JP2007222157A - 多層糖衣食品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】クエン酸などの有機酸を酸味料として糖衣層中に含み、多様な酸味を呈する、硬質コーティグした新規な糖衣食品を提供する。
【解決手段】中心層となる食品に対し、砂糖溶液と有機酸溶液を別に噴霧し又は噴霧直前に砂糖溶液と有機酸溶液を混合して両者を同時に噴霧し、乾燥して有機酸を含む硬質な糖衣層を形成する工程と、砂糖溶液を噴霧し、乾燥して砂糖を主成分とする硬質な糖衣層を形成する工程とを繰り返すことで、砂糖を主原料とする糖衣層と有機酸を含有する糖衣層とが交互に重なり合った多層構造を有し、かつ各層の砂糖が結晶化して硬質コーティングされた多層糖衣食品を得る。更に、砂糖を主成分とする糖衣層に油脂や油脂加工品を含有すると、有機酸による、より多様な酸味が美味しい糖衣食品となる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、多層糖衣食品とその製造方法に関する。更に詳しくは、滑らかさとクランチ性を有し、多様な酸味が美味しい糖衣食品に関する。
一般に、糖衣食品は、以下のように製造される。即ち、まず被糖衣物である食品(以下、中心層という。)に、砂糖を主成分とし、他の糖類、澱粉などの結合剤を含む水溶液を、スプレーなどで中心層表面の全域に行き渡らせ、この後、炭酸カルシウムなどの微粉末混合物を散布して中心層相互の結着をふせぎ、次に温風を送って糖衣層を乾燥させる工程を複数回繰り返す。場合により、この後、色素を含む水溶液をスプレーし温風での乾燥を行う工程を繰り返して糖衣層を着色し、更に場合によりワックスなどで艶を出すこともある(例えば、特許文献1参照。)。更に、中心層が比較的大きな物やいびつな物に対しては、下掛け、中掛け、上掛けの3段階の糖衣工程を経て作られるのが一般的である(例えば、特許文献2参照。)。また、通常、前記糖衣工程に用いられる砂糖を主体とする水溶液は、20〜40℃で保たれるのが一般的である。
近年、低カロリー、抗う蝕性をうたった、砂糖ではなく種々な糖アルコールを糖衣層に用いた、いわゆるノンシュガー糖衣が盛んに用いられている(例えば、特許文献3参照。)。ところが糖衣層に砂糖を用いた糖衣食品は依然として非常に人気がある。しかし、糖衣層に砂糖を使用した糖衣食品の問題は甘ったるさの点である。この問題は、糖衣層を形成するための砂糖溶液に、有機酸などの酸味料を加えれば解決できる。しかし、砂糖を主成分とする糖衣液に前記のような酸味料を加えると、有機酸により砂糖の分解が起こり、乾燥が著しく遅くなり、極端な場合には全く乾燥が出来ないことが知られている(特許文献2の段落[0003]参照)。
クランチ性を有する硬質コーティングではなく軟質コーティングを使用して得られるゼリー菓子では、酸味料を用いた糖衣層を形成したものが提案されている(例えば、特許文献4参照。)。しかし、このゼリー菓子は、軟質コーティングであり、硬質コーティングで得られる糖衣食品とは本質的に異なり、硬質コーティングで得られるクランチ性を有するものではない。また、特許文献4に記載された試験例によれば、このゼリー菓子の糖衣層に添加できる酸味料の添加量の上限は、糖衣形成用シロップ中に0.025重量%と少量であり、酸による砂糖の分解という観点では、無視できる程度の酸味料の添加量にしか過ぎない。更に、クエン酸などの有機酸を被覆した突起付き酸糖衣製品も提案されている(例えば、特許文献5参照。)。しかし、この酸糖衣食品も、軟質コーティングであるためクランチ性は得られず、また、糖衣層を形成する糖類の主成分は砂糖ではなくぶどう糖を使用したものであり、しかもこの酸糖衣食品は突起を有しているため滑らかさに欠ける傾向にある。また、糖衣物の糖衣層に用いる被覆物としてパラチノースを使用し、更に糖衣層又はセンター物に対してクエン酸等の有機酸を添加した、酸味のある、極めてかみ口ソフトな糖衣物が提案されている(例えば、特許文献6参照。)。しかし、この糖衣物は、被覆する糖類が砂糖ではなくパラチノースであるうえに、かみ口ソフトな糖衣物と称するとおり糖衣層は軟質コーティングであり、硬質コーティングした糖衣食品とは本質的に異なり、硬質コーティングした食品のようなクランチ性を有するものではない。
また、ビタミンCを糖衣層に用いた食品も知られており(例えば、特許文献7、8、9参照。)、また、例えばUHA味覚糖株式会社製「Cケア」(商標)、UHAピピン株式会社製「e−maのど飴」(商標)といったビタミンCを糖衣層に用いた商品も実際に販売もされている。しかし、ここで得られる糖衣物の酸味はビタミンCによるものであり、酸味料としてごく一般的に使われているクエン酸などの多様な酸味を呈する吸湿性の有機酸を含む糖衣層を硬質コーティングした食品は知られていない。
特開平5−252871号公報 特開平9−313109号公報 特公平7−79626号公報 特開平7−67554号公報 特開平8−89174号公報 特開平4−316455号公報 特開平8−70791号公報 特開平8−70792号公報 特開2004−208528号公報
本発明は、硬質コーティグした糖衣食品であって、クエン酸などの吸湿性の有機酸を酸味料として糖衣層中に含み、多様な酸味を呈する、新規な糖衣食品を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、砂糖を主成分とする糖衣層と、酸味料としてクエン酸に代表される吸湿性の有機酸を含む糖衣層とを、少なくとも2層の多層構造となるように硬質コーティングし、前記有機酸を含む糖衣層の形成に際し、有機酸による砂糖の分解を最低限に抑えることで、滑らかさとクランチ性を有し、かつ多様な酸味が美味しい糖衣食品になることを見いだし本発明に至った。
即ち、本発明に係る糖衣食品は、中心層となる食品を糖衣層により被覆した糖衣食品であって、前記糖衣層が、砂糖を主成分とする糖衣層と、吸湿性の有機酸を含有する糖衣層とが交互に重なり合った多層構造を有し、かつ各層の砂糖が結晶化している硬質コーティング層であることを特徴とする。この糖衣食品は、硬質コーティングした糖衣食品であるため、滑らかさとクランチ性を有し、かつ酸味料としての有機酸による多様な酸味が美味しい糖衣食品である。
また、前記有機酸として、クエン酸、酒石酸及びリンゴ酸からなる群から選択される少なくとも1種を用いると、これらの有機酸による好ましい酸味を有する糖衣食品となる。
更に、前記糖衣層における、砂糖を主成分とする糖衣層のうちの少なくとも一層に、油脂及び/又は油脂加工品を含有することで、油脂や油脂加工食品の呈味効果が得られるとともに、有機酸による酸味の感じ方が変化することで、有機酸による、より多様な酸味が美味しい糖衣食品となる。
また、上記のような本発明に係る糖衣食品を製造する方法は、中心層となる食品に対し、砂糖溶液と有機酸溶液を別に噴霧し又は噴霧直前に砂糖溶液と有機酸溶液を混合して両者を同時に噴霧し、乾燥して前記有機酸を含有する硬質な糖衣層を形成する工程と、砂糖溶液を噴霧し、乾燥して砂糖を主成分とする硬質な糖衣層を形成する工程とを繰り返すことを特徴とする。
本発明に係る糖衣食品は、硬質コーティングされた糖衣層による滑らかさとクランチ性を有し、かつ有機酸を含有する糖衣層による砂糖の甘味と有機酸の酸味との調和のとれた、従来にない美味しい糖衣食品である。更に、砂糖を主成分とする糖衣層に油脂や油脂加工品を含有すると、有機酸による、より多様な酸味が美味しい糖衣食品となる。
また、本発明に係る糖衣食品の製造方法によれば、硬質コーティングされた糖衣層による滑らかさとクランチ性を有しつつ、有機酸を含有する硬質な糖衣層を形成する際に、前記のように砂糖溶液と有機酸溶液を別に噴霧し又は噴霧直前に砂糖溶液と有機酸溶液を混合して両者を同時に噴霧し、これを乾燥することで、有機酸による砂糖の分解が抑制され、砂糖の甘味と有機酸の酸味との調和のとれた美味しい糖衣食品を製造することができる。
本発明の糖衣食品は、有機酸を含有する糖衣層を形成する際に、砂糖の分解を最低限に抑えることで得られる。即ち、砂糖の分解はpHが下がることで進み、これは時間経過と共に進む現象であることは一般的に知られている。本発明者らは、有機酸を含有する糖衣層を形成する際の、有機酸による糖衣液のpH低下によって砂糖が分解するスピードと、砂糖の結晶化スピードとの関連性に着目することで、有機酸を含有する糖衣層を形成する際に、砂糖の分解を最低限に抑え、これにより、砂糖の甘味と有機酸の酸味との調和のとれた美味しい糖衣食品とするという目的を達成出来ると考え実験を進めた結果、中心層となる食品に対し、糖衣液を噴霧する直前に砂糖溶液と有機酸溶液と混合して噴霧する、又は砂糖溶液と有機酸溶液との両者を同時に噴霧することで、砂糖の分解を最低限に抑え、砂糖の結晶化を抑制することなく、有機酸を含む糖衣層の形成を可能としたものである。
本発明に係る糖衣食品は、中心層となる食品が、砂糖を主成分とする糖衣層と吸湿性の有機酸を含有する糖衣層とが交互に重なり合った糖衣層で被覆されており、糖衣層は、砂糖を主成分とする糖衣層及び有機酸を含有する糖衣層との少なくとも2層からなる多層構造を有する。前記糖衣層は、砂糖を主成分とする糖衣層と吸湿性の有機酸を含有する糖衣層とがそれぞれ1層ずつの2層構造であってもよい。また砂糖を主成分とする糖衣層と吸湿性の有機酸を含有する糖衣層とが、交互に、それぞれ2層以上重なりあった多層構造であってもよい。
本発明に係る糖衣食品の中心層として食用できる食品としては、例えば打錠物、カプセル、丸薬、キャンディ、ガムなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。本発明でいう前記打錠物とは、例えば糖を主成分とし、打錠機などで圧縮成型した錠菓が挙げられる。前記カプセルとは、過食性カプセル内に粉末又は液状の食品などを封入したものである。前記丸薬とは、ハーブや果汁などのエキスを澱粉などの糖類でかため丸く成形したものである。また、前記キャンディとしては、ハードキャンディ、ソフトキャンディ、グミキャンディなどの各種キャンディが挙げられる。
本発明の糖衣食品における、砂糖を主成分とする糖衣層と、吸湿性の有機酸を含有する糖衣層とを形成する際には、糖衣液として砂糖溶液を使用する。この糖衣液に使用される砂糖としては、一般に使用される上白糖、グラニュー糖などでも可能であるが、精製度の高い白双糖(ザラメ、ハードシュガーともいう)を使用することが、より望ましい態様である。精製度が高い白双糖であれば、糖衣層形成時の結晶化も進みやすく、本発明の目的とする、滑らかさとクランチ性を有する糖衣層を得られやすい。また、この時に糖衣液として使用される砂糖溶液は、糖度60〜90%、好ましくは69〜76%に調整する。このような糖度に調整することで、好ましい甘味が得られるとともに、糖衣層形成時に砂糖の結晶化が良好に行われる。尚、糖衣液としての砂糖溶液には、香料、調味料、着色料などの添加物を適宜添加してもよい。更に、前記糖衣液は、砂糖を主成分とするが、砂糖の結晶化を阻害せず、また砂糖による甘味の発現を阻害しない範囲の量であれば、砂糖以外の糖類を併用することもできる。この場合、主成分としての砂糖は、糖衣液の糖類中で少なくとも90重量%以上であることが好ましい。前記砂糖以外の糖類としては、例えば、キシリトールなどの糖アルコールや水飴などが挙げられる。
本発明の糖衣食品における、有機酸を含有する糖衣層を形成する際には、前記砂糖溶液とは別に、有機酸溶液を使用する。この別に準備する有機酸溶液は、有機酸の濃度を20〜95重量%、好ましくは40〜90重量%に調整した水溶液である。この有機酸溶液の濃度が低すぎると乾燥時に水の蒸発が遅くなり、砂糖の結晶化に影響を及ぼし結晶化に時間を要することで砂糖の分解が経時的に進み、場合によっては砂糖の結晶化が進まず、目的とする、滑らかさとクランチ性を有し、多様な酸味を有する糖衣食品は得られない。本発明で使用する有機酸は、吸湿性のものである。一般的には、吸湿性とは、物質が大気から水を吸収する性質のことをいう。しかし、本発明で吸湿性の有機酸とは、温度37℃、相対湿度85%の環境下で保持したときに溶解する性質を有する有機酸のことをいう。従って、常温で液体で存在する酢酸や乳酸(発酵乳酸)などの液酸、また常温で固体であっても前記条件下では溶解しないフマル酸などは本発明における吸湿性の有機酸の範囲外である。多様な酸味による美味しさを追求する本発明の糖衣食品においては、前記吸湿性の有機酸としては、クエン酸、酒石酸及びリンゴ酸からなる群から選択される少なくとも1種を使用することが、より好ましい態様である。なお、前記のような吸湿性の有機酸に加え、ビタミンC(アルコルビン酸)、酢酸、乳酸などの特徴的な酸味を有する有機酸を併用することも可能である。
有機酸を含有する糖衣層における砂糖と有機酸の比率については、砂糖固形量(100重量%)に対する、有機酸固形量が1〜30重量%が好ましく、更に好ましくは3〜20重量%である。前記有機酸固形量が1重量%未満であれば酸味として非常に弱く、多様な酸味は得られない。一方、前記有機酸固形量が30重量%を超える場合には、砂糖の結晶化が遅くなり、滑らかさとクランチ性を有する糖衣食品は得られ難い。また、前記有機酸固形量が5%以上を超える場合は、砂糖として白双糖を使用することが、糖衣層形成時の結晶化も進みやすく、好ましい。
なお、有機酸を含有する糖衣層を形成するに際しては、前記のような有機酸溶液を使用することなしに、前記砂糖を主成分とする糖衣液を噴霧し、噴霧した糖衣液の乾燥前に、有機酸を固体(粉体)のまま散布して前記比率で添加することも可能である。有機酸を固体で使用する際は、なるべく細かい粉体を使用することが望ましい。これは、有機酸の粒径が糖衣層の滑らかさに大きく影響するためである。しかし、水溶液として使用する場合と異なり、有機酸を固体(粉体)で使用する際の注意点は、中心層としての食品に対して如何に均一に散布できるかである。酸味料の微妙な添加量を調節し、また均一に添加するには、有機酸は水溶液の状態で使用することがより好ましい。
また、前記糖衣液は、砂糖を主成分とするが、有機酸を含有しない糖衣層を形成する糖衣液には、砂糖の結晶化を阻害しない範囲の量の油脂や油脂加工品を含有することも好ましい態様である。油脂や油脂加工品を含有することで、それらの呈味効果が得られるとともに、有機酸の酸味の感じ方が変化して有機酸のより多様な酸味を発現できる。使用する油脂としては、カカオ脂、ヤシ油、パーム油、パーム核油、菜種油、大豆油、コーン油、ゴマ油などの植物性油脂や、乳脂、ラードなどの動物性油脂が挙げることができ、油脂加工品としては、チョコレート、バター、ショートニング、生クリーム、ホイップクリームなどが挙げられる。また、2種類以上の油脂又は油脂加工品を併用することも可能である。油脂含有量としては、砂糖固形量に対し0.1重量%〜50重量%、好ましくは1重量%〜30重量%である。油脂や油脂加工品の含有量が前記の範囲より少なければ油脂の呈味効果を十分に感じられないし、多すぎるとクランチ性が損なわれてしまう。
本発明に係る糖衣食品は、糖衣層形成時に、前記のような砂糖溶液(砂糖を主成分とする糖衣液)と有機酸溶液を使用して、好ましくは砂糖層と有機酸添加層とを、それぞれが複数層となるように、交互に多層に形成することで、クランチ性が更に向上し、且つ多様な酸味を付与することが出来る。
更に好ましくは、前記のような砂糖溶液(砂糖を主成分とする糖衣液)に油脂及び/又は油脂加工品を含有する糖衣層と有機酸添加層とが、それぞれ複数層となるように交互に多層に形成することで、クランチ性のある食感と多様な酸味を付与することができる。なお、油脂や油脂加工品は、必ずしも砂糖を主成分とする糖衣層の全てに含有する必要はなく、それら糖衣層の一部のみに含有させてもよい。
本発明に係る多層糖衣食品は、例えば、以下のようにして製造される。まず、糖衣液としての砂糖溶液と有機酸溶液とを準備する。前記砂糖溶液は、砂糖を水に溶解し、糖度60〜90%に調整する。この砂糖溶液の糖度は、より好ましくは69〜76%とする。また、砂糖としては、好ましくは白双糖を原料とするが、グラニュー糖や上白糖であってもよい。また、砂糖を主成分とする糖衣層を形成するための糖衣液として、砂糖溶液に油脂及び/又は油脂加工品を添加し乳化することで得られる糖衣液も好ましい態様である。これとは別に、有機酸を水に溶解し、濃度20〜95重量%、好ましくは、40〜90重量%に調整した有機酸溶液を準備する。そして、中心層(以下、「センター核」という)となる食品、例えば錠菓などの打錠物や、カプセル、丸薬、キャンディ、ガムなどをコーティングパンに投入し、該パン内で回転しているセンター核に、糖衣液を霧状に噴霧する。この糖衣液を噴霧する際には、直前に前記砂糖溶液と前記有機酸溶液とを混合し、噴霧し、乾燥する。又は、前記砂糖溶液と前記有機酸溶液とを同時に噴霧し、乾燥する。これにより、有機酸により砂糖の結晶化が阻害されることなく、有機酸と砂糖との両方が混合され、両者の味の調和のとれた、しかも砂糖が結晶化した硬質な糖衣層が形成される。このような、糖衣液の噴霧と乾燥という工程により、センター核の表面に、有機酸を含有する糖衣層が形成される。霧状に噴霧した後、砂糖の結晶化を促進するため、パン内に温風を導入し、乾燥することが好ましい。温風の温度は、20℃〜80℃、より好ましくは40℃〜75℃である。これら、糖衣液の噴霧及び乾燥を繰り返すことで、有機酸を含有する糖衣層が、所望の厚みに形成される。次に、前記有機酸を含有する糖衣層の外層に前記砂糖溶液を噴霧し、乾燥する工程により、有機酸を含有する糖衣層の表面に砂糖を主成分とする糖衣層が形成される。この砂糖液の噴霧と乾燥とを繰り返すことで、砂糖を主成分とする糖衣層が、有機酸を含有する糖衣層の表面に、所望の厚みに形成される。更に、前記の有機酸を含有する糖衣層の形成工程と、前記砂糖を主成分とする糖衣層形成工程とを、交互に繰り返すことで、有機酸を含有する糖衣糖と砂糖を主成分とする糖衣層との多層構造が得られる。なお、このときに使用するコーティングパンは、オニオン型パン、自動糖衣パンなど、糖衣食品の製造に一般的に使用されるコーティングパンを使用できる。
次に、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
1. 打錠物(1)の調製
表1に示す組成の造粒物を流動層造粒機で調製した。
Figure 2007222157
更に、前記造粒物を用い、表2に示す組成になるように打錠し、直径7mm、厚さ4mm、単重0.18gの打錠物(1)を調製した。
Figure 2007222157
2. 糖衣液(1)の調製
表3に示す組成の糖衣液(1)を調製した。なお、糖度は70%とした。
Figure 2007222157
3. 有機酸溶液(1)の調製
表4に示す組成の有機酸溶液(1)を調製した。有機酸濃度は50重量%とした。
Figure 2007222157
4. 糖衣食品の製造(糖衣層の形成)
上記打錠物(1)を、糖衣用のコーティングパンに投入し、回転数18rpmで回転させ、常時送風を送り込むようにした。この時の送風温度は、設定値50℃、実測値40〜60℃であった。次に、糖衣液(1)を1gに対し、有機酸溶液(1)を0.05gの比率でそれぞれ計量、混合し、直後にコーティングパンの打錠物(1)に散布し、乾燥した。この工程を5回繰り返し、センター核としての打錠物(1)の表面に、クエン酸を含有する糖衣層を形成した。次に、糖衣液(1)のみを散布し、乾燥した。この工程を10回繰り返し、前記クエン酸を含有する糖衣層の表面に、砂糖を主成分とする糖衣層を形成した。これら、クエン酸を含有する糖衣層を形成する工程と、砂糖を主成分とする糖衣層を形成する工程と、からなる糖衣層形成工程を3サイクル行い、多層糖衣食品を得た。
得られた多層糖衣食品は、なめからさとクランチ性を有し、かつクエン酸の美味しい酸味と砂糖の美味しさが程よく調和した多層糖衣食品であった。
1. 打錠物及び有機酸溶液の調製
実施例1と同様にして、打錠物(1)及び有機酸溶液(1)を調製した。
2. 糖衣液(2)の調製
表5に示す組成の糖衣液(2)を調製した。なお、糖度は70%とした。
Figure 2007222157
3. 糖衣食品の製造(糖衣層の形成)
打錠物(1)を糖衣用のコーティングパンに投入し、回転数18rpmで回転させ、常時送風を送り込むようにした。この時の送風温度は、設定値50℃、実測値40〜60℃であった。次に糖衣液(2)を1gに対し、有機酸溶液(1)を0.2gの比率でそれぞれ計量、混合し、直後にコーティングパン中の打錠物(1)に散布し、乾燥した。この工程を5回繰り返し、センター核としての打錠物(1)の表面に、クエン酸を含有する糖衣層を形成した。次に糖衣液(2)のみを散布し、乾燥した。この工程を10回繰り返し、クエン酸を含有する糖衣層の表面に、砂糖を主成分とする糖衣層を形成した。これら、クエン酸を含有する糖衣層を形成する工程と、砂糖を主成分とする糖衣層を形成する工程と、からなる糖衣層形成工程を4サイクル行い、多層糖衣食品を得た。
得られた多層糖衣食品は、なめからさとクランチ性を有し、かつクエン酸の美味しい酸味と砂糖の美味しさが程よく調和した多層糖衣食品であった。
1. 打錠物及び有機酸溶液の調製
実施例1と同様にして、打錠物(1)及び有機酸溶液(1)を調製した。
2. 糖衣液(3)の調製
表6に示す組成の糖衣液(3)を調製した。なお、糖度は70%とした。
Figure 2007222157
3. 糖衣食品の製造(糖衣層の形成)
打錠物(1)を糖衣用のコーティングパンに投入し、回転数18rpmで回転させ、常時送風を送り込むようにした。この時の送風温度は、設定値50℃、実測値40〜60℃であった。次に糖衣液(3)を1gに対し、有機酸溶液(1)を0.3gの比率でそれぞれ計量、混合し、直後にコーティングパン中の打錠物(1)に散布し、乾燥した。この工程を4回繰り返し、センター核としての打錠物(1)の表面に、クエン酸を含有する糖衣層を形成した。次に糖衣液(3)のみを散布し、乾燥した。この工程を8回繰り返し、クエン酸を含有する糖衣層の表面に、砂糖を主成分とする糖衣層を形成した。これら、クエン酸を含有する糖衣層を形成する工程と、砂糖を主成分とする糖衣層を形成する工程と、からなる糖衣層形成工程を5サイクル行い、多層糖衣食品を得た。
得られた多層糖衣食品は、なめからさとクランチ性を有し、かつクエン酸の美味しい酸味と砂糖の美味しさが程よく調和した多層糖衣食品であった。
1. 丸薬(1)の調製
表7に示す組成の丸薬(1)を調製した。製丸機で直径5mmに成形した。
Figure 2007222157
2. 有機酸溶液(2)の調製
表8に示す組成の有機酸溶液(2)を調製した。有機酸濃度は50重量%とした。
Figure 2007222157
3. 糖衣液(3)の調製
実施例3と同様にして、糖衣液(3)を調製した。
4. 糖衣食品の製造(糖衣層の形成)
上記丸薬(1)を糖衣用のコーティングパンに投入し、回転数18rpmで回転させ、常時送風を送り込むようにした。この時の送風温度は、設定値50℃、実測値40〜60℃であった。次に、糖衣液(3)を1gに対し、有機酸溶液(2)を0.15gの比率でそれぞれ計量混合し、直後にコーティングパン中の丸薬(1)に散布し、乾燥した。この工程を5回繰り返し、センター核としての丸薬(1)の表面に、クエン酸及び酒石酸を含有する糖衣層を形成した。次に糖衣液(3)のみを散布し、乾燥した。この工程を10回繰り返し、クエン酸及び酒石酸を含有する糖衣層の表面に、砂糖を主成分とする糖衣層を形成した。これら、クエン酸及び酒石酸を含有する糖衣層を形成する工程と、砂糖を主成分とする糖衣層を形成する工程と、からなる糖衣層形成工程を2サイクル行い、多層糖衣食品を得た。
得られた多層糖衣食品は、なめからさとクランチ性を有し、かつクエン酸及び酒石酸の美味しい酸味と砂糖の美味しさが程よく調和した多層糖衣食品であった。
1. 打錠物(1)及び有機酸溶液(1)の調製
実施例1と同様にして、打錠物(1)及び有機酸溶液(1)を調製した。
2. 糖衣液(4)の調製
表9に示す組成の糖衣液(4)を調製した。なお、糖度は76%とした。
Figure 2007222157
3. 糖衣食品の製造(糖衣層の形成)
打錠物(1)を糖衣用のコーティングパンに投入し、回転数18rpmで回転させ、常時送風を送り込むようにした。この時の送風温度は、設定値55℃、実測値45〜65℃であった。次に糖衣液(4)を1gに対し、有機酸溶液(1)を0.2gの比率でそれぞれを同時にコーティングパン中の打錠物に散布し、乾燥した。この工程を5回繰り返し、センター核としての打錠物の表面に、クエン酸を含有する糖衣層を形成した。次に糖衣液(4)のみを散布し、乾燥した。この工程を10回繰り返し、クエン酸を含有する糖衣層の表面に、砂糖を主成分とする糖衣層を形成した。これら、クエン酸を含有する糖衣層を形成する工程と、砂糖を主成分とする糖衣層を形成する工程と、からなる糖衣層形成工程を5サイクル行い、多層糖衣食品を得た。
得られた多層糖衣食品は、なめからさとクランチ性を有し、かつクエン酸の美味しい酸味と砂糖の美味しさが程よく調和した多層糖衣食品であった。
1. 打錠物(1)の調製
実施例1と同様に、打錠物(1)を調製した。
2. 糖衣液(5)の調製
表10に示す組成の糖衣液(5)を調製した。なお、糖度は76%とした。
Figure 2007222157
3. 有機酸溶液(3)の調製
表11に示す組成のクエン酸溶液を調製した。クエン酸濃度は50重量%とした。このクエン酸溶液100gに90%乳酸を5g添加し、有機酸溶液(3)とした。
Figure 2007222157
4.糖衣食品の製造(糖衣層の形成)
打錠物(1)を糖衣用のコーティングパンに投入し、回転数18rpmで回転させ、常時送風を送り込むようにした。この時の送風温度は、設定値55℃、実測値45〜65℃であった。次に糖衣液(5)を1gに対し、有機酸溶液(3)を0.2gの比率でそれぞれを同時にコーティングパン中の打錠物(1)に散布し、乾燥した。この工程を5回繰り返し、センター核としての打錠物(1)の表面に、クエン酸と乳酸とを含有する糖衣層を形成した。次に糖衣液(5)のみを散布し、乾燥した。この工程を10回繰り返し、クエン酸及び乳酸を含有する糖衣層の表面に、砂糖を主成分とする糖衣層を形成した。これら、クエン酸及び乳酸を含有する糖衣層を形成する工程と、砂糖を主成分とする糖衣層を形成する工程と、からなる糖衣層形成工程を5サイクル行い、多層糖衣食品を得た。
得られた多層糖衣食品は、滑らかさとクランチ性を有し、クエン酸と乳酸風味が調和したおいしい酸味に、更に砂糖のおいしさが調和した多層糖衣食品であった。
1. 打錠物、有機酸溶液及び糖衣液の調製
実施例1と同様にして、打錠物(1)、有機酸溶液(1)及び糖衣液(1)を調製した。
2. 糖衣食品の製造(糖衣層の形成)
打錠物(1)を糖衣用のコーティングパンに投入し、回転数18rpmで回転させ、常時送風を送り込むようにした。この時の送風温度は、設定値50℃、実測値40〜60℃であった。次に糖衣液(1)を1gに対し、有機酸溶液(1)を0.2gの比率でそれぞれ計量、混合し、直後にコーティングパン中の打錠物(1)に散布し、乾燥した。この工程を5回繰り返し、センター核としての打錠物(1)の表面に、クエン酸を含有する糖衣層を形成した。次に糖衣液(2)のみを散布し、乾燥した。この工程を10回繰り返し、クエン酸を含有する糖衣層の表面に、砂糖を主成分とする糖衣層を形成した。これら、クエン酸を含有する糖衣層を形成する工程と、砂糖を主成分とする糖衣層を形成する工程と、からなる糖衣層形成工程を4サイクル行った。更に、糖衣液(1)を1gに対し、有機酸溶液(1)を0.2gの比率でそれぞれ計量、混合し、直後にコーティングパン中の打錠物(1)に散布し、乾燥した。この工程を5回繰り返し、多層糖衣食品を得た。
得られた多層糖衣食品は、なめからさとクランチ性を有し、かつクエン酸の美味しい酸味と砂糖の美味しさが程よく調和した多層糖衣食品であった。
1. 打錠物及び糖衣液の調製
実施例1と同様にして、打錠物(1)及び糖衣液(1)を調製した。
2. 有機酸溶液(4)の調製
表12に示す組成の有機酸溶液(4)を調製した。
Figure 2007222157
3. 糖衣食品の製造(糖衣層の形成)
打錠物(1)を糖衣用のコーティングパンに投入し、回転数18rpmで回転させ、常時送風を送り込むようにした。この時の送風温度は、設定値50℃、実測値40〜60℃であった。次に糖衣液(1)を1gに対し、有機酸溶液(4)を0.2gの比率でそれぞれ計量、混合し、直後にコーティングパン中の打錠物(1)に散布し、乾燥した。この工程を5回繰り返し、センター核としての打錠物(1)の表面に、クエン酸及びリンゴ酸を含有する糖衣層を形成した。次に糖衣液(1)のみを散布し、乾燥した。この工程を10回繰り返し、クエン酸及びリンゴ酸を含有する糖衣層の表面に、砂糖を主成分とする糖衣層を形成した。これら、クエン酸及びリンゴ酸を含有する糖衣層を形成する工程と、砂糖を主成分とする糖衣層を形成する工程と、からなる糖衣層形成工程を4サイクル行い、多層糖衣食品を得た。
得られた多層糖衣食品は、なめからさとクランチ性を有し、かつクエン酸及びリンゴ酸の美味しい酸味と砂糖の美味しさが程よく調和した多層糖衣食品であった。
1. 打錠物及び糖衣液の調製
実施例1と同様にして、打錠物(1)及び糖衣液(1)を調製した。
2. 有機酸溶液(5)の調製
表13に示す組成のクエン酸溶液を調製した。クエン酸濃度は50重量%とした。このクエン酸溶液100gに市販の穀物酢を5g添加し、有機酸溶液(5)とした。
Figure 2007222157
3. 糖衣食品の製造(糖衣層の形成)
打錠物(1)を糖衣用のコーティングパンに投入し、回転数18rpmで回転させ、常時送風を送り込むようにした。この時の送風温度は、設定値55℃、実測値45〜65℃であった。次に糖衣液(1)を1gに対し、有機酸溶液(5)を0.2gの比率でそれぞれ計量、混合し、直後にコーティングパン中の打錠物(1)に散布し、乾燥した。この工程を5回繰り返し、センター核としての打錠物(1)の表面に、クエン酸及び穀物酢を含有する糖衣層を形成した。次に糖衣液(1)のみを散布し、乾燥した。この工程を10回繰り返し、クエン酸及び穀物酢を含有する糖衣層の表面に、砂糖を主成分とする糖衣層を形成した。これら、クエン酸及び穀物酢を含有する糖衣層を形成する工程と、砂糖を主成分とする糖衣層を形成する工程と、からなる糖衣層形成工程を4サイクル行い、多層糖衣食品を得た。
得られた多層糖衣食品は、なめからさとクランチ性を有し、かつクエン酸と酢酸風味が調和した美味しい酸味に、更に砂糖の美味しさが程よく調和した多層糖衣食品であった。
1. 実施例1と同様にして、打錠物(1)及び有機酸溶液(1)を調製した。
2. 糖衣液(6)の調製
表14に示す組成の糖衣液(6)を調製した。なお、糖度は76%とした。また、この糖衣液(6)のパーム油由来の油脂含有量は、砂糖固形分に対して5重量%であった。
Figure 2007222157
3. 糖衣食品の製造(糖衣層の形成)
打錠物(1)を糖衣用のコーティングパンに投入し、回転数18rpmで回転させ、常時送風を送り込むようにした。この時の送風温度は、設定値で55℃、実測値45〜65℃であった。次に糖衣液(6)を1gに対し、有機酸溶液(1)を0.2gの比率でそれぞれを同時にコーティングパン中の打錠物(1)に散布し、乾燥した。この工程を5回繰り返し、センター核としての打錠物(1)の表面に、クエン酸を含有する糖衣層を形成した。次に糖衣液(6)のみを散布し、乾燥した。この工程を10回繰り返し、クエン酸を含有する糖衣層の表面に、油脂を含有する糖衣層を形成した。これら、クエン酸を含有する糖衣層を形成する工程と、油脂を含有する糖衣層を形成する工程と、からなる糖衣層形成工程を5サイクル行い、多層糖衣食品を得た。
得られた多層糖衣食品は、なめらかなクランチ性を有し、油脂の呈味を感じるとともに、よりまろやかになったクエン酸のおいしい酸味と砂糖のおいしさが良く調和した多層糖衣食品であった。
1、 実施例1と同様にして、打錠物(1)及び有機酸溶液(1)を調製した。
2.糖衣液(7)の調製
表15に示す組成の糖衣液(7)を調製した。なお、糖度は76%とした。また、この糖衣液(7)のホワイトチョコレート由来のカカオ脂含有量は、砂糖固形分に対して24重量%であった。
Figure 2007222157
3. 糖衣食品の製造(糖衣層の形成)
打錠物(1)を糖衣用のコーティングパンに投入し、回転数18rpmで回転させ、常時送風を送り込むようにした。この時の送風温度は、設定値で55℃、実測値45〜65℃であった。次に糖衣液(7)を1gに対し、有機酸溶液(1)を0.2gの比率でそれぞれを同時にコーティングパン中の打錠物(1)に散布し、乾燥した。この工程を5回繰り返し、センター核としての打錠物(1)の表面に、クエン酸を含有する糖衣層を形成した。次に糖衣液(7)のみを散布し、乾燥した。この工程を10回繰り返し、クエン酸及び油脂を含有する糖衣層の表面に、油脂を含有する糖衣層を形成した。これら、クエン酸及び油脂を含有する糖衣層を形成する工程と、油脂を含有する糖衣層を形成する工程と、からなる糖衣層形成工程を5サイクル行い、多層糖衣食品を得た。
得られた多層糖衣食品は、なめらかなクランチ性を有し、チョコレートの油脂の呈味を感じるとともに、よりまろやかになったクエン酸のおいしい酸味と砂糖のおいしさが良く調和した多層糖衣食品であった。
1. 実施例1と同様にして、糖衣液(1)、打錠物(1)及び有機酸溶液(1)を調製した。
2. 糖衣液(8)の調製
表16に示す組成の糖衣液(8)を調製した。なお、糖度は76%とした。また、この糖衣液(8)の生クリーム由来の乳脂含有量は、砂糖固形分に対して2.3重量%であった。
Figure 2007222157
3. 糖衣食品の製造(糖衣層の形成)
打錠物(1)を糖衣用のコーティングパンに投入し、回転数18rpmで回転させ、常時送風を送り込むようにした。この時の送風温度は、設定値で55℃、実測値45〜65℃であった。次に糖衣液(8)を1gに対し、有機酸溶液(1)を0.2gの比率でそれぞれを同時にコーティングパン中の打錠物(1)に散布し、乾燥した。この工程を5回繰り返し、センター核としての打錠物(1)の表面に、クエン酸及び油脂を含有する糖衣層を形成した。次に糖衣液(8)のみを散布し、乾燥した。この工程を10回繰り返し、砂糖を主成分とする糖衣層を形成した。更に、糖衣液(1)に対し、有機酸溶液(1)を0.2gの比率でそれぞれを同時にコーティングパンの打錠物(1)に散布し、乾燥した。この工程を5回繰り返し、クエン酸及び油脂を含有する糖衣層の表面に、油脂を含有する糖衣層を形成し、更にその表面に、クエン酸を含有する糖衣層を形成した。これら、クエン酸及び油脂を含有する糖衣層を形成する工程と、油脂を含有する糖衣層を形成する工程と、クエン酸を含有する糖衣層を形成する工程と、からなる糖衣層形成工程を5サイクル行い、多層糖衣食品を得た。
得られた多層糖衣食品は、なめらかなクランチ性を有し、乳脂の呈味を感じるとともに、よりまろやかになったクエン酸のおいしい酸味の糖衣液(8)からなる糖衣層と、すっきりとしたクエン酸のおいしい酸味の糖衣液(1)からなる糖衣層とのコントラストが、両層ともに砂糖のおいしさとが良く調和したうえで感じされる多層糖衣食品であった。
最近の糖衣食品においては、砂糖以外の糖アルコールを主成分とした食品が増えつつある。しかし、砂糖は、その美味しさゆえに、依然として人気のある糖類である。また、砂糖を主成分とした糖衣は滑らかで、かつクランチ性を有する特徴があり糖衣食品においては非常に重要な糖類である。本発明に係る糖衣食品は、前記のような砂糖の美味しさと、この砂糖の美味しさを更に引き立てる有機酸を組み合わせることで、砂糖層による滑らかさとクランチ性を有し、しかも砂糖の甘味と有機酸の酸味とを調和させることで、味の広がりを膨らませることが出来る。更に、油脂を組み合わせることで、有機酸の酸味がまろやかに感じられ、より多様な酸味が味わえる食品となる。このように、本発明は、糖衣食品に有機酸の酸味を利用することができることで、多様な嗜好に対応可能な糖衣食品を提供できる、非常に有用な技術である。

Claims (4)

  1. 中心層となる食品を糖衣層により被覆した糖衣食品であって、前記糖衣層が、砂糖を主成分とする糖衣層と、吸湿性の有機酸を含有する糖衣層とが交互に重なり合った多層構造を有し、かつ各層の砂糖が結晶化している硬質コーティング層であることを特徴とする糖衣食品。
  2. 有機酸がクエン酸、酒石酸及びリンゴ酸からなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項1に記載の糖衣食品。
  3. 前記糖衣層における、砂糖を主成分とする糖衣層のうちの少なくとも一層に、油脂及び/又は油脂加工品を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の糖衣食品。
  4. 中心層となる食品に対し、砂糖溶液と有機酸溶液を別に噴霧し又は噴霧直前に砂糖溶液と有機酸溶液を混合して両者を同時に噴霧し、乾燥して前記有機酸を含有する硬質な糖衣層を形成する工程と、砂糖溶液を噴霧し、乾燥して砂糖を主原料とする硬質な糖衣層を形成する工程とを繰り返すことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の糖衣食品を製造する方法。
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