JP2007227046A - 有機el表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機化合物層の膜厚を均一にして、表示むらの発生を低減できるとともに、陰極配線と接続配線との接続不良の発生を低減できる。
【解決手段】本発明に係る有機EL表示装置は、基板1と、基板1の辺ABに対して略平行に形成された陽極配線2と、辺ABに対して略垂直に形成された隔壁6と、隔壁6間に形成された陰極配線5と、陽極配線2および陰極配線5の間に形成された有機化合物層8と、陰極配線5に接続され、辺AB側または辺CD側に交互に引き出された接続配線4と、隣り合う隔壁6間であって、辺AB側または辺CD側のうち、接続配線4が引き出された側のみに設けられ、陰極配線5と接続配線4を接続する接続部9と、隣り合う隔壁6間を接続する隔壁接続部7とを備え、隔壁接続部7は辺AB側または辺CD側のうち、接続部9が形成されていない側のみに設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機EL(Electro Luminescence)表示装置に関し、例えば、基板上に設けられた複数の陽極配線と複数の陰極配線の各交差部で有機化合物層を挟持し、複数の陰極配線に沿って隔壁が設けられている有機EL表示装置に関する。
近年、FPD(Flat Panel Display)として有機EL表示装置が注目されている。有機EL表示装置は自発光表示素子であり、液晶表示装置と比較して視野角が広く、バックライトが不要なため薄型化が可能である。また、応答速度も速く、有機化合物が有する発光特性の多様性から、次世代の表示装置として期待されている。
有機EL表示装置は、画素となる有機EL素子が基板上に複数配置されて構成される。例えば、パッシブ型の有機EL表示装置は、基板上にストライプ状に配列された陽極配線と、この陽極配線上に積層され、開口部を有する絶縁層と、この絶縁層上に積層された有機化合物層と、この有機化合物層上に積層して、絶縁層の開口部の位置で陽極配線に交差するようにストライプ状に配列された陰極配線を備えた構造となっている。絶縁層の開口部内、すなわち陽極配線および陰極配線の交差部に、発光素子としての画素が形成されている。有機EL表示装置は、このような画素がマトリックス状に配列されることにより構成されている。
また、陽極と陰極の間に電圧を印加すると、陽極からは正孔が、陰極からは電子が、それぞれ有機化合物層に注入されて、有機発光層で再結合し、その際に生じるエネルギーにより有機発光層に含まれる有機発光性化合物の分子が励起され、励起子が生成される。このようにして生成された励起子が基底状態に失活する過程で発光現象が生じる。
基板に設けられた陽極電極上に有機化合物を積層する場合、有機化合物を真空蒸着させて有機化合物層を形成する場合がある。しかし、有機化合物を蒸着させる場合、有機化合物層の下地となる電極の表面に異物の付着や突起、窪みがあると、その影響により、有機化合物層を所望の成膜状態にできないことがある。
この問題を解決する方法として、有機化合物層の材料となる有機化合物を液体中に分散または溶解させ、溶液として塗布することで異物、突起、窪み等を被覆し、所望の有機化合物層を形成する技術(湿式塗布方法)が知られている。
例えば、特許文献1には、隣接する陰極配線を分離するための分離構造体(以下、隔壁と称する)を陽極配線上に形成した後に、有機化合物層を湿式塗布法により形成して、陰極配線を蒸着法により形成する技術が開示されている。このとき、隔壁は、基板から離れるにつれてその断面が広がるように、逆テーパ構造に形成されている。
湿式塗布法は、主に、高分子系有機化合物などを基板上に成膜するのに使用されている。一般的に、湿式塗布法により有機化合物層を形成するには、スピンコート法やインクジェット法やスプレー法などによって、有機化合物の溶液を基板上の陽極配線上に塗布し、次いで、塗布された有機化合物の溶液を加熱乾燥することで硬化させる工程を有する。
一般的な有機化合物の溶液は粘度が低いため、隔壁を形成した後に有機化合物の溶液を基板上の陽極配線上に塗布すると、塗布した溶液が隔壁に沿って広がるという問題が生じる。この際、特に隔壁側面の根元部分に沿って溶液が広がる傾向にある。これは、隔壁側面の根元部分の近傍空間により毛細管現象と同様の現象が生じているためである。陰極配線を確実に分離するために、逆テーパ構造を有するように隔壁を形成すると、隔壁側面の根元部分の近傍空間は狭くなり、溶液がより広がりやすくなる傾向にある。
特許文献2には、有機化合物の溶液を塗布する際に、当該溶液が隔壁側面の根元部分に沿って不必要に広がらないようにするため、隣接する隔壁を隔壁接続部で接続した技術が開示されている。この隔壁接続部によって有機化合物の溶液が表示領域外に多量に流出されるのが抑止され、有機化合物の溶液の流出による有機化合物層の膜厚の減少を抑止でき、表示領域内の有機化合物層の膜厚を均一にすることができる。
ここで、一般的な有機EL表示装置では、陰極配線は陽極配線、絶縁層および有機化合物層の上に積層されているため、この陰極配線を基板上に直接形成された陽極配線と同一面上に引き出すのに、接続配線が用いられる。
特許文献2に記載の技術では、接続配線は、基板の表面上に直接形成された陽極配線と同一面上に形成されており、陽極配線および陰極配線の間に形成された絶縁層内に設けられたコンタクトホールを介して、陰極配線に接続されている。また、コンタクトホールは、隔壁接続部よりも表示領域の中央部側に配置されている。
特開2001−351779号公報(特に、段落0012〜0017、第1図および第2図) 特開2005−174842号公報(特に、段落0031〜0033、0039、図1)
しかしながら、特許文献2に記載の技術では、陰極配線と接続配線とを接続するためのコンタクトホールが、隣り合う隔壁および隔壁接続部に囲われた領域の内側に配置されているため、有機化合物の溶液を塗布した後に、当該有機化合物の溶液が隔壁および隔壁接続部に沿って広がって、そのままコンタクトホール内に流れ込んでしまう場合があった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、有機化合物層の膜厚を均一にして、表示むらの発生を低減できるとともに、陰極配線と接続配線との接続不良の発生を低減できる有機EL表示装置を提供することを目的とする。
本発明に係る有機EL表示装置は、矩形板状に形成された基板と、基板上に基板の一辺に対して略平行なストライプ状に形成された複数の第1の電極配線と、基板上に基板の一辺に対して略垂直なストライプ状に形成された複数の隔壁と、複数の隔壁の間にストライプ状に形成された複数の第2の電極配線と、第1および第2の電極配線の間に形成された有機化合物層と、複数の第2の電極配線の各々に接続され、基板の一辺側またはこの一辺の対辺側に交互に引き出された複数の接続配線と、複数の隔壁のうち、隣り合う隔壁の間であって、基板の一辺側または対辺側のうち、上記接続配線が引き出された側のみに設けられ、第2の電極配線と接続配線を接続する接続部と、複数の隔壁のうち、隣り合う隔壁の間を接続する隔壁接続部とを備え、隔壁接続部は、基板の一辺側または対辺側のうち、接続部が形成されていない側のみに設けられたことを特徴とするものである。
このような構成にしたことにより、有機化合物層の膜厚を均一にして、表示むらの発生を低減できるとともに、陰極配線と接続配線との接続不良の発生を低減できる。
ここで、隔壁および隔壁接続部は、隔壁および隔壁接続部の延在方向に対して略垂直方向に切断したときの切断面の形状が基板から離れるにつれて広がるように形成されている。このようにしたことにより、有機化合物の溶液を塗布する工程において、隔壁および隔壁接続部の側面に沿って当該有機化合物の溶液を円滑に流すことができ、当該有機化合物の溶液が陰極配線および接続配線の接続部に流れ込まないようにすることができる。
また、隔壁接続部の両端部は、隔壁およびに対して鈍角に接続されていることが好ましい。このようにしたことにより、有機化合物の溶液を塗布する工程において、隔壁および隔壁接続部の側面に沿って当該有機化合物の溶液を円滑に流すことができ、確実に当該有機化合物の溶液が陰極配線および接続配線の接続部に流れ込まないようにすることができる。
また、隔壁と隔壁接続部は同一材料により形成されている。これにより、簡単な工程で、陰極配線と接続配線との接続不良を低減できる。また、隔壁接続部が表示領域の外側に形成されている。
本発明によれば、有機化合物層の膜厚を均一にして、表示むらの発生を低減できるとともに、陰極配線と接続配線との接続不良の発生を低減できる。
本発明の実施の形態に係る有機EL表示装置について、図に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る有機EL表示装置の構成を示す図であって、電極が形成される側から基板を観察した状況を示す模式図である。なお、図1では封止基板および捕水剤を省略している。図2は図1のX−X切断線における断面図である。図3は図1のY−Y切断線における断面図である。図4は図1のZ−Z切断線における断面図である。
図1〜図4に示されるように、有機EL素子基板100は、基板1上に陽極配線2、絶縁層3、接続配線4、陰極配線5、隔壁6、隔壁接続部7、有機化合物層8等が形成されて構成されている。
図1〜図4に示されるように、基板1は矩形板状に形成されている。基板1には例えば透明なガラス基板が用いられる。ここで、図1に示されるように、便宜上、基板1の各頂点をA〜Dとする。複数の陽極配線2が、基板1の辺ABに対して略平行なストライプ状に基板1の表面に接して形成されている。各陽極配線2の材料には、例えばITO(Indium Tin Oxide)が用いられる。
図1および図4に示されるように、複数の接続配線4が、陽極配線2に対して垂直になるように、基板1の表面に接して形成されている。接続配線4は、陰極配線5の本数に対応して形成されている。図4に示されるように、複数の接続配線4は、複数の陰極配線5の各々に絶縁層3内に形成されたコンタクトホール32を介して接続されている。また、図1に示されるように、複数の接続配線4は、基板1の辺AB側またはこの辺ABの対辺である辺CD側に交互に引き出されている。具体的には、図1に示されるように、複数の接続配線4は、基板1の辺AD側から辺BC側へ向けて、順次、辺AB側、辺CD側、辺AB側、辺CD側に引き出されている。接続配線4の材料には、例えばITO(Indium Tin Oxide)が用いられる。
図1、図2および図4に示されるように、陽極配線2および接続配線4が形成された基板上に積層して、開口部31およびコンタクトホール32を有する絶縁膜3が形成される。開口部31は、陽極配線2と陰極配線5との交差部に設けられている。図1に示されるように、コンタクトホール32は、隣り合う隔壁6の間であって、辺ABまたは辺CDのうち、接続配線4が引き出されている側のみに形成されている。また、図4に示されるように、コンタクトホール32の内側に陰極配線5と接続配線4とを接続する接続部9が設けられている。すなわち、図1に示されるように、接続部9は、接続配線4の引き出し方向に対応して、基板1の辺AB側または辺CD側に交互に設けられている。また、破線で示す表示領域Vの外側に、接続部9が配設されている。
また、図1および図2に示されるように、隔壁6が基板1の辺ABに対して略垂直なストライプ状に絶縁膜3上に形成されている。すなわち、隔壁6は陽極配線2と略直交するように形成されている。隔壁6が有機化合物層8や陰極配線5を分離することにより、隔壁6間に有機化合物層8が形成され、ストライプ状に配設された陰極配線5が形成される。
図2に示されるように、隔壁6は逆テーパ形状に形成されている。すなわち、当該隔壁6の延在方向に対して略垂直方向に切断したときの切断面の形状が、基板1から離れるにつれて広がるように形成されている。このように、隔壁6を逆テーパ形状にすることにより、隔壁6の側面および立ち上がり部分が影となり、製造工程において、複数の陰極配線5を空間的に分離することができる。
隔壁接続部7については、後で詳細に説明する。
図1〜図4に示されるように、有機化合物層8が絶縁層3上に積層して形成されている。また、有機化合物層8は、陽極配線2および陰極配線5の間に形成されている。詳細は図示しないが、有機化合物層8は、例えば、基板1の表面上に、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層および電子注入層が、順次積層されて形成される。なお、有機化合物層8はこれとは異なる構成を有する場合もある。有機化合物層8の少なくとも1層は、スピンコート法やインクジェット法やスプレー法などの湿式塗布法によって、形成される。
図1に示されるように、複数の陰極配線5は、複数の隔壁6の間にストライプ状に形成されている。すなわち、各陰極配線5は、陽極配線2に対して略垂直に形成されている。図4に示されるように、陰極配線5は、陽極配線2との交差部との間で有機化合物層8を挟持するように、有機化合物層8上に積層して形成される。陰極配線5の材料には、通常はアルミニウムAlまたはアルミニウム合金が用いられており、蒸着法により有機化合物層8上に形成される。陰極配線5を蒸着法により形成する際、隔壁6が陰極配線5を所望のパターンに分離する。なお、AlやAl合金の他に、Li等のアルカリ金属、Ag、Ca、Mg、Y、Inやこれらを含む合金を陰極配線5の材料に用いてもよい。
図2〜図4に示されるように、有機EL素子基板100の表面、すなわち基板1の有機化合物層8等が配置された面上には、封止基板10が対向するように配置され、基板1上の有機化合物層8等が外気と遮断されるように封止されている。図2に示されるように、封止基板10の基板1との対向側の中央部には凹部10aが形成されている。この凹部10a内に捕水剤11が塗布されている。
また、図2〜図4に示されるように、封止基板10と基板1とは、封止基板10の外周に塗布されたシール材12により、貼り合わされる。基板1上の有機化合物層8等は、両基板1、10およびシール材12によって封止されることで、空気中の水分にさらされないように保たれる。また、基板1と封止基板10との間の封止空間には、酸素や窒素等の気体が封入されている。
次に、隔壁接続部7について、図に基づいて詳細に説明する。図1および図3に示されるように、隣り合う隔壁6を接続する隔壁接続部7が絶縁膜3上に形成されている。図1に示されるように、隔壁接続部7は、基板1の辺AB側または辺CD側のうち、接続部9が形成されていない側のみに設けられている。隔壁接続部7は、隔壁6に対して略垂直に形成されている。
図3に示されるように、隔壁接続部7は、隔壁6と同様に、逆テーパ形状に形成されている。すなわち、当該隔壁接続部7の延在方向に対して略垂直方向に切断したときの切断面の形状が、基板1から離れるにつれて広がるように形成されている。隔壁接続部7は、隔壁6と同一材料により、形成することができる。これにより、隔壁6および隔壁接続部7を簡単に絶縁層3上に一体形成することができる。
また、図1に示されるように、隔壁接続部7は、破線で示された表示領域Vの外側に配置されている。すなわち、隔壁接続部7は、複数の陽極配線2のうち、両端に配置されている陽極配線2よりも外側に設けられている。このとき、仮に、隔壁接続部7が表示領域Vの内側に配置された場合、陰極配線5が当該隔壁接続部7によって分断されてしまう。従って、隔壁接続部7を表示領域V外側に配置することによって、陰極配線5を表示領域V内で途切れることなく形成することができる。また、隔壁接続部7は、陰極配線5を確実に分断するために、接続部9が配列されている仮想配列ラインLの外側に配置されていることが好ましい。
また、図1に示されるように、ストライプ状に配列された複数の隔壁6のうち、両端に配置された隔壁6には、隔壁延長部13が接続されている。隔壁延長部13は、辺AB側または辺CD側のうち、両端に配置された隔壁6に最も近いコンタクトホール32が形成された側に形成されている。隔壁延長部13は、隔壁6に対して略垂直に、表示領域Vから離れる方向、すなわち、辺ADおよび辺BC側に向けて、延在するように形成されている。なお、この隔壁延長部13は、コンタクトホール32から離間して形成されていればよく、図1に示された実施例に限定されない。
隔壁延長部13は、隔壁6および隔壁接続部7と同様に、逆テーパ形状に形成されている。すなわち、当該隔壁延長部13の延在方向に対して略垂直方向に切断したときの切断面の形状が、基板1から離れるにつれて広がるように形成されている。隔壁延長部13は、隔壁6および隔壁接続部7と同一材料により、形成することができる。これにより、隔壁6、隔壁接続部7および隔壁延長部13を簡単に絶縁層3上に一体形成することができる。
隔壁6、隔壁接続部7および隔壁延長部13を逆テーパ形状にすることにより、有機化合物の溶液を塗布する工程において、隔壁6、隔壁接続部7および隔壁延長部13の側面に沿って当該有機化合物の溶液を円滑に流すことができる。
有機化合物の溶液を塗布して有機化合物層8を形成する場合、有機化合物層8は各隔壁6によって分離される。隣り合う隔壁6の間であって、基板1の辺AB側または辺CD側のうち、接続部9が形成されていない側において、有機化合物の溶液が隔壁6の側面に沿って表示領域Vから離れる方向(図1の矢印a、b方向)に流出しようとしても、隔壁接続部7によって堰き止められる。
すなわち、有機化合物の溶液は、隣り合う隔壁6およびこの間を接続する隔壁接続部7に囲われた領域内に堰き止められる。そして、塗布された有機化合物の溶液を濃縮乾燥して有機化合物層8を形成する。従って、有機化合物の溶液の流出による有機化合物層8の膜厚の減少を防ぎ、表示領域V内の有機化合物層8の膜厚を均一にすることができる。よって、表示ムラの発生を防ぐことができる。
また、隣り合う隔壁6の間であって、基板1の辺AB側または辺CD側のうち、接続部9が形成されている側においては、隔壁接続部7が形成されていない。このため、有機化合物の溶液が、隔壁6の側面に沿って、表示領域Vから離れる方向(図1の矢印c、d方向)に、コンタクトホール32の外側を円滑に流れ、更に、当該隔壁6に接続されている隔壁接続部7に沿って、回り込むように矢印e、f方向に円滑に流れる。従って、有機化合物の溶液が、陰極配線5および接続配線4が接続される接続部9が設けられるコンタクトホール32内に流れ込むのを抑止することができ、陰極配線5と接続配線4との接続不良の発生を低減できる。
このとき、隔壁6および隔壁接続部7は、逆テーパ構造に形成されているので、隔壁6および隔壁接続部7の側面に沿って当該有機化合物の溶液をより円滑に流すことができ、基板の辺AB側または辺CD側のうち、接続部9が形成されている側において、当該有機化合物の溶液がコンタクトホール32内に流れ込むのを確実に抑止することができる。
また、複数の隔壁6のうち、両端に配置された隔壁6では、有機化合物の溶液が隔壁延長部13の側面に沿って図1の矢印g、hおよび矢印i、jの方向に円滑に流れる。この隔壁延長部13を設けることにより、有機化合物の溶液の余分を隔壁延長部13に付着させることができ、有機化合物の溶液が、複数の隔壁6のうち、両端に配置された隔壁6の近傍に設けられたコンタクトホール32内に流れ込むのを抑止することできる。
さらに、図1に示されるように、各隔壁接続部7は、同一の仮想直線E−EまたはF−F上に一列に配置されている。このようにすることにより、全ての陰極配線5において表示領域Vの端部から隔壁接続部7までの距離が同じになる。従って、それぞれの隔壁6間における有機化合物の溶液の流出量を略同一にすることができ、表示むらの発生をより低減することができる。
次に、本発明の実施の形態に係る有機EL表示装置を製造する方法について、図に基づいて説明する。図5は、本発明の実施の形態に係る有機EL表示装置を製造する手順を示すフロー図である。
図5に示されるように、まず、矩形板状の基板1を準備する(ステップ(STEP:以下、STと称する)501)。基板1には、例えば、ガラスなどの透明基板を用いる。
次に、基板1の表面を洗浄した後に、当該基板1上に、陽極配線2および接続配線4を形成する(ST502)。具体的には、基板1上にITOをスパッタや蒸着により成膜して、成膜されたITO膜に対してエッチィングを施すことによって、陽極配線2および接続配線4をパターニングする。なお、接続配線4の材料には、AlやAl合金などの低抵抗金属材料を用いることができる。この場合、例えば、ITO膜をパターニングして陽極配線2を形成した後に、Alなどをスパッタまたは蒸着により成膜する。そして、Al膜をフォトリソグラフィー法などによりパターニングして、接続配線4を形成する。
次に、陽極配線2および接続配線4が形成された基板1の面上に、開口部31およびコンタクトホール32を有する絶縁層3を形成する(ST503)。具体的には、例えば、感光性のポリイミド樹脂の溶液をスピンコーティングにより塗布して、塗布後のポリイミド樹脂膜をフォトリソグラフィー法によりパターニングして、絶縁層3を形成する。パターニングに際しては、開口部31およびコンタクトホール32が形成されるようにパターニングを行う。
次に、隔壁6、隔壁接続部7および隔壁延長部13を形成する(ST504)。具体的には、例えば、基板1上に形成された絶縁層3上に、ノボラック樹脂、アクリル樹脂などの感光性樹脂をスピンコートにより塗布した後、フォトリソグラフィー法により感光性樹脂膜をパターニングして、光反応させて隔壁6、隔壁接続部7および隔壁延長部13を形成する。露光マスクの形状を、隔壁6、隔壁接続部7および隔壁延長部13の形状に対応させることにより、これらを同時に形成することができる。
図1に示されるように、複数の陰極配線5が形成される位置の間隙に、陰極配線5と平行になるようにパターニングを行ない、隔壁6を形成する。また、隣り合う隔壁6の間であって、基板1の辺AB側または辺CD側のうち、コンタクトホール32が形成されていない側で、隣接する隔壁6が接続されるように、パターニングを行い、隔壁接続部7を形成する。また、複数の隔壁6のうち、両端に配置されている隔壁6に最も近いコンタクトホール32が形成された側で、当該両端に配置されている隔壁6に接続されるようにパターニングを行い、隔壁延長部13を形成する。なお、ネガ型の感光性樹脂を用いると、露光工程において、隔壁6、隔壁接続部7および隔壁延長部13の下層位置ほど光反応が不十分となり、逆テーパ構造を容易に形成できる。
隔壁接続部7を形成したことにより、有機化合物の溶液が表示領域Vの外側に大量に流出するのを堰き止めることができる。隣り合う隔壁6の間であって、基板の辺AB側または辺CD側のうち、接続部9が形成される側には、隔壁接続部7を形成していないので、隔壁6および隔壁接続部7に沿って流れてくる有機化合物の溶液が、コンタクトホール32内に流れ込むのを低減できる。
次に、有機化合物層8を形成する(ST505)。有機化合物の溶液を塗布する領域に対応した開口を有するマスクを基板1上に配置して、有機化合物の溶液を湿式塗布法により塗布する。例えば、正孔注入層を形成する場合、0.5%(質量百分率)のポリビニルカルバゾールを溶解した安息香酸エチル溶液を、湿式塗布法により塗布する。そして、塗布後の安息香酸エチル溶液を濃縮乾燥して正孔注入層を形成する。
続いて、正孔注入層の上層にα−NPD(N,N'−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N'−ジフェニル−ベンジジン)を蒸着して正孔輸送層を形成する。さらに、その上層に、発光層のホスト化合物となるAlq(トリス(8−ヒドロキシナト)アルミニウム)と、ゲスト化合物の蛍光性色素となるクマリン6とを同時に蒸着して、有機発光層を形成する。続いて、有機発光層の上層にLiFを蒸着して、電子輸送層を形成する。
上述のように多層構成の有機化合物層のうち少なくとも1層が、有機化合物の溶液の塗布により形成される場合、隔壁接続部7により有機化合物の溶液の流出を抑止することで、有機化合物層の膜厚を均一にして、表示むらの発生を低減できる。また、隣り合う隔壁6の間であって、基板1の辺ABまたは辺CDのうち、コンタクトホール32が形成されていない側に、隔壁接続部7を配置したことにより、有機化合物の溶液が、隔壁6および隔壁接続部7に沿って、コンタクトホール32内に流れ込むのを抑止でき、その結果、陰極配線5と接続配線4との接続不良の発生を低減できる。
次に、陰極配線5を形成する(ST506)。具体的には、陰極配線2との間で有機化合物層8が挟持されるように、陰極配線5を有機化合物層7上に積層して形成する。例えば、陰極配線5を形成するための陰極配線材料をマスク蒸着などによって堆積することにより、陰極配線5を形成する。
次に、基板1に対して、封止基板10を貼り合せる(ST507)。具体的には、封止基板10の内面に形成された凹面10a上に捕水剤11を塗布し、封止基板10と基板1とを位置合せをしながら、紫外線硬化樹脂のシール材12により貼り合わせた後、両基板を加圧し、各シール材に紫外線光を照射する。これにより、基板1と封止基板10とが接着され、陽極配線2、陰極配線5および有機化合物層7などが封止される。そして、有機EL表示装置が完成する。
なお、有機EL素子基板100上に、駆動回路などを実装する場合もある。例えば、シール材12の外側まで延設され、陽極配線2や陰極配線5に接続された端子に、制御回路が実装されたTCP(Tape Carrier Package)を異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)を介して接続する。
次に、本発明の実施の形態に係る有機EL表示装置の変形例について、図に基づいて説明する。図6は、本発明の実施の形態に係る有機EL表示装置の変形例の構成を示す図であって、電極が形成される側から基板を観察した状況を示す模式図である。
図6に示されるように、本発明の実施の形態に係る有機EL表示装置の変形例は、本発明の実施の形態に係る有機EL表示装置と比較して、隔壁接続部の形状が異なる。
すなわち、図1に示されるように、本発明の実施の形態に係る有機EL表示装置では、有機EL素子基板100上の隔壁接続部7は、隔壁6に対して略垂直に形成されているのに対し、図6に示されるように、本発明の実施の形態に係る有機EL表示装置の変形例では、有機EL素子基板100a上の隔壁接続部71の中央部71aは隔壁6に対して略垂直に形成され、隔壁接続部71の両端部71bは、隔壁6および隔壁接続部71の中央部71aの各々に対して鈍角になるように形成されている。
このように、隔壁6と隔壁接続部71とがより滑らかに接続され、この結果、有機化合物の溶液を塗布する工程において、隔壁6および隔壁接続部71の側面に沿って当該有機化合物の溶液をより円滑に流すことができ、確実に当該有機化合物の溶液が陰極配線5および接続配線4の接続部9に流れ込まないようにすることができる。
なお、上記実施形態の説明では、隔壁接続部71の両端部71bを直線状に形成するとしたが、隔壁接続部71の両端部71bを表示領域Vから離れる方向に膨らんだ曲線状に形成してもよい。
以上の説明は、本発明の実施の形態を説明するものであり、本発明が以上の実施の形態に限定されるものではない。また、当業者であれば、以上の実施の形態の各要素を、本発明の範囲において、容易に変更、追加、変換することが可能である。隔壁接続部の両端部が隔壁に対して鈍角に接続されていれば、隔壁接続部の中央部は直線状ではなくとも曲線状であってもよい。
上記実施態様では、正孔注入層のみを湿式塗布法により形成すると説明したが、正孔注入層以外の層を湿式塗布法により形成することもできる。
また、上記実施態様では、陽極および陰極の間で挟持される有機化合物層を複数層からなるものとして説明したが、陽極および陰極の間で挟持される有機化合物層を単層で構成してもよい。
また、上記実施態様では、パッシブ型有機EL表示装置として説明したが、アクティブ型有機EL表示装置にも本発明を適用できる。
また、上記実施態様では、有機EL表示装置として説明したが、表示装置以外の有機EL装置にも本発明を適用できる。
本発明の実施の形態に係る有機EL表示装置の構成を示す図であって、電極が形成される側から基板を観察した状況を示す模式図である。 図1のX−X切断線における断面図である。 図1のY−Y切断線における断面図である。 図1のZ−Z切断線における断面図である。 本発明の実施の形態に係る有機EL表示装置を製造する手順を示すフロー図である。 本発明の実施の形態に係る有機EL表示装置の変形例の構成を示す図であって、電極が形成される側から基板を観察した状況を示す模式図である。
符号の説明
1 基板
2 陽極配線(陽極)
3 絶縁層
31 開口部
32 コンタクトホール
4 接続配線
5 陰極配線(陰極)
6 隔壁
7、71 隔壁接続部
71a 隔壁接続部の中央部
71b 隔壁接続部の両端部
8 有機化合物層
9 接続部
10 封止基板
11 捕水剤
12 シール材
13 隔壁延長部
100、100a 有機EL素子基板
V 表示領域

Claims (5)

  1. 矩形板状に形成された基板と、上記基板上に上記基板の一辺に対して略平行なストライプ状に形成された複数の第1の電極配線と、上記基板上に上記基板の一辺に対して略垂直なストライプ状に形成された複数の隔壁と、上記複数の隔壁の間にストライプ状に形成された複数の第2の電極配線と、上記第1および第2の電極配線の間に形成された有機化合物層と、上記複数の第2の電極配線の各々に接続され、上記基板の一辺側またはこの一辺の対辺側に交互に引き出された複数の接続配線と、上記複数の隔壁のうち、隣り合う隔壁の間であって、上記基板の上記一辺側または上記対辺側のうち、上記接続配線が引き出された側のみに設けられ、上記第2の電極配線と上記接続配線を接続する接続部と、上記複数の隔壁のうち、隣り合う隔壁の間を接続する隔壁接続部とを備え、
    上記隔壁接続部は、上記基板の上記一辺側または上記対辺側のうち、上記接続部が形成されていない側のみに設けられたことを特徴とする有機EL表示装置。
  2. 上記隔壁および上記隔壁接続部は、上記隔壁および上記隔壁接続部の延在方向に対して略垂直方向に切断したときの切断面の形状が、上記基板から離れるにつれて広がるように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の有機EL表示装置。
  3. 上記隔壁接続部の両端部は、上記隔壁に対して鈍角に接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の有機EL表示装置。
  4. 上記隔壁と上記隔壁接続部は同一材料により形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機EL表示装置。
  5. 上記隔壁接続部が表示領域の外側に形成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機EL表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009087966A1 (ja) * 2008-01-07 2009-07-16 Panasonic Corporation 有機エレクトロルミネッセンス装置およびその製造方法

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