JP4088458B2 - 部品装着装置用の部品装着ヘッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の部品を保持して回路形成体に装着する部品装着ヘッドに関するものであり、特に、部品を保持する複数の部品保持部材を備える部品装着装置用の部品装着ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の部品装着装置用の部品装着ヘッドは種々の構造のものが知られている。例えば、図30に、部品の一例として電子部品2を吸着保持可能な部品保持部材の一例である吸着ノズル901を10本一列にして備えた部品装着ヘッド900の構造を模式的に示す模式斜視図を示す。
【0003】
図30に示すように、部品装着ヘッド900に供給される電子部品2を供給可能に収納している部品供給部906は、複数の部品供給位置906aを備えており、各部品供給位置906aは一定の間隔でもって配列されている。また、部品装着ヘッド900が備える10本の吸着ノズル901は、部品供給位置906aの上記一定の間隔の整数倍の間隔でもって配列されている。
【0004】
このような部品装着ヘッド900により電子部品2を吸着保持するような場合には、上記10本の吸着ノズル901のうちの複数の吸着ノズル901により、部品供給部910における複数の部品供給位置911から電子部品2を同時に吸着取出しすることができ、これにより、部品装着ヘッド900による電子部品2の吸着取出しに要する時間を短縮化することができ、このような部品装着ヘッド900を備える部品装着装置における電子部品の装着効率を向上化させることが可能となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年、益々電子部品が実装されて形成された電子回路を内蔵した電子部品組立体においては、市場等の要望によりコストの削減が望まれており、生産コスト削減のための生産効率の更なる向上が望まれている。
【0006】
しかしながら、上記構造のものでは、単に、部品装着ヘッド900における吸着ノズル901の装備本数を増加させることにより、このような部品装着ヘッド900を備える部品装着装置における電子部品の装着効率の向上化を図ろうとするような場合にあっては、吸着ノズル901の本数が増加したことによる電子部品2の吸着取出しに要する時間の短縮化を図ることができるものの、各吸着ノズル901を備える部品装着ヘッド900が大型化し、部品装着ヘッドの移動速度の低下や部品装着装置の大型化等といった吸着ノズル901の装備本数の増加による弊害の影響が大きくなり、部品装着装置における電子部品の装着効率の向上化へと結びつけることができないという問題点があった。
【0007】
従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、部品を保持して回路形成体上に装着する部品装着ヘッドにおいて、部品装着ヘッドが装備する部品保持部材数を増加させながら、部品装着ヘッドにおいて、単位面積当りの部品保持部材の装備数を増加させ、部品装着ヘッドによる部品装着効率をさらに向上化させる部品装着ヘッド及び部品装着方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
【0009】
本発明の第1態様によれば、部品供給位置が一定の間隔でもって複数配列された部品供給部における上記各部品供給位置のうちの第1部品供給位置に供給された部品を保持して回路形成体に装着する複数の部品保持部材をサブヘッド回転中心回りの円周上に回転移動可能に配置した第1サブヘッドと、
上記部品供給部における上記各部品供給位置のうちの第2部品供給位置に供給された部品を保持して上記回路形成体に装着する複数の部品保持部材をサブヘッド回転中心回りの円周上に回転移動可能に配置した第2サブヘッドとを備え、
上記夫々のサブヘッド回転中心の配列方向と上記部品供給位置の配列方向は略平行であり、上記夫々のサブヘッド回転中心の間隔は上記一定の間隔の2以上の整数倍であり、かつ上記夫々のサブヘッド回転中心回りの上記円周の直径寸法は上記一定の間隔の整数倍の同じ寸法であって、
上記第1サブヘッド及び上記第2サブヘッドの夫々において、上記複数の部品保持部材のうちより1本又は複数本の上記部品保持部材を選択可能な選択機構と、上記選択機構により選択された上記1本又は複数本の上記部品保持部材を昇降させる昇降機構とを備え、
夫々の上記選択機構は、
上記部品保持部材の上部を挿通可能な複数の凹部が上記サブヘッド回転中心回りの上記円周上に形成されかつ上記サブヘッド回転中心回りに回転可能な選択円盤を備え、
上記複数の部品保持部材又は上記選択円盤の上記サブヘッド回転中心回りの回転移動により、上記選択円盤の上記凹部にその上部を挿通可能に位置された上記部品保持部材を除く1本又は複数本の上記部品保持部材を選択された状態させ、夫々の上記昇降機構は、上記選択円盤を下降させて、上記凹部に挿通可能に位置された上記部品保持部材の上部を上記凹部に挿通させるとともに、上記選択機構により選択された状態の上記1本又は複数本の部品保持部材の上部を上記選択円盤の下面にて押し下げて、上記1本又は複数本の部品保持部材を下降させることを特徴とする部品装着装置用の部品装着ヘッドを提供する。
【0010】
本発明の第2態様によれば、上記第1サブヘッド及び上記第2サブヘッドの夫々の上記選択機構において、
上記複数の部品保持部材と上記選択円盤における上記複数の凹部との上記サブヘッド回転中心回りの回転方向に対する相対的な位置を解除可能に固定させる相対位置固定機構と、
上記選択円盤を上記回転方向に対して解除可能に固定する円盤固定機構とを備え、
上記円盤固定機構により上記選択円盤を固定しながら、上記複数の部品保持部材の上記回転移動を行い、上記複数の部品保持部材と上機選択円盤の上記複数の凹部との上記相対的な位置を移動させて、上記1本又は複数本の部品保持部材を選択された状態とする第1態様に記載の部品装着装置用の部品装着ヘッドを提供する。
【0011】
本発明の第3態様によれば、上記第1サブヘッド及び上記第2サブヘッドの夫々の上記昇降機構において、
上記サブヘッド回転中心の方向と略直交する方向における回転中心及び上記回転中心回りの偏芯の回転運動を行う偏芯軸を有するカム部と、
上記カム部を上記回転中心回りに回転運動させる回転駆動部と、
上記カム部の上記偏芯軸の上記偏芯の回転運動を上記サブヘッド回転中心の方向の往復運動に変換するカムフォロア部とを備えている第1態様又は第2態様に記載の部品装着装置用の部品装着ヘッドを提供する。
【0012】
本発明の第4態様によれば、上記選択機構における上記選択円盤は、その周部を上記サブヘッド回転中心の方向において上記カムフォロア部に固定されて、上記カムフォロア部の上記往復運動により上記選択円盤の昇降動作を行う第3態様に記載の部品装着装置用の部品装着ヘッドを提供する。
【0013】
本発明の第5態様によれば、上記第1サブヘッド及び上記第2サブヘッドの夫々において、
回転駆動源による上記サブヘッド回転中心回りの上記複数の部品保持部材の回転運動、及び上記選択機構における上記選択円盤の上記サブヘッド回転中心回りの回転運動を行う回転機構を備える第1態様から第4態様のいずれか1つに記載の部品装着装置用の部品装着ヘッドを提供する。
【0014】
本発明の第6態様によれば、上記夫々の選択機構において、上記選択円盤における上記複数の凹部は、上記サブヘッド回転中心の方向と直交する平面上に略円形状又は略長円形状の断面を有する第1態様から第5態様のいずれか1つに記載の部品装着装置用の部品装着ヘッドを提供する。
【0015】
本発明の第7態様によれば、上記第1サブヘッド及び上記第2サブヘッドの夫々において、
上記複数の部品保持部材を上記サブヘッド回転中心に対して点対称の位置に配置している第1態様から第6態様のいずれか1つに記載の部品装着装置用の部品装着ヘッドを提供する。
【0016】
本発明の第8態様によれば、上記第1サブヘッド及び上記第2サブヘッドの上記夫々の選択機構において、
上記点対称の位置に互いに配置されている2本の上記部品保持部材を同時的に選択可能に上記選択円盤において上記複数の凹部が形成されている第7態様に記載の部品装着装置用の部品装着ヘッドを提供する。
【0017】
本発明の第9態様によれば、上記第1サブヘッド及び上記第2サブヘッドの上記夫々の選択機構において、
全ての上記部品保持部材を同時的に選択可能に上記選択円盤において上記複数の凹部が形成されている第1態様から第8態様のいずれか1つに記載の部品装着装置用の部品装着ヘッドを提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
本発明の一実施形態にかかる部品装着装置用の部品装着ヘッドの一例として、ヘッド部101の斜視図を図1に示す。
【0020】
図1に示すように、ヘッド部101は、部品の一例として電子部品2を吸着保持可能な部品保持部材の一例である吸着ノズル1を複数備えられた第1サブヘッド及び第2サブヘッドの一例であるサブヘッド3を3個備えている。また、各サブヘッド3において備えられている各吸着ノズル1は、夫々のサブヘッド3の回転中心であるサブヘッド回転中心R回りに回転移動可能となっている。さらに、各サブヘッド3は、夫々が備える各吸着ノズル3を上記サブヘッド回転中心R回りに回転移動させる回転機構の一例であるノズル回転機構10と、夫々が備える各吸着ノズル1より昇降動作を行わせる吸着ノズル1を選択する選択機構の一例であるノズル選択機構40と、ノズル選択機構40により選択された吸着ノズル1のみを昇降動作させる昇降機構の一例であるノズル昇降機構20とを個別に備えている。また、ノズル回転機構10、ノズル選択機構40、及びノズル昇降機構20とが備えられた各サブヘッド3は、ヘッドフレーム5に固定されており、これにより各サブヘッド3はヘッド部101として一体と構成されている。
【0021】
次に、このような構成のヘッド部101を備える部品供給装置の一例として、電子部品供給装置102の模式的な斜視図を図2に示す。
【0022】
図2に示すように、電子部品装着装置102は、ヘッド部101を2個備えている。また、電子部品装着装置102は、夫々のヘッド部101を電子部品装着装置102の機台に沿った方向である図示X軸方向又はY軸方向に移動させるXYロボット8と、電子部品装着装置102における機台上の図示Y軸方向における対向する両端部に夫々設けられ、複数の電子部品2を供給可能に収納している部品供給部の一例である複数のパーツカセット6と、電子部品装着装置102の機台上の中央付近に、電子部品2が装着される回路形成体の一例である回路基板4を解除可能に固定するステージ7とを備えている。ここで、回路形成体とは、樹脂基板、紙−フェノール基板、セラミック基板、ガラス・エポキシ(ガラエポ)基板、フィルム基板などの回路基板、単層基板若しくは多層基板などの回路基板、部品、筐体、又は、フレームなど、回路が形成されている対象物を意味する。なお、図2において、図示X軸方向とY軸方向とは、互いに直交している。
【0023】
XYロボット8は、電子部品装着装置102における機台上の対向する端部のうちの上記パーツカセット6が備えられていない方の両端部、つまり、図示X軸方向における両端部の夫々に、角柱状の剛体で門型に形成されたY軸ロボット8a、及び各Y軸ロボット8aに梁状の両端を支持されて、各Y軸ロボット8aにより図示Y軸方向に個別に進退移動可能な2つのX軸ロボット8bを備えており、ヘッド部101は、X軸ロボット8b上を図示X軸方向に進退移動可能に、夫々のX軸ロボット8bに取り付けられている。
【0024】
また、各パーツカセット6は、第1部品供給位置及び第2部品供給位置の一例である部品供給位置6aにおいて電子部品2を供給可能となっており、部品供給位置6aが一定の間隔である配列間隔Pでもって、図示X軸方向と平行に一列に配列されるように各パーツカセット6が上記機台上の上記両端部の夫々に設置されている。
【0025】
また、電子部品装着装置102は、吸着ノズル1により吸着保持された電子部品2の画像を撮像することにより、電子部品2の吸着姿勢を認識可能な撮像装置30を2個備えている。撮像装置30は、その撮像方向を上向きとして、各パーツカセット6とステージ7との間における上記機台上に夫々設置されており、XYロボット8によるヘッド部101の移動により、電子部品2を吸着保持した吸着ノズル1を備えるサブヘッド3が、撮像装置30の上方を通過するように移動されて、この通過の際に電子部品2の画像が撮像され、撮像された画像により電子部品2の吸着姿勢が認識される。
【0026】
また、電子部品装着装置102は、各ヘッド部101、XYロボット8、撮像装置30、及び各パーツカセット6における夫々の動作を制御する制御部9を備えている。また、撮像装置30により撮像された画像による電子部品2の吸着姿勢は制御部9により認識される。
【0027】
次に、このような構成の電子部品装着装置102が備えるヘッド部101における吸着ノズル1の配置について説明する。
【0028】
図3は、ヘッド部101における吸着ノズル1の平面的な配置を示す配置図である。図3に示すように、ヘッド部101は3個のサブヘッド3を夫々のサブヘッド回転中心Rが図示X軸方向沿いに一列となるように備えており、各サブヘッド3は6本の吸着ノズル1を備えている。各サブヘッド3において、吸着ノズル1は、サブヘッド回転中心R回りのその円周上に均等な間隔でもって配列、つまり、上記サブヘッド回転中心Rに対して平面的に点対称に6本の吸着ノズル1が配置されている。また、吸着ノズル1が配置される上記円周の直径は、パーツカセット6における配列間隔Pの整数倍の間隔の一例として、配列間隔Pと同じ寸法となっている。また、各サブヘッド3は、夫々の上記サブヘッド回転中心Rの軸の配列間隔を上記パーツカセット6における配列間隔Pの2以上の整数倍の間隔の一例として、配列間隔Pの2倍の間隔でもって一列に、かつパーツカセット6の配列方向と略平行に、すなわち、図示X軸方向と略平行に配列されている。
【0029】
これにより、図3に示すように、サブヘッド3における夫々のサブヘッド回転中心Rを結ぶ線上においては、サブヘッド3毎に2本ずつの吸着ノズル1、つまり、ヘッド部101における合計6本の吸着ノズル1を同時に配置することが可能となっており、これら6本の吸着ノズル1の夫々の配列間隔は、配列間隔Pとすることができる。
【0030】
また、ヘッド部101においては、全ての吸着ノズル1が同じ種類の吸着ノズル1であってもよいし、又は、サブヘッド3毎に異なる種類の吸着ノズル1が備えられている場合であってもよい。また、各サブヘッド3において、上記サブヘッド回転中心Rに対して点対称に配置された吸着ノズル1が、夫々同じ種類の吸着ノズル1である場合であってもよい。
【0031】
次に、ヘッド部101が備える各サブヘッド3の構造について詳細に説明する。
【0032】
図1に示すように、大略角筒形状のヘッドフレーム5は、3個のサブヘッド3を上下方向に貫通させるように支持している。図4はこの3個のサブヘッド3のうちの1個のサブヘッド3がヘッドフレーム5に支持された状態の縦断面図であり、さらに、図4の部分拡大図を図25に示す。
【0033】
図4及び図25に示すように、サブヘッド3の下部において、各吸着ノズル1が軸状の各ノズルシャフト11の下端に、吸着ノズル1の中心がノズルシャフト11の軸芯と一致するように、1対1に着脱可能に固定されている。これにより、各吸着ノズル1は夫々に対応するノズルシャフト11と一体とされており、吸着ノズル1とノズルシャフト11とを合わせたものが部品保持部材の一例ともなっている。また、各ノズルシャフト11は、図3において説明した各吸着ノズル1の配列に従って平面的に配列されながら、各吸着ノズル1のサブヘッド回転中心Rをその中心とする略円柱状のノズルホルダー12により、支持されて取り付けられている。
【0034】
また、ノズルホルダー12はその上部においてその略円柱状の径が他の部分よりも小径とされた円環状の段部12bが形成されており、また、各ノズルシャフト11は、ノズルホルダー12のこの段部12b及び下面を貫通しており、ノズルホルダー12内にて昇降可能となっている。また、ノズルホルダー12は、その中心をホルダー回転中心として回転可能にヘッドフレーム5の下部内側に固定された軸受け12aにより支持されている。
【0035】
また、ノズルホルダー12の図示左側には、6個の吸装着用バルブ51がヘッドフレーム5の外側に上下方向に一列に連ねられて固定されており、各吸装着バルブ51はヘッド部101に備えられた真空吸引装置50に導圧管で接続されている。また、吸装着用バルブ51は吸着ノズル1と一対一に対応されており、夫々の吸装着用バルブ51から夫々に対応する吸着ノズル1の先端部まで、個別に一連の導圧経路が形成されている。これら夫々の導圧経路は、吸装着用バルブ51からヘッドフレーム5の図示左下側部を横方向に貫通するように形成された導圧管路と、ヘッドフレーム5の内側部分におけるこの導圧管路の貫通高さ位置に合致するようにノズルホルダー12の外周全体に形成された溝部とヘッドフレーム5の内周面で囲まれた部分と、上記溝部からノズルホルダー12におけるノズルシャフト11の貫通部分ノズルホルダー12の外周面から夫々のノズルシャフト11の貫通部分の内周面まで貫通するように形成された導圧管路と、この導圧管路と連なるようにノズルシャフト11内部の軸心部分に形成された導圧管路により構成されている。これにより、ノズルホルダー12がその回転移動によりホルダー回転中心回りの任意の位置に位置された場合においても、上記導圧経路は保持される構造となっている。
【0036】
また、6個の吸装着用バルブ51は、制御部9により個別に開閉動作が可能となっており、吸装着用バルブ51が開動作されたときは、開動作された吸装着用バルブ51から対応する吸着ノズル1の先端部までの上記導圧経路と、上記吸装着バルブ51から真空吸引装置50までの上記導圧管が通じた状態とされるため、上記吸着ノズル1による電子部品2の吸着保持を行うことができる。また、吸装着用バルブ51が閉動作されたときは、閉動作された吸装着用バルブ51から対応する吸着ノズル1の先端部までの上記導圧経路と、上記吸装着バルブ51から真空吸引装置50までの上記導圧管が、閉動作された吸装着用バルブ51において遮断された状態とされるため、上記吸着ノズル1による電子部品2の吸着保持の解除を行うことができる。従って、サブヘッド3が備える6本の吸着ノズル1のうちの1又は複数の任意の吸着ノズル1により電子部品2の吸着保持又は吸着保持解除を個別に行うことが可能となっている。
【0037】
また、ヘッドフレーム5の上面外側には、ノズル回転機構10における駆動部の一例である回転用モータ15がその駆動軸15aを下向きとして固定されており、回転用モータ15がヘッド部101における最上部となっている。また、回転用モータ15の駆動軸15aと一体的に回転するように駆動軸15aの下方先端部に軸状のスプラインシャフト13が固定されている。また、スプラインシャフト13の下部は、ノズルホルダー12の上部中央に固定されており、ノズルホルダー12のホルダー回転中心は、スプラインシャフト13の中心と、及び回転用モータ15の駆動軸15aの回転中心と同じとなっている。これにより、ノズル回転駆動機構10において、回転用モータ15の駆動軸15aが正逆回転駆動されることによりスプラインシャフト13が正逆回転されて、スプラインシャフト13が正逆回転されることによりノズルホルダー12がホルダー回転中心回りに正逆回転され、ノズルホルダー12に支持されている各吸着ノズル1のサブヘッド回転中心R回りの正逆回転が可能となっている。なお、ノズル回転機構10における駆動部がサブヘッド3毎に備えられた回転用モータ15である場合に代えて、ヘッド部101において回転用モータを1つ備え、上記1つの回転用モータにより各サブヘッド3におけるスプラインシャフト13の回転を伝達可能となっている場合であってもよい。
【0038】
次に、サブヘッド3が備える各吸着ノズル1のうちより、ノズル昇降機構20により昇降動作を行わせる吸着ノズル1を選択するノズル選択機構40について説明する。
【0039】
ノズル選択機構40は、ノズル回転機構10におけるスプラインシャフト13の中央付近に、略円筒状の下部及び略円盤状の上部を組み合わせて一体に構成され、かつ略T字状の縦断面を有するスプラインナット42が、その略円筒状の部分をスプラインシャフト13の外周に沿って昇降可能に、その中心をスプラインシャフト13の回転中心上において取り付けられている。
【0040】
また、略円筒状の上部及び略円盤状の下部を組み合わせて一体に構成された選択円盤の一例であるセレクト円盤部41が、スプラインナット42全体をその内部に収めるように、かつスプラインシャフト13の回転中心に沿って昇降可能にその中心をスプラインシャフト13の回転中心上において設置されている。
【0041】
また、セレクト円盤部41はその略円筒状の部分における内面において、スプラインナット42のその略円筒状の部分における外周に取り付けられた軸受け46に、回転可能に取り付けられている。これにより、セレクト円盤部41は、サブヘッド回転中心R回りに回転移動可能であるとともに、スプラインナット42の外周沿いに回転移動可能となっている。
【0042】
また、セレクト円盤部41は、その略円筒状の部分における上端部においてサブヘッド回転中心R方向に向かって環状に突出された突出部41cを備えている。また、スプラインナット42における略円盤状の部分における上側周面部は、セレクト円盤部41の突出部41cの下部に当接可能となっている。
【0043】
また、弾性体の一例であるばね部45がその下端を軸受け部46の上部に固定され、その上端をスプラインナット42の略円盤状の部分の下面に固定されている。これにより、セレクト円盤部41の内部においてスプラインナット42全体がばね部45により支持された状態となって、上記互いに当接可能となっているスプラインナット42の略円盤状の部分における上側周面部と、セレクト円盤部41の突出部41cの下部は、ばね部45により付勢されて常時当接された状態となっている。
【0044】
また、上記互いに当接された状態となっている部分において、セレクト円盤部41の突出部41cの下部に下向きに形成された凸状の位置決めピン43が形成されており、また、スプラインナット42の上記上側周面部の端部には位置決めピン43と互いに嵌め合い可能なピン受部42aが複数形成されており、上記当接状態において、位置決めピン43がピン受部42aに嵌め合わさることにより、セレクト円盤部41とスプラインナット42とがサブヘッド回転中心R回りの回転方向において互いに固定された状態とされる。この位置決めピン43及びピン受部42aが相対位置固定機構の一例となっている。また、このピン受部42aは、スプラインナット42の上記上側周面部において、同一円周上に一定の間隔でもって、例えば、20度の角度ピッチでもって全周に渡り合計18個形成されており、夫々のピン受部42aがセレクト円盤部41の位置決めピン43と嵌め合い可能となっている。
【0045】
また、セレクト円盤部41においては、その略円盤状の部分の下面に、ノズルシャフト11の上部が挿通可能な凹部の一例である抜き孔部41bが複数形成されている。ここで、図4におけるA−A矢視断面図である図5を用いて、セレクト円盤部41における抜き孔部41bの配置について以下に説明する。
【0046】
図5に示すように、抜き孔部41bは、サブヘッド回転中心Rと直交する平面沿いの方向におけるその断面が略円形状及び略長円形状の2種類の形状の抜き孔部41bが、サブヘッド回転中心R回りのノズルシャフト11が配置されている円周と同一の円周上に配置されている。また、図5に示すように上記円周上において、サブヘッド回転中心R回りに、50度に位置に上記略円形状の断面を有する抜き孔部41bが、0度、120度、180度、300度の位置に上記長円孔形状の断面を有する抜き孔部41bが配置されている。なお、図5においては、上記円周の図示上端を原点位置としてサブヘッド回転中心Rに対して反時計方向に角度座標を採っている。また、上記円周上における抜き孔部41bの上記配置は、一例であって、上記配置に限定されるものではない。
【0047】
サブヘッド回転中心R回りの円周上におけるセレクト円盤部41における抜き孔部41bの配置とノズルシャフト11の配置との相対的な位置関係により、抜き孔部41bに挿通可能な位置に位置されたノズルシャフト11を除く1本又は複数本のノズルシャフト11を選択された状態とさせる。セレクト円盤部41の昇降動作についての説明は後述するが、この配置状態においてセレクト円盤部41が下降された場合には、上記選択された状態のノズルシャフト11の上部を、セレクト円盤部41の下面に当接させるとともに、ノズルシャフト11を押し下げて、吸着ノズル1を下降させることができる。一方、上記選択された状態にないノズルシャフト11(すなわち、抜き孔部41に挿通可能な位置に位置されたノズルシャフト11)は、セレクト円盤部41が下降された場合には、セレクト円盤部41における抜き孔部41bに挿通されることとなるため、上記ノズルシャフト11はセレクト円盤部41の下面により押し下げられない。なお、この抜き孔部41bの形状及びこの抜き孔部41の配置と吸着ノズル1の配置との相対的な位置関係による吸着ノズル1の選択パターンの詳細の説明については後述する。
【0048】
また、図4及び図25に示すように、サブヘッド3においては、セレクト円盤部41をその回転方向に対してヘッドフレーム5に解除可能に固定する円盤固定機構の一例であるノッチ機構48が備えられている。ノッチ機構48は、セレクト円盤部41におけるその略円筒状の部分における上端外周部に形成された切り欠き状のノッチ部41aと、ノッチ部41aの切り欠き形状に対応した形状を有しかつノッチ部41aに噛み込み可能な噛み込み部47aを先端部に備え、かつヘッドフレーム5に取り付けられたノッチ固定部47とにより構成されている。
【0049】
ノッチ固定部47は、L字状の平面を有するように板状体により形成されかつその厚み方向を横方向としてヘッドフレーム5の図示左上外側に取り付けられている。
【0050】
また、ノッチ固定部47は、上記L字状の平面が横向きになるようにかつその一方の先端部がヘッドフレーム5の内側に位置するように配置されて、その中央付近を支持位置としてヘッドフレーム5に支持されている。また、ノッチ固定部47は、上記支持位置を支点として可動可能となっており、ヘッドフレーム5の外側に位置する他方の端部近傍とヘッドフレーム5とに取り付けられたばね部47bにより、ノッチ固定部47は上記支点に対して図示時計方向に常時付勢されている。これにより、ヘッドフレーム5の内側においてノッチ固定部47は図示下向きに常時付勢されてノッチ固定部47の下側の一部がヘッドフレーム5に常時当接された状態となっている。
【0051】
これにより、ヘッドフレーム5の内側に位置された噛み込み部47aに上向きの力が加えられた場合には、ヘッドフレーム5の内側においてはノッチ固定部47が上記当接の位置より上方に押上げられ、ヘッドフレーム5の外側においてはノッチ固定部47の上記他方の端部が図示右向きに移動されてばね部47bが縮められる。また、上記上向きの力が解除された場合には、ばね部47bの付勢力により、ノッチ固定部47が上記当接の状態へと戻される。
【0052】
また、セレクト円盤部41が上昇されて、かつセレクト円盤部41においてノッチ部41aがノッチ固定部47の噛み込み部47aに噛み込み可能な位置に位置された場合には、ノッチ固定部47の噛み込み部47aがセレクト円盤部41の上端に当接することなく、ノッチ部41aに噛み込み、セレクト円盤部41がその回転方向に対してヘッドフレーム5に固定された状態とされる。一方、セレクト円盤部41が上昇された場合であっても、セレクト円盤部41におけるノッチ部41aがノッチ固定部47の噛み込み部47aに噛み込み可能な位置に位置されていない場合には、ノッチ固定部47の噛み込み部47aがセレクト円盤部41の上端に当接して押上げられて、噛み込み部47aがノッチ部41aに噛み込むことはない。このような状態において、セレクト円盤部41を回転させてノッチ部41aを噛み込み部47aにより噛み込み可能な位置に位置させれば、噛み込み部47aをノッチ部41aに噛み込ませることができる。
【0053】
また、スプラインナット42の上側においては、略円柱状の形状を有しかつスプラインシャフト13の上端部に固定されている当てブロック44が備えられている。また、当てブロック44は、円環状の断面を有する当て部44aをその下部に備えている。セレクト円盤部41とスプラインナット42とがスプラインシャフト13に沿って上昇された場合において、当て部44aは、セレクト円盤部41の突起部41cの内側においてセレクト円盤部41とは接触することなく、スプラインナット42における円盤状の部分の上面に当接可能となっている。
【0054】
まず、セレクト円盤部41においてノッチ部41aがノッチ固定部47の噛み込み部47aに噛み込み可能な位置に位置するようにセレクト円盤部41をサブヘッド回転中心R回りに回転移動させる。その後、セレクト円盤部41がスプラインシャフト13に沿って上昇されることにより、セレクト円盤部41の位置決めピン43と嵌め合わされた状態のピン受部42aを備えるスプラインナット42がセレクト円盤部41とともに上昇されて、スプラインナット42の上記上面が当てブロック44の当て部44aに当接される。この当接の後、さらに、セレクト円盤部41とスプラインナット42とが上昇されることにより、スプラインナット42を上方へと付勢しているばね部45が縮められ、スプラインナット42とセレクト円盤部41を上記回転方向に対して固定している位置決めピン43とピン受部42aとの嵌め合いが解除される。
【0055】
それとともに、予め噛み込み可能な位置に位置された状態のセレクト円盤部41のノッチ部41aにノッチ固定部47の噛み込み部47aが噛み込み、セレクト円盤部41のみがサブヘッド回転中心R回りの回転方向に対してヘッドフレーム5に固定された状態とされる。ここで、このような状態におけるサブヘッド3の縦断面図を図6に示す。なお、図4は、位置決めピン43とピン受部42aとの嵌め合いが保持されている状態のサブヘッド3を示している。
【0056】
図6に示すように、この状態においてノズル回転機構10の回転用モータ15によりスプラインシャフト13を回転させることにより、スプラインナット42をセレクト円盤部41の内側において回転させることができ、スプラインナット42とセレクト円盤部41の相対的な回転移動、つまり、セレクト円盤部41における抜き孔部41の配置と吸着ノズル1の配置の相対的な回転移動を行うことができる。
【0057】
また、上記相対的な回転移動を行った後、セレクト円盤部41をスプラインシャフト13に沿って下降させて、スプラインナット42をセレクト円盤部41とともに下降させることにより、図4に示すように、噛み込み部47aのノッチ部41aへの上記噛み込みを解除させるとともに、セレクト円盤部41の位置決めピン43がスプラインナット42の別のピン受部42aに嵌め合わさり、上記相対的な回転移動が行われたセレクト円盤部41とスプラインナット42とが互いに上記回転方向に対して固定された状態とさせることができる。
【0058】
なお、ノッチ機構48に上記噛み込み状態を監視可能なフォトセンサー等を備えさせて、フォトセンサーによりノッチ機構48によりセレクト円盤部41が上記回転方向に対して固定されているかどうかを監視し、その監視状態を制御部9に出力するような場合であってもよい。このような場合にあっては、ノッチ機構48による固定不良による動作エラーの発生を未然に防止することができる。
【0059】
また、ノズルシャフト11は、夫々の上部における周部に形成された円環突起状のばね受部11aの下部とノズルホルダー12の段部12bとに取り付けられ、かつ夫々のノズルシャフト11の外側に巻き付けるように取り付けられた弾性体の一例である付勢ばね16を介して、ノズルホルダー12の段部12bにより支えられるとともに、各ノズルシャフト11が、各付勢ばね16により常時上方に付勢された状態となっている。また、各ノズルシャフト11の下部には、その軸径が他の部分よりも大径とされた段部11bが形成されており、これにより、付勢ばね16により上方に付勢されたノズルシャフト11は、段部11bの上面がノズルホルダー12の下面に常時当接された状態とされ、上記当接された位置において、ノズルシャフト11の昇降動作の上端位置が制限されている。
【0060】
次に、このセレクト円盤部41を昇降動作させ、ノズルシャフト11及び吸着ノズル1を昇降動作させるノズル昇降機構20について説明する。
【0061】
ノズル昇降機構20は、回転駆動部の一例である昇降用モータ21の正逆回転運動をスプラインナット14の昇降運動へと変換して伝達する機構である。図4に示すように、昇降用モータ21は、その駆動軸21aの回転中心がサブヘッド回転中心Rと略直交するように、駆動軸21aを図示左側として、ヘッドフレーム5の図示右下側面外側に固定されている。
【0062】
また、図4において、昇降用モータ21の駆動軸21aには、駆動軸21aの回転軸をその回転中心として正逆回転可能なカム部の一例である偏芯カム22が取り付けられており、偏芯カム22は、その外周部において、ヘッドフレーム5の内側に取り付けられた軸受け22bにより、上記回転可能に支持されている。偏芯カム22は、その回転中心の軸と平行に偏芯された軸をを中心とした偏芯軸22aが偏芯カム22の図示左側面に設けられている。これにより、昇降用モータ21の駆動軸21aが正逆回転駆動されることにより、偏芯カム22が上記回転中心において正逆回転され、偏芯軸22aは偏芯カム22の回転中心回りに偏芯しつつ正逆回転されることとなる。
【0063】
また、図4において、偏芯カム22の偏芯軸22aは、偏芯カム22の正逆回転運動を昇降運動に変換するカムフォロア部の一例である昇降用カムフォロア24の下部に、サブヘッド3の配列方向に長い穴形状で形成された長穴部24aにはめ込まれている。偏芯カム22の偏芯軸22a外周には軸受け22cが取り付けられており、長穴部24aは、上下方向に偏芯軸22aの軸受け22c直径と同じ寸法となっており、横方向には、偏芯軸22aの偏芯の回転運動における軸受け22cの左端位置と右端位置との間の寸法よりも僅かに大きな寸法となっている。また、昇降用カムフォロア24は、棒状の上部が上下方向に移動可能なLMレール部24cとして形成されており、このLMレール部24cと合致する凹溝状のLMガイド部23aを備えたLMブロック23がヘッドフレームの図示右側内面に固定されている。これにより、LMレール部24cは、LMブロック23における凹溝状のLMガイド部23a内で円滑に上下動可能となっている。
【0064】
ここで、図4におけるB−B矢視図として、これらの関係を別の側面から示した図を図8(B)に、図8(B)におけるC−C断面矢視図を図8(A)に示す。図8(A)及び(B)に示すように、昇降用モータ21により正逆回転された偏芯カム22により、偏芯軸22aが駆動軸21aの回転中心回りに正逆回転されるが、昇降用カムフォロア24における長穴部24a及びLMレール部24cにより、上記偏芯軸22aの回転運動のうちの図示左右方向の運動は伝達されることなく、図示上下方向の運動のみ昇降用カムフォロア24に伝達されることとなる。上記上下方向の運動のみ伝達された昇降用カムフォロア24において、LMブロック23におけるLMガイド部23aに沿ってLMレール部24cが昇降動作され、昇降用カムフォロア24の昇降動作を行うことが可能となっている。
【0065】
また、偏芯カム22における偏芯軸22aがその正逆回転運動における下端に位置したときに、昇降用カムフォロア24はその昇降動作の下端位置に位置され、偏芯軸22aがその回転運動における上端に位置したときに、昇降用カムフォロア24はその昇降動作の上端位置に位置される。従って、偏芯カム22における偏芯軸22aの軸受け22cの偏芯の回転運動における上端位置と下端位置との間の寸法が、昇降用カムフォロア24の昇降可能動作量となっている。
【0066】
また、昇降用カムフォロア24は、図4に示すように、その上下方向の中央付近において、セレクト円盤部41における略円盤状の部分の周端部の一部を、上下面から挟み込むように上下方向においてのみ固定するナット駆動部24bを備えている。ナット駆動部24bには、セレクト円盤部41の上記周端部における接触部分に軸受け24dが取り付けられており、これにより、ナット駆動部24bにより昇降用カムフォロア24の昇降動作をセレクト円盤部41の昇降動作に伝達可能となるとともに、セレクト円盤部41はその回転動作がナット駆動部24bにより制限を受けない。
【0067】
また、昇降用カムフォロア24によるセレクト円盤部41の昇降動作は、セレクト円盤部41のノッチ部41aにノッチ固定部47の噛み込み部47aが噛み込み可能な位置と、ノズルホルダー12の上面近傍との間で行われる。なお、ノズル昇降機構20により昇降カムフォロア24が下降動作の下端に位置された場合であっても、セレクト円盤部41の下端がノズルホルダー12の上端に接触しないように上記下降動作は制限されている。
【0068】
サブヘッド3が備える6本の吸着ノズル1のうちの1本又は複数本の吸着ノズル1の昇降動作を行う場合には、まず、サブヘッド3において昇降動作を行う1本又は複数本の吸着ノズル1を選択し、ノズル選択機構40において、選択された吸着ノズル1を除く吸着ノズル1に対応するノズルシャフト11の上部がセレクト円盤部41の抜き孔部41bに挿通可能な位置に位置し、かつ上記選択された吸着ノズル1に対応するノズルシャフト11の上部がセレクト円盤部41の抜き孔部41bに挿通されない位置に位置するように、セレクト円盤部41とスプラインナット42の相対的な回転移動を(上記において説明したように)行い、各ノズルシャフト11の上部と抜き孔部41bとの位置合わせを行う。
【0069】
その後、ノズル昇降機構20における昇降用モータ21の駆動軸21aが正逆方向に回転駆動され、この正逆方向の回転運動が偏芯カム22を介して、昇降用カムフォロア24の昇降動作へと変換されて、昇降用カムフォロア24のナット駆動部24bによりセレクト円盤部41が下降動作される。
【0070】
図7のサブヘッド3の縦断面図に示すように、セレクト円盤部41の下降動作により、上記選択された吸着ノズル1に対応するノズルシャフト11は、その上部がセレクト円盤部41の下面により押し下げられて下降され、上記選択された吸着ノズル1が下降される。一方、上記選択された吸着ノズル1を除く吸着ノズル1に対応するノズルシャフト11は、その上部がセレクト円盤部41の抜き孔部41bに挿通されることとなるため、セレクト円盤部41により押し下げらず下降されない。なお、ノズル昇降機構20による上記ノズルシャフト11の下降動作は、ノズルシャフト11を常時上方に付勢している付勢ばね16による付勢力に打ち勝つ力で行われるため、付勢ばね16が上記下降動作に影響を与えることはない。その後、昇降用カムフォロア24のナット駆動部24bによりセレクト円盤部41が上昇動作されることにより、上記下降動作されたノズルシャフト11が上昇されて、上記選択された吸着ノズル1が上昇される。なお、図7においては、図示左側の吸着ノズル1が上記選択された吸着ノズル1であり、図示右側の吸着ノズル1が上記選択されなかった吸着ノズル1である。
【0071】
また、上記選択された吸着ノズル1の昇降動作は、昇降用カムフォロア24によるセレクト円盤部41の昇降動作により行われるため、昇降用カムフォロア24が昇降動作の上端位置に位置されたとき、すなわち、偏芯カム22における偏芯軸22aの軸受け22cがその偏芯の回転動作の上端に位置したときに、上記吸着ノズル1はその昇降動作の上端位置に位置され、また、昇降用カムフォロア24が昇降動作の下端位置に位置されたとき、すなわち、偏芯カム22における偏芯軸22aの軸受け22cがその偏芯の回転動作の下端に位置したときに、上記吸着ノズル1はその昇降動作の下端位置に位置される。従って、昇降用カムフォロア24の上記昇降可能動作量が、上記選択された吸着ノズル1の昇降動作量となっている。また、偏芯カム22は、昇降用モータ21により正逆回転されるため、上記選択された吸着ノズル1の昇降位置は、昇降用モータ21の正逆回転駆動により決定される。なお、サブヘッド3におけるノズル回転機構10の回転用モータの駆動、ノズル選択機構40の選択動作、各吸着ノズル1の吸着動作、及びノズル昇降機構20の昇降用モータ21の駆動等の上記各動作は全て制御部9により制御される。
【0072】
次に、ヘッド部101の各サブヘッド3における吸着ノズル1による電子部品2のパーツカセット6よりの吸着取出動作、及びステージ7上に固定された回路基板4への電子部品2の装着動作について説明する。
【0073】
まず、吸着ノズル1による電子部品2の吸着取出を行う場合には、図2において、XYロボット8によりヘッド部101を図示X軸方向又はY軸方向に移動させて、ヘッド部101をパーツカセット6の上方へと移動させる。ここで、図9に示すヘッド部101におけるサブヘッド3の断面図において、図示右側の吸着ノズル1を吸着ノズル1R、図示左側の吸着ノズル1を吸着ノズル1Lとし、サブヘッド3が備える各吸着ノズル1を代表してこれら吸着ノズル1R及び1Lについての動作の説明を行う。なお、サブヘッド3に備えられる吸着ノズル1は全て同じ種類である場合であってもよく、また、全て異なる種類である場合であってもよい。図9及び図10においては、吸着ノズル1Rと1Lは互いに種類が異なっている。
【0074】
図9に示すように、XYロボット8によるヘッド部101の移動動作により、サブヘッド3における吸着ノズル1Lと、電子部品2が吸着取出しされるパーツカセット6の部品供給位置6aとが位置合わせされ、吸着ノズル1Lが部品供給位置6aの上方へと移動される。その後、ノズル選択機構40において、吸着ノズル1Rに対応するノズルシャフト11の上部がセレクト円盤部41の抜き孔部41bに挿通可能、かつ吸着ノズル1Lに対応するノズルシャフト11の上部がセレクト円盤部41の抜き孔部41bに挿通されないような位置へのセレクト円盤部41と抜き孔部41bとの位置合わせを、セレクト円盤部41とスプラインナット42の相対的な回転移動により上記において説明したような手順にて行う。この位置合わせの後、ノズル昇降機構20によりセレクト円盤部41が下降されて、吸着ノズル1Lに対応するノズルシャフト11の上部がセレクト円盤部41の下面にて押し下げられて吸着ノズル1Lが下降される。一方、吸着ノズル1Rに対応するノズルシャフト11の上部はセレクト円盤部41の抜き孔部41bに挿通されるため、セレクト円盤部41の下面にて押し下げられることはなく、吸着ノズル1Rは下降されない。
【0075】
ここで、吸着ノズル1Lの下降後の停止位置は、吸着ノズル1Lの下方先端がパーツカセット6の部品供給位置6aにおける電子部品2の上面に当接する位置でなけられならないが、パーツカセット6に収納されている電子部品2の部品厚さデータが予め制御部9において入力されており、制御部9において、この部品厚さデータに基づいて吸着ノズル1Lの下降量が決められ、この下降量に対応した量だけノズル昇降機構20における昇降用モータ21が回転駆動されて、吸着ノズル1Lを上記下降量だけ下降することが可能となっている。これにより、吸着ノズル1Lの下方先端が部品供給位置6aにおける電子部品2の上面に当接されるとともに、電子部品2の上面を吸着ノズル1Lの上記先端において吸着保持される。その後、ノズル昇降機構20により吸着ノズル1Lが電子部品2を吸着保持したまま上昇される。
【0076】
その後、吸着ノズル1Rが、吸着ノズル1Lと同じパーツカセット6より電子部品2の吸着取出を行う場合にあっては、吸着ノズル1Lが電子部品2の吸着取出を行ったヘッド部101の位置において、サブヘッド3のノズル回転機構10により各吸着ノズル1を180度回転移動させることにより、吸着ノズル1Rを部品供給位置6aの上方へと移動させる。その後、上記吸着ノズル1Lと吸着取出動作と同様にノズル選択機構40によるセレクト円盤部41とスプラインナット42の相対的な回転移動、及びノズル昇降機構20によるセレクト円盤部41の下降動作を行い、吸着ノズル1Rにより電子部品2の吸着取出を行う。なお、吸着ノズル1Rが、吸着ノズル1Lとは別のパーツカセット6より電子部品2の吸着取出を行う場合にあっては、上記ノズル回転機構10による各吸着ノズル1の回転移動に代えて、吸着ノズル1Rが上記別のパーツカセット6の部品供給位置6aの上方へと位置するように、XYロボット8によりヘッド部101がX軸方向又はY軸方向に移動される場合であってもよい。さらに、このXYロボット8によりヘッド部101の移動と併せて、ノズル回転機構10による各吸着ノズル1の回転移動を行う場合であってもよい。
【0077】
これにより、サブヘッド3において、吸着ノズル1L及び1Rにより電子部品2が吸着保持された状態となる。その後、図2において、ヘッド部101が撮像装置30の上方を経由して、ステージ7に固定されている回路基板4の上方へと位置するように、XYロボット8によるヘッド部101の図示X軸方向又はY軸方向への移動が開始されるとともに、ノズル選択機構40において、吸着ノズル1L及び1Rに対応する夫々のノズルシャフト11の上部がともにセレクト円盤部41の抜き孔部41bに挿通されないような位置に位置するように、セレクト円盤部41とスプラインナット42との相対的な回転移動を行って、夫々のノズルシャフト11の上部と抜き孔部41bとの位置合わせを行う。この位置合わせの後、ノズル昇降機構20によりセレクト円盤部41が下降されて吸着ノズル1L及び1Rがともに下降される。このとき、制御部9により、昇降用モータ21の回転駆動量が制御されることにより、吸着ノズル1L及び1Rの下降量が制御されて、吸着ノズル1L及び1Rにより吸着保持されている電子部品2の画像が撮像装置30により撮像可能な高さ、つまり、上記各電子部品が撮像装置30における焦点高さ範囲内に位置される。その後、サブヘッド3が撮像装置30の上方を通過する際に、吸着ノズル1L及び1Rに吸着保持されている電子部品2の画像が撮像されて、制御部9において、撮像された画像に基づき各電子部品2の吸着姿勢が認識される。ヘッド部101は、撮像装置30の上方を通過後、回路基板4の上方へと移動される。
【0078】
次に、図10に示すように、XYロボット8によるヘッド部101の移動により、サブヘッド3における吸着ノズル1Lが回路基板4における電子部品2の装着部の上方位置合わせされとともに、ノズル選択機構40において、吸着ノズル1Lに対応するノズルシャフト11の上部がセレクト円盤部41の抜き孔部41bに挿通されないような位置に、かつ吸着ノズル1Rに対応するノズルシャフト11の上部がセレクト円盤部41の抜き孔部41bに挿通可能な位置に位置するように、セレクト円盤部41とスプラインナット42との相対的な回転移動を行い、セレクト円盤部41の抜き孔部41bとノズルシャフト11の上部との位置合わせを行う。この位置合わせの後、ノズル昇降機構20により吸着ノズル1Lが下降される。このとき、制御部9により、昇降用モータ21の回転駆動量が制御されることにより、吸着ノズル1Lの下降量が制御されて、吸着ノズル1Lにより吸着保持されている電子部品2が、回路基板4における電子部品2の装着部に加圧されて、電子部品2が回路基板4に装着されるとともに、吸着ノズル1による電子部品2への吸着保持が解除される。その後、ノズル昇降機構20により吸着ノズル1Lが上昇される。
【0079】
また、吸着ノズル1Rについても、XYロボット8によるヘッド部101の移動又はサブヘッド3におけるノズル回転機構10による各吸着ノズル1の回転移動、又は上記両者の移動の組み合わせにより、吸着ノズル1Lによる電子部品2の装着動作と同様に、電子部品2の回路基板4への装着動作を行う。
【0080】
また、回路基板4の上方において、電子部品2を吸着保持した状態の吸着ノズル1LのX軸方向又はY軸方向の移動、又は各吸着ノズル1の回転移動を行う場合においては、ノズルシャフト11の下部における段部11bの上面がノズルホルダー12の下面に当接する高さ位置まで、吸着ノズル1Lを上昇させるのではなく、吸着ノズル1Lにより吸着保持されている電子部品2の下端が、回路基板4に装着された電子部品2のうちの最大の部品厚さを有する電子部品2の上端に干渉しないような高さ位置まで、吸着ノズル1Lを下降させた状態において移動を行う。これにより、次に行われる吸着ノズル1Lによる電子部品2の装着動作の際に、吸着ノズル1Lの下降量を少なくすることができ、吸着ノズル1Lの下降動作時間を短縮することが可能となる。なお、この吸着ノズル1Lの上記電子部品2に干渉しないような高さ位置の制御は、制御部9により、昇降用モータ21の回転駆動量を制御することにより行われる。
【0081】
次に、ヘッド部101が備える3個のサブヘッド3によるパーツカセット6よりの電子部品2の吸着取出方法を実施例として以下に説明する。
【0082】
ヘッド部101の各サブヘッド3は、図3に示すような配列にて吸着ノズル1を備えている。また、図11及び図12は、このようなヘッド部101における吸着ノズル1の配列と電子部品装着装置102が備える複数のパーツカセット6の平面的な配置関係を模式的に示した模式説明図である。図11及び図12において、ヘッド部101が備えるサブヘッド3を、図示左側より順に第1サブヘッド3−A、第2サブヘッド3−B、及び第3サブヘッド3−Cとする。また、第1サブヘッド3−Aが備える6本の吸着ノズル1を図示左端に位置する吸着ノズル1より時計回りに順に、吸着ノズル1−A1、1−A2、・・・、1−A6とし、また、第2サブヘッド3−Bについても同様に、吸着ノズル1−B1、1−B2、・・・、1−B6とし、さらに、第3サブヘッド3−Cについても同様に、吸着ノズル1−C1、1−C2、・・・、1−C6とする。また、図11(A)に示すように、パーツカセット6の配列を図示左側より順に、パーツカセット6−1、6−2、・・・、6−6とし、パーツカセット6−1は部品供給位置6a−1を、パーツカセット6−2は部品供給位置6a―2を、・・・、パーツカセット6−6は部品供給位置6a−6を備えている。なお、図11(B)並びに(C)及び図12(D)並びに(E)においては、各パーツカセット6のうち、吸着ノズル1により電子部品2が吸着取出されるパーツカセット6についてのみ表示している。
【0083】
なお、電子部品装着装置102の構成部が複数の部材により構成されている部材の説明においては、上記複数の部材のうちの個々の部材を特定する場合には、上記部材の符号を例えば、部材X−1、X−2、X−A1、X−C6というように用い、上記複数の部材のうちの個々の部材を特定しない場合には部材Xというように用いている。ここでXは、部材の符号として用いられる数字である。
【0084】
まず、図11(A)は、ヘッド部101が備える各吸着ノズル1のうちの6本の吸着ノズル1により同時的に電子部品2の吸着取出しを行う場合である。図11(A)に示すように、パーツカセット6−1の部品供給位置6a−1の上方に吸着ノズル1−A1を、パーツカセット6−3の部品供給位置6a−3の上方に吸着ノズル1−B1を、パーツカセット6−5の部品供給位置6a−5の上方に吸着ノズル1−C1を位置させると、パーツカセット6−2の部品供給位置6a−2の上方に吸着ノズル1−A4、パーツカセット6−4の部品供給位置6a−4の上方に吸着ノズル1−B4、パーツカセット6−6の部品供給位置6a−6の上方に吸着ノズル1−C4も位置されることとなる。その後、吸着ノズル1−A1、1−A4、1−B1、1−B4、1−C1、及び1−C4の6本の吸着ノズル1により同時的な電子部品2の吸着取出が行われる。
【0085】
なお、この場合、パーツカセット6−1及び6−2に収納されている電子部品2は夫々略同じ部品厚さを有する電子部品2であり、パーツカセット6−3及び6−4に収納されている電子部品2も夫々略同じ部品厚さを有する電子部品2であり、パーツカセット6−5及びパーツカセット6−6に収納されている電子部品2も夫々同じ部品厚さを有する電子部品2である必要がある。各サブヘッド3において略同時的に下降された吸着ノズル1の先端の高さ位置は、同じ高さ位置となるからである。
【0086】
また、上記6本の吸着ノズル1による同時的な電子部品2の吸着取出が行われた後、各サブヘッド3において、ノズル回転機構10により各吸着ノズル1が60度反時計回りに回転移動されて、吸着ノズル1−A2、1−A5、1−B2、1−B5、1−C2、及び1−C5が部品供給位置6a−1から6a−6の上方に夫々位置されることとなり、これら6本の吸着ノズル1により同時的な電子部品2の吸着取出が行われる。
【0087】
その後、さらに、各サブヘッド3において、ノズル回転機構10により各吸着ノズル1が60度反時計回りに回転移動されて、同様に、吸着ノズル1−A3、1−A6、1−B3、1−B6、1−C3、及び1−C6が部品供給位置6a−1から6a−6の上方に夫々位置されることとなり、これら6本の吸着ノズル1により同時的な電子部品2の吸着取出が行われる。
【0088】
このような電子部品2の吸着取出方法においては、各サブヘッド3における吸着ノズル1の配置の特徴を利用した効率的な吸着取出を行うことが可能となる。
【0089】
次に、図11(B)は、ヘッド部101が備える各吸着ノズル1のうちの3本の吸着ノズル1により同時的に電子部品2の吸着取出しを行う場合である。図11(B)に示すように、パーツカセット6−1の部品供給位置6a−1の上方に吸着ノズル1−A1を、パーツカセット6−3の部品供給位置6a−3の上方に吸着ノズル1−B1を、パーツカセット6−5の部品供給位置6a−5の上方に吸着ノズル1−C1を位置させる。その後、吸着ノズル1−A1、1−B1、及び1−C1の3本の吸着ノズル1により同時的な電子部品2の吸着取出を行う。
【0090】
各サブヘッド3においては、ノズル回転機構10により各吸着ノズル1の反時計回りに60度の回転移動を行っていくことにより、各サブヘッド3における1本ずつの吸着ノズル1、つまり合計3本の吸着ノズル1による同時的な電子部品2の吸着取出しが行われる。
【0091】
このような電子部品2の吸着取出し方法においては、例えば、吸着ノズル1−A1において部品供給位置6a−1より電子部品2の吸着取出しを行うような場合において、部品供給位置6a−1における電子部品2の吸着中心と、吸着ノズル1−A1の中心との間に図示Y軸方向に位置ずれがあるような場合にあっては、第1サブヘッド3−Aにおけるノズル回転機構10により吸着ノズル1−A1を微小量だけ回転移動させることにより、吸着ノズル1−A1の中心を図示Y軸方向に微小移動させて、電子部品2の上記吸着中心と吸着ノズル1−A1の中心との間に発生していた位置ずれを補正して電子部品2の吸着姿勢の補正を行うことができる。このノズル回転機構10を用いた電子部品2のY軸方向の吸着姿勢の補正動作は、各サブヘッド3毎に個別に必要に応じて行うことができる。よって、このような電子部品2の吸着取出し方法においては、各サブヘッド3における吸着ノズル1の配置の特徴を利用した効率的な吸着取出しを行いながら、電子部品2のY軸方向における吸着姿勢の補正動作を行うことを可能としている。
【0092】
また、このようなノズル回転機構10を用いた電子部品2の吸着姿勢の補正動作を行う前に、上記補正動作が行われる各吸着ノズル1において、夫々の上記位置ずれが平均的な位置ずれとなるように、XYロボット8によるヘッド部101のX軸方向又はY軸方向への移動を行い、その後、上記ノズル回転機構10を用いた電子部品2の吸着姿勢の補正動作を行うような場合であってもよい。
【0093】
なお、ヘッド部101が備える各吸着ノズル1のうちの3本の吸着ノズル1により同時的に電子部品2の吸着取出しは、図11(C)に示すように、第2サブヘッド3−Bにおいては、パーツカセット6−4より電子部品2の吸着取出しを行うというような場合であってもよい。
【0094】
次に、図12(D)は、ヘッド部101が備える各吸着ノズル1が夫々個別かつ非同時的に電子部品2の吸着取出しを行う場合である。図12(D)に示すように、第1サブヘッド3−Aにおける吸着ノズル1−A1をパーツカセット6−1の部品供給位置6a−1の上方へと位置させて、吸着ノズル1−A1により電子部品2の吸着取出しを行う。
【0095】
その後、第1サブヘッド3−Aにおいて、ノズル回転機構10により各吸着ノズル1を反時計回りに60度回転移動させて、吸着ノズル1−A2を部品供給位置6a−1の上方に位置させて、吸着ノズル1−A2により電子部品2の吸着取出しを行う。その後、第1サブヘッド3−Aにおいて、ノズル回転機構により各吸着ノズル1の回転移動を行うことにより、吸着ノズル1を順次部品供給位置6a−1の上方へと位置させて、各吸着ノズル1により電子部品2の吸着取出しを行う。
【0096】
その後、XYロボット8によりヘッド部101を図示X軸方向左向きに移動させて、第2サブヘッド3−Bにおける吸着ノズル1−B1を部品供給位置6a−1の上方へと位置させて、吸着ノズル1−B1により電子部品2の吸着取出しを行う。その後、上記サブヘッド3−Aの場合と同様に、第2サブヘッド3−Bにおける全ての吸着ノズル1により電子部品2の吸着取出しを行う。
【0097】
その後、さらに、XYロボット8によりヘッド部101を図示X軸方向左向きに移動させて、第3サブヘッド3−Cについても、同様に、全ての吸着ノズル1により電子部品2の吸着取出しを行う。
【0098】
なお、上記のように1つのサブヘッド3における全ての吸着ノズル1により電子部品2の吸着取出しを行った後、別のサブヘッド3における吸着ノズル1により電子部品2の吸着取出しを行うような場合に代えて、1つのサブヘッド3における1つの吸着ノズル1により電子部品2の吸着取出しを行った後、別のサブヘッド3における吸着ノズル1により電子部品2の吸着取出しを行うような場合であってもよい。
【0099】
例えば、吸着ノズル1−A1により電子部品2の吸着取出しを行った後、XYロボット8によるヘッド部101の移動により、第2サブヘッド3−Bにおける吸着ノズル1−B1により電子部品2の吸着取出しを行い、その後さらに、XYロボット8によりヘッド部101の移動により、第3サブヘッド3−Cにおける吸着ノズル1−C1により電子部品2の吸着取出しを行う。電子部品2の吸着取出しが行われたサブヘッド3においては、その吸着取出しの後、ノズル回転機構10により各吸着ノズル1を反時計回りに60度の回転移動を行う。これにより、第3サブヘッド3−Cにおける吸着ノズル1−C1による電子部品2の吸着取出しが行われた後、XYロボット8によるヘッド部101の図示X軸方向右向きの移動を行い、第2サブヘッド3−Bにおける吸着ノズル1−B2により電子部品2の吸着取出しを行い、その後、XYロボット8によるヘッド部101の図示X軸方向右向きの移動を行い、第1サブヘッド3−Aにおける吸着ノズル1−A2により電子部品2の吸着取出しを行う。このような吸着取出しの動作を行うことにより、全ての吸着ノズル1による電子部品2の吸着取出しが行われる。
【0100】
このような電子部品2の吸着取出し方法においては、ヘッド部101においては、常に1本の吸着ノズル1により電子部品2の吸着取出しが行われることとなるため、例えば、吸着ノズル1−A1において部品供給位置6a−1より電子部品2の吸着取出しを行うような場合において、部品供給位置6a−1における電子部品2の吸着中心と、吸着ノズル1−A1の中心との間に図示X軸方向又はY軸方向に位置ずれがあるような場合にあっては、XYロボット8によるヘッド部101の移動により、吸着ノズル1−A1を図示X軸方向又はY軸方向に微小に移動させて、電子部品2の吸着中心と吸着ノズル1−A1の中心との間において発生していた位置ずれを補正して吸着ノズル1−A1による電子部品2の吸着姿勢の補正を行うことができる。
【0101】
また、夫々の吸着ノズル1により吸着取出しされる電子部品2の種類が異なり、電子部品2の部品厚さが夫々異なるような場合であっても、ヘッド部101においては、常に1本の吸着ノズル1により電子部品2の吸着取出しが行われることとなるため、夫々の吸着ノズル1の動作は互いに影響せず、各吸着ノズル1により電子部品2の吸着取出しを行うことができる。
【0102】
次に、図12(E)は、ヘッド部101が備える各吸着ノズル1のうちの5本の吸着ノズル1により同時的に電子部品2の吸着取出しを行う場合であり、図11(A)及び(B)における吸着取出し方法が組み合わされて行われる。このような電子部品2の吸着取出し方法においても、各サブヘッド3における吸着ノズル1の配置の特徴を利用した効率的な吸着取出しを行うことが可能である。
【0103】
次に、図12(F)は、ヘッド部101が備える各吸着ノズル1のうちの3本の吸着ノズル1により同時的に電子部品2の吸着取出しを行う場合の別の例である。図12(F)に示すように、各サブヘッド3における吸着ノズル1の配置状態は、図11(B)に示す配置状態とは異なり、図11(B)に示す配置状態より、
各サブヘッド3が備えるノズル回転機構10により、各吸着ノズル1を時計回りに90度回転移動させて、パーツカセット6−1の部品供給位置6a−1の上方に吸着ノズル1−A1を、パーツカセット6−3の部品供給位置6a−3の上方に吸着ノズル1−B1を、パーツカセット6−5の部品供給位置6a−5の上方に吸着ノズル1−C1を位置させる。その後、吸着ノズル1−A1、1−B1、及び1−C1の3本の吸着ノズル1により同時的な電子部品2の吸着取出を行う。
【0104】
各サブヘッド3においては、ノズル回転機構10により各吸着ノズル1の反時計回りに60度の回転移動を行っていくことにより、各サブヘッド3における1本ずつの吸着ノズル1、つまり合計3本の吸着ノズル1による同時的な電子部品2の吸着取出しが行われる。
【0105】
このような電子部品2の吸着取出し方法においては、例えば、吸着ノズル1−A1において部品供給位置6a−1より電子部品2の吸着取出しを行うような場合において、部品供給位置6a−1における電子部品2の吸着中心と、吸着ノズル1−A1の中心との間に図示X軸方向に位置ずれがあるような場合にあっては、サブヘッド3−Aにおけるノズル回転機構10により吸着ノズル1−A1を微小量だけ回転移動させることにより、吸着ノズル1−A1の中心を図示X軸方向に微小移動させて、電子部品2の上記吸着中心と吸着ノズル1−A1の中心との間に発生していた位置ずれを補正して電子部品2の吸着姿勢の補正を行うことができる。このノズル回転機構10を用いた電子部品2のX軸方向の吸着姿勢の補正動作は、各サブヘッド3毎に個別に必要に応じて行うことができる。
【0106】
また、例えば、パーツカセット6が部品供給位置6aに位置された電子部品2を図示Y軸方向に微小移動させる移動機構を備えているような場合にあっては、例えば、部品供給位置6a−1における電子部品2の吸着中心と、吸着ノズル1−A1の中心との間に図示Y軸方向に位置ずれがあるような場合に、上記移動機構により部品供給位置6aに位置された電子部品2を図示Y軸方向に微小移動させることにより、吸着ノズル1−A1の中心を図示Y軸方向に微小移動させて、電子部品2の上記吸着中心と吸着ノズル1−A1の中心との間に発生していた位置ずれを補正して電子部品2の吸着姿勢の補正を行うことができる。
【0107】
よって、このような電子部品2の吸着取出し方法においては、各サブヘッド3における吸着ノズル1の配置の特徴を利用した効率的な吸着取出しを行いながら、電子部品2のX軸方向及びY軸方向における吸着姿勢の補正動作を行うことを可能としている。
【0108】
なお、各パーツカセット6が部品供給位置6aを図示Y軸方向に沿って2箇所備えており、夫々の部品供給位置6aの間隔がパーツカセット6の配列間隔Pであるような場合にあっては、各パーツカセット6において、ノズル回転中心Rに対して点対称にかつY軸方向に沿って配列された2本の吸着ノズル1を、同時的に、各パーツカセット6における2箇所の部品供給位置6aの上方に配置することが可能となる。従って、このような場合にあっては、各サブヘッド3における上記Y軸方向に配列された2本の吸着ノズル1による同時的な電子部品2の吸着取出しが可能となる。
【0109】
また、上記各実施例においては、複数のパーツカセット6からの電子部品2の吸着取出しを行う場合について説明したが、電子部品2の吸着取出しはパーツカセット6に限定されるものではなく、パーツカセット6に代えて、電子部品2が板状の部品供給トレイにより供給可能となっている場合であって、上記部品供給トレイにおいて、電子部品2が一定の間隔、例えば、配列間隔Pでもって、X軸方向及びY軸方向に配列されている場合であってもよい。
【0110】
次に、ヘッド部101が備える3個のサブヘッド3によるパーツカセット6よりの電子部品2の吸着取出の後、これらの電子部品2の回路基板4への装着方法の一例を実施例として以下に説明する。
【0111】
図13、図14及び図15は、ヘッド部101の各サブヘッド3が備える吸着ノズル1による電子部品2の回路基板4への装着方法を模式的に示した模式説明図である。なお、図13、図14及び図15においては、サブヘッド3及び吸着ノズル1を特定する場合の符号は、図11及び図12で用いた符合と同じ符号を用いている。
【0112】
また、図16は、図13、図14及び図15に示す電子部品2の装着方法により電子部品2が装着される回路基板4の平面図である。図16に示すように、回路基板4は、複数の電子部品2が装着される複数の装着領域Z1、Z2、Z3、及びZ4を有しており、各装着領域Z1、Z2、Z3、及びZ4においては、電子部品2が装着される装着位置を一定の間隔である装着ピッチQにて複数、図示X軸方向に沿って一列にして配列されている。装着領域Z1における装着位置を図示左側より、装着領域Z1−1、Z1−2、・・・、Z1−Nとし、装着領域Z2における装着位置を図示左側より、装着領域Z2−1、Z2−2、・・・、Z2−Nとし、装着領域Z3における装着位置を図示左側より、装着領域Z3−1、Z3−2、・・・、Z3−Nとし、装着領域Z4における装着位置を図示左側より、装着領域Z4−1、Z4−2、・・・、Z4−Nとする。ここで、Nは整数であり、各装着領域Z1、Z2、Z3、及びZ4において装着される電子部品2の個数を表している。なお、装着領域Z1、Z2、及びZ3において、装着位置Z1−1、Z2−1、及びZ3−1の夫々の間隔は、パーツカセット6の配列間隔Pの2倍の間隔となっている。
【0113】
まず、図13に示す電子部品2の装着方法は、回路基板4における装着領域Z1、Z2、及びZ3における上記各装着位置に、電子部品2を連続的に装着するような場合における電子部品2の装着方法の手順を示している。
【0114】
図13に示すように、まず、ステップS1において、XYロボット8によりヘッド部101を回路基板4の上方へと移動させ、第1サブヘッド3−Aにおける吸着ノズル1−A1と回路基板4における装着領域Z1の装着位置Z1−1との位置合わせを行うとともに、第2サブヘッド3−Bにおける吸着ノズル1−B1と、第3サブヘッド3−Cにおける吸着ノズル1−C1とを、夫々のサブヘッド回転中心R回りの円周上における図示X軸方向左端に位置させる。それとともに、第1サブヘッド3−Aにおいて吸着ノズル1−A1が、第2サブヘッド3−Bにおいて吸着ノズル1−B1が、第3サブヘッド3−Cにおいて吸着ノズル1−C1が選択される。その後、第1サブヘッド1−Aにおいて、吸着ノズル1−A1が下降され、吸着保持されている電子部品2が回路基板4の装着位置Z1−1に装着されて、電子部品2の吸着保持解除後、吸着ノズル1−A1が上昇される。
【0115】
その後、ステップS2において、第1サブヘッド3−Aにおけるノズル回転機構10により各吸着ノズル1が反時計回りに60度回転移動されるとともに、XYロボット8によるヘッド部101の微小移動により、第2サブヘッド3−Bにおける吸着ノズル1−B1と回路基板4における装着領域Z2の装着位置Z2−1との位置合わせの微小調整が行われる。その後、第2サブヘッド3−Bにおいて、吸着ノズル1−B1が下降され、吸着保持されている電子部品2が回路基板4の装着位置Z2−1に装着されて、電子部品2の吸着保持解除後、吸着ノズル1−B1が上昇される。
【0116】
その後、ステップS3において、第2サブヘッド3−Bにおけるノズル回転機構10により各吸着ノズル1が反時計回りに60度回転移動されるとともに、XYロボット8によるヘッド部101の微小移動により、第3サブヘッド3−Cにおける吸着ノズル1−C1と回路基板4における装着領域Z3の装着位置Z3−1との位置合わせの微小調整が行われる。その後、第3サブヘッド3−Cにおいて、吸着ノズル1−C1が下降され、吸着保持されている電子部品2が回路基板4の装着位置Z3−1に装着されて、電子部品2の吸着保持解除後、吸着ノズル1−C1が上昇される。
【0117】
その後、ステップS4において、第3サブヘッド3−Cにおけるノズル回転機構10により各吸着ノズル1が反時計回りに60度回転移動されるとともに、XYロボット8によるヘッド部101の図示X軸方向右向きの移動により、第1サブヘッド3−Aにおける吸着ノズル1−A2と回路基板4における装着領域Z1の装着位置Z1−2との位置合わせが行われる。それとともに、第1サブヘッド3−Aにおいて吸着ノズル1−A2が、第2サブヘッド3−Bにおいて吸着ノズル1−B2が、第3サブヘッド3−Cにおいて吸着ノズル1−C2が選択される。その後、第1サブヘッド3−Aにおいて、吸着ノズル1−A2が下降され、吸着保持されている電子部品2が回路基板4の装着位置Z1−2に装着されて、電子部品2の吸着保持解除後、吸着ノズル1−A2が上昇される。
【0118】
その後、同様な手順が繰り返し行われて、回路基板4における装着領域Z1、Z2、及びZ3の上記各装着位置への電子部品2の装着が行われる。
【0119】
このような電子部品2の装着方法においては、電子部品2の装着の際におけるXYロボット8によるヘッド部101の移動動作を少なくすることができる。また、サブヘッド3におけるノズル回転機構10による各吸着ノズル1の回転移動は、他のサブヘッド3において電子部品2の装着動作が行われているときに行われるため、電子部品2の装着動作に影響を与えることがない。さらに、ヘッド部101において備えられた3個のサブヘッド3により連続的に電子部品2の装着動作を行うことができるため、電子部品2の装着動作に要する時間を短縮することができる。
【0120】
次に、図14及び図15に示す電子部品2の装着方法は、回路基板4における装着領域Z4の上記各装着位置に、電子部品2を連続的に装着するような場合における電子部品2の装着方法の手順を示している。
【0121】
図14に示すように、まず、ステップS11において、XYロボット8によりヘッド部101を回路基板4の上方へと移動させ、第1サブヘッド3−Aにおける吸着ノズル1−A1と回路基板4における装着領域Z4の装着位置Z4−1との位置合わせを行う。それとともに、第2サブヘッド3−Bにおける吸着ノズル1−B1と、第3サブヘッド3−Cにおける吸着ノズル1−C1とを、夫々のサブヘッド回転中心R回りの円周上における図示X軸方向左端に位置させる。その後、第1サブヘッド3−Aにおいて、吸着ノズル1−A1が選択され、吸着ノズル1−A1が下降され、吸着保持されている電子部品2が回路基板4の装着位置Z4−1に装着されて、電子部品2の吸着保持解除後、吸着ノズル1−A1が上昇される。
【0122】
その後、ステップS12において、XYロボット8によりヘッド部101を図示X軸方向左向きに移動させ、第1サブヘッド3−Aにおける吸着ノズル1−A4と回路基板4における装着領域Z4の装着位置Z4−2との位置合わせが行われる。その後、第1サブヘッド3−Aにおいて、吸着ノズル1−A4が選択されて、吸着ノズル1−A4が下降され、吸着保持されている電子部品2が回路基板4の装着位置Z4−2に装着されて、電子部品2の吸着保持解除後、吸着ノズル1−A4が上昇される。
【0123】
その後、ステップS13において、第1サブヘッド3−Aにおいて、ノズル回転機構10により各吸着ノズル1が反時計回りに60度回転移動されるとともに、XYロボット8によりヘッド部101が図示X軸方向左向きに移動され、第2サブヘッド3−Bにおける吸着ノズル1−B1と回路基板4における装着領域Z4の装着位置Z4−3との位置合わせが行われる。その後、第2サブヘッド3−Bにおいて、吸着ノズル1−B1が選択されて、吸着ノズル1−B1が下降され、吸着保持されている電子部品2が回路基板4の装着位置Z4−3に装着されて、電子部品2の吸着保持解除後、吸着ノズル1−B1が上昇される。
【0124】
その後、ステップS14において、XYロボット8によりヘッド部101を図示X軸方向左向きに移動させ、第2サブヘッド3−Bにおける吸着ノズル1−B4と回路基板4における装着領域Z4の装着位置Z4−4との位置合わせが行われる。その後、第2サブヘッド3−Bにおいて、吸着ノズル1−B4が選択されて、吸着ノズル1−B4が下降され、吸着保持されている電子部品2が回路基板4の装着位置Z4−4に装着されて、電子部品2の吸着保持解除後、吸着ノズル1−B4が上昇される。
【0125】
その後、図15におけるステップS15及びS16において、第2サブヘッド3−B及び第3サブヘッド3−Cに対しても同様な動作手順が施されて、電子部品2が装着領域Z4における装着位置Z4−5及びZ4−6に装着される。
【0126】
その後、ステップS17において、第3サブヘッド3−Cにおいて、ノズル回転機構10により各吸着ノズル1が反時計回りに60度回転移動されるとともに、XYロボット8によりヘッド部101が図示X軸方向右向きに移動され、第3サブヘッド3−Cにおける吸着ノズル1−C2と回路基板4における装着領域Z4の装着位置Z4−7との位置合わせが行われる。その後、第3サブヘッド3−Cにおいて、吸着ノズル1−C2が選択されて、吸着ノズル1−C2が下降され、吸着保持されている電子部品2が回路基板4の装着位置Z4−7に装着されて、電子部品2の吸着保持解除後、吸着ノズル1−C2が上昇される。
【0127】
その後、ステップS18において、第3サブヘッド3−Cにおいて、ノズル回転機構10により各吸着ノズル1が反時計回りに60度回転移動されるとともに、XYロボット8によりヘッド部101が図示X軸方向右向きに移動され、第2サブヘッド3−Bにおける吸着ノズル1−B5と回路基板4における装着領域Z4の装着位置Z4−8との位置合わせが行われる。その後、第2サブヘッド3−Bにおいて、吸着ノズル1−B5が選択されて、吸着ノズル1−B5が下降され、吸着保持されている電子部品2が回路基板4の装着位置Z4−8に装着されて、電子部品2の吸着保持解除後、吸着ノズル1−B5が上昇される。
【0128】
その後、同様な動作手順が繰り返し行われて、回路基板4における装着領域Z4の上記各装着位置への電子部品2の装着が行われる。
【0129】
このような電子部品2の装着方法においては、図13における電子部品2の装着方法と同様に、電子部品2の装着の際におけるXYロボット8によるヘッド部101の移動距離を小さくすることができるとともに、サブヘッド3におけるノズル回転機構10による各吸着ノズル1の回転移動は、他のサブヘッド3において電子部品2の装着動作が行われているときに行われるため、電子部品2の装着動作に影響を与えることがない。さらに、ヘッド部101において備えられた3個のサブヘッド3により連続的に電子部品2の装着動作を行うことができるため、電子部品2の装着動作に要する時間を短縮することができる。
【0130】
次に、各サブヘッド3におけるセレクト円盤部41の抜き孔部41bの配置とノズルシャフト11の配置との関係、すなわち、抜き孔部41bの配置と吸着ノズル1の配置との関係について説明する。
【0131】
まず、図5に示すように、セレクト円盤部41の下面におけるサブヘッド回転中心回りのノズルシャフト11が配置されている円周上において、50度の位置に配置されている上記略円形状の断面を有する抜き孔部41bを抜き孔部41b−2とし、0度、120度、180度、及び300度の夫々の位置に配置されている上記略長円形状の断面を有する抜き孔部41bを、0度については抜き孔部41b−1、120度については抜き孔部41b−3、180度については抜き孔部41b−4、300度については抜き孔部41b−5とする。なお、図5においては、上記円周の図示上端位置を原点位置としてサブヘッド回転中心Rに対して反時計方向に角度座標を用いている。
【0132】
また、抜き孔部41b−2においては、50度の位置にその中心軸が位置されたノズルシャフト11の上部が挿通可能となっている。また、抜き孔部41b−1においては、10度又は350度の位置にその中心軸が位置されたノズルシャフト11の上部が挿通可能となっており、同様に抜き孔部41b−3においては110度又は130度の位置に、抜き孔部41b−4においては170度又は190度の位置に、抜き孔部41b−5においては290度又は310度の位置に、夫々の中心軸が位置されたノズルシャフト11の上部が挿通可能となるように、夫々の抜き孔部41bが上記円周上に形成されている。
【0133】
また、スプラインナット42に形成されているピン受部42aは、同一円周上において、20度の角度ピッチでもって合計18個形成されている。セレクト円盤部41とスプラインナット42との相対的な回転移動が行われ、その後、セレクト円盤部41の位置決めピン43とスプラインナット42のピン受部42aとが嵌め合わさり、セレクト円盤部41とスプラインナット42とがサブヘッド回転中心R回りの回転方向において互いに固定された状態とされるような移動が行われるような場合には、上記移動はピン受部42aの形成角度ピッチの整数倍の移動角度、つまり20度の整数倍の移動角度にて行われる。
【0134】
また、セレクト円盤部の抜き孔部41bの配置と吸着ノズル1の配置との上記移動角度毎における関係を示す模式説明図を図17から図22に示す。なお、図17から図22においては、吸着ノズル1の配置を固定して、セレクト円盤部41の抜き孔部41bの配置を上記移動角度毎に移動させた場合の夫々の配置の関係を示している。
【0135】
なお、サブヘッド3及び吸着ノズル1を特定する場合の符号は、図11、図12及び図13で用いた符合と同じ符号を用いるものとし、また、以降の説明においては夫々のサブヘッド3において同様であるため、サブヘッド3−Aの説明でもって夫々のサブヘッド3の説明を代表するものとする。
【0136】
まず、図17(A)に示すように、セレクト円盤部41の抜き孔部41bの配置は、図5において説明した配置状態とされており、また、吸着ノズル1−A1が90度、吸着ノズル1−A2が30度、吸着ノズル1−A3が330度、吸着ノズル1−A4が270度、吸着ノズル1−A5が210度、吸着ノズル1−A6が150度の位置に位置されている。この配置状態によれば、全ての吸着ノズル1がセレクト円盤部41の下降により下降させることができる状態となっている。
【0137】
次に、図17(B)において、セレクト円盤部41は、上記図17(A)の状態より反時計方向に20度回転移動されており、各吸着ノズル1の配置は固定されたままであるのでその配置は図17(A)と同様である。吸着ノズル1−A2と抜き孔部41b−1との位置、吸着ノズル1−A3と抜き孔部41b−5との位置、吸着ノズル1−A5と抜き孔部41b−4との位置、及び吸着ノズル1−A6と抜き孔部41b−3との位置の夫々が一致されており、吸着ノズル1−A1及び吸着ノズル1−A4はいずれの抜き孔部41bの位置とも合致していない。この配置状態によれば、吸着ノズル1−A1及び吸着ノズル1−A4のみをともにセレクト円盤部41の下降により下降させることができる状態となっている。
【0138】
次に、図17(C)において、セレクト円盤部41は、上記図17(B)の状態より反時計方向にさらに20度回転移動されており、各吸着ノズル1の配置は図17(A)と同様である。吸着ノズル1−A1と抜き孔部41b−2との位置、吸着ノズル1−A2と抜き孔部41b−1との位置、吸着ノズル1−A3と抜き孔部41b−5との位置、吸着ノズル1−A5と抜き孔部41b−4との位置、及び吸着ノズル1−A6と抜き孔部41b−3との位置の夫々が一致されており、吸着ノズル1−A4はいずれの抜き孔部41bの位置とも合致していない。この配置状態によれば、吸着ノズル1−A4のみをセレクト円盤部41の下降により下降させることができる状態となっている。
【0139】
次に、図18(D)において、セレクト円盤部41は、上記図17(C)の状態より反時計方向にさらに20度回転移動されており、各吸着ノズル1の配置は図17(A)と同様である。この配置状態によれば、全ての吸着ノズル1がセレクト円盤部41の下降により下降させることができる状態となっている。
【0140】
以下、同様な説明となるため説明の記載を省略するが、図18(E)においては吸着ノズル1−A3及び吸着ノズル1−A6のみを、図18(F)においては吸着ノズル1−A3のみを、図19(G)においては全ての吸着ノズル1を、図19(H)においては吸着ノズル1−A2及び吸着ノズル1−A5のみを、図19(I)においては吸着ノズル1−A2のみを、図20(J)においては全ての吸着ノズル1を、図20(K)においては吸着ノズル1−A1及び吸着ノズル1−A4のみを、図20(L)においては吸着ノズル1−A1のみを、図21(M)においては全ての吸着ノズル1を、図21(N)においては吸着ノズル1−A3及び吸着ノズル1−A6のみを、図21(O)においては吸着ノズル1−A6のみを、図22(P)においては全ての吸着ノズル1を、図22(Q)においては吸着ノズル1−A2及び吸着ノズル1−A5のみを、図22(R)においては吸着ノズル1−A5のみを、夫々セレクト円盤部41の下降により下降させることができる。
【0141】
次に、サブヘッド3が備える6本の吸着ノズル1のうちの1本又は複数本の吸着ノズル1が選択されて、上記選択された吸着ノズル1により所定の動作が行われてから、その後、次に選択すべき吸着ノズル1の選択動作を行うまでのサブヘッド3における動作の手順について以下に選択動作パターン例を用いて説明する。なお、以下の説明においては、複数のパーツカセット6からサブヘッド3が備える吸着ノズル1により電子部品2の吸着取出しを行う場合の吸着ノズル1の選択動作について説明を行う。また、サブヘッド3、吸着ノズル1、パーツカセット6を特定する場合の符号は、図11で用いた符号と同じ符号を用いるものとし、また、セレクト円盤部41の夫々の抜き孔部41bを特定する場合の符号は、図5及び図17で用いた符合と同じ符号を用いるものとする。また、セレクト円盤部41における夫々の抜き孔部41bの配置、及びサブヘッド回転中心Rに対する角度座標については、図5において説明した通りである。また、ヘッド部101が備える夫々のサブヘッド3の上記選択動作を代表して、以下においてはサブヘッド3−Aにおける上記選択動作の説明を行う。
【0142】
まず、吸着ノズル1−A1によりパーツカセット6−1の部品供給位置6a−1から電子部品1の吸着取出しを行った後、吸着ノズル1−A1と点対称の位置にある吸着ノズル1−A4によりパーツカセット6−2の部品供給位置6a−2から電子部品1の吸着取出しを行う場合の上記選択動作の手順を模式的に示す模式説明図を図23に示す。
【0143】
図23(A)に示すように、セレクト円盤部41におけるノッチ部41aが角度座標180度の位置に位置されており、ノッチ固定部47における噛み込み部47aと噛み込み可能な位置に位置されている。さらに、吸着ノズル1−A2と抜き孔部41b−4との位置、吸着ノズル1−A3と抜き孔部41b−3との位置、吸着ノズル1−A4と抜き孔部41b−2との位置、吸着ノズル1−A5と抜き孔部41b−1との位置、吸着ノズル1−A6と抜き孔部41b−5との位置が夫々一致されており、吸着ノズル1−A1はいずれの抜き孔部41bの位置とも合致していない。また、吸着ノズル1−A1が部品供給位置6a−1の上方に位置されている。この配置状態にて、セレクト円盤部41を下降させて吸着ノズル1−A1のみを下降させ、吸着ノズル1−A1により部品供給部6a−1より電子部品2の吸着取出しを行う。
【0144】
その後、図23(B)に示すように、セレクト円盤部41を上昇させてノッチ部41aをノッチ固定部47の噛み込み部47aに噛み込ませてセレクト円盤部41のみをヘッドフレーム5に固定した状態とし、サブヘッド回転中心R回りに各吸着ノズル1を時計方向に180度の回転移動を行う。この回転移動により、吸着ノズル1−A1と抜き孔部41b−2との位置、吸着ノズル1−A2と抜き孔部41b−1との位置、吸着ノズル1−A3と抜き孔部41b−5との位置、吸着ノズル1−A5と抜き孔部41b−4との位置、吸着ノズル1−A6と抜き孔部41b−3との位置が夫々一致され、吸着ノズル1−A4はいずれの抜き孔部41bの位置とも合致していない状態となる。また、吸着ノズル1−A4は部品供給位置6a−1の上方に位置されている。
【0145】
その後、セレクト円盤部41を下降させてノッチ部41aと噛み込み部47aとの上記噛み込みを解除させるとともに、位置決めピン43とピン受部42aを嵌め合わせることによりセレクト円盤部41とスプラインナット42をサブヘッド回転中心R回りの回転方向に対して固定させる。上記固定後、図23(C)に示すように、各吸着ノズル1と各抜き孔部41bとの配置関係を保持したままの状態で、セレクト円盤部41と各吸着ノズル1を時計方向に180度の回転移動を行う。この回転移動により、吸着ノズル1−A4が部品供給位置6a−2の上方に位置され、セレクト円盤部41を下降させることにより吸着ノズル1−A4のみを下降させて、吸着ノズル1−A4により部品供給部6a−2から電子部品2の吸着取出しを行う。
【0146】
なお、図23においては、サブヘッド3−Aが備える吸着ノズル1のうちの吸着ノズル1−A1と吸着ノズル1−A4について電子部品2の吸着取出しを行う場合の上記選択動作の手順について説明したが、サブヘッド3−Aが備える吸着ノズル1のうちのサブヘッド回転中心Rに対して互いに点対称の位置に配置されている他の吸着ノズル1についても上記と同様な手順で上記選択動作を行うことができる。
【0147】
また、上記図23(A)において、セレクト円盤部41におけるノッチ部41aが180度の位置に位置されて、ノッチ固定部47における噛み込み部47aと噛み込み可能な位置に位置されている場合に代えて、噛み込み可能な位置に位置されていないような場合にあっては、吸着ノズル1−A1による電子部品2の吸着取出しの後、セレクト円盤部41を各吸着ノズル1とともに回転移動させて、セレクト円盤部41におけるノッチ部41aを上記180度の位置に位置させて、ノッチ固定部47における噛み込み部47aと噛み込み可能な位置にさせた後、上記図23(B)における動作を行うことになる。
【0148】
また、上記図23(B)における動作により部品供給位置6a−1の上方へと位置された吸着ノズル1−A4を、上記図23(C)における部品供給位置6a−2の上方に移動させる移動動作において、上記各吸着ノズル1の回転移動を行う場合に代えて、ヘッド部101のX軸方向の移動により吸着ノズル1−A4をX軸方向に移動させる場合であってもよい。
【0149】
次に、互いに点対称の位置にある吸着ノズル1−A1と吸着ノズル1−A4とによりパーツカセット6−1の部品供給位置6a−1及びパーツカセット6−2の部品供給位置6a−2から夫々の電子部品1の吸着取出しを同時的に行った後、互いに別の点対称の位置にある吸着ノズル1−A3と吸着ノズル1−A6とによりパーツカセット6−1の部品供給位置6a−1及びパーツカセット6−2の部品供給位置6a−2から夫々の電子部品1の吸着取出しを同時的に行う場合の上記選択動作の手順を模式的に示す模式説明図を図24に示す。
【0150】
図24(A)に示すように、セレクト円盤部41におけるノッチ部41aが角度座標160度の位置に位置されており、ノッチ部41aはノッチ固定部47における噛み込み部47aと噛み込み可能な位置に位置されてはいない。さらに、吸着ノズル1−A2と抜き孔部41b−4との位置、吸着ノズル1−A3と抜き孔部41b−3との位置、吸着ノズル1−A5と抜き孔部41b−1との位置、吸着ノズル1−A6と抜き孔部41b−5との位置が夫々一致されており、吸着ノズル1−A1及び吸着ノズル1−A4はいずれの抜き孔部41bの位置とも合致していない。また、吸着ノズル1−A1が部品供給位置6a−1の上方に位置されており、吸着ノズル1−A4が部品供給位置6a−2の上方に位置されている。この配置状態にて、セレクト円盤部41を下降させて吸着ノズル1−A1及び吸着ノズル1−A4のみを下降させ、吸着ノズル1−A1により部品供給部6a−1から、及び吸着ノズル1−A4により部品供給6a−2から、夫々の電子部品2の吸着取出しを同時的に行う。
【0151】
その後、図24(B)に示すように、セレクト円盤部41を上昇させるとともに、セレクト円盤部41を各吸着ノズル1とともに反時計方向に20度の回転移動を行い、セレクト円盤部41におけるノッチ部41aを角度座標180度の位置に位置させて、ノッチ固定部47における噛み込み部47aと噛み込み可能な位置に位置させる。その後、さらにセレクト円盤部41を上昇させて、セレクト円盤部41のノッチ部41aにノッチ固定部47の噛み込み部を噛み込ませて、セレクト円盤部41のみをヘッドフレーム5に固定した状態とし、サブヘッド回転中心R回りに各吸着ノズル1を時計方向に60度の回転移動を行う。
【0152】
この回転移動により、図24(C)に示すように、吸着ノズル1−A1と抜き孔部41b−4との位置、吸着ノズル1−A2と抜き孔部41b−3との位置、吸着ノズル1−A4と抜き孔部41b−1との位置、吸着ノズル1−A5と抜き孔部41b−5との位置が夫々一致され、吸着ノズル1−A3及び吸着ノズル1−A6はいずれの抜き孔部41bの位置とも合致していない状態となる。
【0153】
その後、セレクト円盤部41を下降させてノッチ部41aと噛み込み部47aとの上記噛み込みを解除させるとともに、位置決めピン43とピン受部42aを嵌め合わせることによりセレクト円盤部41とスプラインナット42をサブヘッド回転中心R回りの回転方向に対して固定させる。上記固定後、図24(D)に示すように、各吸着ノズル1と各抜き孔部41bとの配置関係を保持したままの状態で、セレクト円盤部41と各吸着ノズル1を反時計方向に160度の回転移動を行う。この回転移動により、吸着ノズル1−A3が部品供給位置6a−1の上方に、かつ吸着ノズル1−A6が部品供給位置6a−2の上方に位置され、セレクト円盤部41を下降させることにより吸着ノズル1−A3及び吸着ノズル1−A6のみを下降させて、吸着ノズル1−A3により部品供給部6a−1から、及び吸着ノズル1−A6により部品供給部6a−2から夫々の電子部品2の吸着取出しを同時的に行う。
【0154】
なお、上記図24においては、サブヘッド3−Aが備える吸着ノズル1のうちの互いに点対称の位置にある吸着ノズル1−A1及び吸着ノズル1−A4により同時的に電子部品2の吸着取出しを行った後、同じく互いに点対称の位置にある吸着ノズル1−A3及び吸着ノズル1−A6により同時的に電子部品2の吸着取出しを行う場合の上記選択動作の手順について説明したが、サブヘッド3−Aが備える吸着ノズル1のうちのその他の互いに線対称の位置にある吸着ノズル1についても上記と同様な手順で上記選択動作を行うことができる。
【0155】
次に、ヘッド部101が3個のサブヘッド3を備えることを利用して、複数の電子部品2を回路基板4への装着動作を行う場合に、1個当りの電子部品2の装着動作に要する時間を短縮化させる方法について、図26及び図27を用いて説明する。図26は、ヘッド部101により上記装着動作を行う場合における各サブヘッド3の昇降動作、回転動作、XYロボット8による移動動作、及びノズル選択動作の時間的な関係を示すタイミングチャートであり、図27は、図26のタイミングチャートとの比較対象として、吸着ノズル901を10本一列に備える従来の部品装着ヘッド900におけるタイミングチャートである。なお、サブヘッド3及び吸着ノズル1を特定する場合の符号は、図9及び図10で用いた符合と同じ符号を用いるものとする。また、図26及び図27において、横軸は時間軸であり、縦軸には、ヘッド部101又は部品装着ヘッド900における各動作の項目を示している。ここで、XY移動動作とは、XYロボット8等によるヘッド部101又は部品装着ヘッド900のX軸方向又はY軸方向の移動動作を示し、選択動作とは、昇降動作を行わせる吸着ノズル1又は吸着ノズル901のノズル選択機構40等による選択動作を示し、昇降動作とは、吸着ノズル1又は吸着ノズル901の昇降動作を示し、回転動作とは、ヘッド部101においては、サブヘッド回転中心R回りの各吸着ノズル1の回転動作を、部品装着ヘッド900においては、ヘッド部101のように各吸着ノズル901をサブヘッド回転中心R回りに回転移動させる機構は備えておらず、夫々の吸着ノズル901を夫々の中心回りに回転移動可能となっているため、夫々の吸着ノズル901の回転動作を示すものである。また、図26及び図27において、XY移動動作及び回転動作については、その他の動作との関係において、夫々の動作を行うことが可能な時間帯を示している。
【0156】
図26において、まず、ヘッド部101が備える1つのサブヘッド3、例えば、第1サブヘッド3−Aにおける電子部品2を回路基板4の部品装着位置に装着する動作に注目して説明すると、第1サブヘッド3−Aにおいて、電子部品2を回路基板4へ装着させる1本の吸着ノズル1として、例えば、吸着ノズル1−A1が選択される。その後、回路基板4上に既に装着された電子部品2(若しくは装着される電子部品2)と吸着ノズル1−A1に吸着保持されている電子部品2が干渉しないような高さ位置H2(以降、干渉回避高さ位置H2)まで吸着ノズル1−A1が下降されて、干渉回避高さ位置H2にて下降が停止されて、装着動作待機状態とされる(以降、動作1として下降待機動作とする)。その後、吸着ノズル1−A1が、干渉回避高さ位置H2より装着高さ位置H3まで下降されて、回路基板4に電子部品2を固定するとともに、吸着ノズル1−A1による電子部品2への吸着保持を解除して、吸着ノズル1−A1を上昇させ、電子部品2を回路基板4へ装着する(以降、動作2として装着動作とする)。その後、吸着ノズル1−A1を吸着ノズル1の昇降高さ範囲における干渉回避高さ位置H2よりもさらに上昇させて、上端位置H1に位置させて、次に、第1サブヘッド3−Aにおいて、電子部品2の装着動作を行う別の1本の吸着ノズル1として、例えば、吸着ノズル1−A2が選択される(以降、動作3として上昇選択動作とする)。
【0157】
上記のように、第1サブヘッド3−Aにおける装着動作は、動作1、動作2、及び動作3に分けることができ、このような各動作が順次繰り返し行われて、複数の電子部品2の回路基板4への装着が行われる。また、このような電子部品2を回路基板4へ装着する動作は、第2サブヘッド3−B及び第3サブヘッド3−Cについても同様に行われ、サブヘッド3における1本の吸着ノズル1による電子部品2の装着動作が行われた後に、別のサブヘッド3における1本の吸着ノズル1による電子部品2の装着動作を行うというように、夫々のサブヘッド3における装着動作が順次連続するように行われる。
【0158】
図26に示すように、具体的には、例えば、第1サブヘッド3−Aにおいて、動作1が行われ、吸着ノズル1−A1が装着待機状態とされた後に、第2サブヘッド3−Bにおいても、吸着ノズル1−B1が選択されて、同様に動作1が行われ、吸着ノズル1−B1が干渉回避高さ位置H2まで下降されて、干渉回避高さ位置H2にて下降が停止されて、装着動作待機状態とされる。続いて、第1サブヘッド3−Aにおいて、動作2が行われ、動作3において吸着ノズル1−A2が選択された後、再び、動作1が行われることにより、吸着ノズル1−A1が干渉回避高さ位置H2まで下降されて、干渉回避高さ位置H2にて下降が停止されて、装着動作待機状態とされるとともに、第2サブヘッド3−Bにおいては、装着動作待機状態とされていた吸着ノズル1−B1が、干渉回避高さ位置H2より装着高さ位置H3まで下降されて、動作2として装着動作が行われる。
【0159】
第2サブヘッド3−Bにおいて、動作1が行われ、吸着ノズル1−B1が装着待機状態とされた後においては、第3サブヘッド3−Cにおいても、吸着ノズル1−C1が選択されて、同様に動作1が行われ、吸着ノズル1−C1が干渉回避高さ位置H2まで下降されて、干渉回避高さ位置H2にて下降が停止されて、装着動作待機状態とされる。
【0160】
その後、第2サブヘッド3−Bにおいて、動作3として上昇選択動作が行われ、吸着ノズル1−B2が選択された後、再び、動作1が行われることにより、吸着ノズル1−B2が干渉回避高さ位置H2まで下降されて、干渉回避高さ位置H2にて下降が停止されて、装着動作待機状態とされるとともに、第3サブヘッド3−Cにおいては、装着動作待機状態とされていた吸着ノズル1−C1が、干渉回避高さ位置H2より装着高さ位置H3まで下降されて、動作2として装着動作が行われる。このとき、第1サブヘッド3−Aにおける吸着ノズル1−A2は、装着動作待機状態のままである。
【0161】
その後、第3サブヘッド3−Cにおいて、動作3として上昇選択動作が行われ、吸着ノズル1−C2が選択された後、再び、動作1が行われることにより、吸着ノズル1−C2が干渉回避高さ位置H2まで下降されて、干渉回避高さ位置H2にて下降が停止されて、装着動作待機状態とされるとともに、第1サブヘッド3−Aにおいては、装着動作待機状態とされていた吸着ノズル1−A2が、干渉回避高さ位置H2より装着高さ位置H3まで下降されて、動作2として装着動作が行われる。
【0162】
このように各サブヘッド3において、順次繰り返し、吸着ノズル1による電子部品2の回路基板4への装着動作が行われる。
【0163】
また、次に回路基板4へ装着される電子部品2が吸着保持されている吸着ノズル1と回路基板4の電子部品2の装着位置との位置合わせのための上記吸着ノズル1の移動は、XYロボット8によるヘッド部101のXY移動により行われるが、この移動は、何れのサブヘッド3においても、動作2の装着動作が行われていないときに行われる。
【0164】
また、各サブヘッド3において、各吸着ノズル1のサブヘッド回転中心R回りの回転移動は、サブヘッド3毎に個別に行うことができるため、夫々のサブヘッド3において、夫々が備える吸着ノズル1が動作2の装着動作を行ってさえいなければ、上記回転移動を行うことができる。
【0165】
また、電子部品装着装置102における撮像装置において撮像された各電子部品2の画像より、制御部9にて各電子部品2の吸着ノズル1による吸着姿勢が認識されることとなるが、例えば、電子部品2の吸着姿勢と回路基板4の上記装着位置に装着されるべき電子部品2の装着姿勢との間に、回路基板4の装着表面沿いの装着角度に位置ずれがあるような場合がある。このような場合にあっては、上記認識の結果に基づいて、サブヘッド回転中心R回りの回転移動により、上記電子部品2を吸着保持している吸着ノズル1のサブヘッド回転中心R回りの回転移動を行うことにより、上記位置ずれを解消する回転移動による補正動作が行われることとなるが、この回転動作による補正動作は、サブヘッド3毎に個別に行うことができるため、夫々のサブヘッド3において、夫々が備える吸着ノズル1が動作2の装着動作を行っていないときであれば、自由に行うことができる。
【0166】
また、1つのサブヘッド3において、吸着ノズル1が動作2の装着動作を行っている場合であっても、その他のサブヘッド3においては、上記装着動作に影響されることなく、次に動作2の装着動作が行われる夫々の吸着ノズル1の昇降動作を行うことが可能であり、次に、装着動作が行われる吸着ノズル1を干渉回避高さ位置H2に位置させて、装着動作待機状態とさせることが可能である。
【0167】
また、1つのサブヘッド3において、吸着ノズル1が動作2の装着動作を完了する前までに、次に電子部品2の装着が行われるその他のサブヘッド3においては、吸着ノズル1に動作1を行わせて、吸着ノズル1を干渉回避高さ位置H2に位置させて、装着動作待機状態とさせておけばよい。
【0168】
また、干渉回避高さ位置H2は、電子部品装着装置102において、回路基板4に装着される電子部品2の部品厚さのうちの最大の部品厚さを考慮して、制御部9において決められる。なお、このような場合に代えて、ヘッド部101により既に回路基板4へ装着された電子部品2の部品厚さ、及びヘッド部101における各吸着ノズル1により吸着保持されている電子部品2の部品厚さうちの最大の部品厚さを考慮して、ヘッド部101における各吸着ノズル1による電子部品2の吸着取出し毎に、最適な干渉高さ位置H2を制御部9により決めるような場合であってもよい。
【0169】
一方、従来の部品装着ヘッド900においては、部品装着ヘッド900が備える10本の吸着ノズル901により電子部品2の回路基板4への装着動作が順次行われることとなるため、図27に示すように、吸着ノズル901の動作1である下降待機動作における待機の動作が不用となることを除いては、上記サブヘッド3において吸着ノズル1毎に順次動作1から動作3までが繰り返して行われるのと同様に、部品装着ヘッド900において、吸着ノズル901毎に順次動作1から動作3までの各動作が繰り返し行われることとなる。
【0170】
図26及び図27のタイミングチャートを比較すると、まず、図27に示す部品装着ヘッド900におけるタイミングチャートにおいては、1個当りの電子部品2の装着動作に要する時間T2は、XY移動に要する時間、回転移動に要する時間、又は吸着ノズル901が干渉回避高さ位置H2から上昇されて、上端位置H1において別の吸着ノズル901の選択動作が行われて、上記別の吸着ノズル901が干渉回避高さ位置H2まで下降されるまでに要する時間のうちの最も長い時間と、動作2における装着動作に要する時間との合計となる。
【0171】
一方、図26に示すヘッド部101におけるタイミングチャートにおいては、1個当りの電子部品2の装着動作に要する時間T1は、XY移動に要する時間と、動作2における装着動作に要する時間との合計となる。ヘッド部101が3個のサブヘッド3を備えているため、回転移動、吸着ノズル1の干渉回避高さ位置H2から上端位置H1までの上昇動作、上記別の吸着ノズル1の選択動作、及び上記別の吸着ノズル1の干渉回避高さ位置H2までの下降動作は、他のサブヘッド3が装着動作等を行っている際に、当該装着動作に影響を与えることなく、サブヘッド3毎に個別に行うことができるからである。
【0172】
従って、XY移動に要する時間が、回転移動に要する時間、又は吸着ノズル1の干渉回避高さ位置H2から上端位置H1までの上昇動作から上記別の吸着ノズル1の干渉回避高さ位置H2までの下降動作に要する時間よりも短くなるような場合にあっては、ヘッド部101における1個当りの電子部品2の装着動作に要する時間T1は、従来の部品装着ヘッド900における時間T2よりも短縮化を図ることができる。よって、ヘッド部101が3個のサブヘッド3を備えるような場合にあっては、サブヘッド3毎に上記のような連続的な動作を行っていくことにより、電子部品2の装着に要する時間の短縮化を図り、効率的な電子部品の装着方法を提供することが可能となる。
【0173】
次に、ヘッド部101が備える3個のサブヘッド3において、図3における吸着ノズル1の配置とは異なる配置例について、図28及び図29に示す吸着ノズル1の模式的な平面配置図に基づいて説明する。
【0174】
まず、図28(A)は、各サブヘッド3において、4本の吸着ノズルが、各吸着ノズル1のサブヘッド回転中心R回りのその円周上に均等な間隔でもって配置されている場合である。つまり、各サブヘッド3においては、夫々の上記サブヘッド回転中心Rに対して点対称に4本の吸着ノズル1が配置されている。また、各サブヘッド3においては、吸着ノズル1が配置されている上記円周の直径は、パーツカセット6における配置間隔Pと同じ寸法となっている。また、各サブヘッド3は、夫々の上記サブヘッド回転中心Rの配列間隔をパーツカセット6における配置間隔Pの2倍の間隔でもって一列に、かつパーツカセット6の配列方向と略平行に配列されている。
【0175】
これにより、図28(A)に示すように、サブヘッド3における夫々のサブヘッド回転中心Rを結ぶ線上においては、サブヘッド3毎に2本ずつの吸着ノズル1、つまり、ヘッド部101における合計6本の吸着ノズル1を、隣接する6個のパーツカセット6における部品供給位置6aの上方に同時に配置することが可能となる。
【0176】
また、図28(B)に示すように、このような配置の吸着ノズル1を備える各サブヘッド3において、吸着ノズル1が配置されている上記円周上における図示上端位置に吸着ノズル1を夫々配置させた場合には、上記上端位置に配置された各吸着ノズル1を一列に配置することができるとともに、上記各吸着ノズル1を、配置間隔Pの2倍の間隔毎の3個のパーツカセット6における部品供給位置6aの上方に同時に配置することが可能となる。
【0177】
また、各サブヘッド3の夫々の吸着ノズル1の配置が全て同じである場合に代えて、図29(A)及び(B)に示すように、上記実施例等の組み合わせとして、図3における6本の吸着ノズル1の配置を有するサブヘッド3と、図28における4本の吸着ノズル1の配置を有するサブヘッド3とを、ヘッド部101が組み合わせて備えているような場合であってもよい。
【0178】
上記実施形態によれば、以下のような種々の効果を得ることができる。
【0179】
まず、ヘッド部101が備える3個のサブヘッド3が、夫々6本の吸着ノズル1を備え、各サブヘッド3において、吸着ノズル1は、各吸着ノズル1のサブヘッド回転中心R回りに回転移動可能に配置されていることにより、各サブヘッド3において、ノズル回転機構10による各吸着ノズル1の上記サブヘッド回転中心R回りの回転移動によって、吸着ノズル1を夫々の回転移動の円周上における任意の位置に位置させることができ、ヘッド部101における吸着ノズル1の単位面積当りの装備数の増加を図ることができる。
【0180】
さらに、各サブヘッド3において、吸着ノズル1は、各吸着ノズル1のサブヘッド回転中心R回りのその円周上に均等な間隔でもって配列されて、さらに、吸着ノズル1が配置される上記円周の直径は、パーツカセット6における配置間隔Pと同じ寸法となっており、かつ、各サブヘッド3は、夫々の上記サブヘッド回転中心Rの軸の配列間隔をパーツカセット6の配置間隔Pの2倍の間隔でもって一列に、かつパーツカセット6の配列方向と略平行に配列されていることにより、サブヘッド3における夫々のサブヘッド回転中心Rを結ぶ線上においては、サブヘッド3毎に2本ずつの吸着ノズル1、つまり、ヘッド部101における合計6本の吸着ノズル1を同時に配置することが可能となり、これら6本の吸着ノズル1の夫々の配列間隔を、パーツカセット6の配置間隔Pと同じ間隔することができる。これにより、サブヘッド3における夫々のサブヘッド回転中心Rを結ぶ線上においては、サブヘッド3毎に2本ずつの吸着ノズル1、つまり、ヘッド部101における合計6本の吸着ノズル1を、隣接する6個のパーツカセット6における部品供給位置6aの上方に同時に配置することができ、上記各部品供給位置6aからの同時的な電子部品2の吸着取出しを行うことができる。
【0181】
従って、ヘッド部101における単位面積当りの吸着ノズル1の装備数の増加を図りながら、ヘッド部101による電子部品2の吸着取出しに要する時間を短縮することができ、このようなヘッド部101を備える電子部品装着装置102における電子部品の装着効率を向上させることが可能となる。
【0182】
また、ヘッド部101における各サブヘッド3において、サブヘッド3が備える6本の吸着ノズル1のうちの1本又は複数本の任意の吸着ノズル1を選択可能なノズル選択機構40と、ノズル選択機構40により選択された1本又は複数本の吸着ノズル1を昇降動作させるノズル昇降機構20が個別に備えられていることにより、部品供給部6よりの電子部品2の吸着取出しの際に、複数の部品供給位置6aよりの同時的な電子部品2の吸着取出しが可能となっている吸着ノズル1を、各サブヘッド3が備える各吸着ノズル1より選択して下降動作を行わせて、上記各部品供給位置6aからの同時的な電子部品2の吸着取出しを行うことができ、ヘッド部101による電子部品2の吸着取出しに要する時間を短縮することができる。
【0183】
また、夫々のサブヘッド3におけるノズル選択機構40において、各ノズルシャフト11が配置されている円周状においてノズルシャフト11の上部を挿通可能な複数の抜き孔部41bが形成されているセレクト円盤部41が備えられていることにより、セレクト円盤部41における抜き孔部41bの配置とノズルシャフト11の配置との相対的な位置関係によって、抜き孔部41bに挿通可能な位置に位置されたノズルシャフト11を除く1本又は複数本のノズルシャフト11を選択された状態とさせ、この配置状態においてセレクト円盤部41をノズル昇降機構20により下降させて、上記選択された状態のノズルシャフト11のみをその上部をセレクト円盤部41の下面にて押し下げて、吸着ノズル1を下降させることができ、各サブヘッド3において任意の吸着ノズル1の昇降動作を行うことができる。
【0184】
また、夫々のサブヘッド3においてセレクト円盤部41をその回転方向に対してヘッドフレーム5に固定するノッチ機構48が備えられ、また、セレクト円盤部41とスプラインナット42をその回転方向に対して固定する位置決めピン43とピン受部42aとが備えられていることにより、ノッチ機構48によりセレクト円盤部41を固定して吸着ノズル1のサブヘッド回転中心R回りの回転移動を行うことにより、セレクト円盤部41の抜き孔部41bの配置と吸着ノズル1の配置との相対的な移動を行うことができ、任意の吸着ノズル1をノズル選択機構40により選択可能な位置に位置させることができる。また、この選択の動作の後、ノッチ機構48による上記固定を解除するとともに、位置決めピン43とピン受部42aとによりセレクト円盤部41とスプラインナット42を上記回転方向に対して固定して、吸着ノズル1の上記回転移動を行うことにより、上記選択可能な位置を保持したままの吸着ノズル1の上記回転移動を行うことができる。
【0185】
従って、このようなノズル選択機構40の構成により、上記各部品供給位置6aからの同時的な電子部品2の吸着取出しの動作を可能とすることができる。
【0186】
また、ヘッド部101の各サブヘッド3が夫々の吸着ノズル1の昇降動作を個別に行う機構として、例えば、各吸着ノズル1毎に個別にエアシリンダを備えさせたエアシリンダ機構を備えるような場合にあっては、上記各エアシリンダを駆動させるための多数の圧空配管の設置等によりその構造が複雑なものになるとともに上記エアシリンダの機構上においてその動作方向に対して長い形状となって、各サブヘッド自体の重量が大きくなり、ヘッド部の移動速度が低下して装着動作に要する時間が長くなるという問題点がある。また、各吸着ノズル1はエアシリンダにより下降させることはできるものの、その下降量を制御することは困難であり正確かつ確実な装着動作を行うことが困難であるという問題点もある。さらに、例えば、各吸着ノズル1毎に個別にモータを用いたボールねじ機構を備えさせるような場合にあっては、各吸着ノズル1の下降量を制御しながら下降させることができるものの、その機構上においてその動作方向に対して長い形状となるとともにその重量も大きくなり、ヘッド部の移動速度が低下して装着動作に要する時間が長くなるという問題点がある。
【0187】
しかし、各サブヘッド3が上記セレクト円盤部41を備えるようなノズル選択機構40及びノズル選択機構40により選択された吸着ノズル1に対して昇降動作を行うノズル昇降機構20を夫々1つずつ備えていることにより、上記多数の圧空配管等を設置する必要もなく、また、その機械的な構造もシリンダ等と比べて簡単な構造とすることができ、また、ノズル昇降機構20において偏芯カム22及び昇降用カムフォロア24によりセレクト円盤部41の下降量を制御しながら下降させて吸着ノズル1を下降させることもできる。従って、各サブヘッド3の構造の簡素化を図ることができるとともに小型軽量化を図ることができ、ヘッド部101の移動速度の高速化を図って電子部品の装着に要する時間の短縮化を図ることができるとともに、吸着ノズルの下降量を制御しながら確実かつ正確な電子部品の装着動作を行うことができる。
【0188】
また、各サブヘッド3において、各吸着ノズル1に個別に対応する吸装着用バルブ51が備えられていることにより、吸着ノズル1毎に電子部品2の吸着保持又は吸着保持解除を行うことができるため、1本又は複数本の任意の吸着ノズル1による電子部品2の吸着取出し又は装着に要する時間を短縮することができる。
【0189】
さらに、ヘッド部101における各サブヘッド3において、サブヘッド3が備える各吸着ノズル1を、上記サブヘッド回転中心R回りに回転移動を行うノズル回転機構10が備えられていることにより、上記ノズル昇降機構20による上記選択された吸着ノズル1の昇降動作によって電子部品2の吸着取出しが行われた後、XYロボット8によるヘッド部101の移動を行うことなく、ノズル回転機構10により各吸着ノズル1を回転移動させて、上記吸着取出しが行われた吸着ノズル1とは別の吸着ノズル1を部品供給位置6aよりの同時的な電子部品2の吸着取出しが可能な位置へと配置させて、ノズル昇降機構20により上記別の吸着ノズル1を下降させて電子部品2の吸着取出しを行うことができる。さらに、各サブヘッド3において、これらノズル昇降機構20及びノズル回転機構10の上記各動作を繰り返し行うことにより、ヘッド部101において、複数の部品供給部6aよりの同時的な電子部品2の吸着取出しを連続的に行うことができ、ヘッド部101による電子部品2の吸着取出しに要する時間を短縮することができ、このようなヘッド部101を備える電子部品装着装置102における電子部品の装着効率を向上させることが可能となる。
【0190】
また、回路基板4への電子部品2の装着動作の際においても、ノズル昇降機構20及びノズル回転機構10による吸着ノズル1への動作を組み合わせて繰り返し行うことにより、ヘッド部101において、回路基板4への電子部品2の装着動作を連続的に行うことができ、ヘッド部101による電子部品2の装着動作に要する時間を短縮することができ、このようなヘッド部101を備える電子部品装着装置102における電子部品の装着効率を向上させることが可能となる。
【0191】
また、ヘッド部101における各サブヘッド3が上記ノズル回転機構10を備えていることにより、電子部品2の吸着取出しの際に、電子部品2が吸着取出しされる部品供給位置6aにおける電子部品2の吸着中心と、上記部品供給位置6aから電子部品2の吸着取出しを行う吸着ノズル1の中心との間にX軸方向又はY軸方向に位置ずれがあるような場合にあっては、ノズル回転機構10により吸着ノズル1を微小量だけ回転移動させることにより、吸着ノズル1の中心をX軸方向又はY軸方向に微小移動させて、電子部品2の上記吸着中心と吸着ノズル1の中心との間に発生していた位置ずれを補正して電子部品2の吸着姿勢の補正を行うことができる。また、このノズル回転機構10を用いた電子部品2のX軸方向又はY軸方向の吸着姿勢の補正動作は、サブヘッド3毎に個別に必要に応じて行うことができる。よって、ヘッド部101において、電子部品2の吸着取出しを安定して行うことができ、このようなヘッド部101を備える電子部品装着装置102における電子部品の装着効率を向上を妨げない。
【0192】
また、ヘッド部101が備える3個のサブヘッド3により吸着保持されている複数の電子部品2を回路基板4に装着するような場合において、3個のサブヘッド3である第1サブヘッド3−A、第2サブヘッド3−B、及び第3サブヘッド3−Cが備える夫々の吸着ノズル1のうちの1本の吸着ノズル毎に、順次装着動作を行っていくような場合にあっては、1つのサブヘッド3における吸着ノズルが装着動作を行っている際に、この装着動作に影響を与えることなく、それ以外のサブヘッド3において、各吸着ノズル1の回転移動、吸着ノズル1の干渉回避高さ位置H2から上端位置H1までの上昇動作、吸着ノズル1の選択動作、及び吸着ノズル1の干渉回避高さ位置H2までの下降動作を個別に行うことができる。これにより、上記1つのサブヘッド3において、吸着ノズル1による電子部品2の回路基板4への装着動作を行っている際又はその装着動作の後上昇させる前までにに、上記他のサブヘッド3においては、次に装着動作を行う吸着ノズル1を干渉回避高さ位置H2まで降下させて装着動作待機状態とさせて、上記装着動作が完了次第、ヘッド部101のXY移動により上記装着動作待機状態とさせた吸着ノズル1と回路基板4の電子部品2の装着位置との位置合せの後、上記吸着ノズル1を干渉回避高さ位置H2より降下させて、電子部品2の装着動作を行うことができる。よって、このような電子部品の装着方法においては、1つの吸着ノズル1の装着動作が完了したときに、常に、次の吸着ノズル1が装着動作待機状態とされているため、連続的に複数の電子部品2を回路基板4へ装着するのに要する時間を短縮させることができ、装着効率を向上化させた電子部品の装着方法を提供することが可能となる。
【0193】
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【0194】
【発明の効果】
本発明の上記第1態様によれば、部品装着ヘッドが備える第1サブヘッド及び第2サブヘッドが、夫々のサブヘッド回転中心回りに回転移動可能に配置した複数の部品保持部材を備えていることにより、上記各サブヘッドにおいて、上記各部品保持部材の上記サブヘッド回転中心回りの回転移動によって、上記部品保持部材を夫々の回転移動の円周上における任意の位置に位置させることができ、上記部品装着ヘッドにおける上記部品保持部材の単位面積当りの装備数の増加を図ることができる。
【0195】
さらに、上記夫々のサブヘッド回転中心の配列方向と上記部品供給位置の配列方向は略平行であり、上記夫々のサブヘッド回転中心の間隔は上記一定の間隔の2以上の整数倍であり、かつ上記夫々のサブヘッド回転中心回りの上記円周の直径寸法は上記一定の間隔の整数倍の同じ寸法であることにより、上記第1サブヘッドにおける上記1つの部品保持部材を上記第1部品供給位置の上方に位置させると、上記第2サブヘッドにおける上記1つの部品保持部材が上記第2部品供給位置の上方へと位置させることができ、上記第1サブヘッドにおける上記1つの部品保持部材による上記第1部品供給位置からの上記部品の取出し、及び上記第2サブヘッドにおける上記1つの部品保持部材による上記第2部品供給位置からの上記部品の取出しを同時的に行うことが可能となる。
【0196】
また、上記各サブヘッドにおいて、上記部品保持部材の上部を挿通可能な複数の凹部が備えられた選択円盤を有する選択機構が備えられ、上記凹部の配置と上記部品保持部材の配置との位置関係により1本又は複数本の上記部品保持部材を選択された状態とさせて、昇降機構により上記選択円盤を下降させることにより、上記選択された状態の部品保持部材を押し下げて下降させることができ、このような機構により上記第1部品供給位置及び第2部品供給位置の夫々からの上記部品の同時的な取出し動作を達成することが可能となる。
【0197】
従って、部品装着ヘッドにおける単位面積当りの部品保持部材の装備数の増加を図りながら、部品装着ヘッドによる部品の取出しに要する時間を短縮することができ、このような部品装着ヘッドを備える部品装着装置における部品の装着効率を向上させることが可能となる。
【0198】
また、部品装着ヘッドの各サブヘッドが夫々の部品保持部材の昇降動作を個別に行う機構として、例えば、上記各部品保持部材毎に個別にエアシリンダを備えさせたエアシリンダ機構を備えるような場合にあっては、上記エアシリンダを個別に駆動させるための多数の圧空配管の設置等によりその構造が複雑なものになるとともに上記エアシリンダの機構上においてその動作方向に対して長い形状となり、上記各サブヘッド自体の重量が大きくなり、上記部品装着ヘッドの移動速度が低下して装着動作に要する時間が長くなるという問題点がある。また、上記各部品保持部材は上記エアシリンダ機構により下降させることはできるものの、その下降量を制御することは困難であり正確かつ確実な装着動作を行うことが困難であるという問題点もある。さらに、例えば、上記各部品保持部材毎に個別にモータを用いたボールねじ機構を備えさせるような場合にあっては、上記各部品保持部材の下降量を制御しながら下降させることができるものの、その機構上においてその動作方向に対して長い形状となるともにその重量も大きくなり、上記部品装着ヘッドの移動速度が低下して装着動作に要する時間が長くなるという問題点がある。
【0199】
しかし、上記各サブヘッドが上記選択円盤を備えるような上記選択機構及び上記選択機構により選択された上記部品保持部材に対して昇降動作を行う上記昇降機構を夫々1つずつ備えていることにより、上記多数の圧空配管等を設置する必要もなく、また、その機械的な構造も上記シリンダ機構等と比べて簡単な構造とすることができ、また、上記昇降機構においてカム部及びカムフォロア部により上記選択円盤の下降量を制御しながら下降させて上記部品保持部材を下降させることもできる。従って、上記各サブヘッドの構造の簡素化を図ることができるとともに上記各サブヘッドの小型軽量化を図ることができ、部品装着ヘッドの移動速度の高速化を図って部品の装着に要する時間の短縮化を図ることができるとともに、部品保持部材の下降量を制御しながら確実かつ正確な部品の装着動作を行うことが可能となる。
【0200】
本発明の上記第2態様によれば、上記各サブヘッドにおける夫々の上記選択機構において、上記複数の部品保持部材と上記選択円盤における上記複数の凹部との上記サブヘッド回転中心回りの回転方向に対する相対的な位置を解除可能に固定させる相対位置固定機構と、上記選択円盤を上記回転方向に対して解除可能に固定する円盤固定機構とが備えられていることにより、上記円盤固定機構により上記選択円盤を固定しながら上記複数の部品保持部材の上記回転移動を行い、上記複数の部品保持部材と上機選択円盤の上記複数の凹部との上記相対的な位置を移動させることができ、所望の上記1本又は複数本の部品保持部材を選択された状態とさせることができ、上記第1態様による効果を得ることができる部品装着ヘッドを提供することが可能となる。
【0201】
本発明の上記第3態様又は上記第4態様によれば、上記各サブヘッドにおける上記昇降機構においてカム部、回転駆動部、及びカムフォロア部が備えられていることにより、上記回転駆動部により上記カム部をその回転中心回りに回転させて、上記カム部の上記回転運動によるその偏芯軸の偏芯の回転運動を上記カムフォロア部に伝達させて、上記カムフォロア部において上記伝達された偏芯の回転運動を上記サブヘッド回転中心の方向の往復運動に変換することができる。さらに、この往復運動により上記カムフォロア部に固定された上記選択円盤を昇降動作量を制御しながら昇降させて上記選択された部品保持部材の昇降動作を昇降動作量を制御しながら行うことができ、確実かつ正確な部品の装着動作を行うことができるとともに、上記第1態様又は上記第2態様による効果を得ることができる部品装着ヘッドを提供することが可能となる。
【0202】
本発明の上記第5態様によれば、上記サブヘッドにおける上記各部品保持部材の上記サブヘッド回転中心回りの回転運動、及び上記選択機構における上記選択円盤の上記サブヘッド回転中心回りの回転運動を行う回転機構を、上記サブヘッドに夫々備えていることにより、上記各サブヘッドにおいて上記部品保持部材を上記部品供給位置の上方へ位置可能な上記サブヘッド回転中心回りの円周上における位置に移動させること、及び上記選択円盤の回転運動を行うことにより上記選択機構における上記部品保持部材の選択動作を行うことができ、上記第1態様から第4態様のいずれか1つによる効果を得ることができる部品装着ヘッドを提供することが可能となる。
【0203】
本発明の上記第6態様によれば、上記各サブヘッドにおける上記選択機構において、上記選択円盤に形成されている上記凹部の断面が略円形状又は略長円形状であることにより、上記選択機構による上記部品保持部材の選択パターンを多様とさせることができ、上記第1態様から第5態様のいずれか1つによる効果を得ることができる部品装着ヘッドを提供することが可能となる。
【0204】
本発明の上記第7態様によれば、上記各サブヘッドの上記サブヘッド回転中心に対して点対称の位置に夫々の上記部品保持材が配置されていることにより、夫々の上記サブヘッドにおいて、上記点対称の組の上記部品保持部材を同時的に2箇所の上記部品供給位置の上方に位置させることができ、上記組の上記各部品保持部材により上記2箇所の部品供給位置から上記部品の同時的な取出しを行うことができる。さらに、この状態にて上記各部品保持部材の上記回転移動を行うことにより、上記点対称に位置にあるその他の組の上記部品保持部材を連続的に上記2箇所の部品供給位置の上方へと位置させていくことができ、上記部品の同時的な取出しを連続的に行うことができる。従って、部品装着ヘッドによる部品の取出しに要する時間を短縮することができ、このような部品装着ヘッドを備える部品装着装置における部品の装着効率を向上させることが可能となる。
【0205】
本発明の上記第8態様によれば、上記第1サブヘッド及び上記第2サブヘッドの上記夫々の選択機構において、上記点対称の位置に互いに配置されている2本の上記部品保持部材を同時的に選択可能に上記選択円盤上に上記各凹部が形成されていることにより、上記第7態様による効果を得ることができる部品装着ヘッドを提供することが可能となる。
【0206】
本発明の上記第9態様によれば、上記第1サブヘッド及び上記第2サブヘッドの上記夫々の選択機構において、全ての上記部品保持部材を同時的に選択可能に上記選択円盤上に上記各凹部が形成されていることにより、例えば、上記部品を保持した状態の上記各部品保持部材を同時的に下降させて、上記部品の保持状態の撮像を行う撮像装置による撮像を上記各部品保持部材において同時的に行うことができ、部品の装着に要する時間を短縮させることができるとともに、上記第1態様から第8態様のいずれか1つによる効果を得ることができる部品装着ヘッドを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態にかかるヘッド部の斜視図である。
【図2】 上記実施形態のヘッド部を備える電子部品装着装置の模式的な斜視図である。
【図3】 上記実施形態のヘッド部における吸着ノズルの平面配置図である。
【図4】 上記実施形態のヘッド部が備えるサブヘッドの縦断面図である。
【図5】 上記図4のサブヘッドのA−A矢視断面図である。
【図6】 上記実施形態のヘッド部が備えるサブヘッドの縦断面図であり、ノッチ機構によりセレクト円盤部が固定された状態を示す図である。
【図7】 上記実施形態のヘッド部が備えるサブヘッドの縦断面図であり、吸着ノズルが下降された状態を示す図である。
【図8】 上記図4のサブヘッドの昇降カムフォロアとLMブロックを示す図であり、(B)は上記図4のB−B矢視図であり、(A)は上記図(B)におけるC−C断面図である。
【図9】 電子部品の吸着取出しを行っている状態の上記実施形態のサブヘッドの縦断面図である。
【図10】 電子部品の装着動作を行っている状態の上記実施形態のサブヘッドの縦断面図である。
【図11】 上記実施形態のヘッド部における吸着ノズルの配列とパーツカセットの配置状態の関係を示す模式説明図である。
【図12】 上記実施形態のヘッド部における吸着ノズルの配列とパーツカセットの配置状態の関係を示す模式説明図である。
【図13】 上記実施形態のヘッド部による電子部品の装着方法を示した模式説明図である。
【図14】 上記実施形態のヘッド部による電子部品の別の装着方法を示した模式説明図である。
【図15】 上記実施形態のヘッド部による電子部品の上記別の装着方法を示した模式説明図である。
【図16】 上記実施形態のヘッド部により電子部品が装着される回路基板の模式平面図である。
【図17】 上記実施形態のサブヘッドにおけるセレクト円盤部と吸着ノズルの配置関係を示す模式説明図である。
【図18】 上記実施形態のサブヘッドにおけるセレクト円盤部と吸着ノズルの配置関係を示す模式説明図である。
【図19】 上記実施形態のサブヘッドにおけるセレクト円盤部と吸着ノズルの配置関係を示す模式説明図である。
【図20】 上記実施形態のサブヘッドにおけるセレクト円盤部と吸着ノズルの配置関係を示す模式説明図である。
【図21】 上記実施形態のサブヘッドにおけるセレクト円盤部と吸着ノズルの配置関係を示す模式説明図である。
【図22】 上記実施形態のサブヘッドにおけるセレクト円盤部と吸着ノズルの配置関係を示す模式説明図である。
【図23】 上記実施形態のサブヘッドにおけるノズル選択機構による吸着ノズルの選択動作を示す模式説明図である。
【図24】 上記実施形態のサブヘッドにおけるノズル選択機構による吸着ノズルの選択動作を示す模式説明図である。
【図25】 上記図4におけるサブヘッドの縦断面図の部分拡大図である。
【図26】 上記実施形態のヘッド部による電子部品の装着動作におけるタイミングチャートである。
【図27】 従来の部品装着ヘッドによる電子部品の装着動作におけるタイミングチャートである。
【図28】 上記実施形態のヘッド部における吸着ノズルの配列を示す平面配置図である。
【図29】 上記実施形態のヘッド部における吸着ノズルのさらに別の配列を示す平面配置図である。
【図30】 従来の部品装着ヘッドの模式的な斜視図である。
【符号の説明】
1…吸着ノズル、2…電子部品、3…サブヘッド、4…回路基板、5…ヘッドフレーム、6…パーツカセット、6a…部品供給位置、7…ステージ、8…XYロボット、8a…Y軸ロボット、8b…X軸ロボット、9…制御部、10…ノズル回転機構、11…ノズルシャフト、11a…ばね受部、11b…段部、12…ノズルホルダー、12a…軸受け、12b…段部、13…スプラインシャフト、15…回転用モータ、15a…駆動軸、16…付勢ばね、20…ノズル昇降機構、21…昇降用モータ、21a…駆動軸、22…偏芯カム、22a…偏芯軸、22b…軸受け、23…LMブロック、23a…LMガイド部、24…昇降用カムフォロア、24a…長穴部、24b…ナット駆動部、24c…LMレール部、24d…軸受け、30…撮像装置、40…ノズル選択機構、41…セレクト円盤部、41a…ノッチ部、41b…抜き孔部、41c…突出部、42…スプラインナット、42a…ピン受部、43…位置決めピン、44…当てブロック、44a…当て部、45…ばね部、46…軸受け、47…ノッチ固定部、47a…噛み込み部、47b…ばね部、48…ノッチ機構、50…真空吸引装置、51…吸装着用バルブ、101…ヘッド部、102…電子部品装着装置、P…配置間隔、Q…装着ピッチ、R…サブヘッド回転中心、Z1〜Z4…装着領域。
Claims (9)
- 部品供給位置が一定の間隔でもって複数配列された部品供給部における上記各部品供給位置のうちの第1部品供給位置に供給された部品を保持して回路形成体に装着する複数の部品保持部材をサブヘッド回転中心回りの円周上に回転移動可能に配置した第1サブヘッドと、
上記部品供給部における上記各部品供給位置のうちの第2部品供給位置に供給された部品を保持して上記回路形成体に装着する複数の部品保持部材をサブヘッド回転中心回りの円周上に回転移動可能に配置した第2サブヘッドとを備え、
上記夫々のサブヘッド回転中心の配列方向と上記部品供給位置の配列方向は略平行であり、上記夫々のサブヘッド回転中心の間隔は上記一定の間隔の2以上の整数倍であり、かつ上記夫々のサブヘッド回転中心回りの上記円周の直径寸法は上記一定の間隔の整数倍の同じ寸法であって、
上記第1サブヘッド及び上記第2サブヘッドの夫々において、上記複数の部品保持部材のうちより1本又は複数本の上記部品保持部材を選択可能な選択機構と、上記選択機構により選択された上記1本又は複数本の上記部品保持部材を昇降させる昇降機構とを備え、
夫々の上記選択機構は、
上記部品保持部材の上部を挿通可能な複数の凹部が上記サブヘッド回転中心回りの上記円周上に形成されかつ上記サブヘッド回転中心回りに回転可能な選択円盤を備えるとともに、上記選択円盤の上記複数の凹部には、上記選択円盤と上記複数の部品保持部材との間の上記サブヘッド回転中心回りの回転方向に対する相対的な位置における少なくとも2つの位置にて1本の上記部品保持部材の上部を挿通可能であり、かつ、上記サブヘッド回転中心の方向と直交する平面上に略長円形状の断面を有する凹部が含まれ、
上記複数の部品保持部材又は上記選択円盤の上記サブヘッド回転中心回りの回転移動により、上記選択円盤の上記凹部にその上部を挿通可能に位置された上記部品保持部材を除く1本又は複数本の上記部品保持部材を選択された状態にさせ、
夫々の上記昇降機構は、上記選択円盤を下降させて、上記凹部に挿通可能に位置された上記部品保持部材の上部を上記凹部に挿通させるとともに、上記選択機構により選択された状態の上記1本又は複数本の部品保持部材の上部を上記選択円盤の下面にて押し下げて、上記1本又は複数本の部品保持部材を下降させることを特徴とする部品装着装置用の部品装着ヘッド。 - 上記選択円盤の上記複数の凹部には、上記選択円盤と上記複数の部品保持部材との間の上記相対的な位置における1つの位置のみにて1本の上記部品保持部材の上部を挿通可能であり、かつ、上記サブヘッド回転中心の方向と直交する平面上に略円形状の断面を有する凹部がさらに含まれる請求項1に記載の部品装着装置用の部品装着ヘッド。
- 上記第1サブヘッド及び上記第2サブヘッドの夫々の上記選択機構において、
上記複数の部品保持部材と上記選択円盤との間の上記相対的な位置を解除可能に固定させる相対位置固定機構と、
上記選択円盤を上記回転方向に対して解除可能に固定する円盤固定機構とを備え、
上記円盤固定機構により上記選択円盤を固定しながら、上記複数の部品保持部材の上記回転移動を行い、上記複数の部品保持部材と上記選択円盤との間の上記相対的な位置を移動させて、上記1本又は複数本の部品保持部材を選択された状態とする請求項1又は2に記載の部品装着装置用の部品装着ヘッド。 - 上記第1サブヘッド及び上記第2サブヘッドの夫々の上記昇降機構において、
上記サブヘッド回転中心の方向と略直交する方向における回転中心及び上記回転中心回りの偏芯の回転運動を行う偏芯軸を有するカム部と、
上記カム部を上記回転中心回りに回転運動させる回転駆動部と、
上記カム部の上記偏芯軸の上記偏芯の回転運動を上記サブヘッド回転中心の方向の往復運動に変換するカムフォロア部とを備えている請求項1から3のいずれか1つに記載の部品装着装置用の部品装着ヘッド。 - 上記選択機構における上記選択円盤は、その周部を上記サブヘッド回転中心の方向において上記カムフォロア部に固定されて、上記カムフォロア部の上記往復運動により上記選択円盤の昇降動作を行う請求項4に記載の部品装着装置用の部品装着ヘッド。
- 上記第1サブヘッド及び上記第2サブヘッドの夫々において、
回転駆動源による上記サブヘッド回転中心回りの上記複数の部品保持部材の回転運動、及び上記選択機構における上記選択円盤の上記サブヘッド回転中心回りの回転運動を行う回転機構を備える請求項1から5のいずれか1つに記載の部品装着装置用の部品装着ヘッド。 - 上記第1サブヘッド及び上記第2サブヘッドの夫々において、
上記複数の部品保持部材を上記サブヘッド回転中心に対して点対称の位置に配置している請求項1から6のいずれか1つに記載の部品装着装置用の部品装着ヘッド。 - 上記第1サブヘッド及び上記第2サブヘッドの上記夫々の選択機構において、
上記点対称の位置に互いに配置されている2本の上記部品保持部材を同時的に選択可能に上記選択円盤において上記複数の凹部が形成されている請求項7に記載の部品装着装置用の部品装着ヘッド。 - 上記第1サブヘッド及び上記第2サブヘッドの上記夫々の選択機構において、
全ての上記部品保持部材を同時的に選択可能に上記選択円盤において上記複数の凹部が形成されている請求項1から8のいずれか1つに記載の部品装着装置用の部品装着ヘッド。
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