JP2007226450A - 流量予測装置、流量予測方法および流量予測プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】データ加工機能104は、保存機能103から読み出した予報雨量データ、実績雨量データまたは実績流量データなどを予測モデル構築用の学習データに加工し、平均雨量、流量または流量変化分が一定値以下のデータを予測モデル構築用データから削除し、平均雨量、流量または流量変化分が一定値以上のデータを複数倍し、予測モデル構築手段105は、この予測モデル構築用データに基づいて予測モデルを構築し、予測機能106は、予測モデル構築手段105にて構築された予測モデルおよびデータ加工機能104にて生成された予測モデル構築用データに基づいて、将来の所定時間における河川などの流量を予測する。
【選択図】 図1
Description
「雨量情報に基づく数時間先行のダム流入量のオンライン予測法」電気学会論文誌B,Vol,113,No.3(1993)
図11は、河川/下水の流量予測時における雨量と学習データ数との関係を示す図である。
また、特許文献1に開示された方法では、学習データの少ない領域の雨量に関するデータを複数回利用しながら学習が行われるため、その分だけ学習データが増大し、学習に要する時間が増大するという問題があった。
そこで、本発明の目的は、雨量または流量に関するデータの偏りに対応しつつ、予測精度を向上させるとともに、学習時間を低減させることが可能な流量予測装置、流量予測方法および流量予測プログラムを提供することである。
これにより、雨量と流量との非線形な関係を精度良くモデル化することができ、流量の予測精度を向上させることができる。
また、請求項3記載の流量予測方法によれば、雨量または流量に関する過去の入力データを収集するステップと、前記収集された入力データに基づいて予測モデル構築用データを生成するステップと、一定値以下の雨量または流量の入力データについての前記予測モデル構築用データを削除するステップと、一定値以上の雨量または流量の入力データについての前記予測モデル構築用データを複数倍するステップと、前記削除処理および複数倍処理が行なわれた予測モデル構築用データに基づいて予測モデルを構築するステップと、前記予測モデル構築手段にて構築された予測モデルに基づいて流量を予測するステップとを備えることを特徴とする。
また、請求項4記載の流量予測方法によれば、前記予測モデルとしてニューラルネットワークを用いることを特徴とする。
これにより、雨量と流量との非線形な関係を精度良くモデル化することができ、流量の予測精度を向上させることができる。
これにより、流量予測プログラムをコンピュータに実行させることで、雨量または流量に関するデータの偏りに対応しつつ、予測モデルを構築するために要する時間を削減することが可能となるとともに、雨量が多い時の流量の予測精度を向上させることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る流量予測装置の概略構成を示すブロック図である。
図1において、流量予測装置111には、受信機能101、データ入力機能102、保存機能103、データ加工機能104、予測モデル構築機能105、予測機能106、表示機能107および送信機能108が設けられている。
保存機能3は、受信機能101およびデータ入力機能102から入力されたデータおよび予測機能106にて予測されたデータを保存する。なお、保存機能103としては、ハードディスク、ICメモリカード、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスクなどの記憶媒体を用いることができる。
予測モデル構築機能105は、データ加工機能104にて削除処理および複数倍処理が行なわれた予測モデル構築用データに基づいて予測モデルを構築する。
表示機能107は、時間雨量、ダム水位、流量および流入量をグラフ形式や表形式で表示する。なお、表示機能7としては、例えば、液晶表示装置やプリンタなどを用いることができる。
図2において、図1のブロック図との関連を用いて説明すると、データ加工機能104は、予測に必要な過去の予報雨量データ、実績雨量データまたは実績流量データなどを保存機能103から読み出す(ステップS1)。続いて、データ加工機能104は、保存機能103から読み出した予報雨量データ、実績雨量データまたは実績流量データなどを予測モデル構築用の学習データに加工する(ステップS2)。続いて、データ加工機能104は、ステップS2で生成された平均雨量、流量または流量変化分が一定値以下のデータを予測モデル構築用データから削除する(ステップS3)。続いて、データ加工機能104は、平均雨量、流量または流量変化分が一定値以上のデータを複数倍する(ステップS4)。続いて、予測モデル構築機能105は、データ加工機能104にて削除処理および複数倍処理が行なわれた予測モデル構築用データに基づいて予測モデルを構築する(ステップS5)。なお、予測モデルとしては、回帰式、タンクモデル、貯留関数法またはニューラルネットワークなどの方法を用いることができ、予測モデルの構築方法としては、例えば、回帰式では最小二乗法、ニューラルネットワークではバックプロパゲーション法を用いることができる。続いて、予測機能106は、予測モデル構築手段105にて構築された予測モデルおよびデータ加工機能104にて生成された予測モデル構築用データに基づいて、将来の所定時間における河川などの流量を予測する(ステップS6)。
そして、このプログラムをCD−ROMなどの記憶媒体に記憶しておけば、コンピュータに記憶媒体を装着し、そのプログラムをコンピュータにインストールすることにより、受信機能101、データ加工機能104、予測モデル構築機能105、予測機能106および送信機能108で行われる処理を実現することができる。また、このプログラムを通信ネットワークを介してダウンロードすることにより、このプログラムを容易に普及させることができる。
図3(a)に示すように、予測に必要な予報雨量データ、実績雨量データおよび実績流量データとして、複数の地点における所定時刻ごとの雨量データおよび支流雨量データを得ることができる。そして、図3(b)に示すように、各時刻における複数の地点の平均雨量が記述された中間ファイルを介して、図3(c)の予測モデル構築用データを生成する。なお、図3(c)の予測モデル構築用データの例では、予測モデルの入力情報として、1時間ごとの平均雨量の過去24時間分と過去の流量1時間分、予測モデルの出力情報(予測対象)として、1時間先の流量の変化分とした。例えば、図3(c)の予測モデル構築用データにおいて、図3(b)の中間ファイルの平均雨量のデータAから、過去24時間分の平均雨量のデータBを算出することができる。
平均雨量=(雨量地点1の雨量+雨量地点2の雨量+・・・+雨量地点nの雨量)/n
・・・(1)
また、1時間先の流量の変化分は、以下の(2)式にて算出することができる。
流量の変化分=(1時間先の流量)−(現在の流量) ・・・(2)
図4(a)において、図3(c)の予測モデル構築用データが生成されると、平均雨量、流量または流量変化分が一定値以下のデータを予測モデル構築用データから削除する。ここで、予測モデル構築用データでは、全データのうちの大部分は雨量が一定値以下(例えば、0)のデータである。このため、平均雨量、流量または流量変化分が一定値以下のデータを予測モデル構築用データから削除することにより、学習データ数を大幅に削減することができる。例えば、図4(a)の予測モデル構築用データから、過去24時間分の合計雨量が0.25mm以下のデータを削除するものとすると、図4(b)の予測モデル構築用データを得ることができる。
図5(a)において、図4(b)の予測モデル構築用データが得られると、平均雨量、流量または流量変化分が一定値以上のデータを複数倍する。これにより、データ数の少ない大雨時や流量の大きい部分や流量の変化の大きい部分のデータを強く覚えさせることができ、大幅な流量の変化を強調して学習することができる。例えば、図5(a)の予測モデル構築用データから、予測モデルの出力が±1[m/sec]以上のデータを3倍するものとすると、図5(b)の予測モデル構築用データを得ることができる。
1時間先の予測値=現在流量
+予測モデルの出力値(現時刻から1時間先の流量変化分)
・・・(3)
2時間先の予測値=1時間先の予測値
+予測モデルの出力値(1時間先から2時間先の流量変化分)
・・・(4)
・
・
・
24時間先の予測値=23時間先の予測値
+予測モデルの出力値(23時間先から24時間先の流量変化分)
・・・(5)
1時間先の予測値=予測モデルの出力値(1時間先の流量) ・・・(6)
2時間先の予測値=予測モデルの出力値(2時間先の流量) ・・・(7)
・
・
・
24時間先の予測値=予測モデルの出力値(24時間先の流量) ・・・(8)
図6は、本発明の一実施形態に係るニューラルネットワークを用いた流量の予測方法を示す図である。
図6において、一定値以下の雨量のデータは予測モデル構築用データから削除し、一定値以上の流量変化分のデータを複数倍して学習データを得た。なお、今回の実施例では、データの削除の基準値を雨量0[mm/h]未満とし、データの削除が行われないようにした。また、1時間先の流量変化が5[m3/sec]以上のデータを10倍した。そして、河川の流量を予測するための予測モデルとしてニューラルネットワークを用いた。このニューラルネットワークは、入力層、中間層および単一の出力層からなる3層構造を持っている。そして、入力層には、現在から過去24時間までの分の河川流域の雨量と、現在から過去3時間までの分の河川の流量が入力される。そして、出力層からは、1時間先の予測対象時刻における河川の流量の変化分が出力される。ここで、ニューラルネットワークはバックプロパゲーション法にて構築することができる。
図7において、3階層型のニューラルネットワークは、バックプロパゲーション法にて事前に学習を行い、内部の結合状態の調整が行われる。この学習では、与えられたデータに基づいて所望の機能を獲得するようにニューラルネットワーク内部の結合荷重が調整される。すわなち、入力に対して正しい出力が決まっている場合には、ニューラルネットワークから正しい出力が得られたかどうかを判定し、ニューラルネットワークからの出力に間違いがなくなるように、結合荷重が調整される。
ここで、ニューラルネットワークの結合荷重は、以下の(9)式および(10)式を用いて調整することができる。
そして、1時間先の予測値が得られると、図8に示すように、平均雨量として1時間分だけ予報雨量値をニューラルネットワークの入力層に入力するとともに、流量として1時間分だけ流量予測値をニューラルネットワークの入力層に入力する。これにより、図8のニューラルネットワークの出力層からは、2時間先の予測対象時刻における河川の流量の変化分を得ることができる。
同様に、2時間先の予測値が得られると、平均雨量として2時間分だけ予報雨量値をニューラルネットワークの入力層に入力するとともに、流量として2時間分だけ流量予測値をニューラルネットワークの入力層に入力する。これにより、ニューラルネットワークの出力層からは、3時間先の予測対象時刻における河川の流量の変化分を得ることができる。
以下同様にして、以下の(11)式を用いることにより、24時間先の予測値を得ることができる。
102 データ入力機能
103 保存機能
104 データ加工機能
105 予測モデル構築機能
106 予測機能
107 表示機能
108 送信機能
109、110 通信ネットワーク
111 流量予測装置
Claims (5)
- 雨量または流量に関する過去の入力データを収集するデータ収集手段と、
前記収集された入力データに基づいて予測モデル構築用データを生成する予測モデル構築用データ生成手段と、
一定値以下の雨量または流量の入力データについての前記予測モデル構築用データを削除する入力データ削除手段と、
一定値以上の雨量または流量の入力データについての前記予測モデル構築用データを複数倍する入力データ増幅手段と、
前記削除処理および複数倍処理が行なわれた予測モデル構築用データに基づいて予測モデルを構築する予測モデル構築手段と、
前記予測モデル構築手段にて構築された予測モデルに基づいて流量を予測する流量予測手段とを備えることを特徴とする流量予測装置。 - 前記予測モデルとしてニューラルネットワークを用いることを特徴とする請求項1記載の流量予測装置。
- 雨量または流量に関する過去の入力データを収集するステップと、
前記収集された入力データに基づいて予測モデル構築用データを生成するステップと、
一定値以下の雨量または流量の入力データについての前記予測モデル構築用データを削除するステップと、
一定値以上の雨量または流量の入力データについての前記予測モデル構築用データを複数倍するステップと、
前記削除処理および複数倍処理が行なわれた予測モデル構築用データに基づいて予測モデルを構築するステップと、
前記予測モデル構築手段にて構築された予測モデルに基づいて流量を予測するステップとを備えることを特徴とする流量予測方法。 - 前記予測モデルとしてニューラルネットワークを用いることを特徴とする請求項3記載の流量予測方法。
- 雨量または流量に関する過去の入力データを収集するステップと、
前記収集された入力データに基づいて予測モデル構築用データを生成するステップと、
一定値以下の雨量または流量の入力データについての前記予測モデル構築用データを削除するステップと、
一定値以上の雨量または流量の入力データについての前記予測モデル構築用データを複数倍するステップと、
前記削除処理および複数倍処理が行なわれた予測モデル構築用データに基づいて予測モデルを構築するステップと、
前記予測モデル構築手段にて構築された予測モデルに基づいて流量を予測するステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする流量予測プログラム。
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