JP2007222109A - 緑化ブロックの製造方法 - Google Patents

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三次 神垣
Atsumi Hirata
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Abstract

【課題】 用土及び施肥を必要とせず良好な排水性で根腐れが生じにくく、しかも製造が迅速に行えるとともに様々な形状の組み合わせを低コストで可能とする緑化ブロックの製造方法を提供する。
【解決手段】 木質炭化物細片2bを骨材としたコンクリート材料を所要量の水と混練して型枠に注入して植物の根が進入できる空隙を備えた炭入りコンクリートブロック2を成型し、通水した水を排水させる所定深さの排水溝5aを下面に備えたコンクリートブロック5を炭入りコンクリートブロック2とは別に成型し、炭入りコンクリートブロック2とコンクリートブロック5を接着剤で貼り合わせて一体化する。
【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリートに木質炭化物を混合して植物を着生させやすくした緑化ブロックの製造方法に関する。
従来、コンクリートに木質炭化物を混合した緑化ブロックが特許文献1に開示されている。この技術は、セメント100重量部に対して木質炭化物10重量部以上を配合したものに水を混練して硬化させた炭入りコンクリートブロックの表面に用土を収容するための凹部又は貫通孔を複数設けた構造を特徴とするものである。ところで、この技術は用土を使用するから施肥を必要としてコストがかかるとともに用土が雨水等により流出する問題があり、コンクリートブロックの下面が平滑で防根層が無いからコンクリートブロックの下方まで伸びた根がコンクリートブロックの下方で滞留する湿気により根腐れしやすく植物の成長を阻害する問題があった。
これに対し、木質炭化物細片を骨材とした植物の根が進入できる空隙を有する炭入りコンクリートの下面に通水性を有し且つ植物の根が進入できないコンクリートを積層し、下層のコンクリートの下面に通水した水を排水させる所定深さの排水溝を形成した緑化ブロックが特許文献2で提案されており、用土及び施肥を必要とせず、良好な排水性で根腐れが生じにくいという効果を奏するものである。しかしながら、この技術は上層の炭入りコンクリートと下層のコンクリートの材料を一つの型枠に順に投入して層を成すように同時に成型するものであるから、製造に時間を要するとともに上層と下層の組み合わせが限られたものになり、他の形状のブロックを製造する場合は別途型枠を用いて上層と下層の両方を新たに製作する必要がありコストがかかるものであった。
特開2002−191235号公報 特開2005−143326号公報
本発明が解決しようとする課題は、従来のこれらの問題点を解消し、用土及び施肥を必要とせず良好な排水性で根腐れが生じにくく、しかも製造が迅速に行えるとともに様々な形状の組み合わせを低コストで可能にする緑化ブロックの製造方法を提供することにある。
かかる課題を解決した本発明の構成は、
1) 植物を着生させる2層構造の緑化ブロックの製造方法であって、木質炭化物細片を骨材としたコンクリート材料を所要量の水と混練して型枠に注入して植物の根が進入できる空隙を備えた炭入りコンクリートブロックを成型し、通水した水を排水させる所定深さの排水溝を下面に備えたコンクリートブロックを炭入りコンクリートブロックとは別に成型し、炭入りコンクリートブロックとコンクリートブロックを接着剤で貼り合わせて一体化して製造することを特徴とする、緑化ブロックの製造方法
2) 型枠にコンクリートを注入した後、上方から加圧振動をかけてコンクリートを締め固めるように成型した、1)記載の緑化ブロックの製造方法
3) 炭入りコンクリートブロックとコンクリートブロックを貼り合わせる際、炭入りコンクリートブロックの上面又はコンクリートブロックの下面あるいは両面から加振して振動により接着剤の行き渡りや浸透を促進させるようにした、1)又は2)記載の緑化ブロックの製造方法
4) 炭入りコンクリートブロックの上面に植物を植栽させる用土を収容するための凹所を複数設けるように成型した、1)〜3)いずれか記載の緑化ブロックの製造方法
5) 炭入りコンクリートブロックの上面にポットを収容するための凹所を複数設けるように成型した、1)〜3)いずれか記載の緑化ブロックの製造方法
6) 炭入りコンクリートブロック及びコンクリートブロックのコンクリート材料が、アルミナセメント・ポルトランドセメント・発泡コンクリートのいずれか又はこれらの組合せにシリカヒューム・ジルコニアを混入して構成されたものである、1)〜5)いずれか記載の緑化ブロックの製造方法
にある。
本発明によれば、木質炭化物細片により適度な空隙が形成され、植物の根が着生しやすくなって用土を省略できるとともに、木質炭化物細片に含有する養分が根に直接供給され、施肥も特段必要とせず植栽のコストを低減できる。また、コンクリートブロックが防根するとともに通水又は隣接するブロック同士の隙間から流れ落ちた余剰の水が下面の排水溝で確実に排水され、湿気の滞留を抑制して根腐れを効果的に防止する。また、適度な保水性により温度上昇を抑制し、設置面に対する断熱効果でヒートアイランド現象を低減することができる。また、炭入りコンクリートブロックとコンクリートブロックを別々に成型した後に双方を接着するようにしたから、様々な形状のものを自由に組み合わせて種々の緑化ブロックを低コストで容易且つ短時間に製造できるようになる。
本発明の緑化ブロックを構成するコンクリート材料としては、発泡コンクリート・アルミナセメント・ポルトランドセメントなどがあり、必要とする強度に応じてシリカヒュームやジルコニアを1〜30重量部配合する。木質炭化物細片としては、竹炭・木炭・活性炭などがあり、炭入りコンクリートブロックには粒径1〜10mmの範囲の細片状のものが混入され、コンクリートブロックには粉体化したものを必要に応じて混入してもよい。
接着剤としては、アクリルフォーム・ウレタン樹脂・エポキシ樹脂・ポリエチレン・ポリスチレン・ポリ塩化ビニル・酢酸セルロース・フェノール樹脂・シリコーン樹脂・尿素樹脂・ラテックスフォームラバー・天然ゴム・合成エラストマー・エボナイト・ポリテトラフルオロエチレン等の軟質の発泡系樹脂のうち1種類が選択され、塗布量としては100〜3000g/m2 の範囲が実用的である。以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
図1〜5に示す実施例は、建物の屋上に設置される緑化ブロックの製造方法の例である。図1は実施例の緑化ブロックの上面側の一部切欠斜視図、図2は実施例の緑化ブロックの下面側の一部切欠斜視図、図3は実施例の炭入りコンクリートブロックとコンクリートブロックの成型を示す説明図、図4は実施例の炭入りコンクリートブロックとコンクリートブロックの接着を示す説明図、図5は実施例の緑化ブロックに植栽した状態を示す説明図である。
図中、1は緑化ブロック、2は炭入りコンクリートブロック、2aは凹所、2bは木質炭化物細片、2cはポルトランドセメント、2dは空隙、3はコンクリート材料、4は型枠、4aは型押し盤、5はコンクリートブロック、5aは排水溝、6はコンクリート材料、7は型枠、7aは型押し盤、8は接着剤、Fは床パネル、Gは用土、Pは植物、Paは根、Wは水である。
本実施例では、図3(a)に示すように1〜10mmの大きさの木質炭化物細片2bを0.70kg,ポルトランドセメント2cを1.25kg、水0.80kgを混練したコンクリート材料3を型枠4に注入して型押し盤4aを被せ、型押し盤4aの上面から20秒間加圧振動をかけてコンクリート材料3を締め固め、所定時間を経て上面に凹所2aを有する炭入りコンクートブロック2を成型する。この際、ポルトランドセメント2cにシリカヒューム・ジルコニアを必要とする強度に応じて所要量混合してもよい。
次に、図3(b)に示すようにポルトランドセメント0.4kg,砂1.18kg、水0.15kgを混練したコンクート材料6を底面に凹凸を有する型枠7に注入して型押し盤7aを被せ、型押し盤7aの上面から20秒間加圧振動をかけてコンクート材料6を締め固め、所定時間を経て下面に通水した水Wを排水させる所定深さの排水溝5aを備えたコンクリートブロック5を成型する。
このコンクリートブロック5の上面に図4に示すようにアクリルフォームからなる接着剤8を1000g/m塗布し、この塗布面に炭入りコンクリートブロック2の下面を貼り合わせて接着一体化し、硬化させて300mm×300mm×30mmの2層構造の緑化ブロック1を製造する。なお、接着する際は炭入りコンクリートブロック2の上面又はコンクリートブロック5の下面又は両面から加振して接着剤8の行き渡りや浸透を促進させてより強固に接着できるようにしてもよい。
このようにして製造した緑化ブロック1は、図1に示すように炭入りコンクリートブロック2には木質炭化物細片2bで適度な大きさの空隙2dが連続的且つ立体的に形成されており、この空隙2dに植物Pの根Paが進入して着生されるのである。図2に示すコンクリートブロック5は連続的で微細な空隙が形成されており、水Wを通水させるが植物Pの根Paは進入できず通水防根層となっている。
図5に示すように、複数の緑化ブロック1を建物の屋上の床パネルF上に隣接して配置し、多様な植物Pを用土Gを付着させたまま緑化ブロック1の凹所2aに載置する。その後、植物Pに潅水すると、水Wは用土G及び炭入りコンクリートブロック2の木質炭化物細片2bに吸水されるとともに余剰分が空隙2dを通じてコンクリートブロック5へ通水し、さらにコンクリートブロック5内も通水して排水溝5aから排水される。
植物Pは光合成により成長し、根Paが伸びて炭入りコンクリートブロック2の空隙2d内に進入して着生していく。水分は吸水した用土Gや木質炭化物細片2bから供給され、同時に木質炭化物細片2bに有する養分(Ca,K,Mg,Na等)が滲出して供給される。余剰分の水Wは排水溝5aで確実に排水され、湿気が過剰に滞留することなく根腐れを防止する。また、適度な保水性により温度上昇を抑え、屋上の環境も改善される。
図6に示すのは、実施例の緑化ブロックの他の例である。図6は実施例の他の例の緑化ブロックに植栽した状態を示す説明図である。図6に示す緑化ブロック1は、実施例のように凹所2aを形成せずに平坦な形状としている。この炭入りコンクリートブロック2の上面全面に芝を植栽して芝生を形成している。その他、符号、構成、作用効果は実施例と同じである。
図7に示すのは、実施例の緑化ブロックの他の例である。図7は実施例の他の例の緑化ブロックに植栽した状態を示す説明図である。図中、2eはポット穴である。図7に示す緑化ブロック1は、実施例の凹所2aに代えてポット穴2eを形成している。このポット穴2eにはポットから外した用土Gが付着したままの植物Pを直接植栽するが、ポットを取り付けたまま収容することもできる。その他、符号、構成、作用効果は実施例と同じである。
図8に示すのは、実施例の緑化ブロックの他の例である。図8は実施例の他の例の緑化ブロックの下面側の一部切欠斜視図である。図中、5bは凹所である。図8に示す緑化ブロック1は、排水溝5aで囲まれた被設置面に排水溝5aと同じ深さの凹所5bを形成し、被設置面の面積を低減して湿気の滞留をより抑制できるようにしている。その他、符号、構成、作用効果は実施例と同じである。
本発明で製造された緑化ブロックは、屋上・庭・歩道・法面・壁面・路側帯・車庫・私道・公園などに利用できる。
実施例の緑化ブロックの上面側の一部切欠斜視図である。 実施例の緑化ブロックの下面側の一部切欠斜視図である。 実施例の炭入りコンクリートブロックとコンクリートブロックの成型を示す説明図である。 実施例の炭入りコンクリートブロックとコンクリートブロックの接着を示す説明図である。 実施例の緑化ブロックに植栽した状態を示す説明図である。 実施例の他の例の緑化ブロックに植栽した状態を示す説明図である。 実施例の他の例の緑化ブロックに植栽した状態を示す説明図である。 実施例の他の例の緑化ブロックの下面側の一部切欠斜視図である。
符号の説明
1 緑化ブロック
2 炭入りコンクリートブロック
2a 凹所
2b 木質炭化物細片
2c ポルトランドセメント
2d 空隙
2e ポット穴
3 コンクリート材料
4 型枠
4a 型押し盤
5 コンクリートブロック
5a 排水溝
5b 凹所
6 コンクリート材料
7 型枠
7a 型押し盤
8 接着剤
F 床パネル
G 用土
P 植物
Pa 根
W 水

Claims (6)

  1. 植物を着生させる2層構造の緑化ブロックの製造方法であって、木質炭化物細片を骨材としたコンクリート材料を所要量の水と混練して型枠に注入して植物の根が進入できる空隙を備えた炭入りコンクリートブロックを成型し、通水した水を排水させる所定深さの排水溝を下面に備えたコンクリートブロックを炭入りコンクリートブロックとは別に成型し、炭入りコンクリートブロックとコンクリートブロックを接着剤で貼り合わせて一体化して製造することを特徴とする、緑化ブロックの製造方法。
  2. 型枠にコンクリートを注入した後、上方から加圧振動をかけてコンクリートを締め固めるように成型した、請求項1記載の緑化ブロックの製造方法。
  3. 炭入りコンクリートブロックとコンクリートブロックを貼り合わせる際、炭入りコンクリートブロックの上面又はコンクリートブロックの下面あるいは両面から加振して振動により接着剤の行き渡りや浸透を促進させるようにした、請求項1又は2記載の緑化ブロックの製造方法。
  4. 炭入りコンクリートブロックの上面に植物を植栽させる用土を収容するための凹所を複数設けるように成型した、請求項1〜3いずれか記載の緑化ブロックの製造方法。
  5. 炭入りコンクリートブロックの上面にポットを収容するための凹所を複数設けるように成型した、請求項1〜3いずれか記載の緑化ブロックの製造方法。
  6. 炭入りコンクリートブロック及びコンクリートブロックのコンクリート材料が、アルミナセメント・ポルトランドセメント・発泡コンクリートのいずれか又はこれらの組合せにシリカヒューム・ジルコニアを混入して構成されたものである、請求項1〜5いずれか記載の緑化ブロックの製造方法。
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