JP3619434B2 - グミキャンディ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、離水防止成分を含有するグミキャンディに関する。より具体的には、トレハロース及び還元澱粉糖化物を含有する、比較的高水分含量のグミキャンディに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から菓子類の1つとして市販されているグミキャンディとしては、種々の風味・味を付与した形態のものが開発されているが、これらには共通して、プリプリとした柔らかな食感・滑らかな舌触り等も求められる。このような食感は、そのグミキャンディの水分含量と密接不可分な関係にあり、比較的高水分含量に維持することで達成することができる。従って、グミキャンディの製造直後には比較的高水分含量であっても、その後、グミキャンディからの離水が起こると、水分含量が低くなり、上述したような望ましい食感が得られなくなる傾向にある。そこで、グミキャンディの離水を防止する成分としてトレハロースを含有させることも試みられている。しかしながら、このトレハロースはグミキャンディの離水防止効果が高い一方、結晶化し易い性質にあり、このトレハロースの結晶化により、製品がザラついたものとなり、食感・舌触りにおいて望ましくないものとなる。
また、従来から、キャンディやチューイングガム等の種々の菓子類に対しては、所望の風味・味・食感・色彩を付与するため、又は外的圧力及び乾燥から保護するために糖衣層を形成する技術が用いられている。通常、糖衣層の形成には、糖衣パン或いは回転釜などと呼ばれる装置(以下、糖衣パン)が使用される。具体的には、先ず、糖衣パンの回転容器内に、キャンディやチューイングガム等の被糖衣物を投入し、次いで、この回転容器を回転させながら、糖衣蜜(糖質の溶液)を投入し、この糖衣蜜が被糖衣物の表面全体に被覆されたところで、粉体原料を投入するか或いは風を送るなどして上記糖衣蜜を乾かし、被糖衣物の外側に糖衣層を形成させる。
ここで、グミキャンディに対して上述したような糖衣層を形成させた場合に、グミキャンディからの離水が生じると、その糖衣層へ水分が移行するため、糖衣層に斑点模様を生じる傾向にあり、均一な色調を呈し、また、パリパリとした硬い食感を付与することが困難になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、トレハロースを含有させることによりグミキャンディの離水を防止するとともに、該トレハロースの結晶化を効率的に防止することにより、グミキャンディ特有の食感を保持したグミキャンディを提供することを目的とする。また、グミキャンディに糖衣層を形成させた場合には、その糖衣層の外観及び食感を良好なものに維持し、かつ、グミキャンディと糖衣層とで新規な食感を醸し出す糖衣グミキャンディを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意研究の結果、比較的高水分含量のグミキャンディに、離水防止成分であるトレハロースと、トレハロースの結晶化防止成分とを含有させることにより、上記問題を効率的に解決できることを見い出した。
即ち、本発明は、水分8質量%以上でかつトレハロース及び還元澱粉糖化物を含有するグミキャンディを提供する。また、本発明は、該グミキャンディ全体を覆うように糖衣層で被覆した糖衣グミキャンディを提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明において対象となるグミキャンディとは、水分含量が8質量%(以下、単に%という)以上、好ましくは10%以上、より好ましくは10〜20%の固形食品であり、弾性、柔軟性、即ち、引張り、圧縮その他の方法で該食品を変形させ、その原因となった荷重を除いた後、材料が略原寸又は原形を回復する能力を有するか又は有しないもの、例えばソフトキャンディと称されるものをいう。このようなグミキャンディは、例えば、水及びゼラチン等を含むゼラチン溶液を調製し、これとは別に、ショ糖等を含む糖液を調製し、このゼラチン溶液及び糖液を撹拌混合して乾燥することにより調製することができる。また、本発明においては、上記糖液に、トレハロース及び還元澱粉糖化物を含有させるのが好ましい。また、上記ゼラチン溶液及び糖液には、その他の所望の任意成分を添加することもできる。
【0006】
また、上記グミキャンディにおいて、ブリックス(糖度)を高くすると柔らかな食感と共に適度な硬さで噛み応えのある食感を得ることができる。しかしながら、本発明においては、糖質、ゼラチン及び食物繊維を含むキャンディ溶液を用いることで、ブリックスが70〜76程度に調整された場合でも、プリプリとした柔らかさで且つ適度な硬さで噛み応えのある食感を有するグミキャンディとすることができ、また、その製造工程においても、充填装置を用いて成形型に充填する際、充填装置の充填ノズル先端からキャンディ溶液が糸を曳くように垂れ下がることがなく、液切れよくキャンディ溶液を成形型に充填することができる。この際、ブルーム値200〜400のゼラチンをキャンディ溶液中に5〜8%の割合で含ませるのが好ましい。また、糖質は50〜80%で、食物繊維は1〜10%で含有させるのが好ましい。また、成形されるグミキャンディは、任意の形状であってもよいが、回転させながら糖衣層を形成する場合を考慮すると、球状体、楕円体等が好ましい。また、その大きさは、例えば3〜30mm×3〜30mm×3〜30mmであるのが好ましく、より好ましくは5〜20mm×5〜20mm×5〜20mmである。
【0007】
また、本発明においては、上記グミキャンディにトレハロースを含有させるが、このトレハロースは、商業的に入手することができ、天然又は合成のいずれのものを用いてもよい。また、その結合様式がα結合かβ結合かを問わず、α,α−、α,β−及びβ,β−のいずれのトレハロースを用いることもできる。また、本発明においては、グミキャンディ中にトレハロースを1〜15%含有させるのが好ましく、より好ましくは3〜10%である。
【0008】
また、本発明においては、上記グミキャンディに還元澱粉糖化物を含有させるが、この還元澱粉糖化物は、商業的に入手することができ、例えば、東和化成工業から商品名PO−300として入手することができる。本発明においては、グミキャンディ中に還元澱粉糖化物を1〜15%含有させるのが好ましく、より好ましくは3〜10%である。このような還元澱粉糖化物は、例えば、3糖以上の多糖類である、マルトトリイトール、バニトール等の糖アルコールや各種オリゴ糖等を20〜80%含むものであるのが好ましく、より好ましくはこれを50〜80%含むものが挙げられる。また、これ以外の単糖類又は二糖類、例えば、ソルビトール、マルチトール、イソマルチトール等の糖アルコールを含ませてもよい。
本発明においては、上記トレハロースと還元澱粉糖化物の質量割合を1:0.3〜1:3としてグミキャンディ中に含有させるのが好ましい。
【0009】
また、本発明においては、上記グミキャンディに対して糖衣層を形成させて糖衣グミキャンディとすることができる。
例えば、このようなグミキャンディの糖衣は回転容器内において行うことができる。回転容器とは、それ自体が回転可能であり、かつ、糖衣する固形食品を充填可能なものであればいずれのものであってもよい。例えば、一般に糖衣パン或いは回転釜と呼ばれる、糖衣品を形成するための装置に含まれるものであってもよい。回転容器は、例えば、駆動モータに接続され鉛直線に対して、例えば10〜60°傾斜させて配置された回転駆動軸に取り付けられた上方開口型の有底容器であるのが好ましい。また、このような回転容器を含み得る糖衣パンとしては、例えば、富士薬品機械社製のFY−TS−220を用いることができる。このような糖衣パンは、例えば、糖衣層被覆用溶液供給装置、例えばスプレーノズルを備えていてもよく、更に、加熱装置、冷却装置、乾燥装置(送風装置等)を備えていてもよい。
【0010】
本発明において、上記糖衣層は、グミキャンディを回転容器中に充填した後、これに糖衣層被覆用溶液を供給することにより形成することができる。糖衣層被覆用溶液とは、グミキャンディ全体を覆う糖衣層を形成するための、いわゆる糖衣蜜からなる溶液をいう。尚、グミキャンディと糖衣層との間には、例えばオイルや粉体原料(例えばショ糖等)の層を設けてもよい。ここで、糖衣蜜は、マルチトール、プルラン、アラビアガム、ゼラチン、ショ糖及び水等を所定の量加熱混合することにより調製することができる。また、本発明においては、このような糖衣蜜を固形食品全体を覆うように供給した後、乾燥して糖衣層を形成するのが好ましい。この乾燥は、例えば、粉体配合物を供給して被覆物表面全体に行き渡らせることにより行うことができ、あるいは、この粉体配合物での処理の後に室温で放置するか風を吹きつけることにより行うこともでき、あるいは、粉体原料で処理せずに室温で放置するか風を吹き付けることにより行うことができる。また、本発明においては、固形食品全体を覆うように糖衣層被覆用溶液を繰り返し供給して、固形食品に対して適当な厚みの第1糖衣層を形成することができる。この際用いる糖衣蜜の組成は同一のものとしてもよいし、或いは種々の組成を設定してもよい。本発明においては、第1糖衣層被覆用溶液を、固形食品に対して、例えば、10〜200回繰り返し供給して、複数の糖衣層を形成することができる。また、最外層被覆用溶液には、色素等を含ませて着色するのが好ましい。
【0011】
また、本発明においては、上記最終糖衣層を形成した後、艶出しなどの更なる工程を採用してもよく、例えば、艶出し工程は、回転容器内に艶出しワックスを供給し、回転容器を回転させながら該糖衣物表面にワックスをコーティングすることにより行うことができる。
【0012】
次に本発明の製造方法の実施態様の一例を示すが、本発明はこれに限定される訳ではない。
1)まず、グミキャンディの調製工程を説明する。
水10〜20部に粘度が1〜5mPa・sのゼラチン4〜15部を添加混合し、その後、10〜100hpaにまで減圧し、その状態を1〜7分間維持してゼラチンを膨潤させた後、減圧度を100〜800hpaにすると共に加熱処理を開始し、品温が50〜80℃になった時点で加熱を停止すると共に常圧に戻すことによりゼラチン溶液を得ることができる。
また、これとは別に、ショ糖10〜35部、無水結晶ブドウ糖10〜35部及び水5〜20部を撹拌混合し、品温100〜130℃にまで加熱した後、減圧濃縮処理により品温を65〜95℃にまで低下させて、濃縮糖液を得ることができる。
上述のようにして得た糖液と、上述のようにして得たゼラチン溶液とを、それぞれ50〜80℃に保温しながら添加混合した後、所望の添加物を加えて撹拌混合して均一化してキャンディ溶液を得ることができる。このキャンディ溶液のブリックス(Bx)は、好ましくは70〜80とするのがよい。このようにして得たキャンディ溶液を充填装置に入れ、コーンスターチ等の成形型に約0.5〜10gずつ充填し、10〜40℃、湿度20〜60%の条件で10〜150時間乾燥処理を施した後、該成形型から取り出してグミキャンディを得ることができる。
【0013】
2)次に糖衣層被覆用溶液の調製工程の例を説明する。
糖衣層被覆用溶液は、例えば、糖アルコール0〜80部、プルラン0〜5部、アラビアガム0〜5部、ゼラチン0〜5部、ショ糖0〜80部、及び水20〜50部を50〜130℃で撹拌しながら加熱混合することにより調製することができる。あるいは、糖衣層被覆用溶液は、例えば、ショ糖50〜80部、アラビアガム0.1〜5部、ゼラチン0.1〜5部、及び水20〜50部を50〜130℃で撹拌しながら加熱混合した後一旦10〜60℃にまで冷却し、次いで、これにコーンスターチ0.3〜5部及びレモンフレーバー0.05〜2部又は色素0.1〜5部を加え、10〜60℃で撹拌しながら加熱混合することにより調製することができる。
【0014】
3)粉体配合物の調製
また、上記糖衣層形成のための乾燥工程で用いることができる粉体配合物は、例えば、ショ糖0〜80部、マルチトール0〜80部、プルラン0〜10部、無水クエン酸0〜10部、及びビタミン0〜60部、レモンフレーバー0〜5部、アラビアガム0〜10部、及びコーンスターチ0〜10部を混合することにより調製することができる。
尚、本発明においては、酵素処理澱粉やショ糖等を用いることもできる。
【0015】
4)次に、上述のようにして調製した複数の糖衣層被覆用溶液を用いてグミキャンディに複数の糖衣層を形成する工程の例を説明する。
a)糖衣パンの回転容器内に、上記グミキャンディ10〜70部を供給し、該回転容器を毎分5〜30回転で回転させながら、回転容器を0.5〜10分間回転させる。尚、この際、ショ糖(粗粒)0.05〜5kgを供給することもできる。
b)次に、上記回転容器を毎分5〜30回転で回転させながら、回転容器内に第1糖衣層被覆用溶液0.1〜1kgを供給し、この溶液がグミキャンディの表面全体に行き渡ったところで、上記粉体配合物1を0.1〜1kg供給するのがよい。
c)次に更に別の第1糖衣層被覆用溶液を回転容器内に供給しこの溶液がグミキャンディの表面全体に行き渡ったところで、粉体配合物を供給し、この工程を数回、例えば1〜30回繰り返すことにより、この溶液の合計が1〜10kg、粉体配合物合計が1〜10kgとなるように供給することもできる。また、この際回転容器は10〜200分間回転させるのが好ましい。
d)次に、更に別の第1糖衣層被覆用溶液及び粉体配合物を用いて更なる第1糖衣層を形成することができる。例えば、この溶液を回転容器内に供給しグミキャンディの表面全体に行き渡ったところで、粉体配合物を供給することができ、また、この工程を数回、例えば2〜20回繰り返すことにより、この糖衣蜜の合計が1〜5kg、粉体配合物の合計が1〜5kgとなるように供給することができる。また、この際回転容器は10〜150分間回転させるのが好ましい。
e)更に、第1糖衣層被覆用溶液0.05〜5kgを上記回転容器内に供給した後、酵素処理澱粉0.1〜5kg又はショ糖0.05〜5kgを供給し、回転容器を0.5〜10分間回転させて、更なる第1糖衣層を形成することもできる。
【0016】
5)上述のようにして第1糖衣層を被覆した後、これを糖衣パンから取出し、温度5〜30℃、湿度20〜60%に調整された室内のトレー上に平たく並べて、3〜96時間乾燥させることができる。
【0017】
6)上述のようにして第1糖衣層を乾燥した後、更に第2糖衣層を次のようにして被覆することができる。
上記乾燥後、グミキャンディを再び糖衣パンの回転容器内に移し、毎分5〜30回転で回転させながら、回転容器内に第2糖衣層被覆用溶液を供給し、この溶液がグミキャンディの表面全体に行き渡ったところでさらに粉体配合物を供給し、この粉体配合物2がグミキャンディの表面全体に行き渡ったところで糖衣パンに設けられた送風管により10〜35℃、湿度20〜60%の風を風量3m3/分〜30m3/分でグミキャンディに対して送風することにより第2糖衣層を形成することができる。尚、この工程を数回、例えば2〜30回繰り返すことにより、この糖衣蜜を合計で1〜5kg、粉体配合物を合計で1〜5kg供給するのが好ましい。尚、この際、回転容器は5〜200分間回転させるのが好ましい。
【0018】
7)上述のようにして第2糖衣層被覆用溶液及び粉体配合物を糖衣した後、グミキャンディを糖衣パンから取出し、温度5〜30℃、湿度20〜60%に調整された室内のトレー上に平たく並べて、3〜96時間乾燥させることができる。
【0019】
8)更に本発明においては、上述のようにして得た糖衣グミキャンディに更に、第2糖衣層全体を覆うように第3糖衣層を次のようにして形成することができる。
上述のようにして得た糖衣グミキャンディを再び糖衣パンの回転容器内に移し、毎分5〜30回転で回転させながら、回転容器内に第3糖衣層被覆用溶液を供給し、この溶液がグミキャンディの表面全体に行き渡ったところで、送風管より10〜35℃、湿度20〜60%の風を風量3m3/分〜30m3/分でグミキャンディに対して送風することにより第3糖衣層を形成することができる。この工程は、同一の第3糖衣層被覆用溶液を用いて又はこれとは別の第3糖衣層被覆用溶液を用いて、数回、例えば5〜40回繰り返すことにより、この溶液を合計1〜20kg供給することができる。尚、この際、回転容器は5〜150分間回転させるのが好ましい。
【0020】
9)更に任意の工程として、上記回転容器を毎分1〜10回転で回転させながら、回転容器内に艶出し用ワックス0.02〜1kgを供給し、回転容器を5〜100分間回転させることができる。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、トレハロースによりグミキャンディの離水を防止でき、かつ、還元澱粉糖化物により、トレハロースの結晶化を防止しつつ、離水効果を高めることができる。また、このようなグミキャンディは、プリプリとした柔らかな食感・滑らかな舌触りを保ち、かつ、糖衣層で被覆しないグミキャンディにおいては、その外観が良好なものとなる。
また、グミキャンディを糖衣層で被覆した場合には、外側の糖衣層がパリパリとした硬い食感を有し、内側のグミキャンディがプリプリとした柔らかな食感を有する、新規な食感を醸し出す糖衣グミキャンディとなる。また、グミキャンディからの離水に伴う糖衣層への水分移行が有効に防止されるため、糖衣層が斑点模様等を生じることなく均一な色調を呈し、かつ、糖衣層のパリパリとした硬い食感を提供することができる。また、糖衣層の糖質として糖アルコールを用いた場合には、糖衣層における斑点模様等の発生を更に好適に防止することができる。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0022】
【実施例】
(1)グミキャンディの調製
1)ゼラチン溶液の調製
水15.6部にコラーゲン4.0部を添加混合した後、これにブルーム値300で粘度が3.0mPa・sのゼラチン7.7部を添加混合し、その後、50hpaにまで減圧にし、その状態を2〜3分間維持してゼラチンを膨潤させた。その後、減圧度を500hpaにすると共に加熱処理を開始し、品温が65℃になった時点で加熱を停止すると共に常圧に戻した。
【0023】
2)糖液の調製
ショ糖21.7部、トレハロース7.3部、還元澱粉糖化物(商品名:PO−300 東和化成工業社製)7.3部、無水結晶ブドウ糖21.7部、及び水10.9部を撹拌混合し、品温120℃にまで加熱した後、減圧濃縮処理により品温を80℃にまで低下させた。これにより糖液は68.9部から59.5部にまで濃縮された。尚、PO−300は以下の組成を有する含む還元澱粉糖化物である:ソルビトール16%、マルチトール12%、イソマルチトール5.6%、バニトール22.4%、マルトトリイトール3.5%、及びオリゴ糖。
【0024】
3)グミキャンディの調製
約65℃に保温された糖液59.5部に65℃に保温されたゼラチン溶液27.3部を添加混合した後、無水クエン酸2.5部、レモン果汁2.5部、難消化性デキストリン4.9部、水2.4部、及びフレーバー0.9部を添加し、撹拌混合して均一化して、キャンディ溶液(Bx74)を得た。その後、得られたキャンディ溶液を充填装置に入れ、その充填ノズル先端からコーンスターチの成形型に約1gずつ充填し、20℃、湿度50%の条件で90時間乾燥処理を施した後、コーンスターチから取り出してグミキャンディを得た。得られたグミキャンディは水分が約12%のものであった。
【0025】
(2)糖衣層被覆用溶液の調製
第1糖衣層被覆用溶液A
下記の配合に基づき、マルチトール及びプルランを水に加え、100℃で攪拌しながら加熱混合して、第1糖衣層被覆用溶液Aを調製した。
(配合)
マルチトール 59.0部
プルラン 1.0部
水 40.0部
【0026】
第1糖衣層被覆用溶液B
下記の配合に基づき、マルチトール、アラビアガム及びゼラチンを水に加え、100℃で攪拌しながら加熱混合して、第1糖衣層被覆用溶液Bを調製した。
(配合)
マルチトール 65.0部
アラビアガム 0.5部
ゼラチン(ブルーム値100) 0.5部
水 34.0部
【0027】
第1糖衣層被覆用溶液C及び第2糖衣層被覆用溶液A
下記の配合に基づき、蔗糖、アラビアガム及びゼラチンを水に加え、100℃で攪拌しながら加熱混合して、第1糖衣層被覆用溶液C及び第2糖衣層被覆用溶液Aを調製した。
(配合)
蔗糖(粗粒) 65.0部
アラビアガム 0.5部
ゼラチン(ブルーム値100) 0.5部
水 34.0部
【0028】
第3糖衣層被覆溶液A
下記の配合に基づき、先ず、蔗糖、アラビアガム、ゼラチン及び水を100℃で攪拌しながら加熱混合した後一旦40℃にまで冷却し、次いで、これにコーンスターチ及びレモンフレーバーを加え、40℃で攪拌しながら加熱混合して、第3糖衣層被覆用溶液Aを調製した。
(配合)
蔗糖(粗粒) 64.0部
アラビアガム 0.4部
ゼラチン(ブルーム値100) 0.4部
水 33.0部
コーンスターチ(粉体) 2.0部
レモンフレーバー(粉体) 0.2部
【0029】
第3糖衣層被覆溶液B
下記の配合に基づき、先ず、蔗糖、アラビアガム、ゼラチン及び水を100℃で攪拌しながら加熱混合した後一旦40℃にまで冷却し、次いで、これに色素を加え、40℃で攪拌しながら加熱混合して、第3糖衣層被覆用溶液Bを調製した。
(配合)
蔗糖(粗粒) 68.0部
アラビアガム 0.5部
ゼラチン(ブルーム値100) 0.5部
水 30.0部
色素 1.0部
【0030】
(3)粉体配合の調製
粉体配合物1(以下、酸配合物という)
下記の配合に基づき、各粉体原料を混合して、酸配合物を調製した。
(配合)
蔗糖(粗粒) 13.5部
マルチトール 20.0部
プルラン 4.0部
無水クエン酸 2.5部
ビタミンC 30.0部
【0031】
粉体配合物2(以下、フレーバーAという)
下記の配合に基づき、各粉体原料を混合して、フレーバーAを調製した。
(配合)
蔗糖(粉糖) 19.0部
レモンフレーバー(粉末) 1.0部
アラビアガム 6.0部
コーンスターチ 4.0部
【0032】
粉体配合物3(以下、フレーバーBという)
下記の配合に基づき、各粉体原料を混合して、フレーバーBを調製した。
(配合)
蔗糖(粉糖) 26.0部
レモンフレーバー(粉末) 2.0部
コーンスターチ 4.0部
【0033】
(4)糖衣グミキャンディの製造
1)オイルコーティング
▲1▼ オイルドラム内にグミキャンディ41.5kgを供給し、該オイルドラムに設けられたスプレーノズルからナタネ硬化油0.5kgをグミキャンディに噴霧して、グミキャンディの表面に油脂の薄膜層を形成した。
【0034】
2)第1糖衣層の形成
▲2▼ 次に、糖衣パンの鉛直線に対し傾斜して配置された回転軸を中心に回転可能な回転容器内に、▲1▼で得られたグミキャンディを供給し、該回転容器を毎分15回転で回転させながら、蔗糖(粗粒)0.5kgを供給して、回転容器を約3分間回転させた。
▲3▼ 次に、上記回転容器を回転させながら、回転容器内に第1糖衣層被覆用溶液A0.3kgを供給し、この溶液Aがグミキャンディの全体に行き渡ったところで、更に酸配合0.5kgを供給した。
▲4▼ 次に、上記回転容器を回転させながら、回転容器内に第1糖衣層被覆用溶液Bを供給し、この溶液Bがグミキャンディの全体に行き渡ったところで、更に酸配合を供給した。この作業を9回繰り返して、第1糖衣層被覆用溶液Bと酸配合を各々計3.0kgと6.5kg供給した。この際、回転容器は約60分間回転させた。
▲5▼ 次に、上記回転容器内に第1糖衣層被覆用溶液Cを供給し、この溶液Cがグミキャンディの全体に行き渡ったところで、更にフレーバーAを供給した。この作業を7回繰り返して、第1糖衣層被覆用溶液CとフレーバーAを各々計1.5kgと3.0kg供給した。この際、回転容器は約45分間回転させた。
▲6▼ 次に、上記回転容器内に第1糖衣層被覆用溶液C0.3kgを供給し、この溶液Cがグミキャンディの全体に行き渡ったところで、更に酵素処理澱粉(商品名:FixGumB、森下産業社製)1.0kgを供給し、回転容器を約5分間回転させた。
▲7▼ 次に、上記回転容器内に第1糖衣層被覆用溶液C0.2kgを供給し、この溶液Cがグミキャンディの全体に行き渡ったところで、更に蔗糖(粉糖)0.5kgを供給し、回転容器を約5分間回転させた。この時点において、第1糖衣層の水分含量は約6%であった。
【0035】
3)静置乾燥
▲8▼ ▲7▼で得られたグミキャンディを糖衣パンから取出し、温度20℃、湿度50%に調整された室内のトレー上に平たく並べて、約16時間乾燥させた。これにより、第1糖衣層の水分含量が約3.5%となった。
【0036】
4)第2糖衣層の形成
▲9▼ 次に、▲8▼で得られたグミキャンディを再び糖衣パンの回転容器内に移し、該回転容器を毎分15回転で回転させながら、回転容器内に第2糖衣層被覆用溶液Aを供給し、この溶液Aがグミキャンディの全体に行き渡ったところで、更にフレーバーBを供給し、このフレーバーBがグミキャンディの全体に行き渡ったところで、糖衣パンに設けられた送風管より20℃、湿度50%の風を風量15m3/分でグミキャンディに対して送風した。この作業を8回繰り返して、溶液AとフレーバーBを各々計3.0kgと3.2kg供給した。この際、回転容器は約100分間回転させた。この時点において第2糖衣層の水分含量は、約2.5%であった。
【0037】
5)静置乾燥
▲9▼で得られたグミキャンディを糖衣パンから取出し、温度20℃、湿度50%に調整された室内のトレー上に平たく並べて、約16時間乾燥させた。これにより第2糖衣層の水分含量が約2%となった。
【0038】
6)第3糖衣層の形成
次に、5)で得られたグミキャンディを再び糖衣パンの回転容器内に移し、該回転容器を毎分15回転で回転させながら、回転容器内に第3糖衣層被覆用溶液Aを供給し、この溶液Aがグミキャンディの全体に行き渡ったところで、送風管より24℃、湿度40%の風を風量15m3/分でグミキャンディに対して送風した。この作業を20回繰り返して、溶液Aを計13.0kg供給した。この際、回転容器は約350分間回転させた。
次に、上記回転容器内に第3糖衣層被覆用溶液Bを供給し、この溶液Bがグミキャンディの全体に行き渡ったところで、送風管より24℃、湿度40%の風を風量15m3/分でグミキャンディに対して送風した。この作業を8回繰り返して、溶液Aを計3.0kg供給した。この際、回転容器は約70分間回転させた。尚、得られた第3糖衣層の水分含量は、約1.5%であった。
【0039】
7)艶出し
上記回転容器を毎分5回転で回転させながら、回転容器内に艶出し用ワックス0.075kgを供給し、回転容器を40分間回転させ、本発明の糖衣グミキャンディを得た。
【0040】
(5)糖衣グミキャンディの性能
▲1▼ 糖衣層形成前のグミキャンディは、プリプリとした柔らかな食感・滑らかな舌触りを保ち、又、その外観が均一で良好なものであった。
▲2▼ また、糖衣グミキャンディは、その外側の糖衣層がパリパリとした硬い食感を有し、内側のグミキャンディがプリプリとした柔らかな食感を有する、新規な食感を醸し出すものであった。また、その糖衣層が斑点模様等を生じることなく均一な色調を呈し、また、糖衣層のパリパリとした硬い食感を提供することができた。
▲3▼ キャンディ溶液を充填装置を用いて成形型に充填する際、充填装置の充填ノズル先端からキャンディ溶液が糸を曳くように垂れ下がることがなく、液切れよくキャンディ溶液を成形型に充填することができた。
▲4▼ キャンディ溶液のブリックスを74に抑えているにもかかわらず、プリプリとした柔らかさで且つ適度な硬さで噛み応えのある食感を有するグミキャンディを製造することができた。
Claims (4)
- 水分8質量%以上でかつトレハロース及び還元澱粉糖化物を含有するグミキャンディであって、該還元澱粉糖化物が3糖以上の多糖類を20〜80質量%の割合で含有する混合物である前記グミキャンディ。
- 前記トレハロース及び還元澱粉糖化物を質量割合1: 0.3 〜1:3としてグミキャンディ中に含有させる請求項1記載のグミキャンディ。
- 請求項1又は2記載のグミキャンディ全体を覆うように糖衣層で被覆した糖衣グミキャンディ。
- 糖衣層が糖アルコールを含有する請求項3記載の糖衣グミキャンディ。
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