JP2007227798A - 可変容量素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】所望の周波数における電圧印加によるQ値の低下を抑制した可変容量素子を提供すること、挿入損失、位相特性を低減した可変フィルタなどを提供できるようにすること。
【解決手段】 本発明の可変容量素子によれば、支持基板の上面に、一対の電極層と、これら電極層に上下から挟まれた、直流電圧の印加により誘電率が変化するとともに直流電圧の印加および高周波信号の印加により圧電性を示す誘電体層とが形成されており、支持基板は、下面の、誘電体層の下方に位置する部位を、誘電体層が発する音響波に対する散乱面とする。このことから、印加する高周波信号が多少変動してもQ値が大きく変動することがなくなり、使用周波数範囲内で安定して高いQ値を有するものとなる。
【選択図】図2
【解決手段】 本発明の可変容量素子によれば、支持基板の上面に、一対の電極層と、これら電極層に上下から挟まれた、直流電圧の印加により誘電率が変化するとともに直流電圧の印加および高周波信号の印加により圧電性を示す誘電体層とが形成されており、支持基板は、下面の、誘電体層の下方に位置する部位を、誘電体層が発する音響波に対する散乱面とする。このことから、印加する高周波信号が多少変動してもQ値が大きく変動することがなくなり、使用周波数範囲内で安定して高いQ値を有するものとなる。
【選択図】図2
Description
本発明は、高誘電率薄膜を使用した誘電体層の誘電率の印加電圧依存性を利用して、静電容量を電圧制御する可変容量素子に関し、特に高周波動作において誘電損失が小さくかつ電圧印加にかかわらず誘電損失が小さい可変容量素子に関するものである。
近年、無線通信や電気回路における周波数の高周波化に伴い、これらの電気信号に対して用いられる電子部品も高周波数に対応したものが要求され、特に、高周波回路において薄膜コンデンサをフィルタ、共振器などの構成部品として使用するためには、コンデンサのQ値が高いことが求められる。また、無線通信技術の発達、新方式への切り替えに伴って、複数の送受信システムに対応する通信装置の需要が高まっている。複数の送受信システムに対応すると同時に、部品点数の削減や小型化にも対応するため、電圧可変フィルタや電圧可変容量素子などの、可変素子の開発がなされている(例えば、特許文献1を参照。)。
電圧可変容量素子は、誘電体層への印加電圧に伴う大きな誘電率の変化を利用した薄膜コンデンサのことであり、その基本的な構成は例えば、支持基板と、支持基板の上面に形成された金属薄膜からなる下部電極層と、その下部電極層の上に形成された高誘電率薄膜からなる誘電体層と、さらにその誘電体層の上に形成された上部電極層とからなる。高誘電率薄膜からなる誘電体層としては、例えば、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3),チタン酸バリウムストロンチウム(BaxSr1−xTiyO3、以下、BSTと記す。),チタン酸ジルコン鉛(Pb(ZrxTi1−x)O3)などのペロブスカイト型結晶構造を有する誘電体などが使用されている。SrTiO3やBST等のペロブスカイト型酸化物は、室温付近で高い誘電率を示し、室温で常誘電相をもつSrTiO3−BaTiO3固溶系材料は、高誘電性を必要とするDRAMや、強誘電性を用いた不揮発性RAM用途に好適であり、盛んに開発が行われてきた。
特開平11−260667号公報
上述したようなペロブスカイト型結晶構造を有する高誘電率薄膜を用いた可変容量素子において要求されることは、高チューナビリティ(Tunability)であることや高Q値であることの他に、低い温度係数,高耐電力性,高絶縁抵抗,低歪み特性,経時変化が無いことなどが挙げられる。チューナビリティとは、可変容量素子の可変量を示すものであり、電圧印加前の容量をC0、電圧印加後の容量をC1とすると、チューナビリティ=(C0−C1)/C0×100(%)で表される。チューナビリティは、電界強度が大きいほど高くなるため、誘電体薄膜の膜厚に依存し、薄いほど高チューナビリティになる傾向がある。Q値はコンデンサの各構成要素における損失に依存しており、誘電体層における誘電損失、電極における導体損などがQ値を低下させる主たる原因となっている。これら可変容量素子の容量やQ値は、インピーダンス測定などにより得られるものである。
本来、可変容量素子に使用する高誘電率薄膜は、圧電性をもたず、その使用温度範囲がキュリー温度以上であることが望ましく、使用温度範囲において常誘電性を示す材料を使用することが望ましい。なぜならば、強誘電性を示す場合、電圧印加により容量の変化にヒステリシスを伴い、容量が電界履歴に依存することとなり、可変容量素子として不適切なためである。また、ヒステリシスは分極の交流電圧に対する遅れを示しており、誘電損失が大きいことに相応するため不適切である。したがって、従来、可変容量素子に用いられてきた高誘電率薄膜としては、使用温度範囲(室温付近)において常誘電性を示すBST材料系が主に用いられてきた。
このSrTiO3とBaTiO3との固溶系はBa/SrやTi/(Ba+Sr)の組成の違いにより強誘電性や常誘電性を示し、その組成は、通常、使用温度範囲において常誘電相領域となるように設定される。しかし、その境界領域においては、BaTiO3の強誘電性は弱められて現れることもあり、若干の容量ヒステリシスを示す場合もある。可変容量素子において、上述したような多くの要求特性を満たすためには、そのような境界領域に使用温度範囲が入るような材料を使用することもある。
ここで問題となるのが、その強誘電性からくる圧電性であり、あるいは、常誘電体でも、高誘電率薄膜に直流電圧を印加しながら交流電圧(高周波信号)を印加した場合に生じる圧電性である。圧電性は、境界領域のみで確認されるのではなく、常誘電性の領域においても、直流電圧の印加により高誘電体薄膜に歪がかかることで、圧電性が発現する。容量を変化させるために可変容量素子に印加した電圧により圧電性が強められたり、発現したりすると、インピーダンスの振幅特性および位相特性に共振が生じ、このような可変容量素子をフィルタ,共振器の構成部品として使用した場合に、損失が電圧印加により増大する恐れがある。
発明者らが誘電体層にBSTを用いた可変容量素子においてインピーダンス測定を行なったところ、電圧印加後の位相特性において周波数に対する周期的な変化が観察された。その結果の一例を図5に示す。図5において、横軸は周波数(単位:Hz)、縦軸は、左側がインピーダンス|Z|(単位:Ω)を,右側が位相(単位:deg)を表している。また、電圧印加前の特性を太線で、電圧印加後の特性を細線で示している。これを容量値およびQ値(=1/tanθ、θ:位相)でみると図6に示すようになる。図6において、横軸は周波数(単位:Hz)、縦軸は、左側が容量値C(単位:pF)を,右側がQ値(単位:無次元)を表している。図6に示すように、電圧印加前のQ値(太線)は単調に減少する傾向が見られた。これに対して、電圧印加後のQ値(細線)は広い周波数範囲で振動する基本振動波に狭い周波数範囲で振動する微小振動波がのっていた。すなわち、狭い周波数範囲でQ値の微小振動(変動)を繰り返しながら、広い周波数範囲でも周期的に変化しつつ小さくなるという傾向が見られた。以下、周波数に対する位相,Q値の特性を示す際に、広い周波数での周期的な変化(振動)を基本振動といい、その特性を示す線図を基本振動波といい、狭い周波数範囲での振動を微小振動というものとする。
このように、位相特性が電圧印加により周期的に変化する可変容量素子は、例え、使用する周波数範囲が、広い周波数範囲でのQ値の周期的な変化(基本振動)のピーク周波数とピーク周波数との間に位置する場合であっても、狭い周波数範囲でもQ値の振動を繰り返しているため、Q値が劣化したり、周波数の僅かな変化によっても大きくQ値が変化したりする恐れがあった。
このために、位相特性が電圧印加により周期的に変化する可変容量素子では、使用周波数範囲においてその誘電体薄膜が発する音響波の影響を受け、電圧印加前後ではQ値が広い周波数範囲でも狭い周波数範囲でも振動し、これをフィルタや共振器などの構成部品として使用した場合、可変容量素子の損失が電圧印加により増大する、またはノイズが引き起こされてしまうという問題があった。
本発明は,以上のような従来の技術における問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、所望の周波数における電圧印加によるQ値の低下を抑制した可変容量素子を提供することにある。また、このような可変容量素子を用いることにより挿入損失,位相特性の変化を低減した可変フィルタなどを提供できるようにすることを目的とする。
本発明の可変容量素子は、支持基板の上面に、一対の電極層と、これら電極層に上下から挟まれた、直流電圧の印加により誘電率が変化するとともに、前記直流電圧の印加および高周波信号の印加により圧電性を示す誘電体層とが形成されており、前記支持基板は、下面の、前記誘電体層の下方に位置する部位を、前記誘電体層が発する音響波に対する散乱面としたものである。
また、本発明の可変容量素子は、上記構成において、前記支持基板の前記散乱面の算術平均粗さRaが、前記音響波の前記支持基板内における波長λに対して、Ra>λ/64であるものである。
本発明の可変容量素子によれば、下面の、誘電体層の下方に位置する部位を誘電体層が発する音響波に対する散乱面とした支持基板を使用したことから、誘電体層で発生した音響波が支持基板の下面に到達したときに散乱されるので、誘電体層が発する音響波の誘電体層側への反射を抑制し、支持基板により音響波が励振されることがなくなり、その結果、狭い周波数領域のQ値の振動をなくすことができるものとなる。このため、容量を変化させるために直流電圧を印加したり、可変容量素子に印加する高周波信号が多少変動したりしてもQ値が大きく変動することがなくなり、使用周波数範囲内で安定して高いQ値を有する可変容量素子とすることができる。
以下に、さらに詳しく説明する。
可変容量素子において、電圧印加後の位相特性が周波数に対して周期的な変化を示すのは、誘電体層の共振特性によるものであり、基本振動と微小振動とは、それぞれ下記のようなメカニズムによるものと推察される。
ます、基本振動を支配する共振特性は、誘電体層の厚み縦方向の基本振動(以下、音響波ともいう。)あるいは高調波などに基づいたものであり、一対の電極層と、これら電極層に上下から挟まれた誘電体層が振動するために発生するものと推察される。このような共振特性は、その共振周波数が、一対の電極層と、これら電極層に上下から挟まれた誘電体層からなる可変容量素子の場合、各層の膜厚や材料種などにより概略決定され、この周期的な共振周波数において、容量が変化し、Q値が減少する。このような現象は、可変容量素子の使用周波数範囲においてその影響が見られる場合に問題となる。
このような共振特性のメカニズムを図1に示す可変容量素子を例に説明する。図1において、可変容量素子の構造は平行平板(Overlay)型で、支持基板1の上面に、下部電極層2と、誘電率が変化する誘電体層3、上部電極層4が順次形成されているものである。直流電圧の印加および高周波信号の印加により、誘電体層3を構成する誘電体の圧電性が大きくなったり、発現したりすると、誘電体層3の厚み縦振動が励振されて、厚み縦の基本振動あるいは高調波などに基づいた共振特性が発現する。この共振周波数は、材料、膜厚とその構成によって決まってくる。図1に示すような構造における振動モードは、厚み縦振動モードが主となり、この振動モードに対する基本ピーク周波数f0は、誘電体層3の膜厚,電極層2,4の膜厚および各材料中における音速および音響インピーダンスなどによって決定される。ここで、電極層2,4を含めた振動部の全膜厚をt、振動部を伝播する音波の実効的な音速をVとしたとき、f1=V/2t、高次のピーク周波数fnにおいては、fn=nV/2t(n=1,3,5・・・)で概略的には決定される。この実効的な音速とは、各層ごとの材料によって異なる音速を振動部全体でみたときの平均的な音速を指す。ピーク周波数は、位相極大点を指し、高周波信号を印加すればするほど容量の変化に応じて大きくなり、位相特性が−90°近傍の値からゼロに近づくものである。このような現象により、位相およびQ値は広い周波数範囲で周期的に変動するという問題が発生するものと推察される。
次に微小振動は、支持基板1が下部電極層2と接しているため、誘電体層3で発生した音響波は支持基板1にも伝搬し、支持基板1の裏面(下面)において、支持基板1内を伝搬した音響波が反射され、誘電体層3まで返ってくることに起因するものと推察される。この変動の周期は支持基板1の厚みおよび材料の音速および音響インピーダンスなどによって決まる。
このため、従来の可変容量素子は、例え、誘電体層の材料、組成、膜質、膜厚および支持基板、電極材料や膜厚などを適切に組み合わせ、使用する周波数範囲を基本振動波のピーク周波数とピーク周波数との間に位置するように調整し、広い周波数範囲でみたときのQ値の周期的な変動(基本振動)の影響を少なくしたとしても、狭い周波数範囲でもQ値の振動(微小振動)を繰り返しているため、Q値が劣化したり、周波数の僅かな変化によっても大きくQ値が変化したりする恐れがあった。
しかしながら、本発明によれば、下面の、誘電体層の下方に位置する部位を、誘電体層が発する音響波に対する散乱面とした支持基板を使用したことから、誘電体層で発生した音響波が支持基板の下面に到達したときに散乱されるので、支持基板により音響波が励振されることがなくなり、その結果、微小振動(狭い周波数領域のQ値の振動)をなくすことができるものとなる。
図2に、図1に示す可変容量素子において、支持基板1の下面の算術平均粗さを大きくして散乱面としたときの、印加する高周波信号に対するインピーダンスおよび位相の関係を測定した結果を示す。ここで、支持基板1の上面の算術平均粗さは0.01μm,下面の算術平均粗さは1.0μmである。誘電体層3はBSTから成り、直流電圧の印加および高周波信号の印加により圧電性を示すものである。その結果を図2に示す。図2において、横軸は周波数(単位:Hz)、縦軸は、左側がインピーダンス|Z|(単位:Ω)を,右側が位相(単位:deg)を表している。また、電圧印加前の特性を太線で、電圧印加後の特性を細線で示している。図2に示すように、本発明の可変容量素子は、図5に示す従来の可変容量素子の特性に比べ、基本振動波にのった微小振動、すなわち、狭い周波数範囲でのQ値の変動が効果的に抑制されている。従って、使用周波数範囲において電圧印加によるQ値や特性劣化を抑制した可変容量素子を提供することができる。
また、本発明の可変容量素子によれば、上記構成において、支持基板の散乱面の算術平均粗さRaが、音響波の支持基板内における波長λに対して、Ra>λ/64であるとしたときには、誘電体層が発する音響波の支持基板の下面における反射をさらに効果的に抑制することができ、その結果、微小振動(狭い周波数領域のQ値の振動)をさらになくすことができるものとなる。このため、可変容量素子に印加する高周波信号が多少変動してもQ値が大きく変動することがなくなり、使用周波数範囲内で安定して高いQ値を有する可変容量素子とすることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について模式的に示す図面を用いて詳細に説明する。
本発明の可変容量素子は、支持基板の上面に、一対の電極層と、これら電極層に上下から挟まれた、直流電圧の印加により誘電率が変化するとともに、直流電圧の印加および高周波信号の印加により圧電性を示す誘電体層とが形成されており、支持基板は、下面の、誘電体層の下方に位置する部位を、誘電体層が発する音響波に対する散乱面としたものである。
ここで、誘電体層は、もともと圧電性を有し、直流電圧および高周波信号の印加によりその圧電性が強められるような材料でもよいし、もともとは圧電性を有しないが、直流電圧の印加または直流電圧および高周波信号の印加によりその圧電性が発現するような材料でもよく、要は直流電圧および高周波信号を印加した状態で圧電性を示す材料であればよい。また、この圧電性により誘電体層が音響波を発するものとなる。
図3(a)は本発明の実施の形態の一例を示す模式的な断面図であり、(b)は図3(a)にAで示す部位の要部拡大図である。図3において、1は支持基板であり、2は下部電極層であり、3は誘電体層であり、4は上部電極層で、上部電極A層4Aと上部電極B層4Bとからなるものであり、5は絶縁層であり、6は保護層であり、7A,7Bはそれぞれ端子電極層であり、8は半田拡散防止層であり、9A,9Bはそれぞれ半田端子部である。なお、この半田拡散防止層8および半田端子部9A,9Bで外部回路との接続端子を構成している。また、容量形成領域は、薄膜誘電体層3を下部電極層2と上部電極層4とで挟持している対向部分である。さらに、下部電極層2と上部電極層4とで、一対の電極層を構成する。このような高誘電率薄膜を用いた容量形成領域の構造は、可変容量素子に限ったものではなく、デカップリングコンデンサやDRAMなどの薄膜コンデンサにも適用されるものである。本発明の目的は、使用周波数範囲において電圧印加によるQ値や特性劣化を抑制した可変容量素子を提供することにある。使用周波数範囲としては、例えば、携帯電話で使用される周波数400MHz〜2.1GHzが挙げられ、この範囲で電圧印加によるQ値の低下・狭い周波数範囲で変動がないことが好ましい。
支持基板1は、下部電極2との間に絶縁性を確保することができるものであれば特に材料を限定されるものではなく、例えば、Al2O3,Si基板上にSiO2層が積層されたもの(以下、Si/SiO2とする),MgO,LaAlO3,SrTiO3などが使用可能である。また、可変容量素子の容量可変率等の電気的特性には、誘電体層3の結晶性が大きく影響を与える。このため、支持基板1の上面は支持基板1の上側に形成する誘電体層3の結晶性が良好となり表面が平滑になるように、十分な平坦度を保有していることが好ましい。このとき支持基板1は、厚み縦振動を支持基板1の厚みによって励振しないように、下面の、誘電体層3の下方に位置する部位を誘電体層3が発する音響波に対する散乱面とする。支持基板1の下面を散乱面とするためには、厚み方向の断面視において誘電体層3の下面と非平行な面とすればよく、例えば、下面を傾斜面としたり、下面の算術平均粗さを大きくしたりしたものを使用する。このように、散乱面を誘電体層3の一主面である下面と非平行とすれば、基板1の散乱面で反射した音響波が誘電体層3に戻らなくなる。以下、支持基板1の下面の算術平均粗さを大きくすることで散乱面とした場合を例に説明する。可変容量素子のQ値の変動(電気的損失)に対して影響がでてくる支持基板1の下面の粗さは、誘電体層3が発し、支持基板1中を伝搬する音響波の波長に依存するものである。支持基板1の下面の算術平均粗さが、支持基板1内に伝搬する波長に対して、十分に大きいものであれば、音響波を散乱させることができ、狭い周波数範囲での可変容量素子のQ値の変動(基本振動波にのった微小振動)を抑制することができる。なお、支持基板1は、少なくとも下面の、誘電体層3の下方に位置する部位の算術平均粗さを大きくすればよいが、下面全面にわたり算術平均粗さを大きくしてもよい。
特に、支持基板1の散乱面の算術平均粗さを、音響波の支持基板1内における波長λに対してλ/64とすれば、より音響波を散乱させることができるので好ましい。なお、支持基板1の散乱面は、音響波が支持基板1の下面において誘電体層3に戻らないように誘電体層3の下面と非平行となるように粗面とすればよく、その算術平均粗さの上限については特に規定されない。
例えば、支持基板1にAl2O3を使用した場合には、移動体通信規格で決められている周波数の内最小の周波数である周波数400MHzの音響波がこの支持基板1中を伝搬するときの波長は27.9μmである。したがって、支持基板1の下面の算術平均粗さは、上面の算術平均粗さに比べ大きく、λ/64である0.44μm以上であることが好ましい。
また、支持基板1にSiを使用した場合には、使用周波数400MHzの音響波がこの支持基板1中を伝搬するときの波長は21.0μmである。したがって、支持基板1の下面の算術平均粗さは、上面の算術平均粗さに比べ大きく、λ/64である0.33μm以上であると好ましい。
なお、支持基板1の散乱面の算術平均粗さを大きくするには、RIE(Reactive Ion Etching)を用いたドライエッチング法,水酸化ナトリウムなどを用いた選択ウエットエッチング法,サンドブラスト法等を使用すればよい。
このように、好ましくは、支持基板1の算術平均粗さは、上面に対しては、その上側に形成される誘電体層3の特性を良好にするために平滑さが求められ、その一方で、下面に対しては、支持基板1中に伝搬してきた音響波を散乱させるために、算術平均粗さが大きいことが求められる。すなわち、支持基板1の上面に比べ下面の算術平均粗さが大きいときに、初めて、電気的特性に優れた可変容量コンデンサを提供することができる。
この支持基板1上に、下部電極層2が形成されている。下部電極層2を構成する導体材料としては、電極による抵抗を抑え高Q値のコンデンサを得るために、抵抗率の小さな金属を用いる必要があり、銅、アルミニウム、金、銀などが挙げられる。しかしながら、下部電極層2の上に高誘電率薄膜である誘電体層3を形成する過程において、高温の熱履歴を伴うため、高誘電率薄膜に拡散したり、反応したりしてリーク電流が増大するといった問題が発生する可能性があるので、高温によって反応や拡散を生じにくい白金、パラジウムなどを用いることが望ましい。膜厚は薄くした方が、音響波の、基本振動波における周期的な変化が始まる基本ピーク周波数を高周波数側にシフトすることができるため、使用周波数において音響波による共振の影響を排除することが可能となり好ましいが、周波数や高抵抗な材料によっては電極による損失が増大することとなり、そもそもの電圧印加前のQ値が低くなるといった問題が発生する。このため、両者を考慮して設定する必要がある。このような下部電極層2は、スパッタ法、真空蒸着法などの気相合成法により作製して得られ、フォトリソとドライエッチングとにより所望の形状に加工される。
図3に示す例では、下部電極層2は容量形成領域の外側まで延びて形成され、下部電極層2の容量形成部を構成しない部分の一部が、後述する端子電極層7Aとしての機能を有するものとしている。
また、支持基板1上に、下部電極層2と離間して導電層が形成される。この導電層は後述する端子電極層7Bとしての機能を有するが、下部電極層2と同一材料・同一工程で形成すれば、導電層を形成するために新たな工程を設ける必要はないので好ましい。
誘電体層3の材料としては、高い誘電率を持つものが好ましく、しかも、印加電圧によりその誘電率が大きく変化し得る誘電体材料、例えばBaTiO3、SrTiO3、(Ba,Sr)TiO3などのペロブスカイト型酸化物が挙げられる。これらは、ゾルゲル法等の溶液法やスパッタ法やCVD法、レーザーアブレーション法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法などの気相合成法等薄膜作製手法により形成することができる。誘電体層3は、例えば、下部電極層2の表面を覆うように形成され、その後、容量形成領域を除いてウエットエッチングまたはドライエッチングにより除去される。高誘電率薄膜の膜厚は、薄いほど基本振動波における周期的な変化が始まる基本ピーク周波数が高い周波数になるため、使用周波数においてその影響を排除することができるため好ましく、また、薄ければ薄いほど電界強度が大きくなるため、高チューナビリティ特性が得られるという利点がある。一方で、膜厚が薄い場合、リーク電流が増大したり、実効誘電率が低下したりするといった問題が発生するため、適宜膜厚を設定する必要がある。例えば、0.05μm〜0.4μmの厚さとすることが望ましく、特に0.15μm程度が好ましい。
上部電極A層4Aは、導体材料として、誘電体層3との密着性が良好な金属を用いて形成することができる。このような導体材料としては、金,銀,アルミニウム,銅,白金等が好ましい。厚みについては、下部電極層2の場合と同様にして設定されるが、後述する上部電極B層と一体として考慮すればよい。
ここで、図3に示すように、上面視で、下部電極層2の内側に誘電体層3が,誘電体層3の内側に上部電極A層4Aが、それぞれ配置されていることが好ましい。この場合には、支持基板1上に下部電極層2,誘電体層3,上部電極A層4Aを構成する膜を順次形成した後に、上部に位置する層から順に所望の形状にパターニングすることができる。このため、上部電極A層4Aを含めた下部電極層2、誘電体層3を同一バッチで、大気に曝すことなく形成することで、各層間における異物や油脂などの余分な付着を防ぐことができ、密着性が改善され、水分の浸入などを防止することができ、耐湿性を大幅に改善することができるとともに、異物等に起因するリーク電流の増大を抑制することができるので、安定した特性を有する可変容量素子とすることが可能となる。
絶縁層5は、これらの構造を全て覆うように成膜され、下部電極層2と、後から形成される上部電極B層4Bとの絶縁を確保するとともに、容量形成領域外で上部電極B層4Bと下部電極層2との間に発生する寄生容量を小さくするために必要である。絶縁層5の材料としては、BCBやポリイミドなどの有機材料やSiO2,Si3N4など無機材料で、絶縁性が高く、寄生容量を小さくするために低誘電率であることが望ましい。このような材料からなる絶縁層5の成膜方法は、立体的な複雑形状に対しても比較的均一な膜厚で形成することができることから、CVD法およびスピンコート法が好ましい。また、絶縁層5には、上部電極A層4Aを外部回路に接続するため、フォトレジストをマスクとしたドライエッチングにより内部に上部電極A層4Aの上面が露出するように開口部を形成する。また、容量形成領域の外側における下部電極層2および端子電極層7Bとしての導電層の上面を露出させる開口部も同時に形成することが望ましい。
次いで、上部電極B層4Bを形成する。上部電極B層4Bは、上部電極A層4Aと一方の端子電極層7Bとを接続するものであり、絶縁層5の開口部に露出する上部電極A層4Aと、支持基板1上に形成された導電層との間を、絶縁層5上を介して接続している。このような上部電極B層4Bは、Au,Cuなどの低抵抗な材料を用いることが望ましい。また、絶縁層5との密着性を考慮して、絶縁層5と上部電極B層4Bとの間に、Ti,Ni,Crなどの密着層を設けてもよい。
ここで、容量形成領域における上部電極B層4Bの上面に、誘電体層3の上面と非平行となるような傾斜面,凹凸を設ければ、音響波が上部電極層4により励振されることがなくなるので好ましい。このようにすれば、上部電極B層4Bは、音響波の共振特性に関与しなくなるため、電極としての特性の観点から上部電極B層4Bを構成する材料,膜厚等を選択することができる。
なお、端子電極層7A形成位置において、絶縁層5の開口部に露出する下部電極層2上に、上部電極B層4Bと離間した状態で、上部電極B層4Bと同一材料,同一工程で導電層を形成すると、二つの端子電極層7A,7Bの高さをあわせることができ、実装が容易となるので好ましい。
端子電極層7A,7Bは、容量形成領域と外部回路とを接続するために、容量形成領域と離間した位置にそれぞれ形成される。端子電極層7A,7Bは、端子電極層7A,容量形成領域,端子電極層7Bをこの順に電気的に接続できれば、どのような材料を用いて、どのような敗戦をしてもよい。図3に示す例では、端子電極層7Aは、容量形成領域の外側まで延びた下部電極層2の一部と、その上に形成された上部電極B層4Bと同一材料からなる導電層とからなり、端子電極層7Bは、下部電極層2と離間して形成された下部電極層2と同一材料からなる導電層と、その上に形成された上部電極B層4Bとからなる。
次に、保護層6を形成する。保護層6は、容量形成領域から支持基板1にかけて全面を覆うように形成され、端子電極層7A,端子電極層7Bの一部を露出する開口部を設ける。保護層6は、素子を外部から機械的に保護するほか、湿度や酸素による素子を構成する材料の酸化等の劣化や、ゴミなどの異物の付着による汚染、薬品等による汚染から保護する。このような保護層6の材料としては、耐熱性が高く、段差に対する被覆性に優れたものが良く、容量形成領域で発生する音響波による振動を不要に励振することがないように考慮する必要がある。具体的には、ポリイミドやBCB(ベンゾシクロブテン)樹脂など有機系の熱硬化材料もしくは光硬化材料が用いることができる。
半田拡散防止層8は、半田端子9A,9B形成の際のリフローや実装の際に、半田が端子電極層7A,7Bやこれらを通し下部電極層2,上部電極層4へ拡散することを防止するために形成する。材料としては、Niが好適である。また、半田拡散防止層8の表面には、半田濡れ性を向上させるために、半田濡れ性の高いAu,Cuなどを0.1μm程度形成する場合もある。
最後に、実装を容易にするために、半田拡散防止層8の上に半田端子部9A,9Bを、半田ペーストを印刷後、リフローを行ない形成する。
このようにして作製した可変容量素子のインピーダンス特性は、例えばインピーダンスアナライザ(アジレント社製、型番E4991A)とテストフィクスチャー(アジレント社製、型番16197A)を使用して測定すればよい。また、支持基板1の上面および下面の算術平均粗さは、例えば原子間力顕微鏡(AFM)または走査型プローブ顕微鏡(SPM)により測定すればよい。
なお、本発明の可変容量コンデンサにおいて、現在移動体通信規格で決められている周波数の中で使用される最小の周波数400MHzの高周波信号を印加して、支持基板1内における音速が速いAl2O3基板を支持基板1として用い、その下面の算術平均粗さRaの大きさを徐々に大きくしてインピーダンスを測定した結果、λ/64を超えるようにしたときに微小な周波数範囲におけるQ値の微小な振動が抑制されたものとなり誘電体層3が発する音響波の反射を十分に抑制できることを確認したので、λ/64を超えるの算術平均粗さRaが好ましいものとした。このような構成とすることにより、支持基板1内を音響波が伝搬する際に、音響波が支持基板1の下面で誘電体層3側への反射を起こさなくなるために、狭い周波数範囲でのQ値の振動(変動)を無くすことが容易となる。
このような構成の可変容量素子を、高周波部品の共振回路の一部(LC共振回路の容量成分)として用いたり、この共振回路を結合する容量成分として用いたりすることより、Q値の変動がないことから信頼性に優れた回路を提供することができる。また、電圧制御型高周波共振回路部品や、その共振回路の複合部品である電圧制御型高周波フィルタ、電圧制御型整合回路素子および電圧制御型薄膜アンテナ共用器などへの高周波部品にも適用が可能である。
なお、本発明の可変容量コンデンサは上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や改良を加えることは何ら差し支えない。
以下に、本発明をより具体化した実施例として、図3に示す可変容量コンデンサを参考に、周波数1.9GHz近傍で使用する可変容量コンデンサを本発明に基づき作製した。各層構成および材料、膜厚を以下の通り設定し、周波数1.9GHz近傍で共振の影響による周期的な位相の変化を抑制できることを確認した。これは、Q値の微小変動を抑制できることを意味している。
支持基板1として、厚み330μm、上面の算術平均粗さが1.00×10−4μmで、下面の算術平均粗さが0.44μmのサファイア基板を用い、この上に、下部電極層2としてPtを2μmの厚さに、誘電体層3として(Ba0.5Sr0.5)TiO3からなるターゲットを用い、0.15μmの厚さに、上部電極A層4AとしてPtを0.1μmの厚さで、順次スパッタ法で成膜する。そして、上部に位置する層から順に、フォトリソグラフィ工程を用いて各電極層、誘電体層をそれぞれドライエッチング、ウエットエッチングによりパターニング加工して容量形成領域を形成した。なお、下部電極層2のパターニング加工時に、下部電極層2が容量形成領域の外側の端子電極層7A配置位置まで延びて配置されるようにして、下部電極層2の一部に端子電極層7Aとしての機能を持たせるとともに、下部電極層2と離間した端子電極層7B配置位置に端子電極層7Bとなる電極層が、下部電極層2と同一材料・同一工程で配置されるようにした。
次に、上部電極A層4Aを含む容量形成領域の上から支持基板1上にかけて、プラズマCVD法により非晶質の二酸化珪素からなる絶縁層5を形成した。続いて、絶縁層5上全面にフォトレジストを被覆し、フォトリソグラフィによりフォトレジストに矩形状の孔を形成して開口させた後、フォトレジストをマスクとして上部電極A層4A上に位置する絶縁層5,端子電極層7A,7B配置位置上に位置する絶縁層5を反応性イオンエッチングにより選択的に除去した。これにより上部電極A層4A,端子電極層7A,7Bとなる位置の下部電極層2の一部および電極層を露出させる開口部を形成した。
ここで、上部電極B層4Bとして、Auを1.2μmの厚さに成膜し、絶縁層5の開口部内に露出する、上部電極A層4Aと端子電極層7Bとなる電極層とを絶縁層5上を介して接続するようにパターニング加工した。また、端子電極層7Aとなる下部電極層2の上にも上部電極B層4Bと同一の材料,工程により同一の厚さの層を形成した。ここで、この層と下部電極層2の一部とを端子電極層7Aとし、電極層と上部電極B層4Bの一部とを端子電極層7Bとした。その上に保護層6として、感光性のベンゾシクロブテン樹脂を、スピンコート法にて2μmの厚さに成膜し、端子電極層7A,7Bが内部に露出するような開口部を形成するように所定のパターンにて加工した。
次に端子電極層7A,B上にそれぞれ、半田拡散防止層8としてNiを形成し、その上に半田拡散防止層8の酸化を防ぐとともに半田の濡れ性をよくするために、Auからなる層を形成した。最後に、この上に鉛フリー半田を用いて印刷、リフロー法により半田端子9A,9Bを形成し、可変容量コンデンサを得た。
このようにして作製した本実施例の可変容量素子の電圧印加前後における容量値とQ値との周波数依存性をインピーダンスアナライザ(アジレント社製、型番E4991A)により測定した結果を図4に示す。図4において、横軸は周波数(単位:Hz)を、縦軸は左側が容量値(単位:pF)を横軸はQ値(単位:無次元)を表している。
その結果、1GHz以上の周波数領域においてQ値の微小変動が低減できることを確認し、本発明の妥当性が確認されるとともに、本発明の可変容量素子が高いQ値を有していることが確認された。
可変容量素子の使用周波数1.9GHz近傍の位相特性において、直流電圧の印加前後における周波数領域でのQ値の変動および高周波信号の周波数の若干のズレによるQ値の変動は抑制され、良好な特性を有していることがわかる。
これにより、本発明の可変容量素子において、可変容量素子に印加する高周波信号が多少変動してもQ値が大きく変動することがなくなり、使用周波数範囲内で安定して高いQ値を有することを確認できた。
なお、以上はあくまで本発明の実施の形態の例示であって、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や改良を加えることは何ら差し支えない。
たとえば、支持基板がSiやSi/SiO2であっても同様の結果が得られた。
このようなBST材料系における圧電性は、本来小さな圧電定数であるため、また、容量素子が音響的にアイソレートされていないために圧電薄膜共振子にみられるような大きな位相変化ではなく、位相特性の変化は非常に小さなものである。このような位相特性の変化に伴うQ値の周期的な減少は、高いQ値を達成したときに確認できるもので、特に、高周波、数GHz帯における高いQ値を達成するためには、電極による損失を低減すると同時に、高誘電率薄膜の誘電損失も低減しなければならない。よって、このような可変容量素子におけるQ値の電圧印加後の周期的な低下は、発明者らが、鋭意、高周波において高Q化を図った結果確認されたものであり、この知見に基づき本発明はなされている。
以上、本発明の可変容量素子によれば、支持基板の上面に、一対の電極層と、これら電極層に上下から挟まれた、直流電圧の印加により誘電率が変化するとともに、直流電圧の印加および高周波信号の印加により圧電性を示す誘電体層とが形成されており、前記支持基板は、下面の、前記誘電体層の下方に位置する部位を、前記誘電体層が発する音響波の前記下面における反射を抑制するような反射面とし、また前記支持基板の前記散乱面の算術平均粗さRaが、前記音響波の前記支持基板内における波長λに対して、Ra>λ/64であることにより、可変容量素子に印加する高周波信号が多少変動してもQ値が大きく変動することがなくなり、使用周波数範囲内で安定して高いQ値を有する可変容量素子とすることができた。
また、本発明によれば、Q値以外の多くの要求性能を満たすために、若干の圧電性を有する高誘電率薄膜材料を用いても、高いQ値を電圧印加にかかわらず得ることができる可変容量素子を提供できる。
1・・・支持基板
2・・・下部電極層
2A,2B・・・電極
3・・・誘電体層
4A・・・上部電極A
4B・・・上部電極B
4・・・上部電極
5・・・絶縁層
6・・・保護層
7A,7B・・・端子電極層
8・・・半田拡散防止層
9A,9B・・・半田端子
2・・・下部電極層
2A,2B・・・電極
3・・・誘電体層
4A・・・上部電極A
4B・・・上部電極B
4・・・上部電極
5・・・絶縁層
6・・・保護層
7A,7B・・・端子電極層
8・・・半田拡散防止層
9A,9B・・・半田端子
Claims (2)
- 支持基板の上面に、一対の電極層と、これら電極層に上下から挟まれた、直流電圧の印加により誘電率が変化するとともに、前記直流電圧の印加および高周波信号の印加により圧電性を示す誘電体層とが形成されており、前記支持基板は、下面の、前記誘電体層の下方に位置する部位を、前記誘電体層が発する音響波に対する散乱面としたことを特徴とする可変容量素子。
- 前記支持基板の前記散乱面の算術平均粗さRaが、前記音響波の前記支持基板内における波長λに対して、Ra>λ/64であることを特徴とする請求項1記載の可変容量素子。
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JP2006049111A JP2007227798A (ja) | 2006-02-24 | 2006-02-24 | 可変容量素子 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013258224A (ja) * | 2012-06-12 | 2013-12-26 | Taiyo Yuden Co Ltd | 可変容量コンデンサ素子 |
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