JP2007226168A - 曲面の形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】p形のシリコン基板からなる半導体基板10(図1(a))の一部を除去して半導体レンズ1(図1(e))の曲面2を形成する曲面2の形成方法であって、所望の曲面形状(曲面2の形状)に応じてパターン設計した陽極12(図1(c))を半導体基板10の一表面側に半導体基板10とオーミック接触をなすように形成する陽極形成工程と、半導体基板10の構成元素の酸化物を溶かす電解液中で半導体基板10の他表面側に対向配置した陰極と陽極12との間に通電して半導体基板10の他表面側に除去部位となる多孔質シリコンからなる多孔質部14(図1(d))を形成する陽極酸化工程と、多孔質部14を除去する多孔質部除去工程とを有する。
【選択図】図1
Description
本実施形態では、半導体レンズの製造方法として、シリコン基板からなる半導体基板10(図1(a)参照)の一部を陽極酸化工程おいて多孔質化することにより形成した多孔質シリコンからなる多孔質部14(図1(d)参照)を除去してシリコンレンズからなる半導体レンズ1(図1(e)参照)を製造する製造方法を例示する。ここにおいて、本実施形態における半導体レンズ1は、平凸型の非球面レンズである。なお、本実施形態では、半導体基板10として導電形がp形のものを用いるようにし、半導体基板10の抵抗率を80Ωcmに設定してあるが、この数値は特に限定するものではない。
Si+2HF+(2−n)h+→SiF2+2H++ne−
SiF2+2HF→SiF4+H2
SiF4+2HF→SiH2F6
すなわち、p形のシリコン基板からなる半導体基板10の陽極酸化では、Fイオンの供給量とホールh+の供給量との兼ね合いで多孔質化あるいは電解研磨が起こることが知られており、Fイオンの供給量の方がホールの供給量よりも多い場合には多孔質化が起こり、ホールh+の供給量がFイオンの供給量よりも多い場合には電解研磨が起こる。したがって、本実施形態のように半導体基板10としてp形のシリコン基板を用いている場合には、陽極酸化による多孔質化の速度はホールh+の供給量で決まるから、半導体基板10中を流れる電流の電流密度で多孔質化の速度が決まり、多孔質部14の厚みが決まることになる。本実施形態では、半導体基板10中を図4の矢印で示すような経路で電流が流れるので、半導体基板10の上記他表面側(図4における上面側)では、陽極12の開孔部13の中心線(半導体基板10の厚み方向に沿った中心線)から離れるほど電流密度が徐々に大きくなるような電流密度の面内分布を有することとなり、半導体基板10の上記他表面側に形成される多孔質部14は、陽極12の開孔部13の中心線に近くなるほど徐々に薄くなっている。なお、上述の電流密度の面内分布は、陽極12と陰極との間に通電しているときに陽極12と半導体基板10との接触パターンなどにより決まる半導体基板10内の電界強度の分布に応じて発生し、電界強度が強いほど電流密度が大きくなり、電界強度が弱いほど電流密度が小さくなる。
本実施形態の半導体レンズ1の製造方法は実施形態1と略同じであって、図12(b)および図13に示すような凹曲面からなる曲面2を有する平凹型の非球面レンズを形成するために、陽極12の平面形状を図12(a)に示すような円形状としている点(つまり、陽極12と半導体基板10との接触パターンを円形状として点)が相違するだけなので、図14を参照しながら簡単に説明する。
本実施形態の半導体レンズ1の製造方法は実施形態1と略同じであって、実施形態1では陽極形成工程において所望の曲面形状に応じてパターン設計した陽極12(円形状の開孔部13を有する陽極12)を形成していたのに対して、陽極形成工程の前に、所望の曲面形状(所望のレンズ形状に関わる曲面形状)に応じてパターン設計した円形状の絶縁層15(図15参照)を半導体基板10の上記一表面側(図15の下面側)に形成する絶縁層形成工程を有し、陽極形成工程では、図14に示すように半導体基板10の上記一表面側において絶縁層15および半導体基板10の上記一表面の露出部位を覆う導電性層(例えば、Al膜、Al−Si膜など)からなる陽極12を半導体基板10とオーミック接触をなすように形成している点が相違する。なお、他の工程は実施形態1と同じなので説明を省略する。
本実施形態の半導体レンズ1の製造方法は実施形態1と略同じであって、実施形態1における陽極形成工程の代わりに、図16に示すように所望の曲面形状(所望のレンズ形状に関わる曲面形状)に応じてパターン設計した平面形状が円形状の絶縁層16を半導体基板10の上記一表面側に形成する絶縁層形成工程を採用している点が相違する。また、陽極酸化工程においては、図17に示すような陽極酸化装置Dを用い、p形のシリコン基板からなる半導体基板10の上記一表面側(図17における右面側)で半導体基板10の上記一表面および絶縁層16の表面に接し半導体基板10とオーミック接触をなす通電用の電解液C中において半導体基板10の上記一表面側に対向配置される白金電極からなる通電用電極21と、半導体基板10の他表面側(図17における左面側)において陽極酸化用の電解液B中で半導体基板10の上記他表面側に対向配置される白金電極からなる陰極25との間に電圧源31から通電することによって半導体基板10の上記他表面側を多孔質化することで除去部位となる多孔質部14を形成するようにしている点が相違する。ここで、各電解液B,Cとしては、55wt%のフッ化水素水溶液とエタノールとを1:1で混合した混合溶液を用いているが、フッ化水素水溶液の濃度やフッ化水素水溶液とエタノールとの混合比は特に限定するものではなく、フッ化水素溶液と混合する溶液も上述のようにエタノールに限定するものではない。なお、他の工程は実施形態1と同じなので説明を省略する。
本実施形態では、半導体レンズ1の製造方法として、図18(h)の上面側の凸曲面からなる曲面2および下面側の凸曲面からなる曲面3を有する両凸型の非球面レンズを製造する製造方法について図15を参照しながら説明するが、実施形態1と同様の工程については説明を適宜省略する。
本実施形態では、半導体レンズ1の製造方法として、図19(f)に示すような凹曲面からなる曲面2および凸曲面からなる曲面3を有する凹凸型の非球面レンズを製造する製造方法について図19を参照しながら説明するが、実施形態1と同様の工程については説明を適宜省略する。なお、本実施形態では、半導体基板10として実施形態1と同様に導電形がp形のものを用いているが、不純物濃度が1×1016cm−3以下の低不純物濃度であり、抵抗率が1Ωcm以上であるものを用いている。また、後述の各中心線は、実施形態1と同様に、半導体基板10の厚み方向に沿った中心線を意味する。
本実施形態では、半導体レンズ1の製造方法として、図20(e)に示すような凹曲面からなる曲面3および凸曲面からなる曲面2を有する凹凸型の非球面レンズを製造する製造方法について図20を参照しながら説明するが、実施形態1と同様の工程については説明を適宜省略する。なお、本実施形態では、半導体基板10として実施形態1と同様に導電形がp形のものを用いているが、不純物濃度が1×1016cm−3以下の低不純物濃度であり、抵抗率が1Ωcm以上であるものを用いている。また、後述の各中心線は、実施形態1と同様に、半導体基板10の厚み方向に沿った中心線を意味する。
本実施形態では、半導体レンズ1の製造方法として、図21(f)の下面側の凹曲面からなる曲面2および上面側の凹曲面からなる曲面3を有する両凹型の非球面レンズを製造する製造方法について図21を参照しながら説明するが、実施形態1と同様の工程については説明を適宜省略する。なお、本実施形態では、半導体基板10として実施形態1と同様に導電形がp形のものを用いているが、不純物濃度が1×1016cm−3以下の低不純物濃度であり、抵抗率が1Ωcm以上であるものを用いている。また、後述の各中心線は、実施形態1と同様に、半導体基板10の厚み方向に沿った中心線を意味する。
2 曲面
3 曲面
10 半導体基板
11 導電性層
12 陽極(第1の陽極)
13 開孔部
14 多孔質部(第1の多孔質部)
15 絶縁層
17 陽極(第2の陽極)
18 多孔質部(第2の多孔質部)
19 絶縁膜
19a 開孔部
本参考例の半導体レンズ1の製造方法は実施形態1と略同じであって、実施形態1では陽極形成工程において所望の曲面形状に応じてパターン設計した陽極12(円形状の開孔部13を有する陽極12)を形成していたのに対して、陽極形成工程の前に、所望の曲面形状(所望のレンズ形状に関わる曲面形状)に応じてパターン設計した円形状の絶縁層15(図15参照)を半導体基板10の上記一表面上(図15の下面側)に形成する絶縁層形成工程を有し、陽極形成工程では、図15に示すように半導体基板10の上記一表面側において絶縁層15および半導体基板10の上記一表面の露出部位を覆う導電性層(例えば、Al膜、Al−Si膜など)からなる陽極12を半導体基板10とオーミック接触をなすように形成している点が相違する。なお、他の工程は実施形態1と同じなので説明を省略する。
本実施形態の半導体レンズ1の製造方法は実施形態1と略同じであって、実施形態1における陽極形成工程の代わりに、図16に示すように所望の曲面形状(所望のレンズ形状に関わる曲面形状)に応じてパターン設計した平面形状が円形状の絶縁層16を半導体基板10の上記一表面上に形成する絶縁層形成工程を採用している点が相違する。また、陽極酸化工程においては、図17に示すような陽極酸化装置Dを用い、p形のシリコン基板からなる半導体基板10の上記一表面側(図17における右面側)で半導体基板10の上記一表面および絶縁層16の表面に接し半導体基板10とオーミック接触をなす通電用の電解液C中において半導体基板10の上記一表面側に対向配置される白金電極からなる通電用電極21と、半導体基板10の他表面側(図17における左面側)において陽極酸化用の電解液B中で半導体基板10の上記他表面側に対向配置される白金電極からなる陰極25との間に電圧源31から通電することによって半導体基板10の上記他表面側を多孔質化することで除去部位となる多孔質部14を形成するようにしている点が相違する。ここで、各電解液B,Cとしては、55wt%のフッ化水素水溶液とエタノールとを1:1で混合した混合溶液を用いているが、フッ化水素水溶液の濃度やフッ化水素水溶液とエタノールとの混合比は特に限定するものではなく、フッ化水素溶液と混合する溶液も上述のようにエタノールに限定するものではない。なお、他の工程は実施形態1と同じなので説明を省略する。
本実施形態では、半導体レンズ1の製造方法として、図18(h)の上面側の凸曲面からなる曲面2および下面側の凸曲面からなる曲面3を有する両凸型の非球面レンズを製造する製造方法について図18を参照しながら説明するが、実施形態1と同様の工程については説明を適宜省略する。
本実施形態では、半導体レンズ1の製造方法として、図19(f)に示すような凹曲面からなる曲面2および凸曲面からなる曲面3を有する凹凸型の非球面レンズを製造する製造方法について図19を参照しながら説明するが、実施形態1と同様の工程については説明を適宜省略する。なお、本実施形態では、半導体基板10として実施形態1と同様に導電形がp形のものを用いているが、不純物濃度が1×1016cm−3以下の低不純物濃度であり、抵抗率が1Ωcm以上であるものを用いている。また、後述の各中心線は、実施形態1と同様に、半導体基板10の厚み方向に沿った中心線を意味する。
本実施形態では、半導体レンズ1の製造方法として、図20(e)に示すような凹曲面からなる曲面3および凸曲面からなる曲面2を有する凹凸型の非球面レンズを製造する製造方法について図20を参照しながら説明するが、実施形態1と同様の工程については説明を適宜省略する。なお、本実施形態では、半導体基板10として実施形態1と同様に導電形がp形のものを用いているが、不純物濃度が1×1016cm−3以下の低不純物濃度であり、抵抗率が1Ωcm以上であるものを用いている。また、後述の各中心線は、実施形態1と同様に、半導体基板10の厚み方向に沿った中心線を意味する。
まず、半導体基板10の一表面側(図20(a)の下面側)に所望の曲面形状(曲面2の形状)に応じてパターン設計した陽極(以下、第1の陽極と称す)12を半導体基板10とオーミック接触をなすように形成する陽極形成工程(以下、第1の陽極酸化工程と称す)を行うことによって、図20(a)に示す構造を得る。ここにおいて、第1の陽極12は、中心線が半導体基板10における半導体レンズ1の形成予定領域の中心線と一致する開孔部13を有している。
本実施形態では、半導体レンズ1の製造方法として、図21(f)の下面側の凹曲面からなる曲面2および上面側の凹曲面からなる曲面3を有する両凹型の非球面レンズを製造する製造方法について図21を参照しながら説明するが、実施形態1と同様の工程については説明を適宜省略する。なお、本実施形態では、半導体基板10として実施形態1と同様に導電形がp形のものを用いているが、不純物濃度が1×1016cm−3以下の低不純物濃度であり、抵抗率が1Ωcm以上であるものを用いている。また、後述の各中心線は、実施形態1と同様に、半導体基板10の厚み方向に沿った中心線を意味する。
Claims (8)
- 半導体基板の一部を除去して曲面を形成する曲面の形成方法であって、所望の曲面形状に応じてパターン設計した陽極を半導体基板の一表面側に半導体基板とオーミック接触をなすように形成する陽極形成工程と、電解液中で半導体基板の他表面側に対向配置される陰極と陽極との間に通電して半導体基板の他表面側に除去部位となる多孔質部を形成する陽極酸化工程と、多孔質部を除去する多孔質部除去工程とを有し、陽極酸化工程では、半導体基板の前記他表面における多孔質部の形成予定領域の全域を電解液に接触させ、且つ、電解液として、半導体基板の構成元素の酸化物をエッチング除去する溶液を用いることを特徴とする曲面の形成方法。
- 前記陽極形成工程では、前記半導体基板の前記一表面側に前記陽極の基礎となる導電性層を形成した後、導電性層に円形状の開孔部を設けるように導電性層をパターニングすることで前記陽極を形成することを特徴とする請求項1記載の曲面の形成方法。
- 半導体基板の一部を除去して曲面を形成する曲面の形成方法であって、所望の曲面形状に応じてパターン設計した絶縁層を半導体基板の一表面側に形成する絶縁層形成工程と、半導体基板の前記一表面側において絶縁層および前記一表面の露出部位を覆う導電性層からなる陽極を半導体基板とオーミック接触をなすように形成する陽極形成工程と、電解液中で半導体基板の他表面側に対向配置される陰極と陽極との間に通電することによって半導体基板の他表面側を多孔質化することで除去部位となる多孔質部を形成する陽極酸化工程と、多孔質部を除去する多孔質部除去工程とを有し、陽極酸化工程では、半導体基板の前記他表面における多孔質部の形成予定領域の全域を電解液に接触させ、且つ、電解液として、半導体基板の構成元素の酸化物をエッチング除去する溶液を用いることを特徴とする曲面の形成方法。
- 半導体基板の一部を除去して曲面を形成する曲面の形成方法であって、所望の曲面形状に応じてパターン設計した絶縁層を半導体基板の一表面側に形成する絶縁層形成工程と、半導体基板の前記一表面および絶縁層の表面に接し半導体基板とオーミック接触をなす通電用の電解液中において半導体基板の前記一表面側に対向配置される通電用電極と陽極酸化用の電解液中で半導体基板の他表面側に対向配置される陰極との間に通電することによって半導体基板の前記他表面側を多孔質化することで除去部位となる多孔質部を形成する陽極酸化工程と、多孔質部を除去する多孔質部除去工程とを有し、陽極酸化工程では、半導体基板の前記他表面における多孔質部の形成予定領域の全域を陽極酸化用の電解液に接触させ、且つ、陽極酸化用の電解液として、半導体基板の構成元素の酸化物をエッチング除去する溶液を用いることを特徴とする曲面の形成方法。
- 前記絶縁層形成工程では、前記半導体基板の前記一表面側に前記絶縁層の基礎となる絶縁膜を形成した後、絶縁膜を円形状にパターニングすることで前記絶縁層を形成することを特徴とする請求項3または請求項4記載の曲面の形成方法。
- 前記絶縁層は、シリコン酸化膜もしくはシリコン窒化膜からなることを特徴とする請求項3ないし請求項5のいずれかに記載の曲面の形成方法。
- 前記陽極酸化工程では、前記電解液の電気抵抗値を調整することにより、前記多孔質部の形状を制御することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の曲面の形成方法。
- 前記多孔質部除去工程が前記多孔質部である第1の多孔質部を除去する第1の多孔質部除去工程であり、第1の多孔質部除去工程の後に、前記半導体基板の前記一表面側に所望の曲面形状に応じた厚み分布を有する第2の多孔質部を請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の陽極酸化工程により形成してから、第2の多孔質部を除去する第2の多孔質部除去工程を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の曲面の形成方法。
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