JP2007225195A - 穀物吸引搬送装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冬場などに、穀物搬送管路内に結露が生じることがなく、結露に起因して管詰まりなどを引き起こすことのない穀物吸引搬送装置を提供する。
【解決手段】搬送物となる穀物を収容する穀物供給部と、同穀物供給部から供給された穀物をエア搬送するエア搬送管路と、同エア搬送管路からエア搬送された穀物を受けて回収する穀物回収部と、前記エア搬送管路の終端部を連通した前記穀物回収部に連通連結し、吸気により前記エア搬送管路内に気流を生じさせる吸引機構と、を備えた穀物吸引装置において、前記吸引機構からの排出空気により、前記エア搬送管路を加温する搬送路加温手段を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、穀物吸引搬送装置に関するものである。
従来、図5に示すように、搬送物となる米や麦などの穀物100を供給する穀物供給部200と、同穀物供給部200から供給された穀物100をエア搬送するエア搬送管路としての搬送管300と、同搬送管300に連通し、エア搬送された穀物100を受けて回収する穀物回収部400と、この穀物回収部400に連通連結し、吸気により前記搬送管300内に気流を生じさせる吸引機構500とを備えた穀物吸引搬送装置があった(例えば、特許文献1を参照。)。
なお、図5中、410は穀物回収部400を構成する穀物受部、420は穀物受部410の下部に設けた穀物排出用のロータリーバルブ、430は穀物回収ホッパー、600は集塵機である。
特開2006−008304号公報
しかし、上記した従来の穀物吸引搬送装置では、例えば冬場のように外気温が低下した場合、エア搬送管路を構成する前記搬送管300内に結露が生じることがあり、この結露に穀物100が付着して管詰まりを引き起こすおそれがあった。特に、外気温度が10℃以下になった場合は、図示するように、搬送管300の屈曲部分320において結露が生じ、搬送される穀物の付着量が増大してしまうことが多かった。
そこで、従来では、電気ヒータなどを使用して、部分的な加熱をして結露防止を図っていたが、予期せぬ箇所で結露が生じたりする場合があり、しかも、電気ヒータを使用するとなれば、そのコスト的な負担も大きかった。
本発明は、上記課題を解決することのできる穀物吸引搬送装置を提供することを目的としている。
(1)請求項1記載の本発明は、搬送物となる穀物を収容する穀物供給部と、同穀物供給部から供給された穀物をエア搬送するエア搬送管路と、同エア搬送管路からエア搬送された穀物を受けて回収する穀物回収部と、前記エア搬送管路の終端部を連通した前記穀物回収部に連通連結し、吸気により前記エア搬送管路内に気流を生じさせる吸引機構と、を備えた穀物吸引装置において、前記吸引機構からの排出空気により、前記エア搬送管路を加温する搬送路加温手段を設けた。
(2)請求項2記載の本発明では、請求項1記載の穀物吸引搬送装置において、前記搬送路加温手段は、前記エア搬送管路の始端側に設けた外気連通口と前記吸引機構から伸延させた排気管とを連通させ、排風をエア搬送管路内に導入可能とした構成を備えることを特徴とする。
(3)請求項3記載の本発明では、請求項2記載の穀物吸引搬送装置において、前記排気管の中途に、排出空気量調整バルブと、温度センサとを設けたことを特徴とする。
(4)請求項4記載の本発明では、請求項1記載の穀物吸引搬送装置において、前記搬送路加温手段は、前記エア搬送管路を構成する内管の外側に外側管を設け、前記内管と外管との間に形成された空間に、前記吸引機構から伸延させた排気管を連通した構成であることを特徴とする。
(5)請求項5記載の本発明では、請求項4記載の穀物吸引搬送装置において、前記排気管から先端を前記エア搬送管路に連通させた分岐流路を伸延させ、この分岐流路に排出空気量調整バルブを設けたことを特徴とする。
(6)請求項6記載の本発明では、請求項1〜5のいずれか1項に記載の穀物吸引搬送装置において、前記エア搬送管路の中途から分岐して前記穀物回収部に終端を連通連結した分岐吸気管を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、外気よりも温度が高い吸引機構からの排気を利用してエア搬送管路全体にわたって内部の雰囲気温度を上昇させることができるので、露点を高めることができ、エア搬送管路内における結露を効果的に防止可能となる。しかも、元々外気に放出しているだけであった排気を有効利用できるので、コスト的にも有利となる。
本実施形態に係る穀物吸引搬送装置は、搬送物となる穀物を収容する穀物供給部と、同穀物供給部から供給された穀物をエア搬送するエア搬送管路と、同エア搬送管路からエア搬送された穀物を受けて回収する穀物回収部と、前記エア搬送管路の終端部を連通した前記穀物回収部に連通連結し、吸気により前記エア搬送管路内に気流を生じさせる吸引機構と、を備えた穀物吸引装置において、前記吸引機構からの排出空気(以下「排気」ともいう)により、前記エア搬送管路を加温する搬送路加温手段を設けたものである。
すなわち、穀物吸引搬送装置の特徴として、通常、吸引機構からの排気は外気温度よりも15〜30℃程度高くなることが分っている。
そこで、外気温が低下した場合のエア搬送管路内に結露が生じることを防止するために、外気温よりも高い温度の吸引機構からの排気を利用してエア搬送管路の昇温に作用させ、エア搬送管路内の温度を上昇させてエア搬送管の露点を高めることにより、結露を効果的に防止するようにしている。
上記構成の穀物吸引搬送装置において、前記搬送路加温手段としては、例えば、前記エア搬送管路の始端側に設けた外気連通口と、前記吸引機構から伸延させた排気管とを連通させ、排風をエア搬送管路内に導入可能とした構成とすることができる。
すなわち、元々外気に放出しているだけであった排気をエア搬送管路に導入するとともに循環させるようにすることで、エア搬送管路内を効果的に昇温させることが可能となる。このように、廃棄されていた排気を有効利用することができるので省エネルギとなり、結露防止対策費用の削減が図れる。なお、前記外気連通口と前記排気管との連通は、必ずしも両者が連結する必要はなく、外気連通口に排気管の先端が臨んでいればよい。
さらに、前記排気管の中途には、排出空気量調整バルブと、温度センサとを設けることが好ましい。
すなわち、吸引機構からの排気を全量ともエア搬送管路内に導入してしまうと、温度が上昇し過ぎるおそれがあり、上昇し過ぎると搬送する穀物が品質低下を起こすおそれがあるなど、悪影響を及ぼすことが考えられる。そこで、排気量の20〜90%の範囲で利用できるように排気量を調整するのである。排出空気量調整バルブは手動式であってもよいし、自動調整式であってもよい。特に、自動調整式の場合は、空調制御部を設けておき、この空調制御部に、前記排出空気量調整バルブのバルブ開閉用アクチュエータと、前記温度センサとを接続して、温度センサからの検出温度に応じて、バルブ開閉用アクチュエータを開閉動作させ、排気と外気とを適宜混合することによって、エア搬送管路内の温度を所定温度に保持させることができる。
さらに、排出空気中には適度な湿気があることから、これが飽和蒸気量の過大な増加にならない程度であれば、搬送する穀物が乾燥することを防止できる。
また、前記搬送路加温手段の他の実施形態として、前記エア搬送管路を構成する内管の外側に外側管を設け、前記内管と外管との間に形成された空間に、前記吸引機構から伸延させた排気管を連通した構成とすることもできる。
すなわち、エア搬送管路を二重管構造とし、実際に穀物を搬送する内管と、それを囲繞するように外管を設け、この外管と前記内管との間の間隙を排気流路の一部となし、内管を外から加温して、内部の温度を上昇させるのである。
また、この場合、前記排気管から先端を前記エア搬送管路に連通させた分岐流路を伸延させ、この分岐流路に排出空気量調整バルブを設けることもできる。
すなわち、エア搬送管路内に適当な湿気などを与えたい場合は、排出空気量調整バルブの開度を調整しながら排気の一部をエア搬送管路内部に導入することができる。なお、この場合においても、前記排気管と前記エア搬送管路との連通は、必ずしも両者が連結する必要はなく、排気管の先端がエア搬送管路の始端開口部に臨んでいる構成であっても構わない。
ところで、上述してきた穀物吸引搬送装置において、前記エア搬送管路の中途から分岐して前記穀物回収部に終端を連通連結した分岐吸気管を設けることができる。
すなわち、かかる構成とすれば、上述した作用効果に加え、エア搬送管路の中途に分岐吸気路を設けたことで穀物の搬送スピードを遅くすることができ、穀物に加わる衝撃を軽減して穀物の損傷を可及的に防止することが可能となる。
なお、エア搬送管路内を移動する穀物が分岐吸気管内に流入することを防止するために、前記分岐吸気管は、前記エア搬送管路から上方に向けて分岐させることが好ましく、より好ましくは、さらに前記エア搬送管路に対し、一旦、穀物の搬送方向とは逆向きに分岐させるとよい。
すなわち、エア搬送管路を搬送される穀物を分岐吸気流路に吸引させる力よりも、穀物自体の重力を含め、より大きな抵抗を付与することのできる構成とするものであり、穀物は抵抗なく直進できるエア搬送管路を低減された搬送速度でソフトに穀物回収部までは搬送されることになる。
以下、本発明に係る穀物吸引搬送装置の具体的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、ここでは搬送する穀物を米として説明するが、麦や豆などであってもよいことは当然である。
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態に係る穀物吸引搬送装置Aを示す模式的な全体説明図である。
図示するように、穀物吸引搬送装置Aは、穀物供給部1と、同穀物供給部1から供給された米などの穀物aの搬送路となるエア搬送管路2と、同エア搬送管路2を通ってエア搬送された穀物aを受ける穀物回収部4と、同穀物回収部4に連通連結し、当該穀物回収部4及び前記エア搬送管路2を介して空気とともに穀物aを吸引する吸引機構3とを備えている。
そして、穀物供給部1内に収納した穀物aを、吸引機構3を駆動してエア搬送管路2に供給するとともに、吸引によって穀物回収部4へエア搬送可能としている。
穀物供給部1は、穀物aを搗精する搗精機(ここでは精米機10としている)と、この精米機10から精米後の米(穀物a)を、シュート11を介して一次収容してエア搬送管路2に供給するホッパー12とからなり、このホッパー12の漏斗状底面13には、穀物供給口14を有する短尺の穀物供給筒15を下方に向けて突設している。また、穀物供給筒15には開閉自在のシャッター(図示せず)を取り付け、このシャッターのスライド量によって穀物供給口14開口幅を調整し、穀物aのエア搬送管路2への時間当たりの供給量を調整するようにしている。
エア搬送管路2は、始端部側と後端部側をそれぞれ上方へ略直角に湾曲形成しており、先端を拡開して外気の取込口とした始端開口部20を、前記穀物供給部1のホッパー12の穀物供給口14に臨ませる一方、後端部側を略水平方向に屈曲して穀物回収部4側に伸延させ、穀物回収部4を構成する穀物受部40の側壁に貫通させている。図中、41はエア搬送管路2の終端に連設され、穀物受部40内に湾曲させて先端を下方へ伸延させた穀物供給ガイドであり、穀物受部40の側壁40aに搬送された穀物aが勢いよく衝突することを防止して、穀物aが損傷することがないようにしている。また、2aはエア搬送管路2の第1の屈曲部、2bは同第2の屈曲部、2cは同第3の屈曲部である。
このように、本実施形態では、吸引機構3によりエア搬送管路2内に引き込む外気の取込口がエア搬送管路2内に穀物aを取り込む穀物投入口としても機能する構成となっており、穀物aを自然落下によってエア搬送管路2内に簡単に供給しつつ外気を吸引することができ、穀物aは散逸することなく効果的にエア搬送管路2内に供給され、気流に乗ってそのままエア搬送管路2内を流れて穀物回収部4へ搬送される。
また、穀物供給部1とエア搬送管路2とがそれぞれ独立しているので、穀物吸引搬送装置Aの製造時に、穀物供給部1とエア搬送管路2とを溶接などによって接続する工程などが不要となり、穀物吸引搬送装置A全体の製造が容易となって、この点からもコスト低減を図ることが可能となる。
穀物回収部4は、図1に示すように、前記エア搬送管路2と連通連設した前記穀物受部40と、この穀物受部40の下端部に形成した穀物取出口42に連設したロータリーバルブ43と、このロータリーバルブ43の下方に配設した穀物収容ホッパー44とを備えている。
吸引機構3は、前記穀物受部40の天井部に吸気管30を連通連結するとともに、この吸気管30の終端側に、集塵機5を介してブロワ装置31を連通連結している。そして、ブロワ装置31に排気管32の始端32aを連通連結している。なお、50は集塵機5に設けたロータリーバルブである。
かかる構成により、エアを圧送する方式の送気装置などに比べて比較的小能力の吸引機構3による吸引によって、穀物aをエア搬送することができ、装置全体をコンパクト化することができる。
上述した構成の穀物吸引搬送装置Aにおいて、本実施形態では、排気管32の先端32bを、前記穀物供給部1のホッパー12に連通させ、吸引機構3からの排気を、エア搬送管路2に導入可能にした点に特徴がある。
そして、本実施形態では、排気管32の中途には、排出空気量(排気量)調整バルブ6を取付けるとともに、この排気量調整バルブ6の下流側には温度センサ7を取付けている。また、排気管32の中途であって、前記排気量調整バルブ6の上流側には分岐排気管33を設け、その先端33aを外気に開放している。
なお、排気管32とホッパー12との連通は、必ずしも連結した状態とする必要はなく、ブロワ装置31からの排気をエア搬送管路2に導入可能であればよい。すなわち、ホッパー12の上面を開口させている場合は、この開口に排気管32の先端32bを臨ませておけばよい。
かかる構成により、前記排気量調整バルブ6を全閉としない限り、吸引機構3のブロワ装置31を駆動すると、精米機10からホッパー12を介して穀物aがエア搬送管路2内を気流に乗って穀物回収部4へ搬送される一方、排気管32からは、外気よりも通常15〜30℃程度温度の高い排出空気がエア搬送管路2内に導入されて循環することになる。このとき、外気が外気取込口から引き込まれるときのエジェクタ効果により、排気管32からの排気も円滑にエア搬送管路2内に引き込まれて還流することになる。
したがって、エア搬送管路2内の温度が全体に亘って上昇し、当該エア搬送管路2内の空気中に含むことのできる水蒸気量も増大する。還元すれば、エア搬送管路2内の露点(水蒸気が飽和状態の温度)が高まることで、冬場などにおいても結露し難くなるのである。
温度と飽和水蒸気量との関係は、図2に示すグラフのように、温度が高ければ飽和水蒸気量が増大する。したがって、例えば冬場の外気が10℃であったとすると、従来の穀物吸引搬送装置であれば、エア搬送管路2内の温度も下がり(例えば外気温10℃近くになる)、しかも、精米前よりは温度上昇し、若干の水分を含む穀物aが次々と通過することで水蒸気がドレン化し、特に、前記第1屈曲部2aや第2屈曲部2b付近で結露が生じ、これに穀物aが付着して管詰まりを引き起こす要因となっていた。そこで、外気よりも温度の高い排気をエア搬送管路2内に引き込むことにより、例えば温度が数度でも上昇すれば、それだけ露天も高くなって結露を防止することが可能となる。
また、エア搬送管路2内の温度上昇が過剰になると、穀物aの品質を低下させるおそれがあるので、本実施形態では、前記排気量調整バルブ6を用いて、全排気量のうち、20〜90%の範囲で外気と混合するようにしている。特に、本実施形態では、前記排気量調整バルブ6よりも上流側に、外気に開放した分岐排気管33を予め設けているので、ブロワ装置31からの排気の一部を放出して、排気量調整バルブ6による上述した20〜90%の範囲での外気と混合を円滑に行えるようにしている。
排気量の調整は、前記温度センサ7により監視する管内温度に基いて適宜調整すればよいが、望ましくは、空調制御部(図示せず)を設けておき、この空調制御部に、前記排気量調整バルブ6のバルブ開閉用アクチュエータ(図示せず)と、前記温度センサ7とを接続して、温度センサ7からの検出温度に応じて、バルブ開閉用アクチュエータを開閉動作させ、排気と外気とを適宜混合することによって、エア搬送管路2内の温度を所定温度に保持させる、所謂フィードバックを行うとよい。
以上説明してきたように、本実施形態によれば、外気よりも温度が高い吸引機構3(ブロワ装置31)からの排気を利用してエア搬送管路2全体にわたって内部の雰囲気温度を上昇させることができるので、露点を高めることができ、エア搬送管路2内における結露を効果的に防止することができ、結露によって穀物aが管壁に付着することに起因する管詰まりを防止することができる。
しかも、元々系外に放出しているだけであったブロワ装置31からの排気を有効利用できるので、電気ヒータなどを使用することに比べ、ランニングコストを大幅に削減することができる。
ところで、本実施形態に係る穀物吸引搬送装置Aでは、エア搬送管路2の終端部近傍から分岐させてその終端部81を穀物受部40に連通連結した分岐吸気管8を設けている。
この分岐吸気管8は、前記エア搬送管路2の下流部側、すなわち、前記穀物回収部4の穀物受部40の直前部分に設けられており、エア搬送管路2から、一旦、穀物aの搬送方向とは逆向きで、かつ上方に向けて分岐させるとともに、穀物受部40側に向けて湾曲させて、終端部51を伸延させて穀物受部40の側壁40aを貫通させるとともに、そのまま略45度の角度で斜め下方へ伸延させている。
かかる構成により、吸引機構3からの吸気は、前記分岐吸気管の先端開口からもなされることになり、エア搬送管路2の吸引力は低減することになる。しかも、分岐吸気管8を穀物aの搬送方向とは逆向きで且つ上方へ分岐させていることから、穀物a自体の重力を含めた大きな抵抗が、穀物aを分岐吸気管8内に吸引させる力よりも勝り、穀物aは抵抗なく直進できるエア搬送管路2を低減された搬送速度でソフトに穀物回収部4の穀物受部40までは搬送されることになる。したがって、穀物aは緩い速度で穀物受部40内に搬送され、衝撃が緩和されて穀物aの損傷を未然に防止することができる。特に、本実施形態では、穀物供給ガイド41を設けているので、穀物aの損傷防止機能はより高まる。
なお、前記分岐吸気管8の湾曲部52の曲率や周長さ、あるいは分岐部53からの分岐角度などは適宜設定することができる。また、エア搬送管路2と分岐吸気管8との連通部となる前記分岐部53には、搬送対象となる穀物aよりも小さい目を有する網状体などのフィルタ(図示せず)を配設して、穀物aが分岐吸気管8に流入することをより確実に防止することもできる。
[第2の実施形態]
次に、図3を参照して第2の実施形態に係る穀物吸引搬送装置Bについて説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を用いて、その詳細な説明は省略する。
図示するように、本実施形態に係る穀物吸引搬送装置Bも先の第1の実施形態に係る穀物吸引搬送装置Aと同様に、穀物供給部1と、同穀物供給部1から供給された米などの穀物aの搬送路となるエア搬送管路2と、同エア搬送管路2を通ってエア搬送された穀物aを受ける穀物回収部4と、同穀物回収部4に連通連結し、当該穀物回収部4及び前記エア搬送管路2を介して空気とともに穀物aを吸引する吸引機構3とを備えている。
かかる構成において、本実施形態で特徴的な構成は、前記エア搬送管路2を、実際に穀物を搬送する内管21と、それを囲繞するように外管22とからの二重管構造として、前記内管21と外管22との間に形成された空間に、前記吸引機構3から伸延させた排気管32’を連通した構成としている。
すなわち、前記空間を、前記排気管32’に連通した排気流路23とし、この排気流路23内に外気よりも高温の排気を通すことで、エア搬送管路2を外から加温して、内部の温度を上昇させ、露点を高めるようにしたものである。
この場合、エア搬送管路2となる内管21が外管22により覆われており、冬場の低温の外気とは直接触れていないので外部へ急激に熱を奪われることがなく、かつ排気流路23中には比較的高温(外気よりも15〜30℃高い)の排気が流れて内管21を加温できることから内管21内部の露点も上昇して結露の防止が図れる。
また、この場合、図4に示すように、前記排気管32’から先端を前記エア搬送管路2の内部、すなわち内管21に連通させるための分岐流路34を伸延させ、この分岐流路に排気量調整バルブ6を設けることもできる。
すなわち、内管21(エア搬送管路2)内に適当な湿気などを与えたい場合は、排気量調整バルブ6の開度を調整しながら排気の一部をエア搬送管路2の内部に導入することができる。なお、この場合においても、前記分岐流路34を構成する管体と前記エア搬送管路2(内管21)との連通は、必ずしも両者が連結する必要はなく、管体の先端がエア搬送管路2の始端開口部20に臨んでいる構成であればよい。
上述してきた実施形態を通して本発明を説明したが、本発明は実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものでもない。
第1の実施形態に係る穀物吸引搬送装置を示す模式的な全体説明図である。 温度と飽和水蒸気量の関係を示すグラフである。 第2の実施形態に係る穀物吸引搬送装置を示す模式的な全体説明図である。 同第2の実施形態に係る穀物吸引搬送装置の変形例を示す説明図である。 従来の穀物吸引搬送装置を示す模式的な全体説明図である。
符号の説明
A 穀物吸引搬送装置
B 穀物吸引搬送装置
a 穀物
1 穀物供給部
2 エア搬送管路
3 吸引機構
4 穀物回収部
6 排気量調整バルブ
7 温度センサ
8 分岐吸引管
32 排気管

Claims (6)

  1. 搬送物となる穀物を収容する穀物供給部と、
    同穀物供給部から供給された穀物をエア搬送するエア搬送管路と、
    同エア搬送管路からエア搬送された穀物を受けて回収する穀物回収部と、
    前記エア搬送管路の終端部を連通した前記穀物回収部に連通連結し、吸気により前記エア搬送管路内に気流を生じさせる吸引機構と、
    を備えた穀物吸引装置において、
    前記吸引機構からの排出空気により、前記エア搬送管路を加温する搬送路加温手段を設けたことを特徴とする穀物吸引搬送装置。
  2. 前記搬送路加温手段は、前記エア搬送管路の始端側に設けた外気連通口と前記吸引機構から伸延させた排気管とを連通させ、排風をエア搬送管路内に導入可能とした構成を備えることを特徴とする請求項1記載の穀物吸引搬送装置。
  3. 前記排気管の中途に、排出空気量調整バルブと、温度センサとを設けたことを特徴とする請求項2記載の穀物吸引搬送装置。
  4. 前記搬送路加温手段は、前記エア搬送管路を構成する内管の外側に外側管を設け、前記内管と外管との間に形成された空間に、前記吸引機構から伸延させた排気管を連通した構成であることを特徴とする請求項1記載の穀物吸引搬送装置。
  5. 前記排気管から先端を前記エア搬送管路に連通させた分岐流路を伸延させ、この分岐流路に排出空気量調整バルブを設けたことを特徴とする請求項4記載の穀物吸引搬送装置。
  6. 前記エア搬送管路の中途から分岐して前記穀物回収部に終端を連通連結した分岐吸気管を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の穀物吸引搬送装置。
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