JP2005353141A - 遮光膜を備えた光学素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ガラス基材1の表面に遮光レジスト層2をスピンコートによって塗布し、所定のフォトマスクによってパターン光を照射して感光させ、遮光レジスト層2の感光領域を溶剤で溶解して現像し、ベーキングして所定のパターンを有する遮光レジスト層2を形成する。
【選択図】図1
Description
このとき、装置内には前記の読み取り動作に寄与しない周辺光が存在し、この周辺光はピックアップ装置内で迷光となり、データ読み取り時のノイズとなる。
また、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラなどにおいては、この迷光によって画像のコントラストが低下する。
これを防止する方法として、特開平11−38220号公報にみられるように、周辺光をカットするマンガン等の金属酸化物の遮光膜を、EB蒸着機などの真空蒸着装置を用いて蒸着によって光学部品にコーティングする方法が取られるのが一般的である。
透明なガラス基材51にレジスト層52をスピンコートによって塗布する(同図(a))。
レジスト層52に所定のフォトマスクでパターン光を照射して感光させる(同図(b))。
レジスト層52の感光領域を溶剤で溶解して現像し、ベ一キングして所定のパターンを有するレジスト層52を形成する(同図(c))。
図示しない真空蒸着装置によってパターン上にマンガン等の金属酸化物の遮光膜53を蒸着する(同図(d))。
レジスト層52を溶剤で剥離することによって、ガラス基材51上に所定のパターンを有する金属酸化物の遮光膜53を形成する(同図(e))。
上記の方法によって、ガラス基材51の上にマンガン等の金属酸化物による遮光膜53のパターンを精度良く形成することができる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、真空蒸着装置等の高価な設備を用いることなく、所定のパターンをもつ遮光膜を形成することが可能な製造方法を提供することを目的とする。
また、請求項2においては、請求項1の遮光部を有する光学素子の製造方法において、遮光レジストを塗布する前に光学素子の上面に第1の反射防止膜を成膜し、遮光レジストを感光現像した後に光学素子の上面に第2の反射防止膜を成膜し、遮光レジストを2つの反射防止膜の間に挟み込んだことを特徴とする。
また、請求項5においては、請求項4のグレーティング素子であって、前記透明基板下面に第3の反射防止膜を備えていることを特徴とする。
その結果、従来のように蒸着によって遮光膜を形成するための蒸着装置が不要となり、さらに例えば、蒸着後にレジストを剥離するためのエッチャントの使用条件の設定等の複雑な作業管理が不要となる一方で、前記遮光レジストを構成する樹脂を紫外線硬化型樹脂とすれば、マスクアライナ等のパターン転写装置を用いて複雑な形状のパターンを容易に転写することが可能となる。
上記のように、本発明による遮光レジストを用いた遮光膜の製造方法は、高価な蒸着装置が不要で、作業工程も容易で短くすることが出来るため、低コストで優れた特性を有する遮光膜の製造方法を提供する上で顕著な効果を期待できる。
同図に従ってその手順を説明する。
透明なガラス基材1の一方の面に遮光レジスト層2をスピンコートによって塗布する(同図(a))。このとき、スピンコートの回転数、回転時間を所定値に設定することによって遮光レジスト層2の厚みを制御して透過率を調整する。ガラス基材1の面積が大きい場合はローラなどで塗布することも可能である。
遮光レジスト層2に所定のフォトマスクによってパターン光を照射して感光させる(同図(b))。
遮光レジスト層2の感光領域を溶剤で溶解して現像し、ベ一キングして所定のパターンを有する遮光レジスト層2を形成する(同図(c))。
上記の工程によって形成された遮光レジスト層2を遮光膜とするものである。
この方法は真空蒸着装置を必要とせず、従来方法と比較して工程が簡略化される。また、遮光レジストを塗布するだけの方法であるので、ウェハサイズの制約も生じない。
また、光の吸収材に、例えばカーボンを用いれば波長に依存しない遮光効果がえられ、特定の波長を吸収する材料を用いれば所定の波長のみを遮光する効果が得られる。
通常、DVD又はCDのピックアップ装置のグレーティング素子用の遮光膜においては、波長650nm±20nm、785nm±20nmの帯域で透過率及び反射率をそれぞれ1%以下とするのが望ましいとされている。
しかしながら、前記遮光レジスト層2は、同図に示されるように、波長600〜850nmの帯域で、表面及び裏面の透過率共にほぼ0%、表面反射率は約6.2%、裏面反射率は約1.2%となり、透過率(遮光率)は良いものの反射率が大きいという結果となった。
図2の透過率及び反射率をもとに、前記遮光レジスト層2の光学的特性値を算出した結果、屈折率1.6、吸収係数0.25が得られた。この特性値に基づいて、グレーティング素子に施した前記遮光レジストの反射率改善のための評価確認試験を行った。
同図(a)に示すように、本グレーティング素子10は、ガラス基材11の一方の面の所定の範囲(開口部)にグレーティング格子部分(遮光部)10aが形成され、他の範囲の上面には後述の遮光レジスト15を主構成材とした遮光部分10bが形成されている。
同図(b)は、同図(a)の破線で囲まれた部分の部分拡大図であって、同図から明らかなように、グレーティング格子部分10aおよび遮光部分10bはいずれも多層構造となっている。
本発明の特徴的な構成の一つは遮光レジスト層15の上下面を2つの反射防止膜14、16により挟み込むことによって、遮光部分10bの反射特性を改善したところにある。
以下、本グレーティング素子10の製造方法を説明しつつ、細部の構成を説明する。
同図(a)の工程では、ガラス基材11の一方の面の全面に蒸着によってMgF2(エッチング保護膜)12と、SiO2層13を順次形成する。
同図(b)の工程では、同図(a)のSiO2層をフォトリソグラフィによってエッチングして、グレーティング格子部分10aに所定のパターンのグレーティング格子を形成する。
このグレーティング格子の製造方法は、例えば特許文献2の特願2002−265003に記述されているので、ここでの詳細な説明は省略する。
同図(c)の工程では、同図(b)の上面に反射防止膜として機能するAl2O3からなる第1の誘電体膜14を蒸着によって積層する。
同図(d)の工程では、同図(c)の第1の誘電体膜14上面全面に遮光レジスト層15を塗布する。
同図(e)の工程では、同図(d)の遮光レジスト層15に、図示しないフォトマスクを介して露光して、遮光部分10bを残してグレーティング格子部分10aの遮光レジスト層15を溶剤で溶解して除去し、遮光部分10bの第1の誘電体膜14a上に遮光レジスト層15を形成する。
同図(f)の工程で、同図(e)の両面全面に反射防止膜として機能する第2の誘電体膜16を蒸着によって形成する。
同図(f)の工程において、遮光レジスト層15は樹脂であるので高温度になる通常の蒸着法を避けて、SiO2とTa2O5の交互層を蒸着物質としたイオンプレーティング(RF)法による無加熱蒸着によってコーティングを行なう。
同図(a)に示したように、本ピックアップ装置20は、CD用レーザダイオード(以下、LDという)21、グレーティング22、DVD用LD23、グレーティング24、波長合成プリズム25、ハーフミラー26、コリメータレンズ27、対物レンズ28、ディスク(CDあるいはDVD)29、フォトダイオード(以下、PDという)30より構成される。
ディスク29面で反射したレーザ光は、対物レンズ28、コリメータレンズ27を経て、ハーフミラー26を透過してPD30で受光され、電気信号に変換されて出力される。
通常、LDのレーザ光は、所定の発散角θの範囲に光域を制限してピックアップ装置の信号光として使用される。しかしながら、発散角θより大きい範囲の外周光はピックアップ装置の信号の再生には使用されないが、実際には、この外周光は各光学素子の外周での反射、又は外周のチッピング部での乱反射によって、その一部がPDで受光されて迷光となってピックアップ装置のS/N比を低下させ、信号を解読できなくなってしまうおそれがあった。
そこで、本発明においては、LD21(23)のレーザ光出射の位置のグレーティング22(24)に、図3の本発明に係わる遮光膜22a(24a)を形成し、迷光が発生することを防止したものである。
デジタルカメラあるいはビデオカメラのレンズにおいては、入射した光は基本的にOLPF、色補正フィルタを経て電荷結合素子(CCD)に到達する。このとき、レンズの鏡筒内などで乱反射した光が迷光となりCCDで像を受光する際にコントラストを低下させるおそれがある。
そこで、OLPFのレンズ側表面に、本発明に係わる遮光レジストによる遮光膜を形成して、迷光をカットする。OLPF、色補正フィルタ等の素子が貼り合わせで構成されている場合には、前記遮光膜を貼り合わせ面に形成しても良い。
10a・・グレーティング格子部分、 10b・・遮光部分、 11・・ガラス基材、
12・・エッチング保護膜(MgF2層)、 13・・SiO2層、
14・・第1の誘電体膜(Al2O3)、 15・・遮光レジスト層、
16、・・第2の誘電体膜(Ta2O5、SiO2層)、
20・・ピックアップ装置、 21・・CD用レーザダイオード(LD)、
22・・グレーティング、22a・・遮光膜、23・・DVD用レーザダイオード(LD)、
24・・グレーティング素子、 24a・・遮光膜、 25・・波長合成プリズム、
26・・ハーフミラー、 27・・コリメータレンズ、 28・・対物レンズ、
29・・ディスク(CDあるいはDVD)、 30・・フォトダイオード(PD)、
51・・ガラス基材、 52・・レジスト層、 53・・金属酸化物の遮光膜
Claims (5)
- 開口部と該開口部を除く領域に形成した遮光部とを有する光学素子の製造方法であって、基板の上面に光を吸収する材料を配合した樹脂からなる遮光レジストを塗布し、フォトマスクを介して遮光レジストを感光させ現像することにより前記開口部に塗布した遮光レジストを除去し、遮光部に相当する領域を遮光レジストにて覆ったことを特徴とする遮光部を有する光学素子の製造方法。
- 遮光レジストを塗布する前に光学素子の上面に第1の反射防止膜を成膜し、遮光レジストを感光現像した後に光学素子の上面に第2の反射防止膜を成膜し、遮光レジストを2つの反射防止膜の間に挟み込んだことを特徴とする請求項1に記載の遮光部を有する光学素子の製造方法。
- 開口部と該開口部を除く領域に形成した遮光部とを有し、前記開口部には格子状の回折格子を備えたグレーティング素子の製造方法であって、
透明基板上面の前記開口部に相当する領域に格子状の回折格子を形成する回折格子形成工程と、回折格子を含む透明基板上面に第1の反射防止膜を形成する第1の反射防止膜形成工程と、第1の反射防止膜の上面に光を吸収する材料を配合した樹脂からなる遮光レジストを塗布する遮光レジスト塗布工程と、遮光レジストを露光現像して前記開口部に塗布された遮光レジストを除去する露光現像工程と、少なくとも遮光レジスト上面に第2の反射防止膜を形成する第2の反射防止膜形成工程とを備えたことを特徴とする遮光部を有するグレーティング素子の製造方法。 - 開口部と該開口部を除く領域に形成した遮光部とを有し、前記開口部には格子状の回折格子を備えたグレーティング素子であって、
透明基板上面の前記開口部に相当する位置に形成された格子状の回折格子と、回折格子を含む透明基板上面を覆う第1の反射防止膜と、第1の反射防止膜の上面であって前記遮光部に相当する位置に形成された光を吸収する材料を配合した樹脂からなる遮光レジスト層と、少なくとも遮光部を覆う第2の反射防止膜とを備えていることを特徴とするグレーティング素子。 - 前記透明基板下面に第3の反射防止膜を備えていることを特徴とする請求項4に記載のグレーティング素子。
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JP2007223869A (ja) * | 2006-02-27 | 2007-09-06 | Epson Toyocom Corp | ダイシングラインの膜構造、光学基板のウェハ、光学部品、及び光学部品の製造方法 |
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2004
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