JP2002045116A - グミキャンディ - Google Patents

グミキャンディ

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JP2002045116A JP2000236749A JP2000236749A JP2002045116A JP 2002045116 A JP2002045116 A JP 2002045116A JP 2000236749 A JP2000236749 A JP 2000236749A JP 2000236749 A JP2000236749 A JP 2000236749A JP 2002045116 A JP2002045116 A JP 2002045116A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トレハロースを含有させることによりグミキ
ャンディの離水を防止するとともに、該トレハロースの
結晶化を効率的に防止することにより、グミキャンディ
特有の食感を保持したグミキャンディを提供すること。 【解決手段】 水分8質量%以上でかつトレハロース及
び還元澱粉糖化物を含有するグミキャンディ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、離水防止成分を含
有するグミキャンディに関する。より具体的には、トレ
ハロース及び還元澱粉糖化物を含有する、比較的高水分
含量のグミキャンディに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から菓子類の1つとして市販されて
いるグミキャンディとしては、種々の風味・味を付与し
た形態のものが開発されているが、これらには共通し
て、プリプリとした柔らかな食感・滑らかな舌触り等も
求められる。このような食感は、そのグミキャンディの
水分含量と密接不可分な関係にあり、比較的高水分含量
に維持することで達成することができる。従って、グミ
キャンディの製造直後には比較的高水分含量であって
も、その後、グミキャンディからの離水が起こると、水
分含量が低くなり、上述したような望ましい食感が得ら
れなくなる傾向にある。そこで、グミキャンディの離水
を防止する成分としてトレハロースを含有させることも
試みられている。しかしながら、このトレハロースはグ
ミキャンディの離水防止効果が高い一方、結晶化し易い
性質にあり、このトレハロースの結晶化により、製品が
ザラついたものとなり、食感・舌触りにおいて望ましく
ないものとなる。また、従来から、キャンディやチュー
イングガム等の種々の菓子類に対しては、所望の風味・
味・食感・色彩を付与するため、又は外的圧力及び乾燥
から保護するために糖衣層を形成する技術が用いられて
いる。通常、糖衣層の形成には、糖衣パン或いは回転釜
などと呼ばれる装置(以下、糖衣パン)が使用される。
具体的には、先ず、糖衣パンの回転容器内に、キャンデ
ィやチューイングガム等の被糖衣物を投入し、次いで、
この回転容器を回転させながら、糖衣蜜(糖質の溶液)
を投入し、この糖衣蜜が被糖衣物の表面全体に被覆され
たところで、粉体原料を投入するか或いは風を送るなど
して上記糖衣蜜を乾かし、被糖衣物の外側に糖衣層を形
成させる。ここで、グミキャンディに対して上述したよ
うな糖衣層を形成させた場合に、グミキャンディからの
離水が生じると、その糖衣層へ水分が移行するため、糖
衣層に斑点模様を生じる傾向にあり、均一な色調を呈
し、また、パリパリとした硬い食感を付与することが困
難になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、トレハロー
スを含有させることによりグミキャンディの離水を防止
するとともに、該トレハロースの結晶化を効率的に防止
することにより、グミキャンディ特有の食感を保持した
グミキャンディを提供することを目的とする。また、グ
ミキャンディに糖衣層を形成させた場合には、その糖衣
層の外観及び食感を良好なものに維持し、かつ、グミキ
ャンディと糖衣層とで新規な食感を醸し出す糖衣グミキ
ャンディを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究の
結果、比較的高水分含量のグミキャンディに、離水防止
成分であるトレハロースと、トレハロースの結晶化防止
成分とを含有させることにより、上記問題を効率的に解
決できることを見い出した。即ち、本発明は、水分8質
量%以上でかつトレハロース及び還元澱粉糖化物を含有
するグミキャンディを提供する。また、本発明は、該グ
ミキャンディ全体を覆うように糖衣層で被覆した糖衣グ
ミキャンディを提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において対象となるグミキ
ャンディとは、水分含量が8質量%(以下、単に%とい
う)以上、好ましくは10%以上、より好ましくは10
〜20%の固形食品であり、弾性、柔軟性、即ち、引張
り、圧縮その他の方法で該食品を変形させ、その原因と
なった荷重を除いた後、材料が略原寸又は原形を回復す
る能力を有するか又は有しないもの、例えばソフトキャ
ンディと称されるものをいう。このようなグミキャンデ
ィは、例えば、水及びゼラチン等を含むゼラチン溶液を
調製し、これとは別に、ショ糖等を含む糖液を調製し、
このゼラチン溶液及び糖液を撹拌混合して乾燥すること
により調製することができる。また、本発明において
は、上記糖液に、トレハロース及び還元澱粉糖化物を含
有させるのが好ましい。また、上記ゼラチン溶液及び糖
液には、その他の所望の任意成分を添加することもでき
る。
【0006】また、上記グミキャンディにおいて、ブリ
ックス(糖度)を高くすると柔らかな食感と共に適度な
硬さで噛み応えのある食感を得ることができる。しかし
ながら、本発明においては、糖質、ゼラチン及び食物繊
維を含むキャンディ溶液を用いることで、ブリックスが
70〜76程度に調整された場合でも、プリプリとした
柔らかさで且つ適度な硬さで噛み応えのある食感を有す
るグミキャンディとすることができ、また、その製造工
程においても、充填装置を用いて成形型に充填する際、
充填装置の充填ノズル先端からキャンディ溶液が糸を曳
くように垂れ下がることがなく、液切れよくキャンディ
溶液を成形型に充填することができる。この際、ブルー
ム値200〜400のゼラチンをキャンディ溶液中に5
〜8%の割合で含ませるのが好ましい。また、糖質は5
0〜80%で、食物繊維は1〜10%で含有させるのが
好ましい。また、成形されるグミキャンディは、任意の
形状であってもよいが、回転させながら糖衣層を形成す
る場合を考慮すると、球状体、楕円体等が好ましい。ま
た、その大きさは、例えば3〜30mm×3〜30mm
×3〜30mmであるのが好ましく、より好ましくは5
〜20mm×5〜20mm×5〜20mmである。
【0007】また、本発明においては、上記グミキャン
ディにトレハロースを含有させるが、このトレハロース
は、商業的に入手することができ、天然又は合成のいず
れのものを用いてもよい。また、その結合様式がα結合
かβ結合かを問わず、α,α−、α,β−及びβ,β−の
いずれのトレハロースを用いることもできる。また、本
発明においては、グミキャンディ中にトレハロースを1
〜15%含有させるのが好ましく、より好ましくは3〜
10%である。
【0008】また、本発明においては、上記グミキャン
ディに還元澱粉糖化物を含有させるが、この還元澱粉糖
化物は、商業的に入手することができ、例えば、東和化
成工業から商品名PO−300として入手することがで
きる。本発明においては、グミキャンディ中に還元澱粉
糖化物を1〜15%含有させるのが好ましく、より好ま
しくは3〜10%である。このような還元澱粉糖化物
は、例えば、3糖以上の多糖類である、マルトトリイト
ール、バニトール等の糖アルコールや各種オリゴ糖等を
20〜80%含むものであるのが好ましく、より好まし
くはこれを50〜80%含むものが挙げられる。また、
これ以外の単糖類又は二糖類、例えば、ソルビトール、
マルチトール、イソマルチトール等の糖アルコールを含
ませてもよい。本発明においては、上記トレハロースと
還元澱粉糖化物の質量割合を1:0.3〜1:3として
グミキャンディ中に含有させるのが好ましい。
【0009】また、本発明においては、上記グミキャン
ディに対して糖衣層を形成させて糖衣グミキャンディと
することができる。例えば、このようなグミキャンディ
の糖衣は回転容器内において行うことができる。回転容
器とは、それ自体が回転可能であり、かつ、糖衣する固
形食品を充填可能なものであればいずれのものであって
もよい。例えば、一般に糖衣パン或いは回転釜と呼ばれ
る、糖衣品を形成するための装置に含まれるものであっ
てもよい。回転容器は、例えば、駆動モータに接続され
鉛直線に対して、例えば10〜60°傾斜させて配置さ
れた回転駆動軸に取り付けられた上方開口型の有底容器
であるのが好ましい。また、このような回転容器を含み
得る糖衣パンとしては、例えば、富士薬品機械社製のF
Y−TS−220を用いることができる。このような糖
衣パンは、例えば、糖衣層被覆用溶液供給装置、例えば
スプレーノズルを備えていてもよく、更に、加熱装置、
冷却装置、乾燥装置(送風装置等)を備えていてもよ
い。
【0010】本発明において、上記糖衣層は、グミキャ
ンディを回転容器中に充填した後、これに糖衣層被覆用
溶液を供給することにより形成することができる。糖衣
層被覆用溶液とは、グミキャンディ全体を覆う糖衣層を
形成するための、いわゆる糖衣蜜からなる溶液をいう。
尚、グミキャンディと糖衣層との間には、例えばオイル
や粉体原料(例えばショ糖等)の層を設けてもよい。こ
こで、糖衣蜜は、マルチトール、プルラン、アラビアガ
ム、ゼラチン、ショ糖及び水等を所定の量加熱混合する
ことにより調製することができる。また、本発明におい
ては、このような糖衣蜜を固形食品全体を覆うように供
給した後、乾燥して糖衣層を形成するのが好ましい。こ
の乾燥は、例えば、粉体配合物を供給して被覆物表面全
体に行き渡らせることにより行うことができ、あるい
は、この粉体配合物での処理の後に室温で放置するか風
を吹きつけることにより行うこともでき、あるいは、粉
体原料で処理せずに室温で放置するか風を吹き付けるこ
とにより行うことができる。また、本発明においては、
固形食品全体を覆うように糖衣層被覆用溶液を繰り返し
供給して、固形食品に対して適当な厚みの第1糖衣層を
形成することができる。この際用いる糖衣蜜の組成は同
一のものとしてもよいし、或いは種々の組成を設定して
もよい。本発明においては、第1糖衣層被覆用溶液を、
固形食品に対して、例えば、10〜200回繰り返し供
給して、複数の糖衣層を形成することができる。また、
最外層被覆用溶液には、色素等を含ませて着色するのが
好ましい。
【0011】また、本発明においては、上記最終糖衣層
を形成した後、艶出しなどの更なる工程を採用してもよ
く、例えば、艶出し工程は、回転容器内に艶出しワック
スを供給し、回転容器を回転させながら該糖衣物表面に
ワックスをコーティングすることにより行うことができ
る。
【0012】次に本発明の製造方法の実施態様の一例を
示すが、本発明はこれに限定される訳ではない。 1)まず、グミキャンディの調製工程を説明する。水1
0〜20部に粘度が1〜5mPa・sのゼラチン4〜1
5部を添加混合し、その後、10〜100hpaにまで
減圧し、その状態を1〜7分間維持してゼラチンを膨潤
させた後、減圧度を100〜800hpaにすると共に
加熱処理を開始し、品温が50〜80℃になった時点で
加熱を停止すると共に常圧に戻すことによりゼラチン溶
液を得ることができる。また、これとは別に、ショ糖1
0〜35部、無水結晶ブドウ糖10〜35部及び水5〜
20部を撹拌混合し、品温100〜130℃にまで加熱
した後、減圧濃縮処理により品温を65〜95℃にまで
低下させて、濃縮糖液を得ることができる。上述のよう
にして得た糖液と、上述のようにして得たゼラチン溶液
とを、それぞれ50〜80℃に保温しながら添加混合し
た後、所望の添加物を加えて撹拌混合して均一化してキ
ャンディ溶液を得ることができる。このキャンディ溶液
のブリックス(Bx)は、好ましくは70〜80とする
のがよい。このようにして得たキャンディ溶液を充填装
置に入れ、コーンスターチ等の成形型に約0.5〜10
gずつ充填し、10〜40℃、湿度20〜60%の条件
で10〜150時間乾燥処理を施した後、該成形型から
取り出してグミキャンディを得ることができる。
【0013】2)次に糖衣層被覆用溶液の調製工程の例
を説明する。糖衣層被覆用溶液は、例えば、糖アルコー
ル0〜80部、プルラン0〜5部、アラビアガム0〜5
部、ゼラチン0〜5部、ショ糖0〜80部、及び水20
〜50部を50〜130℃で撹拌しながら加熱混合する
ことにより調製することができる。あるいは、糖衣層被
覆用溶液は、例えば、ショ糖50〜80部、アラビアガ
ム0.1〜5部、ゼラチン0.1〜5部、及び水20〜
50部を50〜130℃で撹拌しながら加熱混合した後
一旦10〜60℃にまで冷却し、次いで、これにコーン
スターチ0.3〜5部及びレモンフレーバー0.05〜
2部又は色素0.1〜5部を加え、10〜60℃で撹拌
しながら加熱混合することにより調製することができ
る。
【0014】3)粉体配合物の調製 また、上記糖衣層形成のための乾燥工程で用いることが
できる粉体配合物は、例えば、ショ糖0〜80部、マル
チトール0〜80部、プルラン0〜10部、無水クエン
酸0〜10部、及びビタミン0〜60部、レモンフレー
バー0〜5部、アラビアガム0〜10部、及びコーンス
ターチ0〜10部を混合することにより調製することが
できる。尚、本発明においては、酵素処理澱粉やショ糖
等を用いることもできる。
【0015】4)次に、上述のようにして調製した複数
の糖衣層被覆用溶液を用いてグミキャンディに複数の糖
衣層を形成する工程の例を説明する。 a)糖衣パンの回転容器内に、上記グミキャンディ10
〜70部を供給し、該回転容器を毎分5〜30回転で回
転させながら、回転容器を0.5〜10分間回転させ
る。尚、この際、ショ糖(粗粒)0.05〜5kgを供
給することもできる。 b)次に、上記回転容器を毎分5〜30回転で回転させ
ながら、回転容器内に第1糖衣層被覆用溶液0.1〜1
kgを供給し、この溶液がグミキャンディの表面全体に
行き渡ったところで、上記粉体配合物1を0.1〜1k
g供給するのがよい。 c)次に更に別の第1糖衣層被覆用溶液を回転容器内に
供給しこの溶液がグミキャンディの表面全体に行き渡っ
たところで、粉体配合物を供給し、この工程を数回、例
えば1〜30回繰り返すことにより、この溶液の合計が
1〜10kg、粉体配合物合計が1〜10kgとなるよ
うに供給することもできる。また、この際回転容器は1
0〜200分間回転させるのが好ましい。 d)次に、更に別の第1糖衣層被覆用溶液及び粉体配合
物を用いて更なる第1糖衣層を形成することができる。
例えば、この溶液を回転容器内に供給しグミキャンディ
の表面全体に行き渡ったところで、粉体配合物を供給す
ることができ、また、この工程を数回、例えば2〜20
回繰り返すことにより、この糖衣蜜の合計が1〜5k
g、粉体配合物の合計が1〜5kgとなるように供給す
ることができる。また、この際回転容器は10〜150
分間回転させるのが好ましい。 e)更に、第1糖衣層被覆用溶液0.05〜5kgを上
記回転容器内に供給した後、酵素処理澱粉0.1〜5k
g又はショ糖0.05〜5kgを供給し、回転容器を
0.5〜10分間回転させて、更なる第1糖衣層を形成
することもできる。
【0016】5)上述のようにして第1糖衣層を被覆し
た後、これを糖衣パンから取出し、温度5〜30℃、湿
度20〜60%に調整された室内のトレー上に平たく並
べて、3〜96時間乾燥させることができる。
【0017】6)上述のようにして第1糖衣層を乾燥し
た後、更に第2糖衣層を次のようにして被覆することが
できる。上記乾燥後、グミキャンディを再び糖衣パンの
回転容器内に移し、毎分5〜30回転で回転させなが
ら、回転容器内に第2糖衣層被覆用溶液を供給し、この
溶液がグミキャンディの表面全体に行き渡ったところで
さらに粉体配合物を供給し、この粉体配合物2がグミキ
ャンディの表面全体に行き渡ったところで糖衣パンに設
けられた送風管により10〜35℃、湿度20〜60%
の風を風量3m3/分〜30m3/分でグミキャンディに
対して送風することにより第2糖衣層を形成することが
できる。尚、この工程を数回、例えば2〜30回繰り返
すことにより、この糖衣蜜を合計で1〜5kg、粉体配
合物を合計で1〜5kg供給するのが好ましい。尚、こ
の際、回転容器は5〜200分間回転させるのが好まし
い。
【0018】7)上述のようにして第2糖衣層被覆用溶
液及び粉体配合物を糖衣した後、グミキャンディを糖衣
パンから取出し、温度5〜30℃、湿度20〜60%に
調整された室内のトレー上に平たく並べて、3〜96時
間乾燥させることができる。
【0019】8)更に本発明においては、上述のように
して得た糖衣グミキャンディに更に、第2糖衣層全体を
覆うように第3糖衣層を次のようにして形成することが
できる。上述のようにして得た糖衣グミキャンディを再
び糖衣パンの回転容器内に移し、毎分5〜30回転で回
転させながら、回転容器内に第3糖衣層被覆用溶液を供
給し、この溶液がグミキャンディの表面全体に行き渡っ
たところで、送風管より10〜35℃、湿度20〜60
%の風を風量3m3/分〜30m3/分でグミキャンディ
に対して送風することにより第3糖衣層を形成すること
ができる。この工程は、同一の第3糖衣層被覆用溶液を
用いて又はこれとは別の第3糖衣層被覆用溶液を用い
て、数回、例えば5〜40回繰り返すことにより、この
溶液を合計1〜20kg供給することができる。尚、こ
の際、回転容器は5〜150分間回転させるのが好まし
い。
【0020】9)更に任意の工程として、上記回転容器
を毎分1〜10回転で回転させながら、回転容器内に艶
出し用ワックス0.02〜1kgを供給し、回転容器を
5〜100分間回転させることができる。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、トレハロースによりグ
ミキャンディの離水を防止でき、かつ、還元澱粉糖化物
により、トレハロースの結晶化を防止しつつ、離水効果
を高めることができる。また、このようなグミキャンデ
ィは、プリプリとした柔らかな食感・滑らかな舌触りを
保ち、かつ、糖衣層で被覆しないグミキャンディにおい
ては、その外観が良好なものとなる。また、グミキャン
ディを糖衣層で被覆した場合には、外側の糖衣層がパリ
パリとした硬い食感を有し、内側のグミキャンディがプ
リプリとした柔らかな食感を有する、新規な食感を醸し
出す糖衣グミキャンディとなる。また、グミキャンディ
からの離水に伴う糖衣層への水分移行が有効に防止され
るため、糖衣層が斑点模様等を生じることなく均一な色
調を呈し、かつ、糖衣層のパリパリとした硬い食感を提
供することができる。また、糖衣層の糖質として糖アル
コールを用いた場合には、糖衣層における斑点模様等の
発生を更に好適に防止することができる。以下、実施例
を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の
実施例に制限されるものではない。
【0022】
【実施例】(1)グミキャンディの調製1)ゼラチン溶液の調製 水15.6部にコラーゲン4.0部を添加混合した後、
これにブルーム値300で粘度が3.0mPa・sのゼ
ラチン7.7部を添加混合し、その後、50hpaにま
で減圧にし、その状態を2〜3分間維持してゼラチンを
膨潤させた。その後、減圧度を500hpaにすると共
に加熱処理を開始し、品温が65℃になった時点で加熱
を停止すると共に常圧に戻した。
【0023】2)糖液の調製 ショ糖21.7部、トレハロース7.3部、還元澱粉糖
化物(商品名:PO−300 東和化成工業社製)7.
3部、無水結晶ブドウ糖21.7部、及び水10.9部
を撹拌混合し、品温120℃にまで加熱した後、減圧濃
縮処理により品温を80℃にまで低下させた。これによ
り糖液は68.9部から59.5部にまで濃縮された。
尚、PO−300は以下の組成を有する含む還元澱粉糖
化物である:ソルビトール16%、マルチトール12
%、イソマルチトール5.6%、バニトール22.4
%、マルトトリイトール3.5%、及びオリゴ糖。
【0024】3)グミキャンディの調製 約65℃に保温された糖液59.5部に65℃に保温さ
れたゼラチン溶液27.3部を添加混合した後、無水ク
エン酸2.5部、レモン果汁2.5部、難消化性デキス
トリン4.9部、水2.4部、及びフレーバー0.9部
を添加し、撹拌混合して均一化して、キャンディ溶液
(Bx74)を得た。その後、得られたキャンディ溶液
を充填装置に入れ、その充填ノズル先端からコーンスタ
ーチの成形型に約1gずつ充填し、20℃、湿度50%
の条件で90時間乾燥処理を施した後、コーンスターチ
から取り出してグミキャンディを得た。得られたグミキ
ャンディは水分が約12%のものであった。
【0025】(2)糖衣層被覆用溶液の調製第1糖衣層被覆用溶液A 下記の配合に基づき、マルチトール及びプルランを水に
加え、100℃で攪拌しながら加熱混合して、第1糖衣
層被覆用溶液Aを調製した。 (配合) マルチトール 59.0部 プルラン 1.0部 水 40.0部
【0026】第1糖衣層被覆用溶液B 下記の配合に基づき、マルチトール、アラビアガム及び
ゼラチンを水に加え、100℃で攪拌しながら加熱混合
して、第1糖衣層被覆用溶液Bを調製した。 (配合) マルチトール 65.0部 アラビアガム 0.5部 ゼラチン(ブルーム値100) 0.5部 水 34.0部
【0027】第1糖衣層被覆用溶液C及び第2糖衣層被
覆用溶液A 下記の配合に基づき、蔗糖、アラビアガム及びゼラチン
を水に加え、100℃で攪拌しながら加熱混合して、第
1糖衣層被覆用溶液C及び第2糖衣層被覆用溶液Aを調
製した。 (配合) 蔗糖(粗粒) 65.0部 アラビアガム 0.5部 ゼラチン(ブルーム値100) 0.5部 水 34.0部
【0028】第3糖衣層被覆溶液A 下記の配合に基づき、先ず、蔗糖、アラビアガム、ゼラ
チン及び水を100℃で攪拌しながら加熱混合した後一
旦40℃にまで冷却し、次いで、これにコーンスターチ
及びレモンフレーバーを加え、40℃で攪拌しながら加
熱混合して、第3糖衣層被覆用溶液Aを調製した。 (配合) 蔗糖(粗粒) 64.0部 アラビアガム 0.4部 ゼラチン(ブルーム値100) 0.4部 水 33.0部 コーンスターチ(粉体) 2.0部 レモンフレーバー(粉体) 0.2部
【0029】第3糖衣層被覆溶液B 下記の配合に基づき、先ず、蔗糖、アラビアガム、ゼラ
チン及び水を100℃で攪拌しながら加熱混合した後一
旦40℃にまで冷却し、次いで、これに色素を加え、4
0℃で攪拌しながら加熱混合して、第3糖衣層被覆用溶
液Bを調製した。 (配合) 蔗糖(粗粒) 68.0部 アラビアガム 0.5部 ゼラチン(ブルーム値100) 0.5部 水 30.0部 色素 1.0部
【0030】(3)粉体配合の調製粉体配合物1(以下、酸配合物という) 下記の配合に基づき、各粉体原料を混合して、酸配合物
を調製した。 (配合) 蔗糖(粗粒) 13.5部 マルチトール 20.0部 プルラン 4.0部 無水クエン酸 2.5部 ビタミンC 30.0部
【0031】粉体配合物2(以下、フレーバーAとい
う) 下記の配合に基づき、各粉体原料を混合して、フレーバ
ーAを調製した。 (配合) 蔗糖(粉糖) 19.0部 レモンフレーバー(粉末) 1.0部 アラビアガム 6.0部 コーンスターチ 4.0部
【0032】粉体配合物3(以下、フレーバーBとい
う) 下記の配合に基づき、各粉体原料を混合して、フレーバ
ーBを調製した。 (配合) 蔗糖(粉糖) 26.0部 レモンフレーバー(粉末) 2.0部 コーンスターチ 4.0部
【0033】(4)糖衣グミキャンディの製造1)オイルコーティング オイルドラム内にグミキャンディ41.5kgを供
給し、該オイルドラムに設けられたスプレーノズルから
ナタネ硬化油0.5kgをグミキャンディに噴霧して、
グミキャンディの表面に油脂の薄膜層を形成した。
【0034】2)第1糖衣層の形成 次に、糖衣パンの鉛直線に対し傾斜して配置された
回転軸を中心に回転可能な回転容器内に、で得られた
グミキャンディを供給し、該回転容器を毎分15回転で
回転させながら、蔗糖(粗粒)0.5kgを供給して、
回転容器を約3分間回転させた。 次に、上記回転容器を回転させながら、回転容器内
に第1糖衣層被覆用溶液A0.3kgを供給し、この溶
液Aがグミキャンディの全体に行き渡ったところで、更
に酸配合0.5kgを供給した。 次に、上記回転容器を回転させながら、回転容器内
に第1糖衣層被覆用溶液Bを供給し、この溶液Bがグミ
キャンディの全体に行き渡ったところで、更に酸配合を
供給した。この作業を9回繰り返して、第1糖衣層被覆
用溶液Bと酸配合を各々計3.0kgと6.5kg供給
した。この際、回転容器は約60分間回転させた。 次に、上記回転容器内に第1糖衣層被覆用溶液Cを
供給し、この溶液Cがグミキャンディの全体に行き渡っ
たところで、更にフレーバーAを供給した。この作業を
7回繰り返して、第1糖衣層被覆用溶液Cとフレーバー
Aを各々計1.5kgと3.0kg供給した。この際、
回転容器は約45分間回転させた。 次に、上記回転容器内に第1糖衣層被覆用溶液C
0.3kgを供給し、この溶液Cがグミキャンディの全
体に行き渡ったところで、更に酵素処理澱粉(商品名:
FixGumB、森下産業社製)1.0kgを供給し、
回転容器を約5分間回転させた。 次に、上記回転容器内に第1糖衣層被覆用溶液C
0.2kgを供給し、この溶液Cがグミキャンディの全
体に行き渡ったところで、更に蔗糖(粉糖)0.5kg
を供給し、回転容器を約5分間回転させた。この時点に
おいて、第1糖衣層の水分含量は約6%であった。
【0035】3)静置乾燥 で得られたグミキャンディを糖衣パンから取出
し、温度20℃、湿度50%に調整された室内のトレー
上に平たく並べて、約16時間乾燥させた。これによ
り、第1糖衣層の水分含量が約3.5%となった。
【0036】4)第2糖衣層の形成 次に、で得られたグミキャンディを再び糖衣パン
の回転容器内に移し、該回転容器を毎分15回転で回転
させながら、回転容器内に第2糖衣層被覆用溶液Aを供
給し、この溶液Aがグミキャンディの全体に行き渡った
ところで、更にフレーバーBを供給し、このフレーバー
Bがグミキャンディの全体に行き渡ったところで、糖衣
パンに設けられた送風管より20℃、湿度50%の風を
風量15m 3/分でグミキャンディに対して送風した。
この作業を8回繰り返して、溶液AとフレーバーBを各
々計3.0kgと3.2kg供給した。この際、回転容
器は約100分間回転させた。この時点において第2糖
衣層の水分含量は、約2.5%であった。
【0037】5)静置乾燥 で得られたグミキャンディを糖衣パンから取出し、温
度20℃、湿度50%に調整された室内のトレー上に平
たく並べて、約16時間乾燥させた。これにより第2糖
衣層の水分含量が約2%となった。
【0038】6)第3糖衣層の形成 次に、5)で得られたグミキャンディを再び糖衣パンの
回転容器内に移し、該回転容器を毎分15回転で回転さ
せながら、回転容器内に第3糖衣層被覆用溶液Aを供給
し、この溶液Aがグミキャンディの全体に行き渡ったと
ころで、送風管より24℃、湿度40%の風を風量15
3/分でグミキャンディに対して送風した。この作業
を20回繰り返して、溶液Aを計13.0kg供給し
た。この際、回転容器は約350分間回転させた。次
に、上記回転容器内に第3糖衣層被覆用溶液Bを供給
し、この溶液Bがグミキャンディの全体に行き渡ったと
ころで、送風管より24℃、湿度40%の風を風量15
3/分でグミキャンディに対して送風した。この作業
を8回繰り返して、溶液Aを計3.0kg供給した。こ
の際、回転容器は約70分間回転させた。尚、得られた
第3糖衣層の水分含量は、約1.5%であった。
【0039】7)艶出し 上記回転容器を毎分5回転で回転させながら、回転容器
内に艶出し用ワックス0.075kgを供給し、回転容
器を40分間回転させ、本発明の糖衣グミキャンディを
得た。
【0040】(5)糖衣グミキャンディの性能 糖衣層形成前のグミキャンディは、プリプリとした
柔らかな食感・滑らかな舌触りを保ち、又、その外観が
均一で良好なものであった。 また、糖衣グミキャンディは、その外側の糖衣層が
パリパリとした硬い食感を有し、内側のグミキャンディ
がプリプリとした柔らかな食感を有する、新規な食感を
醸し出すものであった。また、その糖衣層が斑点模様等
を生じることなく均一な色調を呈し、また、糖衣層のパ
リパリとした硬い食感を提供することができた。 キャンディ溶液を充填装置を用いて成形型に充填す
る際、充填装置の充填ノズル先端からキャンディ溶液が
糸を曳くように垂れ下がることがなく、液切れよくキャ
ンディ溶液を成形型に充填することができた。 キャンディ溶液のブリックスを74に抑えているに
もかかわらず、プリプリとした柔らかさで且つ適度な硬
さで噛み応えのある食感を有するグミキャンディを製造
することができた。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水分8質量%以上でかつトレハロース及
    び還元澱粉糖化物を含有するグミキャンディ。
  2. 【請求項2】 還元澱粉糖化物が、3糖以上の多糖類を
    20〜80質量%の割合で含有する混合物である請求項
    1記載のグミキャンディ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のグミキャンディ全
    体を覆うように糖衣層で被覆した糖衣グミキャンディ。
  4. 【請求項4】 糖衣層が糖アルコールを含有する請求項
    3記載の糖衣グミキャンディ。
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