JP2004261073A - 屋上緑化用下地構造 - Google Patents
屋上緑化用下地構造 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004261073A JP2004261073A JP2003054557A JP2003054557A JP2004261073A JP 2004261073 A JP2004261073 A JP 2004261073A JP 2003054557 A JP2003054557 A JP 2003054557A JP 2003054557 A JP2003054557 A JP 2003054557A JP 2004261073 A JP2004261073 A JP 2004261073A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rubber
- underlayer
- surface layer
- crushed
- base
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A30/00—Adapting or protecting infrastructure or their operation
- Y02A30/24—Structural elements or technologies for improving thermal insulation
- Y02A30/254—Roof garden systems; Roof coverings with high solar reflectance
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02B—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
- Y02B80/00—Architectural or constructional elements improving the thermal performance of buildings
- Y02B80/32—Roof garden systems
Abstract
【課題】屋上緑化のための植生基盤としての下地構造であって、一層低コストで施工でき、経年変化の極めて少なく、しかも、屋上で発生する振動や騒音を大幅に低減できる屋上緑化用下地構造を提供する。
【解決手段】屋上緑化用下地構造は、特定粒径のゴム破砕物が樹脂接着剤にて相互に結合された連通孔構造の下地層(1)と、特定粒径のゴム粒子が樹脂接着剤にて相互に結合された連通孔構造の表層(2)とから成る。
【選択図】 図1
【解決手段】屋上緑化用下地構造は、特定粒径のゴム破砕物が樹脂接着剤にて相互に結合された連通孔構造の下地層(1)と、特定粒径のゴム粒子が樹脂接着剤にて相互に結合された連通孔構造の表層(2)とから成る。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋上緑化用下地構造に関するものであり、詳しくは、屋上緑化のための植生基盤としての屋上緑化用下地構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
昨今、ヒートアイランド現象の緩和、都市の緑化、建物の断熱性能の向上を目的として建物の屋上緑化が推進されている。屋上緑化においては、芝などを植え付けるための植生用の下地を屋上に造作しなければならないが、植生用の下地としては、例えば、植物の繊維同士をゴムで架橋し、植物根茎の伸長に適する連続空隙を形成した「植物育成マット」が提案されている。斯かるマットは、ヤシ繊維などの植物の繊維と天然ゴムラテックスの溶液との混合物を浅い容器に充填し、これを加熱、加圧することにより、平面形状が方形の扁平なブロック状に形成したものであり、植物の繊維が絡み合い且つゴムによって互いに接着されているため、吸水性と保水性に優れており、予め植物や植物種子を植付けた状態で屋上に配列される(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−318204号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の様なマットは、これを屋上に敷設するにあたり、ブロックとして取り扱うことが出来るため、施工性に優れてはいるものの、天然の植物の繊維を利用し、しかも、個々に製造されるため、製造コストが高くなると言う問題がある。更に、長年の間には、植物の繊維の分解などにより目減するため、張り替えなければならないと言う問題もある。また、屋上の緑化に伴い、屋上での歩行運動などにより階下へ伝わる振動や騒音の影響が懸念される。
【0005】
本発明は、上記の実情に鑑みなされたものであり、その目的は、屋上緑化のための植生基盤としての下地構造であって、一層低コストで施工でき、経年変化が極めて少なく、しかも、屋上で発生する振動や騒音を一層低減し得る屋上緑化用下地構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、古タイヤ等の廃ゴムも原料とし得るゴム破砕物によって補強用および防振用の下地層を構成することにより、防振・防音機能を発揮させる様にし、かつ、ゴム粒子によって植物支持用の表層を構成することにより、植生基盤としての機能を発揮させる様にした。また、不織布シート及び人口土壌によって表層を構成することにより、植生基盤としての機能を発揮させる様にした。
【0007】
すなわち、本発明は2つの要旨から成り、その第1の要旨は、粒径10〜100mmのゴム破砕物が樹脂接着剤にて相互に結合されてブロックを積み重ねた状態に形成された連通孔構造の下地層と、粒径0.2〜10mmのゴム粒子が樹脂接着剤にて相互に結合されてシートを敷設した状態に形成された連通孔構造の表層とを備えていることを特徴とする屋上緑化用下地構造に存する。
【0008】
また、本発明の第2の要旨は、粒径10〜100mmのゴム破砕物が樹脂接着剤にて相互に結合されてブロックを積み重ねた状態に形成された連通孔構造の下地層と、不織布シートおよび当該不織布シートの表面に積層された人口土壌から成る表層とを備えていることを特徴とする屋上緑化用下地構造に存する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に係る屋上緑化用下地構造の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1の態様に係る屋上緑化用下地構造の層構成を示す模式的な縦断面図である。図2は、本発明の第2の態様に係る屋上緑化用下地構造の層構成を示す模式的な縦断面図である。以下、実施形態の説明においては、屋上緑化用下地構造を「下地構造」と略記する。
【0010】
本発明の下地構造は、建物の屋上に構築される植生用の下地構造であり、植生基盤を構成する表面側の層構成の違いにより、2つの態様が挙げられる。先ず、図1に示す本発明の第1の態様に係る下地構造を説明する。本発明の下地構造は、図1に示す様に、建物の屋上スラブ(3)に敷設される補強用の連通孔構造の下地層(1)と、当該下地層の上に設けられる植物支持用の連通孔構造の表層(2)とから構成される。図1は、芝を植え付けた状態の下地構造を例示したものであり、図中の符号(4)は切り芝ブロックとして配置された芝を示す。
【0011】
下地層(1)は、粒径10〜100mmのゴム破砕物を樹脂接着剤にて相互に結合して構成される。上記のゴム破砕物の原料ゴムとしては、特に制限はないが、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、アクリルゴム、エチレン−アクリルゴム、多硫化ゴム、エピクロルヒドリンゴム、ニトリルゴム−塩化ビニル樹脂ブレンド、ニトリルゴム/EPDMブレンド等が挙げられ、これらは廃棄すべきタイヤ、ワイパーブレード、窓枠などの廃ゴムに由来していてもよい。本発明においては、産業廃棄物の有効利用およびコストの観点から、廃ゴムの使用が推奨される。
【0012】
下地層(1)を構成するゴム破砕物は、粒径が上記の範囲である限り、不規則な形状のものでよい。ゴム破砕物の粒径を上記の範囲に設定する理由は次の通りである。すなわち、粒径が10mm以下の場合は、屋上スラブ(3)の表面近傍における水捌けが悪くなり、滞留した水の腐敗、建築躯体の防水性能の低下を惹起する虞がある。一方、粒径が100mm以上の場合は、下地層(1)中の空隙が大きくなり且つ表層(2)の全体を均等に支持できなくなり、表層(2)の平坦性が損なわれる。なお、本発明において、粒径10〜100mmのゴム破砕物とは、篩網によって選別した場合、φ100mmの篩目は通過するが、φ10mmの篩目は通過しない大きさのゴム破砕物を言う。
【0013】
下地層(1)において、ゴム破砕物を結合する樹脂接着剤としては、ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン−プロピレン共重合体,エチレン−酢酸ビニル共重合体,ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン,ポリスチレン,ポリ酢酸ビニル,フッ素樹脂、熱可塑性アクリル樹脂,熱可塑性ポリエステル,熱可塑性ポリアミド,熱可塑性ウレタン樹脂,アクリロニトリル−ブタジエン共重合体,スチレン−ブタジエン共重合体,アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体などの熱可塑性合成樹脂、ウレタン樹脂,メラミン樹脂,熱硬化型アクリル樹脂,尿素樹脂,フェノール樹脂,エポキシ樹脂,熱硬化型ポリエステル等の硬化性合成樹脂、ウレタン樹脂プレポリマー,エポキシ樹脂プレポリマー,メラミン樹脂プレポリマー,尿素樹脂プレポリマー,フェノール樹脂プレポリマー,ジアリルフタレートプレポリマー,アクリルオリゴマー,多価イソシアナート,メタクリルエステルモノマー,ジアリルフタレートモノマー等のプレポリマー、オリゴマー,モノマー等の合成樹脂前駆体などが挙げられる。接着強度、柔軟性、耐候性などの観点から、通常はウレタン樹脂が使用される。
【0014】
上記の下地層(1)は、ゴム破砕物によりブロックを積み重ねた状態に形成され、連通孔構造を備えている。すなわち、下地層(1)は、粒径が上記の範囲の不定形のゴム破砕物を一定の厚さに且つ不規則な配列で敷設して構成されることにより、層の上下面に通じる不定形の空隙が内部に形成された構造を備えている。下地層(1)の厚さは、通常、50〜200mm程度とされる。
【0015】
表層(2)は、粒径0.2〜10mmのゴム粒子を樹脂接着剤にて相互に結合して構成される。上記のゴム粒子の原料ゴムとしては、前述のゴム破砕物の場合と同様に、各種ゴムを使用でき、そして、産業廃棄物の有効利用およびコストの観点から、廃棄すべきタイヤ、ワイパーブレード、窓枠などの廃ゴムを使用するのが好ましい。
【0016】
表層(2)を構成するゴム粒子は、粒径が上記の範囲である限り、不規則な形状のものでよい。ゴム破砕物の粒径を上記の範囲に設定する理由は次の通りである。すなわち、粒径が0.2mm以下の場合は、植物の根茎が伸長し難く、また、水捌けが悪くなり、根腐れを生じる虞がある。一方、粒径が10mm以上の場合は、表層(2)中の空隙が大きくなり、保水性が損なわれる。なお、ゴム破砕物の場合と同様に、本発明において、粒径0.2〜10mmのゴム粒子とは、篩網によって選別した場合、φ10mmの篩目は通過するが、φ0.2mmの篩目は通過しない大きさのゴム粒子を言う。
【0017】
表層(2)において、ゴム粒子を結合する樹脂接着剤としては、下地層(1)におけるのと同様の各種の樹脂接着剤を使用できるが、通常、接着強度、柔軟性、耐候性などの観点から、ウレタン樹脂が使用される。
【0018】
表層(2)は、上記のゴム粒子によりシートを敷設した状態に形成され、連通孔構造を備えている。すなわち、表層(2)は、粒径が上記の範囲の不定形のゴム粒子を一定の厚さに且つ不規則な配列で敷設して構成されることにより、層の上下面に通じる不定形の微小空隙が内部に形成された構造を備えている。表層(2)の厚さは、通常、3〜50mm程度とされる。
【0019】
本発明の下地構造を施工するには、先ず、下地層(1)を構成するためのゴム粉砕物を準備する。ゴム粉砕物は、例えば、カッター式粉砕機や衝撃式粉砕機などを使用して破砕物を製造した後、篩目がφ10mmの篩装置、および、篩目がφ100mmの篩装置によって破砕物の篩分処理を行い、粒径が10〜100mmのものを選別して得ることが出来る。
【0020】
下地層(1)を施工するにあたり、先ず、上記のゴム破砕物と液状の樹脂接着剤、例えば液状のウレタン樹脂とを100:10〜30(重量部)の割合で混合し、ゴム破砕物の表面を樹脂接着剤で被覆する。ゴム破砕物と樹脂接着剤の混合においては、モルタルミキサー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、インターミックスニーダー、オープンロール等のミキサーが使用される。次いで、施工すべき屋上スラブ(3)の表面に対し、樹脂接着剤で被覆されたゴム破砕物を散布して敷き詰め、その表面を平板状の鏝などで均すことにより、表面のうねりをなくし、下地層(1)として略均一な厚さに仕上げる。
【0021】
続いて、表層(2)を施工する。表層(2)の施工においては、下地層(1)としての上記のゴム破砕物の上面にゴム粒子を散布することも出来るが、ゴム粒子の使用量を最小限に留め且つ施工性を高めるため、予めゴム粒子によって構成されたゴムシートを使用するのが好ましい。すなわち、表層(2)の施工においては、ゴム粒子が樹脂接着剤にて相互に結合された連通孔構造のゴムシートを上記のゴム破砕物の上に配置する。
【0022】
上記のゴムシートは、予め、例えば、ゴム粒子を含むゲル状原料を型枠に流し込んで製造される。具体的には、ゴムシートの製造においては、先ず、前述のゴム粉砕物の場合と同様に、粉砕機によって原料ゴムを粉砕処理してゴム粒子を得た後、篩目がφ0.2mmの篩装置、および、篩目がφ10mmの篩装置によってゴム粒子の篩分処理を行い、粒径が0.2〜10mmのものを選別する。次いで、前述と同様のミキサーを使用し、ゴム粒子と液状のウレタン樹脂などの液状の樹脂接着剤とを100:10〜30(重量部)の割合で混合してゲル状原料を製造した後、斯かるゲル状原料を扁平方形状の型枠に充填し、型枠内で樹脂接着剤を常温または加温条件下で硬化させることによりゴムシートを得る。また、ゴムシートは、上記のゲル状原料を基材シートに連続塗布し、ゲル状原料が塗布された基材シートを加圧ロールに通過さた後、基材シートを剥離する連続製造方法によっても製造することが出来る。
【0023】
表層(2)の施工においては、上記のゴムシートとして、通常、一定の幅のロールとして形成されたものを展開して使用する。上記の様に下地層(1)の上にゴムシートを配置することにより、植生基盤に適した表層(2)を形成することが出来る。
【0024】
なお、表層(2)の施工は、下地層(1)のゴム破砕物表面の樹脂接着剤が硬化した後に行ってもよいが、樹脂接着剤が硬化する前に行ってもよい。下地層(1)の樹脂接着剤が硬化する前に表層(2)の施工を行い、樹脂接着剤の硬化によりゴム破砕物同士を相互に結合すると共に、上部のゴム破砕物にゴムシートを接着結合した場合には、下地層(1)とを表層(2)とが一体化した強度の高い下地構造を形成できる。
【0025】
本発明の下地構造は、上記の様に構成されており、植生基盤として優れた機能を発揮することが出来る。すなわち、特定の粒径のゴム破砕物によって構成された補強用の下地層(1)、ならびに、特定の粒径のゴム粒子によって構成された植物支持用の表層(2)の2層は、それらの連通孔構造により、植生基盤として適した透水性と保水性を発揮する。しかも、特定の粒径のゴム粒子によって構成された表層(2)は、その連通孔構造により、根茎の伸長を助長し、植物の定着を促進させる。換言すれば、本発明の下地構造によれば、芝(4)等の植物を確りと根付かせることができ且つ良好に生育することが出来る。
【0026】
また、本発明の下地構造は、下地層(1)及び表層(2)がそれぞれ古タイヤ等の廃ゴムも原料とし得るゴム破砕物およびゴム粒子によって構成されており、かつ、簡単に敷設できるため、一層低コストで施工することが出来、しかも、経年変化が少なく、優れた耐久性能を発揮することが出来る。更に、本発明の下地構造は、補強用の下地層(1)が防振機能を発揮するため、屋上での歩行運動などによって発生する振動や騒音を大幅に低減することが出来る。従って、大掛かりな躯体の改造を施すことなく、屋上を遊技運動場として利用することも出来る。
【0027】
なお、図示しないが、上記の本発明の第1の態様に係る下地構造においては、表層(2)の表面に、更に、アスファルトやコンクリート破砕物等を有機質系育成材と混合して成るいわゆる人口土壌の層が設けられ、斯かる人口土壌の層に芝(4)等の植物が植え付けられてもよい。表層(2)の表面に人口土壌の層を設けた場合には、保水性を一層高め、根茎の伸長を更に促進させることが出来る。
【0028】
次に、図2に示す本発明の第2の態様に係る下地構造を説明する。本発明の下地構造は、図2に示す様に、屋上スラブ(3)に敷設される補強用の連通孔構造の下地層(1)と、当該下地層の上に設けられる植物支持用の連通孔構造の表層(5)とから構成される。図2は、前述の態様と同様に、芝(4)を植え付けた状態の下地構造を例示したものである。
【0029】
下地層(1)は、図1に示す態様と同様に、粒径10〜100mmのゴム破砕物が樹脂接着剤にて相互に結合されてブロックを積み重ねた状態に形成された連通孔構造の下地層である。図2に示す下地構造は、表層(5)が前述の態様と異なる。
【0030】
すなわち、表層(5)は、不織布シート(51)及び当該不織布シートの表面に積層された人口土壌(52)から構成される。不織布シート(51)は、人口土壌(52)の流出を防止するために敷設されるものであり、不織布シート(51)としては、耐久性を考慮し、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等の合成樹脂繊維の不織布のシートが使用される。不織布シート(51)の厚さは、通常、0.1〜5mm程度に設定される。
【0031】
人口土壌(52)としては、各種の土壌を使用できるが、例えば、前述の様に、アスファルトやコンクリート破砕物などに汚泥、ピートモス等の有機質系育成材と混合して構成されたものが使用される。人口土壌(52)は、通常、10〜300mm程度の厚さで不織布シート(51)の上に積層される。人口土壌(52)の厚さは、芝の場合で10〜200mm、樹木などの場合で100〜300mmである。
【0032】
図2に示す下地構造は、前述の態様と同様にしてゴム破砕物から成る下地層(1)を施工した後、不織布シート(51)を敷設し、次いで、不織布シート(51)の上に人口土壌(52)を散布することにより構築することが出来る。
【0033】
図2に示す本発明の下地構造は、前述の態様と同様に、植生基盤として優れた機能を発揮することが出来る。すなわち、特定の粒径のゴム破砕物によって構成された補強用の下地層(1)、ならびに、不織布シート(51)及び人口土壌(52)によって構成された植物支持用の表層(5)の2層は、植生基盤として適した透水性と保水性を発揮するため、根茎の伸長を助長し、植物の定着を促進させる。換言すれば、本発明の下地構造によれば、芝(4)等の植物を確りと根付かせることができ且つ良好に生育することが出来る。
【0034】
そして、本発明の下地構造は、下地層(1)が古タイヤ等の廃ゴムを原料とし得るゴム破砕物によって構成されており、かつ、簡単に敷設できるため、前述の態様と同様に、低コストで施工することが出来、しかも、経年変化が少なく、優れた耐久性能を発揮することが出来る。また、本発明の下地構造は、補強用の下地層(1)が防振機能を発揮するため、前述の態様と同様に、屋上での歩行運動などによって発生する振動や騒音を大幅に低減することが出来る。従って、大掛かりな躯体の改造を施すことなく、屋上を遊技運動場として利用することも出来る。
【0035】
なお、図1及び図2に示す本発明の下地構造においては、芝(4)の他、セダム等の各種植物を植え付けてもよく、また、人口土壌などの土壌を更に盛り土することにより、樹木などを育成してもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明の第1の態様に係る屋上緑化用下地構造によれば、特定の粒径のゴム破砕物から成る下地層ならびに特定の粒径のゴム粒子から成る表層によって構成されているため、一層低コストで施工することが出来、かつ、経年変化が少なく、しかも、屋上で発生する振動や騒音を大幅に低減することが出来る。
【0037】
また、本発明の第2の態様に係る屋上緑化用下地構造によれば、特定の粒径のゴム破砕物から成る下地層ならびに不織布シート及び人口土壌から成る表層によって構成されているため、一層低コストで施工することが出来、かつ、経年変化が少なく、しかも、屋上で発生する振動や騒音を大幅に低減することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の態様に係る屋上緑化用下地構造の層構成を示す模式的な縦断面図である。
【図2】本発明の第2の態様に係る屋上緑化用下地構造の層構成を示す模式的な縦断面図である。
【符号の説明】
1 :下地層
2 :表層
3 :屋上スラブ
4 :芝
5 :表層
51:不織布シート
52:人口土壌
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋上緑化用下地構造に関するものであり、詳しくは、屋上緑化のための植生基盤としての屋上緑化用下地構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
昨今、ヒートアイランド現象の緩和、都市の緑化、建物の断熱性能の向上を目的として建物の屋上緑化が推進されている。屋上緑化においては、芝などを植え付けるための植生用の下地を屋上に造作しなければならないが、植生用の下地としては、例えば、植物の繊維同士をゴムで架橋し、植物根茎の伸長に適する連続空隙を形成した「植物育成マット」が提案されている。斯かるマットは、ヤシ繊維などの植物の繊維と天然ゴムラテックスの溶液との混合物を浅い容器に充填し、これを加熱、加圧することにより、平面形状が方形の扁平なブロック状に形成したものであり、植物の繊維が絡み合い且つゴムによって互いに接着されているため、吸水性と保水性に優れており、予め植物や植物種子を植付けた状態で屋上に配列される(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−318204号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の様なマットは、これを屋上に敷設するにあたり、ブロックとして取り扱うことが出来るため、施工性に優れてはいるものの、天然の植物の繊維を利用し、しかも、個々に製造されるため、製造コストが高くなると言う問題がある。更に、長年の間には、植物の繊維の分解などにより目減するため、張り替えなければならないと言う問題もある。また、屋上の緑化に伴い、屋上での歩行運動などにより階下へ伝わる振動や騒音の影響が懸念される。
【0005】
本発明は、上記の実情に鑑みなされたものであり、その目的は、屋上緑化のための植生基盤としての下地構造であって、一層低コストで施工でき、経年変化が極めて少なく、しかも、屋上で発生する振動や騒音を一層低減し得る屋上緑化用下地構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、古タイヤ等の廃ゴムも原料とし得るゴム破砕物によって補強用および防振用の下地層を構成することにより、防振・防音機能を発揮させる様にし、かつ、ゴム粒子によって植物支持用の表層を構成することにより、植生基盤としての機能を発揮させる様にした。また、不織布シート及び人口土壌によって表層を構成することにより、植生基盤としての機能を発揮させる様にした。
【0007】
すなわち、本発明は2つの要旨から成り、その第1の要旨は、粒径10〜100mmのゴム破砕物が樹脂接着剤にて相互に結合されてブロックを積み重ねた状態に形成された連通孔構造の下地層と、粒径0.2〜10mmのゴム粒子が樹脂接着剤にて相互に結合されてシートを敷設した状態に形成された連通孔構造の表層とを備えていることを特徴とする屋上緑化用下地構造に存する。
【0008】
また、本発明の第2の要旨は、粒径10〜100mmのゴム破砕物が樹脂接着剤にて相互に結合されてブロックを積み重ねた状態に形成された連通孔構造の下地層と、不織布シートおよび当該不織布シートの表面に積層された人口土壌から成る表層とを備えていることを特徴とする屋上緑化用下地構造に存する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に係る屋上緑化用下地構造の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1の態様に係る屋上緑化用下地構造の層構成を示す模式的な縦断面図である。図2は、本発明の第2の態様に係る屋上緑化用下地構造の層構成を示す模式的な縦断面図である。以下、実施形態の説明においては、屋上緑化用下地構造を「下地構造」と略記する。
【0010】
本発明の下地構造は、建物の屋上に構築される植生用の下地構造であり、植生基盤を構成する表面側の層構成の違いにより、2つの態様が挙げられる。先ず、図1に示す本発明の第1の態様に係る下地構造を説明する。本発明の下地構造は、図1に示す様に、建物の屋上スラブ(3)に敷設される補強用の連通孔構造の下地層(1)と、当該下地層の上に設けられる植物支持用の連通孔構造の表層(2)とから構成される。図1は、芝を植え付けた状態の下地構造を例示したものであり、図中の符号(4)は切り芝ブロックとして配置された芝を示す。
【0011】
下地層(1)は、粒径10〜100mmのゴム破砕物を樹脂接着剤にて相互に結合して構成される。上記のゴム破砕物の原料ゴムとしては、特に制限はないが、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、アクリルゴム、エチレン−アクリルゴム、多硫化ゴム、エピクロルヒドリンゴム、ニトリルゴム−塩化ビニル樹脂ブレンド、ニトリルゴム/EPDMブレンド等が挙げられ、これらは廃棄すべきタイヤ、ワイパーブレード、窓枠などの廃ゴムに由来していてもよい。本発明においては、産業廃棄物の有効利用およびコストの観点から、廃ゴムの使用が推奨される。
【0012】
下地層(1)を構成するゴム破砕物は、粒径が上記の範囲である限り、不規則な形状のものでよい。ゴム破砕物の粒径を上記の範囲に設定する理由は次の通りである。すなわち、粒径が10mm以下の場合は、屋上スラブ(3)の表面近傍における水捌けが悪くなり、滞留した水の腐敗、建築躯体の防水性能の低下を惹起する虞がある。一方、粒径が100mm以上の場合は、下地層(1)中の空隙が大きくなり且つ表層(2)の全体を均等に支持できなくなり、表層(2)の平坦性が損なわれる。なお、本発明において、粒径10〜100mmのゴム破砕物とは、篩網によって選別した場合、φ100mmの篩目は通過するが、φ10mmの篩目は通過しない大きさのゴム破砕物を言う。
【0013】
下地層(1)において、ゴム破砕物を結合する樹脂接着剤としては、ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン−プロピレン共重合体,エチレン−酢酸ビニル共重合体,ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン,ポリスチレン,ポリ酢酸ビニル,フッ素樹脂、熱可塑性アクリル樹脂,熱可塑性ポリエステル,熱可塑性ポリアミド,熱可塑性ウレタン樹脂,アクリロニトリル−ブタジエン共重合体,スチレン−ブタジエン共重合体,アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体などの熱可塑性合成樹脂、ウレタン樹脂,メラミン樹脂,熱硬化型アクリル樹脂,尿素樹脂,フェノール樹脂,エポキシ樹脂,熱硬化型ポリエステル等の硬化性合成樹脂、ウレタン樹脂プレポリマー,エポキシ樹脂プレポリマー,メラミン樹脂プレポリマー,尿素樹脂プレポリマー,フェノール樹脂プレポリマー,ジアリルフタレートプレポリマー,アクリルオリゴマー,多価イソシアナート,メタクリルエステルモノマー,ジアリルフタレートモノマー等のプレポリマー、オリゴマー,モノマー等の合成樹脂前駆体などが挙げられる。接着強度、柔軟性、耐候性などの観点から、通常はウレタン樹脂が使用される。
【0014】
上記の下地層(1)は、ゴム破砕物によりブロックを積み重ねた状態に形成され、連通孔構造を備えている。すなわち、下地層(1)は、粒径が上記の範囲の不定形のゴム破砕物を一定の厚さに且つ不規則な配列で敷設して構成されることにより、層の上下面に通じる不定形の空隙が内部に形成された構造を備えている。下地層(1)の厚さは、通常、50〜200mm程度とされる。
【0015】
表層(2)は、粒径0.2〜10mmのゴム粒子を樹脂接着剤にて相互に結合して構成される。上記のゴム粒子の原料ゴムとしては、前述のゴム破砕物の場合と同様に、各種ゴムを使用でき、そして、産業廃棄物の有効利用およびコストの観点から、廃棄すべきタイヤ、ワイパーブレード、窓枠などの廃ゴムを使用するのが好ましい。
【0016】
表層(2)を構成するゴム粒子は、粒径が上記の範囲である限り、不規則な形状のものでよい。ゴム破砕物の粒径を上記の範囲に設定する理由は次の通りである。すなわち、粒径が0.2mm以下の場合は、植物の根茎が伸長し難く、また、水捌けが悪くなり、根腐れを生じる虞がある。一方、粒径が10mm以上の場合は、表層(2)中の空隙が大きくなり、保水性が損なわれる。なお、ゴム破砕物の場合と同様に、本発明において、粒径0.2〜10mmのゴム粒子とは、篩網によって選別した場合、φ10mmの篩目は通過するが、φ0.2mmの篩目は通過しない大きさのゴム粒子を言う。
【0017】
表層(2)において、ゴム粒子を結合する樹脂接着剤としては、下地層(1)におけるのと同様の各種の樹脂接着剤を使用できるが、通常、接着強度、柔軟性、耐候性などの観点から、ウレタン樹脂が使用される。
【0018】
表層(2)は、上記のゴム粒子によりシートを敷設した状態に形成され、連通孔構造を備えている。すなわち、表層(2)は、粒径が上記の範囲の不定形のゴム粒子を一定の厚さに且つ不規則な配列で敷設して構成されることにより、層の上下面に通じる不定形の微小空隙が内部に形成された構造を備えている。表層(2)の厚さは、通常、3〜50mm程度とされる。
【0019】
本発明の下地構造を施工するには、先ず、下地層(1)を構成するためのゴム粉砕物を準備する。ゴム粉砕物は、例えば、カッター式粉砕機や衝撃式粉砕機などを使用して破砕物を製造した後、篩目がφ10mmの篩装置、および、篩目がφ100mmの篩装置によって破砕物の篩分処理を行い、粒径が10〜100mmのものを選別して得ることが出来る。
【0020】
下地層(1)を施工するにあたり、先ず、上記のゴム破砕物と液状の樹脂接着剤、例えば液状のウレタン樹脂とを100:10〜30(重量部)の割合で混合し、ゴム破砕物の表面を樹脂接着剤で被覆する。ゴム破砕物と樹脂接着剤の混合においては、モルタルミキサー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、インターミックスニーダー、オープンロール等のミキサーが使用される。次いで、施工すべき屋上スラブ(3)の表面に対し、樹脂接着剤で被覆されたゴム破砕物を散布して敷き詰め、その表面を平板状の鏝などで均すことにより、表面のうねりをなくし、下地層(1)として略均一な厚さに仕上げる。
【0021】
続いて、表層(2)を施工する。表層(2)の施工においては、下地層(1)としての上記のゴム破砕物の上面にゴム粒子を散布することも出来るが、ゴム粒子の使用量を最小限に留め且つ施工性を高めるため、予めゴム粒子によって構成されたゴムシートを使用するのが好ましい。すなわち、表層(2)の施工においては、ゴム粒子が樹脂接着剤にて相互に結合された連通孔構造のゴムシートを上記のゴム破砕物の上に配置する。
【0022】
上記のゴムシートは、予め、例えば、ゴム粒子を含むゲル状原料を型枠に流し込んで製造される。具体的には、ゴムシートの製造においては、先ず、前述のゴム粉砕物の場合と同様に、粉砕機によって原料ゴムを粉砕処理してゴム粒子を得た後、篩目がφ0.2mmの篩装置、および、篩目がφ10mmの篩装置によってゴム粒子の篩分処理を行い、粒径が0.2〜10mmのものを選別する。次いで、前述と同様のミキサーを使用し、ゴム粒子と液状のウレタン樹脂などの液状の樹脂接着剤とを100:10〜30(重量部)の割合で混合してゲル状原料を製造した後、斯かるゲル状原料を扁平方形状の型枠に充填し、型枠内で樹脂接着剤を常温または加温条件下で硬化させることによりゴムシートを得る。また、ゴムシートは、上記のゲル状原料を基材シートに連続塗布し、ゲル状原料が塗布された基材シートを加圧ロールに通過さた後、基材シートを剥離する連続製造方法によっても製造することが出来る。
【0023】
表層(2)の施工においては、上記のゴムシートとして、通常、一定の幅のロールとして形成されたものを展開して使用する。上記の様に下地層(1)の上にゴムシートを配置することにより、植生基盤に適した表層(2)を形成することが出来る。
【0024】
なお、表層(2)の施工は、下地層(1)のゴム破砕物表面の樹脂接着剤が硬化した後に行ってもよいが、樹脂接着剤が硬化する前に行ってもよい。下地層(1)の樹脂接着剤が硬化する前に表層(2)の施工を行い、樹脂接着剤の硬化によりゴム破砕物同士を相互に結合すると共に、上部のゴム破砕物にゴムシートを接着結合した場合には、下地層(1)とを表層(2)とが一体化した強度の高い下地構造を形成できる。
【0025】
本発明の下地構造は、上記の様に構成されており、植生基盤として優れた機能を発揮することが出来る。すなわち、特定の粒径のゴム破砕物によって構成された補強用の下地層(1)、ならびに、特定の粒径のゴム粒子によって構成された植物支持用の表層(2)の2層は、それらの連通孔構造により、植生基盤として適した透水性と保水性を発揮する。しかも、特定の粒径のゴム粒子によって構成された表層(2)は、その連通孔構造により、根茎の伸長を助長し、植物の定着を促進させる。換言すれば、本発明の下地構造によれば、芝(4)等の植物を確りと根付かせることができ且つ良好に生育することが出来る。
【0026】
また、本発明の下地構造は、下地層(1)及び表層(2)がそれぞれ古タイヤ等の廃ゴムも原料とし得るゴム破砕物およびゴム粒子によって構成されており、かつ、簡単に敷設できるため、一層低コストで施工することが出来、しかも、経年変化が少なく、優れた耐久性能を発揮することが出来る。更に、本発明の下地構造は、補強用の下地層(1)が防振機能を発揮するため、屋上での歩行運動などによって発生する振動や騒音を大幅に低減することが出来る。従って、大掛かりな躯体の改造を施すことなく、屋上を遊技運動場として利用することも出来る。
【0027】
なお、図示しないが、上記の本発明の第1の態様に係る下地構造においては、表層(2)の表面に、更に、アスファルトやコンクリート破砕物等を有機質系育成材と混合して成るいわゆる人口土壌の層が設けられ、斯かる人口土壌の層に芝(4)等の植物が植え付けられてもよい。表層(2)の表面に人口土壌の層を設けた場合には、保水性を一層高め、根茎の伸長を更に促進させることが出来る。
【0028】
次に、図2に示す本発明の第2の態様に係る下地構造を説明する。本発明の下地構造は、図2に示す様に、屋上スラブ(3)に敷設される補強用の連通孔構造の下地層(1)と、当該下地層の上に設けられる植物支持用の連通孔構造の表層(5)とから構成される。図2は、前述の態様と同様に、芝(4)を植え付けた状態の下地構造を例示したものである。
【0029】
下地層(1)は、図1に示す態様と同様に、粒径10〜100mmのゴム破砕物が樹脂接着剤にて相互に結合されてブロックを積み重ねた状態に形成された連通孔構造の下地層である。図2に示す下地構造は、表層(5)が前述の態様と異なる。
【0030】
すなわち、表層(5)は、不織布シート(51)及び当該不織布シートの表面に積層された人口土壌(52)から構成される。不織布シート(51)は、人口土壌(52)の流出を防止するために敷設されるものであり、不織布シート(51)としては、耐久性を考慮し、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等の合成樹脂繊維の不織布のシートが使用される。不織布シート(51)の厚さは、通常、0.1〜5mm程度に設定される。
【0031】
人口土壌(52)としては、各種の土壌を使用できるが、例えば、前述の様に、アスファルトやコンクリート破砕物などに汚泥、ピートモス等の有機質系育成材と混合して構成されたものが使用される。人口土壌(52)は、通常、10〜300mm程度の厚さで不織布シート(51)の上に積層される。人口土壌(52)の厚さは、芝の場合で10〜200mm、樹木などの場合で100〜300mmである。
【0032】
図2に示す下地構造は、前述の態様と同様にしてゴム破砕物から成る下地層(1)を施工した後、不織布シート(51)を敷設し、次いで、不織布シート(51)の上に人口土壌(52)を散布することにより構築することが出来る。
【0033】
図2に示す本発明の下地構造は、前述の態様と同様に、植生基盤として優れた機能を発揮することが出来る。すなわち、特定の粒径のゴム破砕物によって構成された補強用の下地層(1)、ならびに、不織布シート(51)及び人口土壌(52)によって構成された植物支持用の表層(5)の2層は、植生基盤として適した透水性と保水性を発揮するため、根茎の伸長を助長し、植物の定着を促進させる。換言すれば、本発明の下地構造によれば、芝(4)等の植物を確りと根付かせることができ且つ良好に生育することが出来る。
【0034】
そして、本発明の下地構造は、下地層(1)が古タイヤ等の廃ゴムを原料とし得るゴム破砕物によって構成されており、かつ、簡単に敷設できるため、前述の態様と同様に、低コストで施工することが出来、しかも、経年変化が少なく、優れた耐久性能を発揮することが出来る。また、本発明の下地構造は、補強用の下地層(1)が防振機能を発揮するため、前述の態様と同様に、屋上での歩行運動などによって発生する振動や騒音を大幅に低減することが出来る。従って、大掛かりな躯体の改造を施すことなく、屋上を遊技運動場として利用することも出来る。
【0035】
なお、図1及び図2に示す本発明の下地構造においては、芝(4)の他、セダム等の各種植物を植え付けてもよく、また、人口土壌などの土壌を更に盛り土することにより、樹木などを育成してもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明の第1の態様に係る屋上緑化用下地構造によれば、特定の粒径のゴム破砕物から成る下地層ならびに特定の粒径のゴム粒子から成る表層によって構成されているため、一層低コストで施工することが出来、かつ、経年変化が少なく、しかも、屋上で発生する振動や騒音を大幅に低減することが出来る。
【0037】
また、本発明の第2の態様に係る屋上緑化用下地構造によれば、特定の粒径のゴム破砕物から成る下地層ならびに不織布シート及び人口土壌から成る表層によって構成されているため、一層低コストで施工することが出来、かつ、経年変化が少なく、しかも、屋上で発生する振動や騒音を大幅に低減することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の態様に係る屋上緑化用下地構造の層構成を示す模式的な縦断面図である。
【図2】本発明の第2の態様に係る屋上緑化用下地構造の層構成を示す模式的な縦断面図である。
【符号の説明】
1 :下地層
2 :表層
3 :屋上スラブ
4 :芝
5 :表層
51:不織布シート
52:人口土壌
Claims (2)
- 粒径10〜100mmのゴム破砕物が樹脂接着剤にて相互に結合されてブロックを積み重ねた状態に形成された連通孔構造の下地層と、粒径0.2〜10mmのゴム粒子が樹脂接着剤にて相互に結合されてシートを敷設した状態に形成された連通孔構造の表層とを備えていることを特徴とする屋上緑化用下地構造。
- 粒径10〜100mmのゴム破砕物が樹脂接着剤にて相互に結合されてブロックを積み重ねた状態に形成された連通孔構造の下地層と、不織布シートおよび当該不織布シートの表面に積層された人口土壌から成る表層とを備えていることを特徴とする屋上緑化用下地構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003054557A JP2004261073A (ja) | 2003-02-28 | 2003-02-28 | 屋上緑化用下地構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003054557A JP2004261073A (ja) | 2003-02-28 | 2003-02-28 | 屋上緑化用下地構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004261073A true JP2004261073A (ja) | 2004-09-24 |
Family
ID=33118868
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003054557A Withdrawn JP2004261073A (ja) | 2003-02-28 | 2003-02-28 | 屋上緑化用下地構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004261073A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008048666A (ja) * | 2006-08-24 | 2008-03-06 | Takuya Kitajima | 芝植生マット |
JP2008067604A (ja) * | 2006-09-12 | 2008-03-27 | Ac Core:Kk | 植栽ブロック |
JP2012217337A (ja) * | 2011-04-02 | 2012-11-12 | Minoru Industrial Co Ltd | 緑化用植栽基盤及びその製造方法 |
CN105178493A (zh) * | 2015-09-15 | 2015-12-23 | 广德高斯特车辆部件有限公司 | 橡胶空气弹簧屋顶 |
WO2018163671A1 (ja) * | 2017-03-09 | 2018-09-13 | 住友ゴム工業株式会社 | 土壌中水分の保水層、緑化システムおよび緑化システムの施工方法 |
WO2019187045A1 (ja) * | 2018-03-30 | 2019-10-03 | 住友ゴム工業株式会社 | 土壌水分の浸透抑制層、緑化システムおよび緑化システムの施工方法 |
-
2003
- 2003-02-28 JP JP2003054557A patent/JP2004261073A/ja not_active Withdrawn
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008048666A (ja) * | 2006-08-24 | 2008-03-06 | Takuya Kitajima | 芝植生マット |
JP2008067604A (ja) * | 2006-09-12 | 2008-03-27 | Ac Core:Kk | 植栽ブロック |
JP2012217337A (ja) * | 2011-04-02 | 2012-11-12 | Minoru Industrial Co Ltd | 緑化用植栽基盤及びその製造方法 |
CN105178493A (zh) * | 2015-09-15 | 2015-12-23 | 广德高斯特车辆部件有限公司 | 橡胶空气弹簧屋顶 |
WO2018163671A1 (ja) * | 2017-03-09 | 2018-09-13 | 住友ゴム工業株式会社 | 土壌中水分の保水層、緑化システムおよび緑化システムの施工方法 |
JPWO2018163671A1 (ja) * | 2017-03-09 | 2020-01-09 | 住友ゴム工業株式会社 | 土壌中水分の保水層、緑化システムおよび緑化システムの施工方法 |
WO2019187045A1 (ja) * | 2018-03-30 | 2019-10-03 | 住友ゴム工業株式会社 | 土壌水分の浸透抑制層、緑化システムおよび緑化システムの施工方法 |
CN111867360A (zh) * | 2018-03-30 | 2020-10-30 | 住友橡胶工业株式会社 | 抑制土壤水分渗透的层、绿化系统和构建绿化系统的方法 |
JPWO2019187045A1 (ja) * | 2018-03-30 | 2021-03-11 | 住友ゴム工業株式会社 | 土壌水分の浸透抑制層、緑化システムおよび緑化システムの施工方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2011103044A1 (en) | Living roof and wall systems using cultivated mineral wool mats to support blaves, methods of cultivation and innoculants therefor | |
EP2247800A1 (en) | Ballasted storm water retention system | |
JP2004261073A (ja) | 屋上緑化用下地構造 | |
WO2019162607A1 (fr) | Dispositif de végétalisation modulaire d'un bâtiment | |
CN108513763A (zh) | 一种抗冲刷抗侵蚀生态植被网垫 | |
JP4053518B2 (ja) | 人工土壌構造 | |
CN206902877U (zh) | 一种透水卵石沟及透水结构 | |
JPH11151337A (ja) | 人工芝敷設のコートの構造 | |
JP3781631B2 (ja) | 植栽用地盤 | |
CN207277700U (zh) | 一种屋顶雨水花园基础 | |
JP2007222109A (ja) | 緑化ブロックの製造方法 | |
KR20150134255A (ko) | 식물이 자랄 수 있는 건축 구조물 및 그 구성방법 | |
JP3470225B2 (ja) | 既設コート類のリニューアル工法 | |
JP2002146991A (ja) | 住居建物の外壁外装用ブロックと吸音塀構築用ブロックと地面覆工用ブロック | |
JP2942160B2 (ja) | 舗装用品および舗装構造 | |
JP3982877B2 (ja) | 排水システムおよび排水方法 | |
JP2004097202A (ja) | 苔固定基盤 | |
JP2002305959A (ja) | 緑化用構造体 | |
JP2000170318A (ja) | 木片・コンクリート構造体の製造方法とそれによって得られた構造体及びその使用方法 | |
JPH05130810A (ja) | 植物張り構造体の施工方法 | |
CN206521880U (zh) | 种植顶板 | |
CN108149856A (zh) | 一种生态屋面防排水结构及其施工工艺 | |
JP2003125644A (ja) | 表面緑化パネル | |
JP2002125451A (ja) | 植生マットを用いた緑化工法 | |
JPH1132580A (ja) | 土壌流出防止システムおよび土壌流出防止方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060509 |