JP2007223869A - ダイシングラインの膜構造、光学基板のウェハ、光学部品、及び光学部品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光学基板ウェハWの面上に、複数の小面積の光学部品個片領域2を区画形成するために成膜されるダイシングライン1であって、ダイシングラインは、光学部品個片領域上に光学薄膜を成膜する際に同材料によって形成され、ダイシングラインを構成する光学薄膜を、非連続的に配列された複数の短尺光学薄膜20から構成した。
【選択図】図1
Description
図4(c)は(b)に示したダイシングライン101の一部拡大図であり、ダイシングライン101を構成する膜は、第2の光学薄膜107を形成する際に同時に形成されるため、第2の光学薄膜を構成する光学薄膜と同材質である。
各ダイシングライン101を構成する中心線101a、及び外側線101bは、何れも寸断することなく連続形成されている。
特に、成膜されたフォトレジスト膜がポストベイクされている場合には、フォトレジスト膜が凝固した状態となるため、リムーバ液に浸漬することによる除去に要する時間は更に長時間化して生産性が大幅に低下する。更にリムーバ液が早期に汚れてしまい、短時間で寿命が到来する。
まず、図5(a)の第1のレジスト成膜工程では、光学基板ウェハ100の片面上にネガ型の第1のフォトレジスト膜111を成膜する。
図5(b)の第1の露光工程では、第1のフォトレジスト膜111をプレベーキングした後で、所定のフォトマスク112を用いて選択的に露光することにより第1の光学薄膜領域106となる範囲を除いた第2の光学薄膜領域107とダイシングライン領域101を露光する。この際、第2の光学薄膜領域107とダイシングライン領域101との間に位置する図示しないオリフラ形成領域も露光する。
上記各工程を実施した結果、各個片領域102内には、夫々第1の光学薄膜114(106)、第2の光学薄膜118(107)、及びオリフラ(基板露出面)103を備えた開口フィルタ105が形成される。
ダイシングライン領域101は、図4(c)に示した中心線101a、外側線101b、及び基板露出部101cとから構成されており、中心線101a、及び外側線101bは夫々連続的な(寸断のない)帯状線として構成されている。
このため、オリフラ形成領域上のレジスト残渣を完全に除去するために光学基板ウェハ全体をリムーバ液中に長時間浸漬し続けなければならなくなり、生産性が低下するという不具合が発生する。
ダイシングラインを光学部品個片領域上の光学薄膜と同材料によって構成する場合、フォトリソグラフィによる成膜工程中において、ダイシングラインや光学薄膜領域以外の基板露出面、特にオリフラ面にフォトレジスト膜の残渣が残っていると、光学部品の不良品率が高まる虞がある。本発明では、ダイシングラインを連続した線とせずに、短尺光学薄膜を非連続的に配列するようにしたので、上記の如き不具合を一挙に解決することが可能となる。個々の短尺光学薄膜間に露出した基板面があるため、フォトリソグラフィ工程において短尺光学薄膜間にあるフォトレジスト膜をリムーバ液によって除去する際に液の流動性、特に光学部品個片領域への流動性を高めることが可能となる。このため、オリフラ領域上のフォトレジストを残渣なく短時間で除去することが可能となる。具体的には従来レジスト膜除去に15〜24時間を要していたのが、2時間で完了することが可能となる。
本発明を適用することができるダイシングラインのパターンには制限はないが、2本の平行な線から構成されるダイシングラインに本発明を適用した場合には、個々の線を短尺光学薄膜から構成することとなる。
ダイシングライン自体は長手方向に連続しているが、その幅内部に穴状の基板露出部を断続的に配置することによっても、フォトリソグラフィ工程においてオリフラ面への残渣発生防止機能を発揮することができる。
本発明に係るダイシングラインの膜構造は、前記光学部品個片領域内の外周縁に沿った適所には、前記光学部品の方向を示す基板露出面としてのオリフラが形成されていることを特徴とする。
本発明に係る光学基板ウェハは、上記ダイシングラインの膜構造を備えたことを特徴とする。
本発明に係る光学部品は、光学基板ウェハを前記ダイシングラインに沿って切断、分割することによって得られることを特徴とする。
図1(a)(b)及び(c)は本発明の一実施形態に係るダイシングラインの膜構造を備えた光学基板ウェハ(ガラス基板ウェハ)の構成例を示す全体図、この光学基板ウェハの要部拡大図、及びダイシングラインの一部拡大図である。
図1(a)に示すガラス基板ウェハWの片面には線状のダイシングライン1が格子状に形成されるとともに、ダイシングライン1によって画成される各光学部品個片領域2の面上には第1及び第2の光学薄膜領域6、7が成膜されている。矩形の第2の光学薄膜領域7の一つの角隅部を直線状に面取りすることにより基板面が露出した三角形状のオリフラ3がダイシングラインとの間に形成されている。ダイシングライン1に沿って光学基板ウェハWを切断することにより光学部品個片としての開口フィルタ5を得る。
図1(c)は(b)に示したダイシングライン1の一部拡大図であり、ダイシングライン1を構成する膜は、第2の光学薄膜7を形成する際に同時に形成されるため、第2の光学薄膜を構成する光学薄膜と同材質である。
このダイシングライン1を構成する第2の光学薄膜は、図示しないダイシングブレードによって切断する際の切断幅の中心線に沿って形成された細い中心線1aと、中心線1aの両サイドに夫々所定の間隔を隔てて平行に配置された太い外側線1bと、から構成されている。中心線1aと各外側線1bとの間、及び外側線1bの外側にはガラス基板面が線状に露出した基板露出部1cが残されている。
また、ダイシングラインを形成するのに要するフォトレジスト膜材料の使用量が全体として減少する結果として、リムーバ液によって除去されるレジスト膜の量が減少して、リムーバ液の寿命を延ばすことが出来る。
なお、この例ではダイシングラインを三本の線1a、1b、1bにより構成した例を示したが、本数や各線の太さが限定されるものではない。従って例えば図2(a)に示したように一本のダイシングライン1をミシン目状に非連続に構成してもよい。
特に、成膜されたフォトレジスト膜がポストベイクされている場合には、フォトレジスト膜が凝固した状態となるため、リムーバ液に浸漬することによるレジスト除去に要する時間は更に長時間化して生産性が大幅に低下したり、リムーバ液が汚れて寿命が短くなるが、後述するように本発明ではポストベイクしない方法を採用するため、このような不具合を解消できる。
まず、図3(a)の第1のレジスト成膜工程では、光学基板ウェハWの片面上にネガ型の第1のフォトレジスト膜11を成膜する。(b)の第1の露光工程では、第1のフォトレジスト膜11をプレベーキング、及びポストベーキングした後で、所定の開口パターンを備えたフォトマスク12を用いて選択的に露光することにより第1の光学薄膜領域6となる範囲を除いた第2の光学薄膜領域7とダイシングライン領域1を露光する。この際、第2の光学薄膜領域7とダイシングライン領域1との間に位置する図示しないオリフラ形成領域も露光する。
上記各工程を実施した結果、各個片領域2内には、夫々第1の光学薄膜14(6)、第2の光学薄膜18(7)、及びオリフラ(基板露出面)3を備えた開口フィルタ5が形成される。
ダイシングライン領域1は、図1(c)に示した中心線1a、外側線1b、及び基板露出部1cと、個々の中心線1a及び外側線1bを構成する短尺光学薄膜20及び露出した基板面21と、から構成されている。中心線1a、及び外側線1bは夫々非連続的な構成を有している。
このため、オリフラ3の形成領域にレジスト残渣が付着した状態の光学部品個片がアッセンブリメーカに供給されることがなくなるため、不良品として廃棄される可能性が大幅に低下する。
上記製造手順は、図2(a)(b)及び(c)に夫々例示した他の形態例に係るダイシングラインの膜構造の製造に際しても適用することができることは勿論である。
Claims (8)
- 光学基板ウェハの面上に、複数の小面積の光学部品個片領域を区画形成するために成膜されるダイシングラインであって、
前記ダイシングラインは、前記光学部品個片領域上に光学薄膜を成膜する際に同材料によって形成され、
前記ダイシングラインを構成する光学薄膜を、非連続的に配列された複数の短尺光学薄膜から構成したことを特徴とするダイシングラインの膜構造。 - 光学基板ウェハの面上に、複数の小面積の光学部品個片領域を区画形成するために成膜されるダイシングラインであって、
前記ダイシングラインは、前記光学部品個片領域上に光学薄膜を成膜する際に同材料によって形成され、
前記ダイシングラインは、切断中心ラインに沿って配列された非連続的な中心線と、該中心線の幅方向両側に夫々所定の基板露出部を隔てて配置された非連続的な外側線と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載のダイシングラインの膜構造。 - 光学基板ウェハの面上に、複数の小面積の光学部品個片領域を区画形成するために成膜されるダイシングラインであって、
前記ダイシングラインは、前記光学部品個片領域上に光学薄膜を成膜する際に同材料によって形成され、
前記ダイシングラインを構成する光学薄膜を連続した帯状膜から構成すると共に、該帯状膜の幅内には基板露出部が非連続的に形成されていることを特徴とするダイシングラインの膜構造。 - 前記光学部品個片領域内の外周縁に沿った適所には、前記光学部品の方向を示す基板露出面としてのオリフラが形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のダイシングラインの膜構造。
- 前記光学部品は、前記光学部品個片領域上に成膜され且つ所定の波長帯域の光を通過させる第1の光学薄膜領域と、該第1の光学薄膜領域の外周を包囲した状態で前記光学部品個片領域上に成膜され且つ所定の異なった波長帯域の光を通過させる第2の光学薄膜領域と、該第2の光学薄膜領域と前記ダイシングラインとの間に形成された基板露出面としてのオリフラと、を備えた開口フィルタであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のダイシングラインの膜構造。
- 請求項1乃至5の何れか一項に記載のダイシングラインの膜構造を備えたことを特徴とする光学基板ウェハ。
- 請求項6に記載の光学基板ウェハを前記ダイシングラインに沿って切断、分割することによって得られることを特徴とする光学部品。
- 請求項7に記載の光学部品の製造方法であって、
前記光学基板ウェハの面上にネガ型の第1のフォトレジスト膜を成膜する第1のレジスト成膜工程と、
前記第1のフォトレジスト膜を所定のフォトマスクを用いて選択的に露光することにより前記第1の光学薄膜領域を除いた前記第2の光学薄膜領域と前記ダイシングライン領域を露光する第1の露光工程と、
前記第1のフォトレジスト膜の非露光部分を除去して露光部分のみを第1の現像膜として残存させる第1の現像工程と、
前記第1の現像膜を含む光学基板ウェハ面上に第1の光学薄膜を成膜する第1の光学薄膜成膜工程と、
前記第1の現像膜、及び該第1の現像膜上の第1の光学薄膜を除去することにより、前記光学基板ウェハ面上の第1の光学薄膜だけを残存させる第1の現像膜除去工程と、
前記第1の光学薄膜を含む光学基板ウェハ面上にネガ型の第2のフォトレジスト膜を成膜する第2のレジスト成膜工程と、
前記第2のフォトレジスト膜をポストベーキングせずに所定のフォトマスクを用いて選択的に露光することにより、前記第1の光学薄膜上の第2のフォトレジスト全体と、前記ダイシングライン領域の一部を露光する第2の露光工程と、
前記第2のフォトレジスト膜の非露光部分を除去して露光部分のみを第2の現像膜として残存させる第2の現像工程と、
前記第2の現像膜を含む光学基板ウェハ面上に第2の光学薄膜を成膜する第2の光学薄膜成膜工程と、
前記第2の現像膜、及び該第2の現像膜上の前記第2の光学薄膜を除去することにより、光学基板ウェハ面上に第2の光学薄膜を残存させて、前記第1の光学薄膜領域、前記第2の光学薄膜領域、及び前記オリフラとなる基板露出面から成る各光学部品個片領域と、前記ダイシングライン領域とを形成する第2の現像膜除去工程と、
前記第2の光学薄膜から成るダイシングラインに沿って切断することにより光学部品個片に分割する分割工程と、
からなることを特徴とする光学部品の製造方法。
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