JP2007224338A - アルミニウム化合物コート銅粉及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電解銅粉を主体としてなる銅粉において、高温で焼結しても焼結後の空隙率を高く維持できる、新たな銅粉を提供する。
【解決手段】電解銅粉粒子の表面にアルミニウム化合物層を備えたアルミニウム化合物コート銅粉粒子からなるアルミニウム化合物コート銅粉を提案する。何らコートしていない同じ粒径の電解銅粉と比較して、高温で焼結しても焼結後の空隙率を高く維持することができる。
【選択図】なし
【解決手段】電解銅粉粒子の表面にアルミニウム化合物層を備えたアルミニウム化合物コート銅粉粒子からなるアルミニウム化合物コート銅粉を提案する。何らコートしていない同じ粒径の電解銅粉と比較して、高温で焼結しても焼結後の空隙率を高く維持することができる。
【選択図】なし
Description
本発明は、電子機器、通信機器、輸送機器などに使用される熱交換器、放熱器、ヒートパイプの内壁材や外壁材など、優れた熱交換性が要求される熱交換部材を形成するのに用いる銅粉、詳しくは電解法によって得られる電解銅粉を主体としてなる銅粉とその製造方法に関する。
電子機器、通信機器、輸送機器などに使用される熱交換器、放熱器、ヒートパイプなどの内壁材や外壁材には、強度や耐食性と共に優れた熱交換性(伝熱性)が要求される。特にヒートパイプなどの内壁材や外壁材には、熱交換性の点から内壁表面積が高く、且つ空隙率が高いことが求められる。
ヒートパイプとは、両端を閉じたパイプ中に作動液を封入した熱交換装置であり、パイプの片端(高温部)で温められた作動液が蒸発して熱を吸収し、パイプ中を拡散し、反対端(低温部)にて潜熱を放出して凝縮して液体となり、そして重力や毛管力によって再び高温部へ戻るように構成されており、このようにしてパイプ高温端から低温端へ熱を伝達する仕組みの熱交換装置である。小さな温度差で大量の熱輸送が可能であるため、人工衛星の温度制御や電気機器の放熱、家電、灼熱炉、融雪などに広く用いられている。
従来、この種の構成材料としては、金属粉の焼結体、中でも銅粉焼結体が使用されることが多かった(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
電解法によって得られる銅粉(「電解銅粉」という。)は、デンドライト状を呈するがゆえに空隙を多く含んでおり、ポーラスで空隙率の高い焼結体を得ることが本来的に可能である。しかしその一方で、電解銅粉は、高温で焼成すると容易に焼結が進み、収縮して空隙率が低くなるという課題を抱えていた。
そこで本発明は、電解銅粉を主体としてなる銅粉において、高温で焼結しても焼結後の空隙率を高く維持することができる、新たな銅粉を提供せんとするものである。
かかる課題解決のため、本発明は、電解銅粉粒子、すなわち電解法によって得られた銅粉粒子の表面にアルミニウム化合物層を備えたアルミニウム化合物コート銅粉粒子からなるアルミニウム化合物コート銅粉を提案する。
本発明において「電解」とは、DSE電極を用いた電解採取、銅電極を用いた電解精製のどちらも包含するものである。
本発明において「電解」とは、DSE電極を用いた電解採取、銅電極を用いた電解精製のどちらも包含するものである。
本発明のアルミニウム化合物コート銅粉は、何らコートしていない同じ粒径の電解銅粉と比較して、800℃以上の高温で焼結しても焼結後の空隙率を高く維持することができる。電解法によって得られる電解銅粉は、その形状異方性ゆえに粉体状態で空隙を多く含んでおり、空隙率の高い焼結体を得るのに好適である。そして、このような電解銅粉粒子表面に、さらにアルミニウム化合物でコートすることによって、より空隙率が高く、焼結時の収縮が起こり難いものとなる。
よって、本発明のアルミニウム化合物コート銅粉は、焼結することによって、優れた熱交換率が要求される材料、例えば電子機器、通信機器、輸送機器などに使用される熱交換器、放熱器、ヒートパイプのフィン部材や内壁材、外壁材など、優れた熱交換性が要求される熱交換部材の原材料として好適に用いることができる。
よって、本発明のアルミニウム化合物コート銅粉は、焼結することによって、優れた熱交換率が要求される材料、例えば電子機器、通信機器、輸送機器などに使用される熱交換器、放熱器、ヒートパイプのフィン部材や内壁材、外壁材など、優れた熱交換性が要求される熱交換部材の原材料として好適に用いることができる。
以下、本発明の実施形態について詳述するが、本発明の範囲が以下の実施形態に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意であり、「好ましくはXより大きく、Yより小さい」の意を包含するものである。
また、本明細書において「主成分」と記載した場合、特に記載しない限り、当該主成分の機能を妨げない範囲で他の成分を含有することを許容する意を包含するものであり、当該主成分の含有割合を特定するものではないが、主成分は50質量%以上、特に70質量%以上、中でも特に90質量%以上(100%を含む)を占めるのが好ましい。
なお、本明細書において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意であり、「好ましくはXより大きく、Yより小さい」の意を包含するものである。
また、本明細書において「主成分」と記載した場合、特に記載しない限り、当該主成分の機能を妨げない範囲で他の成分を含有することを許容する意を包含するものであり、当該主成分の含有割合を特定するものではないが、主成分は50質量%以上、特に70質量%以上、中でも特に90質量%以上(100%を含む)を占めるのが好ましい。
本実施形態の電解銅粉(以下「本電解銅粉」という)は、電解銅粉粒子の表面に、アルミニウム化合物層を備えたアルミニウム化合物コート銅粉粒子からなるアルミニウム化合物コート銅粉である。
本電解銅粉の中心粒径(D50)、すなわちレーザー回折散乱式粒度分布測定装置によって測定される体積累積粒径D50は、5μm〜50μm、特に8μm〜45μm、中でも特に10μm〜40μmであるのが好ましい。D50が5μmより小さいと、高温で焼結した際に空隙率が低下し、アルミニウム化合物コートの効果が有効に発現しないようになる。他方、50μmより大きいと、粉体自体の見掛密度が高いために焼結体の空隙率が低くなってしまう。
本電解銅粉の見掛密度は、0.30g/cm3〜2.50g/cm3、特に0.40g/cm3〜2.30g/cm3、中でも特に0.50g/cm3〜2.00g/cm3であるのが好ましい。
見掛密度が0.30g/cm3より低いと、本電解銅粉を用いた焼結体の空隙率が高すぎて強度が著しく低下してしまう。その一方、2.50g/cm3より高いと焼結体の空隙率を高くすることが難しくなる。
見掛密度が0.30g/cm3より低いと、本電解銅粉を用いた焼結体の空隙率が高すぎて強度が著しく低下してしまう。その一方、2.50g/cm3より高いと焼結体の空隙率を高くすることが難しくなる。
本電解銅粉は、何らコートしていない電解銅粉と比較して、空隙が高い焼結体を得ることができるばかりか、高温で焼結しても焼結後の空隙率を高く維持することができる。
具体的には、本電解銅粉を、水素雰囲気下で830℃で2時間焼成した場合であっても、空隙率が70%以上、好ましくは70〜95%、より好ましくは75%〜92%、中でも好ましくは80%〜90%の焼結体を得ることができる。この際、焼結体の空隙率が70%より低くなるようでは、焼結体の熱交換機能が効率的に働かないようになる。他方、95%より高いと、焼結体の強度が著しく低下してしまう。
なお、830℃で2時間焼結するとは、当該温度を少なくとも2時間保持することをいう。
具体的には、本電解銅粉を、水素雰囲気下で830℃で2時間焼成した場合であっても、空隙率が70%以上、好ましくは70〜95%、より好ましくは75%〜92%、中でも好ましくは80%〜90%の焼結体を得ることができる。この際、焼結体の空隙率が70%より低くなるようでは、焼結体の熱交換機能が効率的に働かないようになる。他方、95%より高いと、焼結体の強度が著しく低下してしまう。
なお、830℃で2時間焼結するとは、当該温度を少なくとも2時間保持することをいう。
(電解銅粉)
本電解銅粉の芯材としての電解銅粉(以下「芯材」とも言う。)は、電解法によって得られる銅粉粒子であるため、デンドライト状を呈し、他の方法で得られる銅粉に比べ、ポーラスで空隙率の高い焼結体を得ることが可能である。
本電解銅粉の芯材としての電解銅粉(以下「芯材」とも言う。)は、電解法によって得られる銅粉粒子であるため、デンドライト状を呈し、他の方法で得られる銅粉に比べ、ポーラスで空隙率の高い焼結体を得ることが可能である。
芯材の中心粒径(D50)、すなわちレーザー回折散乱式粒度分布測定装置によって測定される体積累積粒径D50は5μm〜50μm、特に8μm〜45μm、中でも特に10μm〜40μmであるのが好ましい。D50が5μmより小さいと、高温で焼結した際に焼結体の空隙率が著しく低下する傾向が現れるようになる。他方、50μmより大きくても、焼結体の空隙率が低くなってしまう。
芯材の見掛密度は、0.30g/cm3〜2.50g/cm3、特に0.45g/cm3〜2.50g/cm3、中でも特に0.60g/cm3〜2.20g/cm3であるのが好ましい。見掛密度が0.30g/cm3より低いと、焼結体の空隙率が高過ぎて強度が著しく低下するようになる。他方、2.50g/cm3より高いと焼結体の空隙率を高くすることが難しくなる。
(有機物層)
電解銅粉粒子の表面は、必要に応じて、有機物を用いた耐酸化処理により、アルミニウム化合物層と電解銅粉粒子表面との間に有機物層が形成されていてもよい。この有機物層は形成されていなくても問題はないが、電解銅粉粒子表面の酸化による経時変化を考慮するとあった方が好ましい。
電解銅粉粒子の表面は、必要に応じて、有機物を用いた耐酸化処理により、アルミニウム化合物層と電解銅粉粒子表面との間に有機物層が形成されていてもよい。この有機物層は形成されていなくても問題はないが、電解銅粉粒子表面の酸化による経時変化を考慮するとあった方が好ましい。
耐酸化処理に用いる有機物は、特にその種類を限定するものではなく、例えば膠、ゼラチン、有機脂肪酸、カップリング剤等を挙げることができる。
耐酸化処理の方法、すなわち有機物の形成方法は、乾式法でも湿式法でもよい。乾式法であれば有機物と芯材をV型混合器等で混合する方法、湿式法であれば水-芯材スラリーに有機物を添加し表面に吸着させる方法等の方法が挙げられる。但し、これらに限ったものではない。中でも、電解銅粉析出後のスラリーを洗浄した後、銅粉ケーキと所望の有機物を含んだ水溶液、有機溶媒を混合して、銅粉表面に有機物付着させる方法が好ましい。
耐酸化処理の方法、すなわち有機物の形成方法は、乾式法でも湿式法でもよい。乾式法であれば有機物と芯材をV型混合器等で混合する方法、湿式法であれば水-芯材スラリーに有機物を添加し表面に吸着させる方法等の方法が挙げられる。但し、これらに限ったものではない。中でも、電解銅粉析出後のスラリーを洗浄した後、銅粉ケーキと所望の有機物を含んだ水溶液、有機溶媒を混合して、銅粉表面に有機物付着させる方法が好ましい。
有機物が本電解銅粉全体に占める割合は、炭素量(C量)として0.01質量%〜1.0質量%であるのが好ましい。0.01質量%より少ないと、耐酸化機能が効果的に働かないおそれがある。他方、1.0質量%より多くなると、強い疎水性を示すようになり、湿式法によりアルミニウム化合物をコートする際にムラが生じるおそれがある。
(アルミニウム化合物層)
アルミニウム化合物層は、水酸化アルミニウムを含む、好ましくは主成分として含む層であればよく、水酸化アルミニウムのみから構成されているのが好ましいが、その他形態のアルミニウム化合物が共存していても差し支えない。この際、アルミニウム化合物層に占める水酸化アルミニウムの質量比率が少なくとも50質量%以上であればよく、中でも70質量%以上、その中でも特に90質量%以上(100%含む)であるのが好ましい。
水酸化アルミニウムには、水酸化アルミニウムの含水物及び水和物も含まれる。
アルミニウム化合物層は、水酸化アルミニウムを含む、好ましくは主成分として含む層であればよく、水酸化アルミニウムのみから構成されているのが好ましいが、その他形態のアルミニウム化合物が共存していても差し支えない。この際、アルミニウム化合物層に占める水酸化アルミニウムの質量比率が少なくとも50質量%以上であればよく、中でも70質量%以上、その中でも特に90質量%以上(100%含む)であるのが好ましい。
水酸化アルミニウムには、水酸化アルミニウムの含水物及び水和物も含まれる。
なお、銅粉粒子の表面を水酸化アルミニウムなどのアルミニウム化合物で被覆(コート)してなる銅粉に関しては、特開2005−68508号公報(出願人:三井金属鉱業株式会社)に開示されている。しかし、ここに記載されている銅粉は、導電性ペーストに加工して低温焼成セラミック基板の製造に用いる銅粉であり、そのため、D50が0.5μm程度の超微粒銅粉を元粉(芯材)として用いたものである。また、この超微粒銅粉は、その実施例によれば、硫酸銅(五水塩)及びアミノ酢酸を水に溶解させて銅塩水溶液を作製し、水酸化ナトリウム添加して酸化第二銅を生成し、グルコースを添加して熟成させて酸化第二銅を酸化第一銅に還元し、さらに水和ヒドラジン添加して酸化第一銅を還元することで金属銅とし、得られた銅粉スラリーを濾過、洗浄、乾燥するようにして製造されるものであり、粒状粒子からなる超微粒銅粉である。
これに対し、本発明のアルミニウム化合物コート銅粉は、電解銅粉を元粉(芯材)とするものであるから、デンドライト状で、且つD50が5μm〜50μm程度の大きな粒度を有する銅粉である。
本電解銅粉と比較すると、特開2005−68508号公報に開示されている銅粉は、芯材のD50が0.5μm程度の超微粒粉であり、粒径が極めて細かいゆえにもともと空隙率が高い焼結体を得ることが難しく、その上、形状異方性を有していないため、焼結させた際にさらに空隙率が低下し、所望の焼結体を得ることが難しいことから、本来的に熱交換性が要求される用途には不向きである。
これに対し、本発明のアルミニウム化合物コート銅粉は、電解銅粉を元粉(芯材)とするものであるから、デンドライト状で、且つD50が5μm〜50μm程度の大きな粒度を有する銅粉である。
本電解銅粉と比較すると、特開2005−68508号公報に開示されている銅粉は、芯材のD50が0.5μm程度の超微粒粉であり、粒径が極めて細かいゆえにもともと空隙率が高い焼結体を得ることが難しく、その上、形状異方性を有していないため、焼結させた際にさらに空隙率が低下し、所望の焼結体を得ることが難しいことから、本来的に熱交換性が要求される用途には不向きである。
本電解銅粉においてアルミニウム化合物層がアルミニウム化合物コート銅粉粒子に占める割合、すなわちアルミニウム化合物コート銅粉粒子全体に対するアルミニウムの含有量は、0.01質量%〜0.50質量%、特に0.02質量%〜0.45質量%、その中でも特に0.03質量%〜0.40質量%であるのが好ましい。アルミニウム含有量が0.01質量%より低いと、焼結体の空隙率を十分に高くすることが困難となり、加えて高温での焼結で著しく空隙率が低下してしまう。他方、0.50質量%より高いと、焼結体の強度が低下してしまう。
<本電解銅粉の製造方法>
本電解銅粉は、芯材として電解銅粉を用い、湿式にてアルミニウム化合物を該芯材粒子表面にコートすることにより製造することができる。例えば水溶性アルミニウム化合物を含む分散媒中に電解銅粉を分散させたスラリーのpHを5〜7に調整することによって、電解銅粉粒子(芯材粒子)の表面にアルミニウム化合物がコートされるのである。以下、詳細に説明する。
本電解銅粉は、芯材として電解銅粉を用い、湿式にてアルミニウム化合物を該芯材粒子表面にコートすることにより製造することができる。例えば水溶性アルミニウム化合物を含む分散媒中に電解銅粉を分散させたスラリーのpHを5〜7に調整することによって、電解銅粉粒子(芯材粒子)の表面にアルミニウム化合物がコートされるのである。以下、詳細に説明する。
芯材として用いる電解銅粉は、公知の方法によって製造すればよい。例えば、銅イオンを含む硫酸酸性の電解液に陽極と陰極を浸漬し、これに直流電流を流して電気分解を行い、陰極表面に粉末状に銅を析出させ、機械的又は電気的方法により掻き落として回収し、その後、洗浄、乾燥、篩別工程などを経て製造することができる。なお、市販の電解銅粉を用いることもできる。
また、電解銅粉を、さらにジェットミルなどを用いて銅粉粒子相互の衝突で解砕、微粉化するようにしてもよいが、デンドライト状を保持するためには、このような微粉化は行わない方がむしろ好ましい。
また、電解銅粉を、さらにジェットミルなどを用いて銅粉粒子相互の衝突で解砕、微粉化するようにしてもよいが、デンドライト状を保持するためには、このような微粉化は行わない方がむしろ好ましい。
電解銅粉粒子(芯材粒子)の表面にアルミニウム化合物層をコートする方法としては、例えば、pH調整した分散媒(A)に電解銅粉と水溶性アルミニウム化合物(B)とを加えて分散させてスラリー化し、次いでこのスラリー(C)のpHを調整した後、固液分離、洗浄、乾燥すればよい。
ここで、電解銅粉を加える分散媒(A)は、pH9〜13.5に調整した水溶液、例えばアンモニア水溶液を用いるのが好ましい。特に有機表面処理された電解銅粉を用いる場合、有機表面処理によって粒子表面が疎水性となり、電解銅粉を水溶性アルミニウム化合物の溶液に分散させ難くなるため、予めpH9〜13.5のアンモニア水溶液などでスラリー化しておくのが好ましい。この際、pHが9より低いと、電解銅粉粒子表面が濡れない為、その後のコート処理が難しくなる。その上、アルミン酸ソーダなどの水溶性アルミニウム化合物を添加した時にすぐに水酸化アルミニウムが析出してしまい、均一なコーティングができなくなるおそれがある。他方、13.5より高いと、アルカリが過剰となり、経済的に損失を生じるようになる。より好ましくは、pH9.5〜13、さらに好ましくは10〜13である。
水溶性アルミニウム化合物(B)としては、水溶性アルミニウム化合物を主成分とする溶液が好ましい。例えば、硫酸アルミニウム、或いは、水酸化アルミニウムと苛性ソーダを原料として製造されるアルミン酸ソーダなどを例示できる。なかでも、電解銅粉粒子の表面が有機物でコートされている場合は、後者のアルミン酸ソーダを用いるのが特に好ましい。
水溶性アルミニウム化合物(B)の添加量は、アルミニウム含有量が本電解銅粉全体の0.01質量%〜0.5質量%を占めるように添加するのが好ましい。
水溶性アルミニウム化合物(B)の添加量は、アルミニウム含有量が本電解銅粉全体の0.01質量%〜0.5質量%を占めるように添加するのが好ましい。
なお、水溶性アルミニウム化合物(B)を加えた際、混合攪拌するのが好ましく、その後、例えば希硫酸などの酸を加えて徐々にスラリー(C)のpHを5〜7に調整するのが好ましい。
この際、希硫酸などの酸の流量(滴下量)は、30分〜2時間かけて投入が完了するように設定することが好ましい。30分より短いと、アルミニウム化合物コートを均一にすることが難しく、また、2時間より長くなると銅粉が酸化する可能性がある。
この際、希硫酸などの酸の流量(滴下量)は、30分〜2時間かけて投入が完了するように設定することが好ましい。30分より短いと、アルミニウム化合物コートを均一にすることが難しく、また、2時間より長くなると銅粉が酸化する可能性がある。
スラリー(C)の温度は、10℃〜50℃、特に10℃〜40℃を保持するようにするのが好ましい。50℃を超えると銅粉が酸化してしまうことがある。
スラリー(C)のpH調整を終えたら、固液分離し、次いで純水、アルコール、アセトンなどで洗浄及び脱水し、乾燥すればよい。
なお、水溶性アルミニウム化合物(例えば水酸化アルミニウム)のゲルを調整しておき、このゲル中に電解銅粉を投入して攪拌混合し、電解銅粉粒子の表面にアルミニウム化合物層(例えば水酸化アルミニウム層)を形成することも可能である。
(用途)
本電解銅粉は、電解銅粉粒子の表面にアルミニウム化合物層を備えていることに起因して、なんらコートしていない同程度の粒度の電解銅粉と比較して、焼結後も空隙率を高く維持することができる。しかも、本電解銅粉は、800℃以上の高温で焼結しても、空隙率が70%以上、好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上で、且つ高温焼結であるがゆえに強度の高い焼結体を得ることができる。よって、本発明のアルミニウム化合物コート銅粉を焼結して焼結体とすることにより、優れた熱交換率が要求される材料、例えば電子機器、通信機器、輸送機器産業に使用される熱交換器、放熱器、ヒートパイプのフィン部材や、内壁材、外壁材など、優れた熱交換性が要求される熱交換部材の原材料として好適に用いることができる。
本電解銅粉は、電解銅粉粒子の表面にアルミニウム化合物層を備えていることに起因して、なんらコートしていない同程度の粒度の電解銅粉と比較して、焼結後も空隙率を高く維持することができる。しかも、本電解銅粉は、800℃以上の高温で焼結しても、空隙率が70%以上、好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上で、且つ高温焼結であるがゆえに強度の高い焼結体を得ることができる。よって、本発明のアルミニウム化合物コート銅粉を焼結して焼結体とすることにより、優れた熱交換率が要求される材料、例えば電子機器、通信機器、輸送機器産業に使用される熱交換器、放熱器、ヒートパイプのフィン部材や、内壁材、外壁材など、優れた熱交換性が要求される熱交換部材の原材料として好適に用いることができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明が以下の実施例に限定されるものではない。
<粒度測定>
測定サンプル(銅粉)を少量ビーカーに取り、3%トリトンX溶液(関東化学製)を2、3滴添加し、粉末になじませてから、0.1%SNディスパーサント41溶液(サンノプコ製)50mLを添加し、その後、超音波分散器TIPφ20(日本精機製作所製、OUTPUT:8、TUNING:5)を用いて2分間分散処理して測定用サンプルを調製した。
この測定用サンプルを、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置MT3300 (日機装製)を用いて、体積累積基準D50を測定した。
測定サンプル(銅粉)を少量ビーカーに取り、3%トリトンX溶液(関東化学製)を2、3滴添加し、粉末になじませてから、0.1%SNディスパーサント41溶液(サンノプコ製)50mLを添加し、その後、超音波分散器TIPφ20(日本精機製作所製、OUTPUT:8、TUNING:5)を用いて2分間分散処理して測定用サンプルを調製した。
この測定用サンプルを、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置MT3300 (日機装製)を用いて、体積累積基準D50を測定した。
<見掛密度測定方法>
JIS Z-2504(2000)に準拠して蔵持科学器械製作所製カサ比重測定器を使用して測定した。
JIS Z-2504(2000)に準拠して蔵持科学器械製作所製カサ比重測定器を使用して測定した。
<空隙率測定方法>
粉体5gを焼成容器に入れ、水素気流下にて、所定温度(730℃、830℃)を2時間保持するように焼結させた。昇温及び冷却にはそれぞれ2時間を費やした。
得られた焼結体を動粘度100mm2/sの機械油に3時間浸して表面を撥水性とした後、表面の油をきれいにふき取った。その焼結体を、水が入ったメスシリンダーに投入し、その時の水面上昇分を読み取ることで、焼結体体積を得、次式により空隙率(%)を算出した。
空隙率(%)=((<実際の測定体積>−<真比重から求めた体積>)/<実際の測定体積>)×100
粉体5gを焼成容器に入れ、水素気流下にて、所定温度(730℃、830℃)を2時間保持するように焼結させた。昇温及び冷却にはそれぞれ2時間を費やした。
得られた焼結体を動粘度100mm2/sの機械油に3時間浸して表面を撥水性とした後、表面の油をきれいにふき取った。その焼結体を、水が入ったメスシリンダーに投入し、その時の水面上昇分を読み取ることで、焼結体体積を得、次式により空隙率(%)を算出した。
空隙率(%)=((<実際の測定体積>−<真比重から求めた体積>)/<実際の測定体積>)×100
<実施例1>
電解銅粉MH−1(三井金属社製電解銅粉、有機物層あり、D50:20.83μm、見掛密度:1.14g/cm3)1kgを、1.3%アンモニア水2.1Lに加え、40℃を保持しつつ攪拌混合してスラリー化した。このスラリー(40℃)にアルミン酸ソーダ(アルミニウム9.2質量%含有、アルカリ性)10.9gを添加し、再度攪拌混合してスラリー化して銅粉スラリーを得た。
次いで、3%硫酸を3L準備し、定量ポンプにて33mL/minの速度でpH6になるまで、前記銅粉スラリー中に滴下した。得られた溶液をさらに10分間攪拌した後、ブフナー漏斗にて固液分離し、純水5Lにて洗浄後、メタノールとアセトンにて順次脱水処理して粉末を得た。そして、得られた粉末を70℃の大気雰囲気にて10時間乾燥させ、アルミニウム化合物コート銅粉を得た。
電解銅粉MH−1(三井金属社製電解銅粉、有機物層あり、D50:20.83μm、見掛密度:1.14g/cm3)1kgを、1.3%アンモニア水2.1Lに加え、40℃を保持しつつ攪拌混合してスラリー化した。このスラリー(40℃)にアルミン酸ソーダ(アルミニウム9.2質量%含有、アルカリ性)10.9gを添加し、再度攪拌混合してスラリー化して銅粉スラリーを得た。
次いで、3%硫酸を3L準備し、定量ポンプにて33mL/minの速度でpH6になるまで、前記銅粉スラリー中に滴下した。得られた溶液をさらに10分間攪拌した後、ブフナー漏斗にて固液分離し、純水5Lにて洗浄後、メタノールとアセトンにて順次脱水処理して粉末を得た。そして、得られた粉末を70℃の大気雰囲気にて10時間乾燥させ、アルミニウム化合物コート銅粉を得た。
なお、上記電解銅粉は、電解銅粉を水に分散させてスラリー化させ、固液分離して水で十分洗浄した後アンモニアで中和し、これをリパルプ洗浄をして再スラリー化し、このスラリー中に工業用ゼラチンを溶解させ、固液分離して乾燥させるようにして電解銅粉粒子表面に有機物層を形成してなる電解銅粉である。以降の実施例における電解銅粉の有機物層も同様に形成したものである。
得られたアルミコート電解銅粉(D50:21.94μm、見掛密度:1.05g/cm3)を用いて空隙率を測定した。結果は表1にまとめた。
<実施例2>
電解銅粉MH−1(三井金属社製電解銅粉、有機物層あり、D50:20.83μm、見掛密度:1.14g/cm3)1kgを、1.3%アンモニア水2.1Lに加え、40℃を保持しつつ攪拌混合してスラリー化した。このスラリーにアルミン酸ソーダ(アルミニウム9.2質量%含有)5.4gを添加し、攪拌混合してスラリー化して銅粉スラリーを得た。その後は、実施例1と同様の処理を行い、アルミニウム化合物コート銅粉を得た。
得られたアルミコート電解銅粉(D50:21.34μm、見掛密度:1.08g/cm3)を用いて空隙率を測定した。結果は表1にまとめた。
電解銅粉MH−1(三井金属社製電解銅粉、有機物層あり、D50:20.83μm、見掛密度:1.14g/cm3)1kgを、1.3%アンモニア水2.1Lに加え、40℃を保持しつつ攪拌混合してスラリー化した。このスラリーにアルミン酸ソーダ(アルミニウム9.2質量%含有)5.4gを添加し、攪拌混合してスラリー化して銅粉スラリーを得た。その後は、実施例1と同様の処理を行い、アルミニウム化合物コート銅粉を得た。
得られたアルミコート電解銅粉(D50:21.34μm、見掛密度:1.08g/cm3)を用いて空隙率を測定した。結果は表1にまとめた。
<実施例3>
電解銅粉MH−1(三井金属社製電解銅粉、有機物層あり、D50:20.83μm、見掛密度:1.14g/cm3)1kgを、1.3%アンモニア水2.1Lに加え、40℃を保持しつつ攪拌混合してスラリー化した。このスラリーにアルミン酸ソーダ(アルミニウム9.2質量%含有)32.6gを添加し、攪拌混合してスラリー化して銅粉スラリーを得た。その後は、実施例1と同様の処理を行い、アルミニウム化合物コート銅粉を得た。
得られたアルミコート電解銅粉(D50:22.48μm、見掛密度:1.04g/cm3)を用いて空隙率を測定した。結果は表1にまとめた。
電解銅粉MH−1(三井金属社製電解銅粉、有機物層あり、D50:20.83μm、見掛密度:1.14g/cm3)1kgを、1.3%アンモニア水2.1Lに加え、40℃を保持しつつ攪拌混合してスラリー化した。このスラリーにアルミン酸ソーダ(アルミニウム9.2質量%含有)32.6gを添加し、攪拌混合してスラリー化して銅粉スラリーを得た。その後は、実施例1と同様の処理を行い、アルミニウム化合物コート銅粉を得た。
得られたアルミコート電解銅粉(D50:22.48μm、見掛密度:1.04g/cm3)を用いて空隙率を測定した。結果は表1にまとめた。
<実施例4>
電解銅粉MF−D2(三井金属社製電解銅粉、有機物層あり、D50:14.68μm、見掛密度:0.70g/cm3)1kgを用いて、実施例1と同様の処理を行った。
得られたアルミコート電解銅粉(D50:14.98μm、見掛密度:0.67g/cm3)を用いて空隙率を測定した。結果は表1にまとめた。
電解銅粉MF−D2(三井金属社製電解銅粉、有機物層あり、D50:14.68μm、見掛密度:0.70g/cm3)1kgを用いて、実施例1と同様の処理を行った。
得られたアルミコート電解銅粉(D50:14.98μm、見掛密度:0.67g/cm3)を用いて空隙率を測定した。結果は表1にまとめた。
<実施例5>
電解銅粉MH−1(三井金属社製電解銅粉、有機物層あり、D50:20.83μm、見掛密度:1.14g/cm3)1kgを、200g/L苛性ソーダ水溶液10Lに投入してスラリー分散させ、1時間攪拌して脱脂処理を行い、表面の有機物層を除去した。その後、固液分離し、温純水にて十分洗浄し、メタノール、アセトンにて脱水処理を行い、次いで70℃大気雰囲気にて10時間乾燥させた。
この脱脂済み電解銅粉を15g/Lの硫酸溶液に50℃で30分間分散処理し、実施例1と同様にろ過、乾燥を行った。その後の処理は実施例1と同様の処理を行い、アルミニウム化合物コート銅粉を得た。なお、得られたアルミニウム化合物コート銅粉は、実施例1−4で得られた銅粉に比べ、色的にやや酸化していた銅粉であることが認められた。
得られたアルミコート電解銅粉(D50:21.74μm、見掛密度:1.12g/cm3)を用いて空隙率を測定した。結果は表1にまとめた。
電解銅粉MH−1(三井金属社製電解銅粉、有機物層あり、D50:20.83μm、見掛密度:1.14g/cm3)1kgを、200g/L苛性ソーダ水溶液10Lに投入してスラリー分散させ、1時間攪拌して脱脂処理を行い、表面の有機物層を除去した。その後、固液分離し、温純水にて十分洗浄し、メタノール、アセトンにて脱水処理を行い、次いで70℃大気雰囲気にて10時間乾燥させた。
この脱脂済み電解銅粉を15g/Lの硫酸溶液に50℃で30分間分散処理し、実施例1と同様にろ過、乾燥を行った。その後の処理は実施例1と同様の処理を行い、アルミニウム化合物コート銅粉を得た。なお、得られたアルミニウム化合物コート銅粉は、実施例1−4で得られた銅粉に比べ、色的にやや酸化していた銅粉であることが認められた。
得られたアルミコート電解銅粉(D50:21.74μm、見掛密度:1.12g/cm3)を用いて空隙率を測定した。結果は表1にまとめた。
<実施例6>
実施例5と同様の電解銅粉を用いて同様に脱脂処理を行った後、脱脂済み電解銅粉を15g/LLの硫酸溶液に50℃で30分間分散処理し、スラリー中に硫酸アルミニウム6.4gを添加し、攪拌混合しながら10%アンモニア溶液を40ml/minの速度でpH6となるまで、スラリー中に滴下した。得られた溶液をさらに10分間攪拌した後、ブフナー漏斗にて固液分離し、純水5Lにて洗浄後、メタノールとアセトンにて順次脱水処理して粉末を得た。そして、得られた粉末を70℃の大気雰囲気にて10時間乾燥させアルミニウム化合物コート銅粉を得た。なお、得られたアルミニウム化合物コート銅粉は、実施例1−4で得られた銅粉に比べ、色的にやや酸化していた銅粉であることが認められた。
得られたアルミニウムコート電解銅粉(D50:22.17μm、見掛密度:1.05g/cm3)を用いて空隙率を測定した。結果は表1にまとめた。
実施例5と同様の電解銅粉を用いて同様に脱脂処理を行った後、脱脂済み電解銅粉を15g/LLの硫酸溶液に50℃で30分間分散処理し、スラリー中に硫酸アルミニウム6.4gを添加し、攪拌混合しながら10%アンモニア溶液を40ml/minの速度でpH6となるまで、スラリー中に滴下した。得られた溶液をさらに10分間攪拌した後、ブフナー漏斗にて固液分離し、純水5Lにて洗浄後、メタノールとアセトンにて順次脱水処理して粉末を得た。そして、得られた粉末を70℃の大気雰囲気にて10時間乾燥させアルミニウム化合物コート銅粉を得た。なお、得られたアルミニウム化合物コート銅粉は、実施例1−4で得られた銅粉に比べ、色的にやや酸化していた銅粉であることが認められた。
得られたアルミニウムコート電解銅粉(D50:22.17μm、見掛密度:1.05g/cm3)を用いて空隙率を測定した。結果は表1にまとめた。
<比較例1>
電解銅粉MH−1(三井金属社製電解銅粉、有機物層あり、D50:20.83μm、見掛密度:1.14g/cm3)について空隙率を測定した。結果は表1にまとめた。
電解銅粉MH−1(三井金属社製電解銅粉、有機物層あり、D50:20.83μm、見掛密度:1.14g/cm3)について空隙率を測定した。結果は表1にまとめた。
<比較例2>
電解銅粉MF−D2(三井金属社製電解銅粉、有機物層あり、D50:14.68μm、見掛密度:0.70g/cm3)について空隙率を測定した。結果は表1にまとめた。
電解銅粉MF−D2(三井金属社製電解銅粉、有機物層あり、D50:14.68μm、見掛密度:0.70g/cm3)について空隙率を測定した。結果は表1にまとめた。
(考察)
比較例1及び2のサンプルは、何もコートしていない電解銅粉であり、730℃で焼結すると空隙率80%以上を維持できるものの、830℃で焼結すると空隙率は60%台にまで顕著に低下している。
これに対し、電解銅粉をアルミニウム化合物でコートした実施例1−6のサンプルは、比較例1及び2のそれに比べて、730℃及び830℃のいずれで焼結した場合も空隙率は高く、特に830℃で焼結した場合には85%以上の高い空隙率を維持できることが分った。
比較例1及び2のサンプルは、何もコートしていない電解銅粉であり、730℃で焼結すると空隙率80%以上を維持できるものの、830℃で焼結すると空隙率は60%台にまで顕著に低下している。
これに対し、電解銅粉をアルミニウム化合物でコートした実施例1−6のサンプルは、比較例1及び2のそれに比べて、730℃及び830℃のいずれで焼結した場合も空隙率は高く、特に830℃で焼結した場合には85%以上の高い空隙率を維持できることが分った。
Claims (9)
- 電解銅粉粒子の表面にアルミニウム化合物層を備えたアルミニウム化合物コート銅粉粒子からなるアルミニウム化合物コート銅粉。
- アルミニウム化合物層は、水酸化アルミニウムを含むものであることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム化合物コート銅粉。
- アルミニウム化合物層と電解銅粉粒子表面との間に有機物層を備えたアルミニウム化合物コート銅粉粒子からなる請求項1又は2に記載のアルミニウム化合物コート銅粉。
- アルミニウム化合物コート銅粉粒子のアルミニウム含有量は、アルミニウム化合物コート銅粉粒子全体の0.01質量%〜0.50質量%であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のアルミニウム化合物コート銅粉。
- 中心粒径(D50)が5μm〜50μmで、且つ、見掛密度が0.30g/cm3〜2.50g/cm3であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のアルミニウム化合物コート銅粉。
- 水素雰囲気下で830℃で2時間焼成すると、空隙率が70%〜95%の焼結体が得られることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のアルミニウム化合物コート銅粉。
- 請求項1乃至6の何れかに記載のアルミニウム化合物コート銅粉を焼結して得られる焼結体。
- 水溶性アルミニウム化合物を含む分散媒中に電解銅粉を分散させたスラリーのpHを5〜7に調整することによって電解銅粉粒子の表面にアルミニウム化合物をコートすることを特徴とするアルミニウム化合物コート銅粉の製造方法。
- アルミニウム化合物をコートする前の電解銅粉粒子の表面には有機物が被覆されていることを特徴とする請求項8に記載のアルミニウム化合物コート銅粉の製造方法。
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JP2006044705A JP2007224338A (ja) | 2006-02-22 | 2006-02-22 | アルミニウム化合物コート銅粉及びその製造方法 |
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JP2010001559A (ja) * | 2007-10-11 | 2010-01-07 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 酸化物被覆銅微粒子の製造方法 |
JP2010144208A (ja) * | 2008-12-18 | 2010-07-01 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 酸化物被覆銅微粒子の製造方法 |
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2006
- 2006-02-22 JP JP2006044705A patent/JP2007224338A/ja active Pending
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