JP2007224493A - タフトカーペット基布 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】合成樹脂フィラメントと、該フィラメントを互いに固定させるバインダー成分とで構成される長繊維不織布において、フィラメントの繊度が1.5〜3.5dtex、 バインダー樹脂の含有率が3〜30質量%、目付が70〜200g/m2であり、放出されるホルムアルデヒドの量が0.50μg以下であることを特徴とするタフトカーペット基布。
【選択図】なし
Description
特にホルムアルデヒドに関しては、1997年に厚生省(当時)から住宅におけるガイドライン値が発表されるなど、明確に問題視されてきており、その発生源は、住宅建築材料である木材、合板、内装材に使われる接着剤、防腐剤、防蟻剤、生活空間内の家具・調度品、生活用品、および業務用事務機器等あらゆる分野に渡っている。
ホルムアルデヒド対策として、ホルムアルデヒド吸着剤を具備させる方法(特許文献1など)やホルムアルデヒド吸着剤をコーティングする方法(特許文献2など)などが知られているが、十分な対策にはなっていない。
1.合成樹脂フィラメントと、該フィラメントを互いに固定させるバインダー成分とで構成される長繊維不織布において、フィラメントの繊度が1.5〜3.5dtex、 バインダー樹脂の含有率が3〜30質量%、目付が70〜200g/m2であり、シリコン樹脂エマルジョンを含み、放出されるホルムアルデヒドの量が0.50μg以下であることを特徴とするタフトカーペット基布。
2.合成樹脂フィラメントが、互いに熱及び圧力によって固定された後、さらにバインダー成分によって固定されてなることを特徴とする前項1に記載のタフトカーペット基布。
3.合成樹脂フィラメントが、ニードルパンチによって互いに絡められた後、さらにバインダー成分によって固定されてなることを特徴とする前項1に記載のタフトカーペット基布。
4.合成樹脂フィラメントが、ニードルパンチによって互いに絡められた後、バインダー成分によって固定され、その後、さらに熱及び圧力によって固定されてなることを特徴とする前項1に記載のタフトカーペット基布。
本発明におけるフィラメントを形成する合成樹脂とは、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレンなどの公知の合成繊維材料を用いることができるが、リサイクルのしやすさ、耐熱性などの観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のホモポリエステルやこれらの成分以外に共重合成分を有する公知の共重合ポリエステルなどの一般的なポリエステルが好ましい。
これらの合成樹脂材料には安定剤、紫外線吸収剤、吸湿剤、滑剤、顔料等が含まれても良いが、これらにホルムアルデヒドの発生源を有することは好ましくない。
バインダー樹脂処理する前のシートの目付は60〜150g/m2、好ましくは80〜120g/m2である。この不織布ウェッブの目付量が60g/m2未満の場合には、タフトカーペット用基布として必要な引張り強力や5%伸張時応力などの物性が得られず、製品カーペットの寸法安定性が低くなる。反対に目付量が大きすぎると、過剰物性となって基布として不経済となるばかりでなく、目付増加による厚みの増加で消費パイル糸も増え、製品としても不経済である。また、厚みが増すことにより、バッキング材の基布への入り込みが低下し、これにより製品のキャスター性が低下するという問題もかかえることになる。
カーペット基布としての目付は、70〜200g/m2であり、放出されるホルムアルデヒドの量が0.50μg以下である。
本発明における放出されるホルムアルデヒドの量とは、以下の方法で測定されるものである。
(1)ホルムアルデヒド発生量は次の方法:長繊維不織布5cm×10cm×10片を採取容器にとる。採取容器内温度=70℃で高純度窒素ガスを0.2ml/minの速度で流入させ、市販のDNPH(2,4−ジニトロフェニルヒドラジン)カートリッジに1時間12リットル通し、発生したホルムアルデヒドをDNPH誘導体化し固相吸着させる。 カートリッジからアセトニトリル5mlでホルムアルデヒドDNPH誘導体を抽出し、試料溶液を作成する。
試料溶液を高速液体クロマトグラフ(HPLC):Hewlett−Packard社製HP1100:に導入し分析する。
その他のHPLC分析条件は、カラム:Waters社製μBondapak C1810μm 125Å 3.9mm×150mm、移動相:水/アセトニトリル=45/55、流速=0.8ml/min、検出:UV 360nm。
以上より、一時間あたりの通気量12リットルの温度70℃の窒素ガス流雰囲気下において面積500cm2の長繊維不織布から窒素ガス12リットル中に放出されるホルムアルデヒドの量を求める。
得られたカーペット用基布を円形土台の上にベルトで固定し、エー・アンド・デイ社製RTC−1250測定器の上側チャックにタフティング針を一本設置し、それを用いて土台上のタフテッドカーペット用基布に穿孔し、その際の荷重(N)を測定した。なお、タフト針はSNF Spezialnadelfabrik社製0556FLを用いた。
得られたカーペット用基布に920デニールのナイロン製パイル糸を用いてゲージ8本/1インチ、ステッチ数8/1インチ、ループパイルの高さ4mmの条件でタフティングを行い、タフト性の評価を行なった。
ポリエチレンテレフタレートを溶融紡糸し、スパンボンド法により単糸繊度を2.2dtexのフィラメントでウエブを形成し、ニードルパンチ加工(針密度65回/cm2、針深さ10mm)を施した後、ノンホルマリンタイプのアクリル樹脂:大日本インキ化学工業社製VONCOAT ED−85及び平滑剤としてシリコン樹脂エマルジョンである大日本インキ化学工業社製DIC−SILICONE−SOFTNER 300の調合液をパッド・ニップして乾燥後、160℃で3分間ベーキングし、目付100g/m2でバインダー成分の付与量が10質量%の基布を得た。この基布を前述の方法でホルムアルデヒド発生量を測定した結果、ホルムアルデヒド発生量は0.29μgであった。また、タフト針貫通抵抗は5Nであった。
さらに、得られた基布について、タフト性を評価したところ、何ら問題がなかった。
ポリエチレンテレフタレートを溶融紡糸し、スパンボンド法により単糸繊度を3.9dtexのフィラメントでウエブを形成し、ニードルパンチ加工(針密度65回/cm2、針深さ10mm)に続き、エンボスローラーで熱接着(200℃)した後、ホルムアルデヒドフリータイプの自己架橋型アクリル樹脂(BASFディスパージョン社製 アクロナール2348)及び実施例1と同じ平滑剤にて実施例1と同様にパッド・ニップ・ベーキング方式で固定化処理した後、さらにカレンダーローラーで熱圧着(205℃)し、目付160g/m2でバインダー成分の付与量が15%の基布を得た。
この基布を前述の方法でホルムアルデヒド発生量を測定した結果、ホルムアルデヒド発生量は0.44μgであった。タフト針貫通抵抗は6Nであった。
さらに、得られた基布について、タフト性を評価したところ、何ら問題がなかった。
ポリエチレンテレフタレートを溶融紡糸し、スパンボンド法により単糸繊度を3.9dtexのフィラメントでウエブを形成し、エンボスローラーで熱接着した後、一般的な架橋反応性をもつアクリル樹脂および架橋剤としてメラミン樹脂、触媒として3級アミンからなる調合液にて実施例1と同様にパッド・ニップ・ベーキング方式で固定化処理した後、さらにカレンダーローラーで熱圧着(205℃)し、目付100g/m2でバインダー成分の付与量が10%の基布を得た。
この基布を前述の方法でホルムアルデヒド発生量を測定した結果、ホルムアルデヒド発生量は9.17μgであった。タフト針貫通抵抗は12Nであった。
実施例1において、単糸繊度を4.0dtexとした以外は、実施例1と同様にして基布を得た。さらに、得られた基布について、タフト性を評価したところ、パイル糸の保持力が低く、また、基布としての特性に劣るものであった。
Claims (4)
- 合成樹脂フィラメントと、該フィラメントを互いに固定させるバインダー成分とで構成される長繊維不織布において、フィラメントの繊度が1.5〜3.5dtex、 バインダー樹脂の含有率が3〜30質量%、目付が70〜200g/m2であり、シリコン樹脂エマルジョンを含み、放出されるホルムアルデヒドの量が0.50μg以下であることを特徴とするタフトカーペット基布。
- 合成樹脂フィラメントが、互いに熱及び圧力によって固定された後、さらにバインダー成分によって固定されてなることを特徴とする請求項1に記載のタフトカーペット基布。
- 合成樹脂フィラメントが、ニードルパンチによって互いに絡められた後、さらにバインダー成分によって固定されてなることを特徴とする請求項1に記載のタフトカーペット基布。
- 合成樹脂フィラメントが、ニードルパンチによって互いに絡められた後、バインダー成分によって固定され、その後、さらに熱及び圧力によって固定されてなることを特徴とする請求項1に記載のタフトカーペット基布。
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