JP2007225326A - 電力ケーブル用高分子絶縁材料の劣化診断方法 - Google Patents

電力ケーブル用高分子絶縁材料の劣化診断方法 Download PDF

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Abstract

【課題】測定ごとに基準スペクトルを設定し直す必要がなく、劣化試料を用いても簡易かつ正確な劣化度合いの診断が可能な電力ケーブル用高分子絶縁材料の劣化診断方法に関する。
【解決手段】測定面において少なくとも25点の測定点を選択する選択ステップと、プリズムを第1の測定点に圧着する圧着ステップと、該第1の測定点に、アパーチャーサイズが一辺10〜50μmの範囲内の正方形の赤外光を照射し、検出光学系により反射赤外光を測定する測定ステップと、反射赤外光の強度から目的の化学構造に対応する波数の吸光度を検出する検出ステップと、他の測定点について圧着ステップ、測定ステップおよび検出ステップを順次繰返す繰返しステップと、各測定点について得られた吸光度の平均値を算出して高分子絶縁材料の劣化度を診断する診断ステップとを含む高分子絶縁材料劣化診断方法に関する。
【選択図】図1

Description

本発明は、劣化した状態の電力ケーブル用高分子絶縁材料においても簡易かつ正確に劣化状況を診断することが可能な電力ケーブル用高分子絶縁材料の劣化診断方法に関する。
長時間使用された後の電力ケーブルにおいては、被覆絶縁材料として用いられる高分子絶縁材料の劣化が進行しているのが通常である。高分子材料の劣化においては、酸化劣化によって高分子材料の分子中のカルボニル基が増加することが一般に知られている。現在、電力ケーブル用高分子絶縁材料の劣化の診断においては、カルボニル基の変化を捉える方法として、フーリエ変換赤外線分光計を用いた全反射法が提案されている。この方法ではカルボニル基の変化を赤外線の吸収強度の変化として検出するが、該吸収強度には試料の厚みや表面状態により誤差が生じるため、カルボニル基の吸収強度と同時に、劣化に関与しないと思われる基準スペクトルとしてたとえばメチレン基の吸収強度を測定し、カルボニル基の吸収強度とメチレン基の吸収強度との吸光度比で表すことによりカルボニル基の変化を捉えることが提案されている。
特許文献1には、自己融着性絶縁テープの巻き付けによる絶縁補強層を有した接続部を有し、ケーブルがゴム、プラスティックスによって絶縁された電力ケーブル線路の接続部を診断する際に、ケーブル線路を構成する複数の相のいずれか一層の接続部を解体して回収した絶縁補強層について、酸化度合、残留酸化防止剤の量、酸化誘導期、熱分解開始温度、および破断時の伸びによって制定される測定項目の少なくとも1つを測定し、測定した結果と測定項目のそれぞれに予め定められている判定基準を比較して、電力ケーブル線路全体の接続部の耐用寿命を判定することを特徴とするケーブル接続部の診断方法が提案されている。酸化度合に基づく耐用寿命の判定については、フーリエ変換赤外分光計で絶縁補強層の吸光度を測定したときの、カルボニル基の吸光度とメチレン基の吸光度との比、および、二重結合の吸光度とメチレン基の吸光度との比により寿命を診断することが提案されている。
一方、特許文献2には、ポリオレフィンが使用された絶縁ケーブルの劣化度合を寿命終点まで確認する方法として、ポリオレフィンの赤外線吸収スペクトルを測定し、カルボニル基吸光度と基準スペクトル吸光度との吸光度比を求め、その経時変化から劣化の程度を診断する方法が提案されている。
しかし、特許文献1に提案されるような方法においては、電力ケーブル用高分子絶縁材料の劣化が進行するにつれて試料の変形が著しくなるため、該変形の程度によっては測定不可能となるケースが生じる。また、特許文献2に提案されるような基準スペクトルを用いる方法においては、劣化の程度や材料組成の相違により、測定のたびに適切な基準スペクトルを設定し直すことが必要であり、より簡易で正確な診断方法が望まれている。
特開2000−346836号公報 特開2004−309277号公報
本発明は上記の課題を解決し、測定のたびに基準スペクトルを設定し直す必要がなく、劣化した状態の試料を用いても簡易かつ正確に劣化度合いを診断することが可能な電力ケーブル用高分子絶縁材料の劣化診断方法に関する。
本発明は、全反射分光分析法を用いた電力ケーブル用の高分子絶縁材料の劣化診断方法であって、高分子絶縁材料の測定面において、マッピング測定のための少なくとも25点の測定点を選択する選択ステップと、プリズムを測定点のうちの第1の測定点に圧着する圧着ステップと、第1の測定点に、アパーチャーサイズが一辺10〜50μmの範囲内の正方形とされた赤外光を照射し、検出光学系により反射赤外光を測定する測定ステップと、反射赤外光の強度から目的の化学構造に対応する波数の吸光度を検出する検出ステップと、測定点のうちの他の測定点について、該圧着ステップ、該測定ステップおよび該検出ステップを順次繰返す繰返しステップと、各測定点について得られた吸光度の平均値を算出することによって高分子絶縁材料の劣化度を診断する診断ステップと、を含む電力ケーブル用高分子絶縁材料の劣化診断方法に関する。
本発明はまた、上記の圧着ステップにおいて、プリズムの測定点への圧着力を圧力制御機構により制御する電力ケーブル用高分子絶縁材料の劣化診断方法に関する。
本発明はまた、上記の高分子絶縁材料が、架橋ポリエチレン、ポリエチレン、エチレンプロピレンゴム(EPR)、エチレンプロピレンジエン三元共重合体(EPDM)、エチレン酢酸ビニル共重合体、ブチルゴム(IIR)から選択される1種または2種以上を含む電力ケーブル用高分子絶縁材料の劣化診断方法に関する。
本発明に係る電力ケーブル用高分子絶縁材料の劣化診断方法によれば、劣化した状態の電力ケーブル用高分子絶縁材料においても、該劣化による変形の影響を受けることなく簡易かつ正確に劣化度合いを判断することが可能である。
本発明においては、全反射分光分析法(以下、ATR法とも称する)を用いて、電力ケーブルおよびその接続部に用いられている電力ケーブル用高分子絶縁材料の劣化を診断する。ATR法は、測定試料より屈折率の大きいプリズムを該測定試料に圧着し、赤外光を測定試料の測定面に全反射臨界角以上の入射角で照射して全反射させることにより、測定試料表面の極めて微小な深さ領域からの分光学的情報のみを得る方法である。この方法により、電力ケーブル用高分子絶縁材料の表面の劣化状態を精度良く診断することができる。
本発明が適用される電力ーブル用高分子絶縁材料の組成としては、ポリオレフィン系ポリマー、もしくは該ポリオレフィン系ポリマーと他のポリマーとのブレンドポリマー、または、これらのポリマーに架橋剤、酸化防止剤、充填剤、添加剤等の成分を配合したもの等が挙げられる。ポリオレフィン系ポリマーとしては、たとえば、架橋ポリエチレン、ポリエチレン、エチレンプロピレンゴム(EPR)、エチレンプロピレンジエン三元共重合体(EPDM)、エチレン酢酸ビニル共重合体、ブチルゴム(IIR)等が挙げられる。以下に本発明の劣化診断方法の手順について説明する。
<選択ステップ>
本発明の劣化診断方法においては、まず、測定対象である高分子絶縁材料の測定面において、マッピング測定のための少なくとも25点の測定点を選択する(選択ステップ)。測定点は、測定試料内のばらつきを校正して統計的に十分信頼できる値が得られるように選択する必要があり、この観点から本発明においては少なくとも25点が選択される。また、測定点間の距離は、測定対象の電力ケーブル用高分子絶縁材料の組成、劣化状況に応じて、目的の領域の平均的な劣化状況が診断結果に精度良く反映されるように設定されることが必要である。
図1は、本発明におけるマッピングの例について説明する図である。本発明においては、たとえば図1に示すように、測定面1上に複数の測定点2が選択される。電力ケーブル用の高分子絶縁材料の診断においては、少なくとも25点の測定点が、たとえば長方形または正方形で囲まれた領域内に含まれるように配列されても、たとえば直線上に配列されても良く、測定点の配列は試料の状態に応じて適宜選択され得る。測定領域の選択の例としては、たとえば図1に示されるような配列の5点×5点の25点の測定点が挙げられる。図1における測定点2は、これに限定されるものではないが、一例として測定域R1,R2がそれぞれ4mmとされた領域内において、測定間隔D1,D2がそれぞれ1mmの範囲内となるように配置されることができる。
<圧着ステップ>
次に、上記で選択した測定点のうちの1つを第1の測定点とし、球面状接触面を有するプリズムを該第1の測定点に圧着する(圧着ステップ)。具体的には本発明のATR法による劣化診断に使用する赤外分光装置の操作方法に従って行なえば良く、プリズムを測定面に圧着することによって精度の良い検出が可能である。本発明においては球面状接触面を有するプリズムを用いることが好ましい。これにより赤外光を高度に集光してアパーチャーサイズを小さくすることができるため、微細な照射領域の測定を行なうことが可能となる。
また本発明においては、プリズムの測定点への圧着力が圧力制御機構により制御されることが好ましい。測定対象である電力ケーブル用高分子絶縁材料は、劣化した状態にあるため厚みや表面状態が試料によって大きくばらつく。該圧着力を圧力制御機構によって一定範囲内に制御することによって、試料形状のばらつきによる測定誤差を低減し、より正確に劣化診断を行なうことが可能となる。具体的には、たとえば試料を押さえるためのプレスヘッドに圧力センサーが内蔵されたものを使用し、該圧力センサーの働きにより該圧着力を制御することができる。
<測定ステップ>
次に、第1の測定点に対して赤外光を照射し、検出光学系により反射赤外光を測定する(測定ステップ)。赤外光の照射領域の形状は特に限定されるものではないが、装置の特性上通常は正方形とされる。本発明においては、図1に示すように、赤外光の照射領域、すなわちアパーチャーサイズWが10〜50μmの範囲内とされる。アパーチャーサイズWが10μm以上とされることによって測定値の信頼性が良好に確保でき、50μm以下とされることによって、劣化した試料においても、形状のばらつきによる反射赤外光の強度のばらつきを低減して、正確な反射赤外光の検出が可能となる。
測定条件は測定試料の性状に応じて適宜設定することができ、測定箇所の選定に際しては、鏡台に載置できる程度の大きさの試料を用い、表面に凹凸がない箇所を適宜選択することが可能である。
<検出ステップ>
次に、測定ステップにおいて得られた反射赤外光の強度から目的の化学構造に対応する波数の吸光度を検出する(検出ステップ)。電力ケーブル用の高分子絶縁材料においては、酸化によるカルボニル基(>C=O)の生成が劣化を示す有力な指標となるため、カルボニル基の吸収スペクトル(1715cm-1)における吸光度を検出することにより該高分子絶縁材料の劣化診断を行なうことが好ましいが、カルボニル基の吸収スペクトルは、1680cm-1〜1750cm-1の領域で鋭く強い吸収を示すため、1690cm-1、1705cm-1、1730cm-1、1735cm-1、1750cm-1等、試料の状況に応じて最適な波数領域を採用することが可能である。
<繰返しステップ>
次に、選択ステップにおいて選択された測定点のうちの他の測定点についても、第1の測定点と同様の方法で、圧着ステップ、測定ステップおよび検出ステップを順次繰返す(繰返しステップ)。
<診断ステップ>
次に、選択ステップにおいて選択された全測定点について得られた吸光度の平均値を算出し、高分子絶縁材料の劣化度を診断する(診断ステップ)。たとえばカルボニル基に由来する吸収スペクトルを指標とする場合、劣化度は該吸収スペクトルにおける吸光度の増大度合により診断することができる。
以上のような方法により、電力ケーブル用高分子絶縁材料の劣化を診断することができる。
[実施例]
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<測定試料の調製>
表1に示す配合の電力ケーブル用高分子絶縁材料を調製した。EPDM(エチレンプロピレンジエン3元共重合体)に酸化防止剤を添加し、さらに架橋剤を加え、温度180℃で400kgf/cm2の圧力を加えながらプレス成形した。その後、架橋分解残渣を揮散させるため、80℃の真空恒温槽中で48時間乾燥させ、試験用高分子絶縁材料を調製した。
Figure 2007225326
注1:EPDM(エチレンプロピレンジエン三元共重合体)は、JSR社製の商品名「EPゴム」である。
注2:酸化防止剤は、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)である。
注3:架橋剤は、DCP(ジクミルパーオキサイド)である。
<吸収スペクトルの確認>
得られた試験用高分子絶縁材料につき、熱風循環式恒温槽を用いて加熱温度140℃で120時間劣化試験を行なった測定試料を調製し、日本分光社製のFT−IR(フーリエ変換赤外分光光度計)(FT/IR−670Plus)の赤外顕微鏡(IRT−30)を用い、熱劣化により生じるカルボニル基(>C=0)の吸収スペクトル、すなわち波数1715cm-1のスペクトルの吸光度を測定した。図2は、試験用高分子絶縁材料の劣化試験前後のFT-IRスペクトルを示す図である。なお劣化試験前の試料は上記で調製した試験用高分子絶縁材料である。図2に示すように、劣化試験後の試料においては、波数1715cm-1のカルボニル基のスペクトルが検出されていることが分かる。
<劣化診断>
上記で得られた試験用高分子絶縁材料につき、熱風循環式恒温槽を用い、加熱温度140℃で、加熱時間24時間、96時間、132時間の劣化試験をそれぞれ行ない、3種の測定試料を調製した。日本分光社製のFT−IR(フーリエ変換赤外分光光度計)(FT/IR−670Plus)の赤外顕微鏡(IRT−30)を用い、熱劣化により生じるカルボニル基(>C=0)の吸収スペクトル、すなわち波数1715cm-1のスペクトルの吸光度を測定した。
<測定点数の決定>
上記の劣化試験において加熱時間を96時間とした測定試料につき、測定点の選択条件を、縦3点×横3点の9点、縦4点×横4点の16点、縦5点×横5点の25点、縦6点×横6点の36点、縦7点×横7点の49点として上記の劣化診断を行なった。なおすべての選択条件において縦横の測定間隔がそれぞれ1mmとなるようにした。
図3は、測定点数を3×3としたときの吸光度の分布ヒストグラムであり、図4は、測定点数を4×4としたときの吸光度の分布ヒストグラムであり、図5は、測定点数を5×5としたときの吸光度の分布ヒストグラムであり、図6は、測定点数を6×6としたときの吸光度の分布ヒストグラムであり、図7は、測定点数を7×7としたときの吸光度の分布ヒストグラムである。図3〜7の結果から、劣化診断においては、測定点数が多くなる程分布が狭くなり精度が向上する傾向があるが、測定点数が5×5の25点以上の場合には、ヒストグラムの分布が十分狭く、劣化診断の精度が十分確保できることが分かる。
以下に述べる実施例においては、測定点数を縦5点×横5点の25点として劣化診断を行なった。
(実施例1)
上記の劣化試験において加熱時間を132時間とした測定試料につき、図1に示すような25点の測定点を選択し、本発明の方法に従ってマッピング測定による劣化診断を行なった。本実施例においては、アパーチャーサイズWを50μm、測定間隔D1およびD2はそれぞれ1mmとした。
上記で選択した測定点の1つに、赤外顕微鏡に設置されている接触面が球面のプリズムを測定装置の操作方法に従って試料に圧着させた。このときの圧着力は測定装置の圧力制御機構により自動的に所定の値にセットされた。プリズム圧着後、試料面に赤外光を照射して全反射吸収スペクトルを測定し、波数1715cm-1のスペクトル吸光度を測定した。この測定点における測定が終了した後、試料を移動させ、同じ手順で次の測定点のスペクトルを測定し、波数1715cm-1のカルボニル吸光度を求めた。このようにして測定を繰返し、25箇所の吸光度の測定値を求めた後、そのヒストグラムから吸光度の平均値を算出した。
(実施例2)
図8は、実施例2におけるマッピング測定の位置を示す図である。本実施例においては、15cm×7.5cmの試料片を用い、図1に示すような25点の測定点を含む領域として領域A〜Eの計5箇所を選択した。領域A〜Eの位置関係は図8に示すとおりである。領域A〜Eは一辺が5mmの正方形であり、領域A〜Dは、試料端から縦横2cmずつ離した位置に、領域Eは試料片の上下方向および左右方向において中央になる位置にそれぞれ設定されている。加熱時間が132時間である上記の測定試料につき、領域A〜Eの各々について実施例1と同様の測定方法でカルボニル基の吸収スペクトル(1715cm-1)から吸光度を測定した。
図9は、実施例1により得られた吸光度分布ヒストグラムであり、図10は、実施例2により得られた吸光度分布ヒストグラムである。図9および図10から分かるように、吸光度の分布を表す2つのヒストグラムはほぼ一致しており、実施例1の吸光度の平均値は0.0760、実施例2の吸光度の平均値は0.0776であった。これらの結果から、実施例1のような25点の測定点について測定すれば、劣化後の測定試料においても劣化診断を十分信頼性良く行なうことが可能であることが分かる。
<加熱時間と劣化挙動との関係>
(実施例3)
劣化試験における加熱時間が24時間である上記の測定試料につき、実施例1と同様の方法でカルボニル基の吸収スペクトル(1715cm-1)から吸光度を測定した。
(実施例4)
劣化試験における加熱時間が96時間である上記の測定材料につき、実施例1と同様の方法でカルボニル基の吸収スペクトル(1715cm-1)から吸光度を測定した。
Figure 2007225326
図11は実施例3により得られた吸光度分布ヒストグラムであり、図12は実施例4により得られた吸光度分布ヒストグラムである。図9、図11および図12に示す結果から分かるように、加熱時間の増加に伴いピークとなる吸光度の値が増していることが分かる。以上の結果から、本発明の方法により、電力ケーブル用高分子絶縁材料の劣化挙動が信頼性良く診断できていることが分かる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の劣化診断方法は、電力ケーブル用高分子絶縁材料の劣化度合いの診断に対して有用であり、劣化により試料変形が生じている場合に特に有用である。
本発明におけるマッピングの例について説明する図である。 試験用高分子絶縁材料の劣化試験前後のFT-IRスペクトルを示す図である。 測定点数を3×3としたときの吸光度の分布ヒストグラムである。 測定点数を4×4としたときの吸光度の分布ヒストグラムである。 測定点数を5×5としたときの吸光度の分布ヒストグラムである。 測定点数を6×6としたときの吸光度の分布ヒストグラムである。 測定点数を7×7としたときの吸光度の分布ヒストグラムである。 実施例2におけるマッピング測定の位置を示す図である。 実施例1により得られた吸光度分布ヒストグラムである。 実施例2により得られた吸光度分布ヒストグラムである。 実施例3により得られた吸光度分布ヒストグラムである。 実施例4により得られた吸光度分布ヒストグラムである。
符号の説明
1 測定面、2 測定点、D1,D2 測定間隔、R1,R2 測定域、W アパーチャーサイズ。

Claims (3)

  1. 全反射分光分析法を用いた電力ケーブル用の高分子絶縁材料の劣化診断方法であって、
    前記高分子絶縁材料の測定面において、マッピング測定のための少なくとも25点の測定点を選択する選択ステップと
    プリズムを前記測定点のうちの第1の測定点に圧着する圧着ステップと、
    前記第1の測定点に、アパーチャーサイズが一辺10〜50μmの範囲内の正方形とされた赤外光を照射し、検出光学系により反射赤外光を測定する測定ステップと、
    前記反射赤外光の強度から目的の化学構造に対応する波数の吸光度を検出する検出ステップと、
    前記測定点のうちの他の測定点について、前記圧着ステップ、前記測定ステップおよび前記検出ステップを順次繰返す繰返しステップと、
    各測定点について得られた前記吸光度の平均値を算出することによって前記高分子絶縁材料の劣化度を診断する診断ステップと、
    を含む、電力ケーブル用高分子絶縁材料の劣化診断方法。
  2. 前記圧着ステップにおいて、前記プリズムの前記測定点への圧着力を圧力制御機構により制御する、請求項1に記載の電力ケーブル用高分子絶縁材料の劣化診断方法。
  3. 前記高分子絶縁材料が、架橋ポリエチレン、ポリエチレン、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエン三元共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、ブチルゴムから選択される1種または2種以上を含む、請求項1に記載の電力ケーブル用高分子絶縁材料の劣化診断方法。
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