をエアシリンダシャフト25の下端部25aに付勢している付勢ばね16に打ち勝つようにエアシリンダシャフト25を押し下げることができないため、スプラインナット14が昇降動作された場合には、スプラインナット14が上記ノズルシャフト11に沿って昇降されるのみで、上記ノズルシャフト11は昇降されない。なお、図4において示す2本の吸着ノズル1は、共にノズル選択機構40により選択された状態であり、図6において示す2本の吸着ノズル1のうちの図示右側の吸着ノズル1Rは、ノズル選択機構40により選択されていない吸着ノズル1であり、図示左側の吸着ノズル1Lは選択された状態の吸着ノズル1である。
また、上記選択された吸着ノズル1の昇降動作は、昇降用カムフォロア24によるスプラインナット14の昇降動作により行われるため、昇降用カムフォロア24が昇降動作の上端位置に位置されたとき、すなわち、偏芯カム22における偏芯軸22aの軸受け22cがその偏芯の回転動作の上端に位置したときに、上記吸着ノズル1はその昇降動作の上端位置に位置され、また、昇降用カムフォロア24が昇降動作の下端位置に位置されたとき、すなわち、偏芯カム22における偏芯軸22aの軸受け22cがその偏芯の回転動作の下端に位置したときに、上記吸着ノズル1はその昇降動作の下端位置に位置される。従って、昇降用カムフォロア24の上記昇降可能動作量が、上記選択された吸着ノズル1の昇降動作量となっている。また、偏芯カム22は、昇降用モータ21により正逆回転されるため、上記選択された吸着ノズル1の昇降位置は、昇降用モータ21の正逆回転駆動により決定される。なお、サブヘッド3における吸着ノズル1の選択動作、エアシリンダ部28における圧縮空気の供給動作、及び昇降用モータ21の駆動等の上記各動作は全て制御部9により制御される。
次に、ヘッド部101の各サブヘッド3における吸着ノズル1による電子部品2のパーツカセット6よりの吸着取出動作、及びステージ7上に固定された回路基板4への電子部品2の装着動作について説明する。
まず、吸着ノズル1による電子部品2の吸着取出を行う場合には、図2において、XYロボット8によりヘッド部101を図示X軸方向又はY軸方向に移動させて、ヘッド部101をパーツカセット6の上方へと移動させる。ここで、図6に示すヘッド部101におけるサブヘッド3の断面図において、図示右側の吸着ノズル1を吸着ノズル1R、図示左側の吸着ノズル1を吸着ノズル1Lとし、サブヘッド3が備える各吸着ノズル1を代表してこれら吸着ノズル1R及び1Lについての動作の説明を行う。
図6に示すように、XYロボット8によるヘッド部101の移動動作により、サブヘッド3における吸着ノズル1Lと、電子部品2が吸着取出しされるパーツカセット6の部品供給位置6aとが位置合わせされ、吸着ノズル1Lが部品供給位置6aの上方へと移動される。その後、ノズル選択機構40において吸着ノズル1Lに対応するエアシリンダ部28が選択され、選択されたエアシリンダ部28における加圧空気供給室29に圧縮空気が給気されてエアシリンダシャフト25が下降されて、エアシリンダシャフト25の下端部25aがスプラインナット14の段部14aの上面に当接した後、ノズル昇降機構20によりスプラインナット14が下降されて吸着ノズル1Lが下降される。ここで、吸着ノズル1Lの下降後の停止位置は、吸着ノズル1Lの下方先端がパーツカセット6の部品供給位置6aにおける電子部品2の上面に当接する位置でなければならないが、パーツカセット6に収納されている電子部品2の部品厚さデータが予め制御部9において入力されており、制御部9において、この部品厚さデータに基づいて吸着ノズル1Lの下降量が決められ、この下降量に対応した量だけノズル昇降機構20における昇降用モータ21が回転駆動されて、吸着ノズル1Lを上記下降量だけ下降することが可能となっている。これにより、吸着ノズル1Lの下方先端が部品供給位置6aにおける電子部品2の上面に当接されるとともに、電子部品2の上面を吸着ノズル1Lの上記先端において吸着保持される。その後、ノズル昇降機構20により吸着ノズル1Lが電子部品2を吸着保持したまま上昇され、ノズル選択機構40による上記エアシリンダ部28の選択が解除され、加圧空気供給室29内の圧縮空気が排気される。
その後、吸着ノズル1Rが、吸着ノズル1Lと同じパーツカセット6より電子部品2の吸着取出を行う場合にあっては、吸着ノズル1Lが電子部品2の吸着取出を行ったヘッド部101の位置において、サブヘッド3のノズル回転機構10により各吸着ノズル1を180度回転移動させることにより、吸着ノズル1Rを部品供給位置6aの上方へと移動させる。その後、上記吸着ノズル1Lと吸着取出動作と同様に、吸着ノズル1Rにより電子部品2の吸着取出を行う。なお、吸着ノズル1Rが、吸着ノズル1Lとは別のパーツカセット6より電子部品2の吸着取出を行う場合にあっては、上記ノズル回転機構10による各吸着ノズル1の回転移動に代えて、吸着ノズル1Rが上記別のパーツカセット6の部品供給位置6aの上方へと位置するように、XYロボット8によりヘッド部101がX軸方向又はY軸方向に移動される場合であってもよい。さらに、このXYロボット8によりヘッド部101の移動と併せて、ノズル回転機構10による各吸着ノズル1の回転移動を行う場合であってもよい。
これにより、サブヘッド3において、吸着ノズル1L及び1Rにより電子部品2が吸着保持された状態となる。その後、図2において、ヘッド部101が撮像装置30の上方を経由して、ステージ7に固定されている回路基板4の上方へと位置するように、XYロボット8によるヘッド部101の図示X軸方向又はY軸方向への移動が開始されるとともに、ノズル選択機構40において、吸着ノズル1L及び1Rに対応するエアシリンダ部28が選択され、選択された各エアシリンダ部28における加圧空気供給室29に圧縮空気が供給されてエアシリンダシャフト25が下降され、ノズル昇降機構20により吸着ノズル1L及び1Rが下降される。このとき、制御部9により、昇降用モータ21の回転駆動量が制御されることにより、吸着ノズル1L及び1Rの下降量が制御されて、吸着ノズル1L及び1Rにより吸着保持されている電子部品2の画像が撮像装置30により撮像可能な高さ、つまり、上記各電子部品が撮像装置30における焦点高さ範囲内に位置される。その後、サブヘッド3が撮像装置30の上方を通過する際に、吸着ノズル1L及び1Rに吸着保持されている電子部品2の画像が撮像されて、制御部9において、撮像された画像に基づき各電子部品2の吸着姿勢が認識される。ヘッド部101は、撮像装置30の上方を通過後、回路基板4の上方へと移動される。
次に、図7に示すように、XYロボット8によるヘッド部101の移動により、サブヘッド3における吸着ノズル1Lが回路基板4における電子部品2の装着部の上方位置合わせされとともに、ノズル選択機構40において、吸着ノズル1Lに対応するエアシリンダ部28が選択され、選択されたエアシリンダ部28における加圧空気供給室29に圧縮空気が供給されてエアシリンダシャフト25が下降され、ノズル昇降機構20により吸着ノズル1Lが下降される。このとき、制御部9により、昇降用モータ21の回転駆動量が制御されることにより、吸着ノズル1Lの下降量が制御されて、吸着ノズル1Lにより吸着保持されている電子部品2が、回路基板4における電子部品2の装着部に加圧されて、電子部品2が回路基板4に装着されるとともに、吸着ノズル1による電子部品2への吸着保持が解除される。その後、ノズル昇降機構20により吸着ノズル1Lが上昇される。
また、吸着ノズル1Rについても、XYロボット8によるヘッド部101の移動又はサブヘッド3におけるノズル回転機構10による各吸着ノズル1の回転移動、又は上記両者の移動の組み合わせにより、吸着ノズル1Lによる電子部品2の装着動作と同様に、電子部品2の回路基板4への装着動作を行う。
また、図8に示すように、回路基板4の上方において、電子部品2を吸着保持した状態の吸着ノズル1LのX軸方向又はY軸方向の移動、又は各吸着ノズル1の回転移動を行う場合においては、ノズルシャフト13の下部における段部11bの上面がノズルホルダー12の下面に当接する高さ位置まで、吸着ノズル1Lを上昇させるのではなく、吸着ノズル1Lにより吸着保持されている電子部品2の下端が、回路基板4に装着された電子部品2のうちの最大の部品厚さを有する電子部品2の上端に干渉しないような高さ位置まで、吸着ノズル1Lを下降させた状態において移動を行う。これにより、次に行われる吸着ノズル1Lによる電子部品2の装着動作の際に、吸着ノズル1Lの下降量を少なくすることができ、吸着ノズル1Lの下降動作時間を短縮することが可能となる。なお、この吸着ノズル1Lの上記電子部品2に干渉しないような高さ位置の制御は、制御部9により、昇降用モータ21の回転駆動量を制御することにより行われる。
次に、ヘッド部101が備える3個のサブヘッド3によるパーツカセット6よりの電子部品2の吸着取出方法を実施例として以下に説明する。
ヘッド部101の各サブヘッド3は、図3に示すような配列にて吸着ノズル1を備えている。また、図9及び図10は、このようなヘッド部101における吸着ノズル1の配列と電子部品装着装置102が備える複数のパーツカセット6の平面的な配置関係を模式的に示した模式説明図である。図9及び図10において、ヘッド部101が備えるサブヘッド3を、図示左側より順に第1サブヘッド3−A、第2サブヘッド3−B、及び第3サブヘッド3−Cとする。また、第1サブヘッド3−Aが備える6本の吸着ノズル1を図示左端に位置する吸着ノズル1より時計回りに順に、吸着ノズル1−A1、1−A2、・・・、1−A6とし、また、第2サブヘッド3−Bについても同様に、吸着ノズル1−B1、1−B2、・・・、1−B6とし、さらに、第3サブヘッド3−Cについても同様に、吸着ノズル1−C1、1−C2、・・・、1−C6とする。また、図9(A)に示すように、パーツカセット6の配列を図示左側より順に、パーツカセット6−1、6−2、・・・、6−6とし、パーツカセット6−1は部品供給位置6a−1を、パーツカセット6−2は部品供給位置6a―2を、・・・、パーツカセット6−6は部品供給位置6a−6を備えている。なお、図9(B)並びに(C)及び図10(D)並びに(E)においては、各パーツカセット6のうち、吸着ノズル1により電子部品2が吸着取出されるパーツカセット6についてのみ表示している。
なお、電子部品装着装置102の構成部が複数の部材により構成されている部材の説明においては、上記複数の部材のうちの個々の部材を特定する場合には、上記部材の符号を例えば、部材X−1、X−2、X−A1、X−C6というように用い、上記複数の部材のうちの個々の部材を特定しない場合には部材Xというように用いている。ここでXは、部材の符号として用いられる数字である。
まず、図9(A)は、ヘッド部101が備える各吸着ノズル1のうちの6本の吸着ノズル1により同時的に電子部品2の吸着取出しを行う場合である。図9(A)に示すように、パーツカセット6−1の部品供給位置6a−1の上方に吸着ノズル1−A1を、パーツカセット6−3の部品供給位置6a−3の上方に吸着ノズル1−B1を、パーツカセット6−5の部品供給位置6a−5の上方に吸着ノズル1−C1を位置させると、パーツカセット6−2の部品供給位置6a−2の上方に吸着ノズル1−A4、パーツカセット6−4の部品供給位置6a−4の上方に吸着ノズル1−B4、パーツカセット6−6の部品供給位置6a−6の上方に吸着ノズル1−C4も位置されることとなる。その後、吸着ノズル1−A1、1−A4、1−B1、1−B4、1−C1、及び1−C4の6本の吸着ノズル1により同時的な電子部品2の吸着取出が行われる。
なお、この場合、パーツカセット6−1及び6−2に収納されている電子部品2は夫々略同じ部品厚さを有する電子部品2であり、パーツカセット6−3及び6−4に収納されている電子部品2も夫々略同じ部品厚さを有する電子部品2であり、パーツカセット6−5及びパーツカセット6−6に収納されている電子部品2も夫々同じ部品厚さを有する電子部品2である必要がある。各サブヘッド3において略同時的に下降された吸着ノズル1の先端の高さ位置は、同じ高さ位置となるからである。
また、上記6本の吸着ノズル1による同時的な電子部品2の吸着取出が行われた後、各サブヘッド3において、ノズル回転機構10により各吸着ノズル1が60度反時計回りに回転移動されて、吸着ノズル1−A2、1−A5、1−B2、1−B5、1−C2、及び1−C5が部品供給位置6a−1から6a−6の上方に夫々位置されることとなり、これら6本の吸着ノズル1により同時的な電子部品2の吸着取出が行われる。
その後、さらに、各サブヘッド3において、ノズル回転機構10により各吸着ノズル1が60度反時計回りに回転移動されて、同様に、吸着ノズル1−A3、1−A6、1−B3、1−B6、1−C3、及び1−C6が部品供給位置6a−1から6a−6の上方に夫々位置されることとなり、これら6本の吸着ノズル1により同時的な電子部品2の吸着取出が行われる。
このような電子部品2の吸着取出方法においては、各サブヘッド3における吸着ノズル1の配置の特徴を利用した効率的な吸着取出を行うことが可能となる。
次に、図9(B)は、ヘッド部101が備える各吸着ノズル1のうちの3本の吸着ノズル1により同時的に電子部品2の吸着取出しを行う場合である。図9(B)に示すように、パーツカセット6−1の部品供給位置6a−1の上方に吸着ノズル1−A1を、パーツカセット6−3の部品供給位置6a−3の上方に吸着ノズル1−B1を、パーツカセット6−5の部品供給位置6a−5の上方に吸着ノズル1−C1を位置させる。その後、吸着ノズル1−A1、1−B1、及び1−C1の3本の吸着ノズル1により同時的な電子部品2の吸着取出を行う。
各サブヘッド3においては、ノズル回転機構10により各吸着ノズル1の反時計回りに60度の回転移動を行っていくことにより、各サブヘッド3における1本ずつの吸着ノズル1、つまり合計3本の吸着ノズル1による同時的な電子部品2の吸着取出しが行われる。
このような電子部品2の吸着取出し方法においては、例えば、吸着ノズル1−A1において部品供給位置6a−1より電子部品2の吸着取出しを行うような場合において、部品供給位置6a−1における電子部品2の吸着中心と、吸着ノズル1−A1の中心との間に図示Y軸方向に位置ずれがあるような場合にあっては、第1サブヘッド3−Aにおけるノズル回転機構10により吸着ノズル1−A1を微小量だけ回転移動させることにより、吸着ノズル1−A1の中心を図示Y軸方向に微小移動させて、電子部品2の上記吸着中心と吸着ノズル1−A1の中心との間に発生していた位置ずれを補正して電子部品2の吸着姿勢の補正を行うことができる。このノズル回転機構10を用いた電子部品2のY軸方向の吸着姿勢の補正動作は、各サブヘッド3毎に個別に必要に応じて行うことができる。よって、このような電子部品2の吸着取出し方法においては、各サブヘッド3における吸着ノズル1の配置の特徴を利用した効率的な吸着取出しを行いながら、電子部品2のY軸方向における吸着姿勢の補正動作を行うことを可能としている。
また、このようなノズル回転機構10を用いた電子部品2の吸着姿勢の補正動作を行う前に、上記補正動作が行われる各吸着ノズル1において、夫々の上記位置ずれが平均的な位置ずれとなるように、XYロボット8によるヘッド部101のX軸方向又はY軸方向への移動を行い、その後、上記ノズル回転機構10を用いた電子部品2の吸着姿勢の補正動作を行うような場合であってもよい。
なお、ヘッド部101が備える各吸着ノズル1のうちの3本の吸着ノズル1により同時的に電子部品2の吸着取出しは、図9(C)に示すように、第2サブヘッド3―Bにおいては、パーツカセット6−4より電子部品2の吸着取出しを行うというような場合であってもよい。
次に、図10(D)は、ヘッド部101が備える各吸着ノズル1が夫々個別かつ非同時的に電子部品2の吸着取出しを行う場合である。図10(D)に示すように、第1サブヘッド3−Aにおける吸着ノズル1−A1をパーツカセット6−1の部品供給位置6a−1の上方へと位置させて、吸着ノズル1−A1により電子部品2の吸着取出しを行う。
その後、第1サブヘッド3−Aにおいて、ノズル回転機構10により各吸着ノズル1を反時計回りに60度回転移動させて、吸着ノズル1−A2を部品供給位置6a−1の上方に位置させて、吸着ノズル1−A2により電子部品2の吸着取出しを行う。その後、第1サブヘッド3−Aにおいて、ノズル回転機構により各吸着ノズル1の回転移動を行うことにより、吸着ノズル1を順次部品供給位置6a−1の上方へと位置させて、各吸着ノズル1により電子部品2の吸着取出しを行う。
その後、XYロボット8によりヘッド部101を図示X軸方向左向きに移動させて、第2サブヘッド3−Bにおける吸着ノズル1−B1を部品供給位置6a−1の上方へと位置させて、吸着ノズル1−B1により電子部品2の吸着取出しを行う。その後、上記サブヘッド3−Aの場合と同様に、第2サブヘッド3−Bにおける全ての吸着ノズル1により電子部品2の吸着取出しを行う。
その後、さらに、XYロボット8によりヘッド部101を図示X軸方向左向きに移動させて、第3サブヘッド3−Cについても、同様に、全ての吸着ノズル1により電子部品2の吸着取出しを行う。
なお、上記のように1つのサブヘッド3における全ての吸着ノズル1により電子部品2の吸着取出しを行った後、別のサブヘッド3における吸着ノズル1により電子部品2の吸着取出しを行うような場合に代えて、1つのサブヘッド3における1つの吸着ノズル1により電子部品2の吸着取出しを行った後、別のサブヘッド3における吸着ノズル1により電子部品2の吸着取出しを行うような場合であってもよい。
例えば、吸着ノズル1−A1により電子部品2の吸着取出しを行った後、XYロボット8によるヘッド部101の移動により、第2サブヘッド3−Bにおける吸着ノズル1−B1により電子部品2の吸着取出しを行い、その後さらに、XYロボット8によりヘッド部101の移動により、第3サブヘッド3−Cにおける吸着ノズル1−C1により電子部品2の吸着取出しを行う。電子部品2の吸着取出しが行われたサブヘッド3においては、その吸着取出しの後、ノズル回転機構10により各吸着ノズル1を反時計回りに60度の回転移動を行う。これにより、第3サブヘッド3−Cにおける吸着ノズル1−C1による電子部品2の吸着取出しが行われた後、XYロボット8によるヘッド部101の図示X軸方向右向きの移動を行い、第2サブヘッド3−Bにおける吸着ノズル1−B2により電子部品2の吸着取出しを行い、その後、XYロボット8によるヘッド部101の図示X軸方向右向きの移動を行い、第1サブヘッド3−Aにおける吸着ノズル1−A2により電子部品2の吸着取出しを行う。このような吸着取出しの動作を行うことにより、全ての吸着ノズル1による電子部品2の吸着取出しが行われる。
このような電子部品2の吸着取出し方法においては、ヘッド部101においては、常に1本の吸着ノズル1により電子部品2の吸着取出しが行われることとなるため、例えば、吸着ノズル1−A1において部品供給位置6a−1より電子部品2の吸着取出しを行うような場合において、部品供給位置6a−1における電子部品2の吸着中心と、吸着ノズル1−A1の中心との間に図示X軸方向又はY軸方向に位置ずれがあるような場合にあっては、XYロボット8によるヘッド部101の移動により、吸着ノズル1−A1を図示X軸方向又はY軸方向に微小に移動させて、電子部品2の吸着中心と吸着ノズル1−A1の中心との間において発生していた位置ずれを補正して吸着ノズル1−A1による電子部品2の吸着姿勢の補正を行うことができる。
また、夫々の吸着ノズル1により吸着取出しされる電子部品2の種類が異なり、電子部品2の部品厚さが夫々異なるような場合であっても、ヘッド部101においては、常に1本の吸着ノズル1により電子部品2の吸着取出しが行われることとなるため、夫々の吸着ノズル1の動作は互いに影響せず、各吸着ノズル1により電子部品2の吸着取出しを行うことができる。
次に、図10(E)は、ヘッド部101が備える各吸着ノズル1のうちの5本の吸着ノズル1により同時的に電子部品2の吸着取出しを行う場合であり、図9(A)及び(B)における吸着取出し方法が組み合わされて行われる。このような電子部品2の吸着取出し方法においても、各サブヘッド3における吸着ノズル1の配置の特徴を利用した効率的な吸着取出しを行うことが可能である。
次に、図10(F)は、ヘッド部101が備える各吸着ノズル1のうちの3本の吸着ノズル1により同時的に電子部品2の吸着取出しを行う場合の別の例である。図10(F)に示すように、各サブヘッド3における吸着ノズル1の配置状態は、図9(B)に示す配置状態とは異なり、図9(B)に示す配置状態より、各サブヘッド3が備えるノズル回転機構10により、各吸着ノズル1を時計回りに90度回転移動させて、パーツカセット6−1の部品供給位置6a−1の上方に吸着ノズル1−A1を、パーツカセット6−3の部品供給位置6a−3の上方に吸着ノズル1−B1を、パーツカセット6−5の部品供給位置6a−5の上方に吸着ノズル1−C1を位置させる。その後、吸着ノズル1−A1、1−B1、及び1−C1の3本の吸着ノズル1により同時的な電子部品2の吸着取出を行う。
各サブヘッド3においては、ノズル回転機構10により各吸着ノズル1の反時計回りに60度の回転移動を行っていくことにより、各サブヘッド3における1本ずつの吸着ノズル1、つまり合計3本の吸着ノズル1による同時的な電子部品2の吸着取出しが行われる。
このような電子部品2の吸着取出し方法においては、例えば、吸着ノズル1−A1において部品供給位置6a−1より電子部品2の吸着取出しを行うような場合において、部品供給位置6a−1における電子部品2の吸着中心と、吸着ノズル1−A1の中心との間に図示X軸方向に位置ずれがあるような場合にあっては、サブヘッド3−Aにおけるノズル回転機構10により吸着ノズル1−A1を微小量だけ回転移動させることにより、吸着ノズル1−A1の中心を図示X軸方向に微小移動させて、電子部品2の上記吸着中心と吸着ノズル1−A1の中心との間に発生していた位置ずれを補正して電子部品2の吸着姿勢の補正を行うことができる。このノズル回転機構10を用いた電子部品2のX軸方向の吸着姿勢の補正動作は、各サブヘッド3毎に個別に必要に応じて行うことができる。
また、例えば、パーツカセット6が部品供給位置6aに位置された電子部品2を図示Y軸方向に微小移動させる移動機構を備えているような場合にあっては、例えば、部品供給位置6a−1における電子部品2の吸着中心と、吸着ノズル1−A1の中心との間に図示Y軸方向に位置ずれがあるような場合に、上記移動機構により部品供給位置6aに位置された電子部品2を図示Y軸方向に微小移動させることにより、吸着ノズル1−A1の中心を図示Y軸方向に微小移動させて、電子部品2の上記吸着中心と吸着ノズル1−A1の中心との間に発生していた位置ずれを補正して電子部品2の吸着姿勢の補正を行うことができる。
よって、このような電子部品2の吸着取出し方法においては、各サブヘッド3における吸着ノズル1の配置の特徴を利用した効率的な吸着取出しを行いながら、電子部品2のX軸方向及びY軸方向における吸着姿勢の補正動作を行うことを可能としている。
なお、各パーツカセット6が部品供給位置6aを図示Y軸方向に沿って2箇所備えており、夫々の部品供給位置6aの間隔がパーツカセット6の配列間隔Pであるような場合にあっては、各パーツカセット6において、ノズル回転中心Rに対して点対称にかつY軸方向に沿って配列された2本の吸着ノズル1を、同時的に、各パーツカセット6における2箇所の部品供給位置6a(第1部品供給位置及び第2部品供給位置)の上方に配置することが可能となる。従って、このような場合にあっては、各サブヘッド3における上記Y軸方向に配列された2本の吸着ノズル1による同時的な電子部品2の吸着取出しが可能となる。
また、上記各実施例においては、複数のパーツカセット6からの電子部品2の吸着取出しを行う場合について説明したが、電子部品2の吸着取出しはパーツカセット6に限定されるものではなく、パーツカセット6に代えて、電子部品2が板状の部品供給トレイにより供給可能となっている場合であって、上記部品供給トレイにおいて、電子部品2が一定の間隔、例えば、配列間隔Pでもって、X軸方向及びY軸方向に配列されている場合であってもよい。
次に、ヘッド部101が備える3個のサブヘッド3によるパーツカセット6よりの電子部品2の吸着取出の後、これらの電子部品2の回路基板4への装着方法の一例を実施例として以下に説明する。
図11、図12及び図13は、ヘッド部101の各サブヘッド3が備える吸着ノズル1による電子部品2の回路基板4への装着方法を模式的に示した模式説明図である。なお、図11及び図12においては、サブヘッド3及び吸着ノズル1を特定する場合の符号は、図9及び図10で用いた符合と同じ符号を用いている。
図24は、図11、図12及び図13に示す電子部品2の装着方法により電子部品2が装着される回路基板4の平面図である。図24に示すように、回路基板4は、複数の電子部品2が装着される複数の装着領域Z1、Z2、Z3、及びZ4を有しており、各装着領域Z1、Z2、Z3、及びZ4においては、電子部品2が装着される装着位置を一定の間隔である装着ピッチQにて複数、図示X軸方向に沿って一列にして配列されている。装着領域Z1における装着位置を図示左側より、装着領域Z1−1、Z1−2、・・・、Z1−Nとし、装着領域Z2における装着位置を図示左側より、装着領域Z2−1、Z2−2、・・・、Z2−Nとし、装着領域Z3における装着位置を図示左側より、装着領域Z3−1、Z3−2、・・・、Z3−Nとし、装着領域Z4における装着位置を図示左側より、装着領域Z4−1、Z4−2、・・・、Z4−Nとする。ここで、Nは整数であり、各装着領域Z1、Z2、Z3、及びZ4において装着される電子部品2の個数を表している。なお、装着領域Z1、Z2、及びZ3において、装着位置Z1−1、Z2−1、及びZ3−1の夫々の間隔は、パーツカセット6の配列間隔Pの2倍の間隔となっている。
まず、図11に示す電子部品2の装着方法は、回路基板4における装着領域Z1、Z2、及びZ3における上記各装着位置に、電子部品2を連続的に装着するような場合における電子部品2の装着方法の手順を示している。
図11に示すように、まず、ステップS1において、XYロボット8によりヘッド部101を回路基板4の上方へと移動させ、第1サブヘッド3−Aにおける吸着ノズル1−A1と回路基板4における装着領域Z1の装着位置Z1−1との位置合わせを行うとともに、第2サブヘッド3−Bにおける吸着ノズル1−B1と、第3サブヘッド3−Cにおける吸着ノズル1−C1とを、夫々のサブヘッド回転中心R回りの円周上における図示X軸方向左端に位置させる。それとともに、第1サブヘッド3−Aにおいて吸着ノズル1−A1が、第2サブヘッド3−Bにおいて吸着ノズル1−B1が、第3サブヘッド3−Cにおいて吸着ノズル1−C1が選択される。その後、第1サブヘッド1−Aにおいて、吸着ノズル1−A1が下降され、吸着保持されている電子部品2が回路基板4の装着位置Z1−1に装着されて、電子部品2の吸着保持解除後、吸着ノズル1−A1が上昇される。
その後、ステップS2において、第1サブヘッド3−Aにおけるノズル回転機構10により各吸着ノズル1が反時計回りに60度回転移動されるとともに、XYロボット8によるヘッド部101の微小移動により、第2サブヘッド3−Bにおける吸着ノズル1−B1と回路基板4における装着領域Z2の装着位置Z2−1との位置合わせの微小調整が行われる。その後、第2サブヘッド3−Bにおいて、吸着ノズル1−B1が下降され、吸着保持されている電子部品2が回路基板4の装着位置Z2−1に装着されて、電子部品2の吸着保持解除後、吸着ノズル1−B1が上昇される。
その後、ステップS3において、第2サブヘッド3−Bにおけるノズル回転機構10により各吸着ノズル1が反時計回りに60度回転移動されるとともに、XYロボット8によるヘッド部101の微小移動により、第3サブヘッド3−Cにおける吸着ノズル1−C1と回路基板4における装着領域Z3の装着位置Z3−1との位置合わせの微小調整が行われる。その後、第3サブヘッド3−Cにおいて、吸着ノズル1−C1が下降され、吸着保持されている電子部品2が回路基板4の装着位置Z3−1に装着されて、電子部品2の吸着保持解除後、吸着ノズル1−C1が上昇される。
その後、ステップS4において、第3サブヘッド3−Cにおけるノズル回転機構10により各吸着ノズル1が反時計回りに60度回転移動されるとともに、XYロボット8によるヘッド部101の図示X軸方向右向きの移動により、第1サブヘッド3−Aにおける吸着ノズル1−A2と回路基板4における装着領域Z1の装着位置Z1−2との位置合わせが行われる。それとともに、第1サブヘッド3−Aにおいて吸着ノズル1−A2が、第2サブヘッド3−Bにおいて吸着ノズル1−B2が、第3サブヘッド3−Cにおいて吸着ノズル1−C2が選択される。その後、第1サブヘッド3−Aにおいて、吸着ノズル1−A2が下降され、吸着保持されている電子部品2が回路基板4の装着位置Z1−2に装着されて、電子部品2の吸着保持解除後、吸着ノズル1−A2が上昇される。
その後、同様な手順が繰り返し行われて、回路基板4における装着領域Z1、Z2、及びZ3の上記各装着位置への電子部品2の装着が行われる。
このような電子部品2の装着方法においては、電子部品2の装着の際におけるXYロボット8によるヘッド部101の移動動作を少なくすることができる。また、サブヘッド3におけるノズル回転機構10による各吸着ノズル1の回転移動は、他のサブヘッド3において電子部品2の装着動作が行われているときに行われるため、電子部品2の装着動作に影響を与えることがない。さらに、ヘッド部101において備えられた3個のサブヘッド3により連続的に電子部品2の装着動作を行うことができるため、電子部品2の装着動作に要する時間を短縮することができる。
次に、図12及び図13に示す電子部品2の装着方法は、回路基板4における装着領域Z4の上記各装着位置に、電子部品2を連続的に装着するような場合における電子部品2の装着方法の手順を示している。
図12に示すように、まず、ステップS11において、XYロボット8によりヘッド部101を回路基板4の上方へと移動させ、第1サブヘッド3−Aにおける吸着ノズル1−A1と回路基板4における装着領域Z4の装着位置Z4−1との位置合わせを行う。それとともに、第2サブヘッド3−Bにおける吸着ノズル1−B1と、第3サブヘッド3−Cにおける吸着ノズル1−C1とを、夫々のサブヘッド回転中心R回りの円周上における図示X軸方向左端に位置させる。その後、第1サブヘッド3−Aにおいて、吸着ノズル1−A1が選択され、吸着ノズル1−A1が下降され、吸着保持されている電子部品2が回路基板4の装着位置Z4−1に装着されて、電子部品2の吸着保持解除後、吸着ノズル1−A1が上昇される。
その後、ステップS12において、XYロボット8によりヘッド部101を図示X軸方向左向きに移動させ、第1サブヘッド3−Aにおける吸着ノズル1−A4と回路基板4における装着領域Z4の装着位置Z4−2との位置合わせが行われる。その後、第1サブヘッド3−Aにおいて、吸着ノズル1−A4が選択されて、吸着ノズル1−A4が下降され、吸着保持されている電子部品2が回路基板4の装着位置Z4−2に装着されて、電子部品2の吸着保持解除後、吸着ノズル1−A4が上昇される。
その後、ステップS13において、第1サブヘッド3−Aにおいて、ノズル回転機構10により各吸着ノズル1が反時計回りに60度回転移動されるとともに、XYロボット8によりヘッド部101が図示X軸方向左向きに移動され、第2サブヘッド3−Bにおける吸着ノズル1−B1と回路基板4における装着領域Z4の装着位置Z4−3との位置合わせが行われる。その後、第2サブヘッド3−Bにおいて、吸着ノズル1−B1が選択されて、吸着ノズル1−B1が下降され、吸着保持されている電子部品2が回路基板4の装着位置Z4−3に装着されて、電子部品2の吸着保持解除後、吸着ノズル1−B1が上昇される。
その後、ステップS14において、XYロボット8によりヘッド部101を図示X軸方向左向きに移動させ、第2サブヘッド3−Bにおける吸着ノズル1−B4と回路基板4における装着領域Z4の装着位置Z4−4との位置合わせが行われる。その後、第2サブヘッド3−Bにおいて、吸着ノズル1−B4が選択されて、吸着ノズル1−B4が下降され、吸着保持されている電子部品2が回路基板4の装着位置Z4−4に装着されて、電子部品2の吸着保持解除後、吸着ノズル1−B4が上昇される。
その後、図13におけるステップS15及びS16において、第2サブヘッド3−B及び第3サブヘッド3−Cに対しても同様な動作手順が施されて、電子部品2が装着領域Z4における装着位置Z4−5及びZ4−6に装着される。
その後、ステップS17において、第3サブヘッド3−Cにおいて、ノズル回転機構10により各吸着ノズル1が反時計回りに60度回転移動されるとともに、XYロボット8によりヘッド部101が図示X軸方向右向きに移動され、第3サブヘッド3−Cにおける吸着ノズル1−C2と回路基板4における装着領域Z4の装着位置Z4−7との位置合わせが行われる。その後、第3サブヘッド3−Cにおいて、吸着ノズル1−C2が選択されて、吸着ノズル1−C2が下降され、吸着保持されている電子部品2が回路基板4の装着位置Z4−7に装着されて、電子部品2の吸着保持解除後、吸着ノズル1−C2が上昇される。
その後、ステップS18において、第3サブヘッド3−Cにおいて、ノズル回転機構10により各吸着ノズル1が反時計回りに60度回転移動されるとともに、XYロボット8によりヘッド部101が図示X軸方向右向きに移動され、第2サブヘッド3−Bにおける吸着ノズル1−B5と回路基板4における装着領域Z4の装着位置Z4−8との位置合わせが行われる。その後、第2サブヘッド3−Bにおいて、吸着ノズル1−B5が選択されて、吸着ノズル1−B5が下降され、吸着保持されている電子部品2が回路基板4の装着位置Z4−8に装着されて、電子部品2の吸着保持解除後、吸着ノズル1−B5が上昇される。
その後、同様な動作手順が繰り返し行われて、回路基板4における装着領域Z4の上記各装着位置への電子部品2の装着が行われる。
このような電子部品2の装着方法においては、図11における電子部品2の装着方法と同様に、電子部品2の装着の際におけるXYロボット8によるヘッド部101の移動距離を小さくすることができるとともに、サブヘッド3におけるノズル回転機構10による各吸着ノズル1の回転移動は、他のサブヘッド3において電子部品2の装着動作が行われているときに行われるため、電子部品2の装着動作に影響を与えることがない。さらに、ヘッド部101において備えられた3個のサブヘッド3により連続的に電子部品2の装着動作を行うことができるため、電子部品2の装着動作に要する時間を短縮することができる。
ここで、ヘッド部101が3個のサブヘッド3を備えることを利用して、複数の電子部品2を回路基板4への装着動作を行う場合に、1個当りの電子部品2の装着動作に要する時間を短縮化させる方法について、図22及び図23を用いて説明する。図22は、ヘッド部101により上記装着動作を行う場合における各サブヘッド3の昇降動作、回転動作、XYロボット8による移動動作、及びノズル選択動作の時間的な関係を示すタイミングチャートであり、図23は、図22のタイミングチャートとの比較対象として、吸着ノズル901を10本一列に備える従来の部品装着ヘッド900におけるタイミングチャートである。なお、サブヘッド3及び吸着ノズル1を特定する場合の符号は、図9及び図10で用いた符合と同じ符号を用いるものとする。また、図22及び図23において、横軸は時間軸であり、縦軸には、ヘッド部101又は部品装着ヘッド900における各動作の項目を示している。ここで、XY移動動作とは、XYロボット8等によるヘッド部101又は部品装着ヘッド900のX軸方向又はY軸方向の移動動作を示し、選択動作とは、昇降動作を行わせる吸着ノズル1又は吸着ノズル901のノズル選択機構40等による選択動作を示し、昇降動作とは、吸着ノズル1又は吸着ノズル901の昇降動作を示し、回転動作とは、ヘッド部101においては、サブヘッド回転中心R回りの各吸着ノズル1の回転動作を、部品装着ヘッド900においては、ヘッド部101のように各吸着ノズル901をサブヘッド回転中心R回りに回転移動させる機構は備えておらず、夫々の吸着ノズル901を夫々の中心回りに回転移動可能となっているため、夫々の吸着ノズル901の回転動作を示すものである。また、図22及び図23において、XY移動動作及び回転動作については、その他の動作との関係において、夫々の動作を行うことが可能な時間帯を示している。
図22において、まず、ヘッド部101が備える1つのサブヘッド3、例えば、第1サブヘッド3−Aにおける電子部品2を回路基板4の部品装着位置に装着する動作に注目して説明すると、第1サブヘッド3−Aにおいて、電子部品2を回路基板4へ装着させる1本の吸着ノズル1として、例えば、吸着ノズル1−A1が選択される。その後、回路基板4上に既に装着された電子部品2(若しくは装着される電子部品2)と吸着ノズル1−A1に吸着保持されている電子部品2が干渉しないような高さ位置H2(以降、干渉回避高さ位置H2)まで吸着ノズル1−A1が下降されて、干渉回避高さ位置H2にて下降が停止されて、装着動作待機状態とされる(以降、動作1として下降待機動作とする)。その後、吸着ノズル1−A1が、干渉回避高さ位置H2より装着高さ位置H3まで下降されて、回路基板4に電子部品2を固定するとともに、吸着ノズル1−A1による電子部品2への吸着保持を解除して、吸着ノズル1−A1を上昇させ、電子部品2を回路基板4へ装着する(以降、動作2として装着動作とする)。その後、吸着ノズル1−A1を吸着ノズル1の昇降高さ範囲における干渉回避高さ位置H2よりもさらに上昇させて、上端位置H1に位置させて、次に、第1サブヘッド3−Aにおいて、電子部品2の装着動作を行う別の1本の吸着ノズル1として、例えば、吸着ノズル1−A2が選択される(以降、動作3として上昇選択動作とする)。
上記のように、第1サブヘッド3−Aにおける装着動作は、動作1、動作2、及び動作3に分けることができ、このような各動作が順次繰り返し行われて、複数の電子部品2の回路基板4への装着が行われる。また、このような電子部品2を回路基板4へ装着する動作は、第2サブヘッド3−B及び第3サブヘッド3−Cについても同様に行われ、サブヘッド3における1本の吸着ノズル1による電子部品2の装着動作が行われた後に、別のサブヘッド3における1本の吸着ノズル1による電子部品2の装着動作を行うというように、夫々のサブヘッド3における装着動作が順次連続するように行われる。
図22に示すように、具体的には、例えば、第1サブヘッド3−Aにおいて、動作1が行われ、吸着ノズル1−A1が装着待機状態とされた後に、第2サブヘッド3−Bにおいても、吸着ノズル1−B1が選択されて、同様に動作1が行われ、吸着ノズル1−B1が干渉回避高さ位置H2まで下降されて、干渉回避高さ位置H2にて下降が停止されて、装着動作待機状態とされる。続いて、第1サブヘッド3−Aにおいて、動作2が行われ、動作3において吸着ノズル1−A2が選択された後、再び、動作1が行われることにより、吸着ノズル1−A1が干渉回避高さ位置H2まで下降されて、干渉回避高さ位置H2にて下降が停止されて、装着動作待機状態とされるとともに、第2サブヘッド3−Bにおいては、装着動作待機状態とされていた吸着ノズル1−B1が、干渉回避高さ位置H2より装着高さ位置H3まで下降されて、動作2として装着動作が行われる。
第2サブヘッド3−Bにおいて、動作1が行われ、吸着ノズル1−B1が装着待機状態とされた後においては、第3サブヘッド3−Cにおいても、吸着ノズル1−C1が選択されて、同様に動作1が行われ、吸着ノズル1−C1が干渉回避高さ位置H2まで下降されて、干渉回避高さ位置H2にて下降が停止されて、装着動作待機状態とされる。
その後、第2サブヘッド3−Bにおいて、動作3として上昇選択動作が行われ、吸着ノズル1−B2が選択された後、再び、動作1が行われることにより、吸着ノズル1−B2が干渉回避高さ位置H2まで下降されて、干渉回避高さ位置H2にて下降が停止されて、装着動作待機状態とされるとともに、第3サブヘッド3−Cにおいては、装着動作待機状態とされていた吸着ノズル1−C1が、干渉回避高さ位置H2より装着高さ位置H3まで下降されて、動作2として装着動作が行われる。このとき、第1サブヘッド3−Aにおける吸着ノズル1−A2は、装着動作待機状態のままである。
その後、第3サブヘッド3−Cにおいて、動作3として上昇選択動作が行われ、吸着ノズル1−C2が選択された後、再び、動作1が行われることにより、吸着ノズル1−C2が干渉回避高さ位置H2まで下降されて、干渉回避高さ位置H2にて下降が停止されて、装着動作待機状態とされるとともに、第1サブヘッド3−Aにおいては、装着動作待機状態とされていた吸着ノズル1−A2が、干渉回避高さ位置H2より装着高さ位置H3まで下降されて、動作2として装着動作が行われる。
このように各サブヘッド3において、順次繰り返し、吸着ノズル1による電子部品2の回路基板4への装着動作が行われる。
また、次に回路基板4へ装着される電子部品2が吸着保持されている吸着ノズル1と回路基板4の電子部品2の装着位置との位置合わせのための上記吸着ノズル1の移動は、XYロボット8によるヘッド部101のXY移動により行われるが、この移動は、何れのサブヘッド3においても、動作2の装着動作が行われていないときに行われる。
また、各サブヘッド3において、各吸着ノズル1のサブヘッド回転中心R回りの回転移動は、サブヘッド3毎に個別に行うことができるため、夫々のサブヘッド3において、夫々が備える吸着ノズル1が動作2の装着動作を行ってさえいなければ、上記回転移動を行うことができる。
また、電子部品装着装置102における撮像装置において撮像された各電子部品2の画像より、制御部9にて各電子部品2の吸着ノズル1による吸着姿勢が認識されることとなるが、例えば、電子部品2の吸着姿勢と回路基板4の上記装着位置に装着されるべき電子部品2の装着姿勢との間に、回路基板4の装着表面沿いの装着角度に位置ずれがあるような場合がある。このような場合にあっては、上記認識の結果に基づいて、サブヘッド回転中心R回りの回転移動により、上記電子部品2を吸着保持している吸着ノズル1のサブヘッド回転中心R回りの回転移動を行うことにより、上記位置ずれを解消する回転移動による補正動作が行われることとなるが、この回転動作による補正動作は、サブヘッド3毎に個別に行うことができるため、夫々のサブヘッド3において、夫々が備える吸着ノズル1が動作2の装着動作を行っていないときであれば、自由に行うことができる。
また、1つのサブヘッド3において、吸着ノズル1が動作2の装着動作を行っている場合であっても、その他のサブヘッド3においては、上記装着動作に影響されることなく、次に動作2の装着動作が行われる夫々の吸着ノズル1の昇降動作を行うことが可能であり、次に、装着動作が行われる吸着ノズル1を干渉回避高さ位置H2に位置させて、装着動作待機状態とさせることが可能である。
また、1つのサブヘッド3において、吸着ノズル1が動作2の装着動作を完了する前までに、次に電子部品2の装着が行われるその他のサブヘッド3においては、吸着ノズル1に動作1を行わせて、吸着ノズル1を干渉回避高さ位置H2に位置させて、装着動作待機状態とさせておけばよい。
また、干渉回避高さ位置H2は、電子部品装着装置102において、回路基板4に装着される電子部品2の部品厚さのうちの最大の部品厚さを考慮して、制御部9において決められる。なお、このような場合に代えて、ヘッド部101により既に回路基板4へ装着された電子部品2の部品厚さ、及びヘッド部101における各吸着ノズル1により吸着保持されている電子部品2の部品厚さうちの最大の部品厚さを考慮して、ヘッド部101における各吸着ノズル1による電子部品2の吸着取出し毎に、最適な干渉高さ位置H2を制御部9により決めるような場合であってもよい。
一方、従来の部品装着ヘッド900においては、部品装着ヘッド900が備える10本の吸着ノズル901により電子部品2の回路基板4への装着動作が順次行われることとなるため、図23に示すように、吸着ノズル901の動作1である下降待機動作における待機の動作が不用となることを除いては、上記サブヘッド3において吸着ノズル1毎に順次動作1から動作3までが繰り返して行われるのと同様に、部品装着ヘッド900において、吸着ノズル901毎に順次動作1から動作3までの各動作が繰り返し行われることとなる。
図22及び図23のタイミングチャートを比較すると、まず、図23に示す部品装着ヘッド900におけるタイミングチャートにおいては、1個当りの電子部品2の装着動作に要する時間T2は、XY移動に要する時間、回転移動に要する時間、又は吸着ノズル901が干渉回避高さ位置H2から上昇されて、上端位置H1において別の吸着ノズル901の選択動作が行われて、上記別の吸着ノズル901が干渉回避高さ位置H2まで下降されるまでに要する時間のうちの最も長い時間と、動作2における装着動作に要する時間との合計となる。
一方、図22に示すヘッド部101におけるタイミングチャートにおいては、1個当りの電子部品2の装着動作に要する時間T1は、XY移動に要する時間と、動作2における装着動作に要する時間との合計となる。ヘッド部101が3個のサブヘッド3を備えているため、回転移動、吸着ノズル1の干渉回避高さ位置H2から上端位置H1までの上昇動作、上記別の吸着ノズル1の選択動作、及び上記別の吸着ノズル1の干渉回避高さ位置H2までの下降動作は、他のサブヘッド3が装着動作等を行っている際に、当該装着動作に影響を与えることなく、サブヘッド3毎に個別に行うことができるからである。
従って、XY移動に要する時間が、回転移動に要する時間、又は吸着ノズル1の干渉回避高さ位置H2から上端位置H1までの上昇動作から上記別の吸着ノズル1の干渉回避高さ位置H2までの下降動作に要する時間よりも短くなるような場合にあっては、ヘッド部101における1個当りの電子部品2の装着動作に要する時間T1は、従来の部品装着ヘッド900における時間T2よりも短縮化を図ることができる。よって、ヘッド部101が3個のサブヘッド3を備えるような場合にあっては、サブヘッド3毎に上記のような連続的な動作を行っていくことにより、電子部品2の装着に要する時間の短縮化を図り、効率的な電子部品の装着方法を提供することが可能となる。
次に、ヘッド部101が備える3個のサブヘッド3において、図3における吸着ノズル1の配置とは異なる配置例について、図14、図15、図16、及び図17に示す吸着ノズル1の模式的な平面配置図に基づいて説明する。
まず、図14(A)は、各サブヘッド3において、4本の吸着ノズルが、各吸着ノズル1のサブヘッド回転中心R回りのその円周上に均等な間隔でもって配置されている場合である。つまり、各サブヘッド3においては、夫々の上記サブヘッド回転中心Rに対して点対称に4本の吸着ノズル1が配置されている。また、各サブヘッド3においては、吸着ノズル1が配置されている上記円周の直径は、パーツカセット6における配置間隔Pと同じ寸法となっている。また、各サブヘッド3は、夫々の上記サブヘッド回転中心Rの配列間隔をパーツカセット6における配置間隔Pの2倍の間隔でもって一列に、かつパーツカセット6の配列方向と略平行に配列されている。
これにより、図14(A)に示すように、サブヘッド3における夫々のサブヘッド回転中心Rを結ぶ線上においては、サブヘッド3毎に2本ずつの吸着ノズル1、つまり、ヘッド部101における合計6本の吸着ノズル1を、隣接する6個のパーツカセット6における部品供給位置6aの上方に同時に配置することが可能となる。
また、図14(B)に示すように、このような配置の吸着ノズル1を備える各サブヘッド3において、吸着ノズル1が配置されている上記円周上における図示上端位置に吸着ノズル1を夫々配置させた場合には、上記上端位置に配置された各吸着ノズル1を一列に配置することができるとともに、上記各吸着ノズル1を、配置間隔Pの2倍の間隔毎の3個のパーツカセット6における部品供給位置6aの上方に同時に配置することが可能となる。
次に、図15(A)は、各サブヘッド3において、3本の吸着ノズルが、上記3本の吸着ノズル1のサブヘッド回転中心R回りのその円周上に均等な間隔でもって配置されており、さらに、上記3本の吸着ノズル1を結ぶことにより形成される正三角形における各辺の中点の位置夫々に吸着ノズル1が配置され、各サブヘッド3において、合計6本の吸着ノズル1が上記正三角形の外周上に配置されている場合である。また、各サブヘッド3においては、上記正三角形の各辺の長さは、パーツカセット6における配置間隔Pの2倍の間隔と同じ寸法となっている。また、各サブヘッド3は、夫々の上記サブヘッド回転中心Rの配列間隔をパーツカセット6における配置間隔Pの3倍の間隔でもって一列に、かつパーツカセット6の配列方向と略平行に配列されている。
これにより、図15(A)に示すように、各サブヘッド3において、上記正三角形の底辺が一直線上となるように各吸着ノズル1を配置することができ、このような場合にあっては、サブヘッド3における上記底辺が配置された上記直線上において、サブヘッド3毎に3本ずつの吸着ノズル1、つまり、ヘッド部101における合計9本の吸着ノズル1を、隣接する9個のパーツカセット6における部品供給位置6aの上方に同時に配置することが可能となる。
また、上記底辺が一直線上となるような吸着ノズル1の配置状態にあっては、図15(B)に示すように、サブヘッド3における上記正三角形の図示上端の頂点の位置に配置された夫々の吸着ノズル1を一列に配置することができるとともに、上記各吸着ノズル1を、配置間隔Pの3倍の間隔毎の3個のパーツカセット6における部品供給位置6aの上方に同時に配置することが可能となる。
また、上記底辺が一直線上となるような吸着ノズル1の配置状態にあっては、図15(C)に示すように、サブヘッド3における上記正三角形の図示上端の頂点とその他の頂点を結ぶ各辺における中点の位置に配置された夫々の吸着ノズル1を一列に配置することができるとともに、上記各吸着ノズル1を、配置間隔Pの3倍の間隔毎に互いに隣接された3組のパーツカセット6、つまり、合計6個のパーツカセット6における部品供給位置6aの上方に同時に配置することが可能となる。
次に、図16(A)は、各サブヘッド3において、4本の吸着ノズルが、上記4本の吸着ノズル1のサブヘッド回転中心R回りのその円周上に均等な間隔でもって配置されており、さらに、上記4本の吸着ノズル1を結ぶことにより形成される正方形における各辺の中点の位置夫々に吸着ノズル1が配置されて、各サブヘッド3において、合計8本の吸着ノズル1が上記正方形の外周上に配置されている場合である。また、各サブヘッド3においては、上記正方形の各辺の長さは、パーツカセット6における配置間隔Pの2倍の間隔と同じ寸法となっている。また、各サブヘッド3は、夫々の上記サブヘッド回転中心Rの配列間隔をパーツカセット6における配置間隔Pの3倍の間隔でもって一列に、かつパーツカセット6の配列方向と略平行に配列されている。
これにより、図16(A)に示すように、各サブヘッド3において、上記正方形の上辺が一直線上となるように各吸着ノズル1を配置することができ、このような場合にあっては、サブヘッド3における上記上辺が配置された上記直線上において、サブヘッド3毎に3本ずつの吸着ノズル1、つまり、ヘッド部101における合計9本の吸着ノズル1を、隣接する9個のパーツカセット6における部品供給位置6aの上方に同時に配置することが可能となる。
また、上記上辺が一直線上となるような吸着ノズル1の配置状態にあっては、図16(B)に示すように、サブヘッド3における上記正方形の各側辺における中点の位置に配置された夫々の吸着ノズル1を一列に配置することができるとともに、上記各吸着ノズル1を、隣接された3個のパーツカセット6における両端に位置するパーツカセット6を1組として、隣接されたこれら3組のパーツカセット6、つまり、合計6個のパーツカセット6における部品供給位置6aの上方に同時に配置することが可能となる。
また、各サブヘッド3の吸着ノズル1の配置が同じである場合に代えて、図17(A)及び(B)に示すように、上記実施例等の組み合わせとして、図3における6本の吸着ノズル1の配置を有するサブヘッド3と、図14における4本の吸着ノズル1の配置を有するサブヘッド3とを、ヘッド部101が組み合わせて備えているような場合であってもよい。
上記第1実施形態によれば、以下のような種々の効果を得ることができる。
まず、ヘッド部101が備える3個のサブヘッド3が、夫々6本の吸着ノズル1を備え、各サブヘッド3において、吸着ノズル1は、各吸着ノズル1のサブヘッド回転中心R回りに回転移動可能に配置されていることにより、各サブヘッド3において、ノズル回転機構10による各吸着ノズル1の上記サブヘッド回転中心R回りの回転移動によって、吸着ノズル1を夫々の回転移動の円周上における任意の位置に位置させることができ、ヘッド部101における吸着ノズル1の単位面積当りの装備数の増加を図ることができる。
さらに、各サブヘッド3において、吸着ノズル1は、各吸着ノズル1のサブヘッド回転中心R回りのその円周上に均等な間隔でもって配列されて、さらに、吸着ノズル1が配置される上記円周の直径は、パーツカセット6における配置間隔Pと同じ寸法となっており、かつ、各サブヘッド3は、夫々の上記サブヘッド回転中心Rの軸の配列間隔をパーツカセット6の配置間隔Pの2倍の間隔でもって一列に、かつパーツカセット6の配列方向と略平行に配列されていることにより、サブヘッド3における夫々のサブヘッド回転中心Rを結ぶ線上においては、サブヘッド3毎に2本ずつの吸着ノズル1、つまり、ヘッド部101における合計6本の吸着ノズル1を同時に配置することが可能となり、これら6本の吸着ノズル1の夫々の配列間隔を、パーツカセット6の配置間隔Pと同じ間隔することができる。これにより、サブヘッド3における夫々のサブヘッド回転中心Rを結ぶ線上においては、サブヘッド3毎に2本ずつの吸着ノズル1、つまり、ヘッド部101における合計6本の吸着ノズル1を、隣接する6個のパーツカセット6における部品供給位置6aの上方に同時に配置することができ、上記各部品供給位置6aからの同時的な電子部品2の吸着取出しを行うことができる。
従って、ヘッド部101における単位面積当りの吸着ノズル1の装備数の増加を図りながら、ヘッド部101による電子部品2の吸着取出しに要する時間を短縮することができ、このようなヘッド部101を備える電子部品装着装置102における電子部品の装着効率を向上させることが可能となる。
また、ヘッド部101における各サブヘッド3において、サブヘッド3が備える6本の吸着ノズル1のうちの1本又は複数本の任意の吸着ノズル1を選択可能なノズル選択機構40と、ノズル選択機構40により選択された1本又は複数本の吸着ノズル1を昇降動作させるノズル昇降機構20が個別に備えられていることにより、部品供給部6よりの電子部品2の吸着取出しの際に、複数の部品供給位置6aよりの同時的な電子部品2の吸着取出しが可能となっている吸着ノズル1を、各サブヘッド3が備える各吸着ノズル1より選択して下降動作を行わせて、上記各部品供給位置6aからの同時的な電子部品2の吸着取出しを行うことができ、ヘッド部101による電子部品2の吸着取出しに要する時間を短縮することができる。
さらに、各サブヘッド3において、各吸着ノズル1に個別に対応する吸装着用バルブ51が備えられていることにより、吸着ノズル1毎に電子部品2の吸着保持又は吸着保持解除を行うことができるため、1本又は複数本の任意の吸着ノズル1による電子部品2の吸着取出し又は装着に要する時間を短縮することができる。
さらに、ヘッド部101における各サブヘッド3において、サブヘッド3が備える各吸着ノズル1を、上記サブヘッド回転中心R回りに回転移動を行うノズル回転機構10が備えられていることにより、上記ノズル昇降機構20による上記選択された吸着ノズル1の昇降動作によって電子部品2の吸着取出しが行われた後、XYロボット8によるヘッド部101の移動を行うことなく、ノズル回転機構10により各吸着ノズル1を回転移動させて、上記吸着取出しが行われた吸着ノズル1とは別の吸着ノズル1を部品供給位置6aよりの同時的な電子部品2の吸着取出しが可能な位置へと配置させて、ノズル昇降機構20により上記別の吸着ノズル1を下降させて電子部品2の吸着取出しを行うことができる。さらに、各サブヘッド3において、これらノズル昇降機構20及びノズル回転機構10の上記各動作を繰り返し行うことにより、ヘッド部101において、複数の部品供給部6aよりの同時的な電子部品2の吸着取出しを連続的に行うことができ、ヘッド部101による電子部品2の吸着取出しに要する時間を短縮することができ、このようなヘッド部101を備える電子部品装着装置102における電子部品の装着効率を向上させることが可能となる。
また、回路基板4への電子部品2の装着動作の際においても、ノズル昇降機構20及びノズル回転機構10による吸着ノズル1への動作を組み合わせて繰り返し行うことにより、ヘッド部101において、回路基板4への電子部品2の装着動作を連続的に行うことができ、ヘッド部101による電子部品2の装着動作に要する時間を短縮することができ、このようなヘッド部101を備える電子部品装着装置102における電子部品の装着効率を向上させることが可能となる。
また、ヘッド部101における各サブヘッド3が上記ノズル回転機構10を備えていることにより、電子部品2の吸着取出しの際に、電子部品2が吸着取出しされる部品供給位置6aにおける電子部品2の吸着中心と、上記部品供給位置6aから電子部品2の吸着取出しを行う吸着ノズル1の中心との間にX軸方向又はY軸方向に位置ずれがあるような場合にあっては、ノズル回転機構10により吸着ノズル1を微小量だけ回転移動させることにより、吸着ノズル1の中心をX軸方向又はY軸方向に微小移動させて、電子部品2の上記吸着中心と吸着ノズル1の中心との間に発生していた位置ずれを補正して電子部品2の吸着姿勢の補正を行うことができる。また、このノズル回転機構10を用いた電子部品2のX軸方向又はY軸方向の吸着姿勢の補正動作は、サブヘッド3毎に個別に必要に応じて行うことができる。よって、ヘッド部101において、電子部品2の吸着取出しを安定して行うことができ、このようなヘッド部101を備える電子部品装着装置102における電子部品の装着効率の向上を妨げない。
また、ヘッド部101が備える3個のサブヘッド3により吸着保持されている複数の電子部品2を回路基板4に装着するような場合において、3個のサブヘッド3である第1サブヘッド3−A、第2サブヘッド3−B、及び第3サブヘッド3−Cが備える夫々の吸着ノズル1のうちの1本の吸着ノズル毎に、順次装着動作を行っていくような場合にあっては、1つのサブヘッド3における吸着ノズルが装着動作を行っている際に、この装着動作に影響を与えることなく、それ以外のサブヘッド3において、各吸着ノズル1の回転移動、吸着ノズル1の干渉回避高さ位置H2から上端位置H1までの上昇動作、吸着ノズル1の選択動作、及び吸着ノズル1の干渉回避高さ位置H2までの下降動作を個別に行うことができる。これにより、上記1つのサブヘッド3において、吸着ノズル1による電子部品2の回路基板4への装着動作を行っている際又はその装着動作の後上昇させる前までに、上記他のサブヘッド3においては、次に装着動作を行う吸着ノズル1を干渉回避高さ位置H2まで降下させて装着動作待機状態とさせて、上記装着動作が完了次第、ヘッド部101のXY移動により上記装着動作待機状態とさせた吸着ノズル1と回路基板4の電子部品2の装着位置との位置合せの後、上記吸着ノズル1を干渉回避高さ位置H2より降下させて、電子部品2の装着動作を行うことができる。よって、このような電子部品の装着方法においては、1つの吸着ノズル1の装着動作が完了したときに、常に、次の吸着ノズル1が装着動作待機状態とされているため、連続的に複数の電子部品2を回路基板4へ装着するのに要する時間を短縮させることができ、装着効率を向上化させた電子部品の装着方法を提供することが可能となる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。例えば、本発明の第2の実施形態にかかる電子部品装着装置用の部品装着ヘッドの一例として、ヘッド部121の正面図を図18(A)に、側面図を図18(B)に示す。
図18(A)及び(B)に示すように、ヘッド部121は、電子部品2を吸着保持可能な部品保持部材の一例である吸着ノズル201をサブヘッド回転中心R回りに回転移動可能に4本備えられたサブヘッド203を3個備えており、各サブヘッド203はヘッド部121として一体に構成されている。
なお、このようなヘッド部121が備えられる電子部品装着装置は、第1実施形態における電子部品装着装置102においてヘッド部101に代えて、ヘッド部121が備えられているのみであり、電子部品装着装置102におけるその他の構成部材については同様であるため、以下の説明において、上記その他の構成部材を用いる場合は、同じ符号を用いる。
図18(B)に示すように、ヘッド部121を備える電子部品装着装置において電子部品2が装着される回路形成体の一例である回路基板4における電子部品2が装着される装着表面と、各サブヘッド203における上記サブヘッド回転中心Rの軸は、大略直交の位置よりも傾斜されて、大略交差するように配置されている。また、各サブヘッド203において、吸着ノズル201は、各吸着ノズル201のサブヘッド回転中心R回りのその円周上に均等な間隔でもって配列、つまり、上記サブヘッド回転中心Rに対して平面的に点対称に4本の吸着ノズル201が配置されている。また、各サブヘッド203において、上記サブヘッド回転中心R回りの円周の下端位置に吸着ノズル201が配置された状態において、上記吸着ノズル201の軸芯と、回路基板4の上記装着表面は略直交するように、各吸着ノズル201は上記円周上に配置されている。
また、各サブヘッド203における上記サブヘッド回転中心R回りの円周の上記下端位置に配置された状態にある夫々の上記吸着ノズル201の上記軸芯は、上記電子部品装着装置が備える複数のパーツカセット6の配列方向に略平行となるように一列に配置されており、夫々の上記軸芯の配置間隔は、パーツカセット6の配置間隔Pの整数倍の一例として配置間隔Pと同じ寸法となるように配置されている。また、各サブヘッド203において、上記サブヘッド回転中心R回りの円周は全て同じ直径を有している。
また、ヘッド部121において、各サブヘッド203は、サブヘッド203を回路基板4の上記装着表面に略直交するように昇降動作させることにより、上記装着表面と略直交の位置に上記軸芯が位置された上記吸着ノズル201を上記軸芯に沿って昇降動作させることが可能となっている。
これにより、図18(A)に示すように、ヘッド部121において、サブヘッド203における上記サブヘッド回転中心R回りの円周の上記下端位置に配置された状態にある夫々の上記吸着ノズル201の上記軸芯は、パーツカセット6における部品供給位置6aに合致するように配置することができ、このような配置状態において、上記吸着ノズル201を昇降動作させることにより、3本の吸着ノズル201により、3箇所の部品供給位置6aよりの同時的な電子部品2の吸着取出しが可能となっている。
また、各サブヘッド203において、各吸着ノズル201を上記サブヘッド回転中心R回りに回転移動させることにより、任意の吸着ノズル201をその軸芯が回路基板4の上記装着表面と略直交された状態にて、上記円周の下端に位置させることができ、これらの吸着ノズル201により電子部品2の同時的な吸着取出しが可能となっている。
上記第2実施形態によれば、ヘッド部121において、回路基板4の装着表面と、各サブヘッド203における上記サブヘッド回転中心Rの軸が、大略直交されているのではなく、大略直交の位置よりも傾斜されて、上記装着表面と大略交差するように配置されている場合であっても、上記第1実施形態による効果と同様な効果を得ることができる。
つまり、ヘッド部121の各サブヘッド203において、吸着ノズル201が各吸着ノズル1のサブヘッド回転中心R回りの円周の下端位置に吸着ノズル201が配置された状態において、上記吸着ノズル201の軸芯と回路基板4の上記装着表面が略直交するように、各吸着ノズル201が上記円周上に配置されて、さらに、上記円周の上記下端位置に配置された状態にある夫々の上記吸着ノズル201の上記軸芯が、上記電子部品装着装置が備える複数のパーツカセット6の配列方向に略平行となるように一列に配置されて、夫々の上記軸芯の配置間隔が、パーツカセット6の配置間隔Pと同じ寸法となるように配置されていることにより、ヘッド部121において、サブヘッド203における上記サブヘッド回転中心R回りの円周の上記下端位置に配置された状態にある夫々の上記吸着ノズル201の上記軸芯を、パーツカセット6における部品供給位置6aに合致するように配置させることができる。このような配置状態において、上記吸着ノズル201を昇降動作させることにより、3本の吸着ノズル201により、3箇所の部品供給位置6aよりの同時的な電子部品2の吸着取出しが可能となる。
従って、ヘッド部121における単位面積当りの吸着ノズル201の装備数の増加を図りながら、ヘッド部121による電子部品2の吸着取出しに要する時間を短縮することができ、このようなヘッド部121を備える電子部品装着装置における電子部品の装着効率を向上させることが可能となる。
さらに、本発明の第3の実施形態にかかる電子部品装着装置用の部品装着ヘッドの一例として、ヘッド部131の正面図を図19(A)に、側面図を図19(B)に示す。
図19(A)及び(B)に示すように、ヘッド部131は、電子部品2を吸着保持可能な部品保持部材の一例である吸着ノズル301をサブヘッド回転中心R回りに回転移動可能に12本備えられたサブヘッド303を4個備えており、各サブヘッド303はヘッド部131として一体に構成されている。
なお、このようなヘッド部131が備えられる電子部品装着装置は、第1実施形態における電子部品装着装置102においてヘッド部101に代えて、ヘッド部131が備えられているのみであり、電子部品装着装置102におけるその他の構成部材については同様であるため、以下の説明において、上記その他の構成部材を用いる場合は、同じ符号を用いる。
図19(A)及び(B)に示すように、ヘッド部131を備える電子部品装着装置において電子部品2が装着される回路形成体の一例である回路基板4における電子部品2が装着される装着表面と大略平行に配置された軸が、各サブヘッド303における上記サブヘッド回転中心Rの軸となっており、各サブヘッド303は、上記同じ軸を夫々のサブヘッド回転中心Rとして回転可能となっている。
また、各サブヘッド303において、吸着ノズル301は、各吸着ノズル301のサブヘッド回転中心R回りのその円周上に均等な間隔でもって配列、つまり、上記サブヘッド回転中心Rに対して平面的に点対称に12本の吸着ノズル301が配置され、各吸着ノズル301は夫々の軸芯が上記円周の半径方向に沿ってかつ電子部品2を吸着保持可能な夫々の先端が上記円周の外側方向となるように配置されている。これにより、各サブヘッド303において、上記サブヘッド回転中心R回りの円周の下端位置に吸着ノズル301が配置された状態において、上記吸着ノズル301の軸芯と回路基板4の上記装着表面は略直交する。
また、各サブヘッド303における上記サブヘッド回転中心R回りの円周の上記下端位置に配置された状態にある夫々の上記吸着ノズル301の上記軸芯は、上記電子部品装着装置が備える複数のパーツカセット6の配列方向に略平行となるように一列に配置されており、このような状態における夫々の上記軸芯の配置間隔は、パーツカセット6の配置間隔Pの整数倍の一例として配置間隔Pと同じ寸法となるように配置されている。また、各サブヘッド303において、上記サブヘッド回転中心R回りの円周は全て同じ直径を有している。
また、ヘッド部131において、各サブヘッド303は、サブヘッド303を回路基板4の上記装着表面に略直交するように昇降動作させることにより、上記円周の下端に位置された上記吸着ノズル301を夫々の吸着ノズル301の上記軸芯に沿って昇降動作させることが可能となっている。
これにより、図19(A)及び(B)に示すように、ヘッド部131において、サブヘッド303における上記サブヘッド回転中心R回りの円周の上記下端位置に配置された状態にある夫々の上記吸着ノズル301の上記軸芯は、パーツカセット6における部品供給位置6aに合致するように配置することができ、このような配置状態において、上記吸着ノズル301を昇降動作させることにより、4本の吸着ノズル301により、4箇所の部品供給位置6aよりの同時的な電子部品2の吸着取出しが可能となっている。
また、各サブヘッド303において、各吸着ノズル301を上記サブヘッド回転中心R回りに回転移動させることにより、任意の吸着ノズル301をその軸芯が回路基板4の上記装着表面と略直交された状態にて、上記円周の下端に位置させることができ、これらの吸着ノズル301により電子部品2の同時的な吸着取出しが可能となっている。
上記第3実施形態によれば、ヘッド部131において、回路基板4の装着表面と、各サブヘッド303における上記サブヘッド回転中心Rの軸が、大略直交されている又は大略直交の位置よりも傾斜されているのではなく、上記装着表面と大略交差するように配置されている場合であっても、上記第1実施形態又は上記第2実施形態による効果と同様な効果を得ることができ、ヘッド部131における単位面積当りの吸着ノズル301の装備数の増加を図りながら、ヘッド部131による電子部品2の吸着取出しに要する時間を短縮することができ、このようなヘッド部131を備える電子部品装着装置における電子部品の装着効率を向上させることが可能となる。
さらに、本発明の第4の実施形態にかかる電子部品装着装置用の部品装着ヘッドの一例であるヘッド部141とヘッド部141を備える電子部品装着装置142の模式平面図を図20に示す。
図20に示すように、電子部品装着装置142は、その機台上の中央部分における回転中心回りの1つの円周上を移動軌道として移動可能なヘッド部141を2個備えており、また、図示しないが、ヘッド部141夫々を個別に上記円周上を移動させる軌道移動機構408を備えている。また、電子部品装着装置142における上記円周の対向する位置夫々に、複数のパーツカセット6が一定の配置間隔Pでもって、夫々の部品供給位置6aが上記円周上に位置するように配置されている。また、上記パーツカセット6が配置されている上記対向する方向と平面的に大略直交する方向における上記円周上の夫々の位置には、電子部品2が装着される回路基板4が着脱可能に電子部品装着装置142のステージ407上に固定されている。
また、各ステージ407は、夫々のステージ407を図示X軸方向に往復移動させる移動機構407aを備えており、この移動機構407aによるステージ407の図示X軸方向の移動により、ステージ407上に固定された回路基板4の図示X軸方向の往復移動が可能となっている。
また、ヘッド部141は、吸着ノズル401をサブヘッド回転中心R回りの円周上に回転移動可能に6本備えたサブヘッド403を3個備えており、各サブヘッド回転中心Rが一列に配置されているのではなく、上記ヘッド部141の移動軌道である上記円周に沿って配置され、かつ各サブヘッド回転中心R回りの円周が、夫々の両端位置において上記移動軌道と交差することを除けば、図3に示す上記第1実施形態におけるヘッド部101と同様となっている。従って、吸着ノズル401が配置されるサブヘッド回転中心R回りの円周の直径は、パーツカセット6における配置間隔Pと同じ寸法となっており、さらに、各サブヘッド403は、夫々のサブヘッド回転中心Rの軸の配列間隔をパーツカセット6の配置間隔Pの2倍の間隔でもって配置されている。
これにより、ヘッド部141の移動軌道である上記円周上に配置された隣接する6箇所のパーツカセット6における部品供給位置6aの上方に、サブヘッド403毎に2本の吸着ノズル401、つまり、ヘッド部141における6本の吸着ノズル401を同時に配置させることが可能となり、これら各部品供給位置6aからの同時的な電子部品2の吸着取出しが可能となっている。
また、電子部品装着装置142は、吸着ノズル401により吸着保持された電子部品2の吸着姿勢を認識可能な撮像装置430を2個備えており、各撮像装置430は、その撮像方向を上向きとして、各パーツカセット6とステージ407の間におけるヘッド部141の上記移動軌道である上記円周上の電子部品装着装置142の機台上に備えられており、電子部品2を吸着保持した各吸着ノズル401が上記移動軌道上において移動され、撮像装置430の上方を通過する際に、電子部品2の画像の撮像が行われて、各電子部品2の吸着姿勢が電子部品装着装置142の各構成部材の制御を行う制御部9により認識することが可能となっている。
ここで、電子部品装着装置141における電子部品2の吸着取出しから電子部品2の回路基板4への装着手順を説明する。
図20において、電子部品装着装置142における軌道移動機構408によりヘッド部141が図示上側のパーツカセット6の上方へと移動軌道上を移動されて、各吸着ノズル401により複数の部品供給位置6aより電子部品2が吸着取出しされる。
その後、軌道移動機構408により、電子部品2が吸着保持された状態の各吸着ノズル401を備えるヘッド部141を、図示左向きに移動軌道上を移動され、図示左側の撮像装置430の上方をヘッド部141が通過したときに、撮像装置430により吸着保持されている電子部品2の画像が撮像されて、各電子部品2の吸着姿勢が制御部9により認識される。その後、軌道移動機構430により、ヘッド部141は図示左側の回路基板4の上方へと移動軌道に沿って移動される。
その後、回路基板4を固定しているステージ307が備える移動機構307aにより、回路基板4を図示X軸方向に沿って移動させるとともに、軌道移動機構408によりヘッド部141を移動軌道に沿って移動させることにより、ヘッド部141が備える1つの吸着ノズル401と、回路基板4における上記1つの吸着ノズル401に吸着保持されている電子部品2が装着される装着位置との位置合わせを行う。このとき、制御部9により認識された電子部品2の吸着姿勢に基づいて、吸着姿勢の補正が行われながら、上記1つの吸着ノズル401が下降されて、電子部品2が回路基板4の上記装着位置に装着される。その後、上記1つの吸着ノズル401が上昇され、その他の吸着ノズル401についても同様な動作が繰り返し行われて、各電子部品2が回路基板4へ装着される。
上記第4実施形態によれば、電子部品装着装置142が、その機台上の中央部分における回転中心回りの1つの円周上を移動軌道として移動可能なヘッド部141を2個備え、複数のパーツカセット6が一定の配置間隔Pでもって、夫々の部品供給位置6aが上記円周上に位置するように配置され、ヘッド部141が、吸着ノズル401を回転中心回りに回転移動可能に6本備えたサブヘッド403を3個備えており、各サブヘッド回転中心Rが一列に配置されているのではなく、上記ヘッド部141の移動軌道である上記円周に沿って配置され、かつ各サブヘッド回転中心R回りの円周が、夫々の両端位置において上記移動軌道と交差することを除けば、図3に示す上記第1実施形態におけるヘッド部101と同様となっていることによって、ヘッド部141の移動軌道である上記円周上に配置された隣接する6箇所のパーツカセット6における部品供給位置6aの上方に、ヘッド部141における6本の吸着ノズル401を同時に配置させることが可能となり、これら各部品供給位置6aからの同時的な電子部品2の吸着取出しが可能となる。
従って、上記第1実施形態又は上記第2実施形態による効果と同様な効果を得ることができ、ヘッド部141における単位面積当りの吸着ノズル401の装備数の増加を図りながら、ヘッド部141による電子部品2の吸着取出しに要する時間を短縮することができ、このようなヘッド部141を備える電子部品装着装置142における電子部品の装着効率を向上させることが可能となる。
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。