JP2007227031A - ガス拡散電極用材料の製造方法、ガス拡散電極及び固体高分子電解質型燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 導電性とガス拡散性を向上させたガス拡散電極用材料を提供する。単位セルの発電性能と耐久性を向上させたガス拡散電極を提供する。長期に亘って高い発電性能を維持できる固体高分子電解質型燃料電池を提供する。
【解決手段】 ポリテトラフルオロエチレンから成る三次元に連続した空隙を有する多孔質基材を熱処理又は延伸して空孔率を高める空孔率調整工程Aと、空孔率を高めた多孔質基材を親水化する親水化処理工程Bと、親水化した多孔質基材に導電性物質を含有するインクスラリーを塗着して前駆体とする塗着工程Cと、前駆体を熱処理してガス拡散電極用材料とする熱処理工程Dと、を有することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】 ポリテトラフルオロエチレンから成る三次元に連続した空隙を有する多孔質基材を熱処理又は延伸して空孔率を高める空孔率調整工程Aと、空孔率を高めた多孔質基材を親水化する親水化処理工程Bと、親水化した多孔質基材に導電性物質を含有するインクスラリーを塗着して前駆体とする塗着工程Cと、前駆体を熱処理してガス拡散電極用材料とする熱処理工程Dと、を有することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、固体高分子電解質型燃料電池に適用されるガス拡散電極用材料の製造方法、ガス拡散電極及び固体高分子電解質型燃料電池に関する。
燃料電池は、熱的エネルギ又は機械的エネルギを経由することなく燃料の有する化学的エネルギを直接電気的エネルギに変換する装置であり、発電効率が高く、次世代の発電装置として大きな期待が寄せられている。
自動車に搭載される燃料電池として、イオン交換膜を用いた固体高分子電解質型燃料電池が注目されている。この固体高分子電解質型燃料電池は、発電の基本単位であるシンプレックスセル(以下、「単位セル」とも呼ぶ。)を複数積層したコンプレックスセルとして構成される。
各単位セルは、固体高分子電解質膜の両側に、それぞれ燃料電極又は正極(以下、「アノード」とも呼ぶ。)と、酸化剤電極又は負極(以下、「カソード」とも呼ぶ。)と、を挟み膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)として構成され、アノードとカソードの外側には、それぞれガス流路と冷却水流路を有するアノード側セパレータ及びカソード側セパレータを備える。アノードは、固体高分子電解質膜の外側に配置した触媒層とガス拡散層とにより構成され、カソードも、固体高分子電解質膜の外側に順に配置した触媒層とガス拡散層とにより構成される。
固体高分子電解質型燃料電池のガス拡散層を形成するガス拡散電極用材料として、例えば、炭素粒子を混合したPTFEシートを作製した後、延伸して細孔を形成し、炭素粒子を含む微小結節と、炭素粒子を含有せず微小結節から延出して微小結節相互を三次元的に連結するPTFE微細繊維と、から成る材料が開示されている(例えば、特許文献1参照)。このガス拡散電極用材料によれば、空孔率が高まり、排水性が向上する。
特開昭57−30270号公報
しかしながら、上述したガス拡散電極用材料では、微小結節で導電パスを形成する炭素粒子とPTFEとが混練された状態で存在するため、微小結節の比抵抗が高くなり、抵抗損失による単位セルの発電性能が低下する恐れを有していた。
また、微小結節から延出して微小結節相互を三次元的に連結したPTFE微細繊維は、炭素粒子を含まないため、微小結節同士が接触していない箇所には導電パスを形成することができず、ガス拡散電極の比抵抗が高まり、抵抗損失によるセルの発電性能が低下する恐れを有していた。
さらに、ガス拡散電極は、炭素粒子とPTFE繊維とを混練した後、シート化して延伸処理をして形成されるため、ガス拡散電極の比抵抗を下げるために、炭素粒子量を増加させて導通パスを形成すると、PTFE量が当然に減少し、延伸処理をすることが難しくなっていた。延伸処理が困難になると、ガス拡散電極に空隙が形成されず、ガス拡散性が低下し、発電性能も低下する恐れを有していた。これとは逆に、PTFE量を増加させて空孔率を高め、ガス拡散性を向上させた場合には、炭素粒子量が減少し、ガス拡散電極の比抵抗が増大し、抵抗損失によるセルの発電性能が低下する恐れを有していた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、すなわち、本発明のガス拡散電極用材料の製造方法は、ポリテトラフルオロエチレンから成る三次元に連続した空隙を有する多孔質基材を熱処理又は延伸して空孔率を高める空孔率調整工程と、空孔率を高めた多孔質基材を親水化する親水化処理工程と、親水化した多孔質基材に導電性物質を含有するスラリーを塗着して前駆体とする塗着工程と、前駆体を熱処理してガス拡散電極用材料とする熱処理工程と、を有することを要旨とする。
また、本発明のガス拡散電極は、ポリテトラフルオロエチレンから成る三次元に連続した空隙を有する多孔質基材を熱処理又は延伸して空孔率を高める空孔率調整工程と、空孔率を高めた多孔質基材を親水化する親水化処理工程と、親水化した多孔質基材に導電性物質を含有するスラリーを塗着して前駆体とする塗着工程と、前駆体を熱処理してガス拡散電極用材料とする熱処理工程と、ガス拡散電極用材料をガス透過性の導電性支持材に接合してガス拡散電極とする接合処理工程と、を有するガス拡散電極の製造方法から得られたガス拡散電極であることを要旨とする。
本発明の固体高分子電解質型燃料電池は、固体高分子電解質膜と、固体高分子電解質膜の両側に配設されたガス拡散電極と、ガス拡散電極の両側に配設されたセパレータと、を備え、ガス拡散電極に、上記ガス拡散電極を適用したことを要旨とする。
本発明のガス拡散電極用材料の製造方法によれば、導電性とガス拡散性に優れたガス拡散電極用材料を得ることができる。
本発明のガス拡散電極によれば、導電性とガス拡散性に優れたガス拡散電極用材料を用いたため、セルの発電性能と耐久性が向上する。
本発明の固体高分子電解質型燃料電池によれば、長期に亘って高い発電性能を維持することができる。
以下、添付図面を参照し、本発明の実施の形態に係るガス拡散電極用材料の製造方法、ガス拡散電極及び固体高分子電解質型燃料電池を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るガス拡散電極の製造方法を説明するプロセス図である。図1に示すように、まず、ポリテトラフルオロエチレンから成る三次元に連続した空隙を有する多孔質基材1を熱処理又は延伸して、多孔質基材1の空孔率を高くし(空孔率調整工程A)、その後、空孔率を高めた多孔質基材を親水化する(親水化処理工程B)。次に、親水化した多孔質基材に導電性物質(例えば、カーボン粒子)を含有するインクスラリーを塗着して前駆体とし(塗着工程C)、続いて、前駆体を熱処理してガス拡散電極用材料とする(熱処理工程D)。最後に、得られたガス拡散電極用材料を、ガス透過性の導電性支持体に接合してガス拡散電極とする(接合処理工程E)。
ここで、親水化処理工程Bの前に、多孔質基材1を予め熱処理又は延伸して多孔質基材の空孔率を高める空孔率調整工程Aを経ているが、多孔質基材1の空孔率を予め高めることで、多孔質基材へのインクスラリーの塗着性と均一性を向上させることができる。
また、多孔質基材1は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から成り、撥水性であるため、そのままの状態では多孔質基材1の表面にインクスラリーを均一に分散浸透させることができない。そこで、多孔質基材1を予め親水化処理しておき、即ち、塗着工程C前に親水化処理工程Bを経ることで、多孔質基材1の表面にインクスラリーを均一に分散浸透させることが可能になる。
熱処理工程Dでは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のガラス転移点以上に昇温した状態として、多孔質基材を延伸することが好ましい。PTFEのガラス転移点以上とした多孔質基材を延伸すると、多孔質基材の変形が容易となるからである。具体的には、PTFEのガラス転移点以上である110℃以上250℃以下の範囲に昇温した状態として、多孔質基材を1%以上5%以下の範囲で延伸することが好ましい。温度が110℃未満になるとPTFEの転移が起こらず、多孔質基材の延伸が難しくなるからであり、逆に、温度が250℃を超えると僅かであるがPTFEの一部が溶融し、延伸時の条件が変化するからである。また、多孔質基材を1%以上5%以下の範囲で延伸すると規定したが、延伸が5%を超えると、多孔質基材の一部が破断する恐れがあるからである。
また、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から成る多孔質基材としては、住友電工(株)製のファインポリマを用いると良く、このファインポリマによれば、多孔質基材の細孔径と厚さを容易に調整することができる。多孔質基材の細孔は、丸開口形状よりもむしろスリット形状であり、細孔形状の分布も不均一であることから、多孔質基材を熱処理すると、細孔の形状と空孔率を調整することができる。また、PTFEのガラス転移点以上として熱処理をすると延伸が容易となり、多孔質基材を形成する繊維状PTFEの切断を防ぐことができる。
また、接合処理工程Eでは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のガラス転移点以上に昇温した熱ガスを多孔質基材の厚さ方向に透過させた状態として、多孔質基材を延伸又は伸縮防止処理をすることが好ましい。ここで、伸縮防止処理とは、熱処理前に多孔質基材を規定の枠組み形状の冶具に固定するか、又は、熱処理工程前に多孔質基材を平滑な板で挟み込み、多孔質基材の厚さ方向に約1〜2MPaの面圧を付与して面方向の収縮を抑制する処理である。さらに具体的には、ガラス転移点以上である110℃以上250℃以下の範囲に昇温した熱ガスを多孔質基材の厚さ方向に透過させた状態として、1%以上5%以下の範囲で延伸することが好ましい。
また、熱処理工程Dでは、ポリテトラフルオロエチレンの溶融点以上に昇温した状態として、多孔質基材を延伸又は収縮防止処理をしても良い。PTFEの溶融点以上として多孔質基材を延伸又は収縮防止処理をすることで、多孔質基材を形成する繊維状PTFEの径が細分化されて多孔質基材中の空孔率が高まり、ガスの拡散性が向上する。
具体的には、PTFEの溶融温度を超える340℃以上380℃以下の昇温した状態として、多孔質基材を1%以上5%以下の範囲で延伸することが好ましい。温度が340℃未満になると、PTFEの溶融が十分に起こらず延伸が難しくなり、逆に、温度が380℃を超えると、PTFEの溶融速度が早まり、延伸の条件が変化するからである。また、延伸が5%を超えると、多孔質基材の一部が破断するため、1%以上5%以下の範囲として延伸することが好ましい。さらに、収縮防止処理をすることで、多孔質基材の細孔を拡げることもできる。
さらに、熱処理工程Dでは、ポリテトラフルオロエチレンの溶融点以上に昇温した熱ガスを多孔質基材の厚さ方向に透過させた状態として、多孔質基材を延伸又は伸縮防止処理をすることが好ましい。多孔質基材に熱ガスを透過させることで、ガスの拡散経路(パス)を確保する方向に細孔が拡大し、空孔率の高いガス拡散電極を得ることができる。
このように多孔質基材を親水化した後、スラリーを均一に分散浸透させた上で熱処理をしたため、インクスラリー中の固形分が多孔質基材の表面の至るところに固定化される。この結果、多孔質基材の空孔率の低下が抑制されて、ガス拡散電極の排水性が高まる。
接合処理工程Eでは、得られたガス拡散電極用材料を導電性支持体に接合して、ガス拡散電極とする。
図2に、上記ガス拡散電極の製造方法から得られたガス拡散電極3の一部断面図を示す。ガス拡散電極3は、導電性支持体4上にガス拡散電極用材料から成る多孔質層5を形成している。多孔質層5は、三次元に連続した空隙を有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から成る多孔質基材6の表面に、複数個のカーボン粒子7を均一に分散して、付着させている。図示するように、多孔質基材6には三次元に連続した空隙が多く存在するため、ガス透過性に優れ、水分等の除去が容易となる。
さらに、前述した本発明の実施の形態に係るガス拡散電極の製造方法の各工程を、図3に示すガス拡散電極の連続製造設備8によって説明する。ガス拡散電極の連続製造設備8は、前段から順番に、供給装置9、親水化処理装置10、塗着処理装置11及び乾燥装置12を備え、乾燥装置12の後段に、焼成装置13と接合処理装置14が配置される。
供給装置9は、ロール15に巻かれた、予め熱処理又は延伸した多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シートaを図示しない駆動装置の駆動力によって引き出し、ガイドロール16を介して親水化処理装置10にまで供給する装置である。ここでは、予め熱処理又は延伸した多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シートaを使用したが、ガス拡散電極の連続製造設備8の前段に熱処理装置を設置して、多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シートaの空孔率を高めても良い。
親水化処理装置10は、親水化処理液b(例えば、界面活性剤を含む有機溶媒(アルコールなど))を収納した浸漬槽17内に、吸引ドラム18を配置している。
親水化処理装置10は、供給装置9から供給される予め熱処理をして空孔率を高めた多孔質ポリテトラフルオロエチレンシートaを親水化処理液bに浸漬した後、吸引ドラム18の吸引力によって多孔質ポリテトラフルオロエチレンシートaの内部にまで親水化処理液bを浸透させて、多孔質ポリテトラフルオロエチレンシートaを親水化している。
塗着処理装置11は、導電性物質(例えば、カーボン粒子)を含むインクスラリーcを収納した浸漬槽19内に複数のロール20を設置し、浸漬槽19の後段に一対の挟圧ロール21a、21bを設置している。親水化処理後の多孔質ポリテトラフルオロエチレンシートaは、親水化処理装置10から複数のガイドロール22を介して浸漬槽19に搬送された後、浸漬槽19内のロール20によってインクスラリーcが塗着されて、その後、一つの挟圧ロール21a、21bによる加圧力によって、多孔質ポリテトラフルオロエチレンシートaの内部にインクスラリーcを浸透させる。
乾燥装置12は、連続乾燥炉内に複数のロール23を設置し、炉内の温度と雰囲気を調整することで、インクスラリーc中の固形分を除いた水分を蒸発させて、多孔質ポリテトラフルオロエチレンシートaを乾燥してガス拡散電極用材料の前駆体dとしている。
熱処理装置13としての熱処理炉は、焼成ゾーン24と冷却ゾーン25が存在し、各ゾーン24,25において、加熱温度と冷却温度をそれぞれ調整している。焼成ゾーン24入口側には一対の入口側ロール26a、26bが設置され、一方の冷却ゾーン25出口側には一対の出口側ロール27a、27bが設置され、連続乾燥炉から熱処理炉内に複数のガイドロール28を介してガス拡散電極用材料の前駆体dが導入されて、ガス拡散電極用材料の前駆体dを加熱した後、冷却している。
さらに、焼成ゾーン24と冷却ゾーン25とは、ガス拡散電極用材料の前駆体d上部に、連結手段29によって環状に連結された上部挟持部材30が複数存在し、上部挟持部材30と当接する位置に、複数の下部挟持部材31を設置している。図4に、上部挟持部材30と下部挟持部材31の拡大斜視図を示す。図4に示すように、上部挟持部材30と下部挟持部材31は、ガス拡散電極用材料の前駆体dの移動と同期して循環して、加熱時及び冷却時に、ガス拡散電極用材料の前駆体dを上部挟持部材30と下部挟持部材31とで挟むことで伸縮を防止している。
接合処理装置14は、熱処理装置13出口側に配置された供給装置32と、この後段にガイドロール33が設置され、導電性支持体となるカーボン基材eを巻いたロールからカーボン部材eを平面状に引き出している。ガイドロール33後段には、一対の熱接合ロール34a、34bを備え、熱接合ロール34a、34b出口側に設置されたガイドロール35によって、ロールから供給されるカーボン基材eと、熱処理装置13から供給されるガス拡散電極用材料の前駆体dとを同時に熱接合ロール34a、34bに導入し、熱接合ロール34a、34bで挟みながら加熱して、熱接合をする。熱接合ロール34a、34b出口側のガイドロール35後段には巻き取り機36が設置され、熱接合後のガス拡散電極膜fを巻き取り機36によって巻き取り、ガス拡散電極膜のロールとしている。
前述したガス拡散電極の連続製造設備8を用いると、連続的にガス拡散電極材料、さらにガス拡散電極膜の製造が可能となり、生産性が高まる。
上記方法により製造されたガス拡散電極は、固体高分子電解質型燃料電池として適用される。
図5は、固体高分子電解質型燃料電池の燃料電池スタック37の斜視図、図6は、図5に示す燃料電池スタック37の一部を詳細に示した斜視図、図7は、単位セルの一部断面図である。図5及び図6に示すように、燃料電池スタック37は、単位セル38を複数積層したコンプレックスセルとして構成される。単位セル38は、図7に示すように、固体高分子電解質膜44の両側に、アノード45とカソード46を配置して膜電極接合体39とし、膜電極接合体39の両側にもアノード側セパレータ40とカソード側セパレータ41とを配置する。アノード45は、固体高分子電解質膜44側から順に、触媒層47とガス拡散層48を配置し、カソード46も同様に、固体高分子電解質膜44側から順に、触媒層49とガス拡散層50を配置している。単位セル38を複数個積層した燃料電池スタック37は、図6に示すように、各単位セル38の両端にエンドフランジ42を配設して、外周部を締結ボルト43によって締結している。
従って、燃料電池の起動初期から耐久後までに亘って、ガスの拡散性と排水性が低下することなく、低電流密度から高電流密度までの発電性能が向上し、耐久性が維持されて長寿命化を実現することができる。
以下、さらに具体的に実施例を用いて説明するが、例示した実施例に限定されない。
まず、平均空孔径10μm、厚み50μmのPTFE多孔質薄膜を10cm角に切断した後、熱処理をしてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)多孔質膜を準備した(空孔率調整工程A)。これを、「PTFE多孔質膜a」と呼ぶ。
次に、界面活性剤(ダウケミカル(株)社製、Triton X-100)5gと、エタノール200gとを混合した後、プロペラ攪拌装置を用いて、150rpm、30分の攪拌処理をして親水処理液とした。これを「親水処理液b」と呼ぶ。
その後、界面活性剤(ダウケミカル(株)社製、Triton X-100)3gと、純水200gとを混合した後、プロペラ攪拌装置を用いて、150rpm、30分の攪拌処理を行い、界面活性剤を分散させた水溶液とした。この界面活性剤を分散させた水溶液中に、カーボンブラック(Cabot社製、Valcan XC-72R)20gを投入し、混合した後、プロペラ攪拌装置を用いて、150rpm、30分の攪拌処理を行い、インクスラリーとした。このインクスラリーをジェットミルによって粉砕処理をして、カーボンブラックの平均粒径を1μmとした。さらに、インクスラリーにpolyflon D-1E(ダイキン工業(株)社製)13gを投入し、混合した後、プロペラ攪拌装置を用いて、150rpm、30分の攪拌処理を行い、塗着用インクスラリーとした。これを「塗着用インクスラリーc」と呼ぶ。
得られたPTFE多孔質膜aを親水処理液bに浸漬させて、PTFE多孔質膜aに親水化処理をした(親水化処理工程B)。
その後、親水化処理したPTFE多孔質膜aが完全に乾燥する前に、このPTFE多孔質膜aを準備した塗着用インクスラリーcに浸漬した。その後、80℃の焼成炉で15分以上乾燥させた(塗着工程C)。
さらに、塗着用インクスラリーcを塗着させたPTFE多孔質膜aを、中空部を8cm角のSUS製冶具に固定した後、350℃の焼成炉で10分間焼成して、ガス拡散電極用材料とした(熱処理工程D)。
得られたガス拡散電極用材料を10cm角のカーボンペーパ(東レ(株)社製、TGP-H-060)上にセットし、ホットプレスによって、150℃、1MPaの条件下で3分間の熱接合処理をした(接合処理工程E)。その後、カーボンペーパとガス拡散電極用材料の接合体を所定のサイズに切り出して、ガス拡散電極とした。
次に、固体高分子電解質膜としてNafionTM111(膜25μm)を準備して、ポリテトラフルオロエチレンシート上に形成された電極触媒層と重ね合わせた。この時、アノード触媒層、固体高分子電解質膜、カソード触媒層の順序として積層させた。その後、130℃、2.0MPaで10分間ホットプレスをして、ポリテトラフルオロエチレンのみを剥がして膜電極接合体(MEA)とした。
得られた膜電極接合体の両面に、上記方法により作製したガス拡散電極とガス流路付きガスセパレータとを各々配置し、さらに金メッキしたステンレス製集電板により挟み、評価用の単位セルとした。その後、評価用の単位セルのアノード側に燃料として水素ガスを供給し、カソード側に酸化剤として空気を供給し、両ガス共に供給圧力を大気圧として、水素ガスは温度58.6℃及び相対湿度60%、空気は温度54.8℃、相対湿度50%、セル温度70℃に設定した。また、水素利用率67%、空気利用率40%とした。この条件下で電流密度1.0A/cm2として発電させたときのセル電圧を初期セル電圧として測定した。
続いて、60秒間発電した後、発電を停止した。発電停止後、水素ガスと空気の供給を停止し、空気で単セルを置換して50秒間待機した。その後、10秒間アノード側に水素ガスを上記利用率の1/5で供給した。その後、アノード側に水素ガス、カソード側に空気を上記と同様の条件で供給し、再度、1.0A/cm2の電流密度で60秒間発電した。また、この時の負荷電流は、30秒間で0 A/cm2から1 A/cm2に増大させた。発電と停止の動作を繰り返して合計3時間のエイジング処理をした後、セル電圧を測定して発電性能を評価した。この結果、高い起動停止耐久性を確認することができた。
A…空孔率調整工程
B…親水化処理工程
C…塗着工程
D…熱処理工程
E…接合処理工程
1…多孔質基材
2…ガス拡散電極
B…親水化処理工程
C…塗着工程
D…熱処理工程
E…接合処理工程
1…多孔質基材
2…ガス拡散電極
Claims (8)
- ポリテトラフルオロエチレンから成る三次元に連続した空隙を有する多孔質基材を熱処理又は延伸して空孔率を高める空孔率調整工程と、
空孔率を高めた前記多孔質基材を親水化する親水化処理工程と、
親水化した前記多孔質基材に導電性物質を含有するインクスラリーを塗着して前駆体とする塗着工程と、
前記前駆体を熱処理してガス拡散電極用材料とする熱処理工程と、を有することを特徴とするガス拡散電極用材料の製造方法。 - 前記親水化処理工程は、界面活性剤を含む有機溶媒中に、前記多孔質基材を浸漬することを特徴とする請求項1記載のガス拡散電極用材料の製造方法。
- 前記熱処理工程は、ポリテトラフルオロエチレンのガラス転移点以上に昇温した状態として、前記多孔質基材を延伸することを特徴とする請求項1又は2記載のガス拡散電極用材料の製造方法。
- 前記熱処理工程は、ポリテトラフルオロエチレンのガラス転移点以上に昇温した熱ガスを多孔質基材の厚さ方向に透過させた状態として、前記多孔質基材を延伸又は伸縮防止処理をすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のガス拡散電極用材料の製造方法。
- 前記熱処理工程は、ポリテトラフルオロエチレンの溶融点以上に昇温した状態として、前記多孔質基材を延伸又は収縮防止処理をすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のガス拡散電極用材料の製造方法。
- 前記熱処理工程は、ポリテトラフルオロエチレンの溶融点以上に昇温した熱ガスを多孔質基材の厚さ方向に透過させた状態として、前記多孔質基材を延伸又は伸縮防止処理をすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のガス拡散電極用材料の製造方法。
- ポリテトラフルオロエチレンから成る三次元に連続した空隙を有する多孔質基材を熱処理又は延伸して空孔率を高める空孔率調整工程と、
空孔率を高めた前記多孔質基材を親水化する親水化処理工程と、
親水化した前記多孔質基材に導電性物質を含有するインクスラリーを塗着して前駆体とする塗着工程と、
前記前駆体を熱処理してガス拡散電極用材料とする熱処理工程と、
前記ガス拡散電極用材料を、ガス透過性の導電性支持材に接合してガス拡散電極とする接合処理工程と、を有するガス拡散電極の製造方法から得られたガス拡散電極。 - 固体高分子電解質膜と、
前記固体高分子電解質膜の両側に配設されたガス拡散電極と、
前記ガス拡散電極の両側に配設されたセパレータと、を備え、
前記ガス拡散電極に、請求項7記載のガス拡散電極を適用したことを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006044382A JP2007227031A (ja) | 2006-02-21 | 2006-02-21 | ガス拡散電極用材料の製造方法、ガス拡散電極及び固体高分子電解質型燃料電池 |
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JP2006044382A JP2007227031A (ja) | 2006-02-21 | 2006-02-21 | ガス拡散電極用材料の製造方法、ガス拡散電極及び固体高分子電解質型燃料電池 |
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2006
- 2006-02-21 JP JP2006044382A patent/JP2007227031A/ja active Pending
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WO2012098606A1 (ja) * | 2011-01-18 | 2012-07-26 | パナソニック株式会社 | 燃料電池用膜電極接合体およびそれを用いた燃料電池 |
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