JP2003109629A - ガス拡散層の製造方法およびそれを用いた電解質膜/電極接合体と高分子電解質型燃料電池 - Google Patents

ガス拡散層の製造方法およびそれを用いた電解質膜/電極接合体と高分子電解質型燃料電池

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JP2003109629A JP2001301731A JP2001301731A JP2003109629A JP 2003109629 A JP2003109629 A JP 2003109629A JP 2001301731 A JP2001301731 A JP 2001301731A JP 2001301731 A JP2001301731 A JP 2001301731A JP 2003109629 A JP2003109629 A JP 2003109629A
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雅夫 山本
Junji Niikura
順二 新倉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高分子電解質型燃料電池はガス拡散層におけ
る保湿性能が経時的に低下するため長期に渡り安定な電
圧を維持することが困難であった。 【解決手段】 炭素繊維で構成される多孔性材料21の
上部に、導電性炭素粒子22と高分子材料23を主成分
とする組成物を塗布し、高分子材料の融点以上の温度に
加熱し、前記高分子材料の融点以下の温度に所定の速度
で冷却し多孔性材料の表面に導電性高分子層210を有
するガス拡散層24を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、民生用コジェネレ
ーションや自動車用等の移動体用発電器として有用な高
分子電解質型燃料電池それに用いられる電解質膜/電極
接合体およびガス拡散電極とその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】高分子電解質型燃料電池は、水素などの
燃料ガスと空気などの酸化剤ガスを供給し(一般的に燃
料ガス供給側をアノード電極と呼び、また酸化剤ガス供
給側はカソード電極と呼ばれる)、白金などの触媒上で
電気化学的に反応させるもので、電気と熱とを同時に発
生させるものである。このような高分子電解質型燃料電
池の一般的な構成の概略を図1に示す。
【0003】図1において水素イオンを選択的に輸送す
る高分子電解質膜11の両面には白金系の金属触媒を担
持した導電性炭素粒子を主成分とする触媒層12を密着
して配置する。さらに触媒層12の外面には、気孔を有
する多孔性材料で構成される一対のガス拡散層13をこ
れに密着して配置する。このガス拡散層13と触媒層1
2によりガス拡散電極14を構成する。電気化学反応に
よって生じた水分で多孔性材料の気孔部が閉塞され、ガ
ス供給不足による電池電圧の低下を抑えるためにガス拡
散層13の表面には撥水層19が設けられ生成水を有効
に保持している。撥水層19は一般的には導電性炭素粒
子と高分子材料で構成される。ガス拡散電極14の外側
には、ガス拡散電極14と高分子電解質膜11とで形成
した電解質膜/電極接合体(以下、MEA)15を機械
的に固定するとともに、隣接するMEA同士を互いに電
気的に直列に接続し、さらにガス拡散電極に反応ガスを
供給し、かつ反応により発生した水や余剰のガスを運び
去るためのガス流路16を一方の面に形成したセパレー
タ板17を配置する。ガス流路はセパレータ板17と別
に設けることもできるが、セパレータ板の表面に溝を設
けてガス流路とする方式が一般的である。また、高分子
電解質膜11とセパレータ板17間には反応ガスの漏れ
を防止するためガスケット18を挟持する。電池運転
時、カソード電極においては反応活物質である酸素また
は空気がガス拡散層を介してガス流路から触媒層へと拡
散するとともに、反応によって生成され浸透効果により
触媒層からガス拡散層へと浸透してきた過剰な水分をガ
ス拡散層の気孔部から余剰ガスとともに電池外部へと除
去する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高分子
電解質型燃料電池(以下、燃料電池)を長期に作動する
と、ガス拡散層において導電性炭素粒子が徐々に酸化処
理を受けその濡れ性が向上するため、撥水層の撥水性能
が経時的に低下し保水性能が低下するために高分子電解
質膜の水素イオン導電抵抗が増大し、電池電圧の低下が
起こり、長期に渡って耐久性のある燃料電池を実現する
のは困難であった。本発明は上記した従来技術の問題点
を考慮してなされたものであり、本発明の目的はガス拡
散層において長期にわたり撥水性を維持する撥水層を提
供し高耐久の高分子電解質型燃料電池を実現することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明のガス拡散層の製造方法は、多孔性材料の少
なくとも一方の面に、導電性炭素粒子および高分子材料
を含有する導電性高分子層を配置する工程と、前記導電
性高分子層を前記高分子材料の融点以上の温度に加熱す
る工程と、前記導電性高分子層を前記高分子材料の融点
以上の温度から融点以下の温度まで冷却する工程とを有
することを特徴とする。
【0006】また、本発明のガス拡散層の製造方法は前
記冷却工程において、少なくとも冷却速度が−50℃/
分以下となる冷却工程を含むと有効である。
【0007】また、本発明のガス拡散層の製造方法は、
前記冷却速度が−50℃/分以下になる冷却工程が、少
なくとも高分子材料の融点の±10℃の範囲内に存在す
ると有効である。
【0008】また、多孔性材料の少なくとも一方の面
に、導電性炭素粒子および高分子材料を含有する導電性
高分子層を配置する工程と、前記導電性高分子層の表面
を擦る工程とを有することを特徴とする。
【0009】また、本発明の電解質膜/電極接合体は、
高分子電解質膜と、前記高分子電解質の両面に配置され
た、導電性炭素粒子および金属触媒を含有する触媒層
と、前記触媒層の少なくとも一方の面に配置された上述
の製造方法により得られたガス拡散層とを有する。
【0010】また、本発明の高分子電解質型燃料電池
は、前記電解質膜/電極接合体と、前記電解質膜/電極
接合体の両側に配置された導電性セパレータとを有する
単電池の積層体を備えることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)図2は本発明
の第1の実施形態における、ガス拡散電極の製造方法と
このガス拡散電極を用いて作製された高分子電解質型燃
料電池の構成を示した概略図である。
【0012】図示するように炭素繊維で構成される多孔
性材料21の上部に、導電性炭素粒子22と高分子材料
23とを主成分とする組成物を塗布し、導電性高分子層
210を形成する(図2(a))。その後、前記組成物
を塗布された多孔性材料21を前記高分子材料の融点以
上の温度に加熱した後、前記高分子材料の融点以下の温
度に所定の冷却速度によって冷却しガス拡散層24を作
製する(図2(b))。続いて、高分子電解質膜25の
一部分の両面に白金を担持したカーボン粒子で構成され
る触媒層29を塗布した後、前記ガス拡散層24を前記
ガス拡散上の組成物と触媒層とが接触するように配置す
る。ガス拡散層24の外側には、ガス流路26を一方の
面に形成したセパレータ板27を配置し、また触媒層2
9及びガス拡散層24が存在しない部分にはガスケット
28を配置し高分子電解質型燃料電池が構成される(図
2(c))。
【0013】この製造方法によって導電性炭素粒子の酸
化劣化を防止でき、長期にわたって安定した電圧を維持
する高耐久の高分子電解質型燃料電池を得ることができ
る。これは以下の作用による。つまり高分子材料をその
融点以上に加熱することで高分子材料が軟化するため、
導電性炭素粒子の表面を有効に被覆し導電性炭素粒子の
露出面積が低下するため水との接触面積が小さくなり導
電性炭素粒子の酸化劣化が抑制されるためである。
【0014】尚、前記導電性高分子層を形成する際の冷
却過程において、−50℃/分以下の緩やかな冷却速度
にすることで、さらに耐久性が向上した高分子電解質型
燃料電池が製造できる。これは以下の作用による。つま
り、冷却速度を−50℃/分以下にすることで高分子材
料の結晶化が促進されるため導電性炭素粒子は高結晶化
度の高分子材料で被覆されることになる。高分子材料に
被覆された部分のカーボン粒子の酸化劣化は高分子材料
を浸透してきた水によって起こるが、一般的には水の浸
透現象は非晶質部分を介した水分の吸収及び拡散によっ
て起こるため、高結晶化度の高分子材料で被覆された導
電性炭素粒子は水の攻撃を受け難く酸化劣化が抑制され
るからである。
【0015】また、上述の冷却速度が−50℃/分以下
になる冷却工程が、少なくとも高分子材料の融点の±1
0℃の範囲内に存在するようにすることで、導電性炭素
粒子の酸化劣化が改善されたガス拡散電極の製造を短時
間で行うことができる。つまり高分子材料の結晶化は高
分子材料の融点温度近傍で促進されるため、融点温度近
傍でのみで冷却速度を−50℃/分以下にし、それ以外
の冷却工程においてはそれよりも高速に冷却することで
短時間で冷却が完了できるからである。
【0016】(第2の実施形態)図3は本発明の請求項
4記載の高分子電解質型燃料電池の製造方法及びこの製
造方法で作製された高分子電解質型燃料電池の構成を示
した概略図である。
【0017】図示するように炭素繊維で構成される多孔
性材料31の上部に導電性炭素粒子32と高分子材料3
3で構成される組成物を塗布し、導電性高分子層310
を形成する(図3(a))。その後、前記導電性高分子
層310の表面をナイロンやポリエステル等で作られた
クロスを巻き付けたローラー311で擦り、ガス拡散層
34を製造する(図3(b))。続いて、高分子電解質
膜35の一部分の両面に白金を担持したカーボン粒子で
構成される触媒層39を塗布した後、前記ガス拡散層3
4を前記触媒層35に接触して配置する。ガス拡散層の
外側にはガス流路36を一方の面に形成したセパレータ
板37を配置し、また触媒層35及びガス拡散層34が
存在しない部分にはガスケット38を配置し高分子電解
質型燃料電池が構成される(図3(d))。
【0018】この製造方法によって導電性炭素粒子の酸
化劣化を抑制でき長期に渡り安定した電圧を維持する高
分子電解質型燃料電池が製造できる。これは以下の作用
による。つまりガス拡散層の表面を擦ると高分子材料の
主鎖が再配列し、しかもその摩擦熱によって結晶化が誘
発されカーボン粒子は高結晶化の高分子材料で被覆され
ることになる。高分子材料に被覆された部分のカーボン
粒子の酸化劣化は高分子材料を浸透してきた水によって
起こるが、一般的には水の浸透現象は非晶質部分を介し
た水分の吸収及び拡散によって起こるため、高結晶化度
の高分子材料で被覆された導電性炭素粒子は、水の攻撃
を受け難く酸化劣化が抑制されるからである。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例をより具体的に説明す
る。
【0020】(実施例1)平均粒径3μmのアセチレン
ブラック(以下、AB)10gとポリテトラフルオロエ
チレン(以下、PTFE)を主成分とするフッ素樹脂
(D−1:ダイキン化学工業(株))2gを混合撹拌
し、フッ素樹脂中にABが分散した溶液(以下、溶液
a)を調整した後、溶液aを多孔性材料として用意した
カーボンペーパの表面にスクリーン印刷を行った。その
後、PTFEの融点(DSCにより融点を評価したとこ
ろ327℃であった。)以上の350℃まで昇温し、3
50℃で1時間保持した後、−50℃/分の速度で冷却
しガス拡散層を得た。続いて、高分子電解質(デュポン
(株)製;NAFION117)の一部の両面に予め粒
径が3ミクロン以下の導電性炭素粒子を塩化白金酸水溶
液に浸漬し還元処理により表面に白金触媒を担持させ導
電性炭素粒子(このときのカーボンと担持した白金の重
量比は1:1とした)を高分子電解質のアルコール溶液
中に分散させスラリー化しておいたスラリーを均一に塗
布して触媒層を形成した。続いて、触媒層に接して前記
ガス拡散層を重ね合わせ、さらに厚み250μmのシリ
コンゴム製ガスケットを両面に位置合わせした後、13
0℃、5分間ホットプレスし、電解質膜/電極接合体
(以下、MEA)を得た。MEAの両側にセパレータ板
を配置し単セルを作製し、単セルを4セル積層させて高
分子電解質型燃料電池とした。セパレータ板は厚さ4mm
のカーボン製で気密性を有するものを用いた。またガス
拡散層と接する表面には、幅2mm、深さ1mmのガス流路
を切削加工により形成した。電池スタックの上部及び下
部にはSUS304製の金属端板を配し高分子電解質型
燃料電池を固定した。こうして完成した高分子電解質型
燃料電池を一方のセパレータ板のガス流路には燃料ガス
として水素を、また他方のセパレータ板のガス流路には
酸化剤ガスとして空気を、水素利用率70%、酸素利用
率40%でそれぞれ供給し水素加湿バブラー温度85
℃、空気加湿バブラー温度65℃、電池温度75℃で電
流密度0.2A/cm2の条件で運転したところ、高分
子電解質型燃料電池は2.8ボルトの電圧を発生し、3
000時間経過後も初期電圧を維持し、安定な運転動作
を示すものであった。この原因は本実施例の高分子電解
質型燃料電池ではガス拡散層においては導電性炭素粒子
の酸化劣化が防止されガス拡散層の撥水性及び保湿性能
が低下しなかったため高分子電解質を湿潤状態に保つす
ることができたことによる。
【0021】(実施例2)平均粒径3μmのアセチレン
ブラック(以下、AB)10gとポリテトラフルオロエ
チレン(以下、PTFE)を主成分とするフッ素樹脂
(D−1:ダイキン化学工業(株))2gを混合撹拌
し、フッ素樹脂中にABが分散した溶液(以下、溶液
a)を調整した後、溶液aを多孔性材料として用意した
カーボンペーパの表面にスクリーン印刷を行った後、3
00℃で焼成し多孔性材料の上部に導電性高分子層を形
成した。その後、ナイロン製のクロスを巻き付けたロー
ラーを回転速度1000rpm.で回転させながら前記
導電性高分子層に接してその表面を走らせ、擦りガス拡
散層を得た。続いて、高分子電解質(デュポン(株)
製;NAFION117)の一部の両面に、予め粒径が
3ミクロン以下の導電性炭素粒子を塩化白金酸水溶液に
浸漬し、還元処理により表面に白金触媒を担持させ導電
性炭素粒子(このときのカーボンと担持した白金の重量
比は1:1とした)を高分子電解質のアルコール溶液中
に分散させスラリー化しておいたスラリーを均一に塗布
して触媒層を形成した。続いて、触媒層に接して前記ガ
ス拡散層を重ね合わせ、さらに厚み250μmのシリコ
ンゴム製ガスケットを両面に位置合わせした後、130
℃、5分間ホットプレスし、電極電解質膜接合体(以
下、MEA)を得た。MEAの両側にセパレータ板を配
置し単セルを作製し、単セルを4セル積層させて高分子
電解質型燃料電池とした。セパレータ板は厚さ4mmのカ
ーボン製で気密性を有するものを用いた。またガス拡散
層と接する表面には、幅2mm、深さ1mmのガス流路を切
削加工により形成した。電池スタックの上部及び下部に
はSUS304製の金属端板を配し、高分子電解質型燃
料電池を固定した。こうして完成した高分子電解質型燃
料電池を一方のセパレータ板のガス流路には燃料ガスと
して水素を、また他方のセパレータ板のガス流路には酸
化剤ガスとして空気を、水素利用率70%、酸素利用率
40%で、それぞれ供給し水素加湿バブラー温度85
℃、空気加湿バブラー温度65℃、電池温度75℃で電
流密度0.2A/cm2の条件で運転したところ、高分
子電解質型燃料電池は2.8ボルトの電圧を発生し、3
000時間経過後も初期電圧を維持し、安定な運転動作
を示すものであった。この原因は本実施例の高分子電解
質型燃料電池ではガス拡散層において導電性炭素粒子の
酸化劣化が防止されガス拡散層の撥水性能及び保湿性能
が低下しなかったため高分子電解質を湿潤状態に保つす
ることができたことによる。
【0022】(比較例1)ガス拡散層の焼成行程で焼成
温度及び保持温度をPTFEの融点(327℃)以下の
300℃に変えた以外は実施例1記載と同様の操作によ
り高分子電解質型燃料電池を製造し、実施例1のものと
同様の測定条件で電池性能を評価したところ初期値とし
て実施例1のものと同じ2.8ボルトを示したが、その
後電池電圧は徐々に低下し、3000時間経過後の電池
電圧は1.8ボルトまで低下し運転動作は非常に不安定
なものであった。この原因は本実施例の高分子電解質型
燃料電池ではガス拡散層において導電性炭素粒子の酸化
劣化が起こり撥水性能及び保湿性能が低下したため高分
子電解質の湿潤状態が徐々に悪化したことによる。
【0023】(比較例2)ガス拡散層の焼成行程で冷却
速度を−60℃/分に変えた以外は実施例1記載と同様
の操作により高分子電解質型燃料電池を製造し、実施例
1記載と同様の測定条件で電池性能を評価したところ、
高分子電解質型燃電圧は初期値として実施例1のものと
同じ2.8ボルトを示したが、その後電池電圧は徐々に
低下し、3000時間経過後の電圧は1.8ボルトまで
低下し、運転動作は非常に不安定なものであった。この
原因は本実施例の高分子電解質型燃料電池ではガス拡散
層において導電性炭素粒子を被覆する高分子材料の結晶
化度が十分でないために酸化劣化が起こり撥水性能及び
保湿性能が低下したため高分子電解質の湿潤状態が徐々
に悪化したことによる。
【0024】(比較例3)導電性高分子層の表面を擦る
操作を行わなかった以外は実施例2記載と同様の操作に
より高分子電解質型燃料電池を製造し、実施例2記載と
同様の測定条件で電池性能を評価したところ、高分子電
解質型燃料電池は初期値として実施例のものと同じ2.
8ボルトの電圧を示したが、その後電池電圧は徐々に低
下し、3000時間経過後の電圧は1.8ボルトまで低
下し、運転動作は非常に不安定なものであった。この原
因は本実施例の高分子電解質型燃料電池ではガス拡散層
において導電性炭素粒子を被覆する高分子材料の結晶化
度が十分でないために酸化劣化が起こり撥水性能及び保
湿性能が低下したため高分子電解質の湿潤状態が徐々に
悪化したことによる。
【0025】
【発明の効果】以上のように、多孔性材料の少なくとも
一方の面に導電性炭素粒子と高分子材料を主成分とする
導電性高分子層を配置する工程と、前記導電性高分子層
を前記高分子材料の融点以上の温度に加熱する工程と、
前記組成物を前記高分子材料の融点以上の温度から融点
以下の温度まで冷却しガス拡散層を製造する工程と、前
記ガス拡散層の表面に少なくとも導電性炭素粒子と金属
触媒で構成される触媒層を形成する工程とを有する製造
方法により得られたガス拡散電極を用いることで、長期
に安定動作が可能な高分子電解質型燃料電池が実現でき
る。
【0026】また、多孔性材料の少なくとも一方の面に
導電性炭素粒子と高分子材料からなる導電性高分子層を
配置しガス拡散層を作製する工程と、前記導電性高分子
層の表面を擦る工程と、該ガス拡散層の表面に少なくと
も導電性炭素粒子と金属触媒で構成される触媒層を形成
する工程とを有する製造方法によって得られたガス拡散
電極を用いることで長期にわたって安定動作が可能な高
分子電解質型燃料電池が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の高分子電解質型燃料電池の構成断面を示
した図
【図2】本発明の第1の実施形態におけるガス拡散層お
よび高分子電解質型燃料電池を示す概略図
【図3】本発明の第2の実施形態におけるガス拡散層お
よび高分子電解質型燃料電池を示す概略図
【符号の説明】
11 高分子電解質膜 12 触媒層 13 ガス拡散層 14 ガス拡散電極 15 電解質膜/電極接合体(MEA) 16 ガス流路 17 セパレータ板 18 ガスケット 19 撥水層 21 多孔性材料 22 導電性炭素粒子 23 高分子材料 24 ガス拡散層 25 触媒層 26 ガス流路 27 セパレータ板 28 ガスケット 29 触媒層 31 多孔性材料 32 導電性炭素粒子 33 高分子材料 34 ガス拡散層 35 触媒層 36 ガス流路 37 セパレータ板 38 ガスケット 39 触媒層 210 導電性高分子層 310 導電性高分子層 311 ローラー
フロントページの続き Fターム(参考) 5H018 AA06 AS01 BB01 BB03 BB05 BB08 BB12 BB17 DD06 EE02 EE03 EE05 EE08 EE17 EE19 HH08 5H026 AA06 BB01 CC03 CX01 CX05 EE05 EE18 HH08 HH10 5H027 AA06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔性材料の少なくとも一方の面に、導
    電性炭素粒子および高分子材料を含有する導電性高分子
    層を配置する工程と、前記導電性高分子層を前記高分子
    材料の融点以上の温度に加熱する工程と、前記導電性高
    分子層を前記高分子材料の融点以上の温度から融点以下
    の温度まで冷却する工程とを有するガス拡散層の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記冷却工程において、少なくとも冷却
    速度が−50℃/分以下である冷却工程を含むことを特
    徴とする請求項1記載のガス拡散層の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記冷却速度が−50℃/分以下になる
    冷却工程が、少なくとも高分子材料の融点の±10℃の
    範囲内に存在することを特徴とする請求項2記載のガス
    拡散層の製造方法。
  4. 【請求項4】 多孔性材料の少なくとも一方の面に、導
    電性炭素粒子および高分子材料を含有する導電性高分子
    層を配置する工程と、前記導電性高分子層の表面を擦る
    工程とを有するガス拡散層の製造方法。
  5. 【請求項5】 高分子電解質膜と、前記高分子電解質の
    両面に配置された、導電性炭素粒子および金属触媒を含
    有する触媒層と、前記触媒層の少なくとも一方の面に配
    置された請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法によ
    り得られたガス拡散層とを有する電解質膜/電極接合
    体。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の電解質膜/電極接合体
    と、前記電解質膜/電極接合体の両側に配置された導電
    性セパレータとを有する単電池の積層体を備える高分子
    電解質型燃料電池。
JP2001301731A 2001-09-28 2001-09-28 ガス拡散層の製造方法およびそれを用いた電解質膜/電極接合体と高分子電解質型燃料電池 Pending JP2003109629A (ja)

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