JPWO2019187045A1 - 土壌水分の浸透抑制層、緑化システムおよび緑化システムの施工方法 - Google Patents

土壌水分の浸透抑制層、緑化システムおよび緑化システムの施工方法 Download PDF

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Abstract

対象とする土壌に対して、天然ゴムラテックスの凝固剤を散布した後に天然ゴムラテックスを散布する工程を含み、これを2回以上繰り返すことを特徴とする、土壌水分の浸透抑制層の形成方法。

Description

本発明は土壌水分の浸透抑制層、該浸透抑制層が施工されてなる緑化システム、および該緑化システムの施工方法に関する。
従来、植物の生育に必要な土壌水分を確保するための方法として、フィルムまたはシートで土壌表面を覆う方法(特許文献1)や、保水性を有するマルチング材で土壌表面を覆う方法(特許文献2)等が提案されている。また、保水材等を土壌中に埋設する方法(特許文献3および4)も提案されている。
特開平8−172939号公報 特開平11−243793号公報 特開昭56−11722号公報 特開2012−120485号公報
しかしながら、前記の土壌表面を覆うことにより土壌水分を確保する方法では、土壌水分の蒸発を抑制することはできるが、乾燥地にあるような砂質の土壌等では、水分が土中深くに浸透することを抑制することはできず、灌水や雨水の利用効率が低いという問題がある。また、保水材等を土壌中に埋設する方法では、水分が土中深くに浸透することを抑制することはできるが、環境負荷が大きい、埋設が容易でない、コストが高い等の問題がある。
本発明は、環境負荷が小さく、容易に施工できる土壌水分の浸透抑制層およびその形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、対象とする土壌に対して、天然ゴムラテックスの凝固剤を散布した後に天然ゴムラテックスを散布する工程を2回以上繰り返すことにより、簡便に安定した厚みの天然ゴムラテックスからなる浸透抑制層を形成することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は
〔1〕対象とする土壌に対して、天然ゴムラテックスの凝固剤を散布した後に天然ゴムラテックスを散布する工程を含み、これを2回以上繰り返すことを特徴とする、土壌水分の浸透抑制層の形成方法、
〔2〕天然ゴムラテックスの使用量が300〜2000g/m2である〔1〕に記載の形成方法、
〔3〕天然ゴムラテックスの使用量に対する凝固剤の使用量(凝固剤/天然ゴムラテックスの使用量)が0.4〜2.5である〔1〕または〔2〕に記載の形成方法、
〔4〕凝固剤が有機酸および/または低級アルコールである〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の形成方法、
〔5〕浸透抑制層の層厚が0.3〜15.0mmである〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の形成方法、
〔6〕〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の形成方法により形成された土壌水分の浸透抑制層、
〔7〕〔6〕に記載の浸透抑制層が土壌表面から3〜300cm地中に施工されてなる緑化システム、
〔8〕〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の形成方法により形成された浸透抑制層の上に3〜300cm表土を被せる被覆工程を含む緑化システムの施工方法、に関する。
本発明によれば、環境負荷が小さく、容易に施工できる土壌水分の浸透抑制層、該浸透抑制層が施工されてなる緑化システム、および該緑化システムの施工方法を提供することができる。該浸透抑制層が施工されてなる緑化システムは、灌水した水や雨水を植物の生育に効率よく利用することができる。
<浸透抑制層の形成方法>
本発明の一実施形態である土壌水分の浸透抑制層は、凝固した天然ゴムラテックスにより構成され、凝固した天然ゴムラテックス中に土壌を含む層であることを特徴とする。ここで、「土壌を含む層」とは、土壌中の隙間に天然ゴムラテックスが浸透し凝固した状態、あるいは凝固した天然ゴムラテックスにより構成された海構造に土壌の島構造が存在する海島構造の状態等の、天然ゴムラテックスと土壌とで構成される層をいう。かかる天然ゴムラテックスにより構成された、透水係数が小さな層を土壌の間に形成することにより、植物が根腐れを起こさない程度に、土壌に適度な保水力を保持させることができる。
天然ゴムラテックスの主成分は、シス−1,4−イソプレンであり、疎水性である。したがって、土壌中に天然ゴムラテックスの膜を形成することで、雨水等により、地表から浸透してきた水を遮水することができ、その膜上部の土壌に水を貯えることができる。また、天然ゴムラテックスを用いた場合、土壌中に塩化ビニルのようなシートを敷設ないし埋設した場合と異なり、天然ゴムラテックスが土壌中に分解されていくので、天然ゴムラテックス回収処分が不要なため、環境負荷を小さくすることができる。
天然ゴムラテックスとしては、ゴム産生植物から採取される生ラテックス(フィールドラテックス)、あるいは、フィールドラテックスを遠心分離などの公知の濃縮法により蛋白質を除去するなどして濃縮した濃縮天然ゴムラテックス等を使用することができる。濃縮天然ゴムラテックスとしては、保存剤として主にアンモニアを配合したハイアンモニア天然ゴムラテックスや、アンモニア以外にラウリン酸やホウ酸を配合したローアンモニア天然ゴムラテックスが挙げられる。なかでも、低コストであり化学物質を含有しないという理由からハイアンモニア天然ゴムラテックスが好ましい。
通常ラテックスは、時間経過とともにバクテリアが増殖し凝固してしまうため、バクテリアの増殖抑制剤としてアンモニアが添加されているが、ローアンモニア天然ゴムラテックスは、アンモニアの代替としてテトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)や酸化亜鉛が添加されていることが多い。TMTDは、皮膚・眼に対する刺激性、皮膚に対するアレルギー作用、微生物に対する変異原性、哺乳動物細胞に対する染色体異常の誘発等、有害性が大きく、また酸化亜鉛も、水生環境有害性を有することが知られている。本実施形態において、ハイアンモニア天然ゴムラテックスを使用することにより、前記の有害物質の自然環境への流出を防止でき、環境負荷を小さくすることができる。
本実施形態に係る浸透抑制層は、対象とする土壌に対して、天然ゴムラテックスの凝固剤を散布した後に天然ゴムラテックスを散布する工程を2回以上繰り返すことにより形成される。凝固剤、天然ゴムラテックスの順に散布し、土壌表面に天然ゴムラテックスの保水膜を形成させた後に、さらに、凝固剤、天然ゴムラテックスの順に散布することにより、簡便に安定した厚みの天然ゴムラテックスからなる浸透抑制層を形成することができる。このように、本実施形態に係る土壌水の浸透抑制層の形成方法によれば、土壌の性質によらず簡便に安定した厚みの浸透抑制層を形成することができ、土壌の保水力を制御することが容易となる。
一方、天然ゴムラテックス、凝固剤の順で散布した場合、先に散布した天然ゴムラテックスが土壌中に浸透する。その後に凝固剤を散布するため、先に散布した天然ゴムラテックスの地表面側から凝固が始まり、徐々に凝固剤が浸透していき、浸透抑制層が形成される。その場合、天然ゴムラテックスの浸透していく速度は土壌の成分や粒子の形や大きさといった土壌の性質によって異なるため、土壌に合わせて散布量や散布条件を調整する必要があり、層厚の制御が煩雑となる問題がある。
天然ゴムラテックスの使用量の総量は、栽培する植物の種類等に応じて適宜調整されるが、蓄える水分量を確保するという理由から、300g/m2以上が好ましく、500g/m2以上がより好ましく、700g/m2以上がさらに好ましい。また、天然ゴムラテックスの使用量の総量は、保水と排水のバランスの観点から、2000g/m2以下が好ましく、1800g/m2以下がより好ましく、1600g/m2以下がさらに好ましい。2000g/m2を超えると、土壌中の水分が過剰となり、植物が根腐れを起こす懸念がある。
天然ゴムラテックス溶液は、植物の代謝作用による天然の生産物であり、特に分散溶媒が水である、天然ゴム/水系のものが好ましい。天然ゴムラテックス溶液の濃度は、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましい。濃度が10質量%未満であると、天然ゴムラテックスの凝固が進まず、土壌を含む層を形成することができなくなる場合がある。また、天然ゴムラテックス溶液の濃度は、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましい。50質量%を超えると、コストが高くなり、またスプレー等の散布器具の詰りが発生しやすくなる。
凝固剤としては、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸等の無機酸;ギ酸、酢酸、乳酸、シュウ酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、グルクロン酸等の有機酸;およびこれらの酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩;メタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール;ならびにアニオン型高分子凝集剤、カチオン型高分子凝集剤、ノニオン型高分子凝集剤等の凝集剤が挙げられ、コストおよび使用の簡便さの観点から、有機酸および低級アルコールが好適に用いられる。凝固剤は溶媒に溶解ないし懸濁して使用することができ、そのような溶媒としては、水等が挙げられる。
有機酸としては、水への溶解度が高く、かつ分解性がよく、使用者の健康被害や環境負荷が小さいものが好適に用いられる。このような有機酸としては、例えば、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等の炭素数が3〜7のヒドロキシ酸が挙げられ、クエン酸が好ましい。また、ハイアンモニア天然ゴムラテックスに由来するアンモニアとこれらの有機酸との中和作用により、環境負荷を低減でき、中和反応により生じるこれらの有機酸のアンモニウム塩も有害性が低い。
低級アルコールとしては、水への溶解度の観点から、炭素数1〜4のアルコールが好ましく、凝固速度、揮発性、および環境負荷の観点からエタノールがより好ましい。
凝固剤の使用量の総量は、天然ゴムラテックスの凝固速度の観点から、300g/m2以上が好ましく、500g/m2以上がより好ましく、700g/m2以上がさらに好ましい。また、凝固剤の使用量の総量は、コストと環境負荷の観点から、2000g/m2以下が好ましく、1800g/m2以下がより好ましく、1600g/m2以下がさらに好ましい。
凝固剤が固体である場合は、溶媒に溶解または懸濁して使用することが好ましい。凝固剤を溶媒に溶解または懸濁して散布することにより、凝固剤を地表面全体に均一に散布し、浸透抑制層の層厚を均一にすることができる。かかる場合の凝固剤の濃度は、凝固剤の種類により変動するが、一般には、4.0〜30.0質量%の範囲が好ましい。
例えば、凝固剤として有機酸(好ましくは、炭素数が3〜7のヒドロキシ酸)を用い、これを水溶液として使用する場合、該有機酸水溶液の濃度は、4.0質量%以上が好ましく、5.0質量%以上がより好ましく、7.0質量%以上がさらに好ましく、9.0質量%以上が特に好ましい。4.0質量%未満であると、天然ゴムラテックスの凝固が進まず、土壌を含む層を形成することができなくなる場合がある。一方、該有機酸水溶液の濃度の上限は特に制限されないが、コストおよび溶液の調製のしやすさから、30.0質量%以下が好ましく、20.0質量%以下がより好ましく、18.0質量%以下がさらに好ましく、15.0質量%以下が特に好ましい。
また、凝固剤として低級アルコール(好ましくは、炭素数が1〜4のアルコール)を用い、これを水溶液として使用する場合、該アルコール水溶液の濃度は、75質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましく、98質量%以上が特に好ましい。75質量%未満であると、天然ゴムラテックスの凝固速度が遅く、天然ゴムラテックスが土壌に浸透しやすくなり、浸透抑制層の層厚が土壌の性質によって変動しやすくなる傾向がある。
天然ゴムラテックスの使用量に対する凝固剤の使用量(凝固剤の使用量/天然ゴムラテックスの使用量)は、凝固剤の種類により変動するが、一般には0.4〜2.5の範囲が好ましい。
例えば、凝固剤として有機酸(好ましくは、炭素数が3〜7のヒドロキシ酸)を用いる場合、天然ゴムラテックスの使用量に対する凝固剤の使用量(凝固剤の使用量/天然ゴムラテックスの使用量)は、0.4以上が好ましく、0.6以上がより好ましく、0.8以上がさらに好ましい。0.4未満であると、天然ゴムラテックスの凝固速度が遅く、天然ゴムラテックス土壌に浸透しやすくなり、浸透抑制層の層厚が土壌の性質によって変動しやすくなる傾向がある。一方、該使用量(凝固剤の使用量/天然ゴムラテックスの使用量)は、2.5以下が好ましく、2.0以下がより好ましく、1.5以下がさらに好ましい。2.5を超えると、天然ゴムラテックスが少なすぎるため、連続的な浸透抑制層を形成することが困難となる可能性がある。
浸透抑制層の層厚は、蓄える水分量を確保するという理由から、0.3mm以上が好ましく、1.0mm以上がより好ましく、2.0mm以上がさらに好ましく、2.5mm以上が特に好ましい。また、保水と排水のバランスの観点から、15.0mm以下が好ましく、10.0mm以下がより好ましく、8.0mm以下がさらに好ましい。浸透抑制層の層厚を前記の範囲とするために、凝固剤を散布した後に天然ゴムラテックスを散布する工程を2回以上の任意の回数繰り返すことができる。好ましくは2〜10回、より好ましくは2〜5回である。
凝固剤および天然ゴムラテックスの各散布間隔は特に制限されないが、1分程度が好ましい。例えば、高温環境下で最初に散布する凝固剤と天然ゴムラテックスの散布間隔を長くした場合、凝固剤が低級アルコールであれば、天然ゴムラテックスの散布前に低級アルコールが揮発してしまい、天然ゴムラテックスを凝固させることが困難となる。また、凝固剤が有機酸水溶液であれば、天然ゴムラテックスの散布前に水分が蒸発し、固体の凝固剤が地中に残留するが、天然ゴムラテックスの凝固速度は、有機酸水溶液とした場合よりも遅くなるため、浸透抑制層の層厚を均一にすることが困難となる。
凝固剤および天然ゴムラテックスの各回の散布量は、均等量としてもよいし、均等量でなくてもよいが、各回の散布量を徐々に増やすことが好ましい。最初に少量の凝固剤、天然ゴムラテックスの順に散布し、土壌表面に天然ゴムラテックスの保水膜を形成させた後に、凝固剤および天然ゴムラテックスの散布量を徐々に増やしていくことにより、安定した厚みの浸透抑制層を形成することができる。なお、最初に散布する凝固剤の散布量が多い場合、土壌に深く浸透してしまうため凝固剤が無駄になってしまう。また、地表面付近の凝固剤が不足し、その後に散布されたラテックスが十分に凝固しないため、浸透抑制層の層厚を一定とすることが困難となる。
<緑化システム>
本発明の一実施形態である緑化システムは、地中に前記浸透抑制層が埋設されてなることを特徴とする。この緑化システムによれば、地中に天然ゴムラテックスにより構成された浸透抑制層を有することから、灌水や雨水が土中深くに浸透することを抑制し、土壌水分を確保することができる。よって、浸透抑制層上に植物を植えることで、植物の生育に必要な水分を確保することができる。特に、土壌が砂質の地域、雨量が少ない地域等の植物が生育し難い地域において、当該緑化システムを利用することで、植物が生育可能な環境を整備することができる。
浸透抑制層を施工する土壌表面からの深さは、栽培する植物等に応じて適宜調整することができ、3〜300cmが好ましく、5〜200cmがより好ましく、10〜100cmがさらに好ましい。3cmより浅い場合は、水分確保できる土壌が少なく植物の生育には不十分である。また、300cmより深い場合は施工が困難となる傾向がある。なお、前記緑化システムを利用して栽培する植物としては特に限定されない。
植物の栽培方法についても特に限定されず、従来の方法で栽培することができる。また、前記緑化システムは、前記浸透抑制層以外に灌漑装置等、通常の緑化システムが備える装置を備えることができる。
<緑化システムの施工方法>
本実施形態に係る浸透抑制層は、露出させた地中土壌に、一般的に用いられる農薬散布機で凝固剤の溶液および天然ゴムラテックスを散布するにことにより、短時間で容易に形成することができる。したがって、本実施形態に係る緑化システムは、シートのような重量物を張り巡らせる場合とは異なり、特別な設備や重機の使用が不要なため、乾燥地等の僻地においても容易に施工が可能である。
浸透抑制層の施工方法としては、施工対象地の表土を取り除き、地中土壌を露出させる露出工程;露出させた土壌表面に、天然ゴムラテックスの凝固剤を散布した後に天然ゴムラテックスを散布する工程を含み、これを2回以上繰り返すことを特徴とする、土壌水分の浸透抑制層の形成工程;および、形成された浸透抑制層の上に、取り除いた表土を被せる被覆工程、を含む緑化システムの施工方法が挙げられる。
前記露出工程は、施工対象地の表土を保水膜を施工する深さまで取り除き、地中土壌を露出させる工程である。表土を取り除く方法としては特に限定されず、深さや面積に応じて、従来の方法を採用することができる。
前記浸透抑制層の形成工程は、前記の方法を採用することができる。
前記被覆工程は、前記浸透抑制層の上に、取り除いた表土を被覆する工程である。被覆する方法としては特に限定されず、表土の量や面積に応じて、従来の方法を採用することができる。被覆工程を行う場合、浸透抑制層の凝固状態は特に限定されず、凝固途中に被覆工程を行ってもよい。
本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
以下、実施例および比較例において用いた各種材料をまとめて示す。
クエン酸水溶液:米山薬品工業(株)製の無水クエン酸を超純水(milliQ水)に溶解し、所定の濃度としたものを使用した。
エタノール:上野薬品(株)製の99.5%エタノールを使用した。
天然ゴムラテックス:野村貿易(株)製のハイアンモニア天然ゴムラテックスHYTEX−HAを所定の濃度になるように超純水(milliQ水)で希釈し、ナイロンメッシュ(200メッシュ)で濾過したものを使用した。
砂1:豊浦硅石鉱業(株)製の豊浦標準砂(平均粒子径:約0.2mm)を使用した。
砂2:鳥取大学乾燥地研究センター内の圃場の砂から有機物を取り除いたものを使用した(平均粒子径:約0.4mm)。
実施例および比較例
縦200mm、横250mm、深さ500mmのバット内に砂を充填し、表面を長さ300mm、幅30mm、厚み1mmの金属板で平滑にした。その後、表1および表2に記載の数量および散布順序で、(株)工進製の肩掛式手動噴霧器SS−5Pにより凝固剤および天然ゴムラテックスを散布した。保水膜を成膜させた後、バットを80℃で12時間、電気炉で乾燥させた。なお、表1および表2の散布方法において、クエン酸水溶液およびエタノールは「凝固剤」と、天然ゴムラテックスは「ラテックス」と表記した。
<浸透抑制層の層厚測定>
形成された浸透抑制層をバットから引きはがし、中央部を50mm四方に切り出した。(株)キーエンス製マイクロスコープVHX−5000を用いて、各四辺の中央部の厚みを測定し、その平均値を浸透抑制層の層厚とした。
Figure 2019187045
Figure 2019187045
表1および表2の結果より、本発明に係る土壌水分の浸透抑制層の形成方法によれば、土壌の性質によらず簡便に安定した厚みの浸透抑制層を形成できることがわかる。
凝固した天然ゴムラテックスにより構成される本発明にかかる土壌水分の浸透抑制層は、保水能力に優れ、かつ、環境負荷が小さく、容易に施工が可能であるため、特に乾燥地等の僻地における緑化システムの施工において有用である。

Claims (8)

  1. 対象とする土壌に対して、天然ゴムラテックスの凝固剤を散布した後に天然ゴムラテックスを散布する工程を含み、これを2回以上繰り返すことを特徴とする、土壌水分の浸透抑制層の形成方法。
  2. 天然ゴムラテックスの使用量が300〜2000g/m2である請求項1に記載の形成方法。
  3. 天然ゴムラテックスの使用量に対する凝固剤の使用量(凝固剤の使用量/天然ゴムラテックスの使用量)が0.4〜2.5である請求項1または2に記載の形成方法。
  4. 凝固剤が有機酸および/または低級アルコールである請求項1〜3のいずれか一項に記載の形成方法。
  5. 浸透抑制層の層厚が0.3〜15.0mmである請求項1〜4のいずれか一項に記載の形成方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の形成方法により形成された土壌水分の浸透抑制層。
  7. 請求項6に記載の浸透抑制層が土壌表面から3〜300cm地中に施工されてなる緑化システム。
  8. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の形成方法により形成された浸透抑制層の上に3〜300cm表土を被せる被覆工程を含む緑化システムの施工方法。
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