JP2007224121A - ディーゼルエンジン用燃料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便な方法で、酸価および粘度が低いディーゼルエンジン用燃料を製造する方法を提供する。
【解決手段】アルコールと動物油および/または植物油とを、温度150〜600℃、圧力2〜100MPaで反応させて脂肪酸モノエステル化物とグリセリンとを得、前記脂肪酸モノエステル化物とグリセリンとを分離して脂肪酸モノエステル画分を得、前記脂肪酸モノエステル画分と陰イオン交換樹脂とを接触させる、ディーゼルエンジン用燃料の製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、動物油および/または植物油を原料としてディーゼルエンジン用燃料を製造する方法に関する。
従来から、植物油や動物油を原料として脂肪酸モノエステルを製造し、これをディーゼルエンジン用燃料として使用する試みが行われている。植物油や動物油は、硫黄分の含有率が低いため、ディーゼルエンジン用の燃料として用いた場合に硫黄酸化物(SO)がほとんど発生せず、しかも、使用済み植物油や動物油の大部分は消却廃棄処理されているため、資源の有効利用になる。
植物油や動物油の主成分は脂肪族トリグリセライドであるため、例えば(1)植物油や動物油をアルカリを触媒としてアルコール溶媒中でエステル交換し、対応する脂肪酸モノエステルを製造する方法、(2)触媒を使用せず、植物油や動物油に水を添加して超臨界または亜臨界条件で加水分解し、次いで加水分解物にアルコールを添加して超臨界または亜臨界条件でエステル化し、脂肪酸モノエステルを製造する方法、更に(3)植物油や動物油にアルコールを添加して超臨界または亜臨界条件でエステル交換し、脂肪酸モノエステルを製造する方法がある。上記(1)の触媒を添加して行う脂肪酸モノエステルの製造方法は、脂肪酸塩、脂肪酸などの副生による収率の低下、触媒や脂肪酸塩の除去のため工程が複雑化するといった問題があり、一方、上記(2)、(3)の方法は、超臨界または亜臨界条件でエステル交換やエステル化するものであり、触媒を使用せず、脂肪酸塩なども副生されず、工程も簡潔で優れている。
このような方法として、例えば、油脂とアルコールから脂肪酸エステルを製造する方法であって、触媒を添加せず、油脂および/またはアルコールが超臨界状態になる条件で反応させることを特徴とする脂肪酸エステルの製造方法がある(特許文献1)。終了後の反応混合物は、脂肪酸エステル、グリセリン、過剰の未反応アルコールを含み、さらに未反応の原料、その他の不純物を含むこともあり、この反応混合物から、それぞれの用途に必要な純度まで、脂肪酸エステルを精製してもよい、とする。実施例では、大豆油を原料油脂として使用し、該大豆油に10〜400モル倍のアルコールを使用した場合に、転化率100%という結果を得ている。
同様に、動物油または植物油を、超臨界状態または亜臨界状態のアルコールを溶媒として用いて無触媒下に処理し、選択的かつ短時間のうちに、溶媒として使用したアルコールに対応する脂肪酸モノエステルを得る方法もある(特許文献2)。該公報では、遊離の脂肪酸は脱水反応によりそれぞれモノエステル化物に変換できるため、脂肪酸トリグリセライドのみならず遊離脂肪酸を含む植物油や動物油もそのモノエステル化物に効率よく変換され、従来法では、分離が必要である遊離脂肪酸も、超臨界状態または亜臨界状態のアルコールにより同時かつ効果的に脂肪酸モノエステルに変換できる、という。
特開2000−143586号公報 特開2000−204392号公報
しかしながら、上記特許文献2記載の方法で得られた脂肪酸モノエステル画分は、欧州やアメリカ規格で定められている酸価基準を満たさず、酸価0.5を超える場合がある。エステル交換反応では、動物油などに含まれるトリグリセライドが直接アルコールと反応して脂肪酸モノエステルを生成するが、同時に水が存在するとトリグリセライドが加水分解して脂肪酸になり、脂肪酸のエステル化によって更に水を副生する。このため、脂肪酸とアルコールとから脂肪酸モノエステルが生成される反応平衡が、水の存在によって逆反応側に移行する。この傾向は温度が高いほど大きくなり、超臨界条件などではことさらである。酸価を下げるには、反応液中の水分を十分下げることが重要な要素となるが、脂肪酸を含む油脂類を原料にすると水を副生するため、酸価0.5以下を達成することは非常に難しい。原料に水分が含まれる場合も同様である。
一方、原料に含まれる遊離の脂肪酸や水分など、酸価を増加させ得る原因物質を除去すればよいが、原料油である大量の動物油や植物油から遊離の脂肪酸を除去することは容易でなく、このような前処理は、廃油のリサイクル効率を低下させる一因となる。
更に、上記特許文献1のように、転化率を100%とするために、アルコールを原料油脂の400モル倍も使用したのでは、装置や設備が巨大となる。
本発明は、こうした状況のもとになされたものであって、その目的は、従来技術における不都合を発生させず、植物油や動物油、さらには使用済天ぷら油などの廃食用油をディーゼルエンジン用燃料として満足できる脂肪酸モノエステル化物に効率良く変換する技術を提供することにある。すなわち、本発明は、低粘度、高揮発性で、悪臭がなく、黒煙やSO成分の少ない、しかも酸価0.5以下のディーゼルエンジン用燃料を、容易かつ効率的に製造する方法を提供することを目的とする。
植物油や動物油に含まれる脂肪酸トリグリセライドとアルコールとのエステル交換反応について詳細に検討した結果、遊離脂肪酸はアルコールと反応して脂肪酸モノエステル化物となるが水を副生し、該水が脂肪酸モノエステル化物を加水分解して遊離脂肪酸を生成し、この結果、脂肪酸モノエステル画分に遊離脂肪酸が混在し、これによって酸価が上昇すること、脂肪酸モノエステル画分に含まれる遊離脂肪酸は効率的に陰イオン交換樹脂によって除去することができること、しかも該遊離脂肪酸はアルコールによって該陰イオン交換樹脂から容易に溶出するため、遊離脂肪酸を含むアルコール溶液を回収すれば、原料として再使用できること、原料に遊離脂肪酸や水分量が含まれていてもよいため、広範囲の植物油や動物油を原料として使用することができ、しかも脂肪酸モノエステル化物の収率を向上させることができ、しかも粘度の低いディーゼルエンジン用燃料を製造し得ることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、原料に含まれる遊離脂肪酸の含有量や水分量に係わらず、触媒を使用せずに植物油や動物油に含まれる脂肪酸トリグリセライドとアルコールとのエステル交換反応を行うことができるため、製造工程を簡素化できると共に、廃油などのリサイクル効率が向上する。
脂肪酸モノエステル画分に含まれる遊離脂肪酸が除去され、簡便に酸価の低いディーゼルエンジン用燃料を簡便に提供しうる。
除去された遊離脂肪酸は、エステル交換用の同一のアルコールで溶離できるため、回収した遊離脂肪酸およびアルコールをそのままエステル交換反応の原料として利用でき、この結果、脂肪酸モノエステル化物の収率を向上させることができる。
酸価0.5以下の脂肪酸モノエステル化物を得るには、従来、トリグリセライドのエステル交換反応を促進するため、メタノール/トリグリセライドのモル比率を300以上にする必要があったが、本方法を用いることでメタノール/トリグリセライドのモル比が3〜100でもエステル交換反応が十分に進行し、反応装置をコンパクトにすることができる。
同様の趣旨により、植物油や動物油を原料とせず、これらを加水分解して得た脂肪酸を原料としても、触媒を使用せずにアルコールによりエステル化して、酸価の低いディーゼルエンジン用燃料を得ることができる。
本発明は、ROH(Rは、炭素数1〜24の飽和または不飽和の脂肪族基を示す。)で示されるアルコールと動物油および/または植物油とを、温度150〜600℃、圧力2〜100MPaで反応させて脂肪酸モノエステル化物とグリセリンとを得る第一工程、
前記脂肪酸モノエステル化物とグリセリンとを分離して脂肪酸モノエステル画分を得る第二工程、
前記脂肪酸モノエステル画分と陰イオン交換樹脂とを接触させる第三工程とからなる、ディーゼルエンジン用燃料の製造方法である。
遊離脂肪酸とアルコールとの反応は対応する脂肪酸モノエステル化物と水とを生成し、反応平衡の存在によって未反応の遊離脂肪酸が残存しうるが、上記第三工程を含めることで原料油脂に含まれる遊離脂肪酸や水分の含有量を問わずに温和な反応条件でエステル化反応を行うことができ、かつ酸価の低い脂肪酸モノエステル画分を得ることができる。以下、本発明を詳細に説明する。
(1)原料
本発明で使用するアルコールは、ROH(Rは、炭素数1〜24の飽和または不飽和の脂肪族基を示す。)で示され、Rのうち炭素数1から24の飽和または不飽和の脂肪族基としては、例えば、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基などがあげられる。
Rがアルキル基であるアルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ヘプタノールなどが例示される。
Rがアラルキル基であるアルコールとしてはベンジルアルコール、α−フェネチルアルコール、β−フェネチルアルコールが例示され、ベンジルアルコールが好ましい。
Rがアルケニル基であるアルコールとしては、アリルアルコール、1−メチルアリルアルコール、2−メチルアリルアルコール、3−ブテン−1−オ−ル、3−ブテン−2−オ−ルなどが例示され、アリルアルコールが好ましい。
Rがアルキニル基であるアルコールとしては、2−プロピン−1−オール、2−ブチン−1−オ−ル、3−ブチン−1−オ−ル、3−ブチン−2−オ−ルなどが例示される。
この中で、アルコールとしては、Rが炭素数1〜8、より好ましくは1〜4のアルキル基であることが好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、イソブチルアルコール、2−ブタノール、t−ブタノール、アリルアルコールである。より好ましくはメタノール、エタノールであり、さらに好ましくはメタノールである。アルコールは、単独でも、二種以上を混合して用いても良い。また、アルコールは、光学異性体が存在する場合には、光学異性体を含んでもよい。
本発明において、「動物油」とは、動物由来の油であり、油脂を含む概念である。本発明で使用できる動物油としては、イワシ油、サバ油、ニシン油、サンマ油、マグロ油、タラ肝油など魚類の体から得られる魚油;ラード脂、ニワトリ脂、バター脂、牛脂、牛骨脂、鹿脂、イルカ脂、馬脂、豚脂、骨油、羊脂、牛脚油、ネズミイルカ油、サメ油、マッコウクジラ油、鯨油などがあり、魚油、牛脂および豚脂からなる群から選択される1以上の油であることが好ましく、これらの油が複数混合したもの、ジグリセリドやモノグリセリドを含む油脂、一部、酸化、還元等の変性を起こした油でもよい。
また、本発明において、「植物油」とは、植物由来の油であり、油脂を含む概念である。本発明で使用できる植物油としては、ココアバター脂、トウモロコシ油、ラッカセイ油、棉実油、ダイズ油、ヤシ油、オリーブ油、サフラワー油、アブラギ油、アマニ油、ココナッツ油、カシ油、アーモンド油、アンズの仁油、ヒマシ油、大風子油、シナ脂、綿実油、綿実ステアリン、ゴマ油、パーム油、パーム核油、コメ油、カポック油などがあげられ、より好ましくは、ひまわり油、サフラワー油、桐油、アマニ油、大豆油、菜種油、綿実油、オリーブ油、椿油、ヤシ油およびパーム油から選択される1種以上であるが、これらには限定されない。また、これらの油が複数混合したもの、ジグリセリドやモノグリセリドを含む油脂、一部、酸化、還元等の変性を起こした油でもよい。
上記動物油や植物油は、原料動物や植物から直接採取したものであってもよいが、食用油などとして使用した後、廃棄されたものであってもよい。これらには、下記式(1)で示されるトリグリセライドが主成分として含まれるため、エステル交換によって脂肪酸モノエステルを効率的に製造することができるからである。
Figure 2007224121
上記トリグリセライドに含まれるR、RおよびRの置換基としては、水酸基、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基などがあり、上記トリグリセライドに含まれる脂肪族基としては、原料の動物種や植物種によって適宜選択することができる。
上記動物油や植物油には、遊離脂肪酸や水分が含まれていてもよい。後記する第三工程によって酸価を低減できるからである。なお、一般には、動物や植物から採取した油動物油や植物油、または食用等に使用された後の廃動物油や廃植物油には、1〜5質量%の遊離脂肪酸および飽和〜50質量%の水分が含まれている。食用油精製工程から副生するダーク油では、50〜100質量%の遊離脂肪酸を含有している。本発明では、このような原料から遊離脂肪酸や水分を除去することなく、脂肪酸モノエステル化物を効率的に製造することができる。
また、上記動物油および/または植物油に代えて、予めこれらを加水分解して得た脂肪酸を原料として使用することもできる。本発明によれば、遊離脂肪酸を原料とした場合にはエステル化と同時に水が副生し、この水による加水分解反応によってエステル化物から遊離脂肪酸が生成され酸価を上昇させるが、後記する第三工程によって酸価を低減できる点で、原料として動物油や植物油を使用する場合と共通するからである。このような脂肪酸は、RCOOH(Rは、置換基を有していてもよい、炭素数6〜24の飽和または不飽和の脂肪族基である。)で示される。上記脂肪酸に含まれるRの置換基としては、水酸基、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基などがあり、前記したトリグリセライドに含まれる脂肪族基と同じであって、原料の動物種や植物種によって適宜選択することができる。
以下、原料として動物油および/または植物油を使用した場合で説明するが、特記しないかぎり、脂肪酸を使用する場合も同様である。
(2)第一工程
本発明では、上記アルコールと動物油および/または植物油とを、温度150〜600℃、より好ましくは200〜500℃、特に好ましくは230〜400℃、圧力2〜100MPa、より好ましくは3〜50MPa、特に好ましくは6〜30MPaで反応させる。600℃を超える温度では、植物油や動物油、アルコールの熱分解が著しくなり、製品の収率が低下する場合がある。また、反応圧力が100MPaを越えても製品の収率や反応時間の改善はみられない。
反応時間は、上記動物油および/または植物油に含まれる脂肪酸トリグリセライドが、上記アルコールとエステル交換を行い、対応する脂肪酸モノエステル化物とグリセリンとを得るに足る時間である。一般には、反応時間は反応条件に応じて1分から5時間、より好ましくは3〜100分である。
また、脂肪酸を原料とする場合には、温度150〜600℃、より好ましくは180〜500℃、特に好ましくは220〜380℃、圧力2〜100MPa、より好ましくは3〜50MPa、特に好ましくは5〜30MPaで十分である。また、反応時間は反応条件に応じて1分〜5時間、より好ましくは3〜100分である。なお、脂肪酸を原料とする場合には、グリセリンは副生しないが、水が副生する。
本発明の製造方法を実施する装置の形式は特に規定しないが、たとえばバッチ式反応器や連続式槽型反応器、ピストンフロー型流通式反応器、塔型流通式反応器などを用いることができる。
理論的には、動物油や植物油に含まれるトリグリセライド1モルに対し、3モルのアルコールと反応させると、1モルのグリセリンと3モルの対応する脂肪酸モノエステル化物が生成する。しかしながら本発明では、動物油および植物油の合計量に含まれるトリグリセライド1モルに対し、3〜100モル、より好ましくは5〜80モル、特に好ましくは6〜60モルのアルコールを添加することで効率的に、脂肪酸モノエステル化物を製造することができる。3モルを下回るとエステル化反応が不十分となり、一方、100モルを超えると反応装置が巨大化して不経済である。また、原料が脂肪酸の場合には、1モルのトリグリセライドから3モルの脂肪酸が遊離するため、上記アルコールのモル数を1/3に減じればよい。
なお、後記する比較例1に示すように、原料油に対するアルコール量を増加させるとエステル化率が向上するが、同時に水分量が増加した。これは、アルコールの縮合反応などによって水が副生したものと推定される。したがって、本発明は、アルコールの使用量を低減することでアルコールの重縮合を防止でき、かつ不純物の発生の少ない製造方法といえる。
(3)第二工程
第二工程は、第一工程で得た反応物に含まれる前記脂肪酸モノエステル化物をグリセリンと分離して脂肪酸モノエステル画分を得る工程である。ただし、上記第一工程で得た反応物には、脂肪酸モノエステル化物とグリセリンと共に、過剰に添加したアルコールが含まれ、更に、原料に遊離脂肪酸が含まれる場合には、脂肪酸モノエステル化物の生成と同時に副生した水も含まれる。したがって、第二工程は、反応物から脂肪酸モノエステルを単離する工程である。
このような方法としては、(1)前記第一工程の反応物を蒸留塔に導入し、蒸留条件を選択して、塔頂からアルコールを留出させ、塔中からグリセリンを抜き出し、および塔底から脂肪酸モノエステル化物を回収する方法、(2)前記反応物を蒸留塔に導入し、蒸留条件を選択して、塔頂からアルコールおよびグリセリンを留出させ、塔底から脂肪酸モノエステル化物を回収する方法、(3)前記反応物を第一蒸留塔に導入し、蒸留条件を選択して、塔頂からアルコールを留出させ、塔底からグリセリンおよび脂肪酸モノエステルを抜き出し、次いで第二蒸留塔に塔底液を導入してグリセリンと脂肪酸モノエステル化物とを分離回収する方法、(4)反応物を蒸留塔に導入し、メタノール留出後に、脂肪酸モノエステル化物とグリセリンとを液−液分離する方法、その他、いずれの方法を使用してもよい。好ましくは、上記(2)の方法である。
(4)第三工程
次いで、前記脂肪酸モノエステル画分と陰イオン交換樹脂とを接触させる。これにより、脂肪酸モノエステル画分に含まれる遊離脂肪酸を陰イオン交換樹脂に吸着させ、脂肪酸モノエステル画分の純度を向上させることができる。
使用する陰イオン交換樹脂としては、脂肪酸モノエステル画分に含まれる脂肪酸を吸着できるものであるならばいずれの樹脂でもよい。好ましくは、pK値(25℃)が3〜13、より好ましくは3〜11、特には5〜11である。
なかでも、−NR(式中、R、Rは水素、炭化水素基、アミノ炭化水素基であり、それぞれ同一でも異なっていても良い。)の構造をもつものが好ましい。
さらに−N{(CHCH−NH(CHCH、−NH{(CHNH}H(式中、mは0〜5、nは1〜5、oは0〜5の整数である。)の構造をもつものがより好ましい。具体的には、−NH、−NHCH、−N(CH、−NHCHCHNH、−NH(CHCHNH)H、−NH(CHCHNH)H等が挙げられる。
また本発明では、スチレン系架橋重合体または(メタ)アクリル酸エステル系架橋重合体からなるアニオン交換樹脂を用いることが好ましい。スチレン系架橋重合体としては、例えばスチレン−ジビニルベンゼン(以下、DVBと略す。)の架橋重合体などが挙げられる。その樹脂構造は、スチレンとDVBを単純に重合してできるゲル型でも良いし、多孔性で樹脂の表面積がゲル型よりもはるかに大きいポーラス型、ハイポーラス型でも良い。
本発明では、前記陰イオン交換樹脂からアルコールによって脂肪酸を溶離できることが好ましく、陰イオン交換樹脂を使用することが好ましい。
このような陰イオン交換樹脂は、バッチ法で前記脂肪酸モノエステル画分と陰イオン交換樹脂とを接触させてもよく、予め陰イオン交換樹脂をカラムに充填し、これに脂肪酸モノエステル画分を通液して連続的に接触させてもよい。例えば、流動床式装置、固定床式装置、連続イオン交換式装置のいずれを用いてもよいが、実用的な面から考慮すれば脂肪酸モノエステルと前記陰イオン交換樹脂との接触効率の良い固定床式装置および連続イオン交換式装置が適している。
陰イオン交換樹脂の吸着操作温度は、陰イオン交換樹脂に対する脂肪酸の吸着率、吸着した脂肪酸の脱離率、前記樹脂の耐熱温度、溶液の凝固温度などを考慮し、温度0〜120℃、より好ましくは15〜90℃、特には15〜80℃で行う。また、操作圧力に関しては、減圧、常圧、加圧のいずれの条件でも実施することが可能である。使用するアルコールの蒸気圧が低い場合は、沸騰を防ぐために加圧系で行うことが好ましい。
上記第三工程によって、脂肪酸モノエステル画分に含まれる遊離脂肪酸が除去され、酸価を0.5以下に低減することができる。
上記工程で得られる脂肪酸モノエステル化物は、酸価の低いディーゼルエンジン用燃料として用いるほか、軽油、灯油、A重油などに添加して他の燃料等に用いることもできる。
(5)第四工程
本発明では、上記陰イオン交換樹脂に吸着した遊離脂肪酸をアルコールによって洗浄し、遊離脂肪酸を溶離させてもよい。このようなアルコールとしては、第一工程で使用したアルコールを好ましく使用することができるが、第一工程で使用したアルコールに限定されるものではない。ただし、得られる脂肪酸モノエステル化物の組成を均質にするには、第一工程で使用したと同じアルコールを使用することが好ましい。
陰イオン交換樹脂から遊離脂肪酸を溶離するには、15〜120℃、より好ましくは20〜90℃、特には30〜90℃でアルコールを流す。また、操作圧力に関しては、減圧、常圧、加圧のいずれの条件でも実施することが可能である。
このようにして陰イオン交換樹脂から回収した遊離脂肪酸とアルコールとは、本発明の第一工程に戻すことができる。遊離脂肪酸は対応する脂肪酸エステルとなるため、収率を向上させることができる。
(6)ディーゼルエンジン用燃料
本発明のディーゼルエンジン用燃料は、上記第一工程から第三工程によって製造される脂肪酸モノエステル化物、または更に第四工程を含んで製造された脂肪酸モノエステル化物からなり、好ましくは酸価0.5以下である。ディーゼルエンジン用燃料として使用するには、酸価が0.5以下であることの他、低粘度、高揮発性で、悪臭がなく、黒煙やSO成分の少ないことが好ましいが、原料が植物油や動物油であるためSOx成分が少なく、エステル化反応の後に、脂肪酸モノエステル画分を単離しているため、悪臭がなく、かつ脂肪酸エステル化物は高揮発性であり、ディーゼルエンジン用燃料として好適に使用することができる。更に、本発明によるディーゼルエンジン用燃料は、上記第三工程を含めることで、第一工程のエステル化条件を短時間に行うことができ、その結果、縮合物の発生などが少なく、粘度の低い脂肪酸モノエステル化物を製造することができ、ディーゼルエンジン用燃料として好適である。本発明のディーゼルエンジン用燃料は、そのまま使用することもでき、従来のディーゼルエンジン用燃料に混合して使用することもできる。
特に、脂肪酸を含む動物油や植物油を原料とする場合には、反応液中で水が副生するため脂肪酸モノエステル化物の酸価を下げることは非常に困難であるが、前記した第三工程を含めることで、圧力および温度条件が超臨界に匹敵、またはこれ以上の反応条件下で効率的かつ選択的に酸価が低減されたモノエステル化物を製造することができる。更に、遊離の脂肪酸もモノエステル化物に変換して回収されるため、従来法に比べて、その分モノエステル化物の収率が高くなり、収率も向上する。
本発明によって製造されるディーゼルエンジン用燃料は、地球の循環系に組み込まれたバイオマス資源を原料としたもので、化石資源由来の軽油に比べ環境への負荷の低減に大きく寄与するものである。本発明の製造方法は、調理などに使われた廃食用油などの産業・家庭廃棄物の大量処理技術、特にそれらを有用化合物に選択的かつ効果的に変換する技術としても大いに期待できる。
以下本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に即して設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
実施例1
植物油として菜種油(脂肪酸0.01%、水分250ppm、他はトリグリセライド)を用い反応を行った。
原料油脂タンクに接続される内径5mm×長さ3.5mの外部電気ヒーター付きステンレス製油脂加熱管から原料油脂を1.114kg/hの流速で供給し、アルコールタンクに接続される内径5mm×長さ3.0mの外部電気ヒーター付きステンレス製アルコール加熱管からメタノールを0.569kg/hの流速で供給した。供給メタノールと油質量量比(供給メタノール/油質量比)は0.51であり、メタノールと油とのモル比(供給メタノール/油モル比)は、14.0であった。両加熱管の末端を集合させ、内径21mm×長さ7.3mの外部電気ヒーター付きステンレス製エステル交換反応管内で、温度340℃、圧力20MPaにて40分間反応させた(第一工程)。
反応後、反応物を内径43mmの蒸留塔に導入し、頂部より未反応メタノール、グリセリンおよび水分を留出させ、塔底からモノエステル化物を取り出した(第二工程)。モノエステル化物のエステル化率は96.9%であり、酸価は3.58であった。
次いで、内径12mm、高さ20cmのジャケット付ガラスカラムであり、ジメチルアミノ基((CHN−)を官能基と有する3級アミン系樹脂(オルガノ株式会社製、商品名「オルガノB−20HG−dry」:pK=7.0)を充填し、ジャケット部に60℃の温水を流してカラム内の温度を56℃に保ったカラムに、前記モノエステル化物を56℃に予熱した後にカラムに通液した。流出液の酸価を測定したところ0.1であった。流出液の酸価が0.6になったところで通液を止めた(第三工程)。3級アミン系樹脂への通液によって得られたモノエステル化物の酸価は0.2であり、エステル化率は、98.3%であった。結果を表1に示す。
実施例2
実施例1と同じ菜種油を原料油脂として使用し、実施例1と同じエステル交換反応装置を使用して反応を行った。
該原料油脂タンクから流速0.47kg/hで原料油脂を供給し、0.72kg/hの流速でメタノールを供給した。供給メタノールと油質量量比(供給メタノール/油質量比)は1.53であり、メタノールと油とのモル比(供給メタノール/油モル比)は、42.0であった。実施例1と同様に、温度340℃、圧力20MPaで40分反応させた(第一工程)。
その後、反応物を蒸留塔に導入し、頂部より未反応メタノール、グリセリンおよび水分を留出させ、塔底からモノエステル化物を取り出した(第二工程)。モノエステル化物に含まれるエステル化率は、98.8%であり、酸価は2.5であった。
であった。
次いで、実施例1と同じ装置およびイオン交換樹脂を使い、ジャケット部に59℃の温水を流し、カラム内の温度を56℃に保ったカラムに、前記モノエステル化物を56℃に予熱した後にカラムに通液した(第三工程)。流出液の酸価を測定したところ、0.1であった。留出液の酸価が0.5になったところで通液を止めた。3級アミン系樹脂への通液によって得られたモノエステル化物の酸価は0.2であり、エステル化率は、99.9%であった。
Figure 2007224121
比較例1
植物油として菜種油を加水分解して得られた脂肪酸を用い、実施例1と同じエステル交換反応装置を使用して反応を行った。
原料油脂タンクから、流速1.422kg/hで原料油脂を供給し、流速1.13kg/hでメタノールを供給した。供給メタノールと油モル比(供給メタノール/油モル比)は、7.0であった。エステル交換反応管では、温度290℃、圧力20MPaにて34分間反応させた(第一工程)。
その後、反応物を蒸留塔に導入し、頂部より未反応メタノールおよび水分を留出させ、塔底からモノエステル化物を取り出した(第二工程)。モノエステル化物のエステル化率は94.6%であり、酸価は9.03であり、水分量は5.94質量%であった。なお、エステル化率は、原料として供給した脂肪酸に対する脂肪酸モノエステルのモル百分率である。
同様にして、表2に示すメタノール/脂肪酸モル比となりように、脂肪酸およびアルコールの供給量を変化させ、モノエステル化物を取り出し、エステル化率および水分を測定した。結果を表2に示す。
比較例1の結果:
同じ脂肪酸原料を使用した場合でも、アルコール量を増加させるとエステル化率が向上した。また、アルコール供給量の増加に伴い、酸価が減少し、一方、水分量が増加した。増加した水は、アルコールの縮合反応などによって水が副生したものと推定される。
Figure 2007224121
比較例2
植物油として菜種油を加水分解して得られた4.4質量%の水を含む脂肪酸を用い、実施例1と同じエステル交換反応装置を使用して反応を行った。
原料油脂タンクから、流速0.599kg/hで原料油脂を供給し、流速0.476kg/hでメタノールを供給した。供給メタノールと油モル比(供給メタノール/油モル比)は、7.0であった。エステル交換反応管では、温度270℃、圧力17MPaにて87分間反応させた(第一工程)。
その後、反応物を蒸留塔に導入し、頂部より未反応メタノールおよび水分を留出させ、塔底からモノエステル化物を取り出した(第二工程)。モノエステル化物のエステル化率は94.0%であり、酸価は12.2であった。結果を表3に示す。
実施例3
比較例2と同じ原料を用い、比較例2と同じエステル交換反応装置を使用して反応を行った。
原料油脂タンクから、流速0.343kg/hで原料油を供給し、流速0.596kg/hでメタノールを供給した。供給メタノールと油モル比(供給メタノール/油モル比)は、15.3であった。エステル交換反応管では、温度270℃、圧力17MPaにて87分間反応させた(第一工程)。
その後、反応物を蒸留塔に導入し、頂部より未反応メタノールおよび水分を留出させ、塔底からモノエステル化物を取り出した(第二工程)。モノエステル化物に含まれるモノエステル化物のエステル化率は、96.7%であり、酸価は6.68であった。この結果を表3に示す。
次いで、実施例1と同じ装置およびイオン交換樹脂を使い、ジャケット部に59℃の温水を流し、カラム内の温度を56℃に保ったカラムに、前記モノエステル化物を56℃に予熱した後にカラムに通液した。流出液の酸価を測定したところ、0.1であった。留出液の酸価が0.5になったところで通液を止めた(第三工程)。3級アミン系樹脂への通液によって得られたモノエステル化物のエステル化率は、99.8%であり、酸価は0.3であった。
実施例4
比較例2と同じ原料を用い、比較例2と同じエステル交換反応装置を使用して反応を行った。
原料油脂タンクから、流速0.354kg/hで原料油脂を供給し、流速0.853kg/hでメタノールを供給した。供給メタノールと油モル比(供給メタノール/油モル比)は、3.64であった。エステル交換反応管では、温度270℃、圧力17MPaにて87分間反応させた(第一工程)。
その後、反応物を蒸留塔に導入し、頂部より未反応メタノールおよび水分を留出させ、塔底からモノエステル化物を取り出した(第二工程)。モノエステル化物に含まれるエステル化率は、97.5%であり、酸価は3.64であった。この結果を表3に示す。
次いで、実施例1と同じ装置およびイオン交換樹脂を使い、ジャケット部に59℃の温水を流し、カラム内の温度を56℃に保ったカラムに、前記モノエステル化物を56℃に予熱した後にカラムに通液した(第三工程)。流出液の酸価を測定したところ、0.1であった。留出液の酸価が0.5になったところで通液を止めた。3級アミン系樹脂への通液によって得られたモノエステル化物の酸価は0.35であり、モノエステル化物のエステル化率は99.2%であった。
Figure 2007224121
実施例5
実施例1で使用したイオン交換吸着後のカラムのカラムジャケット部に59℃の温水を流し、カラム内の温度を55℃に保ち、55℃に調整した予熱器を通して、カラム下部からのメタノールを脱離溶媒として流した。カラム上部から流出液を得て、1.0質量%の脂肪酸のメタノール溶液を得た。次いで、得られた脂肪酸含有メタノール溶液に加え工業的に予想される脂肪酸濃度を5質量%メタノール溶液に調整して、実施例1の第一工程に原料として添加した(第四工程)。
その後、実施例1と同様に、第一工程、第二工程および第三工程を行った。第三工程を終了した後の脂肪酸モノエステル画分において、エステル化率は98.3%であり、酸価は0.21であり、第四工程を含む最終的な脂肪酸モノエステル化物の収率は、実施例1の回収率より1.4%向上した。
比較例3
JIS2号軽油を用いて、エンジンスピード1000〜2500r/minにおける最高トルクを測定し、燃焼性の評価とした。結果を表4に示す。
実施例6
実施例1で得たモノエステル化物を、JIS2号の軽油に20質量%含有した燃焼性を用いて、比較例3と同様に燃焼性を評価した。結果を表4に示す。
Figure 2007224121
比較例4
JIS2号軽油を用いて市販車のエンジンによりその排ガス性状を評価した。結果を表5に示す。
実施例7
実施例1にて調製したエステル化物をJIS2号軽油に20質量%含有させた燃料を用いて、比較例4と同様に評価した。結果を表5に示す。
Figure 2007224121

Claims (10)

  1. ROH(Rは、炭素数1〜24の飽和または不飽和の脂肪族基を示す。)で示されるアルコールと動物油および/または植物油とを、温度150〜600℃、圧力2〜100MPaで反応させて脂肪酸モノエステル化物とグリセリンとを得る第一工程、
    前記脂肪酸モノエステル化物とグリセリンとを分離して脂肪酸モノエステル画分を得る第二工程、
    前記脂肪酸モノエステル画分と陰イオン交換樹脂とを接触させる第三工程とからなる、ディーゼルエンジン用燃料の製造方法。
  2. 前記動物油が、魚油、牛脂および豚脂からなる群から選択される1種以上であり、前記植物油が、ひまわり油、サフラワー油、桐油、アブラギ油、アマニ油、大豆油、菜種油、綿実油、オリーブ油、椿油、ヤシ油およびパーム油からなる群から選択される1種以上である、請求項1記載の製造方法。
  3. 前記動物油および/または植物油が、下記式(1)で示されるトリグリセライドを含有するものである、請求項1または2記載の製造方法。
    Figure 2007224121
  4. 前記動物油および/または植物油が、遊離脂肪酸および/または水分を含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. ROH(Rは、炭素数1〜24の飽和または不飽和の脂肪族基を示す。)とRCOOH(Rは、置換基を有していてもよい、炭素数6〜24の飽和または不飽和の脂肪族基である。)で示される脂肪酸とを、温度150〜600℃、圧力2〜100MPaで反応させて脂肪酸モノエステル化物と水とを得る第一工程、
    前記脂肪酸モノエステル化物と水とを分離して脂肪酸モノエステル画分を得る第二工程、
    前記脂肪酸モノエステル画分と陰イオン交換樹脂とを接触させる第三工程とからなる、ディーゼルエンジン用燃料の製造方法。
  6. 前記第三工程で使用した陰イオン交換樹脂を前記アルコールで洗浄して遊離脂肪酸を溶離し、得られた遊離脂肪酸とアルコールとを含む洗浄液を第一工程に戻す第四工程を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のディーゼルエンジン用燃料の製造方法。
  7. 前記第三工程で得たディーゼルエンジン用燃料の酸価が、0.5以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 前記アルコールが、メタノールである、請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 前記動物油および植物油に含まれるトリグリセライドの合計量に対するアルコールのモル比(アルコール/動物油および植物油)が、3〜100である、請求項1〜4、6〜8のいずれかに記載の製造方法。
  10. 前記脂肪酸に対するアルコールのモル比(アルコール/脂肪酸)が、1〜33である、請求項5〜8のいずれかに記載の製造方法。
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