JP2007227642A - 防塵底板付き筐体およびその改造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前面開口11aと背面開口11bの形成された本体部11と、ケーブル遊挿穴21aの形成された主底板と、底抜ケーブル19を前後から挟んでケーブル遊挿穴21aを塞ぐ一対の閉塞部材22,23とを備えた防塵底板付き筐体において、主底板を左底板41と右底板42とに分割し、左底板41には底抜ケーブル19を遊挿しうる左半穴41aを形成し、右底板42には底抜ケーブル19を遊挿しうる右半穴42aを形成し、左底板41と右底板42を左右に並設すると左半穴41aと右半穴42aとが合わさってケーブル遊挿穴21aになるようにする。
【選択図】 図1
Description
そのような筐体には、大抵、回路基板やユニットが多段に格納される他、電源回路なども格納され、信号ケーブルや電源ケーブルが内から外に引き出されている。
鉄道信号保安装置の場合、電源回路や現場機器インターフェイスは筐体の中で底寄りに配置され、論理回路や室内機器インターフェイスは筐体の中で高位に配置されている。そして、室内配線の信号ケーブルは筐体の背面や上面を貫いて引き出されるのに対し、ノイズの重畳しやすい電源ケーブルや線路等の現場へ延びるケーブルは、信号ケーブルへのノイズ誘導を避けるため、筐体の底面を貫いて引き出されている。底板を貫く謂わば底抜ケーブルの周りが空いていると、そこから筐体の中へ不所望な塵埃が入り込むので、これを防止するために、防塵底板付き筐体では、底抜ケーブルの周りが塞がれている。
本体部11の両側面の内側には支持枠14,15が立設されており、これに電子回路部16が取り付けられている。
また、一対の閉塞部材22,23は、合わせるとケーブル遊挿穴21aより広くなる長い板からなり、合わせ目のところに切欠23aが形成されている。切欠23aは、底抜ケーブル19がピッタリ嵌り込む形状になっており、閉塞部材22,23に分散して形成しても良いが、本体部11の前面開口11aと背面開口11bのうちケーブル遊挿穴21aに近い背面開口11b寄りに設置される切欠23aに集中して形成した方が作業しやすい。
これに対し、防塵底板20を本体部11の内底に装着するときは、背面開口11bや前面開口11aから本体部11の内部へ手を差し入れて、内側の面上に重ねて装着することとなる。そのため、本体部11の中が空いていないと作業がし辛いので、先に主底板21を装着しておき、それから電子回路部16を最下のものまで格納するとともにケーブル遊挿穴21aに底抜ケーブル19を通し、その後で一対の閉塞部材22,23を装着するという作業手順を強いられる。防塵底板20を取り外すときは逆順が強いられる。
しかしながら、そのような一定の手順が何時でも採れる訳ではない。例えば、電子回路部16の初期調整時や機能増強目的の改造時などには、底抜ケーブル19の取換や追加が頻繁に行われることがあり、そのようなときには底抜ケーブル19の配線状態が確定するまで防塵底板20を外しておくことがある。
このような場合、従来では底抜ケーブル19を電子回路部16から外すとともに下位の電子回路部16を本体部11から外して本体部11の底部空間を空けてから防塵底板20を装着し、その後に再度、電子回路部16の装着や底抜ケーブル19の接続を遣り直していた。
そこで、底抜ケーブルの接続状態を変えないでも防塵底板の着脱が行えるようにすることが望まれるが、コストアップや複雑化を招来しないよう防塵底板の構造に工夫を凝らすことが技術課題となる。
しかも、主底板より小さくてよい閉塞部材が前後に分かれるようになっていたところ、主底板は左右に分かれるように分割され、ケーブル遊挿穴も左半穴と右半穴とに分割されて何れもケーブルを遊挿しうるようになっている。そのため、ケーブルを左半穴に片寄せすれば右底板とケーブルとの干渉が解消され、ケーブルを右半穴に片寄せすれば左底板とケーブルとの干渉が解消されるので、ケーブルの中間部分に遊挿箇所を左右に片寄せできる程度の遊びがありさえすれば、ケーブル端部の接続状態は維持したままであっても、主底板を半分ずつ着脱することができる。その作業は、主底板の左右分割にて左底板や右底板の長手方向となった前後方向への出し入れで行えるので、狭くても可能である。
したがって、この発明によれば、底抜ケーブルを接続したままでも防塵底板を着脱しうる簡素で安価な防塵底板付き筐体を実現することができる。
このように本発明はケーブル及びケーブル遊挿穴の追加や複数化にも有用である。
図1に示した実施例1は、上述した解決手段1(出願当初の請求項1)を具現化したものであり、図2に示した実施例2は、上述した解決手段2〜3(出願当初の請求項2〜3)を具現化したものである。
なお、それらの図示に際し従来と同様の構成要素には同一の符号を付して示したので、重複する再度の説明は割愛し、以下、従来との相違点を中心に説明する。
その分割はケーブル遊挿穴21a(第1ケーブル遊挿穴)をも二分しながら左右にほぼ等しく切り分ける如き態様で行われ、左底板41は、底抜ケーブル19(第1ケーブル)を遊挿しうる左半穴41a(第1左半穴)の形成されたものとなり、右底板42は、底抜ケーブル19を遊挿しうる右半穴42a(第1右半穴)の形成されたものとなっている。
なお、同様の形状であれば、左底板41と右底板42は個別に製造して組み合わせても良く、締結用ネジ穴などは適宜増やしたり位置変更しても良い。また、本発明の実施に必須ではないが、補強や分割箇所密封などのため、この防塵底板40では、左底板41のうち右底板42と隣り合う部分に、右底板42と重なる連結部41bが付設されている。
一対の閉塞部材22,23(第1閉塞部材)は従来と同じで良い。
また、底抜ケーブル19には、単芯であれ多芯であれ、配線作業のため或る程度の可撓性をもった電気ケーブルや信号ケーブルが採用されるので、ケーブル遊挿穴の中で片寄せするのに不都合はない。
なお、繰り返しとなる詳細な説明は割愛するが、上述したのと逆順に作業することで、底抜ケーブル19を接続したまま、防塵底板40を本体部11の内底から取り外すことができる。
そして、大きく空いた底面開口を通して底抜ケーブル61(第2ケーブル)を引き込み、さらに接続して動作テスト等を行う。
それと並行して、防塵底板40を防塵底板50に改造するため(図2(b)参照)、左右並設状態で新ケーブル遊挿穴になる半穴を左底板41と右底板42とに追加工する。
なお、繰り返しとなる詳細な説明は割愛するが、この場合も、上述したのと逆順に作業することで、底抜ケーブル19,61を接続したまま、防塵底板50を本体部11の内底から取り外すことができる。
上記各実施例では、一対の閉塞部材22,23のうち底抜ケーブル19を挟むところが切欠23aになっていたが、底抜ケーブル19を挟む部分には軟質ゴム等を装着しても良い。また、閉塞部材22,23,53,54の一部または全部を硬質ゴムやプラスチック等で作っても良い。
上記実施例2では、防塵底板40に追加工を施して防塵底板50を製造したが、防塵底板50は、防塵底板40を経ないで、板金等から直ちに製造しても良い。
11a…前面開口、11b…背面開口、12…前板、
13…背板、14…支持枠、15…支持枠、16…電子回路部、
17…防塵板、18…信号ケーブル、19…底抜ケーブル(第1ケーブル)、
20…防塵底板、
21…主底板、21a…ケーブル遊挿穴、22…閉塞部材(第1閉塞部材)、
23…閉塞部材(第1閉塞部材)、23a…切欠、
30…防塵底板付き筐体、
40…防塵底板、41…左底板、41a…左半穴(第1左半穴)、
41b…連結部、42…右底板、42a…右半穴(第1右半穴)、
50…防塵底板、
51…左底板、51a…追加左半穴(第2左半穴)、
52…右底板、52a…追加右半穴(第2右半穴)、
53…閉塞部材(第2閉塞部材)、54…閉塞部材(第2閉塞部材)、
60…防塵底板付き筐体、61…底抜ケーブル(第2ケーブル)
Claims (3)
- 前面または背面のうち少なくとも底寄り部分が解放可能に形成されている本体部と、ケーブル遊挿穴が形成されており前記本体部の内底に装着される主底板と、ケーブルを前後から挟めるように分割された一対のものからなり前記主底板の上に前後並設状態で装着されて前記ケーブル遊挿穴を塞ぐ閉塞部材とを備えた防塵底板付き筐体において、前記主底板が、前記ケーブルを遊挿しうる左半穴の形成された左底板と、前記ケーブルを遊挿しうる右半穴の形成された右底板とを、左右に並設したものであり、前記ケーブル遊挿穴が前記左半穴と前記右半穴とを合わせたものであることを特徴とする防塵底板付き筐体。
- 前面および背面の双方について少なくとも底寄り部分が解放可能に形成されており、内底に主底板をなす左底板と右底板とが左右並設状態で装着されて第1ケーブル遊挿穴を形成しており、閉塞部材が前後並設状態で前記主底板に装着されて第1ケーブルを挟みつつ前記第1ケーブル遊挿穴を塞いでいる防塵底板付き筐体に対して、その底面を貫く第2ケーブルを追加するための改造方法であって、前記閉塞部材を取り外してから前記第1ケーブルを前記第1ケーブル遊挿穴の中で片寄せして前記主底板を取り外し、左右並設状態で第2ケーブル遊挿穴になる半穴を前記左底板と前記右底板とに追加工し、それらを前記内底に再装着するとき前記第1ケーブルを前記第1ケーブル遊挿穴の中で片寄せするとともに前記第2ケーブルを前記第2ケーブル遊挿穴の中で片寄せして装着を行う防塵底板付き筐体の改造方法。
- 前面および背面の双方について少なくとも底寄り部分が解放可能に形成されている本体部と、第1ケーブル遊挿穴が形成されており前記本体部の内底に装着される主底板と、第1ケーブルを前後から挟めるように分割された一対のものからなり前記主底板の上に前後並設状態で装着されて前記第1ケーブル遊挿穴を塞ぐ第1閉塞部材とを備えた防塵底板付き筐体において、前記主底板が、前記第1ケーブルを遊挿しうる第1左半穴と第2ケーブルを遊挿しうる第2左半穴とが右辺の前後に形成された左底板と、前記第1ケーブルを遊挿しうる第1右半穴と前記第2ケーブルを遊挿しうる第2右半穴とが左辺の前後に形成された右底板とを、左右に並設したものであり、前記第1ケーブル遊挿穴が前記第1左半穴と前記第1右半穴とを合わせたものであり、前記第2左半穴と前記第2右半穴とが合わさって第2ケーブル遊挿穴が形成されており、前記第2ケーブルを前後から挟めるように分割された一対のものからなり前記主底板の上に前後並設状態で装着されて前記第2ケーブル遊挿穴を塞ぐ第2閉塞部材が設けられていることを特徴とする防塵底板付き筐体。
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